JP4407265B2 - 表示パネル用プラスチックシートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平面平滑性に優れた表示パネル用プラスチックシートの製造方法に関するものである。
従来、液晶表示パネル等の表示パネル用透明電極基板にはガラス基板が採用されてきたが、ガラス基板を用いた表示パネルにおいては、ガラス基板自体が厚いため表示パネル自体の薄型化が困難であると共に、軽量化しにくいという欠点があり、更に耐衝撃性の点で問題があった。
このガラス基板表示パネルのもつ欠点を改善する方法として、高分子シートを用いて表示パネルを作製することにより、軽量化、耐衝撃性の向上が検討されている。
従来、ガラス基板の代わりに導電性酸化金属物質を蒸着した長尺のポリエステルフィルムを用いて液晶表示パネルを連続して製造することが示されている。(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。ところが、研磨により極めて良好な平滑性が得られるガラス基板と異なり、プラスチックシートの場合には表面の平滑性に優れているとは言い難いものであった。特に、高精細な表示を得るためにSTN(Super Twisted Nematic)型液晶
表示パネルとした場合には、間隔を0.1μm単位で制御された基板間の液晶の複屈折性を利用して表示を行うために前記のプラスチックシートの表面平滑性が極めて重大になっている。
表面平滑性を解決する方法として、液状の紫外線硬化性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物を研磨ガラス面上等に流し込み、これを硬化してシートを得る方法が提案されている。しかし、本方法では、得られるシートが脆く取り扱い時に割れたり欠けるという問題が起こっており、ガラス基板に対してプラスチックシートを用いる優位性が十分発揮されていない。さらに、該方法は生産性が低く、結果として基板が高価になってしまう。また、表面を研磨した金属ロールやエンドレスベルトの表面を連続的に転写する方法が提案されているが、金属と紫外線硬化樹脂層の離型性が充分でなかったり、金属との離型性が良好な紫外線硬化樹脂では、硬化後の耐熱性が不足しており、液晶表示パネルとして使用すると、異方導電フィルムによる接続信頼性が低下したり、表示品位が低下する問題があった。
また、耐熱性のあるベース基板に、硬化性の樹脂を平滑にコートして硬化することで、表面平滑性を得る方法が提案されている。ところが、ベース基板の片面にワイヤーバーなどを用いて硬化性樹脂組成物を塗布して硬化すると、硬化性樹脂組成物の硬化収縮により基板に反りが発生するため、つづいて塗布面の裏面に同様に硬化性樹脂組成物を塗布する際に、反りが発生した基板に塗布するため、基板面内で膜厚が均一にすることが困難であり、両面塗布後でもなおベース基板に反りが解消しない問題があった。また、ディップ法などの方法で、低粘度の液を直接基板の両面に同時にコートすると、塗布後、乾燥および硬化するための加熱時に、液の粘度が更に低下して液が流れ、垂直方向に膜厚分布が発生するために、基板にうねりが発生する問題があった。また、両面同時に塗工、乾燥ができる製造装置は、装置自体が高価になる問題があった。
特開昭53−68099号公報 特開昭54−126559号公報
本発明の目的とするところは、反りやうねりがなく、表面平滑性に優れ、充分な強度、耐熱性等優れた特性を兼ね備えた、基板等の表示パネル用プラスチックシートを効率よく連続生産するための製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)転写用基材(1)に硬化性樹脂組成物(1)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めた後、ベースシート上に熱ラミネートし、さらに硬化を進めて有機物層(1)を形成後、転写用基材(1)を有機物層(1)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(1)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
(2)転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(2)を塗布・硬化させて有機物層(2)を形成した後、その有機物層(2)上に無機物層を形成させ、さらに無機物層上に硬化性樹脂組成物(3)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めた後、ベースシート上に熱ラミネートし、さらに硬化を進めて有機物層(3)を形成後、転写用基材(1)を有機物層(2)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(3)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
(3)転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(4)を塗布・硬化させて有機物層(4)を形成した後、その有機物層(4)上に無機物層を形成させて、積層体(1)を作製し、一方、ベースシート上に硬化性樹脂組成物(5)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(5)を形成した後、積層体(1)と熱ラミネートし、さらに硬化を進めて、転写用基材(1)を有機物層(4)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(5)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
