JP5305012B2 - ワークステージ及びそのワークステージを備えた露光装置 - Google Patents
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Description
同図において、ステージ装置100は、基台101と、薄い板状部材(以下吸着板と呼ぶ)102とで構成されている。基台101は、その表面を無電解ニッケルメッキ処理したアルミニウムブロックによって構成され、ほぼ正方形に形成されている。基台101の表面中央部には、凹部1011が形成され、凹部1011内には吸着板102を載せる複数の凸部1012が形成されている。又、凹部1011には、基台101に取り付けられた真空系から真空を凹部1011に導くために、複数の真空導入路103が設けられている。又、基台101の表面(凸部1012上面と基台101表面の外周部1013とで作る平面)は高精度に仕上げられている。吸着板102は、基台101の表面にならうよう、ある程度の柔軟性を有する材質で構成され、凹部1011を完全に覆う大きさを有し、凹部1011と対応する位置には、全面に渡って所定の直径を有する貫通孔1021が一定間隔で設けられている。なお、吸着板102に設けられる貫通孔1021の位置は、基台101の凸部1012の位置と一致することがないように設けられている。吸着板102は、このステージ装置100で加工処理されるワークの大きさや形状、又はワークの切欠きや貫通孔の位置に合わせて複数準備されており、それぞれ貫通孔1021の設けられる領域、貫通孔1021の数、孔径、形状や配列等は異なっている。このように構成することにより、加工するワークの種類に応じて、最適な吸着板102を選択することにより、ワークを吸着保持することができる。
同図に示すように、このワークステージ200は、ワークステージ200上に載せられる反りが生じているワークを吸着保持するために、ワークステージ200上の周囲に、環状の樹脂製のシール用弾性体201が設けられる。このように、ワークステージ200上の周縁にシール用弾性体201を設ける場合、実際には、ワークステージ200のシール用弾性体201に囲まれる、ワークを吸着するワーク吸着部202は、シール用弾性体201の高さ分高くして設けられる。なぜなら、平面状のワークステージ200に、そのままシール用弾性体201を取り付けたのでは、周辺部がシール用弾性体201の厚み分高さが高くなるので、ワークを吸着したときに平面にならないからである。しかし、そのようなワーク吸着部202を設けても、シール用弾性体201がやや硬いものであり、反対にワークがやや軟らかいものであると、図7に示すようにワーク204をワークステージ200に吸着した時、ワーク204の周辺部が変形することがある。そのため、シール用弾性体201として、リップパッキン又はリップシールと呼ばれているものを使用する。リップパッキン(リップシール)は、密封面機能部(受圧部)にリップ(Lip)構造を持つパッキンのことであり、受圧部のリップの部分は薄く軟らかいので、ワーク204をワークステージ200に吸着した時、ワーク204の周辺部が変形しない。
図8(a)に示すように、リップシール205は拡大して示されており、ワーク吸着部203に対してリップシール205が外側に開くように設けられるとともに、リップシール205の先端2051は、ワーク吸着部202の表面よりもやや高くなるように設けられている。これにより、ワーク204が多少反っていても、リップシール205の先端2051がワーク204の裏面に接触し、ワーク吸着部202の真空吸着孔203に供給された真空により、ワーク204−リップシール205−ワークステージ200に囲まれた空間が真空となり、ワーク204はワークステージ200に真空吸着され保持される。リップシール205は軟らかい樹脂製であるので、ワーク204に押されて変形し、ワーク204が保持された時のワーク204の平面度に影響を与えない。
真空吸着孔が形成され、ワークを吸着して保持するワーク吸着部と、該ワーク吸着部の周縁に環状に設けられたシール用弾性体とを備えたワークステージにおいて、上記シール用弾性体は、先端が内側に向いた第1のリップシールと、前記第1のリップシールの外側に設けられ先端が外側に向いた第2のリップシールとを備え、前記第1のリップシールと前記第2のリップシールとの間に真空供給孔が設けられていることを特徴とするワークステージである。
第2の手段は、光を出射する光出射部と、パターンが形成されたマスクを保持するマスクステージと、上記マスクに形成されたパターンが転写されるワークを保持するワークステージとを備える露光装置において、上記ワークステージは、第1の手段に記載のワークステージであることを特徴とする露光装置である。
また、本発明によれば、変則的な反りが生じているワークであっても、平面度良く吸着保持することのできるワークステージを備えた露光装置を実現することができる。
