JP4947583B2 - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエハ表面の凹凸をケミカルメカニカルポリシング(CMP)で平坦化する際に使用される研磨パッドの製造方法に関し、詳しくは、研磨領域のみに多条の溝を有する研磨パッドの製造方法に関する。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィ、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。
このようなCMPプロセスを行う上で、定常的に供給されるスラリーがウエハの上面に均一に供給され、かつウエハの表面の一定個所に滞留することがないように、また新たに供給されるスラリーに更新されるようにする必要がある。そのため従来使用されている研磨パッドの研磨表面には、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝などが設けられている。これら溝は、通常、溝加工用切削刃を有する切削工具を用いて形成されている。
また、CMPプロセスを行う上で、ウエハ表面の平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から、回転定盤内にレーザー光による膜厚モニタ機構を組み込んだ光学的検知方法が主流となりつつある。
前記光学的検知方法とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニタすることによって研磨の終点を検知する方法である。
このような方法では、ウエハの表面層の厚さの変化をモニタして、表面凹凸の近似的な深さを知ることによって終点が決定される。このような厚さの変化が凹凸の深さに等しくなった時点で、CMPプロセスを終了させる。また、このような光学的手段による研磨の終点検知法およびその方法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されてきた。
例えば、固体で均質な190nmから3500nmの波長光を透過する透明なポリマーシートを少なくとも一部分に有する研磨パッドが開示されている(特許文献1)。また、段付の透明プラグが挿入された研磨パッドが開示されている(特許文献2)。また、ポリシング面と同一面である透明プラグを有する研磨パッドが開示されている(特許文献3)。
一方、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出さないための提案(特許文献4、5)もなされている。しかし、これら透明な漏れ防止シートを設けた場合でも、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から研磨層下部に漏れ出し、この漏れ防止シート上にスラリーが堆積して光学的終点検知に問題が生じる。
上記スラリー漏れの問題を解決するために、パッド本体と窓部材とを一体的に形成する方法が提案されている(特許文献6)。具体的には、窓部材のブロックをモールドの中に配置し、モールドの中にパッド本体を形成する不透明樹脂を注入成型して成型物を得た後、スライスして研磨パッドを製造する方法である。
ここで、研磨パッドの研磨領域表面には上記のように溝が設けられるが、光透過領域表面には、スラリーが溜まって光学的検知に悪影響を与えないようにするために溝は設けないことが好ましい。しかし、特許文献6のようにパッド本体と窓部材とを一体成型した場合、パッド成型後にパッド本体のみに溝を形成することは製造工程上難しく、また煩雑である。この問題を解決するために、特許文献6では、吸引装置を備えた定盤上で研磨パッドを固定し、窓部材を吸引することにより凹ませて、その状態で切削刃を用いてパッド本体に溝を形成する方法を提案している。この場合、凹部上の窓部材表面には切削刃の先端が届かないために窓部材表面に溝が形成されることがないと記載されている。
しかし、特許文献6の方法では、窓部材を吸引により十分に凹ませる必要があるため、窓部材の変形が発生したり、パッド本体と窓部材とが剥離したりする恐れがある。また、窓部材の周囲に近い部分にまで溝を形成することは困難である。さらに、長尺状の研磨パッドの場合、吸引装置を備えた定盤は非常に大きくなるため製造上のデメリットが大きいという問題もある。
特表平11−512977号公報 特開平9−7985号公報 特開平10−83977号公報 特開2001−291686号公報 特表2003−510826号公報 特開2002−1647号公報
本発明は、長尺研磨領域のみに多条の溝を有する研磨パッドを効率的に製造する方法を提供することを目的とする。また、前記研磨パッドの溝加工に用いられる溝加工装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す製造方法により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の本発明は、長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具を用い、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)受光部がその反射光を検知した時には、少なくとも受光部がその反射光を検知しなくなるまで切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
上記方法は、発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具を用いたことに特徴がある。長尺研磨領域は不透明であり、長尺光透過領域は透明である。そして、光センサは、長尺研磨領域上を移動しているときは、長尺研磨領域からの反射光が受光部に到達せず、長尺光透過領域上を移動しているときは、定盤に設けた光反射部材により反射された光が受光部に到達するように調整されている。これにより、光センサは受光部に光が到達するかしないかで長尺研磨領域であるか又は長尺光透過領域であるかを感知することができ、切削工具は長尺研磨領域のみに選択的に溝を形成することができる。上記方法によると、長尺研磨領域のみに溝を有する長尺状の研磨パッドを連続的に効率よく製造することができ、しかも溝加工装置をコンパクト化することができるため、製造スペースが大きくなることがないという利点がある。
