JP5307861B2 - ロボット制御システム - Google Patents
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Description
1)コントローラとTPが一対一で、かつ一台のコントローラに対して複数のロボットマニピュレータが接続される場合、操作者が予期せぬロボットマニピュレータを操作してしまう危険性については、従来技術では既に考慮がなされている(特許文献1,特許文献2)。
なお、上記1)2)から推測される、複数のコントローラ及び複数のロボットマニピュレータに対して一台のTPを使い回したりする場合、操作者が意図しないロボットマニピュレータを誤って操作してしまう問題については、上記従来技術では、考慮されていない。
2) TPの数を減らす事によるコスト削減
3) TPを非有線化にした場合は、ケーブルレスによる作業性の向上
4) TPを非有線化にした場合は、断線がなくなるための信頼性向上
ところが、その際に一番問題になるのが、操作者の安全の確保である。仮に、複数台のコントローラから所望の接続先であるコントローラを選択できない場合には、意図せぬコントローラにTPが接続されてしまい、TPからの操作により意図せぬロボットを動作させてしまう可能性があり、操作者の安全が確保できない問題がある。
請求項2の発明は、請求項1において、前記コントローラは、外部操作可能な運転準備操作手段を備え、前記指令手段は、前記運転準備操作手段の操作に応じて電力付与指令を前記電力供給遮断手段に付与し、前記電力供給遮断手段は、前記電力付与指令に基づいて前記サーボドライバへ電力を供給することを特徴とする。
まず、教示装置である可搬式操作部としてのティーチペンダント10と複数のコントローラ20A〜20Cとが無線LANを介して通信を行うロボット制御システム30の参考例1を図1及び図2を参照して説明する。このロボット制御システム30のコントローラ20A〜20Cがそれぞれ制御するロボットR1〜R3は、例えば溶接ロボットである、なお、ロボットは、溶接ロボットに限定されるものではなく、例えば搬送ロボット等の他のロボットであってもよい。なお、各コントローラの構成は同じであるため、コントローラ20Aの構成について以下では説明し、他のコントローラの説明を省略する。
図1に示すように可搬式操作部としてのティーチペンダント10はCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、LANI/F15、キーボード16(図3参照)、液晶ディスプレイ17(図3参照)及び有線・無線変換器18の各部を備えているとともに各部はバス19を介して接続されている。
(2. コントローラ20A)
コントローラ20Aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、LANI/F25、タイマ26、サーボドライバ27及び有線・無線変換器28の各部を備えているとともに各部はバス29を介して接続されている。前記ROM22には、該コントローラ20Aが制御対象とするロボットR1の動作制御を実行するための制御プログラムとその制御定数や、例えば、自身のID通知を行うためのID通知処理プログラム220等の各種プログラムが格納される。なお、図1では、説明の便宜上、ID通知処理プログラム220のみが図示されている。RAM23は、CPU21のワーキングエリアとして用いられ、計算途中のデータが一時的に格納される。ハードディスク24には、ロボットR1の作業が教示されたデータや、制御プログラムの実行条件、ならびに各種の制御変数が格納される。なお、ハードディスク24に代えて、他の書換可能な記憶装置であってもよい。LANI/F25は、ティーチペンダント10との接続に使用される通信機である。サーボドライバ27は、ロボットR1の各関節を駆動する図示しないモータに接続され、該モータに通電させる電流を制御する。タイマ26は、定期時刻ごとに同期信号を発生する。該同期信号は、サーボドライバ27への指令値の更新タイミングに使用される。
さて、上記のように構成されたロボット制御システム30において、ティーチペンダント10がコントローラ20のいずれかに接続する際の作用を説明する。本参考例1では、ティーチペンダント10から接続先をサーチする際、下記の順序で行われる。
ティーチペンダント10のCPU11は、ティーチペンダント10の操作者によるキーボード操作により、「コントローラへの接続処理」が開始されたことを検知すると、ROM12に格納された接続先検索処理プログラム121を実行する。図2はCPU11が実行する接続先検索処理プログラム121のフローチャートである。
