JP2002273811A - 光学用高分子シート - Google Patents

光学用高分子シート

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JP2002273811A
JP2002273811A JP2001076866A JP2001076866A JP2002273811A JP 2002273811 A JP2002273811 A JP 2002273811A JP 2001076866 A JP2001076866 A JP 2001076866A JP 2001076866 A JP2001076866 A JP 2001076866A JP 2002273811 A JP2002273811 A JP 2002273811A
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JP
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polymer sheet
substrate
sheet according
film
gas
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JP2001076866A
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English (en)
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Wataru Kosaka
弥 小坂
Shinji Oono
晋児 大野
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度なガス・水蒸気バリア性を持つ光学用高分
子シートを安価に製造できる方法を提供し、さらにこう
して得られた光学用高分子シートを液晶表示素子用基板
として用いるとき、剥離用基材の剥離性を改善する。 【解決手段】 基材(a)に、厚さ0.1mm以下の剥
離用基材(b)上に保護層とガス・水蒸気バリア層を形
成した転写フィルムをラミネートしてなる高分子シート
において、前期保護層が光硬化性樹脂とシランカップリ
ング剤を主成分とすることを特徴とする高分子シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として液晶表示
装置に用いられるプラスチック基板に使用可能な光学用
高分子シートに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置用プラスチック基板では、
枚葉シートに蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセ
スで、ガス・水蒸気バリア層となる酸化珪素膜や酸化ア
ルミニウム膜を成膜する方法がよく用いられている。こ
れに対し、シート厚が0.3mm程度より薄い場合には
ロール・ツー・ロールで蒸着やスパッタリングで同様の
成膜を行う方法も可能であり、特に厚みが0.1mm以
下の場合にはこのロール・ツー・ロールによる方法が一
般的である。一般にロール・ツー・ロールによる方法は
枚葉シートに成膜する方法より生産性が高いが、シート
の厚さが厚くなるに従い長さに対するロール径が大きく
なるので1回に真空装置内に投入できるシート長さが短
くなり、生産性や成膜コストの点でロール・ツー・ロー
ル法の優位性を十分に発揮できなくなる。しかし、液晶
表示装置の組立工程上、シート厚は少なくとも0.1m
m以上の厚さが要求されるため、成膜コスト低下のため
には、より生産性を上げることが重要である。
【0003】特開平8−234181号公報には、ガス
バリア層と接着層をフィルム上に形成し、これを基材で
あるシートに転写する方法が提案されている。前記公報
に記載の方法を利用し、転写フィルムの厚さを薄くした
場合には、ガス・水蒸気バリア層を薄い転写フィルム上
に成形できるので、ガス・水蒸気バリア層の生産性を向
上することができ、結果として、プラスチック表示素子
用基板の製造コストを下げることが可能となる。しか
し、前記公報に記載されているような転写フィルム側に
接着層を形成する場合、接着層に基材との密着性を考慮
して熱硬化樹脂または光硬化性樹脂を適用すると、その
可使用時間が限られ、例えばコスト低減のために前記公
報に示される転写フィルムを大量に在庫した場合に、接
着層の劣化による密着性の低下、ひいてはガス・水蒸気
バリア性の低下をきたすことがあった。また、薄いフィ
ルム上に形成されたガス・水蒸気バリア層の上に接着層
をコーティングするため、塗工方法によっては皺が寄
り、ガス・水蒸気バリア層を損傷させる事もあった。更
に、酸化珪素や酸化アルミニウムをガスバリア層に用い
る場合、一般に成膜後に上層にコーティングをする前に
空気中で放置することによりガスバリア性が向上するた
