JP3287761B2 - 真空吸着装置および加工装置 - Google Patents

真空吸着装置および加工装置

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JP3287761B2
JP3287761B2 JP10079196A JP10079196A JP3287761B2 JP 3287761 B2 JP3287761 B2 JP 3287761B2 JP 10079196 A JP10079196 A JP 10079196A JP 10079196 A JP10079196 A JP 10079196A JP 3287761 B2 JP3287761 B2 JP 3287761B2
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suction device
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伸介 松井
文和 大平
篤暢 宇根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研削、研摩、切断な
どの加工装置の試料を保持するための真空吸着装置およ
びエッチング装置等の加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図26は従来の真空吸着装置の一部を示
す断面図、図27は図26に示した真空吸着装置を示す
平面図である。図に示すように、装置本体38の上部に
半導体ウェハ等の試料9を吸着する円板状の真空吸着部
33が設けられ、真空吸着部33は数十〜50%の空孔
を有する多孔質セラミックからなる。また、真空吸着部
33に真空排気孔32が接続され、真空排気孔32に真
空排気手段である真空ポンプ(図示せず)が接続され、
真空吸着部33の外側に平面状のシール部35が配設さ
れ、シール部35は緻密なセラミックからなる。
【0003】この真空吸着装置においては、試料9を装
置本体38上に載置したのち、真空ポンプを作動する
と、試料9の裏面は真空吸着部33に押し付けられ、試
料9は真空吸着部33の高精度な平面に倣うから、試料
9の反り、曲がりなどは矯正される。
【0004】図28は従来のエッチング装置を示す断面
図である。図に示すように、エッチング槽131内に試
料載置台134が収納され、試料載置台134にネジ1
36により固定リング135が取り付けられ、試料載置
台134と固定リング135との間に試料9の周辺部が
挟まれており、試料載置台134と試料9との間にOリ
ング137が設けられ、試料載置台134、固定リング
135等により試料取付装置が構成されている。また、
エッチング槽131に送入出配管132が設けられ、エ
ッチング131槽内にエッチング液133が満たされて
いる。
【0005】このエッチング装置においては、試料9の
裏面の外周部にOリング137が接触しているから、試
料9の裏面にエッチング液133が浸入するのを防止す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図26、図2
7に示した真空吸着装置においては、試料9の表面あら
さ、凹凸によりシール部35は完全に真空漏れを防止す
ることができないから、試料9を真空吸着して加工する
ときに、研磨液、ポリシ液等の加工液が真空吸着部33
と試料9の裏面との間に流入し、真空吸着部33と試料
9の裏面を汚すので、試料9の加工後に必ず真空吸着部
33と試料9の裏面とを洗浄しなければならない。ま
た、洗浄が不十分な場合には、加工液が真空吸着部33
に残るから、真空吸着部33の平面度が劣化し、また次
に吸着した試料9の裏面に加工液が付着する。
【0007】また、図26、図27に示した真空吸着装
置を有する加工装置においては、加工液が上記真空ポン
プに吸い込まれるから、水封式の真空ポンプもしくは加
工液が真空ポンプに吸い込まれないように加工液と排気
空気とを分離する装置を用意しなければならない。ま
た、真空吸着部33が加工液によって汚れるから、真空
吸着部33を洗浄するブラシング洗浄装置等を付加する
必要がある。したがって、加工装置の製造コストが高価
となる。
【0008】また、図28に示したエッチング装置にお
いては、Oリング137から試料9に大きな力が作用す
るから、試料7に大きな曲げ応力が発生するので、試料
9が薄いときには割れが発生することがあり、またOリ
ング137はゴムからなるから、試料取付装置から試料
9を取り外したときにゴム跡が残り、さらに試料9を固
定リング135により固定するから、自動搬送を行なう
ときには、自動搬送装置によって固定リング135を試
料載置台134から取り外す必要があるから、自動搬送
装置が複雑になる。
【0009】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、加工液が真空吸着部と試料の裏面との間に
流入することがなく、しかも試料の外周部を容易に洗浄
することができる真空吸着装置を提供することを目的と
する。
【0010】また、製造コストが安価であり、試料が薄
いときにも割れが発生することがなく、また試料にゴム
跡が残ることがない加工装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
め、本発明においては、真空吸着装置において、 装置本
体の上部に多数の微小突起を有する真空吸着部を設け、
上記真空吸着部に真空排気手段を接続し、上記真空吸着
