JP5307860B2 - ロボット制御システム - Google Patents
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Description
1)コントローラとTPが一対一で、かつ一台のコントローラに対して複数のロボットマニピュレータが接続される場合、操作者が予期せぬロボットマニピュレータを操作してしまう危険性については、従来技術では既に考慮がなされている(特許文献1,特許文献2)。
なお、上記1)2)から推測される、複数のコントローラ及び複数のロボットマニピュレータに対して一台のTPを使い回したりする場合、操作者が意図しないロボットマニピュレータを誤って操作してしまう問題については、上記従来技術では、考慮されていない。
2) TPの数を減らす事によるコスト削減
3) TPを非有線化にした場合は、ケーブルレスによる作業性の向上
4) TPを非有線化にした場合は、断線がなくなるための信頼性向上
ところが、その際に一番問題になるのが、操作者の安全の確保である。仮に、複数台のコントローラから所望の接続先であるコントローラを選択できない場合には、意図せぬコントローラにTPが接続されてしまい、TPからの操作により意図せぬロボットを動作させてしまう可能性があり、操作者の安全が確保できない問題がある。
まず、可搬式操作部としてのティーチペンダント10と複数のコントローラ20A〜20Cとが無線LANを介して通信を行うロボット制御システム30の参考例1を図1及び図2を参照して説明する。このロボット制御システム30のコントローラ20A〜20Cがそれぞれ制御するロボットR1〜R3は、例えば溶接ロボットである、なお、ロボットは、溶接ロボットに限定されるものではなく、例えば搬送ロボット等の他のロボットであってもよい。なお、各コントローラの構成は同じであるため、コントローラ20Aの構成について以下では説明し、他のコントローラの説明を省略する。
図1に示すように可搬式操作部としてのティーチペンダント10はCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、LANI/F15、キーボード16(図3参照)、液晶ディスプレイ17(図3参照)及び有線・無線変換器18の各部を備えているとともに各部はバス19を介して接続されている。
(2. コントローラ20A)
コントローラ20Aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、LANI/F25、タイマ26、サーボドライバ27及び有線・無線変換器28の各部を備えているとともに各部はバス29を介して接続されている。前記ROM22には、該コントローラ20Aが制御対象とするロボットR1の動作制御を実行するための制御プログラムとその制御定数や、例えば、自身のID通知を行うためのID通知処理プログラム220等の各種プログラムが格納される。なお、図1では、説明の便宜上、ID通知処理プログラム220のみが図示されている。RAM23は、CPU21のワーキングエリアとして用いられ、計算途中のデータが一時的に格納される。ハードディスク24には、ロボットR1の作業が教示されたデータや、制御プログラムの実行条件、ならびに各種の制御変数が格納される。なお、ハードディスク24に代えて、他の書換可能な記憶装置であってもよい。LANI/F25は、ティーチペンダント10との接続に使用される通信機である。サーボドライバ27は、ロボットR1の各関節を駆動する図示しないモータに接続され、該モータに通電させる電流を制御する。タイマ26は、定期時刻ごとに同期信号を発生する。該同期信号は、サーボドライバ27への指令値の更新タイミングに使用される。
さて、上記のように構成されたロボット制御システム30において、ティーチペンダント10がコントローラ20のいずれかに接続する際の作用を説明する。本参考例では、ティーチペンダント10から接続先をサーチする際、下記の順序で行われる。
ティーチペンダント10のCPU11は、ティーチペンダント10の操作者によるキーボード操作により、「コントローラへの接続処理」が開始されたことを検知すると、ROM12に格納された接続先検索処理プログラム121を実行する。図2はCPU11が実行する接続先検索処理プログラム121のフローチャートである。
