JP4098056B2 - 透明シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池基板等に好適に利用できる透明なシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池基板等には、ガラス板が多く用いられている。しかし、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向き等の問題から、近年、ガラス板の代わりにプラスチックを用いる試みが数多く行われるようになってきた。例えば、脂環式構造、芳香族等を持つ特定のビス(メタ)アクリレートを含む組成物を活性エネルギー線等により硬化させ成形した透明基板を用いてなる液晶表示素子が検討されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、プラスチックは、ガラス板に比べ線膨張係数が大きいため、表示素子用基板の中でも、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に用いた場合、その製造時の加熱工程おいて、金属やシリコン及びそれらの酸化物などの無機薄膜にクラックが発生したり、剥離する等の不具合が生じる場合があり問題となっている。したがって、軽く、曲げることができ、軽いと同時に線膨張係数の小さいシートが望まれている。
【0003】
一方、ガラス基板を出来る限り薄くすることで、軽く、曲げることができるようにすることも検討されている。このような場合、割れやすさを回避するために樹脂を塗布することなどが提案されている。(例えば、非特許文献1参照。)しかし、ガラス基板を薄くすることは50μm程度が下限であり、プラスチックほどの軽量化は困難であるとともに、このような薄いガラスは、より厚いガラスを研磨やエッチングすることで得るために高コストになってしまう。
従来、ガスバリア層として樹脂フィルムに透明無機薄膜を成膜することが行われている。(例えば、特許文献2,3参照。)しかし、これらは線膨張係数を下げる目的で発明されたものではなく、片面に樹脂層が無い場合にも割れない厚さである0.01〜0.1μmという薄い厚さで用いられるため線膨張係数を下げるには有効ではない。また、線膨張係数が低い樹脂フィルムとしては、ポリイミドやポリエチレンナフタレート(PEN)が知られているが、前者は一般に可視光でも短波長域に吸収を持ち黄色〜褐色であり光学用途には好ましくなく、後者は大きな位相差を持つために光学等方性が必要な用途には好ましくない。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−90667号公報(第2−3頁)
【非特許文献1】
A.Weber, Thin Glass−Polymer System as Flexible Substrate for Displays, SID INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OFTECHNICAL PAPERS 2002 Vol.XXXIII, No.1 P.53−55
【特許文献2】
特開平9−39151号公報(第1−3頁)
【特許文献3】
特開平10−329254号公報(第2−3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、線膨張係数が低く、液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池基板等に好適に利用できる透明シートを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、少なくとも厚さ0.6μm以上10μm以下の透明無機層及びそれを挟む透明樹脂層を有するシートが液晶表示素子用基板や有機EL表示素子用基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に好適に用いられることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1) 液晶表示素子用基板又は有機EL素子用基板に用いる透明シートであって、少なくとも厚さ0.6μm以上50μm未満の透明無機層及びこれを挟む透明樹脂層1並びに透明樹脂層2を有し、30℃から100℃における面内方向の線膨張係数が40ppm/℃以下であり、位相差が10nm以下であり、波長400nmにおける光線透過率が80%以上である透明シートであり、透明樹脂層1及び透明樹脂層2が、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー、エポキシ樹脂を活性エネルギー線または熱によって架橋させた樹脂、又はアクリレートを活性エネルギー線または熱によって架橋させた樹脂からなる透明シート
(2) 前記透明無機層が物理気相成長法および/または化学気相成長法により成膜される(1)の透明シート、
(3) 前記物理気相成長法が真空蒸着法またはイオンプレーティング法である(2)の透明シート、
(4) 前記化学気相成長法が大気圧下で行なわれる(2)の透明シート、
(5) 前記透明樹脂層1上に透明無機層および透明樹脂層2をロールツーロール方式で積層した(1)〜(4)の透明シート、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明中の透明無機層の例としては、酸化珪素,酸化窒化珪素などの可視光の透過性を有する珪素化合物や、酸化アルミニウム,酸化鉛,酸化亜鉛,酸化チタン,酸化タンタルなどの可視光の透過性を有する金属酸化物などが挙げられる。これらは、単層で用いても2層以上を用いても良い。
透明無機層の成膜は、真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリングなどの物理気相成長法、真空中でのプラズマCVD,触媒CVD,大気圧下でのCVDなどの化学気相成長法、ゾル−ゲル法等の湿式塗布法により行うことができる。これらのうち、物理気相成長法,化学気相成長法は低温で緻密な膜を得られやすく好ましい。更に、物理気相成長法の中でも真空蒸着とイオンプレーティングは成膜速度が速く、0.2μm以上50μm未満の膜を連続的に成膜する際に好ましい。また、化学気相成長法では、大気圧下でこれを行う方法が、真空工程を必要とせずタクトタイムを短くできる点から好ましい。
【0008】
本発明中の透明樹脂層1および透明樹脂層2に用いる透明樹脂とは、可視光線の透過性を有する樹脂を示す。本発明の透明樹脂の透明性は、シートにした際の550nmでの光線透過率が80%以上のものが好ましく、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。表示素子用基板として用いる場合には、85%以上が好ましい。