部の外側に上記微小突起と同程度の幅の第1のシール部
を配設し、上記第1のシール部の外側に環状溝を配設
し、上記環状溝の外側に上記微小突起と同程度の幅の第
2のシール部を配設し、上記第2のシール部の外側に上
記微小突起と同程度の幅の環状突起または上記微小突起
と同程度の大きさの多数の微小突起からなる試料支持部
を配設し、上記環状溝に陽圧を付与する陽圧付与手段を
接続する。
【0014】この場合、上記試料支持部の外側に段差ま
たは彫り込みを設ける。
【0015】また、上記真空吸着部の上記微小突起の上
面および上記第1、第2のシール部の上面に着色し、ま
たは上記試料支持部の上面に着色する。
【0016】これらの場合、上記陽圧付与手段として上
記第2のシール部の外側にかかる圧力と等しい圧力の陽
圧を付与するものを用い、上記真空吸着部、上記環状溝
に洗浄液を供給する洗浄液供給手段を接続する。
【0017】この場合、上記真空排気手段、上記陽圧付
与手段、上記洗浄液供給手段と上記真空吸着部、上記環
状溝との間に切換弁を設け、上記切換弁を制御するシー
ケンスコントローラを設ける。
【0018】また、真空吸着装置において、装置本体の
上部に多数の微小突起を有する真空吸着部を設け、上記
真空吸着部に真空排気手段を接続し、上記真空吸着部の
外側に上記微小突起と同程度の幅の第1のシール部を配
設し、上記第1のシール部の外側に環状溝を配設し、上
記環状溝の外側に上記微小突起と同程度の幅の第2のシ
ール部を配設し、上記環状溝に陽圧を付与する陽圧付与
手段を接続する。また、加工装置において、上記の真空
吸着装置を設ける。
【0019】
【0020】この場合、上記真空吸着装置の真空吸着部
として多孔質部材からなるものを用いる。
【0021】これらの場合、上記真空吸着装置を収納す
るエッチング槽を設け、上記エッチング槽にエッチング
液を送入出する送入出配管を設ける。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は参考例の真空吸着装置を示
す平面図、図2は図1に示した真空吸着装置の一部を示
す断面図である。図に示すように、装置本体8の上部に
試料9を吸着する円板状の真空吸着部3が設けられ、真
空吸着部3は数十〜50%の空孔を有する多孔質セラミ
ックからなる。また、真空吸着部3に真空排気孔2が接
続され、真空排気孔2に真空排気手段である真空ポンプ
(図示せず)が接続され、真空吸着部3の外側に平面状
の第1のシール部5が配設され、シール部5の外側に第
1の環状溝4aが配設され、環状溝4aの外側に平面状
の第2のシール部6が配設され、シール部6の外側に第
2の環状溝4bが配設され、環状溝4bの外側に平面状
の第3のシール部7が配設され、シール部5〜7は緻密
なセラミックからなる。また、環状溝4aに第1の供給
孔1aが接続され、供給孔1a、真空排気孔2に陽圧付
与手段(図示せず)が接続され、環状溝4bに第2の供
給孔1bが接続され、供給孔1bに陽圧付与手段および
洗浄液供給手段(図示せず)が接続されている。
【0023】この真空吸着装置においては、試料9を装
置本体8上に載置したのち、真空ポンプを作動すると、
試料9の裏面は真空吸着部3に押し付けられ、試料9は
真空吸着部3の高精度な平面に倣うから、試料9の反
り、曲がりなどは矯正される。そして、陽圧付与手段か
ら供給孔1a、1bを介して環状溝4a、4bに陽圧空
気を供給すると、陽圧空気は試料9とシール部6、7と
の間のすきまを通って試料9の外周部に放出される。こ
の場合、シール部5を通って真空ポンプにより真空引き
される陽圧空気の量より多くの空気を供給する。この空
気の放出圧力によって外側から試料9とシール部6、7
との間に浸入しようとする加工液を阻止することができ
るから、加工液が真空吸着部3と試料9の裏面との間に
流入するのを防止することができる。そして、試料9を
加工したのち、試料真空吸着部3から取り外す前に、環
状溝4aに陽圧空気を供給するとともに、洗浄液供給手
段から供給孔1bを介して環状溝4bに純水等の洗浄液
を供給すると、洗浄液は環状溝4aから吹き出される陽
圧空気によって真空吸着部3には流れず、試料9の外周
に向かって流れ、加工液の付着した試料9のエッジ部が
洗浄される。したがって、試料9のエッジ部を容易に洗
浄することができる。
【0024】なお、上述参考例においては、第1、第2
の環状溝4a、4bをそれぞれ1つ設けたが、第1、第
2の環状溝をそれぞれ複数設けてもよい。そして、第1
〜第3のシール部が緻密なセラミックからなるときに
は、第1〜第3のシール部に欠けが発生しやすいが、第
1、第2の環状溝を複数設けたときには、複数の第1〜
第3のシール部の一部に欠けが発生したとしても、使用
不能になることがない。また、上述参考例においては、
真空排気孔2、第1の供給孔1a、第2の供給孔1bを
それぞれ1本設けたが、真空排気孔、第1、第2の供給
孔をそれぞれ複数、たとえば6〜8本設けてもよい。ま
た、上述参考例においては、第2の環状溝4bにも陽圧
付与手段を接続したが、第2の環状溝に洗浄液供給手段
のみを接続し、陽圧付与手段を接続しなくともよい。
【0025】図3は参考例の真空吸着装置のシーケンス
装置を示す概略図である。図に示すように、接続口S1
〜S3が真空ポンプ、陽圧付与手段、洗浄液供給手段に
接続され、供給口P1〜P3が真空排気孔2、供給孔1
a、1bに接続され、接続口S1〜S3と供給口P1〜
P3との間に電磁切換弁10〜13が設けられ、電磁切