次に、CPU11は、コントローラアドレスリスト142から順次アドレスをピックアップし、アドレス毎に、送信先情報として該アドレス、送信元情報として自身のTPIP140及びコントローラIDの返信を要求するコマンドを含む通信パケットを作成して無線LANを介して発行する。コントローラIDは、コントローラ毎に設けられた固有の識別情報であって、コントローラ識別情報に相当する。
次にCPU11は、図2のS3において、ROM12に格納された接続先表示処理プログラム122を実行する。すなわち、CPU11は、ハードディスク14のコントローラIDリスト144の内容を、例えば図3に示すようにティーチペンダント10の液晶ディスプレイ17に表示する。なお、この表示は、アルファベットや漢字・ひらがな・カナを使用したコントローラIDにてロボットの個体識別を行う方が、単に数字の羅列となるアドレスで検索するより、安全かつ確実になるのは言うまでも無い。又、コントローラIDを図3に示すようにコントローラ20A〜20CあるいはロボットRの本体部に記名しておけば、更に識別の確実性や安全性を向上できる。
次に、CPU11は、S4において、ROM12に格納された接続先選択処理プログラム123を実行する。すなわち、S4において、CPU11は操作者がキーボード16のキー入力を待つ。そして、CPU11はキー入力により液晶ディスプレイ17に表示されたコントローラIDから任意の1つを選択して確定させたことを検知すると、S4の判定を「YES」とする。続いて、CPU11は、選択されたコントローラIDに該当するコントローラアドレスを、自ティーチペンダント10の接続先コントローラアドレスである接続先コントローラIP145としてハードディスク14に登録する(S5)。
次に、CPU11は、S6において、選択された接続先コントローラに対して、自身のアドレスを通知するように、送信先情報である該接続先コントローラアドレスとして接続先コントローラIP145及び送信元情報を兼用する自身のアドレス(TPIP140)を含む通信パケットを作成して無線LANを介して発行する。
参考例1のロボット制御システム30では、ティーチペンダント10(可搬式操作部)と、無線LAN(非有線通信手段)を介して情報を送受信する複数のコントローラ20A〜20Cと、該コントローラ毎に接続されるとともに該コントローラにより制御可能なロボットR1〜R3を備える。
次に参考例2を図4〜8を参照して説明する。
参考例2のロボット制御システム30において、ティーチペンダント10には、参考例1のティーチペンダント10の構成に加えて、モータ運転許可スイッチ56及びモータ運転スイッチ57が設けられているところが異なっている。コントローラ20のハード構成は参考例1と同様である。モータ運転スイッチ57は操作者によりロボットアームを駆動するモータ(図示しない)への電力供給を操作するためものである。又、モータ運転許可スイッチ56は、コントローラ20に対してロボットのモータ運転許可を得るために操作するためのものである。なお、参考例2において、キーボード16は入力手段に相当する。ティーチペンダント10のCPU11は出力手段に相当する。液晶ディスプレイ17は判別結果表示手段に相当する。
そして、参考例2は、ティーチペンダント10のCPU11と、コントローラ20のCPU21が下記の処理を行うところが異なっている。
ティーチペンダント10のCPU11は、図示しないタイマの同期信号によって所定の制御周期毎(例えば、0.1sec毎)に、すなわち、定期的にROM12に格納されたスイッチ監視処理プログラム126を実行する。そして、操作者が、ティーチペンダント10のモータ運転許可スイッチ56を押すと、CPU11は、スイッチ監視処理プログラム126に従いROM12に格納された第1モータ運転許可管理処理プログラム127Aを起動し、操作者に対しIDの入力を促す旨の表示を液晶ディスプレイ17にて行う(図5参照)。そして、ロボット個体別IDの入力がキーボード16により行われたか否かを待つ(S40)。
無線LANを介して、接続先コントローラID148と一致するコントローラ20のCPU21は、前記モータ運転許可要求メッセージを受信すると、モータ運転許可要求メッセージ内の送信元のTPID141をハードディスク24に接続先TPID246として格納するとともにROM22に格納されたID認証処理プログラム223を起動する。