(4)転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(6)を塗布・硬化させて有機物層(6)を形成した後、その有機物層(6)上に無機物層を形成させて積層体(2)を作製し、一方、転写用基材(2)に硬化性樹脂組成物(7)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(7)を形成した後、ベースシート上に熱ラミネートし、冷却した後、転写用基材(2)から有機物層(7)を剥離して積層体(3)を作製した後、積層体(3)を再度加熱して有機物層(7)を溶融させ、前記積層体(2)の無機物層を有機物層(7)に合わせてラミネート後、さらに硬化を進めて転写用基材(1)を剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(7)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
(5)前記有機物層(1),(2),(4),および(6)のガラス転移温度が150℃以上である(1)〜(4)記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
(6)前記無機物層が水蒸気バリア性を有する(2)〜()記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
(7)前記無機物層が珪素酸化物または珪素窒化物または珪素窒化酸化物を主成分とする(2)〜()記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
(8)前記転写用基材(1)及び/または(2)の表面粗さがRa100nm以下である(1)〜(7)記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
(9)前記転写用基材(1)及び/または(2)が離型処理されている(1)〜(8)記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
10)前記表示パネル用プラスチックシートが連続的に巻き取ることを特徴とする(1)〜()記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
本発明の製造方法によれば、反りやうねりがなく、表面平滑性に優れ、充分な強度、耐熱性を兼ね備えた、表示パネル用プラスチックシートを効率よく連続生産することができる。
本発明は、転写用基材上に有機物層を形成後、ベースシートに転写することにより、ベースシート上の有機物層の膜厚が均一で、また、両面同時に有機物層の硬化を促進することより、反りやうねりがなく、表面平滑性に優れ、充分な強度、耐熱性等を優れた特性を兼ね備えた液晶表示パネル用基板等の表示パネル用プラスチックシートが形成可能で、さらに、転写用基材上に硬化性樹脂組成物を塗布後、室温でタック性を持たず 且つ DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで硬化反応を進めた後、ベースシート上に熱ラミネートし、さらに硬化を進めた後転写用基材を有機物層から剥離する方法を用いることにより、効率よく連続生産するための製造方法を見出したものである。本発明でいうタック性とは僅かな力で接着する性質を意味する。転写用基材に硬化性樹脂組成物を塗布・乾燥・硬化を促進した転写用基材をロール品として巻き取る場合、タック性があると転写用基材間で接着することが発生する為、離形処理したフィルム等を転写用基材間に配置しなければならず、コスト的に好ましくない。
本発明の製造方法を説明すると、水蒸気および/またはガスバリア性を有するベースシート、またはプラスチックシートに水蒸気および/またはガスバリア性の特性が必要としない場合には図1に示す方法で、ベースシート自体に水蒸気および/またはガスバリア性がなく、プラスチックシートに水蒸気および/またはガスバリア性の特性を必要とする場合、図2〜4に示す方法で表示パネル用プラスチックシートを形成することができる。
さらに具体的に説明すると 請求項1の製造方法は図1に示すように、先ず、転写用基材(1)に硬化性樹脂組成物(1)を塗布後、室温でタック性を持たず 且つ DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めたシートを作製する。その後、そのシートを加熱し、樹脂を溶融させた後、ベースシート上に熱ラミネートしてベースシートと積層した後、さらに硬化性樹脂組成物(1)の硬化を進めて有機物層(1)を形成した後、転写用基材(1)を有機物層(1)から剥離する方法である。図1に示すように、ベースシートの両面に転写しても、またこれとは別に、片面に転写しても良い。
請求項2の製造方法は図2に示すように、先ず、転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(2)を塗布・硬化させて有機物層(2)を形成した後、その有機物層(2)上に無機物層を形成させ、さらに無機物層上に硬化性樹脂組成物(3)を塗布後、室温でタック性を持たず 且つ
DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めたシートを作製する。その後、そのシートを加熱し、樹脂を溶融させた後、ベースシート上に熱ラミネートしてベースシートと積層した後、さらに硬化性樹脂組成物(3)の硬化をさら
に進めて有機物層(3)を形成後、転写用基材(1)を有機物層(2)から剥離する方法である。
これも、請求項1の製造方法に関する説明と同様に、片面のみの転写であっても良い。
請求項3の製造方法は図3に示すように、先ず、転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(4)を塗布・硬化させて有機物層(4)を形成した後、その有機物層(4)上に無機物層を形成させて、積層体(1)を作製する。一方、ベースシート上に硬化性樹脂組成物(5)を塗布後、室温でタック性を持たず 且つ DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(5)を形成する。この場合、ベースシートの厚みは1