め1日から2週間程度の時間放置することを行うので、
コーティングまでを行った状態で在庫する場合にはこの
時間が余分に必要になるという生産性上の無駄があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、高度なガス・水蒸気バリア性を持つ光学用高
分子シートを安価に製造できる方法を提供するものであ
り、さらにこうして得られた光学用高分子シートを液晶
表示素子用基板として用いるとき、剥離用基材の剥離性
を改善することも目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1) 基材(a)に、厚さ0.1mm以下の剥離用基
材(b)上に保護層とガス・水蒸気バリア層を形成した
転写フィルムをラミネートしてなる光学用高分子シート
において、前期保護層が光硬化性樹脂とシランカップリ
ング剤を主成分とすることを特徴とする高分子シート。 (2) 前期シランカップリング剤がメルカプト系シラ
ンカップリング剤である(1)の高分子シート。 (3) 基材(a)がポリエーテルスルホンを含む透明
高分子フィルムから成ることを特徴とした(1)または
(2)の高分子シート。 (4) 基材(a)にガス・水蒸気バリア層との密着性
を高めるための密着層を塗工した後に前記転写フィルム
をラミネートすることによって成形されることを特徴と
する(1)〜(3)の高分子シート。 (5) 密着層が熱硬化樹脂または光硬化性樹脂を主成
分とする樹脂組成物である(4)の高分子シート。 (6) 剥離用基材(b)がラミネート後に、剥離する
ことが可能であることを特徴とする(1)〜(5)の高
分子シート。 (7)剥離用基材(b)が特定波長の光を透過し、通過
した光が光硬化樹脂を硬化させることが可能である
(1)〜(6)の高分子シート。 (8)剥離用基材(b)剥離後の全光線透過率が80%
以上である(1)〜(7)の光学用高分子シート。 (9) (8)の光学用高分子シートを用いて作製した
表示素子用基板。 (10) (9)記載の表示素子用基板を用いて作製し
た表示素子。である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の基材(a)に使用される
高分子材料としては、配向膜焼成工程において、約15
0℃加熱が行われ、また、外部回路との接続のために異
方性導電フィルムと熱圧着させるときも、150℃程度
の加熱が必要であるため、その材料に関しては、ガラス
転移温度が160℃以上であることが必要である。ガラ
ス転移温度が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂として
は、芳香族ポリエーテルスルホン、熱可塑性芳香族ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリアリレート、ポリエステル、環状ポリ
オレフィン及びそのコポリマー等が挙げられるが、中で
も液晶表示素子製造上、透明性、耐熱性、加工性、耐衝
撃性のバランスの良いポリエーテルスルホンが特に好ま
しい。また、ガラス転移温度が160℃を下回らなけれ
ば、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネ
イトなどの樹脂や、滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔
料、染料、無機質充填剤などを適宜ブレンドしても良
い。
【0007】これらの基材(a)の中には、ガス・水蒸
気バリア層との密着性が良いものもあるが、より高い信
頼性を得るためには、基材に密着層を塗工した後に、転
写フィルムをラミネートしても良い。前記密着層は、熱
硬化樹脂又は光硬化樹脂を主成分とする樹脂組成物が好
ましく、熱硬化樹脂の例としては、オルトクレゾールノ
ボラック型エポキシ,ビスフェノールA型エポキシ,ビ
スフェノールF型エポキシ,ビスフェノールS型エポキ
シ,ビフェニル型エポキシ,ジシクロペンタジエン型エ
ポキシ等のエポキシ樹脂や、フェノール樹脂,ビスマレ
イミド,不飽和ポリエステル等を挙げることができ、ま
た、光硬化樹脂としては、エポキシアクリレート,ウレ
タンアクリレート,ポリエチレングリコールアクリレー
ト,グリセロールメタクリレート等のアクリル樹脂や脂
環式エポキシ樹脂を挙げることができるが、特に限定は
しない。また、これらを同時に用いることも構わない。
【0008】本発明の転写フィルムは、剥離用基材
(b)上に保護層とまたはガス・水蒸気バリア層のみを
形成したものである。即ち、接着層を有しないので可使
用時間が限られることが無く、この状態で保管すること
で十分にガスバリア性が発揮されるだけの放置処理を行
うこともできるものである。前記剥離用基材(b)は、
生産性や成膜コストを高めるために、できるだけ薄い方
が望ましく、その厚さは、0.1mm以下が望ましい。