また、本発明の溝加工装置は、長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層を含む研磨パッドを支持固定し、かつ前記長尺光透過領域に対応する部分に光反射部材を有する定盤、発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具、切削工具が長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動し終わった際に、研磨パッドを所定長さ搬送方向に移動させるための制御部、研磨パッドを送り出す供給ロール、及び溝加工された研磨パッドを巻き取る回収ロールを有するものである。
光センサは、発光部から出た光が光反射部材表面で反射する位置と切削刃の先端とが同一直線上に並ぶように切削ヘッドに設置されていることが好ましい。それにより、長尺光透過領域表面に切削傷が付くことを防止できるだけでなく、長尺研磨領域と長尺光透過領域の境界近くまで溝を形成することができる。
また、第2の本発明は、長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
発光部及び受光部を有する光センサA及びBを切削ヘッドの前後に備えた切削工具を用い、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)光センサA及びBの受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
また、第3の本発明は、長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
発光部及び受光部を有する光センサA及びBを切削ヘッドの前後に備えた切削工具を用い、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)光センサBの受光部がその反射光を検知した時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
第2及び3の本発明は、前記第1の本発明を応用したものであり、発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに2つ備えた切削工具を用いたことに特徴がある。光センサを2つ用いることにより、円形回転刃等の刃幅の広い切削刃を用いた場合でも長尺光透過領域表面に切削傷が付くことを防止でき、また長尺研磨領域と長尺光透過領域の境界近くまで溝を形成することができる。
本発明の研磨パッドは、長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層を含む。本発明の研磨パッドは、長尺研磨層のみであってもよく、長尺研磨層と他の層(例えばクッション層、透明支持フィルムなど)との積層体であってもよい。
前記長尺研磨領域は、微細気泡を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、長尺研磨領域の形成材料として特に好ましい材料である。以下、前記発泡体を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
前記ポリウレタンは、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用してもよい。エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを用いてもよい。
ポリオール成分中の高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの比は、これらから製造される長尺研磨領域に要求される特性により決められる。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオール成分や低分子量ポリアミン成分を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
本発明におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や長尺研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
前記ポリウレタン発泡体は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分、及び活性水素基含有化合物を含む第2成分を混合して得られる気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより製造される。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、イソシアネート成分がイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤及びポリオール成分が活性水素基含有化合物となる。
前記気泡分散ウレタン組成物は機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により調製する。特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192、L−5340(東レダウコーニングシリコン社製)等が好適な化合物として例示される。シリコン系界面活性剤の添加量は、ポリウレタン発泡体中に0.05〜5重量%であることが好ましい。シリコン系界面活性剤の量が0.05重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、5重量%を超える場合には、シリコン系界面活性剤の可塑効果により高硬度のポリウレタン発泡体を得にくい傾向にある。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