換弁10〜13はシーケンスコントローラ14に接続さ
れ、シーケンスコントローラ14は表1に示すように電
磁切換弁10〜13を制御する。なお、表1において、
〇は開を意味し、×は閉を意味する。
【0026】
【表1】
【0027】この真空吸着装置においては、まず電磁切
換弁10の弁A、Cを開き、試料9を真空吸着部3に吸
着する。つぎに、加工開始前に電磁切換弁11〜13の
各弁A、C、電磁切換弁12の弁Dを開き、陽圧空気を
供給孔1a、1bに供給する。この状態で試料9を加工
し、加工終了後に電磁切換弁12の弁Cを閉じ、電磁切
換弁13の弁Aを閉じ、弁Bを開いて、環状溝4bに洗
浄液を流し、試料9のエッジ部についた加工液を洗浄す
る。この場合、環状溝4aから吹き出す陽圧空気によっ
て洗浄液が試料9の周辺に押し出され、洗浄液が真空吸
着部3に吸い込まれることはない。つぎに、電磁切換弁
12の弁Cを開き、電磁切換弁13の弁Aを開き、弁B
を閉じて、洗浄液を止めるとともに、環状溝4a、4b
に陽圧空気を流して、試料9のエッジ部とシール部6、
7を乾燥する。つぎに、電磁切換弁10の弁Aを閉じ、
弁Bを開き、電磁切換弁11の弁Dを開いて、真空吸着
部3、環状溝4a、4bに陽圧空気を流し、試料9を取
り外す。つぎに、全ての弁を閉じ、加工を終了する。ま
た、試料9を保持する真空吸着部3の汚れを除去するた
め、定期的に洗浄を行なう。すなわち、電磁切換弁1
0、13の弁B、C、電磁切換弁11、12の弁B、D
を開いて、真空吸着部3、環状溝4a、4bに洗浄液を
流し、真空吸着部3を洗浄する。つぎに、電磁切換弁1
1、12の弁A、Cを開き、弁Bを閉じ、電磁切換弁1
3の弁Aを開き、弁Bを閉じて、真空吸着部3、環状溝
4a、4bに陽圧空気を流して、真空吸着部3を乾燥す
る。
【0028】このような真空吸着装置においては、自動
的に試料9を吸着し、加工液が真空吸着部3と試料9の
裏面との間に流入するのを防止し、試料9のエッジ部を
洗浄し、真空吸着部3を洗浄することができるから、試
料9の加工作業を容易に行なうことができる。
【0029】図4は参考例の真空吸着装置の一部を示す
図である。図に示すように、真空吸着部43に円環状溝
43aが設けられ、円環状溝43aに真空排気孔42が
開口し、真空吸着部43の外側に平面状の第1のシール
部45が配設されている。
【0030】図5は参考例の真空吸着装置の一部を示す
図である。図に示すように、真空吸着部53に多数の微
小孔53aが設けられ、微小孔53aが真空排気孔(図
示せず)に連通し、真空吸着部53の外側に平面状の第
1のシール部55が配設されている。
【0031】図4、図5に示した真空吸着装置において
は、真空吸着部43、53と試料9の裏面との接触面積
が大きいから、加工圧力が大きい場合や試料9の厚さが
薄い場合に用いることにより、試料9を変形なく支持す
ることができるので、試料9の加工面を凹凸なく加工す
ることができる。
【0032】図6は参考例の真空吸着装置の一部を示す
図である。図に示すように、真空吸着部63に多数のピ
ン状の微小突起63aが設けられ、微小突起63aが設
けられた部分の底部に真空排気孔62が開口し、真空吸
着部63の外側に平面状の第1のシール部65が配設さ
れている。
【0033】図6に示した真空吸着装置においては、真
空吸着部63と試料9の裏面との接触面積が小さいか
ら、ダスト等の影響を受けにくく、また矯正時の変面度
劣化が極めて少ない。
【0034】図7は参考例の真空吸着装置を示す平面
図、図8は図7に示した真空吸着装置の一部を示す断面
図である。図に示すように、装置本体28の上部に試料
9を吸着する真空吸着部23が設けられ、真空吸着部2
3には高さが100μm〜1mmの多数の微小突起が設
けられている。また、真空吸着部23に真空排気孔22
が接続され、真空排気孔22に真空排気手段である真空
ポンプ(図示せず)が接続され、真空吸着部23の外側
に第1のシール部25が配設され、また、シール部25
の外側に第1の環状溝24aが配設され、環状溝24a
の外側に第2のシール部26が配設され、シール部26
の外側に第2の環状溝24bが配設され、環状溝24b
の外側に第3のシール部27が配設され、シール部25
〜27には高さが数〜50μmの微小突起が設けられて
いる。そして、真空吸着部23、シール部25〜27に
設けられた微小突起の間隔は1mmであり、微小突起の
断面形状は一辺の長さが0.2mmの正方形であり、微
小突起の上面は高精度平面に加工されている。また、環
状溝24aに第1の供給孔21aが接続され、供給孔2
1a、真空排気孔22に陽圧付与手段(図示せず)が接
続され、環状溝24bに第2の供給孔21bが接続さ
れ、供給孔21bに陽圧付与手段および洗浄液供給手段
(図示せず)が接続されている。
【0035】この真空吸着装置においては、真空ポンプ
を作動すると、図8の矢印のように空気が流れ、試料9
と真空吸着部23との間の圧力が下がり、試料9は大気
圧により微小突起の上面に押えつけられ、試料9は平面
に矯正される。このとき、シール部25の微小突起の長
さは短いから、環状溝24aからシール部25に流れ込
む陽圧空気に対する抵抗は大きいので、真空をシールす
ることができる。また、陽圧付与手段から供給孔21
a、21bを介して環状溝24a、24bに陽圧空気を
供給すると、シール部26、27の微小突起の長さは短
いから、環状溝24a、24b内の空気は陽圧状態とな
り、外側から試料9とシール部26、27との間に浸入
しようとする加工液を阻止することができる。