ただし、厚さが0.01mm未満と著しく薄くなると、
剥離する際に切れてしまう等の取り扱いの困難さを生じ
るので0.01mm以上であることが好ましい。また、
密着層に光硬化樹脂を使用する場合には、硬化に必要な
波長の光を通過させることが可能な材質であることが望
ましく、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,脂肪族
ポリアミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレート,ポリスルホン,ポリエーテルスルホ
ン,ポリカーボネート等を挙げることができる。さら
に、前記剥離用基材(b)は、ラミネートした後に剥離
することが可能であることが望ましく、隣接するガス・
水蒸気バリア層又は保護層との密着性は低い方が好まし
い。場合によっては隣接層との間に離型剤等の離型層を
形成しても良い。
【0009】本発明の保護層は、ガス・水蒸気バリア層
を保護するもので、ガス・水蒸気バリア層との密着性が
良く、ある程度の表面高度を持つ材質であり、剥離用基
材(b)とは輸送中やハンドリング時に生じる程度の摩
擦力では剥離せず、なおかつ剥離時には少ない力で剥離
できる程度の密着性をもつことが好ましい。このような
条件の保護層は、光硬化性樹脂とシランカップリング剤
を主成分とすることで得ることができる。光硬化性樹脂
の例としては、エポキシアクリレート,ウレタンアクリ
レート,ポリエチレングリコールアクリレート,グリセ
ロールメタクリレート等のアクリル樹脂や脂環式エポキ
シ樹脂等の単独または混合物およびこれらにシリカ等の
無機フィラーを含有させたものを挙げることができる
が、特に限定はしない。また、シランカップリング剤と
しては、エポキシ系、メルカプト系、アミノ系、メタク
リロキシ系等を挙げることができるが、このうち、メル
カプト系シランカップリング剤が特に好ましい。
【0010】本発明のガス・水蒸気バリア層は、液晶保
護のため又は基板自体の寸歩変化を防ぐためのもので、
ポリビニルアルコールやポリ(エチレンビニルアルコー
ル)のような有機材料や酸化珪素,酸化アルミニウム,
酸化錫,酸化インジウム錫等の無機材料が挙げられる
が、これらの中でもガスバリア性の湿度依存性を有しな
い無機材料の薄膜を成膜する事によって得られるものが
望ましく、成膜方法の例としては、ゾル−ゲル法,真空
蒸着,イオンプレーティング,スパッタリング,CVD
等を挙げることができるが、緻密でガスバリア性に優れ
る膜が得られやすいとこから真空蒸着,イオンプレーテ
ィング,スパッタリング,CVD等の真空成膜法が好ま
しい。
【0011】本発明の転写フィルムは、基材(a)の片
面もしくは両面にラミネートすることができ、片面にラ
ミネートした場合はその裏面に、両面にラミネートした
場合は一面に、場合によってはアンダーコート層を介し
て透明導電層を形成して表示素子用基板が完成する。
【0012】
【実施例】以下実施例に基づき詳細に説明するが、本発
明はこれらにより何ら制限されるものではない。 (実施例1) (1)転写フィルムの作成 厚さ0.02mmの延伸ナイロンフィルム上に、巻出装
置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、ラミネートロール、
高圧水銀灯、巻取装置を有する製造装置を用いて次の加
工を行った。コーター部にキスコーターを用いて、紫外
線硬化性樹脂組成物として融点70℃のエポキシアクリ
レートプレポリマー100重量部、酢酸ブチル300重
量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート100重量部、ベンゾインエチルエーテル2重量
部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.5
重量部を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたも
のを乾燥後膜厚2μmとなるように塗布し、加熱乾燥ゾ
ーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。続い
て塗布面側から高圧水銀灯を用いて紫外線を500mJ
/cm2照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させて
保護層を形成した。この上に、スパッタリング法により
500Å厚のSiOxを得た。xの値はスパッタリング
時の酸素ガス流量を制御することにより1.6〜1.8
とした。このようにして保護層およびガスバリア層を有
する転写フィルムを作成した。作成後、温度30℃湿度
60%の環境で1ヶ月間保存した。 (2)剥離性テスト 得られた転写フィルムを幅2cmに切断し、 SiOx
に接着テープを貼り付け、ピール試験を行った。すなわ
ち、接着テープを少し剥がしてナイロンフィルムと接着