気泡分散ウレタン組成物を調製する方法の例について以下に説明する。かかる気泡分散ウレタン組成物の調製方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
気泡分散ウレタン組成物には、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を添加してもかまわない。触媒の種類及び添加量は、混合工程後、気泡分散ウレタン組成物を長尺モールドに流し込む流動時間又はベルトコンベア上に吐出した後の硬化時間を考慮して選択する。
前記長尺光透過領域は、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長300〜800nmの全範囲で光透過率が40%以上であることが好ましく、より好ましくは光透過率が50%以上である。また、長尺光透過領域は、光センサの発光部から照射される光を十分に透過することが必要である。
長尺光透過領域の材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂;紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、特に熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
長尺研磨層の製造方法は特に制限されないが、例えば、以下の方法により製造することができる。
1)面材を送り出しつつ、該面材上に長尺光透過領域を配設する。そして、該長尺光透過領域を配設していない面材上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出し、吐出した気泡分散ウレタン組成物上に別の面材を積層して厚さを均一に調整しつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる長尺研磨領域を一体的に形成する方法。
2)面材を長尺モールド内に配置し、該面材上に長尺光透過領域を配設する。そして、該長尺光透過領域を配設していない面材上に前記気泡分散ウレタン組成物を吐出し、吐出した気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる長尺研磨領域を一体的に形成する方法。
3)ポリウレタン発泡体からなる長尺研磨領域を注型成形法又は連続成形法により作製する。そして、該長尺研磨領域に長尺光透過領域を設けるための貫通孔を形成する。その後、該貫通孔内に長尺光透過領域の原料を流し込んで硬化させることにより長尺光透過領域を一体的に形成する方法。
4)第1円柱状研磨領域、円柱状光透過領域、及び第2円柱状研磨領域がこの順で積層されている円柱状樹脂ブロックを注型成形法により作製する。該樹脂ブロックの軸を中心に回転させながら該樹脂ブロックの表面部を所定厚みでスライスして長尺研磨領域と長尺光透過領域とからなる長尺研磨層を作製する方法。
長尺研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.2〜2.5mmであることが好ましい。また、長尺研磨層の幅は使用する研磨装置に応じて適宜調整されるが、通常50〜90cm程度である。また、長尺光透過領域の幅は、通常0.5〜3cm程度である。
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
また、長尺研磨領域の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、長尺研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、1.0より大きい場合は、長尺研磨領域表面での微細気泡の数が少なくなり、平坦化特性は良好であるが、研磨速度が悪化する傾向にある。
また、長尺研磨領域の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65度であることが好ましい。D硬度が45度未満の場合、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が悪化する傾向にある。
以下、長尺研磨領域表面のみに、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本発明の溝形成方法は、光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具を用い、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)受光部がその反射光を検知した時には、少なくとも受光部がその反射光を検知しなくなるまで切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする。
図1は、光反射部材5を有する定盤4上に、光反射部材5と長尺光透過領域3とが重なるように長尺研磨層1を設置した状態を示す概略断面図である。
定盤4は、長尺研磨層1を支持できるものであれば特に制限されず、平面板であってもよく、ベルトコンベアであってもよい。定盤4は、長尺研磨層1を吸着固定及び解放する機構を有していてもよい。
光反射部材5は、光を反射する機能を有するものであれば特に制限されず、例えば、反射面に微細な凹凸を形成したもの、反射層としての金属層に拡散層としての樹脂フィルム層を積層したものなどが挙げられる。光反射部材5の幅は、長尺光透過領域3の幅と同一又はそれ以上であることが必要である。
図2は、発光部8及び受光部9を有する光センサ7を備えた切削ヘッド6の(a)概略側面図及び(b)概略正面図である。
光センサ7としては、一般的なものを特に制限なく使用でき、例えば、発光ダイオード(LED)からなる発光部8と、フォトダイオードからなる受光部9とを備えるフォトインタラプタが挙げられる。発光部8及び受光部9は、発光部8から照射された光が光反射部材5の表面で反射して受光部9に到達するように、それぞれ所定の角度に傾斜して配置されている。光センサ7は、入射光が光反射部材5の表面で反射する位置が切削刃10の先端と同一直線上に並ぶように又は切削刃10の先端より前方になるように配置される。それにより、長尺光透過領域3表面に切削傷が付きにくくなり、長尺研磨領域2と長尺光透過領域3の境界近くまで溝を形成することができる。
