JP5305678B2 - 非水電解液電池及び組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液電池及びそれを用いた組電池に係わる。
リチウムイオンが負極と正極とを移動することにより充放電が行われる非水電解液電池は、高エネルギー密度電池として盛んに研究開発が進められている。正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質として炭素質物を用いる非水電解液電池は既に商用化されている。リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属としてCo,Mn,Niなどを用いるのが一般的である。
一方、近年、炭素質物に比してリチウム吸蔵放出電位が高い、例えばリチウムチタン複合酸化物(約1.55V vs Li/Li+)を負極活物質として用いた非水電解液電池が検討されている(特許文献1、2参照)。リチウムチタン複合酸化物は、充放電に伴う体積変化が少ないためサイクル特性に優れ、原理的にリチウム金属が析出することがないため、大電流での充電が可能になる。
ところで炭素質物を負極活物質に用いた場合、負極の表面に保護皮膜(SEI:Solid Electolyte Interface)が形成される。この保護皮膜は、初回充電時に電解液の還元分解によって形成される。皮膜自身は抵抗成分となってしまい寿命特性を阻害するが、電解液との過剰な反応を抑制して自己放電を抑制する効果を有する。したがって、良好な電池特性を実現するためには、抵抗が小さく、高い自己放電抑制効果を有する保護皮膜を形成させる必要がある。このような課題に対して、電解液に様々の物質を添加して、保護皮膜を改質させる取り組みが検討されている。
一方、リチウムチタン複合酸化物負極は、炭素質物負極に比べて保護皮膜が形成されにくい。これはリチウムチタン複合酸化物の作用電位(リチウム吸蔵放出電位)が高く、電解液が還元されにくいためである。このようにリチウムチタン複合酸化物負極は皮膜が形成されにくいために抵抗が小さい反面、自己放電が進みやすいということがわかってきた。
したがって、リチウム吸蔵放出電位の高い材料を負極に用いた場合にも負極表面に良好な保護皮膜を形成し、抵抗を変化させることがなくかつ自己放電を抑制する手段が求められていた。
特許第3866740号 特開平9−199179号公報
本発明は、リチウム吸蔵放出電位の高い材料を負極に用いた非水電解液電池の自己放電を抑制することができ、かつ抵抗が増加せず長寿命である非水電解液電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解液電池は、
外装材と、
前記外装材内に収納された正極と、
1.0Vより貴な電位でリチウムを吸蔵・放出する負極活物質を含む負極と、
前記外装材内に充填された非水電解液を具備し、
前記非水電解液は、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解した電解質と、一般式(1)及び一般式(2)のうち少なくとも1種を繰り返し単位として含む化合物と、一般式(3)で表される官能基を有する化合物とを含有する非水電解液電池であって、
前記一般式(1)及び一般式(2)のうち少なくとも1種を繰り返し単位として含む化合物は、ポリ(2−ビニルピリジン)またはポリ(4−ビニルピリジン)を含み、
前記一般式(3)で表される官能基を有する化合物は、トリス(トリメチルシリル)フォスフェートを含むことを特徴とする非水電解液電池である。
Figure 0005305678
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本発明は、リチウムチタン複合酸化物などリチウム吸蔵放出電位の高い材料を負極に用いた非水電解液電池の自己放電を抑制することができ、かつ抵抗が増加せず長寿命である非水電解液電池を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
リチウムチタン複合酸化物のリチウム吸蔵放出電位は1〜2V vs Li/Liである。したがって、一般に負極に皮膜を形成させるためには、それより貴な還元電位を持つ物質を電解液に含有させることが適当と考えられる。ところが、負極の作用電位よりも卑な電位で還元されるある種の物質を非水電解液中に添加した場合に、負極表面に緻密で安定な皮膜が形成されることが確認された。つまり、一般式(1)又は(2)のうち少なくとも1種を繰り返し単位として含む構造を有する化合物(以下、「ピリジン基を有する化合物」)と一般式(3)で示される官能基を有する化合物(以下、「シリル基を有する化合物」)の2種類の物質を混在させた場合には、両者を独立で添加した場合には得られない低抵抗で安定な皮膜が形成されることが分り、この結果、自己放電が少なく、かつ抵抗が増加せず長寿命である電池を得ることに成功した。
これは、両物質が負極の作用電位である1〜2V vs Li/Liで極僅かに反応し、負極表面に緻密で安定な皮膜が形成されるためと考えられる。
例えば、ピリジン基を有するポリ2ビニルピリジンと、シリル基を有するトリス(トリメチルシリル)フォスフェートの電気化学的特性を見ると、ポリ(2−ビニルピリジン)は0.9V vs Li/Liで還元ピークを有するが、2V近傍から僅かながら還元分解し、還元電流が確認できる。一方、シリル基を有するトリス(トリメチルシリル)フォスフェートは0.6V vs Li/Liで還元ピークを有するが、やはり2V近傍から僅かな還元電流が確認できる。このときシリル基を有する化合物は、ピリジン基を有する化合物の分解電位よりも貴な電位で僅かに還元分解する。これらの両物質を電解液に添加すると、充電時に負極表面でわずかに還元分解して皮膜を形成する反応が共に競合して起こり、負極表面に低抵抗で自己放電を抑制できる良好な皮膜が形成されると考えられる。
このとき前記ピリジン基を有する化合物とシリル基を有する化合物を併用することが重要である。ピリジン基を有する化合物だけでは高抵抗の皮膜が形成されてしまい、自己放電は抑制できるが抵抗が増加し寿命特性が損なわれる。一方、シリル基を有する化合物だけでは、低抵抗な皮膜が形成されるが自己放電は逆に多くなってしまう。実際に両者を併用した場合、抵抗性能と自己放電は各々単独で用いた場合の中間値を取ると思われたが、実験の結果、両者の良い方の性能を受け継ぐことが分かった。寧ろ、自己放電抑制効果は、ピリジン基を有する化合物を単独で用いるよりも良好な性能を示すことが確認された。これは、シリル基を有する化合物が負極側に作用して薄く緻密な皮膜を形成した後に、ピリジン基を有する化合物が作用するため、ピリジン基を有する化合物の過剰な反応が抑制されたと考えられる。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第一の実施の形態)
第一の実施の形態に係る電池単体の一例について、図1、図2を参照してその構造を説明する。図1に、第一の実施の形態に係わる扁平型非水電解液二次電池の断面模式図を示す。図2は、図1のAで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図を示す。
正極3には正極端子1が接着し、負極4には負極端子2が接着する。正極3と負極4はセパレータ5を介して、扁平状の捲回電極6を構成している。この捲回電極6は、非水電解液を充填した外装材7に収納される。
図1に示すように、非水電解液が充填した外装材7に、扁平状の捲回電極6が収納されている。捲回電極6の外周端近傍において、外側には負極端子2が接着し、内側には正極端子1が接着している。図示していないが、捲回電極6は、外層から、負極4、セパレータ5、正極3、セパレータ5の順で層状に構成されている。
捲回電極6の構成について、さらに詳細に説明する。図2に示すように、正極3と負極4はセパレータ5を介し、層状に構成されている。最外殻の負極4は、外層から、負極集電体4a、負極層4bの順で層状に構成され、その他の負極4は、負極層4b、負極集電体4a、負極層4bの順で層状に構成されている。正極3は、正極層3b、正極集電体3a、正極層3bの順で層状に構成されている。
以下、負極、非水電解液、正極、セパレータ、外装材、正極端子、負極端子について詳細に説明する。
1)負極
負極は、1.0V vs.Li/Liよりも貴な電位でリチウムを吸蔵・放出する負極活物質を含む。