テープ双方を把持し、剥離角180度、引っ張り速度1
0cm/minで剥離したところ、剥離界面は、ナイロ
ンフィルム−保護層界面であり、剥離に必要な力は幅1
cmあたり、約100g重(0.98N)であった。
【0013】(3)光学用高分子シートの作成 厚さ0.2mmのポリエーテルスルホンを基材として用
い、巻出装置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、ラミネー
トロール、高圧水銀灯、巻取装置を有する製造装置を用
いて次の加工を行った。まず、紫外線硬化性樹脂組成物
として融点70℃のエポキシアクリレートプレポリマー
100重量部、酢酸ブチル300重量部,プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート100重量部,
ベンゾインエチルエーテル2重量部を50℃にて撹拌、
溶解して均一な溶液としたものをコーター部のグラビヤ
ロールコーターで乾燥後膜厚5μmとなるように塗布
し、加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を
除去した。続いて温度を80℃に設定したラミネートロ
ールを用いて、前記の転写フィルムをガスバリア層と塗
布面をあわせてラミネートし、基材の裏面側から高圧水
銀灯を用いて紫外線を700mJ/cm2照射し、紫外
線硬化性樹脂組成物を硬化した。ラミネート後、延伸ナ
イロンフィルムを剥離し、光学用高分子シートを得た。
このシートの温度23℃湿度90%における酸素透過度
をJIS K7126のB法(等圧法)を用いて測定し
たところ、0.1cm3/m2・24h・atmであっ
た。また、このシートの温度40℃湿度90%における
水蒸気透過度をJISK7129のB法(赤外センサー
法)を用いて測定したところ、0.2g/m 2・day
であった。さらにこのシートの全光線透過率をJIS
K7105の方法で測定したところ、89%であった。
一般に、表示素子用基板としての全光線透過率は、80
%以上が要求されており、本発明の光学用高分子シート
は、表示素子用基板として十分使用できるものであるこ
とがわかった。続いて、以下のような手順で液晶表示用
素子を作製した。まず、上記光学用高分子シートに透明
導電膜として、DCマグネトロン法により初期真空度3
×10-4Paの状態から酸素/アルゴンガス4%の混合
ガスを導入して1×10-1Paの条件下においてスパッ
タリングを行いIn/(In+Sn)の原子比が0.98
である酸化インジウム錫(ITO)からなる透明導電膜
を得た。測定の結果、膜厚は1600Å、比抵抗は4×
10-4Ω−cmであった。ITOを成膜後、レジストを
塗布して現像し、エッチング液として10vol%HC
l、液温40℃中でパターンエッチングし、対角長さ3
インチ、L/S=150/50μmの表示パターンを形
成した。パターン形成後、STN用配向膜を塗布し、1
50℃2hrの焼成処理を行った後、240度ツイスト
の配向となるようラビング処理を行った。ラビング処理
後、スペーサーを散布し、シール剤を塗布し、130℃
でシール硬化させてセル化し、STN用液晶組成物を注
入した。偏光板をコントラストの最大となる位置に貼り
合わせて液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は
ガスバリア性不足による気泡の発生がなく表示欠点は観
察されなかった。
【0014】(実施例2) (1)転写フィルムの作成 厚さ0.02mmの延伸ナイロンフィルム上に、巻出装
置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、ラミネートロール、
高圧水銀灯、巻取装置を有する製造装置を用いて次の加
工を行った。コーター部にキスコーターを用いて、紫外
線硬化性樹脂組成物として25℃において液状であるウ
レタンアクリレートプレポリマー60重量部、融点70
℃のエポキシアクリレートプレポリマー40重量部、酢
酸ブチル300重量部、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート100重量部、ベンゾインエチル
エーテル2重量部、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン0.5重量部を50℃にて撹拌、溶解して均一
な溶液としたものを乾燥後膜厚2μmとなるように塗布
し、加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を
除去した。続いて塗布面側から高圧水銀灯を用いて紫外
線を500mJ/cm 2照射し、紫外線硬化性樹脂組成
物を硬化させて保護層を形成した。この上に、スパッタ
リング法により500Å厚のSiOxを得た。xの値は
スパッタリング時の酸素ガス流量を制御することにより