特に、図2(a)に示すような円形回転刃10を用いる場合、光センサ7は、円形回転刃10が長尺研磨領域2と長尺光透過領域3との境界点Pに到達した時に受光部9が反射光を受光するように配置しておくことが好ましい。それにより、長尺光透過領域3表面に切削傷が付くことを防止できるだけでなく、長尺研磨領域2と長尺光透過領域3の境界まで溝を形成することができる。
切削刃10としては、一般的なものを特に制限なく使用でき、例えば、円形回転刃、カッター、ダイヤモンドホイル等の形状のものが挙げられる。切削刃10の材質は特に制限されず、例えば、炭素鋼、合金鋼、高速度鋼、超硬合金、サーメット、ステライト、超高圧焼結体、セラミックなどを挙げることができる。また、刃物角、前逃げ角、及び横逃げ角は被加工材料、溝形状、及び刃物材質などの条件により適宜変更することができる。また、切削刃10は単一刃であってもよく、単一刃が所定間隔で複数積層された多刃ユニットであってもよい。
図3は、本発明の溝形成方法の工程の一例を示す概略構成図である。図4は、本発明の溝加工装置の一例を示す概略構成図である。例えば、本発明の溝加工装置は、長尺研磨領域2及び長尺光透過領域3を有する長尺研磨層1を含む研磨パッドを支持固定し、かつ前記長尺光透過領域3に対応する部分に光反射部材5を有する定盤(ベルトコンベア)4、発光部8及び受光部9を有する光センサ7を切削ヘッド6に備えた切削工具、切削工具が長尺研磨層1の幅方向一端から他端へ移動し終わった際に、研磨パッドを所定長さ搬送方向に移動させるための制御部、研磨パッドを送り出す供給ロール11、及び溝加工された研磨パッドを巻き取る回収ロール12を有する。
まず、発光部8から長尺研磨層1の表面に向けて光照射しつつ、切削工具を長尺研磨層1の幅方向一端から他端へ移動させる。切削刃10が長尺研磨領域2上を移動している時には、長尺研磨領域2は発光部8から照射された光を吸収するため、受光部9はその反射光を検知しない。その際には、切削工具は、切削刃10を長尺研磨領域2に接触させて切削するように制御されている。
その後、切削刃10が長尺研磨領域2と長尺光透過領域3との境界に到達した時には、発光部8から照射された光は長尺光透過領域3を透過し、該透過光は光反射部材5の表面で反射され、受光部9はその反射光を検知する。検知した際には、切削工具は、切削刃10を長尺光透過領域3に接触しないように制御されている。該制御は、少なくとも受光部9がその反射光を検知しなくなるまで行われる。
切削刃10を長尺光透過領域3に接触しないように制御する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
1)図3に示すように、切削ヘッド6の幅方向への移動を停止させ、少なくとも切削刃10が長尺研磨層1の表面から離れるまで切削ヘッド6を上昇させる。その後、少なくとも受光部9が反射光を検知しなくなるまで切削ヘッド6を幅方向へ移動させる。受光部9が再び反射光を検知しなくなったときには、切削ヘッド6の幅方向へ移動を停止させ、切削刃10が長尺研磨層1の表面に接触するまで切削ヘッド6を下降させる。なお、切削ヘッド6の幅方向への移動を停止することなく移動速度を調整しつつ上記制御方法を行ってもよい。
2)切削ヘッド6の幅方向への移動を停止させ、少なくとも切削刃10が長尺研磨層1の表面から離れるまで切削刃10のみを上昇させる。その後、少なくとも受光部9が反射光を検知しなくなるまで切削ヘッド6を幅方向へ移動させる。受光部9が再び反射光を検知しなくなったときには、切削ヘッド6の幅方向へ移動を停止させ、長尺研磨層1の表面に接触するまで切削刃10を下降させる。なお、切削ヘッド6の幅方向への移動を停止することなく移動速度を調整しつつ上記制御方法を行ってもよい。
上記制御時において、入射光が光反射部材5の表面で反射する位置が切削刃10の先端より前方になるように光センサ7を配置している場合、受光部9が再び反射光を検知しなくなったときに切削刃10はまだ長尺光透過領域3上に位置しているため、そのまま切削ヘッド6又は切削刃10を下降させると、長尺光透過領域3を傷つける恐れがある。そのため、長尺光透過領域3を傷つけないようにするために、溝加工開始位置の補正を行うことが好ましい。例えば、図2(a)の場合、長さdぶんだけ切削ヘッド6を幅方向へ移動させる追加の制御を行う。
その後、受光部9が再び反射光を検知しなくなった時には、再び切削ヘッド6の切削刃10を長尺研磨領域2に接触させて切削する。長尺研磨層1が複数の長尺光透過領域3を有する場合には、上記操作が繰り返し行われる。
切削工具が長尺研磨層1の他端に到達した際には、切削刃10を長尺研磨領域2から離し、長尺研磨層1又は切削ヘッド6を所定方向に所定長さ移動させ、新しい長尺研磨層1の表面に対して上記操作が繰り返し行われる。図4に記載のように、定盤4としてベルトコンベアを用いた場合には、回収ロール12で巻き取りつつ研磨パッドを搬送方向に移動させる。定盤4として平面板を用いた場合には、通常切削ヘッド6を所定方向に移動させる。なお、溝の構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
また、上記切削工具の代わりに、図5に記載のような発光部8及び受光部9を有する光センサA(13)及びB(14)を切削ヘッド6の前後に備えた切削工具を用いてもよい。溝形成方法は上記とほぼ同様である。具体的には、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)光センサA及びBの受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成する。
