JPH08224823A - 光学プラスチック積層シート及びその製造方法 - Google Patents

光学プラスチック積層シート及びその製造方法

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JPH08224823A
JPH08224823A JP7332743A JP33274395A JPH08224823A JP H08224823 A JPH08224823 A JP H08224823A JP 7332743 A JP7332743 A JP 7332743A JP 33274395 A JP33274395 A JP 33274395A JP H08224823 A JPH08224823 A JP H08224823A
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JP
Japan
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layer
laminated sheet
scratch
optical plastic
film
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JP7332743A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Ozuru
智博 大▲鶴▼
Junji Takase
純治 高瀬
Sadao Fujii
貞男 藤井
Keizo Asaoka
圭三 浅岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面平
滑性、光学的特性に優れた表示素子用基板として有用な
光学プラスチック積層シートを提供する。 【解決手段】 光学的に透明なポリマーからなる第1層
と該層よりガラス転移温度の低い光学的に透明なポリマ
ーからなる第2層とを積層してなる積層シートにおい
て、その少なくとも一方の表面に耐擦傷性コート層を設
けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一方の表面
に耐擦傷性コート層を有する光学プラスチック積層シー
ト及びその製造方法、並びに該積層シートを用いた耐熱
透明基板に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の急速な進歩にと
もない、液晶表示素子に代表される光エレクトロニクス
素子が注目されており、素子を透明導電層を有するガラ
ス基板上に形成することにより各種用途に供されてい
る。特に、携帯型機器に組み込んだ場合、ガラスの大き
な比重のため機器の重量が大きくなり、そのためガラス
基板の薄厚化が指向され0.4mm程度の基板が利用可
能となった。しかし、ガラスの機械的強度、特に脆性に
課題があり、素子の耐久性を低下させるため、強化ガラ
ス等の特殊な処理をした基板の利用や、素子を衝撃から
保護するために、金属フレームや表面保護用のプラスチ
ックシートを用いる等の対策が実施されている。しか
し、該素子の製造プロセス中での割れによる歩留り低下
という課題を有している。
【0003】以上のように、軽くて割れにくい基板が強
く望まれており、軽量性、耐衝撃性の点からプラスチッ
ク基板を用いた表示素子に対する期待は大きく、0.4
mm程度の厚みを有するプラスチック基板に対するいく
つかの試みが試されている。
【0004】耐熱性が高くかつ表面平滑性の良いプラス
チック基板材料を得る代表的な方法としては、溶剤キャ
スティング法が知られているが、剛性を持たせるために
フィルムを厚膜化する場合、発泡等の欠陥が生じ易い
他、生産性が大幅に低下するので工業的実施は難しく、
200μm程度が限界である。また、溶融押出法により
厚膜化した場合、光学的等方性が損なわれる他、成形時
のダイラインによる表面平滑性や外観が悪く、液晶表示
用基板として用いることは困難である。
【0005】そのため、ポリメチルメタクリレートや変
性オレフィンの様な本質的に低複屈折材料であるプラス
チックや、特開平6−194501号にみられるような
架橋アクリルやエポキシの如き硬化型プラスチックをシ