次に、CPU11は、コントローラアドレスリスト142から順次アドレスをピックアップし、アドレス毎に、送信先情報として該アドレス、送信元情報として自身のTPIP140及びコントローラIDの返信を要求するコマンドを含む通信パケットを作成して無線LANを介して発行する。コントローラIDは、コントローラ毎に設けられた固有の識別情報であって、コントローラ識別情報に相当する。
次にCPU11は、図2のS3において、ROM12に格納された接続先表示処理プログラム122を実行する。すなわち、CPU11は、ハードディスク14のコントローラIDリスト144の内容を、例えば図3に示すようにティーチペンダント10の液晶ディスプレイ17に表示する。なお、この表示は、アルファベットや漢字・ひらがな・カナを使用したコントローラIDにてロボットの個体識別を行う方が、単に数字の羅列となるアドレスで検索するより、安全かつ確実になるのは言うまでも無い。又、コントローラIDを図3に示すようにコントローラ20A〜20CあるいはロボットRの本体部に記名しておけば、更に識別の確実性や安全性を向上できる。
次に、CPU11は、S4において、ROM12に格納された接続先選択処理プログラム123を実行する。すなわち、S4において、CPU11は操作者がキーボード16のキー入力を待つ。そして、CPU11はキー入力により液晶ディスプレイ17に表示されたコントローラIDから任意の1つを選択して確定させたことを検知すると、S4の判定を「YES」とする。続いて、CPU11は、選択されたコントローラIDに該当するコントローラアドレスを、自ティーチペンダント10の接続先コントローラアドレスである接続先コントローラIP145としてハードディスク14に登録する(S5)。
次に、CPU11は、S6において、選択された接続先コントローラに対して、自身のアドレスを通知するように、送信先情報である該接続先コントローラアドレスとして接続先コントローラIP145及び送信元情報を兼用する自身のアドレス(TPIP140)を含む通信パケットを作成して無線LANを介して発行する。
参考例1のロボット制御システム30では、ティーチペンダント10(可搬式操作部)と、無線LAN(非有線通信手段)を介して情報を送受信する複数のコントローラ20A〜20Cと、該コントローラ毎に接続されるとともに該コントローラにより制御可能なロボットR1〜R3を備える。
次に、ロボット制御装置システムの参考例2を図4〜図6を参照して説明する。
さて、上記のように構成されたロボット制御システム30の作用を図5(a)、(b)及び図6のフローチャートを参照しながら説明する。
1) 接続先確認SW52の状態変化監視処理
ティーチペンダント10のCPU11は、タイマ50により定期的な演算タイミングの通知を受けると、ROM12に格納したSWの状態変化監視処理プログラム124を実行する。図5(a)はSWの状態変化監視処理プログラム124のフローチャートである。
次に、S13で実行される表示状態切替通知処理について説明する。
表示状態切替通知処理プログラム125がCPU11にて実行されると、CPU11は、LANI/F15を介して、「確認表示灯の切替命令」を接続先のコントローラ20に対して発行する(図5(b)のS20参照)。この「確認表示灯の切替命令」には、ハードディスク14に保管されているSW状態データ146をパラメータとして付加する。なお、接続先のコントローラ20のアドレスは、接続先コントローラIP145として予めティーチペンダント10のハードディスク14に格納されているため、この「確認表示灯の切替命令」も、接続先コントローラIP145で指定されたコントローラ20に対して発行される。
次に、コントローラ側での処理を説明する。
前記「確認表示灯の切替命令」を受け取った該当アドレスを持つコントローラ20のCPU21は「確認表示灯の切替命令」を受け取ると、ROM22に格納した確認表示灯On/Off処理プログラム222を起動し、当該命令にパラメータとして格納されているSW状態データ146を解析する(図6のS30)。そして、CPU21は、SW状態データ146が"閉"のとき(S31において、「YES」の判定のとき)には、接続先確認表示灯55への電力供給を制御する接点54aを"閉"にし、接続先確認表示灯55を点灯させる(S32)。逆に、CPU21はSW状態データ146が"開"のときには、接続先確認表示灯55への電力供給を制御する接点54aも"開"にし、接続先確認表示灯55を消灯させる(S33)。