CPU21はハードディスク24から認証ID247を読み出す(S50)。この認証ID247は、予め当該コントローラ20に接続されているロボットRに付与されたロボット個体別IDである。そして、CPU21はモータ運転許可要求メッセージに含まれる認証ID149とハードディスク24から読み出した認証ID247が一致、すなわち、両ロボット個体別IDが一致するか否かを判断する(S51)。
そして、CPU21は、認証ID149と認証ID247とが一致している場合、モータ運転許可要求メッセージを送信したティーチペンダント10に通知するために図8に示すようにモータ運転許可承認メッセージを作成する(S53)。具体的にはCPU21はハードディスク24内のコントローラID241、接続先TPID246、及び認証ID247を読み込みしてそれぞれを送信元のコントローラID、送信先TPID182、ロボット個体別ID183とし、これらにメッセージを識別するためのメッセージID181を付加してモータ運転許可承認メッセージとする。ここで作成されたモータ運転許可承認メッセージは、ロボット個体別ID183が認証ID247のロボット個体別IDとなっているため、操作者が入力したロボット個体別IDに対応したロボットが有る旨のメッセージとなる。
4) ティーチペンダント10及びコントローラ20における当該ロボットのモータ運転の許可
コントローラ20のCPU21は、ROM22に格納されたモータ運転制御処埋プログラム224を起動し(S55)、操作許可TPID248に初期値以外のIDが保存されていることが確認できた場合、モータ運転禁止状態からモータ運転許可状態への状態遷移を行う。
(1) 参考例2のロボット制御システム30では、ロボットRには、ロボット個体別IDが表示されている。又、ティーチペンダント10(可搬式操作部)には、ロボット個体別IDを入力するキーボード16(入力手段)と、キーボード16により入力されたロボット個体別IDを無線LANに出力するCPU11を備える。又、コントローラ20は、送信されたロボット個体別IDが、該コントローラ20が制御するロボットのロボット個体別ID(識別情報)と一致する場合に、該ロボットを駆動する駆動源の電力供給をモータ運転許可承認メッセージにて許可するようにした。
次に、参考例3を図10、図11、図13〜17を参照して説明する。
参考例3のロボット制御システム30のハード構成は、参考例2(図4参照)の構成中、モータ運転許可スイッチ56及びモータ運転スイッチ57の図示が省略されているところが異なっている。本参考例のCPU21は認証手段に相当する。
さて、上記のように構成されたロボット制御システム30の作用を説明する。本参考例では、コントローラ20とティーチペンダント10との通信が無線LANを経由して行われる。そして、一台のコントローラ20との通信が可能な複数のティーチペンダント10等がネットワーク内に存在する環境において、ティーチペンダント10等とコントローラ20との間で、一対一の接続関係を確立するために、以下の4つのステップが実行される。
参考例3では、図示しないタイマの同期信号によって所定の制御周期毎(例えば、0.1sec毎)に、すなわち、定期的にROM12に格納された図示しないスイッチ監視処理プログラムがCPU11により実行されている。このようにコントローラ20から操作権限を取得していないティーチペンダント10では、コントローラ接続処理が、操作者からの接続要求待ちの状態にある。具体的には、ティーチペンダント10は操作者からのキーボード入力を待つ状態にある。図13は本参考例のスイッチ監視処理プログラムのフローチャートである。この状態では、CPU11がスイッチ監視処理プログラムを実行することにり、操作者に対しユーザID、パスワード、コントローラIDの入力を促す旨の表示が図15に示すように液晶ディスプレイ17にて行われる。
コントローラ20のCPU21は、ティーチペンダント10から接続認証要求メッセージを無線LANを介して受信すると、ROM22に格納されたTPID認証処理プログラム226を起動し(図14参照)、ハードディスク24内にある操作許可TPID248に格納されている情報を取得する(S80)。初期状態、すなわち、当該コントローラ20を操作することができる権限を付与されたティーチペンダントが存在しない状態においては、操作許可TPID248には、初期値(例:0)が格納されている。すなわち、CPU21によるTPID認証処理は、操作許可TPID248に格納されている情報から、自身を操作する権限を付与されたティーチペンダントの有無を認識することができる(S81)。