50μm以上が好ましい。150μm以下であると硬化反応を進めた時、ベースシートに
反りやうねりが発生する事がある。さらに、ベースシートを加熱し、有機物層(5)の樹脂
を溶融させた後、積層体(1)と熱ラミネートし、さらに有機物層(5)の硬化を進めて、転写用基材(1)を有機物層(4)から剥離する方法である。これも片面のみの転写であっても良い。
請求項4の製造方法は図4に示すように、先ず、転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(6)を塗布・硬化させて有機物層(6)を形成した後、その有機物層(6)上に無機物層層を形成させて積層体(2)を作製する。一方、転写用基材(2)に硬化性樹脂組成物(7)を塗布後、室
温でタック性を持たず 且つ DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(7)を形成したシートを作製する。このシートを加熱
し、有機物層(7)の樹脂を溶融させた後、ベースシート上に熱ラミネートし、冷却した後
、転写用基材(2)から有機物層(7)を剥離して積層体(3)を作製する。その後、積層体(3)を再度加熱して有機物層(7)を溶融させ、前記積層体(2)の無機物層側を有機物層(7)に合わ
せてラミネートして積層した後、さらに硬化を進めて転写用基材(1)を剥離する方法であ
る。この場合も、片面のみの転写であっても良い。
本発明では、ベースシートに硬化性樹脂組成物を積層する際、一旦転写用基材に硬化性樹脂組成物を塗布し、溶剤があれば乾燥し、さらにDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで 好ましくは60〜80%まで反応促進させる。この時、上記硬化性樹脂組成物は、室温ではタック性を持たず、熱ラミネート時には、硬化性樹脂組成物は流動性を持ち、気泡のかみ込み等を起こさないでラミネートが可能である。硬化性樹脂組成物の反応率を上げるための加熱方法は、特に限定しないが、熱風乾燥のほかに赤外線ヒーターやマイクロウエーブ加熱などの方法を用いても良い。硬化性樹脂組成物によっては、高圧水銀ランプなどによる紫外線硬化や、電子線硬化等を用いることもできる。つづいて、この転写用基材上の樹脂をベースシート上にラミネートにより転写する。こうする事によって、両面同時にベースシート上に硬化性樹脂組成物を積層・硬化することが可能であり、片面に積層された硬化性樹脂組成物の硬化収縮による反りを抑制できる。さらに、ベースシート上へラミネートされた時点では、すでに硬化性樹脂組成物中の溶剤が乾燥され、樹脂の硬化も進めていることができるので、粘度低下による液流れがなく、コート厚みムラが発生しないので、反り、うねりがないシートを作製できる。また、厚みが150μm以下のベースシートの場合、ベースシート自体の圧縮弾性率が小さい為、基板表面に直接コート樹脂を塗布・硬化した場合、コート樹脂の硬化収縮によりベースシートにうねりが発生する事がある。しかし、DSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで反応促進させたコート樹脂をラミネートする事で、ラミネート後に発生する硬化収縮を抑制する事ができるため、うねりのない基板を得ることができる。反応率が下限値より低い場合、うねりの発生を完全に抑制する事はできず、上限値を超える場合にはラミネート時の樹脂の流動性が少なく、気泡を巻き込みやすくなり、外観不良が発生する。
また、ベースシートがロール品である場合では、転写基材への硬化性樹脂組成物の塗布・硬化工程や、ベースシート上へのラミネート・剥離・硬化促進工程でも、汎用の装置によりロール−to−ロールで加工することができるため生産性が良く、コストメリットも高い。
本発明中のベースシートの例を挙げると、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン系高分子及びこれをブレンドした樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ、フェノール樹脂などの熱硬化性の樹脂成型物や、これらの樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板などをあげることができるがこれらに限定されるものではない。中でも液晶表示パネル製造上、耐熱性、加工性、耐衝撃性のバランスの良いポリエーテルサルホンや、耐熱性を必要とする場合には、エポキシ樹脂やシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板が特に好ましい。ベースシートの厚みは、10μm以上500μm以下が好ましく、更に好ましくは50μm以上300μm以下である。ベースシートの厚みが10μm未満であると切れやすく取り扱いが困難であり、又、液晶表示パネルの基板間隔の保持が難しく、500μmを越えると、基板を屈曲したときに割れやすくなる。また、ベースシートの表面には、その上に積層する硬化性樹脂組成物との密着性を向上させるために、コロナ処理、UV−オゾン処理、カップリング剤によるプライマー処理を施したり、銅箔の表面など微細な凹凸のある面を転写させたり、サンドブラスト処理したりして、表面に微細な凹凸を施しても良い。
本発明で用いられる転写用基材の例を挙げると、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ノルボルネン系高分子及びこれをブレンドした樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。中でも、耐熱性、厚み精度、コストの面から二軸延伸したポリエステルフィルムが好ましい。転写用基材の厚みは、25μm以上300μm以下が好ましく、25μm以上200μm以下がより好ましい。転写用基材の厚みが下限値未満であると、塗工時やラミネート時にシワが発生して取り扱いが困難であり、上限値を超えるとコストが高くなる問題がある。転写用基材の表面には、離型処理、帯電防止処理、易滑処理などを施しても良い。