図5に示すような円形回転刃10を用いる場合、光センサA(13)は、円形回転刃10が長尺研磨領域2と長尺光透過領域3との境界点Pに到達した時に受光部9が反射光を受光するように配置しておくことが好ましい。また、光センサB(14)は、円形回転刃10の先端を基準にして光センサA(13)の対称位置に配置しておくことが好ましい。それにより、長尺光透過領域3表面に切削傷が付くことを防止できるだけでなく、長尺研磨領域2と長尺光透過領域3の境界まで溝を形成することができる。また、2つの光センサを用いると、1つの光センサを用いた場合のように溝加工開始位置の補正を行う必要がないという利点がある。
また、上記切削工具の代わりに、図6に記載のような発光部8及び受光部9を有する光センサA(13)及びB(14)を切削ヘッド6の前後に備えた切削工具を用いてもよい。溝形成方法は上記とほぼ同様である。具体的には、
1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)光センサBの受光部がその反射光を検知した時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成する。
図6に示すような円形回転刃10を用いる場合、光センサA(13)は、円形回転刃10が長尺研磨領域2と長尺光透過領域3との境界点Pに到達した時に受光部9が反射光を受光するように配置しておくことが好ましい。また、光センサB(14)は、円形回転刃10の先端を基準にして光センサA(13)の対称位置からさらに長尺光透過領域3の幅分だけ後方に配置しておくことが好ましい。このように配置しておくことにより、光センサB(14)の受光部9が反射光を検知した時には、円形回転刃10のQ点が長尺光透過領域3の他端上に位置することになる。それにより、長尺光透過領域3表面に切削傷が付くことを防止できるだけでなく、長尺研磨領域2と長尺光透過領域3の境界まで溝を形成することができる。また、2つの光センサを用いると、1つの光センサを用いた場合のように溝加工開始位置の補正を行う必要がないという利点がある。
上記いずれかの溝加工方法によると、長尺研磨領域のみに多条の溝を連続的かつ効率よく形成することができる。
一方、光透過型の光センサを用いて溝加工することも可能である。この場合、光反射部材の代わりに光透過部材を有する定盤を用い、該定盤上に、光透過部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置する。また、光センサの発光部を切削ヘッドに設け、光センサの受光部を光透過部材の下面側に設ける。そして、上記溝加工方法とほぼ同様に、
1)切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
2)受光部がその光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
3)受光部がその光を検知した時には、少なくとも受光部がその光を検知しなくなるまで切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
4)受光部が再びその光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成する。
なお、上記とは逆に、光センサの受光部を切削ヘッドに設け、光センサの発光部を光透過部材の下面側に設けて、上記方法を応用して溝加工を行うことも可能である。
得られた長尺研磨層1は、例えば、裁断機により数メートルの反物状に裁断される。長さは使用する研磨装置に応じて適宜調整されるが、通常5〜10m程度である。なお、予め目的とする長さに調整しておいてから前記溝加工を施してもよい。
本発明の研磨パッドは、前記長尺研磨層とクッションシート(クッション層)とを貼り合わせたものであってもよい。
前記クッションシートは、研磨層の特性を補うものである。クッションシートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のあるウエハを研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、ウエハ全体の均一性をいう。発泡体シートの特性によって、プラナリティを改善し、クッションシートの特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッションシートは研磨領域より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッションシートとしては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
前記長尺研磨層とクッションシートとを貼り合わせる手段としては、例えば、長尺研磨層とクッションシートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。なお、長尺光透過領域に対応する部分にはクッションシートを設けないことが好ましい。
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッションシートへのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、発泡体シートとクッションシートは組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
また、本発明の研磨パッドは、前記長尺研磨層と透明支持フィルムとを貼り合わせたものであってもよい。透明支持フィルムは特に制限されないが、透明性が高く、耐熱性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。該樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエステル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチレン;ポリイミド;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂;ナイロン;セルロース;ポリカーボネートなどの汎用エンジニアリングプラスチック;ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリエーテルスルホンなどの特殊エンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。
