JP5307441B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、電解質・電極構造体を一対のセパレータ間に挟持する発電セルが複数積層される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池では、発電(運転)が停止されると、前記燃料電池への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給が停止されるものの、アノード側電極に前記燃料ガスが残存する一方、カソード側電極に前記酸化剤ガスが残存している。このため、燃料電池の停止中に、発電セルで発電が継続されてしまい、セパレータ間に開回路電圧(OCV)が発生するおそれがある。これにより、短絡の発生やセパレータの腐食の他、電極触媒層が劣化する等の問題がある。
そこで、特許文献1に開示されている燃料電池スタックでは、各単位燃料電池に微小電流を流すことができる外部抵抗が接続されており、且つ各セパレータの外周に設けられた突起状端子が前記燃料電池スタックに取り付けられた電圧測定装置の電圧取得用端子と個々の端子部材を介して接続しており、個々の端子部材は複数の仕切りを有する絶縁性ケーシングの個々の仕切りにより絶縁状態で支持されていることを特徴としている。
この構造により、各単位燃料電池に発生した開回路電圧を個々の外部抵抗で低減することができ、単位燃料電池の損傷や腐食の問題を防止することが可能になる。
特許第3895960号公報
本発明はこの種の燃料電池スタックに関連してなされたものであり、特に車載用に適するために、容易且つ確実にコンパクト化を図ることが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質・電極構造体を一対のセパレータ間に挟持する発電セルが複数積層される燃料電池スタックに関するものである。発電セルは、発電面に沿って延在する平面外周部に、前記発電セルの重力方向上方の一方の角部に位置して、セパレータの積層方向に沿って連続する切り欠き部を設けるとともに、前記切り欠き部内には、抵抗体が前記発電セルの両極に接続された状態で、前記平面外周部から外方に突出することなく収容されている。
また、この燃料電池スタックは、複数の発電セルを一体に連結した発電セルモジュールを複数積層するとともに、抵抗体は、各発電セルモジュールに一体に接続される抵抗体ユニットを構成することが好ましい。
さらに、抵抗体は、燃料電池スタックと一体にボックス内に収容されることが好ましい。
本発明によれば、発電セルの平面外周部に切り欠き部が設けられるとともに、前記切り欠き部内に抵抗体が収容されている。このため、抵抗体は、発電セルの外周部から外方に突出することがない。しかも、外部抵抗と燃料電池スタックとを接続し大電流を流すためのハーネスが不要になる。これにより、発電セル自体が大型になることを阻止することができ、燃料電池スタック全体のコンパクト化及び軽量化が容易且つ確実に遂行可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の一部切り欠き斜視図である。
燃料電池スタック10は、例えば、図示しない燃料電池車両に搭載されており、複数の発電セル12が水平方向(矢印A方向)に積層されるとともに、積層方向の両端には、図示しないが、ターミナルプレート及び絶縁プレートを介して金属製エンドプレート14a、14bが配設される。燃料電池スタック10は、例えば、エンドプレート14a、14bを端板とするボックス(ケーシング)16を備える。
エンドプレート14a、14bから積層方向外方に電力取り出し端子18a、18bが突出する。電力取り出し端子18a、18bは、図示しない走行用モータや補機類に接続される。
図2に示すように、各発電セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)20と、前記電解質膜・電極構造体20を挟持する第1及び第2セパレータ22、24とを備えるとともに、縦長に構成される。なお、第1及び第2セパレータ22、24は、金属セパレータで構成される。
発電セル12の長辺方向(矢印C方向)の一端縁部(上端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔26a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔28aが設けられる。
発電セル12の長辺方向の他端縁部(下端縁部)には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔26b及び燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔28bが設けられる。
発電セル12の短辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔30aが設けられるとともに、前記発電セル12の短辺方向の他端縁部には、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔30bが設けられる。冷却媒体供給連通孔30a及び冷却媒体排出連通孔30bは、縦長形状に設定される。