次に、CPU21は、S84又はS86において、図16(b)に示すように接続認証承認メッセージの作成を行う。接続認証承認メッセージには、接続認証承認メッセージを識別するためのメッセージID185と、送信元のコントローラIDが含まれている。この場合、コントローラ接続認証済みのティーチペンダントが存在しない場合(S81の判定が「YES」)、S84においては、CPU21は、接続認証承認メッセージの送信元コントローラID186として当該コントローラのMACアドレス228を格納する。
ティーチペンダント10のCPU11は、ROM12に格納された送受信処理プログラムをその時々に実行処理するとともに、コントローラ20から接続認証承認メッセージを受信すると、ROM12に格納されたコントローラ接続処理プログラム128を起動する(図17参照)。CPU11は、接続認証承認メッセージの送信元コントローラID186に格納されている内容を、ハードディスク14に接続先コントローラID148として格納する(S90)。次に、CPU11は、接続先コントローラID148に格納した内容を読み込み、接続認証の結果を検査する(S91)。
(1) ティーチペンダント10からの接続認証が承認されている場合、接続認証承認メッセージの送信元コントローラID186には、接続先コントローラのMACアドレス228が格納され、接続認証が却下されている場合、接続認証承認メッセージの送信元コントローラID186には、初期値(例:0)が格納される。すなわち、ティーチペンダント10は、ハードディスク14にある接続先コントローラID148の内容から、接続認証の結果を知ることができる。
次に参考例4を図10、図12、図16(c),(d)、図18〜20を参照して説明する。参考例4のロボット制御システム30のハード構成は参考例3と同一であるため、参考例4のハード構成については参考例3と同一符号を付して構成の重複説明は省略する。参考例4では、ハードディスク24は記憶手段に相当する。
参考例4では、以下の処理が実行されることによって、ティーチペンダント10とコントローラ20との間に確立した接続関係を、安全に破棄することができる。以下で、コントローラ20を代表してコントローラ20Aとティーチペンダント10との接続関係を破棄する場合について説明する。
操作者Hがティーチペンダント10のキーボード操作にて、現在、操作しているコントローラとの接続関係の破棄を要求すると、CPU11はコントローラ接続処理プログラム128を起動し(図18参照)、液晶ディスプレイ17にユーザIDとパスワードを入力する画面を表示して操作者HにユーザIDとパスワードを入力するように促す(S100)。
コントローラ20AのCPU21は、ROM22に格納された送受信処理プログラム227をその時々に実行し、ティーチペンダント10から前記切断要求メッセージを受信すると、TPID認証処理プログラム226を起動する(図19参照)。そして、CPU21は、ハードディスク24に格納されている認証ユーザID252、及び認証パスワード253と、前記切断要求メッセージのユーザID190、及び、パスワード191とをそれぞれ検査照合する(S110、S111)。
次に、CPU21は、S112において、切断要求を承認した場合や、S115において、切断要求を却下した場合、それぞれ、切断承認メッセージの作成を行う。すなわち、S112において、CPU21が切断要求を承認した場合には、S113において、CPU21は、切断承認メッセージを識別するためのメッセージID188と、当該コントローラ20AのMACアドレス228を格納した送信元コントローラID186を含む切断承認メッセージを作成する。
この後、S114において、CPU21は、切断要求の承認結果を含む切断承認メッセージとして、切断要求元のティーチペンダント10に無線LANを介して通知する。
ティーチペンダント10のCPU11は、ROM12に格納された送受信処理プログラム129をその時々に実行し、コントローラ20Aから切断承認メッセージを受信すると、コントローラ接続処理プログラム128を起動する(図20参照)。CPU11は、切断承認メッセージの送信元コントローラID186に格納されている内容を検査する(S120,S121)。ここで、ティーチペンダント10からの切断接要求が承認されている場合、切断承認メッセージの送信元コントローラID186には、接続先のコントローラ20AのMACアドレス228が格納され、切断要求が却下されている場合、切断承認メッセージの送信元コントローラIDには、初期値(例:0)が格納されている。従って、ティーチペンダント10のCPU11は、切断承認メッセージの送信元コントローラID186の内容から、切断要求の承認結果を知ることができる。