透明支持フィルムの厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、透明支持フィルムの幅も特に制限されないが、要求される長尺研磨層の大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。また、透明支持フィルムの長さは要求される長尺研磨層の長さに合わせて適宜設定できるが、リード部分(前後各2m程度)が必要なため通常10〜15m程度である。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
光反射部材を有する定盤上に長尺研磨層を設置した状態を示す概略断面図。 発光部及び受光部を有する光センサを備えた切削ヘッドの(a)概略側面図及び(b)概略正面図。 本発明の溝形成方法の工程の一例を示す概略構成図。 本発明の溝加工装置の一例を示す概略構成図。 発光部及び受光部を有する光センサA及びBを備えた切削ヘッドの概略側面図。 発光部及び受光部を有する光センサA及びBを備えた切削ヘッドの概略側面図。
符号の説明
1:長尺研磨層
2:長尺研磨領域
3:長尺光透過領域
4:定盤
5:光反射部材
6:切削ヘッド
7:光センサ
8:発光部
9:受光部
10:切削刃(円形回転刃)
11:供給ロール
12:回収ロール
13:光センサA
14:光センサB

Claims (5)

  1. 長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
    光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
    発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具を用い、
    1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
    2)受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    3)受光部がその反射光を検知した時には、少なくとも受光部がその反射光を検知しなくなるまで切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
    4)受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
    上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. 長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層を含む研磨パッドを支持固定し、かつ前記長尺光透過領域に対応する部分に光反射部材を有する定盤、発光部及び受光部を有する光センサを切削ヘッドに備えた切削工具、切削工具が長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動し終わった際に、研磨パッドを所定長さ搬送方向に移動させるための制御部、研磨パッドを送り出す供給ロール、及び溝加工された研磨パッドを巻き取る回収ロールを有する溝加工装置。
  3. 光センサは、発光部から出た光が光反射部材表面で反射する位置と切削刃の先端とが同一直線上に並ぶように切削ヘッドに設置されている請求項2記載の溝加工装置。
  4. 長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
    光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
    発光部及び受光部を有する光センサA及びBを切削ヘッドの前後に備えた切削工具を用い、
    1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
    2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
    4)光センサA及びBの受光部が再びその反射光を検知しなくなった時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
    上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  5. 長尺研磨領域及び長尺光透過領域を有する長尺研磨層表面に、切削により多条の溝を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
    光反射部材を有する定盤上に、光反射部材と長尺光透過領域とが重なるように長尺研磨層を設置し、
    発光部及び受光部を有する光センサA及びBを切削ヘッドの前後に備えた切削工具を用い、
    1)前記切削工具を長尺研磨層の幅方向一端から他端へ移動させつつ光センサA及びBの発光部から長尺研磨層表面に光照射し、
    2)光センサA及びBの受光部がその反射光を検知しない時には、切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    3)光センサAの受光部がその反射光を検知した時には、切削工具の切削刃を長尺光透過領域に接触しないように制御し、
    4)光センサBの受光部がその反射光を検知した時には、再び切削工具の切削刃を長尺研磨領域に接触させて切削し、
    5)切削工具が長尺研磨層の他端に到達した際には、切削刃を長尺研磨領域から離し、長尺研磨層又は切削ヘッドを所定方向に所定長さ移動させ、
    上記1)〜5)の操作を繰り返し行い、長尺研磨領域のみに多条の溝を形成することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
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