ート状に成形して利用することが検討されているが、前
者はガラスプロセスで必要とされる耐熱性が無く、後者
は生産性が悪く量産実用性に欠ける等の課題を有してい
る。また、前記耐熱光学フィルムを積層しシート化する
ことも可能であるが、耐熱性と信頼性に優れた接着剤が
無いことや、加熱積層する場合は、高い処理温度が必要
となり、樹脂の変性・着色等の好ましくない劣化が起こ
る。
【0006】従って、耐熱性が高く、かつ適度な剛性を
備えるとともに表面平滑性、光学的特性の優れた工業的
に利用可能なプラスチック基板は未だ見出されておら
ず、本発明者らは特願平6−186422号にて、これ
らの特性を満足し得る新しいプラスチック積層シートを
提案した。
【0007】しかし、これらプラスチック基板は厚板化
によりフィルムに対しては剛性が高くガラスに近くなっ
ているものの、表面は依然としてプラスチックそのもの
であり、フィルムと同様に擦り傷に対する耐性は乏し
く、表示素子組立加工プロセス時の取扱いに際し微小な
傷が入りやすく、歩留り低下の原因となっている。ま
た、基板そのものの取扱いに関しても、型枠で挟んで基
板表面が接触することの無いよう重ねて輸送する場合、
大型の基板サイズになると、ガラス程の剛性がないため
基板がたるみ中央部で接触して傷の原因となる。また、
合紙を用いた場合、合紙と基板表面が擦れるため微小な
傷の原因となり易い。更に、ポリエチレン製の表面保護
フィルムで保護した場合、保護フィルムの粘着剤が基板
表面へ転写する等、好ましくない汚染が生じることがあ
り、その後の基板加工に悪い影響がある。
【0008】従って、プラスチック基板が実用的な価値
を有するためには、高い耐熱性、剛性、表面性、光学的
特性を有しており、かつ耐擦傷性をも有している必要が
あるが、そのような基板は未だ提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実情に鑑み、軽量で、耐衝撃性、剛性、表面平滑性、光
学的特性に優れるとともに、耐擦傷性も備えた、表示素
子の形成に好適な光学プラスチック積層シートを提供す
るのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高耐熱性を受け持つ
層と室温における物理的性質を受け持つ層の積層構造に
し、その少なくとも一方の表面に耐擦傷性コート層を設
けることにより、耐衝撃性、剛性、光学的特性、耐擦傷
性を併せ持つ光学プラスチック積層シートが得られるこ
とを見出し本発明に到った。
【0011】即ち、本発明の第1は、光学的に透明なポ
リマーからなる第1層と該層よりガラス転移温度の低い
光学的に透明なポリマーからなる第2層とを積層してな
る積層シートにおいて、その少なくとも一方の表面に耐
擦傷性コート層を設けたことを特徴とする光学プラスチ
ック積層シートを、本発明の第2は、表面に耐擦傷性コ
ート層を有する第1層を構成する光学的に透明なポリマ
ーフィルムの耐擦傷性コート層を設けてない面と、第2
層を構成する、第1層よりガラス転移温度の低い光学的
に透明なポリマーフィルムを、直接加熱積層することを
特徴とする光学プラスチック積層シートの製造方法を、
それぞれ内容とする。
【0012】本発明は、高ガラス転移温度を有する耐熱
性の高い材料からなる第1層と、該第1層よりも低ガラ
ス転移温度を有する材料からなる第2層とからなる積層
構造を有するプラスチック積層シートを用い、その少な
くとも一方の表面に耐擦傷性コート層を設けたことを特
徴とするものである。
【0013】本発明において光学的に透明なポリマーと
は、光線透過率が80%以上でヘイズ(haze)値が
5%以下のものを云う。かかる光学的特性を有するポリ
マーとしては、例えば、ポリアリレートやポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑
性のエンジニアリングプラスチックと呼ばれる耐熱性の
高い樹脂が用いられる。
【0014】主鎖に芳香族基を有するポリアリレートや
ポリカーボネートは、耐熱性、透明性に優れ、フィルム
又はシートを得るのに適しており、好ましい材料であ
る。該ポリマーの詳細は、特開昭57−73021号、