本発明の透明樹脂のガラス転移温度は、120℃以上であることが好ましく、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。ガラス転移温度が120℃未満の樹脂を用いた場合、例えば液晶表示素子基板に適用すると、配向膜形成や基板はり合わせなどの加熱工程で変形やうねりが生じる恐れがある。更に透明性や位相差が小さいことから、本発明中の透明樹脂層に用いる透明樹脂は非晶質であることが好ましい。位相差が10nmを超える場合、偏光を利用する表示素子の場合にコントラストの低下や色ムラが発生する場合があるため、透明シートの位相差は10nm以下である必要がある。
【0009】
本発明の透明樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリレートなどの反応性モノマーを活性エネルギー線で架橋させた樹脂などがあげられ、耐溶剤性に優れていることからアクリレートやエポキシ樹脂などの反応性モノマーを活性エネルギー線および/または熱によって架橋させた樹脂が好ましい。反応性モノマーとしては、熱や活性エネルギー線で架橋させることができるものであれば特に制限されないが、透明性や耐熱性の面から2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートや2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂が好ましく、特に2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。これら樹脂は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。さらに各透明樹脂層は、2層以上の多層構成であってもかまわない。また、透明樹脂層1と透明樹脂層2とは、同一の樹脂構成であっても、異なるものでも良い。
【0010】
本発明の透明樹脂層1は、架橋させうる樹脂の場合は注型法,流延法などで、熱可塑性樹脂の場合は溶融押出法や溶液流延法などで成膜することができる。紫外線等の活性エネルギー線により架橋させて製造する場合は、樹脂組成物中にラジカルを発生する光重合開始剤を含有させることが好ましい。その際に用いる光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用しても良い。
【0011】
本発明で、透明樹脂層1上に、透明無機層および透明樹脂層2を順次積層する場合は、製造工程中で透明無機層に傷や割れが発生することを防ぐことから、ベースとなるロール状の透明シート原反等である透明樹脂層1上に、ロールツーロール方式で透明無機層を成膜した後、連続してその上層に、やはりロールツーロール方式で透明樹脂層2を成膜することが好ましい。この場合、透明樹脂層2の成膜方法としては、透明無機層を物理気相成長法などにより真空チャンバー中で成膜する場合には蒸着重合法が、ゾル−ゲル法や大気圧下での化学気相成長法により成膜する場合にはグラビアコートやダイコート等の湿式塗布法を用いることができる。
【0012】
本発明の透明樹脂層中には、必要に応じて、透明性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料を含んでいても良い。
【0013】
本発明の透明シートの線膨張係数は40ppm/℃以下であることが必要である。従来の透明シートで得られているような50ppm/℃を超える線膨張係数の場合、表示素子の製造時の加熱工程おいて、金属やシリコン及びそれらの酸化物などの無機薄膜にクラックが発生したり、剥離する等の不具合が生じる場合がある。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
溶融押出法により幅600mm厚さ10μmのポリカーボネートフィルムのロール品を作成した。このフィルム上に、グラビアコーターとUV照射装置を有するロールツーロール方式の塗工機を用いて、ノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物をグラビアコーターにより膜厚1μmで塗布した後、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、透明樹脂層1を作製した。シートを300mm×400mmの大きさに切断して板状治具に固定した後、パルスDC式多層スパッタリング装置によりAlターゲットを用いた反応性スパッタリグでAl2O3を膜厚0.6μmにスパッタし、透明無機層を成膜した。治具に固定したシートをスパッタリング装置から取り出し、枚葉式ダイコーターを用いてノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚3μmに塗布し、UV照射装置により500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、枚葉の透明シートを得た。
【0015】
(実施例2)
溶融押出法により幅600mm厚さ10μmのポリエーテルスルホンフィルムのロール品を作成した。このフィルム上に、グラビアコーターとUV照射装置を有するロールツーロール方式の塗工機を用いて、ノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物をグラビアコーターにより膜厚1μmで塗布した後、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、透明樹脂層1を作製した。続いて、ロールツーロール方式の真空蒸着装置を用いてSiO2を膜厚1μmに蒸着し、透明無機層を成膜した。真空成膜から取り出した後、再度ロールツーロール方式の塗工機を用いて、ノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚3μmで塗布し、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、ロール状で透明シートを得た。
【0016】
(実施例3)
溶融押出法により幅600mm厚さ10μmのポリエーテルスルホンフィルムのロール品を作成した。このフィルム上に、グラビアコーターとUV照射装置を有するロールツーロール方式の塗工機を用いて、ジシクロペンタジエニルジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物をグラビアコーターにより膜厚1μmで塗布した後、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、透明樹脂層1を作製した。ロールツーロール方式の、大気圧CVD装置,グラビアコーター,UV照射装置を有する塗工機を用い、CVDによりテトラメトキシシランを原料ガスとして透明無機層であるSiO2を膜厚3μmに成膜し、続いてジシクロペンタジエニルジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚5μmにグラビアコーターで塗布し、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、ロール状で透明シートを得た。
【0017】
(実施例4)
