JPH08166581A - 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08166581A
JPH08166581A JP6333515A JP33351594A JPH08166581A JP H08166581 A JPH08166581 A JP H08166581A JP 6333515 A JP6333515 A JP 6333515A JP 33351594 A JP33351594 A JP 33351594A JP H08166581 A JPH08166581 A JP H08166581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
laminated sheet
film
retardation
optical plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6333515A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Takase
純治 高瀬
Sadao Fujii
貞男 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP6333515A priority Critical patent/JPH08166581A/ja
Publication of JPH08166581A publication Critical patent/JPH08166581A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 4,4′−(α−メチルベンジリデン)ビス
フェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンをビスフェノール成分として含む、
ポリカーボネート又はポリアリレートからなる光学的に
透明な少なくとも一つの第1層と、該層よりガラス転移
温度の低い光学的に透明な材料からなる第2層とを積層
してなる、耐熱性と透明性に優れた光学プラスチック積
層シート。 【効果】 耐熱性、耐衝撃性、剛性を備え、且つ優れた
光学的特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的に透明でかつ耐熱
性を有する光学プラスチック積層シート及びその製造方
法、並びに該積層シートを用いた耐熱性透明基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の急速な進歩にと
もない、液晶表示素子に代表される光エレクトロニクス
素子が注目されており、素子を透明導電層を有するガラ
ス基板上に形成することにより各種用途に供されてい
る。特に、携帯型機器に組み込んだ場合、ガラスの大き
な比重のため機器の重量が大きくなり、そのためガラス
基板の薄厚化が指向され0.4mm程度の基板が利用可能
となった。しかし、ガラスの機械的強度、特に脆性に課
題があり、素子の耐久性を低下させるため、強化ガラス
等の特殊な処理をした基板の利用や、素子を衝撃から保
護するために、金属フレームや表面保護用のプラスチッ
クシートを用いる等の対策が実施されている。しかし、
該素子の製造プロセス中での割れによる歩留り低下とい
う課題を有している。
【0003】以上のように、軽くて割れにくい基板が強
く望まれており、軽量性、耐衝撃性の点からプラスチッ
ク基板を用いた表示素子に対する期待は大きく、0.4
mm程度の厚みを有するプラスチック基板に対するいくつ
かの試みが試されている。
【0004】耐熱性が高くかつ表面平滑性の良いプラス
チック基板材料を得る代表的な方法としては、溶剤キャ
スティング法が知られているが、剛性を持たせるために
フィルムを厚膜化する場合、発泡等の欠陥が生じ易い
他、生産性が大幅に低下するので工業的実施は難しく、
200μm程度が限界である。また、溶融押出法により
厚膜化した場合、光学的等方性が損なわれる他、成形時
のダイラインによる表面平滑性や外観が悪く、液晶表示
用基板として用いることは困難である。
【0005】そのため、ポリメチルメタクリレートや変
性オレフィンの様な本質的に低複屈折材料であるプラス
チックや、特開平6−194501号にみられるような
架橋アクリルやエポキシの如き硬化型プラスチックをシ
ート状に成形して利用することが検討されているが、前
者はガラスプロセスで必要とされる耐熱性が無く、後者
は生産性が悪く量産実用性に欠ける等の課題を有してい
る。また、前記耐熱光学フィルムを積層しシート化する
ことも可能であるが、耐熱性と信頼性に優れた接着剤が
無いことや、加熱積層する場合は、高い処理温度が必要
となり、樹脂の変性・着色等、特性の好ましくない劣化
が起こる。従って、ガラスプロセスと互換性を保つこと
の出来る剛性と耐熱性を持ち、耐衝撃性に優れ、かつ、
透明・低リターデーション等の光学的特性を満足する工
業的に利用可能な材料は未だ見いだされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実情に鑑み、ガラスプロセスと互換性が期待でき、耐熱
性・光学的特性に優れ、且つ量産性を有する耐熱光学プ
ラスチック積層シート及びその製造方法、並びに該積層