特開平1−13583号、特開平2−88634号、特
開平2−233720号等に記載されている。
【0015】第1層は、該層よりも低ガラス転移温度を
有する第2層の片面もしくは両面に積層化され、第2層
の高温加熱時の熱変形を防止する役割を果たしている。
そのガラス転移温度は160℃以上、好ましくは180
℃以上、より好ましくは200℃以上である。また、こ
れら樹脂の共重合体やブレンドもしくはアロイも好適に
用いることができる。第1層の厚みは、積層シートの厚
みや、要求される耐熱形状安定性により決定されるが、
通常、積層シートの20〜80%である。該シートを液
晶表示装置用基板として用いる場合、シートは低リター
デーションであることが必要であり、液晶表示装置の種
類にもよるが、一般に50nm以下が好ましく、より好
ましくは20nm以下である。第1層は、単層又は2層
以上の複数層からなる。
【0016】第2層を構成するポリマーとしては、耐熱
性は第1層より低いものを用いる。第2層を構成するポ
リマーのガラス転移温度は、要求される耐熱性の程度に
依存するが、一般には100℃以上であれば良く、好ま
しくは、140℃以上、より好ましくは180℃以上で
あり、第1層を構成するポリマーのガラス転移温度より
も20℃以上低いことが好ましく、更に40℃以上低い
ことが一層好ましい。本発明の積層プラスチックシート
の耐熱性は、前記した如く、第1層の耐熱性からの寄与
が大きい。第2層も単層又は2層以上の複数層からな
る。
【0017】第2層を構成する材料は、第1層との親和
性に優れた材料が好ましく、最適プラスチック材料を選
択する必要がある。第2層は、常温でのシートの剛性を
出すための役割を果たしている。また、熱的変形に対し
ては第1層により守られているため、ガラス転移温度以
上の高温加熱時においても、その片面あるいは両面に存
在する高ガラス転移温度を有する第1層の保護を受け、
加圧等の応力に対しても流動すること無く形態を保持す
る。第2層の厚みは、第1層厚みの場合と同様に、積層
シートに要求される特性により決定されるが、積層シー
ト全体の厚みの80〜20%が選択される。
【0018】また、各層を単独にて溶剤キャスティング
法や溶融押出法により必要とする厚みにフィルム化した
後ラミネートすることにより、表面平滑性の優れた高品
位の積層シートを容易に得ることができ、より好ましい
方法である。この時、第1層は積層シートの表面を形成
するため、表面平滑性に優れた溶剤キャスティング法に
より得られたフィルムであることが好ましい。接着剤を
用いてラミネートすることも可能であるが、積層シート
の耐熱性を損なわないように接着剤を選択する必要があ
る。接着剤の変色など高温時の好ましくない変化を防ぐ
ことから、接着剤を用いず、直接各層を加熱融着するこ
とが好ましい。この時は、第1層と第2層の親和性を特
に考慮して加熱融着が可能な材料の対を選択する必要が
ある。
【0019】本発明の光学プラスチック積層シートは、
上記の如く、第1層と第2層とを積層してなるので、光
学的特性に優れた薄厚フィルムを得やすいという溶剤キ
ャスト法の利点を生かし、低コストで耐熱厚膜シートを
得ることが出来るという特徴を有している。また、ラミ
ネート法により積層シートを得る場合、高耐熱層(第1
層)は光学的特性や表面平滑性の点から溶剤キャスト法
により成膜したフィルムを用いることができる。更に、
比較的低ガラス転移温度を有する材料は溶融押出法で光
学的特性の良好なフィルムを生産性高く得ることが容易
であるという特徴を利用し、第2層は溶融押出フィルム
を用い、積層シートのコストを低減することも可能であ
る。この様な構成とすることにより、表面の平均粗さ
(Ra)が30nm以下という極めて平滑な表面を有す
るシートを得ることが出来る。
【0020】また、加熱ラミネート法によれば、一般的
には、第2層はラミネート時にガラス転移温度以上に加
熱されるため、熱アニールの効果を受けることになり、
単一フィルムで有していた複屈折は、熱アニールにより
低下改善され、その結果、得られた積層シートは、単一
フィルムのリターデーションの総和より小さくなるとい
う特徴を有する。このことは、第2層材料として、複屈
折の高い材料を利用可能であることを意味しており、工