本発明で転写用基材に塗工する硬化性樹脂組成物(1)〜(7)は、7つが同一のものでも異なるものでも良い。基板の最外層になる有機物層(1),(2),(4),(6)の材質については特に
制限はないが有機物層、液晶表示パネルに使用する場合、ガラス転移温度が150℃以上の硬化性樹脂硬化物が選定することが好ましい。ガラス転移温度が150℃未満の可塑性樹脂を有機物層として使用すると TFT素子形成や配向膜形成時との加熱により変形することがある。ガラス転移温度が150℃以上の硬化性樹脂硬化物の例を挙げると、エポキシ樹脂、シアネート樹脂やフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物、アクリレート化合物等の紫外線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。また、硬化物組成物(3)、(5)、(7)はこの様な制約がない為、特に制限はないが、DSCの反応率が調整しやすいエポ
キシ樹脂、シアネート樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂組成物が好ましい。これらの樹脂は、塗布装置により転写用基材上に塗布し、溶剤を含む場合には乾燥装置により溶剤の揮発を行い、さらに樹脂の硬化を促進する。樹脂成分には、必要に応じてフィラー成分、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤などを添加しても良い。
また、反射型表示パネル用のベースシートに使用する場合は 光線透過率を高くする必要性はないが、透過型表示パネル用に使用する場合は、樹脂硬化後の光線透過率が70%以上有する樹脂を用いる事が好ましい。
本発明では、硬化性樹脂組成物を塗工した転写用基材を、ベースシートにラミネートして密着させ、さらに硬化を促進させた後、このシートから、転写用基材のみを剥離して、硬化性樹脂組成物を転写したベースシートを作製するが、転写用基材上で硬化性樹脂組成物の反応率を上げることにより、転写用基材と硬化性樹脂組成物間で離型効果が低下し、充分な離型性を得られない場合がある。その場合は、転写用基材上に離型処理をすることが好ましい。離型処理で用いられる離型剤の例として、ワックス、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂等挙げることもできるが、これに限定するものではない。
また、転写用基材を離型する際の硬化性樹脂組成物の反応を促進するため、転写後の硬化性樹脂組成物の表面は、転写用基材の表面形状とほぼ同じになる。平滑な表面を得る必要がある場合は、表面が平滑な転写用基材を適用することが好ましい。セルギャップの精度が表示体の重要な因子となる液晶表示パネル用基板の場合、表面粗さ(Ra)100nm以下が求められる。これら表面が平滑な転写用基材としては二軸延伸したポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等が挙げられるが、これに限定するものではない。
本発明の無機物層に関しては、何ら制限はないが、例としてSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce等の1種以上を含む酸化物もしくは窒化物もしくは酸化窒化物などを用いる事ができる。無機物層は厚すぎると曲げ応力によるクラックの恐れがあり、薄すぎると無機物層が島状に分布するため、いずれも水蒸気バリア性が悪くなる。上記のことから、無機物層の厚みは5nm〜500nmの範囲が好ましいが特に限定しない。また、反射型表示パネル用のプラスチックに使用する場合は 高透明性を有する必要性はないが、透過型表示パネル用に使用する場合は、水蒸気バリア性と高透明性とを両立する必要
があり、両立させるには、無機物層として珪素酸化物や珪素酸化窒化物を使うのが好ましい。珪素酸化物はSiOxと表記され、たとえば、無機物層としてSiOxを用いる場合、良好な水蒸気バリア性と高い光線透過率を両立させるには1.6<x1.9である事が望ましい。
珪素酸化窒化物はSiOxNyと表記され、たとえば、無機物層としてSiOxNyを用いる場合、このxとyの比率は密着性向上を重要視するなら、酸素リッチ膜として、1<x<2,0<y<1が好ましく、また、水蒸気バリア性を重要視するなら、窒素リッチ膜として、0<x<0.8,0.8<y<1.3が好ましい。無機物層の成膜は特に限定するものではないが、例として蒸着やスパッタリングで成膜することできる。
(実施例1)
PETフィルム(転写用基材(1):東洋紡製、A4100、500mm幅、125μ厚
)の平滑面(Ra20nm)にシリコーン系の離型処理を施した後、エポキシ樹脂(新日鐵化学製ESN−375)30重量部、シアネート樹脂(ロンザジャパン製PT−60)10重量部、酸触媒(ダイセル化学工業製Ex−1)0.6重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L−7001)0.04重量部(樹脂成分に対して1000ppm)、シクロヘキサノン35重量部、N−メチルピロリドン35重量部を調合してなる熱硬化性樹脂組成物(1)ワニスを、連続コーターで、乾燥膜厚10μmになるように塗工し
、乾燥条件として120℃で、18分間乾燥し、仮硬化させた。乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(1)はタック性がなく、370mm×470mmサイズ内での厚みばらつきは10.