仮に負極活物質に、前記化合物の分解電位よりも卑な電位、例えば、1.0V(vs. Li/Li)よりも卑な電位でリチウムを吸蔵する炭素質物などを用いた場合には、本発明に係る電解液を適用すると、電解液に含まれるピリジン基を有する化合物、或いはシリル基を有する化合物が過度に還元分解されて、負極表面に過剰な高抵抗の皮膜を形成し、電池性能を著しく低下させる。また、これら化合物自身の過度な分解反応によって多量のガスを発生させ、電池を変形させてしまう。
好ましい負極活物質はリチウムチタン複合酸化物である。リチウムチタン複合酸化物は、1〜2V(vs. Li/Li)近傍でリチウムを吸蔵するため、本発明に係る電解液を用いた場合には、負極表面に安定な皮膜が形成され、抵抗が増加せず寿命特性の向上と自己放電の抑制が可能となる。
リチウムチタン複合酸化物としては、例えば、Li4+xTi12(xは0≦x≦3)やLi2+yTi(yは0≦y≦3)などのリチウムチタン酸化物、リチウムチタン酸化物の構成元素の一部を異種元素で置換したリチウムチタン複合酸化物などを挙げることができる。
また、TiO2、TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Co及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有するチタン複合酸化物なども本発明に係る負極となりうる。これらの物質は、初回の充電時にリチウムを吸蔵してリチウムチタン複合酸化物となる。
TiOはアナターゼ型で熱処理温度が300〜500℃以下の低結晶性のものが好ましい。TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Co及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO−P、TiO−V、TiO−P−SnO、TiO−P−MeO(MeはCu、Ni、Co及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)などを挙げることができる。この金属複合酸化物は、結晶相とアモルファス相が共存もしくは、アモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造であることによりサイクル性能が大幅に向上することができる。中でも、リチウムチタン酸化物、TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Co及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物が好ましい。
リチウムチタン複合酸化物以外には、リチウム吸蔵・放出電位が1〜2V(vs.Li/Li)のLiNbやLiNbO等のリチウム二オブ複合酸化物、リチウム吸蔵・放出電位が2〜3V(vs.Li/Li)のLiMoO等のリチウムモリブデン複合酸化物、リチウム吸蔵・放出電位が1.8V(vs.Li/Li)のLiFeS等のリチウム鉄複合硫化物等が挙げられる。
負極活物質は、その平均粒径が1μm以下であることが望ましい。ただし、平均粒径が小さ過ぎると、非水電解液の分布が負極側に偏り、正極での電解質の枯渇を招く恐れがあるため、その下限値は0.001μmにすることが好ましい。
負極活物質は、その平均粒径が1μm以下でかつN吸着によるBET法での比表面積が5〜50m/gの範囲であることが望ましい。これにより、非水電解液の含浸性を高めることが可能となる。
前記負極は、水銀圧入法による細孔径分布が下に記述する2つのピークを有することが望ましい。
<第1のピーク>
第一のピークに反映される細孔は、そのほとんどは活物質粒子、導電剤、結着剤など、負極構成要素同士が形成する細孔に帰属される。
負極の水銀圧入法による細孔径分布の第1のピークのモード径を0.2μm以下とすることにより、毛細管現象による非水電解液の含浸を促進することができる。同時に、モード径を0.01μm以上とするのは、以下の理由による。負極活物質表面、あるいは負極導電剤表面では、電解液との反応により生成した副反応物(有機物、あるいは無機物)が堆積する。第1のピークのモード径を0.01μm未満にすると、副反応物の成長により細孔が塞がれ、負極の保液性(非水電解液保持性)が低下し、サイクル特性を低下させる。よって、第1のピークのモード径は、0.01〜0.2μmの範囲であることが好ましい。更に好ましい範囲は0.02〜0.1μmである。
水銀圧入法による0.01〜0.2μmの細孔体積は、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り0.05〜0.5mLである。まず、負極集電体の重量を除くとした理由について説明する。後述するように負極集電体にはアルミニウム箔のような導電性基板が使用されている。負極重量から負極集電体の重量を差し引くことにより、細孔径分布とは無関係の重量分を除外することができる。細孔体積を0.05mL/g未満にすると、負極内の非水電解液が枯渇するため、サイクル特性が低下する。また、細孔体積が0.5mL/gを超えると、非水電解液の分布が負極側に偏り、正極での非水電解液の枯渇を招く。細孔体積のより好ましい範囲は、0.1〜0.3mL/gである。
水銀圧入法による0.01〜0.2μmの細孔表面積は、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り5〜50mであることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。負極集電体の重量を除くとした理由は、前述した通りである。また、細孔表面積を5m/g未満にすると、負極の皮膜抵抗が小さくなり難く、また、電解液の含浸促進効果が小さくなり、ガス発生を抑制する良質な皮膜が形成され難くなる。
細孔表面積が50m/gを超えると、電極密度が上げ難く、エネルギー密度が低下する他、電子伝導性の欠如により出力性能が低下する。細孔表面積のより好ましい範囲は、7〜30m/gである。
さらに負極は、上記第1のピークに反映される細孔(マクロ孔)に加えて、下記第2のピークに反映される細孔(メソ孔)を有することが好ましい。下に第2のピークに反映される細孔について説明する。
<第2のピーク>
第2のピークに反映される細孔は、その概ねは負極活物質自身が有する細孔に帰属される。
水銀圧入法による細孔径分布の0.003〜0.02μmの範囲にモード径を有する第2のピークを有する負極においては、電解液の含浸性が格段に高まり、優れた大電流特性を実現することができる。これは、第2のピークの細孔が存在することにより、毛細管現象がより効果的に進むからである。但し、第2のピークのモード径を0.003μm未満にすると、分子量の大きい電解質の拡散性が低下するため、逆に含浸性を低下させる恐れがある。よって、その下限値は0.003μmとすることが好ましい。更に好ましくは、0.005〜0.015μmである。
水銀圧入法による0.003〜0.02μmの細孔体積が、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り、0.0001〜0.02mLである。負極集電体の重量を除くとした理由は、前述した通りである。細孔体積を0.0001mL/g未満にすると、非水電解液の含浸性を向上する効果が得られない。また、細孔体積が0.02mL/gを超えると、負極活物質自身の強度が低下し、電極圧延時に粒子が崩壊しやすく、その結果、サイクル性能、および高率負荷特性が低下する。細孔体積のより好ましい範囲は、0.0005〜0.01mL/gである。
負極の水銀圧入法による0.003〜0.02μmの細孔表面積は、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り、0.1〜10mであることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。負極集電体の重量を除くとした理由は、前述した通りである。また、細孔表面積を0.1m/g未満にすると、負極の皮膜抵抗が小さくなり難く、電解質の含浸性を向上する効果が得難く、自己放電を抑制する効果が低下する。
細孔表面積が10m/gを超えると、電極密度を上げ難く、エネルギー密度が低下する。細孔表面積のより好ましい範囲は、0.2〜2m/gである。