業的に利用する場合、第2層材料を成型時に光学的異方
性を注意すること無く成形することができ、高い生産性
を期待することができる。好適な加熱ラミネートの方法
の一つは、加熱ロールあるいはベルトによる加熱・加圧
ラミネート法である、必要とする加熱温度はラミネート
する材料により異なるが、第2層を構成する材料のガラ
ス転移温度より高く、第1層を構成する材料のガラス転
移温度より低い温度が好適である。熱ラミネートは、比
較的低温にて予備圧着した後、ラミネート温度に加熱し
本圧着する等、加熱を複数の段階に分けて実施すること
も可能である。熱ラミネート時の気泡巻き込みを防止す
るため、真空ラミネート方式も好適に使用可能である。
【0021】加熱ラミネートによる積層化の場合、第1
層及び第2層材料を、主鎖に芳香族基を有するポリアリ
レートやポリカーボネートから選択することが好まし
い。該材料は耐熱性・透明性に優れ、フィルム又はシー
トを得るのに適しており、工業的に容易に入手可能な材
料が多い他、一般的に相溶性が大きく、容易に加熱融着
することが出来る。特に好ましくは、置換または非置換
ヒドロキシフェニルプロパンや置換または非置換ヒドロ
キシフェニルメタン、置換または非置換ヒドロキシフェ
ニルシクロアルカンをモノマー成分として有する重合体
及び共重合体、及びそのブレンドあるいはアロイであ
る。ビスフェノールAからなるポリカーボネートはエン
ジニアリングプラスチックとして広く利用されており、
また、ガラス転移温度が約150℃と適度な値を有する
と共に、第1層材料と高い親和性を有しており、特性・
コストの面から、特に好ましい第2層材料である。
【0022】一方、少なくとも一つの第1層に予め機能
を付与することも可能である。例えば、第1層を構成す
るフィルムを予め延伸し一定の複屈折性を付与して位相
差フィルムとした後、積層シート化することにより位相
差フィルムを一体化させたプラスチック積層シートを得
ることができる。この時、第1層を構成する位相差フィ
ルムは高いガラス転移温度を有するため、加熱ラミネー
ト時においても、余りリターデーションが低下しないと
いう特徴を有しており、高度にリターデーションを制御
されたシートを得ることができる。このような第1層を
有する積層シートを用いることにより、より高機能の表
示装置用基板を得ることができ、特にSTN液晶表示装
置にとって非常に有用である。
【0023】本発明の積層シートは、上記積層シートの
少なくとも一方の表面に耐擦傷性コート層を存在させた
ものである。耐擦傷性コート層としては、公知の耐擦傷
性コート層を利用することが出来る。このような耐擦傷
性ハードコート層を与える材料としては、例えば、有機
系ハードコートとしては、メラミン樹脂系、アクリル樹
脂系、ウレタン樹脂系、アルキド樹脂系であり、また有
機−シリコーン複合系としては、ポリエステルポリオー
ルやエーテル化メチロールメラミンにアルキルトリアル
コキシシラン、テトラアルコキシシランの部分加水分解
物を配合したものが挙げられる。また、アミノシランや
エポキシシランの部分加水分解物、シランカップリング
剤とアルキルトリアルコキシシラン・テトラアルコキシ
シランの部分加水分解物、コロイダルシリカとアルキル
トリアルコキシシランの加水分解物等のシリコーン系材
料も好適に用いることができる。これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。これら材料を該積層シー
トの片面又は両面にコーティング後、熱硬化によりハー
ドコート皮膜を有する積層シートを得ることが出来る。
この時、低温硬化型の触媒を同時に用いることは、好ま
しくないシートの熱変形を抑制するために好ましい方法
である。また多官能アクリレート等のモノマーやオリゴ
マーに光増感剤を添加し、紫外線や電子線により硬化さ
せるハードコート剤も好適に用いることが出来る。
【0024】また、酸化珪素や窒化珪素等の金属酸化物
や金属窒化物からなる無機系材料も、好適なハードコー
ト層として用いることが出来る。これらセラミック層
は、反応型無機コーティング剤を塗布後硬化させること
により得られる。無機系コート層は高い信頼性を有する
一方、一般には高い硬化温度を必要とするが、本発明に