0μm±1.0μmであった。この第1段階の硬化時に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(1)のDSCで得られる発熱ピークの積分値(A)と、未硬化時の発熱ピークの積分値(B
)とから得られる反応率(1−A/B)は、80%であった。つづいて、ベースシートとしてエポキシ/ガラスクロス複合基板(住友ベークライト製 スミライト EL−4765 200μm厚)を370mm×470mmサイズに切り出し、熱硬化性樹脂組成物(1)付きPETフィルムを、熱硬化性樹脂組成物(1)がベースシートに接するように、温度85℃、速度0.1m/min、線圧0.5kg/cmで、ベースシートの両面にラミネートした。ラミネート時に、熱硬化性樹脂組成物(1)は充分に軟化してベースシートに気泡
のかみ込みなどの外観不良も無くラミネートされた。また、ラミネート後の熱硬化性樹脂組成物(1)を、DSCで測定したところ、発熱ピークの積分値の比より求められる反応率
(1−A/B)は約80%と、ラミネート前と同じであった。ラミネートされたシートを、転写基材を貼り合わせたままシートの端部を治具で保持して、弛まない様に張力をかけて固定した後、150℃で90分焼成して第2段階の硬化処理を行い、有機物層(1)を得
た。室温まで充分に冷却した後、PETと有機物層(1)の界面でPETフィルムだけを剥
離して、有機物層(1)付きのベースシートを作成した。
焼成後の有機物層(1)をDSCで測定すると、発熱ピークの積分値の比より求められる
反応率(1−A/B)は、98%であった。焼成後も有機物層の膜厚の面内ばらつきは、10.0μm±0.5μmと良好であった。得られたプラスチックシートは、厚みが220μmで平板上に置いた時にも反りやうねりがなく 表面粗さ(Ra)が40nmであり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、さらに強度、耐熱性などの条件も表示パネル用の基板として十分使用可能であった。
(実施例2)
実施例1に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(1)ワニスを、120℃10min乾燥
して、DSCから求められる反応率が50%とした以外は、実施例1と同様にして基板を作成した。得られたプラスチックシートは、厚みが220μmで平板上に置いた時にも反りやうねりがなく、表面粗さ(Ra)が40nmであり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、さらに強度、耐熱性などの条件も表示パネル用の基板として十分使用可能であった。
(実施例3)
ベースシートにポリエーテルサルフォンフィルム(住友ベークライト製 スミライト FS−5300 200μm厚 ロール品)を用いた以外は、実施例1と同様の条件にて基板を作成した。得られたロールシートは、厚み220μmで、平板上に置いた時にも反りやうねりがなく、表面粗さ(Ra)が20nmであり、波長550nmでの光線透過率が80%であり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、強度、耐熱性などの条件も表示パネル用の基板として十分使用可能であった。
(実施例4)
PETフィルム(転写用基材(1):東洋紡製、A4100、500mm幅、125μ厚
)の平滑面(Ra20nm)にシリコーン系離型処理を施した後、紫外線硬化性樹脂組成物(2)としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成製)100重量
部、重合開始剤としてイルガキュア184(チバスケシャルティケミカル製)1重量部,酢酸ブチル300重量部,セロソルブアセテート100重量部,ベンゾインエチルエーテル2重量部を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたものをコーター部のグラビヤロールコーターで乾燥前膜厚5μmに塗布し、加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。つづいて80w/cmの紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ有機物層(2)を形成し、巻取装置で巻き取って連続的に高分子シートを得た。紫外
線の照射時間は10秒間であった。次に有機物層(2)上に、DCマグネトロン法により、
初期真空度3×10−4Paの状態から酸素/アルゴンガス9%の混合ガスを導入して3×10−1Paの条件下においてスパッタリングを行い500Å厚のSiOを得た。SiO面上にエポキシ樹脂(新日鐵化学製ESN−375)30重量部、シアネート樹脂(ロンザジャパン製PT−60)10重量部、酸触媒(ダイセル化学工業製Ex−1)0.6重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L−7001)0.04重量部(樹脂成分に対して1000ppm)、シクロヘキサノン35重量部、N−メチルピロリドン35重量部を調合してなる熱硬化性樹脂組成物(3)ワニスを、連続コーターで、乾燥
膜厚10μmになるように塗工し、乾燥条件として120℃で、18分間乾燥し、仮硬化させた。乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(3)はタック性がなく、370mm×470mmサ
イズ内での厚みばらつきは10.0μm±1.0μmであった。この第1段階の硬化時に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(3)のDSCで得られる発熱ピークの積分値(A)と、未
硬化時の発熱ピークの積分値(B)とから得られる反応率(1−A/B)は、78%であった。つづいて、ベースシートとしてエポキシ/ガラスクロス複合基板(住友ベークライト製 スミライト EL−4765 200μm厚)を370mm×470mmサイズに切り出し、熱硬化性樹脂組成物(3)とSiO層付きPETフィルムを、熱硬化性樹脂組
成物(3)がベースシートに接するように、温度85℃、速度0.1m/min、線圧0.