図1は、本実施形態の発明に係るワークステージを備えた露光装置の概略構成を示す図である。なお、ワークステージは、露光装置に用いる場合を例にして説明しているが、露光装置以外であっても、ワークを吸着保持して処理する装置であれば、本発明のワークステージを使用することができる。
同図に示すように、この露光装置1は、紫外線を出射する光照射部2、パターンが形成されたマスク3、マスク3を保持するマスクステージ4、レジストが塗布されているウエハやプリント基板等のワークを保持するワークステージ5、ワークステージ5上に保持されたワーク上にマスク3のパターン像を投影する投影レンズ6等から構成される。なお、露光装置1の中には、投影レンズ6を備えないものもある。又、光照射部2は、紫外線を含む光を放射するランプ21と、ランプ21から放射された光を反射するミラー22とを備えている。ワークステージ5の表面には、真空吸着溝や複数の真空吸着孔(以下、真空吸着孔54とも呼ぶ)が形成されている。ワークステージ5には配管52が接続され、配管52を介して、真空吸着孔54に、ワークを保持する際には真空が、又ワークをワークステージ5から取り外す際には、エアーが供給される。
図2に示すように、シール用弾性体531は、ワークステージ5のワーク吸着部51の周縁部(周辺部)を取り囲むように環状に取り付けられる。
また、図2及び図3(a)〜図3(c)に示すように、ワーク吸着部51の周りを環状に囲んで設けられるシール用弾性体531は、内側の第1のリップシール5311と、外側の第2のリップシール5312の2重構造になっている。なお、環状に囲んで設けられるシール用弾性体531は、角型状に限定されず、ワーク形状に合わせて輪状に形成されたものも含まれる。ここで、第1のリップシール5311は、ワークステージ5の内側に開くように取り付けられ、第2のリップシール5312は、外側に開くように取り付ける。第1のリップシール5311と第2のリップシール5312の間のワークステージ5には、真空供給孔532を設け、ワーク吸着用の真空を供給する。なお、以下において、第1のリップシール5311と第2のリップシール5312とその間に形成された真空供給孔532を備えた部分をまとめてリップシール部53と呼ぶ。
図3(a)〜図3(c)は、ワーク7の周辺が上向きに反っている場合のリップシール部53を設けた部分を拡大して示したワークステージ5の正面一部断面図であり、図4(a)〜図4(c)は、ワーク7の周辺が下向きに反っている場合のリップシール部53を設けた部分を拡大して示したワークステージ4の正面一部断面図である。
同図において、不図示の搬送手段により、露光装置のワークステージ5上にプリント基板等のワークが置かれる。ワークステージ5の真空吸着孔(真空吸着溝)54及び第1のリップシール5311と第2のリップシール5312の間の真空供給孔532に真空が供給される。ワークの表面(パターンを形成する側)には、レジストが塗布されている。ワークは、ワークステージ5に載せられたワークは、反りが生じていたとしても、上記で説明したようにして、周辺部をリップシール部53により吸着され、ワークステージ5上に吸着保持される。ワークに対して光照射部2から出射した露光光が、パターンが形成されたマスク3、投影レンズ6を介してワークに照射され、露光処理される。ワークステージ5及びリップシール部53への真空の供給は、露光処理中、ワークが移動しないように続けられる。露光処理が終わると、真空吸着孔54(真空吸着溝)への真空の供給を止めてワークの吸着保持を解除し、真空吸着孔54に空気を供給して、真空吸着孔54からはエアーを吹き出させる。これにより、ワークはワークステージ5から外れ、不図示の搬送手段により、露光装置1外に搬送される。
2 光照射部
21 ランプ
22 ミラー
3 マスク
4 マスクステージ
5 ワークステージ
51 ワーク吸着部
52 配管
53 リップシール部
531 シール用弾性体
5311 第1のリップシール
53111 第1のリップシール5311の先端
5312 第2のリップシール
53121 第2のリップシール5312の先端
532 真空供給孔
54 真空吸着孔
6 投影レンズ
7 ワーク
Claims (2)
- 真空吸着孔が形成され、ワークを吸着して保持するワーク吸着部と、該ワーク吸着部の周縁に環状に設けられたシール用弾性体とを備えたワークステージにおいて、
上記シール用弾性体は、先端が内側に向いた第1のリップシールと、前記第1のリップシールの外側に設けられ先端が外側に向いた第2のリップシールとを備え、前記第1のリップシールと前記第2のリップシールとの間に真空供給孔が設けられていることを特徴とするワークステージ。 - 光を出射する光出射部と、パターンが形成されたマスクを保持するマスクステージと、上記マスクに形成されたパターンが転写されるワークを保持するワークステージとを備える露光装置において、
上記ワークステージは、請求項1に記載のワークステージであることを特徴とする露光装置。
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