シートを用いた耐熱透明基板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高耐熱性を受け持つ
層と室温における物理的性質を受け持つ層の積層構造に
することにより、剛性・光学的特性及び耐熱性を合わせ
持つ光学プラスチックシートが得られることを見出し本
発明に到った。
【0008】即ち、本発明の第1は、4,4′−(α−
メチルベンジリデン)ビスフェノール及び/又は9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンをビスフ
ェノール成分として含む、ポリカーボネート又はポリア
リレートからなる光学的に透明な少なくとも一つの第1
層と、該層よりガラス転移温度の低い光学的に透明な材
料からなる第2層とを積層してなる、耐熱性と透明性に
優れた光学プラスチック積層シートを、本発明の第2
は、第1層を構成する、4,4′−(α−メチルベンジ
リデン)ビスフェノール及び/又は9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンをビスフェノール成分
として含む、ポリカーボネート又はポリアリレートから
なる光学的に透明なフィルムと、第2層を構成する、第
1層よりガラス転移温度の低い光学的に透明なフィルム
を、直接加熱積層することを特徴とする、耐熱性と透明
性に優れた光学プラスチック積層シートの製造方法を、
本発明の第3は、上記光学プラスチック積層シートを用
いた光エレクトロニクス素子用耐熱性透明基板を、それ
ぞれ内容とする。
【0009】本発明で使用される第1層を構成する材料
であるポリカーボネート、ポリアリレートは、ビスフェ
ノール成分として4,4′−(α−メチルベンジリデ
ン)ビスフェノールまたは9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレンを含む。それぞれの代表的ポリ
マーのTgを下記に示す。 (A) 4,4′−(α−メチルベンジリデン)ビスフ
ェノールポリカーボネート 195℃ (B) 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンポリカーボネート 260℃ (C) 4,4′−(α−メチルベンジリデン)ビスフ
ェノールポリアリレート(テレフタル酸/イソフタル酸
=1/1) 240℃ (D) 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンポリアリレート(テレフタル酸/イソフタル酸=
1/1) 300℃ なお、これらのモノマーは2種以上混合して用いてもよ
く、またTgを必要以上に低下させない程度に他のビス
フェノール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF等)の1種又は2種以上と混合使用してもよい。
【0010】第1層は、該層よりも低ガラス転移温度を
有する第2層の片面もしくは両面に積層化され、第2層
の高温加熱時の熱変形を防止する役割を果たしている。
第1層の厚みは、積層シートの厚みや、要求される耐熱
形状安定性により決定されるが、通常、積層シートの2
0〜80%である。該積層シートを単に液晶表示装置用
基板として用いる場合、シートは低リターデーションで
あることが必要であり、液晶表示装置の種類にもよる
が、一般に50nm以下が好ましく、より好ましくは20
nm以下である。また、該シートに位相差の機能を付与す
る場合は、積層する少なくとも一つの層に予め特定のリ
ターデーションを付与した後積層することにより容易に
得ることができる。一般には、100nm以上、好ましく
は300nm以上のリターデーションを付与することが要
請される。特に、高耐熱性を有する第1層に特定のリタ
ーデーションを付与することが、得られた位相差シート
の熱安定性にとり都合がよい。
【0011】第1層に特定のリターデーションを付与す
るには、上記した高分子材料を配向させることにより得
ることができる。一般には、光学的に異方性の少ない高
分子フィルムを1軸又は2軸に延伸することにより得る
ことができる。これらのフィルムは公知のフィルム化技
術により得ることができるが、表面性と光学的特性か
ら、溶剤キャスティング法によるフィルムが最も好まし
く用いられる。
【0012】リターデーションは、フィルムの膜厚と分
子の配向程度により決定され、分子の配向は延伸条件に
より大きく左右される。従って、リターデーションを精
密に制御するためには、第1層の厚みを比較的薄くし、
延伸条件の制御幅を大きく取ることが好ましい。そのた
め、第1層の厚みは20〜150μmから選択されるの
が望ましく、より好ましくは40〜100μmである。
また、特開平2−160204号や特開平3−8551
9号に見られるように、面内方向のいずれの屈折率とも
異なるように膜厚方向の屈折率を調整した特殊な材料も
好適に用いることができる。この場合においても、第1
層は、単層のみならず2層以上の複層であってもよい。
【0013】第2層を構成する材料としては、一般には
低複屈折性を有し、厚膜化が容易な材料から構成され、
耐熱性は第1層より低いものを用いる。加熱融着法等に
より、積層プロセスにて第2層がガラス転移温度以上に
加熱される場合、低複屈折性を有しない材料を用いるこ
とも可能であり、第2層に要求される光学的な初期特性
は大幅に緩和される。第2層を構成する材料のガラス転