負極の水銀圧入法による細孔体積は、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り0.1〜1mLであることが望ましい。負極集電体の重量を除くとした理由は、前述した通りである。負極の細孔体積を0.1mL/g以上とすることにより、負極の非水電解液保持量を十分なものとすることができる。細孔体積が0.1mL/gよりも小さくなると、負極内の非水電解液が枯渇し、サイクル特性を低下させる恐れがある。また、負極の細孔体積を1mL/g以下とするのは、細孔体積が大き過ぎると、非水電解液の分布が負極側に偏り、正極での電解質の枯渇を招く恐れがあるためである。よって、その上限値は1.0mL/gにすることが好ましい。更に好ましい範囲は0.2〜0.5mL/gである。
負極の水銀圧入法による細孔表面積は、負極重量(負極集電体の重量を除く)1g当り、5〜50mであることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。負極集電体の重量を除くとした理由は、前述した通りである。細孔表面積を5m/g未満にすると、負極と非水電解液との親和性が低くなるため、前述した細孔径分布による含浸性向上の効果を十分に得られない恐れがある。一方、比表面積が50m/gを超えるものは、非水電解液の分布が負極に偏り、正極での非水電解液不足を招くため、充放電サイクル特性の改善を図れない。細孔表面積のより好ましい範囲は、7〜30m/gである。
負極の気孔率(集電体を除く)は、20〜50%の範囲にすることが望ましい。これにより、負極と非水電解液との親和性に優れ、かつ高密度な負極を得ることができる。気孔度の更に好ましい範囲は、25〜40%である。
負極の密度は、2g/cc以上にすることが望ましい。負極密度を2g/cc未満にすると、前述した細孔径分布を有する負極を得られない恐れがあるからである。負極密度のより好ましい範囲は、2〜2.5g/ccである。
負極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であることが好ましい。負極集電体は、平均結晶粒径が50μm以下であることが好ましい。これにより、集電体の強度を飛躍的に増大させることができるため、負極を高いプレス圧で高密度化することが可能となり、電池容量を増大させることができる。また、高温環境下(40℃以上)における過放電サイクルでの負極集電体の溶解・腐食劣化を防ぐことができるため、負極インピーダンスの上昇を抑制することができる。さらに、出力特性、急速充電、充放電サイクル特性も向上させることができる。平均結晶粒径のより好ましい範囲は30μm以下であり、更に好ましい範囲は5μm以下である。
平均結晶粒径は次のようにして求められる。集電体表面の組織を光学顕微鏡で組織観察し、1mm×1mm内に存在する結晶粒の数nを求める。このnを用いてS=1x10/n(μm)から平均結晶粒子面積Sを求める。得られたSの値から下記(A)式により平均結晶粒子径d(μm)を算出する。
d=2(S/π)1/2 (A)
前記平均結晶粒子径の範囲が50μm以下の範囲にあるアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組成、不純物、加工条件、熱処理履歴ならび焼なましの加熱条件など多くの因子に複雑に影響され、前記結晶粒子径(直径)は、製造工程の中で、前記諸因子を組み合わせて調整される。
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1%以下にすることが好ましい。
負極活物質含有層には導電剤を含有させることができる。導電剤としては、例えば、炭素材料、アルミニウム粉末などの金属粉末、TiOなどの導電性セラミックスを用いることができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛が挙げられる。より好ましくは、熱処理温度が800〜2000℃の平均粒子径10μm以下のコークス、黒鉛、TiOの粉末、平均粒子径1μm以下の炭素繊維が好ましい。前記炭素材料のN吸着によるBET比表面積は10m/g以上が好ましい。
負極活物質含有層には結着剤を含有させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、コアシェルバインダーなどが挙げられる。
負極活物質、負極導電剤及び結着剤の配合比については、負極活物質は70重量%以上96重量%以下、負極導電剤は2重量%以上28重量%以下、結着剤は2重量%以上28重量%以下の範囲にすることが好ましい。負極導電剤量が2重量%未満であると、負極活物質含有層の集電性能が低下し、非水電解液二次電池の大電流特性が低下する恐れがある。また、結着剤量が2重量%未満であると、負極活物質含有層と負極集電体の結着性が低下し、サイクル特性が低下する可能性がある。一方、高容量化の観点から、負極導電剤及び結着剤は各々28重量%以下であることが好ましい。
負極は、例えば、負極活物質、負極導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁し作製したスラリーを、負極集電体に塗布し、乾燥し、負極活物質含有層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。この際のスラリー作製は以下のように行う。まず、少量の溶媒に負極活物質、負極導電剤及び結着剤を投入し、固形比率(溶媒に対する負極活物質、負極導電剤及び結着剤の比率)が大きい状態で、プラネタリーミキサーなどで混練し、強い剪断力を掛けて固形分を均一に分散させる。この際、固形比率が十分に高くないと剪断力が小さくなり、凝集した負極活物質を十分に砕けなくなり、固形分が均一に分散されない。この工程は、負極活物質の粒子径が細かくなるほど重要であり、平均粒子径が1μm以下の粒子を扱う場合には、特に重要となる。固形比率が高い状態で十分に混練を行った後、溶媒を加えながら固形比率を徐々に低下させて、塗工が可能な粘度に調整する。塗工可能な粘度に調整したスラリーを更に、セラミックボールをメディアとしてビーズミルで十分に混合する。この工程により、活物質粒子のエッジが削り取られ、活物質粒子の表面が平滑化され、高密度充填が可能になり、細孔径分布を小孔径側にシフトさせることができ、本実施形態に記載の細孔径分布を有する負極が得られる。この際、セラミックボールはガラス、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素など種々の材質を用いることができるが、耐摩耗性、耐衝撃性の観点から、ジルコニア製のボールが好ましい。ボールの直径は0.5〜5mmが好ましい。ボールの直径が0.5mm未満であると衝撃力が小さくなる。また、ボールの直径が5mmより大きいとメディア同士の接触面積が少なくなり、混練能力が低下する。ボールの直径のより好ましい範囲は1〜3mmである。
得られたスラリーを負極集電体上に塗布し、乾燥した後、ロールプレス機などで圧延し、負極を完成させる。この際、ロール温度を40〜180℃とすることが好ましい。ロール温度が低いと、プレス時に負極活物質よりも比重の軽い導電剤が電極表面に浮き上がってしまい、適度な細孔を有する高密度な電極が得られず、電解液の含浸性が低下する。また、電池性能も低下してしまう。ロール温度が180℃よりも高いと、バインダーの結晶化が進行し、電極の柔軟性が低下し、負極活物質含有層が折れたり、剥がれ易くなる。その結果、生産性が低下、出力特性や充放電サイクル特性などの電池性能が低下する。ロール温度のより好ましい範囲は、90〜150℃である。
なお、負極中には、非水電解液中に添加する、ピリジン基を有する化合物、あるいはシリル基を有する化合物、あるいはその両方を含有していてもよい。
2)非水電解液
非水電解液とは、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質である。本発明の非水電解液電池は、非水電解液中にさらにピリジン基を有する化合物と、シリル基を有する化合物を含有することを特徴としている。
先述した理由により、これらの化合物を併用することで負極表面に安定な皮膜が形成され、良好な寿命特性と自己放電の低減を両立できる。
ピリジン基を有する化合物は、一般式(1)或いは一般式(2)のうち少なくとも何れかを繰り返し単位として含む化合物である。