1.6〜1.8とした。このようにして保護層およびガ
スバリア層を有する転写フィルムを作成した。作成後、
温度30℃湿度60%の環境で1ヶ月間保存した。 (2)剥離性テスト 得られた転写フィルムを幅2cmに切断し、 SiOx
に接着テープを貼り付け、ピール試験を行った。すなわ
ち、接着テープを少し剥がしてナイロンフィルムと接着
テープ双方を把持し、剥離角180度、引っ張り速度1
0cm/minで剥離したところ、剥離界面は、ナイロ
ンフィルム−保護層界面であり、剥離に必要な力は幅1
cmあたり、約200g重(1.96N)であった。
【0015】(3)光学用高分子シートの作成 厚さ0.2mmのポリシクロオレフィンフィルムを基材
として用い、巻出装置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、
ラミネートロール、第2加熱ゾーン、巻取装置を有する
製造装置を用いて次の加工を行った。まず、ジシクロペ
ンタジエン型エポキシ10重量部、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ5重量部、メルカプトプロピオン酸
10重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート45重量部の混合液を乾燥後膜厚1μmとな
るようコーター部にキスコーターを用いて塗布し、加熱
乾燥ゾーン中80℃で3分間加熱して溶媒を除去した。
続いて温度を120℃に設定したラミネートロールを用
いて、前記の転写フィルムをガスバリア層と塗布面をあ
わせてラミネートし、第2加熱ゾーンで120℃3分間
加熱し、エポキシ樹脂組成物を熱硬化した。その後、延
伸ナイロンフィルムを剥離し、光学用高分子シートを得
た。このシートの温度23℃湿度90%における酸素透
過度をJIS K7126のB法(等圧法)を用いて測
定したところ、0.1cm3/m2・24h・atmであ
った。また、このシートの温度40℃湿度90%におけ
る水蒸気透過度をJIS K7129のB法(赤外セン
サー法)を用いて測定したところ、0.2g/m2・d
ayであった。さらにこのシートの全光線透過率をJI
S K7105の方法で測定したところ、89%であっ
た。続いて実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子はガスバリア性不足による気泡の発生
がなく表示欠点は観察されなかった。
【0016】《比較例1》 (1)転写フィルムの作成 厚さ0.02mmの延伸ナイロンフィルム上に、巻出装
置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、ラミネートロール、
高圧水銀灯、巻取装置を有する製造装置を用いて次の加
工を行った。コーター部にキスコーターを用いて、紫外
線硬化性樹脂組成物として融点70℃のエポキシアクリ
レートプレポリマー100重量部、酢酸ブチル300重
量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート100重量部、ベンゾインエチルエーテル2重量
部、を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたもの
を乾燥後膜厚2μmとなるように塗布し、加熱乾燥ゾー
ン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。続いて
塗布面側から高圧水銀灯を用いて紫外線を500mJ/
cm2照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させて保
護層を形成した。この上に、スパッタリング法により5
00Å厚のSiOxを得た。xの値はスパッタリング時
の酸素ガス流量を制御することにより1.6〜1.8と
した。さらに、SiOx層の上に、巻出装置、コーター
部、加熱乾燥ゾーン、巻取装置を有する製造装置を用い
て次の加工を行った。まず、紫外線硬化性樹脂組成物と
して融点70℃のエポキシアクリレートプレポリマー1
00重量部、酢酸ブチル300重量部,プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート100重量部,ベ
ンゾインエチルエーテル2重量部を50℃にて撹拌、溶
解して均一な溶液としたものをコーター部のグラビヤロ
ールコーターで乾燥後膜厚5μmとなるように塗布し、
加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去
した。このようにして保護層、ガスバリア層、および密
着層を有する転写フィルムを作成した。作成後、温度3
0℃湿度60%の環境で暗所に1ヶ月間保存した。
【0017】(2)剥離性テスト 得られた転写フィルムを幅2cmに切断し、 SiOx
に接着テープを貼り付け、ピール試験を行った。すなわ
ち、接着テープを少し剥がしてナイロンフィルムと接着