移温度は、要求される耐熱性の程度に依存するが、一般
には100℃以上であれば良く、好ましくは140℃以
上で、第1層を構成する材料のガラス転移温度よりも2
0℃以上低いことが好ましく、更に40℃以上低いこと
が一層好ましい。本発明の積層プラスチックシートの耐
熱性は、第1層の耐熱性からの寄与が大きい。第2層は
単層又は2層以上の複数層からなる。
【0014】第2層を構成する材料は、第1層との親和
性に優れた材料が好ましく、最適プラスチック材料を選
択する必要がある。第2層は、常温でのシートの剛性を
出すための役割を果たしている。また、熱的変形に対し
ては第1層により守られているため、ガラス転移温度以
上の高温加熱時においても、その片面あるいは両面に存
在する高ガラス転移温度を有する第1層の保護を受け、
加圧等の応力に対しても流動すること無く形態を保持す
る。第2層の厚みは、第1層厚みの場合と同様に、積層
シートに要求される特性により決定されるが、積層シー
ト全体の厚みの80〜20%が選択される。
【0015】本発明のプラスチック積層シートは、各層
を構成するプラスチックを溶融共押出法により成形する
ことができるが、各層を単独にて溶剤キャスティング法
や溶融押出法により必要とする厚みにフィルム化した後
ラミネートすることにより容易に高品位のプラスチック
積層シートを得ることができる。接着剤を用いてラミネ
ートすることも可能であるが、積層シートの耐熱性を損
なうことのないように接着剤を選択する必要がある。高
温時の特性から加熱ラミネートが好ましい。この場合
は、第1層と第2層の親和性を考慮して材料選択を行う
必要がある。
【0016】第2層の好適な材料としては、比較的低ガ
ラス転移温度を有するポリエステル、ポリアリレート又
はポリカーボネート等でが挙げられ、これらは単独又は
2種以上組み合わせて用いられる。ビスフェノールA型
ポリカーボネートはエンジニアリングプラスチックとし
て広く利用されており、また、ガラス転移温度が約15
0℃と適度な値を有すると共に、第1層と高い親和性を
有しており、特性・コストの点から第2層材料として特
に好ましい。また、ビスフェノールA・テレフタル酸・
イソフタル酸からなるポリアリレートも工業的に利用で
きる材料として好ましい
【0017】本発明の耐熱光学プラスチック積層シート
は、上記の如く、第1層と第2層とを積層してなるの
で、光学的特性に優れた薄厚フィルムを得やすいという
溶剤キャスティング法の利点を生かし、低コストで耐熱
厚膜シートを得ることができるという特徴を有してい
る。また、ラミネート法により積層シートを得る場合、
高耐熱層(第1層)は光学的特性や表面平滑性の点から
溶剤キャスティング法により成膜したフィルムを用いる
ことができる。更に、比較的低ガラス転移温度を有する
材料は溶融押出法で光学的特性の良好なフィルムを生産
性高く得ることが容易であるという特徴を利用し、第2
層は溶融押出フィルムを用い、積層シートのコストを低
減することも可能である。
【0018】また、加熱ラミネート法によれば、一般的
には、第2層はラミネート時にガラス転移温度以上に加
熱されるため、熱アニールの効果を受けることになり、
単一フィルムで有していた複屈折は、熱アニールにより
低下改善され、その結果、得られた積層シートは、単一
フィルムのリターデーションの総和より小さくなるとい
う特徴を有する。好適な加熱ラミネートの方法の一つ
は、加熱ロールあるいはベルトによる加熱・加圧ラミネ
ート法である。必要とする加熱温度はラミネートする材
料により異なるが、第2層を構成する材料のガラス転移
温度より高く、第1層を構成する材料のガラス転移温度
より低い温度が好適である。熱ラミネートは、比較的低
温にて予備圧着した後、ラミネート温度に加熱し本圧着
する等、加熱を複数の段階に分けて実施することも可能
である。熱ラミネート時の気泡巻き込みを防止するた
め、真空ラミネート方式も好適に使用可能である。上記
の如き構造の本発明のプラスチック積層シートは、剛性
等、プロセスでのガラスとの共用又は互換性を保つた
め、厚みは0.2〜1mmが好適であり、0.3〜0.7
mmが特に好ましい。光学的特性については、全光線透過
率は80%以上が好ましい。
【0019】本発明のプラスチック積層シートは、ガラ
スと同様に、光エレクトロニクス素子用基板として、透
明導電加工等の2次加工をすることができるが、加工条
件としては、透明導電フィルムで実施されている条件を
参考にしながら最適な条件を見出す必要がある。また、
ガラス基板と異なり、酸素、水蒸気等に対するバリヤー
性能は落ちるため、必要に応じ、エチレン−ビニルアル
コール共重合体やポリ塩化ビニリデン等の有機系ガスバ
リヤー加工や、シリカ・アルミナ等からなる無機系ガス
バリヤー加工を行う。
【0020】一方、前記した如く、少なくとも一つの第
1層に予め機能を付与することも可能である。例えば、
第1層を構成するフィルムを予め延伸し一定の複屈折性
を付与して位相差フィルムとした後、積層シート化する
ことにより位相差フィルムを一体化させたプラスチック
積層シートを得ることができる。この場合、第1層を構
成する位相差フィルムは高いガラス転移温度を有するた
め、加熱ラミネートにおいても、余りリターデーション
が低下しないという特徴を有しており、高度にリターデ
ーションを制御されたシートを得ることができる。
