JP4620331B2 - 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、電子部品等の被研磨部材の研磨加工に使用される研磨パッドに関し、特にCMP(ケミカル−メカニカル ポリシング)技術を用いた研磨装置において、ウエハの研磨をしながらウエハ表面の研磨レートを測定するために、レーザー光又は可視光が通過するための透明な窓部材が一部に設けられた研磨パッド及び研磨パッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層集積回路の製造中に、半導体ウエハの形態において、集積回路構造の平坦化をすることが望ましい。
【0003】
平坦化は、通常CMP技術、すなわち、ケミカル−メカニカル ポリシングにより、研磨パッドを装着した円形の回転板を有する下側定盤と、該研磨パッド上にウエハを押し付ける上側定盤と、研磨パッドの上にスラリーを供給する手段とを有する研磨装置を用いて行われる。
【0004】
このCMP技術を用いた研磨装置において、ウエハの研磨をしながら、ウエハの研磨レートを測定する方式がとられている。その測定方法は、研磨パッドの裏側(定盤側)から、レーザー光を被研磨面に照射して行うため、研磨パッドの一部にレーザー光が通過するための透明な窓部材が必要となる。
【0005】
従来のパッドは、パッド本体と、該パッド本体に感圧接着剤層を介して積層されたフォーム層とを有し、該パッド本体の所定位置に開口部が形成され、該開口部に透明樹脂よりなる窓部材がはめ込まれている。
【0006】
従来、このような研磨パッドの一部分に窓部材を設けるには、以下のようにして行われていた。
【0007】
(1)パッド本体に窓部材となる穴を打ち抜き、そこへ、透明板をはめ込み窓部材を作成する。
【0008】
しかし、この方法では、以下に示す問題点が指摘されていた。
【0009】
(i)パッド本体と窓部材を継ぎ合わせている部分に隙間が生じ、その隙間にスラリーが流れ込んで窓部材を曇らせ、レーザー光の通過が妨げられるといった致命的な不具合を生じる。
【0010】
(ii)窓部材が反り等の変形をして、不良を生じることがある。
【0011】
(iii)パッド本体に対して、窓部材の厚みが設定されているが、その厚み規格に公差が与えられているために、パッド本体の厚みと窓部材の厚みが同じになることがある。この場合、窓部材のはめ込み方次第で、窓部材がパッド本体表面から突出することがある。
【0012】
(iv)窓部材は、その端部に3.0〜4.0mm部分を両面粘着テープでフォーム層に粘着固定されているのみであるので、剥がれやすい。
【0013】
そこで、これらの問題を解消するために、以下のような窓部を形成する方法が検討された。
【0014】
(2)パッド本体の注型前に、後に窓部材となる透明樹脂板を予め所定の位置に固定しておき、そこへパッド本体を形成する樹脂を注型することで、樹脂のケーキを作る。このケーキをスライスすることで、透明板との間に継ぎ目のないパッドを得る。
【0015】
この窓部材とパッド本体とを一体化する方法は、上記した(i)、(ii)、(iv)の問題に関しては構造上問題とならない。
【0016】
しかし、このような方法によって得られた研磨パッドにおいても以下に示す欠点があった。
【0017】
(1)一般に、パッド本体の表面にはスラリーの分散を良くするために、微細な断面形状の溝が前面にわたって形成されている。
)窓部材に溝を設けると、その溝部分にスラリーがたまり、透過光を減衰させるため、被検出物の種類によっては検出不能となる。
【0018】
(2)パッド本体と窓部材は同一面となっているが、窓部材は一般に密度が高く、本体より被切削性が劣るので、研磨を通じて徐々に窓部が突出してくる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実状に着目してなされたものであって、その目的とするところは、窓部材の溝内にスラリーが溜まるのを抑えて、研磨レートの検出精度を上げることができ、かつ、研磨時のドレッシングによって窓部材が徐々に本体部よりも突出することを防止して、研磨特性に悪影響を及ぼさない研磨パッドを提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、窓部材の溝内にスラリーが溜まるのを抑えて、研磨レートの検出精度を上げることができる研磨パッドの製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パッド本体と、該パッド本体の一部に一体に形成された透明な窓部材と、を有する研磨パッドであって、該パッド本体は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、およびポリエステルからなる群から選択される一種または2種以上の樹脂から形成され、前記窓部材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される透明樹脂から形成され、前記窓部材の材質が、前記パッド本体の材質に比べて研削性が高く、窓部材の表面を除いたパッド本体の表面に多数の溝が形成されていることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