5kg/cmで、ベースシートの両面にラミネートした。ラミネート時に、熱硬化性樹脂組成物(3)は充分に軟化してベースシートに気泡のかみ込みなどの外観不良も無くラミネ
ートされた。また、ラミネート後の熱硬化性樹脂組成物(3)を、DSCで測定したところ
、発熱ピークの積分値の比より求められる反応率(1−A/B)は約80%と、ラミネート前と同じであった。ラミネートされたシートを、転写基材(1)を貼り合わせたままシー
トの端部を治具で保持して、弛まない様に張力をかけて固定した後、150℃で90分焼成して第2段階の硬化処理を行い、有機物層(3)を得た。室温まで充分に冷却した後、P
ETと有機物層(2)の界面でPETフィルムだけを剥離して、有機物層(2)、無機物層 及び有機物層(3)付きのベースシートを作成した。焼成後の有機物層(3)をDSCで測定すると、発熱ピークの積分値の比より求められる反応率(1−A/B)は、98%であった。焼成後も有機物層(3)の膜厚の面内ばらつきは、10.0μm±0.5μmと良好であっ
た。得られたプラスチックシートは、厚み225μmで、平板上に置いた時にも反りやうねりがなく 表面粗さ(Ra)が40nmであり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、さらに強度、耐熱性、水蒸気バリア性などの条件も表示パネ
ル用の基板として十分使用可能であった。
(実施例5)
PETフィルム(転写用基材(1):東洋紡製、A4100、500mm幅、125μ厚
)の平滑面(Ra20nm)にシリコーン系離型処理を施した後、紫外線硬化性樹脂組成物(4)としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成製)100重量
部、酢酸ブチル300重量部,セロソルブアセテート100重量部,ベンゾインエチルエーテル2重量部を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたものをコーター部のグラビヤロールコーターで、乾燥前膜厚5μmに塗布し、加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。つづいて80w/cmの紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物(4)を硬化させ有機物層(4)を形成し、巻取装置で巻き取って連続的に積層体(1)を得た
。紫外線の照射時間は10秒間であった。次に有機物層(4)上に、DCマグネトロン法に
より、初期真空度3×10−4Paの状態から酸素/アルゴンガス9%の混合ガスを導入して3×10−1Paの条件下においてスパッタリングを行い500Å厚のSiOを得た。また、ベースシートとしてエポキシ/ガラスクロス複合基板(住友ベークライト製 スミライト EL−4765 200μm厚)を370mm×470mmサイズに切り出し、エポキシ樹脂(新日鐵化学製ESN−375)30重量部、シアネート樹脂(ロンザジャパン製PT−60)10重量部、酸触媒(ダイセル化学工業製Ex−1)0.6重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L−7001)0.04重量部(樹脂成分に対して1000ppm)、シクロヘキサノン35重量部、N−メチルピロリドン35重量部を調合してなる熱硬化性樹脂組成物(5)ワニスを、ディップコーターで、乾燥膜厚
5μmになるように塗工し、乾燥条件として120℃で、10分間乾燥し、仮硬化させた。乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(5)はタック性がなく、370mm×470mmサイズ内
での厚みばらつきは5.0μm±0.5μmであった。この第1段階の硬化時に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(5)のDSCで得られる発熱ピークの積分値(A)と、未硬化時の
発熱ピークの積分値(B)とから得られる反応率(1−A/B)は、70%であった。つづいて、有機物層(4)及び無機物層付きPETフィルムを、無機物層がベースシートに接
するように、温度85℃、速度0.1m/min、線圧0.5kg/cmで、ベースシートの両面にラミネートした。ラミネート時に、熱硬化性樹脂組成物(5)は充分に軟化して
ベースシートに気泡のかみ込みなどの外観不良も無くラミネートされた。また、ラミネート後の熱硬化性樹脂組成物(5)を、DSCで測定したところ、発熱ピークの積分値の比よ
り求められる反応率(1−A/B)は約80%と、ラミネート前と同じであった。転写用基材(1)を貼り合わせたままシートの端部を治具で保持して、弛まない様に張力をかけて
固定した後、90℃で90分焼成して第2段階の硬化処理を行い、有機物層(5)を得た。
室温まで充分に冷却した後、PETと有機物層(4)の界面でPETフィルムだけを剥離し
て、有機物層(4)、無機物層 及び有機物層(5)付きのベースシートを作製した。焼成後の有機物層(5)をDSCで測定すると、発熱ピークの積分値の比より求められる反応率(1
−A/B)は、98%であった。得られたプラスチックシートは、厚みが225μmであり、平板上に置いた時にも反りやうねりがなく 表面粗さ(Ra)が40nmであり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、さらに強度、耐熱性、水蒸気バリア性などの条件も表示パネル用の基板として十分使用可能であった。
(実施例6)
PETフィルム(転写用基材(1):東洋紡製、A4100、500mm幅、125μ厚
)の平滑面(Ra20nm)にシリコーン系離型処理を施した後、紫外線硬化性樹脂組成物(6)としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成製)100重量
部、酢酸ブチル300重量部,セロソルブアセテート100重量部,ベンゾインエチルエーテル2重量部を50℃にて撹拌、溶解して均一な溶液としたものをコーター部のグラビヤロールコーターで乾燥前膜厚5μmに塗布し、加熱乾燥ゾーン中100℃で5分間加熱して溶媒を除去した。つづいて80w/cmの紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物