電解質膜・電極構造体20は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜32と、前記固体高分子電解質膜32を挟持するアノード側電極34及びカソード側電極36とを備える。
第1セパレータ22の電解質膜・電極構造体20に向かう面22aには、燃料ガス供給連通孔28aと燃料ガス排出連通孔28bとを連通して鉛直方向に延在する燃料ガス流路38が形成される。第1セパレータ22の面22aとは反対の面22bには、冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを連通して水平方向に延在する冷却媒体流路40が形成される。
第2セパレータ24の電解質膜・電極構造体20に向かう面24aには、鉛直矢印方向に延在する酸化剤ガス流路42が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路42は、酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス排出連通孔26bとに連通する。第2セパレータ24の面24aとは反対の面24bには、第1セパレータ22の面22bと重なり合って冷却媒体流路40が一体的に形成される。第1及び第2セパレータ22、24には、それぞれの外周縁部を周回してシール部材44、46が一体成形される。
図2及び図3に示すように、第1セパレータ22は、発電面に沿って延在する平面外周部に、例えば、重力方向(矢印C方向)上方の一方の角部(燃料ガス供給連通孔28a側の角部)に切り欠き部50を設けるとともに、前記切り欠き部50に膨出して接続端子52が形成される。
第2セパレータ24は、同様に、発電面に沿って延在する平面外周部に、重力方向上方の一方の角部に位置して切り欠き部54を設けるとともに、この切り欠き部54に膨出して接続端子56が形成される(図2参照)。電解質膜・電極構造体20は、固体高分子電解質膜32の重力方向上方の一方の角部に切り欠き部58が形成される。
第1セパレータ22の接続端子52と第2セパレータ24の接続端子56とには、外部抵抗ユニット(抵抗体)60が一体的に接続される。図4に示すように、外部抵抗ユニット60は、内部に抵抗62を備えるとともに、前記抵抗62の両端には、接続端子52に接続される一対のばね状端子64と、接続端子56に接続される一対のばね状端子66とが設けられる。
外部抵抗ユニット60は、第1及び第2セパレータ22、24間に微少電流を流すことができるように、予め、抵抗値が設定される。外部抵抗ユニット60は、切り欠き部50、54及び58内に一体に収容されるとともに、各発電セル12に接続されるそれぞれの外部抵抗ユニット60は、ボックス16内に一体に収容される(図1参照)。
図1に示すように、エンドプレート14aには、酸化剤ガス供給連通孔26aに連通する酸化剤ガス入口マニホールド80a、燃料ガス供給連通孔28aに連通する燃料ガス入口マニホールド82a、酸化剤ガス排出連通孔26bに連通する酸化剤ガス出口マニホールド80b、及び燃料ガス排出連通孔28bに連通する燃料ガス出口マニホールド82bが設けられる。エンドプレート14bには、冷却媒体供給連通孔30aに連通する冷却媒体入口マニホールド84aと、冷却媒体排出連通孔30bに連通する冷却媒体出口マニホールド84bとが設けられる。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、エンドプレート14aでは、酸化剤ガス入口マニホールド80aから酸化剤ガス供給連通孔26aに酸化剤ガス(例えば、空気)が供給されるとともに、燃料ガス入口マニホールド82aから燃料ガス供給連通孔28aに燃料ガス(水素ガス)が供給される。一方、エンドプレート14bでは、冷却媒体入口マニホールド84aから冷却媒体供給連通孔30aに冷却媒体が供給される。
図2に示すように、各発電セル12に供給された酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔26aから第2セパレータ24の酸化剤ガス流路42に導入され、電解質膜・電極構造体20のカソード側電極36に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔28aから第1セパレータ22の燃料ガス流路38に導入され、電解質膜・電極構造体20のアノード側電極34に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体20では、カソード側電極36に供給される酸化剤ガス中の酸素と、アノード側電極34に供給される燃料ガス(水素)とが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極36に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔26bに沿って流動した後、エンドプレート14aの酸化剤ガス出口マニホールド80bから排出される(図1参照)。
同様に、アノード側電極34に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔28bに排出されて流動し、エンドプレート14aの燃料ガス出口マニホールド82bから排出される。