研磨パッドは、パッド本体と、該パッド本体の一部に一体に形成された透明な窓部材と、を有する研磨パッドであって、該パッド本体の表面には、窓部材の表面を除いて、多数の溝が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
研磨パッドは、パッド本体と、該パッド本体の一部に一体に形成された透明な窓部材と、を有する研磨パッドであって、該パッド本体の表面から、該窓部材の表面は凹んでおり、かつ該パッド本体の表面には、窓部材の表面を除いて、多数の溝が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0024】
一つの実施態様では、型内に窓部材又はそのブロックを配置し、型内に前記パッド本体を構成する樹脂を注入して成形することにより、パッド本体と窓部材とが一体に形成されている。
【0025】
一つの実施態様では、前記窓部材および窓部材を構成する樹脂ブロックがそれぞれウレタン樹脂を含む透明樹脂にて形成されている。
【0026】
本発明の作用は次の通りである。
【0027】
本発明の研磨パッドでは、窓部材の材質がパッド本体の材質に比べて研削性が高いことにより、前処理(シーズニング)時において窓部材がパッド本体よりも優先的に研削され、従来のように、窓部材がパッド表面から突出して研磨特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0028】
本発明の研磨パッドでは、パッド本体の表面には窓部材の表面を除いて、多数の溝が形成されていることにより、パッド本体の表面に形成されている溝によってスラリーの巡りを良くすると同時に窓部材には溝が形成されていないので、窓部材の表面にスラリーが溜まることを抑えることができる。
【0029】
本発明の研磨パッドでは、該パッド本体の表面から、該窓部材の表面は凹んでおり、かつ該パッド本体の表面には、窓部材の表面を除いて、多数の溝が形成されていることにより、パッド本体の表面に形成されている溝によってスラリーの巡りを良くすると同時にに窓部材には溝が形成されていないので、窓部材の表面にスラリーが溜まることを抑えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1および図2に示すように、研磨パッドPは、パッド本体10と、該パッド本体10の一部に一体に形成された透明な窓部材2とを有する。
【0031】
パッド本体10は、通常は微細な気泡を有する樹脂層にて形成され、パッド本体10の裏面に感圧接着剤層12を介して発泡層等からなる下地層13が積層されている。さらに、この下地層13の裏面に感圧接着剤層14を介して離型シート(図示せず)が積層される。離型シートを剥がして、感圧接着剤層14を定盤に貼付けることにより研磨パッドPは使用される。
【0032】
パッド本体10は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル等の一種または2種以上から、公知の注型法、押し出し成形法等によって製造することができる。通常は、熱可塑性樹脂を用い、注型法、押し出し成形法によって製造されるが、熱硬化性樹脂を用いて加熱硬化させることで製造して得てもよい。
【0033】
得られた樹脂の成形物をスライスしてパッドシートが得られる。さらに具体的に説明すると、窓部材2を形成する透明部材のブロックをモールドの中に配置し、モールドの中にパッド本体10を形成する不透明樹脂を注入成型して成型物を得た後、スライスしてパッドシートが得られる。このパッドシートに感圧接着剤層12、下地層13、感圧接着剤層14、離型シートを順次積層して研磨パッドPが作成される。なお、上記下地層13には、窓部材2に相当する位置において開口部11が形成されている。
【0034】
この方法によれば、上記したように、窓部材2とパッド本体10とが一体となり、両者の間に隙間等ができたり、窓部材2がパッド本体10表面から突出する等の不都合がない。
【0035】