関わる積層シートは高い耐熱性を有するため、特に好ま
しい方法である。反応型無機コーティング剤としては、
例えば、アルミナやシリカをアルコキシシラン等のバイ
ンダーに分散させ加熱硬化させることにより、金属酸化
物系ハードコート層が得られる。また、2液硬化型のウ
レタンや含フッソ系樹脂からなるソフトコート皮膜も必
要に応じ利用することが出来る。
【0025】これらの耐擦傷性コート層は、積層シート
化後、該シートの少なくとも一方の面に枚様処理にて行
うことができる。該コート層の厚みは、一般に0.01
〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、より好ましく
は、0.5〜2μmの間で選択される。必要により、該
コート層と積層シートとの間にコート層の付着力改善の
目的で、プライマー処理などによりアンカーコート層を
介在させてもよい。
【0026】また、第1層を構成するフィルムの一方の
表面に予め耐擦傷性コート層を形成させた後、他方の面
を第2層材料と積層シート化することにより、生産性良
く、耐擦傷性コート層を有する積層シートを得ることが
出来る。積層シート化は熱融着により実施することが好
ましいが、この時、融着時の加熱に耐えるようにコート
剤を選択する必要がある。また、熱硬化型のコート剤を
用いた場合、硬化を熱融着時に同時に行うことも好まし
い方法である。積層シート化する際は、第2層の両面
に、耐擦傷性コート層を有する第1層を構成するフィル
ムを配置し積層してもよい。
【0027】上記の如き構造の本発明の耐擦傷性コート
層を有する光学プラスチック積層シートは、剛性等にお
いてプロセスでのガラスとの共用又は互換性を保つた
め、厚みは0.2〜1mmが好適であり、0.3〜0.
7mmが特に好ましい。また、光学的特性については、
全光線透過率は80%以上が好ましい。
【0028】本発明の耐擦傷性コート層を有する光学プ
ラスチック積層シートは、耐擦傷性コート層を有してい
ない、あるいは有している表面上に、更に、必要に応じ
アンダーコート層を介し、エチレン─ビニルアルコール
共重合体(エバール:登録商標)やポリ塩化ビニリデン
等の有機系ガスバリヤー加工や、シリカ、アルミナ、窒
化珪素等に代表される金属酸化物や金属窒化物からなる
無機系ガスバリヤー加工を行うことができる。また、イ
ンジウムと錫の複合酸化物に代表される透明導電層を形
成させることも出来る。更に、これら各層を必要に応じ
て積層することも可能である。
【0029】本発明の光学プラスチック積層シートは、
耐衝撃性、光学特性、表面平滑性及び耐擦傷性を備えガ
ラスと共用又は互換可能であり、また耐熱性ポリマーを
用いる場合は優れた耐熱性を有するので表示素子用基板
として有用である。更に、ガラスと異なり耐衝撃性に優
れ、かつ軽量であるため、大面積化が要求されている液
晶表示素子用基板材料として特に有用である。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
され、ガラス転移温度が215℃、リターデーションが
10nmである75μm厚のA4版サイズの透明ポリア
リレートフィルム(エルメック F−1100:鐘淵化
学工業株式会社の登録商標)を用い、第2層の材料とし
て溶融押出法により成形された、ガラス転移温度が15
0℃、リターデーションが150nmである、ビスフェ
ノールAからなる300μm厚の透明ポリカーボネート
フィルムを用い、ポリカーボネートフィルムをポリアリ
レートフィルム2枚で挟み、真空ラミネート機で100
℃にて仮圧着した。その後ガラス板で挟み200℃に加
熱・本圧着し、強固に融着した450μm厚の積層シー
トを得た。
【0032】得られた積層シートのTMA分析による軟
化温度は245℃であり、ポリアリレート単独のフィル
ムとほぼ同程度の軟化温度を示した。一方、ポリカーボ
ネートの軟化温度は180℃であった。また、作成した
積層シートは200℃で20Kg/cm2 で加圧しても、そ
の形態を保持し、リターデーションは20nmと優れた
耐熱性と光学的等方性を有していた。また、表面粗さ
は、平均で28nmであった。このシートを150℃に
て1時間加熱した後の寸法変化率を測定したところ0.