を硬化させ有機物層(6)を形成し、巻取装置で巻き取って連続的に積層体(2)を得た。紫外線の照射時間は10秒間であった。次に有機物層(6)上に、DCマグネトロン法により、
初期真空度3×10−4Paの状態から酸素/アルゴンガス9%の混合ガスを導入して3×10−1Paの条件下においてスパッタリングを行い500Å厚のSiOを得た。また、PETフィルム(転写用基材(2):東洋紡製、A4100、500mm幅、125μ
厚)の平滑面(Ra20nm)にシリコーン系離型処理を施した後、エポキシ樹脂(新日鐵化学製ESN−375)30重量部、シアネート樹脂(ロンザジャパン製PT−60)10重量部、酸触媒(ダイセル化学工業製Ex−1)0.6重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー製 L−7001)0.04重量部(樹脂成分に対して1000ppm)、シクロヘキサノン35重量部、N−メチルピロリドン35重量部を調合してなる熱硬化性樹脂組成物(7)ワニスを、連続コーターで、乾燥膜厚10μmになるように塗工し
、乾燥条件として120℃で、18分間乾燥し、仮硬化させ積層体(3)を得た。乾燥後の
熱硬化性樹脂組成物(7)はタック性がなく、370mm×470mmサイズ内での厚みば
らつきは10.0μm±1.0μmであった。この第1段階の硬化時に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物(7)のDSCで得られる発熱ピークの積分値(A)と、未硬化時の発熱ピー
クの積分値(B)とから得られる反応率(1−A/B)は、80%であった。つづいて、ベースシートとしてエポキシ/ガラスクロス複合基板(住友ベークライト製 スミライト
EL−4765 200μm厚)を370mm×470mmサイズに切り出し、熱硬化性樹脂組成物(7)付きPETフィルムを、熱硬化性樹脂組成物(7)がベースシートに接するように、温度85℃、速度0.1m/min、線圧0.5kg/cmで、ベースシートの両面にラミネートした。ラミネート時に、熱硬化性樹脂組成物は充分に軟化してベースシートに気泡のかみ込みなどの外観不良も無くラミネートされた。また、ラミネート後の熱硬化性樹脂組成物(7)を、DSCで測定したところ、発熱ピークの積分値の比より求めら
れる反応率(1−A/B)は約80%と、ラミネート前と同じであった。冷却した後、PETフィルムのみを剥離した後、さらにこのベースシートを加熱する事により、熱硬化性樹脂組成物(7)を溶融させた後,有機物層(6) 及び無機物層付きPETフィルムをラミネートし、転写基材(1)を貼り合わせたままシートの端部を治具で保持して、弛まない様に
張力をかけて固定した後、150℃で90分焼成して第2段階の硬化処理を行い、有機物層(7)を得た。室温まで充分に冷却した後、PETと有機物層(6)の界面でPETフィルムだけを剥離して、有機物層(6)、無機物層及び有機物層(7)付きのベースシートを作成した。焼成後の有機物層(7)をDSCで測定すると、発熱ピークの積分値の比より求められる
反応率(1−A/B)は、98%であった。焼成後も熱硬化性樹脂組成物の膜厚の面内ばらつきは、10.0μm±0.5μmと良好であった。得られたプラスチックシートは、厚み225μmで、平板上に置いた時にも反りやうねりがなく、表面粗さ(Ra)が40nmであり、また異物や気泡など表面欠陥による外観不良も無いシートであり、さらに強度、耐熱性、水蒸気バリア性などの条件も表示パネル用の基板として十分使用可能であった。
(比較例1)
実施例1に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(1)を、転写基材に塗工せずに、直接ベ
ース基板の片面に塗布して、120℃90min硬化させた後、裏面も同様に塗工、硬化させて両面コートされた基板を作成した。ところが、ベース基板の片面に硬化性樹脂組成物(1)を塗布して硬化した段階で、硬化性樹脂組成物(1)の硬化収縮により基板に反りが発生したため、つづいて塗布面の裏面を塗布する際に、基板面内で膜厚が均一にすることができず、両面塗布後に基板にうねりが発生し、表示パネル用の基板として使用できなかった。
(比較例2)
実施例1に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(1)ワニスを、80℃3min乾燥して
、DSCから求められる反応率が20%とした以外は、実施例1と同様にして基板を作成した。得られた基板は面内で不均一にうねりが発生し、表示パネル用の基板として使用で
きなかった。
(比較例3)
実施例1に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(1)ワニスを、150℃5min乾燥し
て、DSCから求められる反応率が90%とした以外は、実施例1と同様にして基板を作成しようとしたが、転写基材をベース基板にラミネートする際に、熱硬化性樹脂組成物(1)が流動せず、ラミネート時の気泡巻き込みによる外観欠点が発生し、表示パネル用の基
板として使用できなかった。
(比較例4)
実施例5に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(5)ワニスを、80℃3min乾燥して
、DSCから求められる反応率が30%とした以外は、実施例5と同様にして基板を作製した。得られた基板は面内で不均一にうねりが発生し、表示パネル用の基板として使用できなかった。
(比較例5)
実施例5に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(5)ワニスを、150℃15min乾燥
して、DSCから求められる反応率が90%とした以外は、実施例5と同様にして基板を作製しようとしたが、有機物層(4)及び無機物層付きPETフィルムをベース基板にラミ
ネートする際に、熱硬化性樹脂組成物(5)が流動せず、ラミネート時の気泡巻き込みによ
る外観欠点が発生し、表示パネル用の基板として使用できなかった。
(比較例6)
実施例6に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(7)ワニスを、80℃3min乾燥して
、DSCから求められる反応率が30%として熱硬化性樹脂組成物(7)付きPETフィル