また、冷却媒体は、図2に示すように、冷却媒体供給連通孔30aから第1及び第2セパレータ22、24間の冷却媒体流路40に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体20を冷却した後、冷却媒体排出連通孔30bを移動してエンドプレート14bの冷却媒体出口マニホールド84bから排出される(図1参照)。
この場合、第1の実施形態では、図2及び図4に示すように、各発電セル12には、両極である第1セパレータ22と第2セパレータ24とに外部抵抗ユニット60が接続されている。このため、燃料電池スタック10の運転が停止された後、この燃料電池スタック10内に残留する酸化剤ガス及び燃料ガスを介して、各外部抵抗ユニット60に電流が流れ、残留する燃料ガス及び酸化剤ガスが消費されている。
これにより、第1セパレータ22と第2セパレータ24との間に開回路電圧が発生することがなく、各発電セル12、前記第1セパレータ22、前記第2セパレータ24及び電解質膜・電極構造体20の損傷や腐食等を良好に回避することが可能になる。
しかも、各発電セル12では、発電面に沿って延在する平面外周部に切り欠き部50、54及び58が設けられるとともに、前記切り欠き部50、54及び58内に外部抵抗ユニット60が収容されている。従って、外部抵抗ユニット60は、発電セル12の外周部から外方に突出することがない。このため、発電セル12自体が大型化することを阻止することができ、前記発電セル12が積層されて収容されるボックス16内に、外部抵抗ユニット60を良好に収容することが可能になる。これにより、燃料電池スタック10全体のコンパクト化が容易且つ確実に遂行されるという効果が得られる。
さらに、外部抵抗ユニット60は、各発電セル12の重力方向上方の一方の角部に配置されている。従って、高電圧部である外部抵抗ユニット60を被水や衝撃から確実に保護することができる。しかも、燃料電池スタック10と外部抵抗とを接続するためのハーネスが不要になり、前記燃料電池スタック10全体の小型化が図られる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック90の一部切り欠き斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック90は、各発電セル12に接続される複数の外部抵抗ユニット60を矢印A方向に一体に連結した抵抗体モジュール92を備える。
従って、第2の実施形態では、複数の発電セル12が矢印A方向に積層された状態で、抵抗体モジュール92を介して複数の外部抵抗ユニット60を各発電セル12に一体に接続することができる。これにより、外部抵抗ユニット60の取り付け作業(及び、取り外し作業)が一挙に簡素化され、作業性の向上が容易に図られるという効果が得られる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する発電セル100の分解斜視説明図である。
発電セル100を構成する第1セパレータ22の重力方向上方の略中央には、切り欠き部50aが設けられるとともに、この切り欠き部50aに突出して接続端子52aが形成される。同様に、第2セパレータ24の重力方向上方の略中央には、切り欠き部54aが設けられるとともに、この切り欠き部54aに突出して接続端子56aが形成される。電解質膜・電極構造体20の固体高分子電解質膜32には、重力方向上方の略中央に切り欠き部58aが形成される。
発電セル100では、切り欠き部50a、54a及び58aに対応して外部抵抗ユニット60(又は、抵抗体モジュール92)が配置され、第1セパレータ22と第2セパレータ24とは、抵抗62を介して接続される。
これにより、第3の実施形態では、開回路電圧を迅速に除去するとともに、発電セル100内に外部抵抗ユニット60を収容することができ、燃料電池スタック全体の小型化が容易に図られる等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1〜第3の実施形態では、外部抵抗ユニット60がそれぞれ一対のばね状端子64、66を備えているが、これに限定されるものではない。例えば、図7には、第4の実施形態に係る燃料電池スタックに組み込まれる外部抵抗ユニット110が示されている。
外部抵抗ユニット110は、抵抗62の両端に接続されるそれぞれ単一のばね状端子64a、66aを備える。一方のばね状端子64aは、第1セパレータ22の接続端子52に接続するとともに、他方のばね状端子66aは、第2セパレータ24の接続端子56に接続されている。
これにより、第4の実施形態では、一層簡単且つコンパクトな構成で、第1セパレータ22と第2セパレータ24との間に抵抗62を接続することができるとともに、上記の外部抵抗ユニット60と同様の効果が得られる。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する発電セル120の分解斜視説明図である。
発電セル120は、電解質膜・電極構造体20を挟持する第1及び第2セパレータ122、124を備える。第1及び第2セパレータ122、124は、カーボンセパレータで構成される。
第1セパレータ122の重力方向上方の一方の角部には、切り欠き部50bが形成されるとともに、この切り欠き部50bを構成する水平面には、孔部126が設けられる。第2セパレータ124の重力方向上方の一方の角部には、同様に、切り欠き部54bと孔部128とが形成される。