05%であった。一方、ポリカーボネート単独では外観
上の平面性を保つことができず波打ちが見られ、寸法変
化率を測定することが出来なかった。また表面硬度はF
であり、和紙でこすることにより表面に微小傷が入っ
た。
【0033】該積層シートの上下両面の第1層の一方の
面にシリコーン系プライマー〔PH91(東芝シリコー
ン株式会社製)〕を塗布し、更に3官能性及び4官能性
アルコキシシランを主成分とするイソプロパノール溶液
〔トスガード510(東芝シリコーン株式会社の登録商
標)〕を塗布した。溶媒が揮発した後、120℃にて1
時間加熱し硬化させ、一方の表面にハードコート層(耐
擦傷コート層)を有する積層シートを得た。ハードコー
トした面は、表面硬度が2Hに上がり、同様の擦傷テス
トで異常は見出されなかった。
【0034】実施例2 実施例1で用いたポリアリレートフィルムを用い、一方
の面にシリコーン系プライマーを塗布し、更に3官能性
及び4官能性アルコキシシランを主成分とするイソプロ
パノール溶液〔トスガード510(東芝シリコーン株式
会社の登録商標)〕を塗布した。溶媒が揮発した後、1
20℃にて1時間加熱し硬化させ、片面にハードコート
層を有するポリアリレートフィルムを得た。該フィルム
2枚を第1層として用い、また、第2層材料として実施
例1で用いたポリカーボネートフィルムを用い、ハード
コート層の無い面を対向させ190℃にて加熱積層し、
両面に耐擦傷性コート層を有する積層シートを得た。
【0035】実施例3 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールAをフ
ェノール成分として含有する耐熱ポリカーボネート(ガ
ラス転移温度:206℃、Apec HT KUI−9
371:バイエル株式会社の登録商標)を用い、溶剤キ
ャスティング法により、リターデーションが8nmであ
る75μm厚のポリカーボネートフィルムを得た。該フ
ィルムを第1層として用いた他は、実施例1と同様にし
て、片面に耐擦傷性コート層を有する強固に融着した4
50μmの積層シートを得た。該シートの耐擦傷性コー
ト層面における表面硬度は2Hであった。一方、耐擦傷
性コート層の無い表面の硬度はFであった。
【0036】実施例4 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンをビスフェノール成分と
して含有し、また、酸成分としてテレフタール酸とイソ
フタール酸を5:5の割合で含有するガラス転移温度が
269℃であるポリアリレートを用い、塩化メチレンを
溶剤とした溶液キャスティング法により、リターデーシ
ョンが6nmである75μm厚のポリアリレートフィル
ムを得た。該フィルムを第1層として用いた他は、実施
例1と同様にして、片面に耐擦傷性コート層を有する強
固に融着した450μmの積層シートを得た。該シート
の耐擦傷性コート層面における表面硬度は2Hであっ
た。一方、耐擦傷性コート層の無い表面の硬度はFであ
った。
【0037】実施例5 実施例2において、2枚の第1層を構成するフィルムの
内、1枚を片面に耐擦傷性コート層のあるフィルムと
し、もう1枚を耐擦傷性コート層の無いフィルムを用
い、実施例2と同様に加熱積層することにより、一方の
面に耐擦傷性コート層を有する積層シートを得た。該シ
ートの耐擦傷性コート層面における表面硬度は2Hであ
った。一方、耐擦傷性コート層の無い表面の硬度はFで
あった。
【0038】実施例6 実施例1で得られた複層シートを用い、耐擦傷性コート
層を形成させていない面に、真空スパッタリング法に
て、SiOx層を500Å、ITO層1000Åを順次
形成させ、バリヤー層と透明導電層を有する耐熱透明基
板を作成した。得られた透明耐熱基板は、表面抵抗が5
2Ω/□、酸素透過性が0.6cc/m2 /day以下
であった。また、裏面の耐擦傷性コート層面における表
面硬度は2Hであった。
【0039】実施例7 実施例1で用いたポリアリレートフィルムを用い、一方
の面に紫外線硬化型シリコーン樹脂(商品名:UVHC
8553 東芝シリコーン株式会社製)を4μmの厚さ
に塗布した。溶媒が揮発した後、UVランプで150m