【0036】このような真空吸着装置においては、たと
えば500μm以上の厚さの試料9を吸着すると、試料
9のたわみはほとんど観察されず、かつ試料9の裏面と
微小突起の上面との接触率は4%と極めて小さいから、
試料9の全面にわたってダストの影響は少なく、高い平
面度が得られる。
【0037】なお、上述参考例においては、真空排気孔
22、第1の供給孔21a、第2の供給孔21bをそれ
ぞれ1本設けたが、真空排気孔、第1、第2の供給孔を
それぞれ複数、たとえば6〜8本設けてもよい。また、
上述参考例においては、微小突起の断面形状を正方形と
したが、微小突起の断面形状を円形等としてもよい。
【0038】図9は参考例の真空吸着装置の一部を示す
断面図である。図に示すように、微小突起の長さが外周
から中心に向かって連続的に長くなっており、シール部
25〜27の微小突起の長さは数〜数十μmであり、真
空吸着部23の微小突起の長さは数十〜数百μmであ
る。
【0039】この真空吸着装置においては、シール部2
5〜27と試料9との間のすきまは空気や加工液を遮断
するのに適した狭さとなり、シールの役目を果たすと同
時に、真空吸着部23と試料9との間のすきまは大き
く、空気の通り道としての役目を十分に果たすことがで
きるから、試料9を容易に平面矯正することができる。
【0040】また、図1、図2に示した真空吸着装置等
を搭載した加工装置においては、加工液が真空ポンプに
吸い込まれることがないから、水封式の真空ポンプもし
くは加工液と排気空気とを分離する装置を用意する必要
がなく、また真空吸着部3を洗浄するブラシング洗浄装
置等を付加する必要がないので、加工装置の製造コスト
が安価となる。さらに、試料9に回転を与えるために、
真空排気を行なうロータリジョイントを設けたとして
も、このロータリジョイントに加工液が付着しないか
ら、ロータリジョイントが摩耗することがないので、ロ
ータリジョイントの寿命が長くなる。
【0041】図10は本発明に係る真空吸着装置を示す
概略平面図、図11は図10に示した真空吸着装置の一
部を示す断面図である。図に示すように、装置本体78
の上部に試料9を吸着する真空吸着部73が設けられ、
真空吸着部73に多数のピン状の微小突起73aが設け
られ、微小突起73aの断面形状は一辺の長さが0.2
mmの正方形であり、微小突起73a間の間隔は1mm
である。また、真空吸着部73に真空排気孔72が接続
され、真空排気孔72に真空排気手段である真空ポンプ
(図示せず)、洗浄液供給手段(図示せず)が接続さ
れ、真空吸着部73の外側に幅が0.2mmの第1のシ
ール部75が配設され、シール部75の外側に幅が0.
2〜1mmの環状溝74が配設され、環状溝74の外側
に幅が0.2mmの第2のシール部76が配設され、シ
ール部76の外側に幅が0.2mmの環状突起からなる
試料支持部77が配設され、試料支持部77等に試料9
のオリフラに対応した直線状のオリフラ部88が設けら
れている。また、環状溝74に供給孔71が接続され、
供給孔71、真空排気孔72に陽圧付与手段および洗浄
液供給手段が接続され、陽圧付与手段から供給孔71
シール部76の外側にかかる圧力と等しい圧力(5〜2
00g/cm)の陽圧空気が供給される。
【0042】この真空吸着装置においては、試料9を装
置本体78上に載置したのち、真空ポンプを作動する
と、試料9の裏面は真空吸着部73に押し付けられ、試
料9は真空吸着部73の高精度な平面に倣う。そして、
陽圧付与手段から供給孔71を介して環状溝74に陽圧
空気を供給すると、陽圧空気の圧力によって外側から試
料9とシール部76、試料支持部77との間に浸入しよ
うとする加工液を阻止することができるから、加工液が
真空吸着部73と試料9の裏面との間に流入するのを防
止することができる。そして、試料9を加工したのち、
真空吸着部73、環状溝74に陽圧空気を供給して、試
料9を取り外す。また、定期的に真空排気孔72、供給
孔71に洗浄液を供給すれば、真空吸着部73、環状溝
74を洗浄することができる。
【0043】ところで、図10、11に示した真空吸着
装置を製造するときには、微小突起73aを有する真空
吸着部73とシール部75、76、試料支持部77とを
同一平面にするために、ダイヤモンド砥粒によって研磨
加工を行なう。このとき、シール部75、76、試料支
持部77の幅が広いと、シール部75、76、試料支持
部77に作用する加工圧が微小突起73aの先端に作用
する加工圧と比較して低くなるから、シール部75、7
6、試料支持部77の加工量が真空吸着部73の加工量
と比較して少なくなるので、シール部75、76、試料
支持部77が真空吸着部73より高くなる。しかし、図
10、11に示した真空吸着装置においては、シール部
75、76、試料支持部77の環状突起の幅が微小突起
73aの一辺の長さと同じであるから、シール部75、
76、試料支持部77に作用する加工圧と微小突起73
aの先端に作用する加工圧とが同じになるので、シール
部75、76、試料支持部77の加工量と真空吸着部7
3の加工量とが同じになるため、シール部75、76、
試料支持部77が真空吸着部73より高くなることがな
い。このため、試料9の反り、曲がりなどを適正に矯正
することができる。また、陽圧付与手段から供給孔71
にシール部76の外側にかかる圧力と等しい圧力の陽圧
空気が供給されるから、陽圧空気の圧力が低いので、試
料9の変形が無視できるほど小さい。たとえば、厚さ4
25μmの4インチシリコンウェハを吸着面の平面度が