Figure 0005305678
これらの化合物は酸化電位が高いため正極側で分解され難く、また、還元電位が0.9V vs.Li/Liであり、リチウムチタン複合酸化物の作用電位より僅かに卑であるため、負極表面に自己放電抑制に効果的な被膜を形成させることができる。
具体的には、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、(2−ビニルピリジン)と(4−ビニルピリジン)の共重合体、(2−ビニルピリジン)と他のモノマーとの共重合体、及び(4−ビニルピリジン)と他のモノマーの共重合体のうち、少なくとも何れかであることが望ましい。これらの化合物においては、平均分子量(Mw)が3000以上160000以下の範囲であることが望ましい。特に望ましくはポリ(2−ビニルピリジン)、或いはポリ(4−ビニルピリジン)である。
シリル基を有する化合物は一般式(3)で表される官能基を有する化合物である。
Figure 0005305678
(但し、R1〜R3は、それぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキル基または炭素数2以上10以下のアルケニル基または炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
一般式(3)で表される官能基を有する化合物として、例えば、一般式(3)で表わされる官能基の数が3個、2個または1個のものが挙げられる。
該基の数が3個の化合物としては、具体的には、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス(トリエチルシリル)ホスフェート、トリス(ビニルジメチルシリル)ホスフェート等が挙げられ、特にトリス(トリメチルシリル)ホスフェートが好ましい。
また、該基の数が2個の化合物としては、ビス(トリメチルシリル)メチルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)エチルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)−n−プロピルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)−i−プロピルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)−n−ブチルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)トリクロロエチルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロエチルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)ペンタフルオロプロピルホスフェート、ビス(トリメチルシリル)フェニルホスフェート等が挙げられる。
次いで、該基の数が1個の化合物としては、ジメチルトリメチルシリルホスフェート、ジエチルトリメチルシリルホスフェート、ジ−n−プロピルトリメチルシリルホスフェート、ジ−i−プロピルトリメチルシリルホスフェート、ジ−n−ブチルトリメチルシリルホスフェート、ビス(トリクロロエチル)トリメチルシリルホスフェート、ビス(トリフルオロエチル)トリメチルシリルホスフェート、ビス(ペンタフルオロプロピル)トリメチルシリルホスフェート、ジフェニルトリメチルシリルホスフェート等が挙げられる。
このような一般式(3)で表される官能基を有する化合物は、1種類もしくは2種類以上用いても良い。
一般式(3)で表される官能基を有する化合物のうち、リン酸化合物特にリン酸シリルエステルであることが好ましい。これは、還元分解されたときに生成するリン酸リチウムが負極表面で安定化し、良質な皮膜形成に寄与するためである。具体的に好ましい化合物として、トリス(トリメチルシリル)ホスフェートが挙げられる。トリス(トリメチルシリル)ホスフェート(TMSP)の化学式を以下に示す。
Figure 0005305678
また、一般式(3)で示される官能基を有する化合物のうち、別の好ましい化合物として、フルオロトリメチルシランが挙げられる。マンガンを含有する正極を用いる場合、特に、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを含む正極を用いる場合に、前記リン酸シリルエステルとフルオロトリメチルシランを混合して用いると良い。好ましい組合せとして、トリス(トリメチルシリル)ホスフェートとフルオロトリメチルシランが挙げられる。なお、前記リン酸化合物とフルオロトリメチルシランを混合して用いる場合、γ−ブチロラクトン(GBL)を含む非水溶媒を使用すると良い。なお、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムとしては、例えば、LiMn2−y(0≦x≦1.2、0≦y<1、MはMn以外の元素)が挙げられる。
上述したリン酸化合物は、電池内で発生するフッ酸などの酸と反応して、フルオロトリメチルシランに変質する場合がある。変質により得られたフルオロトリメチルシランも本願の効果に寄与する。
ピリジン基を有する化合物は、負極表面で適度に還元分解されて自己放電を抑制する安定な皮膜を形成することができる。この皮膜は、負極表面で生じる非水電解液の過度な分解を抑制することができるため、自己放電を抑えることができる。しかし、ピリジン基を有する化合物の添加により形成される皮膜はそのもの自体の抵抗が大きい。
一方、シリル基を有する化合物は、ピリジン基を有する化合物の分解電位よりも貴な電位で僅かに分解し、ピリジン基を有する化合物の過剰な分解を抑制する効果を有すると考えられる。すなわち、負極表面で還元分解して皮膜を形成する反応が、ピリジン基を有する化合物に優先して起こる。この皮膜は電荷移動抵抗が小さいため、リチウムイオンをスムーズに負極内部に吸蔵・放出させることが可能となり、電池の抵抗を小さくできる。
ピリジン基を有する化合物の好ましい含有量は非水電解液総重量に対して0.01重量%以上3重量%以下、より好ましい範囲は0.03重量%以上1重量%以下である。0.01重量%以上であると効果的に自己放電の抑制ができ、3重量%以下であると皮膜の抵抗が低く抑えられる。また、シリル基を有する化合物の好ましい含有量は0.1重量%以上20重量%以下、より好ましい範囲は0.1重量%以上10重量%以下、さらに望ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。0.1重量%以上20重量%以下であることにより、抵抗の増加が抑制できかつ効果的に自己放電の抑制ができる。
非水電解液中にピリジン基を有する化合物及びシリル基を有する化合物が含有されているか否かは、TG−MS(熱重量−質量分析装置)、あるいは熱分解MS(質量分析装置)などにより測定可能である。具体的には、試料である非水電解質を加熱し、その際に発生したガスを分析することにより可燃性成分の発生が検出できる。
また、非水電解質中に含まれる各成分の体積割合の測定方法は、GC、NMR(核磁気共鳴分光法)等を用いて行うことができる。
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩が挙げられる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPFが最も好ましい。
有機溶媒への電解質濃度は0.5mol/L以上2.5mol/L以下にすることが望ましい。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート等の環状カーボネートや、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネートや、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)等の環状エーテルや、ジメトキシエタン(DME)、ジエトエタン(DEE)等の鎖状エーテルや、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)等の単独若しくは混合溶媒を挙げることができる。