パッド本体10の表面には複数の溝が形成されている。溝の形状やサイズあるいはパターンは目的に応じて変更することができる。例えば、同心円状の複数の溝であり得る。
【0036】
窓部材2を形成する樹脂としては、上記したパッド本体10を形成する樹脂に加えて、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの透明樹脂を使用することができる。これらを注型あるいは押し出し成形し、所望とするサイズや厚さにカットすることによって窓部材2を形成することができる。なお、窓部材2の具体的寸法としては、図3中、L1は約57mm、L2は約50mm、L3は約12mm、L4は約14mmである。
【0037】
本実施形態においては、窓部材2の材質がパッド本体10を構成する材質に比べて研削性が高いものである。窓部材2の材質を研削性の高いものとすることで、研磨時に窓部材2をパッド本体10に比較して常に凹ませることができる。従って、従来のように、窓部材2がパッド表面から突出して、研磨特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0038】
窓部材2の材質がパッド本体10の材質に比べて研削性が高くなるようにするには、窓部材2を形成する、例えば、ウレタンブロック(透明部材)をウレタンプレポリマーから重合させる際の、主剤および硬化剤の配合割合を変化させることにより、研削性の高いウレタンブロックを作成することができる。
【0039】
例えば、ウレタンプレポリマーを含む主剤量を110%(通常比)とし、硬化剤量を100%(通常比)とすることができる。この場合、通常硬化条件を高温(100℃以上)で行うことができる。
【0040】
このようにすれば、窓部材2がパッド本体10に比べて研削性が高いために、研磨によって、窓部材2の表面が常に他の部分(パッド本体10)の表面よりも低くなり、窓部材2がパッド表面から突出して研磨特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0041】
(実施形態2)
研磨パッドPは、パッド本体10の表面には、窓部材2の表面を除いて、多数の溝が形成されている。
【0042】
パッド本体10、窓部材2を構成する材料は上記実施例1と同様である。また、パッド本体10表面に形成されている溝についても同様である。
【0043】
研磨パッドPにおいて、窓部材2のみ溝加工を施さないことにより、研磨の際に、スラリーによるノイズを防止することができる。すなわち、従来のように窓部材2表面に溝を設けると、その溝部分にスラリーがたまり透過光を減衰させるため、被検出物の種類によっては検出不能となる。
【0044】
このような研磨パッドPは以下のようにして製造される。
【0045】
図4および図5に、曲線溝加工機の定盤17部分の図を示す。この定盤17の表面にパッドシートを吸引固定し、定盤17を回転させながらパッドシートの表面に切削刃19(図8参照)を押し付けることで溝が形成される。定盤17の回転軸20には、吸引装置に接続された吸引孔21が形成され、定盤17内には吸引路22が形成され、定盤17の表面に吸引口23が多数開口している。図中、符号16は定盤17の表面に形成されたリング溝である。
【0046】
そして、研磨パッドの窓部材2を形成する部分においては、定盤17表面に凹部24が形成されている。この凹部24は、図6および図7に示すように、定盤17の表面からやや凹んだ平坦部25と、該平坦部25から定盤17表面にかけて傾斜したテーパ部26とを有し、平坦部25にも吸引口23が複数開口している。この吸引口23は、上記したように吸引路22を介して吸引孔21に連通している。
【0047】
上記平坦部25の幅および長さ寸法は、窓部材2の幅および長さと同寸法あるいはそれ以上とするのが好ましく、例えば凹部24の幅、長さL5は窓部材2の大きさよりも5〜10mm大きくするのがよく、窓部材2の幅L4および長さより4mm程度大きくするとさらによい。また、テーパー部26の幅は1.0〜2.0mmが好ましく、平坦部26の深さは500μm以上、特に500〜600μmが好ましい。上記吸着真空到達度は0〜250torrが好ましい。
【0048】
この定盤17にパッド本体10を吸引固定すると、定盤17の表面に沿ってパッド本体10が固定されるために、窓部材2において凹んだ状態となる。従って、溝を形成するための切削刃19の先端が定盤17上のパッド本体10には届いて溝が形成されるが、凹部24上の窓部材2表面には切削刃19の先端が届かないために窓部材2表面に溝が形成されることがない。
【0049】