1μm以下に仕上げられた真空吸着部73に吸着した場
合には、陽圧空気の圧力が200g/cm2より小さけ
れば、シリコンウェハの外周部に変形が生じない。ま
た、陽圧空気の圧力がシール部76の外側にかかる圧力
と等しいから、空気が試料9の外周部に漏れ出すことが
ないので、研磨やエッチングに悪影響を及ぼすことがな
く、たとえば研磨の場合には加工液を吹き飛ばすことが
ないので、加工能率を低下させることがない。また、環
状溝74の幅を0.2〜1mm、シール部75、76、
試料支持部77の幅を0.2mmとし、オリフラ部88
を設けてブシール部75、76、試料支持部77の形状
を試料9の形状に合わせているから、ダストが付き難く
なるとともに、試料9の周辺部まで十分に平面矯正する
ことができる。たとえば、環状溝74の幅を0.8m
m、シール部75、76、試料支持部77の幅を0.2
mmとしたときには、試料9の径のばらつき(±0.5
mm)やセッティング誤差(±0.5mm)を考慮して
も、真空吸着部73の外周から試料9の外周までの距離
を3mm以下にすることができる。このため、研磨や研
削における試料9の周辺の面だれを小さくすることがで
き、またたとえば数百μmと大きく変形した1mm厚の
試料9をも容易に周辺まで平面矯正することができる。
なお、環状溝74の幅を0.2mmより小さくすると、
陽圧供給用の孔の形成が困難になり、環状溝74の幅を
1mmより大きくすると、真空吸着部73が小さくな
る。また、シール部75、76、試料支持部77の幅を
0.2mmより小さくしたときには、シール部75、7
6、試料支持部77の加工が困難になり、シール部7
5、76、試料支持部77の幅を0.2mmより大きく
したときには、上述の如くシール部75、76、試料支
持部77が真空吸着部73より高くなることがある。ま
た、試料9は真空吸着部73の高精度な平面に倣うか
ら、試料9の反り、曲がりなどは矯正され、たとえば5
00μmより厚い試料9を吸着すると、試料のたわみは
ほとんど観察されない。また、試料9の裏面と微小突起
73aの上面との接触率は4%と極めて小さいから、試
料9と微小突起73aとの間にダストが挟み込まれるこ
とはほとんどなく、試料9の全面にわたって高い平面度
が得られる。また、試料加工前に行なわれる真空吸着部
73を高い平面度に仕上げるセルフカッティング時にお
いて、加工具となる砥石がドレッシング(目立て)され
る効果がある。また、試料吸着部が多孔質セラミックで
形成された真空吸着装置においては、セルフカッティン
グ時と試料加工時とに異なる砥石を用いなければならな
いから、真空吸着部と試料9とを同一形状に仕上げるこ
とが極めて難しい。これに対して、図10、11に示し
た真空吸着装置においては、セルフカッティング時と試
料加工時とに同じ砥石を使用することができるから、真
空吸着部73と試料9とを同一形状に加工することがで
きるので、試料に極めて高い平面度と平行度とを同時に
得ることができる。
【0044】図12は本発明に係る真空吸着装置のシー
ケンス装置を示す概略図である。図に示すように、接続
口S1〜S3が真空ポンプ、陽圧付与手段、洗浄液供給
手段である純水供給手段に接続され、接続口S1〜S3
に真空度調整器85、圧力調整器86、流量調整器87
が接続され、圧力調整器86は陽圧空気の圧力を数〜5
kg/cmに調整する。また、供給口P1、P2が真
空排気孔2、供給孔1に接続され、真空度調整器85、
圧力調整器86、流量調整器87と供給口P1、P2と
の間に電磁切換弁80〜82が設けられ、電磁切換弁8
0〜82はシーケンスコントローラ84に接続され、シ
ーケンスコントローラ84は表2に示すように電磁切換
弁80〜82を制御する。なお、表2において、〇は開
を意味し、×は閉を意味する。
【0045】
【表2】
【0046】この真空吸着装置においては、まず電磁切
換弁80の弁A、Cを開き、試料9を真空吸着部73に
吸着する。つぎに、加工開始前に電磁切換弁81、82
の各弁A、Cを開き、陽圧空気を供給孔71に供給す
る。この状態で試料9を加工し、加工終了後に電磁切換
弁80の弁Aを閉じ、弁Bを開き、電磁切換弁81の弁
Dを開いて、真空吸着部73、環状溝74に陽圧空気を
流し、試料9を取り外す。つぎに、全ての弁を閉じ、加
工を終了する。また、試料9を保持する真空吸着部73
の汚れを除去するため、定期的に洗浄を行なう。すなわ
ち、電磁切換弁80、82の弁B、C、電磁切換弁81
の弁B、Dを開いて、真空吸着部73、環状溝74に純
水を流し、真空吸着部73、環状溝74を洗浄する。つ
ぎに、電磁切換弁81の弁A、Cを開き、弁Bを閉じ、
電磁切換弁82の弁Aを開き、弁Bを閉じて、真空吸着
部73、環状溝74に陽圧空気を流して、真空吸着部7
3を乾燥する。
【0047】図13は本発明に係る他の真空吸着装置を
示す概略平面図、図14は図13に示した真空吸着装置
の一部を示す断面図である。図に示すように、シール部
76の外側に環状に設けられた多数の微小突起からなる
試料支持部83が配設されており、試料支持部83の微
小突起の断面形状は一辺の長さが0.2mmの正方形で
ある。
【0048】この真空吸着装置においては、図10、図
11に示した真空吸着装置と比較して試料支持部83へ
の加工液の付着が少なく、またたとえ試料支持部83に
加工液が付着したとしても、加工液を容易に除去するこ
とができる。
【0049】なお、図10、図11に示した真空吸着装
置、図13に示した真空吸着装置においては、真空吸着
部73の微小突起73aの断面形状を一辺の長さが0.