好ましい有機溶媒として、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびγ−ブチロラクトン(GBL)からなる群のうち、2種以上を混合した混合溶媒が挙げられる。さらに好ましい有機溶媒として、γ−ブチロラクトン(GBL)が挙げられる。この理由は以下の通りである。
まず第一に、γ−ブチロラクトン、DEC、PC、は沸点や引火点が高く、熱安定性に優れるためである。
第二に、γ−ブチロラクトンは、鎖状カーボネートや環状カーボネートに比べて還元されやすい。還元時に、ピリジン基を有する化合物と相まって、更に安定な保護皮膜を形成させることができる。上述の混合溶媒についても、類似のことが言える。
より良質な保護皮膜を形成するためには、γ−ブチロラクトンの含有量を有機溶媒に対し40体積%以上95体積%以下とすることが好ましい。
γ−ブチロラクトンを含む非水電解液は、上述した優れた効果を示すものの、粘度が高く、電極への含浸性が低下してしまう。しかしながら、平均粒径が1μm以下の負極活物質を用いると、γ−ブチロラクトンを含む非水電解液であっても、電解液の含浸をスムーズに行うことが可能になり、生産性を向上させると共に、出力性能及び充放電サイクル性能を向上させることが可能となる。
3)正極
正極は、正極集電体と、正極集電体の片面若しくは両面に担持され、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を含む正極活物質含有層とを有する。
正極活物質としては、酸化物、硫化物、ポリマー等が挙げられる。
例えば、酸化物としては、Liを吸蔵した二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、及び、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMnまたはLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCo)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1−y)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LiFePO、LiFe1−yMnPO、LiCoPO等)、硫酸鉄(Fe(SO)、バナジウム酸化物(例えばV)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。
例えば、ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロール等の導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料等が挙げられる。その他に、イオウ(S)、フッ化カーボン等も使用できる。
高い正極電圧が得られる正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−yCo)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LiMnCo1−y)、リチウムリン酸鉄(LiFePO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。なお、x、yは0〜1の範囲であることが好ましい。
前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の組成はLiNiCoMn(但し、モル比a,b,c及びdは0≦a≦1.1、0.1≦b≦0.5、0≦c≦0.9、0.1≦d≦0.5)であることが好ましい。
また、リチウム遷移金属複合酸化物の組成はこれらに限定されず、その他不可避的不純物等を含んでいてもよい。
更には、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その粒子表面の一部にAl,Mg,Zr,B,Ti,Gaの少なくとも1種の元素を含む酸化物を有することが好ましい。例えば、Al、MgO、ZrO、B、TiO、Gaなどが例示できる。これらの酸化物が存在することで、正極活物質表面での電解液の酸化分解を抑制することができる。特に、電解液の溶媒のみならず、添加剤自身の酸化分解も起こるため、粒子表面にこれらの酸化物を有する正極活物質を用いることで、添加剤の酸化分解を抑制でき、電池の長寿命化が可能になる。
Al,Mg,Zr,B,Ti、Gaのうちの少なくとも1種の元素を含む酸化物は、リチウム遷移金属複合酸化物に対してどのような質量比であっても構わないが、最終的なリチウム遷移金属複合酸化物に対して0.5〜15質量%含まれることが好ましく、1〜5質量%含まれることがより好ましい。酸化物量が0.5質量%未満ではリチウム遷移金属複合酸化物は実質的に変化せず、これに対して、酸化物量が15質量%超であるとこのようなリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン電池の性能が悪影響を受けてしまうためである。また、リチウム遷移金属複合酸化物中には酸化物の付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子および酸化物の付着していないリチウム遷移金属複合酸化物粒子が含まれてもよい。
最も好ましい形態は、酸化物としてMgO、ZrOまたはBを用いるものである。これを付着させたリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として利用することで、充電電圧をより高く(例えば4.4V以上)まで上昇させることができ、充放電サイクル特性を改善することができる。
上記酸化物を粒子に対して付着させるには、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物粒子を、Al,Mg,Zr,B,Ti,Gaのイオンを含有する水溶液に含浸し、生じた含浸リチウム遷移金属複合酸化物粒子を焼成することで合成することができる。含浸に用いる水溶液の形態としては、焼成後にリチウム遷移金属複合酸化物の表面にAl,Mg,Zr,B,Ti、Gaからなる酸化物が付着できるものであれば特に限定されず、適当な形態のAl,Mg,Zr,B,Ti,Gaを含む水溶液を用いることができる。これらの金属(ホウ素を含む)の形態としては例えば、Al,Mg,Zr,B,Ti,Ga(=M)のオキシ硝酸塩、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物あるいは酸などがあげられる。
前述の通り最も好ましい形態は酸化物としてMgO、ZrOまたはBを用いるものであることから、Mイオンが、Mgイオン,ZrイオンまたはBイオンであることがより好ましく、Mイオンを含む水溶液としては例えば、Mg(NO水溶液、ZrO(NO水溶液、ZrCO・ZrO・8HO水溶液、Zr(SO水溶液またはHBO水溶液などを用いるのがより好ましい。中でも、Mg(NO水溶液、ZrO(NO水溶液またはHBO水溶液を用いるのが最も好ましい。Mイオン水溶液の濃度としては、特に限定されないが、含浸工程において溶液の体積を小さくできることから、飽和溶液が好ましい。また本発明において、Mイオンの水溶液中における形態としては、M元素単体からなるイオンのみならず、他の元素と結合しているイオンの状態、例えばホウ素でいえばB(OH)4−など、も含む。
リチウム遷移金属複合酸化物をMイオン水溶液に含浸する際の、リチウム遷移金属複合酸化物とMイオン水溶液との質量比は、特に限定されるものではなく、製造しようとするリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じた質量比とすればよい。含浸時間については、含浸が充分に行われる時間であればよく、また、含浸温度についても特に限定はされない。
リチウム遷移金属複合酸化物は、含浸により生じた粒子を焼成することで得られ、この工程において、焼成温度および焼成時間は、焼成に適当な範囲で適宜決定することができるが、好ましくは400〜800℃で1〜5時間、特に好ましくは600℃で3時間行われる。また焼成は酸素気流下または大気中にて行ってもよい。また、含浸により生じた粒子をそのまま焼成してもよいが、混合物中の水分を除去するために、該粒子を焼成前に乾燥させることが好ましい。ここで乾燥は、通常知られている方法により行うことができ、例えばオーブン内加熱、熱風乾燥などを単独または組み合わせて使用できる。また、乾燥の際には、酸素または空気などの雰囲気下で行うことが好ましい。