【0021】位相差フィルムからなる第1層を第2の層
の両面に設ける場合において、第1層の位相差フィルム
の光軸を相互に並行に保った場合、得られたシートの位
相差は、それぞれの総和となる。このように第1層を配
置した場合、一つの第1層で位相差を発現させた場合と
比較し、得られたシートの反り等、好ましくない変形を
防止することができる。また、第1層を構成するそれぞ
れの位相差フィルムは、得られた液晶表示装置のコント
ラストを向上させる等、特性向上の目的で、その光軸を
適度に交差させて配置することも好ましい。通常、ST
N液晶表示装置としては基板以外に複数枚の位相差フィ
ルムを必要とするが、このような構成をとることによ
り、基板材料が複数の位相差フィルムの機能を有してい
るため液晶表示装置の構成を簡単にすることができると
いう利点を有する。2つの第1層がなす相対的な光軸の
角度は、液晶表示装置を設計する諸パラメーターとの関
連で様々に決められるものである。本積層シートによれ
ば、必要とする相対角度を有するものを容易に得ること
ができる。また、本積層シートは、第1・第2層以外の
層を更に設けることを制限するものではない。2つの第
1層は、そのリターデーション値は同じであっても異な
ったものであってもよい。更に、必要であれば、これら
第1層を構成する材料の種類を変えてもかまわない。
【0022】また、表面に透明導電層を有するフィルム
を第1層として用いることにより、透明導電性プラスチ
ック積層シートを得ることができる。更に、一つの第1
層フィルムに位相差フィルム、別の第1層フィルムに透
明導電性を有するフィルムを用いることにより、位相差
・透明導電一体型プラスチック積層シートを得ることも
できる。
【0023】本発明のプラスチック積層シートは、耐熱
性と光学特性の点からガラスと共用又は互換可能であ
り、広く、光エレクトロニクス素子用の基板として有用
である。更に、ガラスと異なり耐衝撃性に優れ、かつ軽
量であるため、大面積化が要求されている液晶表示素子
用の基板材料として、特に有用である。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
されたリターデーションが10nmである75μm厚の前
記(A)のポリカーボネートフィルムを用い、第2層の
材料として、溶剤キャスティング法により製膜されガラ
ス転移温度が150℃、リターデーションが13nmであ
る150μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネート
フィルムを用い、ポリカーボネートフィルムをポリアリ
レートフィルム2枚で挟み、真空ラミネート機で145
℃にて仮圧着した。その後、ガラス板で挟み180℃に
加熱・本圧着し、強固に融着した300μmの積層シー
トを得た。得られた積層シートのTMA分析による軟化
温度(変位の変曲点)は225℃であり、(A)ポリカ
ーボネート単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温度を示
した。一方、ポリカーボネートの軟化温度は180℃で
あった。また、作成した積層シートのリターデーション
は20nm、表面粗さは、平均で0.025μmであっ
た。
【0026】実施例2 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
されたリターデーションが8nmである75μm厚の前記
(B)のポリカーボネートフィルムを用い、第2層の材
料として、溶剤キャスティング法により製膜されガラス
転移温度が150℃、リターデーションが13nmである
150μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネートフ
ィルムを用い、ポリカーボネートフィルムをポリアリレ
ートフィルム2枚で挟み、真空ラミネート機で145℃
にて仮圧着した。その後、ガラス板で挟み190℃に加
熱・本圧着し、強固に融着した300μmの積層シート
を得た。得られた積層シートのTMA分析による軟化温
度(変位の変曲点)は290℃であり、(B)ポリカー
ボネート単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温度を示し
た。また、作成した積層シートのリターデーションは1
7nm、表面粗さは、平均で0.025μmであった。
【0027】実施例3 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
されたリターデーションが10nmである75μm厚の前
記(C)のポリアリレートフィルムを用い、第2層の材
料として、溶剤キャスティング法により製膜されガラス
転移温度が150℃、リターデーションが13nmである
150μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネートフ
ィルムを用い、ポリカーボネートフィルムをポリアリレ
ートフィルム2枚で挟み、真空ラミネート機で145℃
にて仮圧着した。その後、ガラス板で挟み185℃に加
熱・本圧着し、強固に融着した300μmの積層シート
を得た。得られた積層シートのTMA分析による軟化温
度(変位の変曲点)は270℃であり、(C)ポリアリ
レート単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温度を示し