2mmの正方形としたが、真空吸着部73の微小突起の
断面形状を円形等としてもよい。また、図12に示した
真空吸着装置のシーケンス装置においては、3方向、4
方向の切換のできる電磁切換弁80〜82を用いたが、
オン、オフ電磁弁と電磁切換弁とを組み合わせてもよ
い。
【0050】図15は本発明に係る他の真空吸着装置を
示す概略平面図、図16は図15に示した真空吸着装置
を示す概略正面図である。図に示すように、装置本体7
8が収納装置89に収納されており、装置本体78の試
料支持部77の外側に試料9のオリフラに対応した形状
の段差90が設けられている。
【0051】図17は本発明に係る他の真空吸着装置を
示す概略平面図、図18は図17に示した真空吸着装置
を示す概略正面図である。図に示すように、装置本体7
8が収納装置89に収納されており、装置本体78の試
料支持部77の外側に試料9のノッチに対応した形状の
彫り込み91が設けられている。
【0052】図15、図16に示した真空吸着装置、図
17、図18に示した真空吸着装置においては、段差9
0、彫り込み91が設けられているから、目視や触覚に
より試料9を真空吸着部73上にセットすることが容易
になる。
【0053】また、真空吸着部73の微小突起73aの
上面およびシール部75、76の上面に着色し、または
試料支持部77、83の上面に着色したときにも、目視
や触覚により試料9を真空吸着部73上にセットするこ
とが容易になる。
【0054】図19は本発明に係るエッチング装置を示
す断面図、図20は図19に示したエッチング装置に用
いられる真空吸着装置を示す概略平面図、図21は図2
0に示した真空吸着装置の一部を示す断面図である。図
に示すように、真空吸着装置の装置本体108の上部に
試料9を吸着する真空吸着部103が設けられ、真空吸
着部103に多数のピン状の微小突起103aが設けら
れ、微小突起103aの断面形状は一辺の長さが0.2
mmの正方形であり、微小突起103a間の間隔は1m
mであり、真空吸着部103の平面度は1μm以下であ
る。また、真空吸着部103に真空排気孔102が接続
され、真空排気孔102に真空排気手段である真空ポン
プ(図示せず)が接続され、真空吸着部103の外側に
幅が0.2mmの第1のシール部105が配設され、シ
ール部105の外側に幅が0.2〜1mmの環状溝10
4が配設され、環状溝104の外側に幅が0.2mmの
第2のシール部106が配設され、シール部106等に
試料9のオリフラに対応した直線状のオリフラ部118
が設けられている。また、環状溝104に供給孔101
が接続され、供給孔101、真空排気孔102に陽圧付
与手段(図示せず)が接続され、陽圧付与手段から供給
孔101にシール部106の外側にかかる圧力と等しい
圧力(5〜200g/cm2)の陽圧空気が供給され
る。また、エッチング槽111内に真空吸着装置が収納
され、エッチング槽111に送入出配管112が設けら
れ、送入出配管112にエッチング液供給装置(図示せ
ず)が接続され、エッチング槽111内にエッチング液
113が満たされている。
【0055】このエッチング装置においては、試料9を
装置本体108上に載置したのち、真空ポンプを作動す
ると、試料9の裏面は真空吸着部103に押し付けら
れ、試料9は真空吸着部103の吸着される。つぎに、
陽圧付与手段から供給孔101に陽圧空気を供給した状
態で、エッチング液供給装置からエッチング槽111内
にエッチング液113を供給すると、試料9のエッチン
グが開始される。この場合、陽圧付与手段から供給孔1
01に陽圧空気を供給しているから、エッチング液11
3がシール部106に浸入するのを防止することができ
る。そして、エッチングが終了した時点でエッチング槽
111から送入出配管112を介してエッチング液を排
出し、試料9を取り出して洗浄することによりエッチン
グ作業を完了する。
【0056】このようなエッチング装置においては、O
リングを使用しないから、Oリングから試料9に大きな
力が作用することがないので、試料9に大きな曲げ応力
が発生することがないため、試料9が薄いときにも割れ
が発生することがなく、また真空吸着装置から試料9を
取り外したときにゴム跡が残ることがない。また、真空
により試料9を吸着して固定するから、固定リングが不
要であるので、自動搬送装置が構造が簡単になる。ま
た、シール部105、106の環状突起の幅が微小突起
103aの一辺の長さと同じであるから、製造時にシー
ル部105、106の加工量と真空吸着部103の加工
量とが同じになるので、シール部105、106が真空
吸着部103より高くなることがない。このため、試料
9の反り、曲がりなどを適正に矯正することができるか
ら、試料9の加工を適正に行なうことができる。また、
環状溝104の幅を0.2〜1mmとし、シール部10
5、106の幅を0.2mmとし、オリフラ部118を
設けてシール部105、106の形状を試料9の形状に
合わせているから、シール部106を試料9の外周端ま
で寄せることができるので、エッチングによって侵され
る試料9の裏面の面積を最小にすることができる。たと
えば、環状溝104の幅を0.8mmとしたときには、
試料9の径のばらつき(±0.5mm)やセッティング
誤差(±0.5mm)を考慮しても、シール部106の
外周から試料9の外周までの距離を1mm以下にするこ
とができる。また、陽圧空気の圧力をシール部106の
外側にかかる圧力と等しくしているから、陽圧空気の圧
力が小さいので、試料9に大きな力が作用することがな
いから、試料9に大きな曲げ応力が発生することがない
ので、試料9が薄いときにも割れが発生することはな
く、また試料9の変形が無視できるほど小さく、かつ空
気がシール部106の外周部から漏れ出さないから、エ
ッチングに悪影響を及ぼすこともない。また、真空吸着
装置により試料9を取り付けることができるから、エッ
チング作業を容易に行なうことができる。
【0057】なお、図20、図21に示したエッチング
装置の真空吸着装置においては、真空吸着部103に微
小突起103aを設けたが、図22(a)に示すように、
真空吸着部103の平面部に直接真空排気孔102を
けることが考えられ、また図22(b)に示すように、真