このようにして得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、必要に応じて粉砕してもよい。
正極活物質の一次粒子径は、100nm以上1μm以下であると好ましい。100nm以上であると、工業生産上扱いやすい。1μm以下であると、リチウムイオンの固体内拡散をスムーズに進行させることができる。
正極活物質の比表面積は、0.1m/g以上10m/g以下であることが好ましい。0.1m/g以上であると、リチウムイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保できる。10m/g以下であると、工業生産上扱いやすく、良好な充放電サイクル性能を確保できる。
集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための正極導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を挙げることができる。
正極活物質と正極導電剤を結着させるための結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム等が挙げられる。
正極活物質、正極導電剤及び結着剤の配合比については、正極活物質は80重量%以上95重量%以下、正極導電剤は3重量%以上18重量%以下、結着剤は2重量%以上17重量%以下の範囲にすることが好ましい。正極導電剤については、3重量%以上であることにより上述した効果を発揮することができ、18重量%以下であることにより、高温保存下での正極導電剤表面での非水電解液の分解を低減することができる。結着剤については、2重量%以上であることにより十分な電極強度が得られ、17重量%以下であることにより、電極の絶縁体の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
正極は、例えば、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁し作製したスラリーを、正極集電体に塗布し、乾燥し、正極活物質含有層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。その他、正極活物質、正極導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、正極活物質含有層として用いても良い。
前記正極集電体は、アルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましく、負極集電体と同様にその平均結晶粒径は50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、30μm以下である。更に好ましくは5μm以下である。前記平均結晶粒径が50μm以下であることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができ、正極を高いプレス圧で高密度化することが可能になり、電池容量を増大させることができる。
前記平均結晶粒径の範囲が50μm以下の範囲にあるアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組織、不純物、加工条件、熱処理履歴、ならびに焼鈍条件など複数の因子に複雑に影響され、前記結晶粒径は製造工程の中で、前記諸因子を組合せて調整される。
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1%以下にすることが好ましい。
4)セパレータ
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、またはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンからなる多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であり、安全性向上の観点から好ましい。
セパレータは、水銀圧入法による細孔メディアン径が0.15μm以上1.0μm以下であることが好ましい。細孔メディアン径が0.15μmより小さいと、セパレータの膜抵抗が大きくなり出力が低下してしまう。また、2.0μmより大きいと、セパレータのシャットダウンが均等に起こらずに安全性が低下するほか、毛細管現象による電解液の拡散が起こり難くなり、電解液の枯渇によるサイクル劣化を誘発する。より好ましい範囲は0.18μm以上0.40μm以下である。
セパレータは、水銀圧入法による細孔モード径が0.12μm以上0.5μm以下であることが好ましい。細孔モード径が0.12μmより小さいと、セパレータの膜抵抗が大きくなり出力が低下し、さらに高温・高電圧環境下でセパレータが変質して細孔が潰れ、出力が低下してしまう。また、0.5μmより大きいと、セパレータのシャットダウンが均等に起こらずに、安全性が低下してしまう。より好ましい範囲は0.18μm以上0.35μm以下である。
セパレータの気孔率は45%以上75%以下であることが好ましい。気孔率が45%より小さいと、セパレータ中のイオンの絶対量が少なくなり出力が低下する。気孔率が75%より大きいと、セパレータの強度が低下するほか、シャットダウンが均等に起こらずに安全性が低下する。より好ましい範囲は、50%以上60%以下である。
5)外装部材
外装部材としては、肉厚0.2mm以下のラミネートフィルムや、肉厚0.5mm以下の金属製容器が挙げられる。金属製容器の肉厚は、0.2mm以下であるとより好ましい。
形状としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型等が挙げられる。なお、無論、携帯用電子機器等に積載される小型電池の他、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池でも良い。
ラミネートフィルムは、金属層と金属層を被覆する樹脂層とからなる多層フィルムである。軽量化のために、金属層はアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、金属層を補強するためのものであり、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより成形する。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等が挙げられる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量は1%以下にすることが好ましい。これにより、高温環境下での長期信頼性、放熱性を飛躍的に向上させることが可能となる。
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属缶は、平均結晶粒径が50μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下である。更に好ましくは5μm以下である。前記平均結晶粒径を50μm以下とすることによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属缶の強度を飛躍的に増大させることができ、より缶の薄肉化が可能になる。その結果、軽量かつ高出力で長期信頼性に優れた、特に車載に適切な電池を実現することができる。
6)負極端子
負極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が0.4V以上3V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料から形成することができる。具体的には、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金、アルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料が好ましい。
7)正極端子