た。また、作成した積層シートのリターデーションは2
0nm、表面粗さは、平均で0.025μmであった。
【0028】実施例4 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
されたリターデーションが10nmである75μm厚の前
記(D)のポリアリレートフィルムを用い、第2層の材
料として、溶剤キャスティング法により製膜されガラス
転移温度が150℃、リターデーションが13nmである
150μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネートフ
ィルムを用い、ポリカーボネートフィルムをポリアリレ
ートフィルム2枚で挟み、真空ラミネート機で145℃
にて仮圧着した。その後、ガラス板で挟み185℃に加
熱・本圧着し、強固に融着した300μmの積層シート
を得た。得られた積層シートのTMA分析による軟化温
度(変位の変曲点)は330℃であり、(D)ポリアリ
レート単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温度を示し
た。また、作成した積層シートのリターデーションは2
0nm、表面粗さは、平均で0.025μmであった。
【0029】実施例5 第1層の材料として、溶剤キャスティング法により製膜
されたリターデーションが8nmである75μm厚の前記
(B)のポリカーボネートフィルムを用い、第2層の材
料として、溶融押出法により成形された、ガラス転移温
度が195℃、リターデーションが100nmである15
0μm厚のビスフェノールA型・テレフタル酸・イソフ
タル酸(モル比2:1:1)のポリアリレートフィルム
を用い、第2層フィルムを第1層フィルム2枚で挟み、
真空ラミネート機で185℃にて仮圧着した。その後、
ガラス板で挟み235℃に加熱・本圧着し、強固に融着
した300μmの積層シートを得た。得られた積層シー
トのTMA分析による軟化温度(変位の変曲点)は29
0℃であり、(B)ポリカーボネート単独のフィルムと
ほぼ同程度の軟化温度を示した。また、作成した積層シ
ートのリターデーションは17nm、表面粗さは、平均で
0.025μmであった。
【0030】実施例6 第2層の材料として、溶融押出法により成形された、1
50nmのリターデーションを有する400μm厚のポリ
カーボネートフィルム(ガラス転移温度:149℃)を
用い、実施例1と同様に(A)ポリカーボネートフィル
ム2枚との加熱融着を行い、540μm厚の複層シート
を得た。この複層シートの軟化温度は225℃、リター
デーションは19nmであった。
【0031】実施例7 厚さ75μmを有する(A)ポリカーボネートフィルム
を自由端一軸延伸により縦一軸延伸を行いリターデーシ
ョンが400nmを有する位相差フィルムを得た。この位
相差フィルムと未延伸の厚さ75μmを有する(A)ポ
リカーボネートフィルムを第1層として用い、第2層の
材料として、溶融押出法により成形された20nmのリタ
ーデーションを有する200μm厚のビスフェノールA
型ポリカーボネートフィルムを用い、実施例1と同様に
加熱融着を行い、位相差フィルムが一体となった340
μm厚の積層シートを得た。得られた積層シートは、3
90nmのリターデーションを有していた。また、面内の
リターデーション分布は6nmと良好な均一性を有してい
た。
【0032】実施例8 実施例3で用いた(C)ポリアリレートからなるフィル
ムを自由端一軸延伸により縦一軸延伸を行いリターデー
ションが410nmを有する位相差フィルムを得た。この
位相差フィルムと未延伸の厚さ75μmを有する(C)
ポリアリレートフィルムを第1層として用い、第2層の
材料として、溶融押出法により成形された20nmのリタ
ーデーションを有する200μm厚のビスフェノールA
型ポリカーボネートフィルムを用い、実施例3と同様に
加熱融着を行い、位相差フィルムが一体となった340
μm厚の積層シートを得た。得られた積層シートは、3
98nmのリターデーションを有していた。また、面内の
リターデーション分布は10nmと良好な均一性を有して
いた。
【0033】実施例9 実施例1において第1層材料として用いた(A)ポリカ
ーボネートフィルム及び該(A)ポリカーボネートフィ
ルムの一方の表面に、SiOxからなるガスバリヤー
層、ITOからなる透明導電層を順次設けた、厚さ75
μm、表面抵抗60Ω/□を有する透明導電フィルムを
第1層の材料として用い、第2層の材料として、溶融押
出法により成形された20nmのリターデーションを有す
る200μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネート
フィルムを用い、上記2種類の(A)ポリカーボネート
フィルムで挟み、実施例1と同様に加熱融着を行い、表
面に透明導電層を有する積層シートを得た。得られた積
層シートは、厚みが350μmであり、表面抵抗が45
Ω/□であった。
【0034】実施例10 実施例6記載の位相差フィルム、及び、実施例8記載の
透明導電フィルムをそれぞれ第1層として用い、第2層
の材料として、溶融押出法により成形された20nmのリ
ターデーションを有する200μm厚のビスフェノール
A型ポリカーボネートフィルムを用い、実施例1と同様
に加熱融着を行い、表面に透明導電層を有し、しかも位