また、図8に示すように、定盤17の表面に凹部24を形成する代わりに、治具27を用いてもよい。この治具27は厚み0.5mm程度の金属板あるいは樹脂板からなる板28に窓部材2に相当する部分に開口29を形成したものである。開口29の幅L11及び長さL10は、図9に示すように、窓部材2の幅および長さ以上がよく、例えば、6〜8mm長くするのがよい。治具27には通孔30が多数形成されている。この治具27を定盤17上に重ね合わせて固定し、凹部24を形成する代わりに、前述のように窓部材2の表面に溝を形成しない加工手段として用いることができる。
(実施形態3)
実施形態3の研磨パッドPは、パッド本体10の表面に比べて窓部材2の表面は凹んでおり、かつ該パッド本体10の表面には、窓部材2の表面を除いて、多数の溝が形成されているものである。
【0050】
従来の窓部材を有する研磨パッドは、パッド本体と窓部材が同一面となっているため、研磨時のドレッシングによって窓部材に傷を生じて、ノイズが検出されることがあるが、本実施例の研磨パッドはそのような傷防止に有効である。
【0051】
溝を研磨パッドの表面前面に形成する場合においても、窓部材2を凹部加工することにより、窓部材2表面に溝が形成されることがなく、スラリーによるノイズを防止することができる。
【0052】
さらに、窓部材2のドレッシング残りが生じないため、多種間の置き換えが可能となる。つまり、窓部材2の研削性が良好でなくてもよいため、多様な材料の選定が可能となる。例えば、高透明性の観点から材料を選択することができる。
【0053】
さらに、窓部材2が凹部になっているため、窓部材2と被研磨物との間に隙間ができることにより、研磨時のスラリー搬送を助長する(スラリーの巡りが良好となる)。また、スクラッチの原因とならない。
【0054】
製造方法は以下の通りである。
【0055】
窓部材2を有するパッド本体10を作成後、窓部材2に相当する位置においてパッド本体10と窓部材2の表面を後加工により研削して凹部を形成する。パッド表面の凹部の研削深さは400〜500μmが好ましい。また、パッド表面の凹部の幅、長さは、窓部材2の大きさより5〜10mm大きくするのがよい。
溝加工パッドの窓部材2のみ溝加工を施さないことにより、スラリーによるノイズを防止することができる。
【0056】
なお、上記した本発明の研磨パッドはポリウレタン組成物から、いわゆるプレポリマー法やワンショット法で製造することができる。
【0057】
プレポリマー法とは、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応物であるウレタンプレポリマーを用い、ジアミン類又はジオール類、発泡剤、触媒を添加混合して得られるウレタン組成物を硬化させる方法である。ワンショット法とは、ポリオール成分、イソシアネート成分、ジアミン類又はジオール類、そして発泡剤、触媒等を混合して得られるウレタン組成物を硬化させる方法である。
【0058】
上記ウレタンプレポリマーとしては、ポリエーテル系ウレタンプレポリマー、ポリエステル系ウレタンプレポリマー、ポリエステルエーテル系ウレタンプレポリマーのいずれも使用することができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
3297gのユニローヤルアジプレンL−325(Uniroyal Adiprene L-325)ポリエーテル系ウレタンプレポリマーと、824gの硬化剤(MOCA)と混合して、窓部材用組成物を調製した。この窓部材用組成物をモールド内に注入して、約150°Fで15分間放置した。このようにして窓部材を形成するブロックを得た。
【0060】
3297gのユニローヤルアジプレンL−325(Uniroyal Adiprene L-325)ポリエーテル系ウレタンプレポリマーと、749gの硬化剤(MOCA)と混合して、パッド用組成物を調製した。
【0061】
上記窓部材を形成する樹脂ブロックをモールド内に配置し、パッド用組成物をモールド内に注入して、約150°Fで15分間放置した。このようにしてパッドの成形物を得た。その後、所定厚みにスライスして研磨パッドを得た。
【0062】
得られた研磨パッドの研削性を研磨機(Strasbaugh・6CA定盤直径20インチ)で測定した。研削条件は、シーズニング圧力0.1Kgf/cm2、定盤回転数89rpm、キャリア回転数60rpm、純水供給量3000cm3/minであり、シーズニングツールはR#80(株式会社藤森技術研究所製)を用いた。
【0063】
その結果を図10に示す。図中、窓部とは窓部材での合計削れ量を示し、入口とは研磨パッドの図2において、窓部材からV切り欠き部を見て左側パッド部の合計削れ量を示し、出口とは研磨パッドの図2において、窓部材からV切り欠き部を見て右側パッド部の合計削れ量を示す。定盤の回転に伴い、常に入口、窓部、出口の順にシーズニングツールにより研磨される。外周とは研磨パッドの外周部の合計削れ量を示し、内周とは研磨パッドの内周の合計削れ量を示す。