空吸着部103に環状突起103bを設けることが考え
られ、また図22(c)に示すように、真空吸着部103
に環状溝103cを設けることが考えられ、これらは参
考例である。さらに、真空吸着部を多孔質部材で構成し
てもよく、この場合には真空吸着部を容易に製造するこ
とができる。また、図20、図21に示したエッチング
装置の真空吸着装置においては、真空吸着部103の微
小突起103aの断面形状を一辺の長さが0.2mmの
正方形としたが、真空吸着部103の微小突起の断面形
状を円形等としてもよい。また、装置本体108の材料
はエッチング液により侵されないもの、たとえばセラミ
ックス、テフロン、塩化ビニール、ステンレス等を用い
ることができ、エッチング液113の種類により使い分
ける。また、エッチング槽111にエッチング液113
を撹拌する撹拌装置、エッチング液113を一定温度に
保持する保温装置、高温下でエッチングを行なうために
エッチング液113を加熱する加熱装置等を設けてもよ
い。また、エッチング工程を順序よく行なうために、真
空、陽圧空気、エッチング液用の電磁弁をオン、オフす
るシーケンス装置等を設けてもよい。また、試料9を真
空吸着部103に自動的に装填するオートローダを設け
てもよい。
【0058】図23は本発明に係る他のエッチング装置
を示す断面図である。図に示すように、装置本体108
の中央部に円状の穴部114が設けられ、真空吸着部1
03の外側、内側に幅が0.2mmの第1のシール部1
05a、105bが設けられ、シール部105aの外側
に幅が0.2〜1mmの環状溝104aが配設され、シ
ール部105bの内側に幅が0.2〜1mmの環状溝1
04bが配設され、環状溝104aの外側に幅が0.2
mmの第2のシール部106aが配設され、環状溝10
4bの内側に幅が0.2mmの第2のシール部106b
が配設され、環状溝104a、104bに供給孔101
が接続されている。
【0059】このエッチング装置においては、エッチン
グ槽111の全体にエッチング液113を満たせば、試
料9の表面と裏面とを同時にエッチングすることができ
る。また、図24に示すように、エッチング槽111の
図24紙面左下部にのみエッチング113を満たせば、
試料9の裏面のみをエッチングすることができる。
【0060】なお、常に試料9の裏面のみをエッチング
する場合には、真空吸着装置に第1、第2のシール部1
05a、106a、環状溝104aを設ける必要はな
い。
【0061】図25は本発明に係る洗浄装置を示す断面
図である。図に示すように、真空吸着装置が完全に密閉
した容器121内に収納されており、容器121に排出
管122が接続され、容器121にノズル123が取り
付けられ、ノズル123に洗浄液供給装置(図示せず)
が接続されている。
【0062】この洗浄装置においては、ノズル123か
ら洗浄液124を放射状に噴出することにより、試料9
の洗浄を行なうことができる。また、試料9を洗浄した
洗浄液は排出管122から排出される。
【0063】なお、装置本体108を回転する回転装置
を設ければ、試料9の全面を一様に洗浄することができ
る。
【0064】また、上述実施の形態においては、エッチ
ング装置、洗浄装置について説明したが、他の加工装置
に本発明を適用することができる。
【0065】
【0066】
【0067】
【発明の効果】 以上説明したように、 装置本体の上部に
多数の微小突起を有する真空吸着部を設け、真空吸着部
に真空排気手段を接続し、真空吸着部の外側に微小突起
と同程度の幅の第1のシール部を配設し、第1のシール
部の外側に環状溝を配設し、環状溝の外側に微小突起と
同程度の幅の第2のシール部を配設し、第2のシール部
の外側に微小突起と同程度の幅の環状突起または微小突
起と同程度の大きさの多数の微小突起からなる試料支持
部を配設し、環状溝に陽圧を付与する陽圧付与手段を接
続したときには、製造時に第1、第2のシール部に作用
する加工圧と真空吸着部の微小突起の先端に作用する加
工圧とが同じになるから、第1、第2のシール部の加工
量と真空吸着部の加工量とが同じになるので、第1、第
2のシール部が真空吸着部より高くなることがないた
め、試料の反り、曲がりなどを適正に矯正することがで
きる。
【0068】また、試料支持部の外側に段差または彫り
込みを設けたときには、目視や触覚により試料を真空吸
着部上にセットすることが容易になる。
【0069】また、真空吸着部の微小突起の上面および
第1、第2のシール部の上面に着色し、または試料支持
部の上面に着色したときには、目視や触覚により試料を
真空吸着部上にセットすることが容易になる。
【0070】また、陽圧付与手段として第2のシール部
の外側にかかる圧力と等しい圧力の陽圧を付与するもの
を用い、真空吸着部、環状溝に洗浄液を供給する洗浄液
供給手段を接続したときには、試料の外周部から第2の
シール部に浸入しようとする加工液を阻止することがで
きるとともに、試料の変形が無視できるほど小さくな
り、かつ空気が試料の外周部に漏れ出すことがないか
ら、研磨やエッチングに悪影響を及ぼすことがなので、
加工能率を低下させることがない。
【0071】また、真空排気手段、陽圧付与手段、洗浄
液供給手段と真空吸着部、環状溝との間に切換弁を設
け、切換弁を制御するシーケンスコントローラを設けた
ときには、自動的に試料を吸着し、加工液が真空吸着部
と試料の裏面との間に流入するのを防止し、試料の外周
部を洗浄することができるから、試料の加工作業を容易
に行なうことができる。
【0072】
【0073】また、加工装置においては、試料の反り、
曲がりなどを適正に矯正することができるから、試料の
加工を適正に行なうことができる。
【0074】また、真空吸着装置の真空吸着部として多
孔質部材からなるものを用いたときには、真空吸着部を
容易に製造することができる。
【0075】また、真空吸着装置を収納するエッチング
槽を有し、上記エッチング槽にエッチング液を送入出す
送入出配管を設けたときには、真空吸着装置により試
料を取り付けることができるから、エッチング作業を容
易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の真空吸着装置を示す平面図である。