正極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が3V以上5V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料から形成することができる。具体的には、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金、アルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料が好ましい。
非水電解液電池は、前述した図1及び図2に示す構成のものに限らず、例えば、図3及び図4に示す構成にすることができる。図3は別の扁平型非水電解液二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図で、図4は図3のB部の拡大断面図である。
図3に示すように、ラミネートフィルム製の外装部材8内には、積層型電極群9が収納されている。積層型電極群9は、図4に示すように、正極3と負極4とをその間にセパレータ5を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極3は複数枚存在し、それぞれが正極集電体3aと、正極集電体3aの両面に担持された正極活物質含有層3bとを備える。負極4は複数枚存在し、それぞれが負極集電体4aと、負極集電体4aの両面に担持された負極活物質含有層4bとを備える。それぞれの負極4の負極集電体4aは、一辺が正極3から突出している。正極3から突出した負極集電体4aは、帯状の負極端子2に電気的に接続されている。帯状の負極端子2の先端は、外装部材8から外部に引き出されている。また、ここでは図示しないが、正極3の正極集電体3aは、負極集電体4aの突出
辺と反対側に位置する辺が負極4から突出している。負極4から突出した正極集電体3aは、帯状の正極端子1に電気的に接続されている。帯状の正極端子1の先端は、負極端子2とは反対側に位置し、外装部材8の辺から外部に引き出されている。
第一の実施の形態に係る電池単体の一例について、図1、図2を参照して、正極と負極を含む電極群が捲回電極の場合について説明したが、電極群の構造を積層構造としてもよい。
次に電池単体を電気的に直列もしくは並列に配置して組電池を構成し、この組電池に電池制御回路等を組み合わせて電池パックとした例について図5、図6を用いて説明する。
実施形態に係る電池パックは、前述した非水電解液電池(単電池)を複数有し、各単電池を電気的に直列もしくは並列に接続して配置されている。
このような電池パックを図5および図6を参照して詳細に説明する。単電池には、例えば図1、図2に示す扁平型電池を使用することができる。
扁平型非水電解液電池から構成される複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6および正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図6に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6および正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図6に示すようにサーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向するプリント配線基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図5および図6の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7および負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
図5、図6では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列、並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途としては、大電流特性でのサイクル特性が望まれるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、車載用が好適である。
前述したようにプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)およびγ−ブチロラクトン(GBL)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む非水電解質を用いることによって、高温特性の優れた非水電解液電池を得ることができる。このような非水電解液電池を複数有する組電池を備えた電池パックは、特に車載用に好適である。
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、正極活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO)粉末90重量%、導電剤として、アセチレンブラック3重量%と、グラファイト3重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)4重量%をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーとし、このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることにより電極密度が3.3g/cmの正極を作製した。
<負極の作製>
平均粒子径が0.84μm、BET比表面積が10.8m/g、Li吸蔵電位が1.55V(vs. Li/Li)であるスピネル型チタン酸リチウム(LiTi12)粉末を負極活物質として用意した。負極活物質の粒径測定は、レーザー回折式分布測定装置(島津SALD−300)を用い、まず、ビーカーに試料を約0.1gと界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌した後、攪拌水槽に注入し、2秒間隔で64回光度分布を測定し、粒度分布データを解析するという方法にて測定した。
負極活物質を90重量%と、導電剤として1300℃で焼成したコークス(d002が0.3465nm、平均粒径が8.2μm、BET比表面積が11.2m/g)を5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を5重量%とに、N−メチルピロリドン(NMP)を固形分比率が62%になるように添加した。これをプラネタリーミキサーで混練し、NMPを加えながら固形比率を徐々に低下させ、粘度が10.2cp(B型粘度計、50rpmでの値)のスラリーを調製した。このスラリーを更に、直径が1mmのジルコニア製ボールをメディアとしてビーズミルで混合した。
得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.3%、平均結晶粒径10μm)からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、100℃に加温したロールでロールプレスすることにより負極を得た。
<電極群の作製>
正極、厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、セパレータの順番に積層した後、渦巻き状に捲回した。これを80℃で加熱プレスすることにより、高さ50mm、幅33mmで、厚さが1.8mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群を、ナイロン層/アルミニウム層/ポリエチレン層の3層構造の厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で24時間真空乾燥を施した。
<液状非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)の混合溶媒(体積比率1:2)に、電解質としてのLiBFを2.0mol/L溶解し、得られた溶液に対して0.1wt.%のポリ(2−ビニルピリジン)と2wt.%のトリス(トリメチルシリル)フォスフェートを添加して非水電解液を調製した。上記非水電解液の20℃の粘度は6.9cp(B型粘度計にて測定)であった。用いたポリ(2−ビニルピリジン)はシグマアルドリッチ製であり、平均分子量Mwは37500であった。