相差を有する積層シートを得た。得られた積層シート
は、厚みが345μmであり、390nmの位相差と45
Ω/□の表面抵抗を有していた。
【0035】実施例11 実施例1で得られた積層シートを用い、真空スパッタリ
ング法にて、SiOx層を500Å、ITO層1000
Åを順次形成させ、バリヤー層と透明導電層を有する耐
熱性透明基板を作成した。得られた耐熱性透明基板は、
表面抵抗が52Ω/□、酸素透過性が1.2cc/m2/da
y 以下であった。
【0036】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明により耐衝撃性、
剛性を備えるとともに、光学的特性に優れた耐熱透明プ
ラスチック積層シートが提供される。本プラスチック積
層シートは、光エレクトロニクス分野、特に液晶表示装
置分野でのガラスに代わる光学基板として有用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4′−(α−メチルベンジリデン)
    ビスフェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキ
    シフェニル)フルオレンをビスフェノール成分として含
    む、ポリカーボネート又はポリアリレートからなる光学
    的に透明な少なくとも一つの第1層と、該層よりガラス
    転移温度の低い光学的に透明な材料からなる第2層とを
    積層してなる、耐熱性と透明性に優れた光学プラスチッ
    ク積層シート。
  2. 【請求項2】 第1層を第2層の両面に配置してなる請
    求項1記載の光学プラスチック積層シート。
  3. 【請求項3】 リターデーションが50nm以下である請
    求項1又は2記載の光学プラスチック積層シート。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの第1層が、100nm以
    上のリターデーションを有する複屈折性の材料からなる
    請求項1〜3記載の光学プラスチック積層シート。
  5. 【請求項5】 第1層と第2層が直接積層されてなる請
    求項1〜4記載の光学プラスチック積層シート。
  6. 【請求項6】 第2層がポリカーボネートからなる請求
    項1〜5記載の光学プラスチック積層シート。
  7. 【請求項7】 第2層がポリアリレートからなる請求項
    1〜5記載の光学プラスチック積層シート。
  8. 【請求項8】 表面に透明導電層を有する請求項1〜7
    記載の光学プラスチック積層シート。
  9. 【請求項9】 第1層を構成する、4,4′−(α−メ
    チルベンジリデン)ビスフェノール及び/又は9,9−
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンをビスフェ
    ノール成分として含む、ポリカーボネート又はポリアリ
    レートからなる光学的に透明なフィルムと、第2層を構
    成する、第1層よりガラス転移温度の低い光学的に透明
    なフィルムを、直接加熱積層することを特徴とする、耐
    熱性と透明性に優れた光学プラスチック積層シートの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 積層する第1層のフィルムが、溶剤キ
    ャスティング法により得られたフィルムである請求項9
    記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8記載の光学プラスチック
    積層シートを用いた光エレクトロニクス素子用耐熱性透
    明基板。
JP6333515A 1994-12-14 1994-12-14 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法 Withdrawn JPH08166581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6333515A JPH08166581A (ja) 1994-12-14 1994-12-14 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6333515A JPH08166581A (ja) 1994-12-14 1994-12-14 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08166581A true JPH08166581A (ja) 1996-06-25

Family

ID=18266911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6333515A Withdrawn JPH08166581A (ja) 1994-12-14 1994-12-14 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08166581A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1921491A1 (en) * 1998-11-30 2008-05-14 Teijin Limited Liquid crystal device and transparent conductive substrate suitable for the same