J/cm2 以上の光量を照射し硬化させ、紫外線硬化型
シリコーン樹脂を耐擦傷性コート層とするポリアリレー
トフィルムを得た。該フィルム2枚を第1層として用
い、また、第2層材料として実施例2で用いたポリカー
ボネートフィルムを用い、ハードコート層のない面を対
向させ190℃にて加熱積層し、両面に耐擦傷性コート
層を有する積層シートを得た。
【0040】実施例8 実施例7で得られた積層シートを用い、耐擦傷性コート
層上に、真空スパッタリング法にて、SiOx層を50
0Å、ITO層1000Åを順次形成させ、バリヤー層
と透明導電層を有する耐熱透明基板を作製した。得られ
た耐熱透明基板は、表面抵抗が56Ω/□、酸素透過性
が0.6cc/m2 /day以下であった。また、液晶
表示素子の組立工程を想定した耐熱性試験、150℃で
2時間加熱を行なってもクラック等は生じなかった。
【0041】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明により耐熱性、耐
衝撃性、剛性、表面平滑性と光学的特性に優れるととも
に、耐擦傷性を有する光学プラスチック積層シートが提
供される。本プラスチック積層シートは、光エレクトロ
ニクス分野、特に液晶表示装置分野でのガラスに代わる
光学基板として有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に透明なポリマーからなる第1層
    と該層よりガラス転移温度の低い光学的に透明なポリマ
    ーからなる第2層とを積層してなる積層シートにおい
    て、その少なくとも一方の表面に耐擦傷性コート層を設
    けたことを特徴とする光学プラスチック積層シート。
  2. 【請求項2】 第1層を第2層の上下両面に配置してな
    り、該上下第1層の少なくとも一方の表面に耐擦傷性コ
    ート層を設けた請求項1記載の光学プラスチック積層シ
    ート。
  3. 【請求項3】 第1層と第2層が直接積層されてなる請
    求項1又は2記載の光学プラスチック積層シート。
  4. 【請求項4】 第1層及び第2層が、主鎖に芳香族基を
    有する光学的に透明なポリアリレートまたはポリカーボ
    ネートからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の光
    学プラスチック積層シート。
  5. 【請求項5】 耐擦傷性コート層が、シリコン系ハード
    コート層である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光
    学プラスチック積層シート。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の面に、ガスバリヤー層
    及び/又は透明導電層を設けた請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の光学プラスチック積層シート。
  7. 【請求項7】 表面に耐擦傷性コート層を有する、第1
    層を構成する光学的に透明なポリマーフィルムの耐擦傷
    性コート層を設けてない面と、第2層を構成する、第1
    層よりガラス転移温度の低い光学的に透明なポリマーフ
    ィルムを、直接加熱積層することを特徴とする光学プラ
    スチック積層シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1層を構成するフィルムが溶剤キャス
    ティング法により得られたフィルムである請求項7記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    学プラスチック積層シートを用いたことを特徴とする耐
    熱透明基板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015143028A (ja) * 2010-03-03 2015-08-06 三菱化学株式会社 積層体
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