ム(積層体(3))を作製した以外は、実施例6と同様にして基板を作製した。得られた基
板は面内で不均一にうねりが発生し、表示パネル用の基板として使用できなかった。
(比較例7)
実施例6に用いたのと同じ熱硬化性樹脂組成物(7)ワニスを、150℃15min乾燥
して、DSCから求められる反応率が90%とした以外は、実施例6と同様にして基板を作製しようとしたが、熱硬化性樹脂組成物(7)付きPETフィルム(積層体(3))をベースシートにラミネートする際に、熱硬化性樹脂組成物(7)が流動せず、ラミネート時の気泡
巻き込みによる外観欠点が発生した。つづいて有機物層(6)及び無機物付きPETフィル
ム(積層体(2))をラミネートする際にも同様に気泡巻き込みによる外観欠点が発生し、
表示パネル用の基板として使用できなかった。
本発明の製造方法によって得られた表示パネル用プラスチックシートは、特に液晶表示パネルや光学ミラーを用いた基板等の光学用高分子シートとして優れた特性を持つ。
本発明の一製造方法を示す工程概略図 本発明の一製造方法を示す工程概略図 本発明の一製造方法を示す工程概略図 本発明の一製造方法を示す工程概略図 実施例1で得られる層構成の断面概略図 実施例5で得られる層構成の断面概略図 実施例6で得られる層構成の断面概略図
符号の説明
1 転写用基材(1)
2 有機物層(1)
3 ベースシート
4 転写用基材(1)
5 有機物層(4)
6 無機物層
7 有機物層(5)
8 ベースシート
9 転写用基材(1)
10 有機物層(6)
11 無機物層
12 有機物層(7)
13 ベースシート

Claims (10)

  1. 転写用基材(1)に硬化性樹脂組成物(1)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めた後、ベースシート上に熱ラミネートし、さらに硬化を進めて有機物層(1)を形成後、転写用基材(1)を有機物層(1)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(1)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
  2. 転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(2)を塗布・硬化させて有機物層(2)を形成した後、その有機物層(2)上に無機物層を形成させ、さらに無機物層上に硬化性樹脂組成物(3)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めた後、ベースシート上に熱ラミネートし、さらに硬化を進めて有機物層(3)を形成後、転写用基材(1)を有機物層(2)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(3)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
  3. 転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(4)を塗布・硬化させて有機物層(4)を形成した後、その有機物層(4)上に無機物層を形成させて、積層体(1)を作製し、一方、ベースシート上に硬化性樹脂組成物(5)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(5)を形成した後、積層体(1)と熱ラミネートし、さらに硬化を進めて、転写用基材(1)を有機物層(4)から剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(5)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
  4. 転写用基材(1)に、硬化性樹脂組成物(6)を塗布・硬化させて有機物層(6)を形成した後、その有機物層(6)上に無機物層を形成させて積層体(2)を作製し、一方、転写用基材(2)に硬化性樹脂組成物(7)を塗布後、室温でタック性を持たず且つDSCにおける発熱量から求められる反応率が50〜85%まで、硬化反応を進めて有機物層(7)を形成した後、ベースシート上に熱ラミネートし、冷却した後、転写用基材(2)から有機物層(7)を剥離して積層体(3)を作製した後、積層体(3)を再度加熱して有機物層(7)を溶融させ、前記積層体(2)の無機物層を有機物層(7)に合わせてラミネート後、さらに硬化を進めて転写用基材(1)を剥離する表示パネル用プラスチックシートの製造方法であって、前記硬化性樹脂組成物(7)がエポキシ樹脂、シアネート樹脂又はフェノール樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であり、前記ベースシートがエポキシ樹脂又はシアネート樹脂をガラスクロスに含浸させた積層板であり、前記ベースシートの厚みが50〜300μmである表示パネル用プラスチックシートの製造方法
  5. 前記有機物層(1),(2),(4),および(6)のガラス転移温度が150℃以上である請求項1〜4何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
  6. 前記無機物層が水蒸気バリア性を有する請求項2〜何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
  7. 前記無機物層が珪素酸化物または珪素窒化物または珪素窒化酸化物を主成分とする請求項2〜何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
  8. 前記転写用基材(1)及び/または(2)の表面粗さがRa100nm以下である請求項1〜7何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
  9. 前記転写用基材(1)及び/または(2)が離型処理されている請求項1〜8何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
  10. 前記表示パネル用プラスチックシートが連続的に巻き取ることを特徴とする請求項1〜何れか一項記載の表示パネル用プラスチックシートの製造方法。
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