グラビアコーターとUV照射装置を有するロールツーロール方式の塗工機を用いて、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルム上に、ジシクロペンタジエニルジアクリレート70重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート30重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚10μmに塗布し、750mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、透明樹脂層1を得た。ロールツーロール方式のイオンプレーティング装置により透明無機層であるSiO2を厚さ2μmに成膜した。イオンプレーティング装置から取り出した後、再度ロールツーロール方式の塗工機を用いて、ジシクロペンタジエニルジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚8μmに塗布し、750mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、ポリエステルフィルムから剥離して透明シートを得た。
【0018】
(比較例1)
ジシクロペンタジエニルジアクリレート70重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート30重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを0.5重量部を加えた樹脂組成物を、離型処理したガラス板に枚葉式ダイコーターで塗布し、両面から300mJ/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中で、約100℃で3時間加熱後、さらに約250℃で3時間加熱し、厚さ20μmの透明シートを得た。
【0019】
(比較例2)
溶融押出法により幅600mm厚さ10μmのポリエーテルスルホンフィルムのロール品を作成した。このフィルム上に、グラビアコーターとUV照射装置を有するロールツーロール方式の塗工機を用いて、ノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物をグラビアコーターにより膜厚1μmで塗布した後、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、透明樹脂層を成膜した。続いて、ロールツーロール方式のパルスDC式スパッタリング装置によりSiターゲットを用いた反応性スパッタリグでガスバリア層であるSiOx(1.5<x<2.0)を膜厚0.1μmに蒸着し、透明無機層を成膜した。真空成膜から取り出した後、再度ロールツーロール方式の塗工機を用いて、ノルボルナンジメチロールジアクリレート90重量部と平均分子量500であるエポキシアクリレート10重量部の混合物に光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部を加えた樹脂組成物を膜厚3μmで塗布し、500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、ロール状で透明シートを得た。
【0020】
以上のようにして作製した光学シートについて、下記に示す評価方法により、各種特性を測定した。
a)線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から150℃まで上昇させた後、一旦0℃まで冷却し、再び1分間に5℃の割合で温度を上昇させて30℃〜100℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定を行った。測定は、独自に設計した石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm/℃)を用いた。一般に使われているインコネル製のチャックは、それ自体の線膨張が高いことやサンプルの支持形態に不具合があり、測定ばらつきが大きくなる問題があった。したがって、石英引張チャックを独自に設計し、それを用いて線膨張係数を測定することにした。この引張チャックを用いることにより、圧縮モードで測定した場合とほぼ同様の値で測定できることを確認している。
b)耐熱性(ガラス転移温度)
セイコー電子(株)製DMS―210型粘弾性測定装置で測定し、1Hzでのtanδの最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
c)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で550nmの光線透過率を測定した。
d)位相差
王子計測器(株)製自動複屈折計KOBRA−21を用いて入社角度0度の値を測定した。
評価結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0004098056
【0022】
実施例1〜4は低線膨張係数、高耐熱性、高透明性(高光線透過率)、低位相差であり、良好な特性を示した。
比較例1では透明無機層を有しないために線膨張係数が大きな値となってしまった。
比較例2では、透明無機層を有するものの、ガスバリア層として形成された厚さ0.6μm未満の層であるために線膨張係数が40ppm/℃を超えた大きな値となってしまった。
【発明の効果】
本発明の光学シートは、低線膨張係数、透明性、耐熱性に優れるため、アクティブマトリックスタイプの液晶表示素子用基板や有機EL素子用基板に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 液晶表示素子用基板又は有機EL素子用基板に用いる透明シートであって、少なくとも厚さ0.6μm以上50μm未満の透明無機層及びこれを挟む透明樹脂層1並びに透明樹脂層2を有し、30℃から100℃における面内方向の線膨張係数が40ppm/℃以下であり、位相差が10nm以下であり、波長400nmにおける光線透過率が80%以上である透明シートであり、透明樹脂層1及び透明樹脂層2が、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー、エポキシ樹脂を活性エネルギー線または熱によって架橋させた樹脂、又はアクリレートを活性エネルギー線または熱によって架橋させた樹脂からなる透明シート
  2. 前記透明無機層が物理気相成長法および/または化学気相成長法により積層される請求項1記載の透明シート。
  3. 前記物理気相成長法が真空蒸着法またはイオンプレーティング法である請求項2記載の透明シート。
  4. 前記化学気相成長法が大気圧下で行なわれる請求項2記載の透明シート。
  5. 前記透明樹脂層1上に透明無機層および透明樹脂層2をロールツーロール方式で積層した請求項1〜4何れか一項記載の透明シート。
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