電極群を収納したラミネートフィルムパック内に液状非水電解液を注入した後、パックをヒートシールにより完全密閉し、図1に示す構造を有し、幅が35mmで、厚さが2.0mm、かつ高さが65mmの非水電解液二次電池を作製した。
(比較例1〜7、実施例1〜9)
非水電解液として、ポリ(2−ビニルピリジン)の添加量、及びトリス(トリメチルシリル)フォスフェートの添加量を表1に示す量とする以外は、実施例1と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(実施例10)
非水電解液として、ポリ(2−ビニルピリジン)の代わりにポリ(4−ビニルピリジン)とする以外は実施例1と素同様にして非水電解質二次電池を作製した。使用したポリ(4−ビニルピリジン)は、シグマアルドリッチ製であり、平均分子量60000であった。
(比較例8、実施例11)
非水電解液として、溶媒を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒(体積比率1:2)に、溶質を1.5MのLiPFに変更する以外は、比較例1、及び実施例1と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(比較例9、実施例12)
正極活物質として、LiCoOの代わりにLiMnを用い、電極密度を3.1g/cmとする以外は、比較例1、及び実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例13)
正極活物質に、2wt.%のZrOで被覆したLiMnを用いる以外は、実施例12と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(実施例14)
正極活物質に、2wt.%のMgOで被覆したLiMnを用いる以外は、実施例12と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(実施例15)
正極活物質に、2wt.%のBで被覆したLiMnを用いる以外は、実施例12と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(実施例16)
正極活物質に、2wt.%のAlで被覆したLiMnを用いる以外は、実施例12と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(比較例10〜12、実施例17)
負極活物質にTiOを用いる以外は、比較例1、2、7、及び実施例1と同様に非水電解液二次電池を作製した。
(比較例13〜16)
負極活物質に黒鉛を用いた以外は、比較例10〜12、実施例17と同様に非水電解液二次電池を作製した。
実施例1〜17、比較例1〜16の電池を2.55Vまで充電した後、60℃環境下に4週間放置し、電池抵抗と残存容量を測定した。
残存容量(%)、及び電池抵抗増加率(%)を以下の式で定義し、表1にまとめた。
残存容量(%)=貯蔵後容量/貯蔵前容量×100
抵抗増加率(%)=(貯蔵後電池抵抗/貯蔵前電池抵抗―1)×100
Figure 0005305678
実施例の電池は、自己放電量が小さいことが分る。同時に、電池抵抗変化が小さく、長寿命な電池であることが分る。また、γ―ブチロラクトンを含む電解液を用いた電池は、自己放電量が少なく、抵抗増加率が小さいことが分かる。被覆処理を施された正極活物質を用いた電池は、自己放電量が少なく、抵抗増加率が小さいことが分かる。
また、比較例の電池は電池特性に劣ることがわかる。
また、負極活物質として黒鉛を用いた比較例13〜16の電池について見ると、ポリ(2−ビニルピリジン)、或いはトリス(トリメチルシリル)フォスフェートの添加効果は全く見られないことが明らかである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限られず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。また、本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
本発明の実施の形態に係わる扁平型非水電解液二次電池の断面模式図。 図1のAで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図。 本発明の実施の形態に係わる非水電解液二次電池の断面模式図。 図3のBで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図。 電池パックの分解斜視図。 電池パックの電気回路を示すブロック図。
符号の説明
1…正極端子、2…負極端子、3…正極、3a…正極集電体、3b…正極活物質含有層、4…負極、4a…負極集電体、4b…負極活物質含有層、5…セパレータ、6…捲回電極群、7,8…外装部材、9…積層電極群、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、27・・・通電用端子、28…正極側リード、29…正極側コネクタ、30…負極側リード、31…負極側コネクタ、32、33…配線、34a・・・プラス側配線、34b・・・マイナス側配線、35…配線、36・・・保護シート、37・・・収納容器、38…蓋

Claims (11)

  1. 外装材と、
    前記外装材内に収納された正極と、
    1.0Vより貴な電位でリチウムを吸蔵・放出する負極活物質を含む負極と、
    前記外装材内に充填された非水電解液を具備し、
    前記非水電解液は、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解した電解質と、一般式(1)及び一般式(2)のうち少なくとも1種を繰り返し単位として含む化合物と、一般式(3)で表される官能基を有する化合物とを含有する非水電解液電池であって、
    前記一般式(1)及び一般式(2)のうち少なくとも1種を繰り返し単位として含む化合物は、ポリ(2−ビニルピリジン)またはポリ(4−ビニルピリジン)を含み、
    前記一般式(3)で表される官能基を有する化合物は、トリス(トリメチルシリル)フォスフェートを含むことを特徴とする非水電解液電池。
    Figure 0005305678
    Figure 0005305678
  2. 前記一般式(1)及び一般式(2)のうち少なくとも1種を繰返し単位として含む化合物の含有量は、前記非水電解液の総重量に対して、0.01重量%以上3重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 前記一般式(3)で表される官能基を有する化合物の含有量は、前記非水電解液の総重量に対して、0.1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  4. 前記負極活物質は、リチウムチタン複合酸化物であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  5. 前記リチウムチタン複合酸化物は、スピネル型構造を有することを特徴とする請求項4記載の非水電解液電池。
  6. 前記非水溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびγ−ブチロラクトンからなる群のうち2種以上を混合した溶媒を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  7. 前記非水溶媒は、γ−ブチロラクトンを含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  8. 前記正極は、Mnを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  9. 前記正極は、その粒子表面の一部にAl,Mg,Zr,B,Ti,Gaのうち少なくとも1種の元素の酸化物を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  10. 請求項1記載の前記非水電解液電池を複数備え、各々が直列もしくは並列に電気的に接続されていることを特徴とする組電池。
  11. 各々の電池電圧を検知できる保護回路を具備することを特徴とする請求項10記載の組電池。
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