発電セル120には、外部抵抗ユニット130が取り付けられる。この外部抵抗ユニット130は、孔部126、128に挿入される接続端子132、134を備える。外部抵抗ユニット130は、接続端子132、134を孔部126、128に差し込むとともに、切り欠き部50b、54b及び58に一体に収容される。
これにより、第5の実施形態では、第1セパレータ122と第2セパレータ124とが、外部抵抗ユニット130により接続されて開回路電圧を可及的に除去するとともに、前記外部抵抗ユニット130が発電セル120の外部に突出することがない。これにより、第5の実施形態は、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池スタック140の一部切り欠き斜視図であり、図10は、前記燃料電池スタック140の断面側面図である。
燃料電池スタック140は、例えば、第3の実施形態に用いられる発電セル100が所定数だけ矢印A方向に積層されたセルモジュール(発電セルモジュール)142を備え、前記セルモジュール142を所定の数だけ矢印A方向に積層して構成される。
各セルモジュール142は、例えば、4ヶ所に設けられる樹脂製のセルモジュールクリップ143を介して一体化される。なお、各セルモジュール142は、セルモジュールクリップ143に代えて、ボルト締結、接着又は樹脂溶着等により一体化してもよい。また、以下に説明する第7の実施形態でも、同様である。
セルモジュール142の積層方向両端には、エンドプレート14a、14bが配設され、ケーシング16により前記セルモジュール142が収容される。
各セルモジュール142では、積層方向一端側に配置される、例えば、第1セパレータ22と、積層方向他端に配置される、例えば、第2セパレータ24とにのみ、それぞれ接続端子52a、56aが設けられる。各セルモジュール142には、切り欠き部50a、58a及び54aに対応して、外部抵抗ユニット(抵抗体ユニット)144が配置され、前記外部抵抗ユニット144が前記セルモジュール142の積層方向両端に設けられている接続端子52a、56aに接続される。
図11に示すように、外部抵抗ユニット144は、抵抗146、ヒューズ148及びサーモスタット150が直列に接続され、これらがユニットケーシング152内に収納される。接続端子52aは、抵抗146の一端に接続されるとともに、接続端子56aは、サーモスタット150の一端に接続される。
サーモスタット150は、常温では通電状態(ON状態)に維持される一方、所定の温度(例えば、50℃)以上になると、回路を開いて外部抵抗ユニット144内の抵抗回路に電流が流れるのを遮断する。
図10に示すように、燃料電池スタック140では、電力取り出し端子18a、18bが走行用モータ等の外部負荷154に接続される。
このように構成される第6の実施形態では、先ず、起動時には、燃料電池スタック140が常温であるため、各外部抵抗ユニット144を構成するサーモスタット150が通電状態にある。
このため、第1の実施形態と同様に、酸化剤ガス入口マニホールド80aから酸化剤ガス供給連通孔26aに酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口マニホールド82aから燃料ガス供給連通孔28aに燃料ガスが供給されてガス置換が行われると、各セルモジュール142に取り付けられている各外部抵抗ユニット144では、回路に微少電流が流れる。従って、各発電セル12の電圧を、例えば、0.8V以下に抑えることができ、各セルモジュール142の構成部材の劣化や発電性能の低下を有効に抑制することが可能になる。
次いで、各セルモジュール142内のガス置換が行われた後、外部負荷154が接続されて起動される。そして、各セルモジュール142が発電により昇温され、前記セルモジュール142の雰囲気温度が、例えば、50℃を超えると、サーモスタット150の回路が開放されて抵抗回路に電流が流れることが遮断される。
これにより、燃料電池スタック140の運転中におけるエネルギの抵抗回路による損失を有効に防止するとともに、抵抗の熱による断線を阻止することが可能になる。
また、この第6の実施形態では、燃料電池スタック140の運転が停止された後、この燃料電池スタック140の温度が低下すると、サーモスタット150がONされて通電状態となる。このため、外部抵抗ユニット144の抵抗回路に微少電流が流れ、各セルモジュール142に開回路電圧が発生することがない。このため、各発電セル100の損傷等を回避することが可能になる等、上記の第1〜第5の実施形態と同様の効果が得られる。
しかも、複数の発電セル100が一体に積層されてセルモジュール142が構成されるとともに、外部抵抗ユニット144が構成されている。従って、燃料電池スタック140の組み立て作業やセル交換作業が一挙に簡素化し、作業効率が向上するという利点がある。
図12は、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池スタック160の一部切り欠き斜視図であり、図13は、前記燃料電池スタック160を構成する発電セル162の分解斜視説明図である。
燃料電池スタック160は、発電セル162を所定数だけ矢印A方向に積層したセルモジュール164を備え、前記セルモジュール164を所定数積層することにより構成される。