参考例2では、ティーチペンダント10(可搬式操作部)は接続先確認SW52の確認操作を検出し、無線LANを介してティーチペンダント10と接続関係が構築されているコントローラ20に対してSW状態データ146(確認操作情報)を送信するCPU11(確認操作検出手段)を備える。
次に、本発明を具体化した一実施形態を図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態は参考例2とはロボット制御システム30のハード構成は同一であり、確認表示灯On/Off処理プログラム222が異なっていることと、ハードディスク24には、動作警告灯表示状態データ244、及びサーボ電源状態データ245が格納されるところが異なっている(図7参照)。そして、本実施形態では、接続先確認表示灯55が、ロボットアームを駆動するモータが通電状態で有ることを表示する動作警告灯と兼用されているところが参考例2と異なっている。
前記「確認表示灯の切替命令」を受け取った該当アドレスを持つコントローラ20のCPU21は「確認表示灯の切替命令」を受け取ると、ROM22に格納した確認表示灯On/Off処理プログラム222を起動する。
本実施形態では、接続先確認表示灯55は、ロボットアームを駆動するモータが通電状態で有ることを表示する警告灯(すなわち動作警告灯)と兼用した。
次に、参考例3を、図4を参照して説明する。
参考例3のロボット制御システム30では、参考例2のティーチペンダント10の構成において、接続先確認SW52の代わりに3ポジションのイネーブルスイッチ52Aが設けられたものである。イネーブルスイッチ52Aは、スイッチの操作位置として3つのポジションI〜IIIを取り得る。そして、ポジションIとIIIは、スイッチが開であり、ポジションIIがスイッチが閉である。そして、ポジションIからIIIへ移行する間にポジションIIが位置するようにされている。ただし、一旦ポジションIIIに移行した場合は、ポジションIに戻るまでスイッチが開の状態を保持する。イネーブルスイッチ52Aは、教示作業中のロボットのロボットアームを駆動するモータの通電状態を切り換えに使用される。イネーブルスイッチ52Aの接点の開閉状態は、入出力ポート51を介してCPU11に検出される。
一方、コントローラ側では、参考例2で説明した3)「確認表示灯のON/OFF処理」と同様の処理を行うとともに、下記の処理を行う。
参考例3では、接続先確認操作手段として、教示作業中のロボットのロボットアームを駆動するモータの通電状態を切り換えに使用されるイネーブルスイッチとした。この結果、教示作業中のロボットのロボットアームを駆動する駆動源の通電状態の切り換えに使用されるイネーブルスイッチ52Aによって、参考例2と同様の効果を奏する。又、イネーブルスイッチ52Aと接続先確認SW52を兼用しているため、組み付け工数や部品点数を少なくでき、コスト低減することができる。
○ 前記実施形態では、ティーチペンダント10・コントローラ20間を、無線LANによるネットワーク手段にて構築したが、有線LANによって構築してもよい。
11…CPU(確認操作検出手段)、
16…キーボード(選択操作手段、入力手段)、
17…液晶ディスプレイ(判別結果表示手段)、
24…ハードディスク(記憶手段)、
52…接続先確認SW(接続先確認操作手段)、
52A…イネーブルスイッチ、55…接続先確認表示灯、
146…SW状態データ(確認操作情報)。
Claims (1)
- 可搬式操作部とネットワーク手段を介して、或いは前記可搬式操作部と非有線通信手段を介して情報を送受信する複数のコントローラと、前記コントローラ毎に接続されるとともに該コントローラにより制御可能なロボットを備えたロボット制御システムにおいて、
前記可搬式操作部には、接続先確認操作手段と、該接続先確認操作手段の確認操作を検出し、前記ネットワーク手段又は非有線通信手段を介して可搬式操作部と接続関係が構築されているコントローラに対して確認操作情報を送信する確認操作検出手段を備え、
前記コントローラは、前記確認操作情報を受信し、送信された確認操作情報が自分に関係する場合には、制御対象のロボット又は前記コントローラが備える接続先確認表示灯をモータ通電状態に応じて逆パターンで表示点灯し、
前記接続先確認表示灯は、ロボットアームを駆動する駆動源が通電状態で有ることを表示する警告灯と兼用されていることを特徴とするロボット制御システム。
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