(比較例1)
実施例1で用いた窓部材用組成物の代わりに、実施例1で用いたパッド用組成物と同じ組成で窓部材用組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを得た。
【0064】
この研磨パッドについて実施例1と同様に研削試験を行ったところ図11に示す通りであった。
【0065】
次に、従来品でシリコンウエハを研磨している条件で、上記実施例1および比較例1の研磨パッドを用いて研磨試験を行った。
【0066】
その結果、比較例1のものでは窓部材に形成された溝がノイズの原因となったが、実施例1の研磨パッドでは、窓部材に形成された溝がノイズの原因になることはなかった。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、Si基板、GaAs基板、ガラス、ハードデイスク、LCD基板等の研磨において、窓部材にスラリーがたまることが抑制されるため、従来のように透過光を減衰させることがなく、検出精度を高めることができる。また、窓部材がパッド本体から凹んでいるので、研磨時のドレッシングによって窓部材に傷を生じることがなくノイズが検出されにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨パッドの一実施形態の断面図である。
【図2】図1で示す研磨パッドの平面図である。
【図3】図1で示す研磨パッドの窓部材部分の拡大図である。
【図4】(a)は定盤の図4(b)のX-X線断面図、(b)は定盤の平面図である。
【図5】(a)は定盤の図4(b)のY-Y線断面図、(b)は定盤の平面図である。
【図6】(a)は定盤の窓部材部分の断面図、(b)は定盤の窓部材部分の平面図である。
【図7】定盤の凹部の説明図である。
【図8】定盤の他の例の斜視図である。
【図9】図8で示す治具の開口部の説明図である。
【図10】実施例1の研磨パッドの研削性を示すグラフである。
【図11】比較例1の研磨パッドの研削性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 窓部材
10 パッド本体
P 研磨パッド
Claims (5)
- パッド本体と、該パッド本体の一部に一体に形成された透明な窓部材と、を有する研磨パッドであって、
該パッド本体は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、およびポリエステルからなる群から選択される一種または2種以上の樹脂から形成され、
前記窓部材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される透明樹脂から形成され、
前記窓部材の材質が、前記パッド本体の材質に比べて研削性が高く、
窓部材の表面を除いたパッド本体の表面に多数の溝が形成されていることを特徴とする研磨パッド。 - 表面に多数の吸引口が形成され、かつ、表面に前記窓部材と同寸法あるいはそれ以上の寸法の凹部が形成された定盤又は治具を使用することにより、パッド本体と、該パッド本体の一部に一体に形成された透明な窓部材と、を有し、窓部材の表面を除いたパッド本体の表面に多数の溝が形成されている研磨パッドを製造するための研磨パッドの製造方法であって、
窓部材が前記凹部と重なるように、多数の溝が形成されていないパッドシートを定盤又は治具の表面にセットし、吸引口からパッドシートを吸引することにより、定盤又は治具の表面にパッドシートを吸引固定し、凹部の位置で窓部材及び窓部材周辺を凹ませた状態とし、切削刃によりパッドシートの表面に溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法。 - 前記定盤又は治具を回転させながらパッドシートの表面に切削刃を押し付けることでパッドシートの表面に溝を形成する請求項2記載の研磨パッドの製造方法。
- 前記定盤又は治具の回転軸に、吸引装置に接続された吸引孔が形成され、定盤又は治具の内部に該吸引孔と前記吸引口とを連通する吸引路が形成された定盤又は治具を使用する請求項2又は3に記載の研磨パッドの製造方法。
- 前記吸引口を形成したリング溝が表面に形成された定盤又は治具を使用する請求項2〜4のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
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