さて、参考例4によれば、以下のような特徴がある。
次に一実施形態を図21〜図24を参照して説明する。
本実施形態のロボット制御システムは、複数のロボットR1〜R3のそれぞれを制御する複数のコントローラ20A〜20Cと、可搬式操作部であるティーチペンダント10とから構成されている。なお、図21では説明の便宜上、ティーチペンダント10と1つのコントローラ20Aのみを図示している。
図21に示すように可搬式操作部としてのティーチペンダント10はCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、LANI/F15、キーボード16(図22参照)、液晶ディスプレイ17(図22参照)及び有線・無線変換器18の各部を備えているとともに各部はバス19を介して接続されている。
コントローラ20A〜20Cは同一構成のため、コントローラ20Aについて説明する。コントローラ20Aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、LANI/F25、タイマ26、サーボドライバ27及び有線・無線変換器28の各部を備えているとともに各部はバス29を介して接続されている。
さて、上記のように構成されたロボット制御システム30において、ティーチペンダント10がコントローラ20のいずれかに接続する際の作用を説明する。本実施形態では、ティーチペンダント10から接続先をサーチする際、下記の順序で行われる。
ティーチペンダントTPの操作者が、ティーチペンダントTPの操作として、ティーチペンダントTPとコントローラとの接続処理を開始する。
2) コントローラ20AのティーチペンダントTP接続確認処理
コントローラ20AのCPU21は、LAN I/F28を介してティーチペンダント
TPから接続要求コマンドを受信すると、ROM22のTP接続確認処理プログラム131が実行される。そして、CPU21は、このプログラムに従ってコントローラ自身が現在、接続可能な状況かどうかを判断する。接続可能な状況の判断条件には以下のものがある。
・ティーチペンダントTPのモード(教示/再生)と、コントローラのモード(教示/再生)が一致している。このモードの一致は、ティーチペンダントTPから送信されるティーチペンダントTPのモード情報に基づいて判断される。
CPU21は、現在、他のティーチペンダントTPと接続状態に無く、接続要求コマンドを発信したティーチペンダントTPと接続状態を確立可能と判断し、かつコントローラ20Aが教示モードである時には、運転準備信号「開」処理プログラム132に従って運転準備制御信号を「開」にする(図23参照)。なお、図23は、運転準備信号制御ラダー部59及びマグネットスイッチ制御ラダー部60が実行する制御ラダーを示すラダー図である。
次に、ティーチペンダントTPの操作者が、ロボットR1のアームを駆動するロボットモータへの電力供給させたいときには、操作者が、コントローラ20Aに有線で接続されている運転準備ボタン58aを押す。
CPU21は、操作者による運転準備ボタン58aの「閉」を検知すると、運転準備信号「閉」処理プログラム133に従って運転準備信号制御ラダー部59における上記の3)で「開」とした運転準備制御信号を即座に「閉」にする。
(1) 上記のように以上の5つのステップを経て、ティーチペンダントTPとコントローラ20Aの接続、ロボットモータへの電力遮断、ならびにロボットモータへの電力通電の再開を行うことで、万が一、意図せぬコントローラ20Aへ接続した場合でも、上記の4)と5)の段階で運転準備信号が「閉」にならない。このため、誤ったロボットを動作させることが無く安全にすることができる。
次に、図24を参照して、前記実施形態の変形例を説明する。
本実施形態では、運転準備信号が「閉」になった時点から起動する電力遮断プログラムがROM22に格納されているところが、前記実施形態と異なっている。
コントローラ20AのCPU21は、運転準備信号が「閉」になったことを検知すると、ティーチペンダントTPの無操作状態の経過時間(以後、経過時間と呼ぶ)を0[sec]
として初期化する。経過時間は、コントローラ20A内のRAM23に格納される変数で、CPU21により書き換え可能である。
CPU21は、LANI/F25を介して、ティーチペンダントTPからの操作コマンドを受信したか否か判定する。ティーチペンダントTPからの操作コマンドを受信した履歴があった場合には、CPU21は、操作コマンド受信履歴を「無し」にし、上記のS130に戻る。ティーチペンダントTPからの操作コマンドを受信した履歴が無かった場合には、S132に進む。