テープ双方を把持し、剥離角180度、引っ張り速度1
0cm/minで剥離したところ、剥離界面は、ナイロ
ンフィルム−保護層界面であり、剥離に必要な力は幅1
cmあたり、約150g重(1.47N)であった。
【0018】(3)光学用高分子シートの作成 厚さ0.2mmのポリエーテルスルホンを基材として用
い、前記の転写フィルムの密着層面とあわせて、温度を
80℃に設定したラミネートロールを用いてラミネート
し、基材の裏面側から高圧水銀灯を用いて紫外線を70
0mJ/cm2照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化
した。その後、延伸ナイロンフィルムを剥離したとこ
ろ、十分な接着性が得られずガスバリア層を基材側に部
分的にしか転写することができなかった。このシートの
温度23℃湿度90%における酸素透過度をJIS K
7126のB法(等圧法)を用いて測定したところ、
1.8cm3/m2・24h・atmであった。また、こ
のシートの温度40℃湿度90%における水蒸気透過度
をJIS K7129のB法(赤外センサー法)を用い
て測定したところ、2.1g/m2・dayであった。
さらにこのシートの全光線透過率をJIS K7105
の方法で測定したところ、76%であった。続いて実施
例1と同様に液晶表示素子を作製した。この液晶表示素
子はガスバリア性不良による気泡の発生があり表示欠点
が観察された。
【0019】《比較例2》 (1)転写フィルムの作成 厚さ0.02mmの延伸ナイロンフィルム上に、巻出装
置、コーター部、加熱乾燥ゾーン、ラミネートロール、
高圧水銀灯、巻取装置を有する製造装置を用いて次の加
工を行った。コーター部にキスコーターを用いて、紫外
線硬化性樹脂組成物として25℃において液状であるウ
レタンアクリレート60重量部、融点70℃のエポキシ
アクリレートプレポリマー40重量部、酢酸ブチル30
0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート100重量部、ベンゾインエチルエーテル2重
量部、を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたも
のを乾燥後膜厚2μmとなるように塗布し、加熱乾燥ゾ
ーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。続い
て塗布面側から高圧水銀灯を用いて紫外線を500mJ
/cm2照射し、紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させて
保護層を形成した。この上に、スパッタリング法により
500Å厚のSiOxを得た。xの値はスパッタリング
時の酸素ガス流量を制御することにより1.6〜1.8
とした。さらに、SiOx層の上に、巻出装置、コータ
ー部、加熱乾燥ゾーン、巻取装置を有する製造装置を用
いて次の加工を行った。まず、ジシクロペンタジエン型
エポキシ10重量部、オルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ5重量部、メルカプトプロピオン酸10重量部、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4
5重量部の混合液を乾燥後膜厚1μmとなるようコータ
ー部にキスコーターを用いて塗布し、加熱乾燥ゾーン中
80℃で3分間加熱して溶媒を除去した。このようにし
て保護層、ガスバリア層、および密着層を有する転写フ
ィルムを作成した。作成後、温度30℃湿度60%の環
境で暗所に1ヶ月間保存した。 (2)剥離性テスト 得られた転写フィルムを幅2cmに切断し、 SiOx
に接着テープを貼り付け、ピール試験を行った。すなわ
ち、接着テープを少し剥がしてナイロンフィルムと接着
テープ双方を把持し、剥離角180度、引っ張り速度1
0cm/minで剥離したところ、剥離界面は、ナイロ
ンフィルム−保護層界面であり、剥離に必要な力は幅1
cmあたり、約300g重(2.94N)であった。
【0020】(3)光学用高分子シートの作成 厚さ0.2mmのポリシクロオレフィンフィルムを基材
として用い、前記の転写フィルムの密着層面とあわせ
て、温度を120℃に設定したラミネートロールを用い
てラミネートし、第2加熱ゾーンで120℃3分間加熱
し、エポキシ樹脂組成物を熱硬化した。その後、延伸ナ
イロンフィルムを剥離したところ、十分な接着性が得ら
れずガスバリア層を基材側に部分的にしか転写すること
ができなかった。このシートの温度23℃湿度90%に
おける酸素透過度をJIS K7126のB法(等圧
法)を用いて測定したところ、1.6cm3/m2・24
h・atmであった。また、このシートの温度40℃湿
度90%における水蒸気透過度をJIS K7129の
B法(赤外センサー法)を用いて測定したところ、2.