発電セル162は、固体高分子電解質膜32、第1セパレータ22及び第2セパレータ24の矢印B方向一端側の重力方向略中央部に、切り欠き部58b、50c及び54cが形成される。固体高分子電解質膜32、第1セパレータ22及び第2セパレータ24の矢印B方向他端部には、重力方向略中央部に切り欠き部166a、166b及び166cが形成される。第1及び第2セパレータ22、24は、切り欠き部166b、166cに突出してセル電圧検出用端子168a、168bを設ける。
各セルモジュール164の積層方向両端に配置されている、例えば、第1セパレータ22と第2セパレータ24とには、切り欠き部50c、54cに突出する接続端子52b、56bが形成され、前記接続端子52b、56bに外部抵抗ユニット144が接続される。各セルモジュール164は、例えば、4ヶ所に設けられるセルモジュールクリップ143を介して一体化される。
このように構成される第7の実施形態では、セルモジュール164毎に外部抵抗ユニット144が接続されており、上記の第6の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記の第6及び第7の実施形態では、金属セパレータである第1及び第2セパレータ22、24を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、上記の第5の実施形態と同様に、カーボンセパレータである第1及び第2セパレータ122、124を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの一部切り欠き斜視図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記発電セルを構成するセパレータの正面説明図である。 前記発電セルと外部抵抗ユニットとの接続状態説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの一部切り欠き斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタックに組み込まれる外部抵抗ユニットの説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池スタックの一部切り欠き斜視図である。 前記燃料電池スタックの断面側面図である。 前記燃料電池スタックを構成するセルモジュールと外部抵抗ユニットとの接続状態を示す説明図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電池スタックの一部切り欠き斜視図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。
符号の説明
10、90、140、160…燃料電池スタック
12、100、120、162…発電セル
16…ボックス 20…電解質膜・電極構造体
22、24、122、124…セパレータ
26a…酸化剤ガス供給連通孔 26b…酸化剤ガス排出連通孔
28a…燃料ガス供給連通孔 28b…燃料ガス排出連通孔
30a…冷却媒体供給連通孔 30b…冷却媒体排出連通孔
32…固体高分子電解質膜 34…アノード側電極
36…カソード側電極 38…燃料ガス流路
40…冷却媒体流路 42…酸化剤ガス流路
50、50a〜50c、54、54a〜54c、58、58a、58b、166a〜166c…切り欠き部
52、52a、52b、56、56a、56b、132、134…接続端子
60、110、130、144…外部抵抗ユニット
62、146…抵抗
64、64a、66、66a…ばね状端子
92…抵抗体モジュール 126、128…孔部
142、164…セルモジュール

Claims (5)

  1. 電解質・電極構造体を一対のセパレータ間に挟持する発電セルが複数積層される燃料電池スタックであって、
    前記発電セルは、発電面に沿って延在する平面外周部に、前記発電セルの重力方向上方の一方の角部に位置して、前記セパレータの積層方向に沿って連続する切り欠き部を設けるとともに、
    前記切り欠き部内には、抵抗体が前記発電セルの両極に接続された状態で、前記平面外周部から外方に突出することなく収容されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、複数の前記発電セルを一体に連結した発電セルモジュールを複数積層するとともに、
    前記抵抗体は、各発電セルモジュールに一体に接続される抵抗体ユニットを構成することを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記抵抗体は、前記燃料電池スタックと一体にボックス内に収容されることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項記載の燃料電池スタックにおいて、前記抵抗体は、前記セパレータに対向する面とは反対側の面が、前記ボックスの壁面により覆われることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項3又は4記載の燃料電池スタックにおいて、前記発電セルと前記ボックスとの間には、少なくとも前記一方の角部側に重力方向に沿って隙間が形成されるとともに、
    前記隙間と前記切り欠き部とが連通することを特徴とする燃料電池スタック。
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