CPU21は、入出力ポート53を介して、運転準備信号が「開」に変更されたか否かを判定する。すなわち、ここでは、運転準備ボタン58aがオン操作されたか否かを判定している。運転準備信号が「開」となっている場合には、CPU21は本処理を終了する。「開」となって無い場合には、CPU21はS133に進む。
CPU21は、経過時間が予め設定されたTP無操作監視時間(すなわち、予め決められた時間)を超えたか否かを判定する。この経過時間が予め設定されたTP無操作監視時間を越えていない場合には、S135において、経過時間をサイクルタイム分だけ増加させ、S131に戻る。越えた場合には、S134に進む。
CPU21は、入出力ポート53を介して、図23に示す運転準備信号を強制的に「開」にする。この結果、予めプログラミングされたMS制御ラダープログラムにより、マグネットスイッチMSが「開」となり、マグネットスイッチ制御ラダー部60から、マグネットスイッチMSに電力遮断指令が出力される。このため、サーボドライバ27への電力が遮断されることにより、ロボットR1のアームを駆動するロボットモータへの電力供給が断たれる。この結果、ロボットR1は動作できない安全な状態となる。
(1) この変形例によれば、運転準備信号が「閉」になっているにも関わらずティーチペンダントTPが操作されないという状況を、予め設定されるTP無操作監視時間以下に制約することができ、ワイヤレスのティーチペンダントTPの安全を高めることが可能となる。
すなわち、運転準備ボタン58aの押下操作と同時に、決められたティーチペンダントTPの操作を行うことにより、運転準備ボタン58aの操作の検出と、ティーチペンダントTPの操作の同時に行われたか否かをCPU21が判定することにより、図23の運転準備信号を「開」にする。ここで、決められたティーチペンダントTPの操作とは、特定のボタン入力やキー入力、或いは、任意のボタン入力やキー入力を含む操作である。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記各実施形態では、ティーチペンダント10・コントローラ20間の通信を無線通信で行うようにしたが、無線方式に限らず、赤外線通信、光通信、或いは磁気通信で行うようにしてもよい。
11…CPU(返信要求手段、接続構築手段、出力手段、認証手段)、
16…キーボード(選択操作手段、入力手段)、
17…液晶ディスプレイ(表示手段、判別結果表示手段)、
24…ハードディスク(記憶手段)、
58a…前記運転準備ボタン(運転準備操作手段)、
60…マグネットスイッチ制御ラダー部(指令手段)、
MS…マグネットスイッチ(電力供給遮断手段)。
Claims (4)
- 可搬式操作部とネットワーク手段を介して、或いは前記可搬式操作部と非有線通信手段を介して情報を送受信する複数のコントローラと、前記コントローラ毎に接続されるとともに該コントローラにより制御可能なロボットを備えたロボット制御システムにおいて、
前記コントローラは、
前記可搬式操作部と接続関係が構築された際、ロボットモータを制御するサーボドライバに電力供給遮断を行う電力供給遮断手段に対して電力遮断指令を付与する指令手段を備え、
前記電力供給遮断手段は、前記電力遮断指令に基づいて前記サーボドライバへの電力を遮断することを特徴とするロボット制御システム。 - 前記コントローラは、外部操作可能な運転準備操作手段を備え、
前記指令手段は、前記運転準備操作手段の操作に応じて電力付与指令を前記電力供給遮断手段に付与し、
前記電力供給遮断手段は、前記電力付与指令に基づいて前記サーボドライバへ電力を供給することを特徴とする請求項1に記載のロボット制御システム。 - 前記指令手段は、前記電力付与指令を前記電力供給遮断手段に付与した後、接続関係が構築された可搬式操作部からの操作が予め決められた時間内にないときは、電力遮断指令を電力供給遮断手段に付与することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御システム。
- 前記コントローラは、外部操作可能な運転準備操作手段を備え、
前記指令手段は、前記運転準備操作手段の操作と、接続関係が構築された可搬式操作部からの操作による入力が同時にあったとき、電力付与指令を前記電力供給遮断手段に付与し、
前記電力供給遮断手段は、前記電力付与指令に基づいて前記サーボドライバへ電力を供給することを特徴とする請求項1に記載のロボット制御システム。
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