0g/m2・dayであった。さらにこのシートの全光
線透過率をJIS K7105の方法で測定したとこ
ろ、78%であった。続いて実施例1と同様に液晶表示
素子を作製した。この液晶表示素子はガスバリア性不良
による気泡の発生があり表示欠点が観察された。以上の
ように、本発明の方法によれば、ラミネート前の状態で
約1ヶ月間の保存を行うことができるとともに、保護層
にシランカップリング剤を加えることで、剥離性が向上
し、作業性を改善させることが可能であることが証明さ
れた。
【0021】
【発明の効果】本発明は、ガス・水蒸気バリア性の良好
なプラスチック表示素子用基板に最適な光学用高分子シ
ートを安価に生産性良く製造できるものであり、この方
法により製造されたプラスチック表示素子用基板を用い
た表示素子は、ガラス基板を用いた表示素子に劣らない
良好な表示性能を示した。さらに、シランカップリング
剤の添加により、保護層と、剥離用基材との剥離性が向
上し、作業性が大きく改善された。以上のことより、本
発明は、ガラス基板に比べて軽く割れにくい特徴を持つ
プラスチック表示素子用基板のコストダウンに極めて有
効である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JA07 JB03 JB11 JC07 JD11 JD12 4F100 AA20 AH04C AH04H AH06C AH06H AK01C AK01E AK25 AK48 AK55A AL06A AR00B AR00D AR00E AS00C AT00A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D EH46 EH66 EJ08C EJ37 EJ42 EJ54 GB41 JB13E JB14C JB14E JD02 JD02B JD04 JD04B JK06E JL11E JL14 JL14D JN01D JN08D

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材(a)に、厚さ0.1mm以下の剥
    離用基材(b)上に保護層とガス・水蒸気バリア層を形
    成した転写フィルムをラミネートしてなる高分子シート
    において、前記保護層が光硬化性樹脂とシランカップリ
    ング剤を主成分とすることを特徴とする高分子シート。
  2. 【請求項2】 前記シランカップリング剤がメルカプト
    系シランカップリング剤である請求項1記載の高分子シ
    ート。
  3. 【請求項3】 基材(a)がポリエーテルスルホンを含
    む透明高分子フィルムから成ることを特徴とした請求項
    1または2記載の高分子シート。
  4. 【請求項4】 基材(a)にガス・水蒸気バリア層との
    密着性を高めるための密着層を塗工した後に前記転写フ
    ィルムをラミネートすることによって成形されることを
    特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の高分子シー
    ト。
  5. 【請求項5】 密着層が熱硬化樹脂または光硬化性樹脂
    を主成分とする樹脂組成物である請求項4記載の高分子
    シート。
  6. 【請求項6】 剥離用基材(b)がラミネート後に、剥
    離することが可能であることを特徴とする請求項1〜5
    何れか一項記載の高分子シート。
  7. 【請求項7】 剥離用基材(b)が特定波長の光を透過
    し、通過した光が光硬化樹脂を硬化させることが可能で
    ある請求項1〜6何れか一項記載の高分子シート。
  8. 【請求項8】 剥離用基材(b)剥離後の全光線透過率
    が80%以上である請求項1〜7何れか一項記載の光学
    用高分子シート。
  9. 【請求項9】請求項8記載の光学用高分子シートを用い
    て作製した表示素子用基板。
  10. 【請求項10】請求項9記載の表示素子用基板を用いて
    作製した表示素子。
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