JP2011156719A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Mitsubishi Chemicals Corp 多層体
JP2018194641A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置
WO2021029283A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱瓦斯化学株式会社 貼り合わせ用粘着シート、多層体および多層体の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1921491A1 (en) * 1998-11-30 2008-05-14 Teijin Limited Liquid crystal device and transparent conductive substrate suitable for the same
JP2011156719A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Mitsubishi Chemicals Corp 多層体
JP2018194641A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置
WO2021029283A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱瓦斯化学株式会社 貼り合わせ用粘着シート、多層体および多層体の製造方法
CN114207067A (zh) * 2019-08-09 2022-03-18 三菱瓦斯化学株式会社 贴合用粘接片材、多层体和多层体的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6087007A (en) Heat-Resistant optical plastic laminated sheet and its producing method
JP5585747B1 (ja) 積層位相差フィルム及びその製造方法
WO2006051784A1 (ja) 反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ
JPH08166849A (ja) タッチパネル用プラスチック積層シート及びプラスチック基板タッチパネル
WO2006051783A1 (ja) 偏光板および液晶表示装置
JP6708752B2 (ja) 多層積層フィルムおよびそれを用いた加工品
TWI639030B (zh) Laminated body, manufacturing method thereof, retardation film, polarizing plate, and manufacturing method of IPS liquid crystal panel
TWI737807B (zh) 光學積層體及圖像顯示裝置
US5888634A (en) Phase retarder film
JPH04163138A (ja) 安全ガラス用積層体
JPWO2010035720A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2017038415A1 (ja) 光学補償層付偏光板およびそれを用いた有機elパネル
JP2017161606A (ja) 光学補償層付偏光板およびそれを用いた有機elパネル
JP2012088613A (ja) 1軸延伸多層積層フィルムおよびそれからなる1軸延伸多層積層フィルム積層体
JPH08166581A (ja) 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JP6131620B2 (ja) 積層位相差フィルム及び積層位相差フィルムの製造方法
JP3406391B2 (ja) 光エレクトロニクス素子基板用光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JPH08166580A (ja) 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JPH08224823A (ja) 光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JPH08164581A (ja) 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JPH08294986A (ja) 透明光学積層シートおよびその製造方法
JP4367868B2 (ja) 位相差板の連続製造法、光学部材及び液晶表示装置
JP3358890B2 (ja) 複屈折性光学プラスチック積層シート及びその製造方法
JPH09318815A (ja) 光学フィルムの製造方法、積層偏光板及び液晶表示装置
JPH08110405A (ja) カラーフィルター用プラスチック積層シート及びプラスチック基板カラーフィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020305