【図2】図1に示した真空吸着装置の一部を示す断面図
である。
【図3】参考例の真空吸着装置のシーケンス装置を示す
概略図である。
【図4】参考例の真空吸着装置の一部を示す図である。
【図5】参考例の真空吸着装置の一部を示す図である。
【図6】参考例の真空吸着装置の一部を示す図である。
【図7】参考例の真空吸着装置を示す平面図である。
【図8】図7に示した真空吸着装置の一部を示す断面図
である。
【図9】参考例の真空吸着装置の一部を示す断面図であ
る。
【図10】本発明に係る真空吸着装置を示す概略平面図
である。
【図11】図10に示した真空吸着装置の一部を示す断
面図である。
【図12】本発明に係る真空吸着装置のシーケンス装置
を示す概略図である。
【図13】本発明に係る他の真空吸着装置を示す概略平
面図である。
【図14】図13に示した真空吸着装置の一部を示す断
面図である。
【図15】本発明に係る他の真空吸着装置を示す概略平
面図である。
【図16】図15に示した真空吸着装置を示す概略正面
図である。
【図17】本発明に係る他の真空吸着装置を示す概略平
面図である。
【図18】図17に示した真空吸着装置を示す概略正面
図である。
【図19】本発明に係るエッチング装置を示す断面図で
ある。
【図20】図19に示したエッチング装置に用いられる
真空吸着装置を示す概略平面図である。
【図21】図20に示した真空吸着装置の一部を示す断
面図である。
【図22】参考例のエッチング装置の真空吸着装置の真
空吸着部を示す図である。
【図23】本発明に係る他のエッチング装置を示す断面
図である。
【図24】図23に示したエッチング装置の使用状態を
示す図である。
【図25】本発明に係る洗浄装置を示す断面図である。
【図26】従来の真空吸着装置の一部を示す断面図であ
る。
【図27】図26に示した真空吸着装置を示す平面図で
ある。
【図28】従来のエッチング装置を示す断面図である。
【符号の説明】 3…真空吸着部 4a…第1の環状溝 4b…第2の環状溝 5…第1のシール部 6…第2のシール部 7…第3のシール部 10〜13…電磁切換弁 14…シーケンスコントローラ 23…真空吸着部 24a…第1の環状溝 24b…第2の環状溝 25…第1のシール部 26…第2のシール部 27…第3のシール部 43…真空吸着部 45…第1のシール部 53…真空吸着部 55…第1のシール部 63…真空吸着部 65…第1のシール部 73…真空吸着部 74…環状溝 75…第1のシール部 76…第2のシール部 77…試料支持部 80〜82…電磁切換弁 83…試料支持部 84…シーケンスコントローラ 90…段差 91…彫り込み 103…真空吸着部 104…環状溝 105…第1のシール部 106…第2のシール部 111…エッチング槽 112…送入出配管 113…エッチング液
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−302832(JP,A) 特開 平1−252333(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】装置本体の上部に多数の微小突起を有する
    真空吸着部を設け、上記真空吸着部に真空排気手段を接
    続し、上記真空吸着部の外側に上記微小突起と同程度の
    幅の第1のシール部を配設し、上記第1のシール部の外
    に環状溝を配設し、上記環状溝の外側に上記微小突起
    と同程度の幅の第2のシール部を配設し、上記第2のシ
    ール部の外側に上記微小突起と同程度の幅の環状突起ま
    たは上記微小突起と同程度の大きさの多数の微小突起か
    らなる試料支持部を配設し、上記環状溝に陽圧を付与す
    る陽圧付与手段を接続したことを特徴とする真空吸着装
    置。
  2. 【請求項2】上記試料支持部の外側に段差または彫り込
    みを設けたことを特徴とする請求項に記載の真空吸着
    装置。
  3. 【請求項3】上記真空吸着部の上記微小突起の上面およ
    び上記第1、第2のシール部の上面に着色し、または上
    記試料支持部の上面に着色したことを特徴とする請求項
    に記載の真空吸着装置。
  4. 【請求項4】上記陽圧付与手段として上記第2のシール
    部の外側にかかる圧力と等しい圧力の陽圧を付与するも
    のを用い、上記真空吸着部、上記環状溝に洗浄液を供給
    する洗浄液供給手段を接続したことを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の真空吸着装置。
  5. 【請求項5】上記真空排気手段、上記陽圧付与手段、上
    記洗浄液供給手段と上記真空吸着部、上記環状溝との間
    に切換弁を設け、上記切換弁を制御するシーケンスコン
    トローラを設けたことを特徴とする請求項に記載の真
    空吸着装置。
  6. 【請求項6】装置本体の上部に多数の微小突起を有する
    真空吸着部を設け、上記真空吸着部に真空排気手段を接
    続し、上記真空吸着部の外側に上記微小突起と同程度の
    幅の第1のシール部を配設し、上記第1のシール部の外
    側に環状溝を配設し、上記環 状溝の外側に上記微小突起
    と同程度の幅の第2のシール部を配設し、上記環状溝に
    陽圧を付与する陽圧付与手段を接続したことを特徴とす
    真空吸着装置。
  7. 【請求項7】請求項に記載の真空吸着装置を有するこ
    とを特徴とする加工装置。
  8. 【請求項8】上記真空吸着装置の真空吸着部として多孔
    質部材からなるものを用いたことを特徴とする請求項
    に記載の加工装置。
  9. 【請求項9】上記真空吸着装置を収納するエッチング槽
    を有し、上記エッチング槽にエッチング液を送入出する
    送入出配管を設けたことを特徴とする請求項7または8
    に記載の加工装置。
JP10079196A 1995-06-19 1996-04-23 真空吸着装置および加工装置 Expired - Lifetime JP3287761B2 (ja)

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