JP5606254B2 - 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置 - Google Patents

吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5606254B2
JP5606254B2 JP2010220892A JP2010220892A JP5606254B2 JP 5606254 B2 JP5606254 B2 JP 5606254B2 JP 2010220892 A JP2010220892 A JP 2010220892A JP 2010220892 A JP2010220892 A JP 2010220892A JP 5606254 B2 JP5606254 B2 JP 5606254B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suction
contact
contact portion
substrate
adsorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010220892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011097043A (ja
Inventor
徹彌 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2010220892A priority Critical patent/JP5606254B2/ja
Priority to US12/894,382 priority patent/US8698099B2/en
Publication of JP2011097043A publication Critical patent/JP2011097043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5606254B2 publication Critical patent/JP5606254B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置に関する。
半導体素子の製造工程において、シリコンからなる半導体ウェハなどの試料(対象物)は、半導体製造装置および半導体検査装置の吸着台上に吸着しながら保持される。対象物を吸着台上に保持する工程には、例えば、対象物を鏡面に研磨する工程、対象物上に形成されたレジストと呼ばれる感光材を光や電子線により部分的に感光させる工程、感光されたレジストを取り除く工程、対象物を検査する工程等がある。また、対象物を保持する吸着台の周囲は、大気、窒素、又は酸素などの気体が存在する。この気体の圧力は、大気圧である1×10Pa程度から高真空と呼ばれる1×10−7Pa程度までの範囲である
。例えば、特許文献1には、対象物を複数の微小な突起で支持しながら吸着台上に吸着して保持する構成が記載されている。
半導体ウェハは、配線の微細化が進む一方で、広面積化している。近年は外径が200mm及び300mmの大きなサイズのウェハが主に用いられている。
一方、近年、半導体レーザを用いた光ディスク若しくはLEDなどの用途に用いられる基板を製造する際にも、半導体素子を製造する際と同様の製造装置が用いられる。この基板を製造するためのウェハの材質は、GaN若しくはInGaN等の化合物半導体、サファイア、又はSiC等が選択される。この用途のウェハの外径は、100mm程度以下と半導体ウェハに比較して小さい場合がある。
特開平9−283605号公報
半導体素子を製造する場合と、光ディスク若しくはLEDなどの用途に用いられる基板を製造する場合とで、例えば露光工程等を含む多くの製造工程は共通している。したがって、高面積化した半導体ウェハと、光ディスク若しくはLEDなどの用途に用いられる比較的小さいウェハに対して、同一の半導体製造装置を用いることができれば、用途に応じた異なる半導体製造装置の導入、または半導体製造装置の改造は不要となるため、製造コストが低減できると考えられる。このため、大きさの異なる対象物を保持できる吸着台が求められる。
しかしながら、吸着台には、吸着が想定される対象物のサイズに応じて、複数の吸引孔が設けられており(このように吸着台において吸引孔が設けられている領域を「吸引孔形成領域」ともいう。)、想定されたサイズよりも小さいサイズの対象物が載置されると、その吸引孔の一部が対象物によって覆われずに露出する。すると、吸着の際に、露出した吸引孔により外気が吸引されてしまうという不具合が生じる。この場合には、対象物を安定して吸着し、保持することが困難であった。
よって、吸着台の吸引孔形成領域よりも小さいサイズの対象物を安定して保持すること
が求められている。
本発明の一態様による吸着用部材は、複数の吸引孔が設けられた吸着台上に載置され、前記吸引孔による気体の吸引によって対象物を吸着する吸着用部材であって、前記吸着台上に着脱可能に載置される基板を有し、該基板は、前記対象物が載置され、前記吸引孔による吸引を可能にして前記対象物を吸着する吸着領域を含む凹状部位と、該吸着領域の外周に設けられ、前記複数の吸引孔の一部を覆う吸着遮断領域と、前記吸着領域の外側に設けられ、前記対象物が前記吸着領域に載置されると該対象物が当接する、矩形状の第1当接部および円柱状の第2当接部と、前記対象物を前記第1当接部の側面および前記第2当接部に押し当てることにより、前記第1当接部および前記第2当接部との間で前記対象物を保持する保持部材とを有し、前記保持部材は、前記対象物に接触する接触部と、前記対象物を前記第1当接部および前記第2当接部に押し当てる方向に直交する方向において前記接触部の両側の位置で前記基板に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記対象物を前記第1当接部および前記第2当接部に押し当てる方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有し、前記基板を平面視した場合、前記凹状部位の外縁の一部は、所定の円の円周に沿っており、前記第1当接部と前記対象物の外周面とが当接する部位を第1接触部位とし、前記第2当接部と前記対象物の外周面とが接触する部位を第2当接部としたとき、前記所定の円の中心点と前記第1接触部位を結ぶ第1仮想線と、前記中心点と前記第2接触部位を結ぶ第2仮想線とは直角をなしており、前記接触部が前記対象物に接触する接触部位と前記中心点とを結ぶ線と、前記第1接触部位と前記中心点とを結ぶ線とのなす角度は、接触部位と前記中心点とを結ぶ線と、前記第2接触部位と前記中心点とを結ぶ線とのなす角度よりも大きい
本発明の一態様による吸着装置は、前記吸着用部材と、前記吸着用部材を載置する吸着台とを有する。
本発明の一態様による荷電粒子線装置は、前記吸着装置と、該吸着装置上に載置されて吸着された対象物に荷電粒子線を照射する荷電粒子線源とを有する。
本発明の一態様による光照射装置は、前記吸着装置と、該吸着装置上に載置されて吸着された対象物に光を照射する光源とを有する。
本発明の一態様による吸着用部材および吸着装置によれば、吸着台の吸引孔形成領域よりも小さいサイズの対象物を安定して保持することができる。
本発明の一態様による荷電粒子線装置および光照射装置によれば、吸着台の吸引孔形成領域よりも小さいサイズの対象物に対して精度よく荷電粒子線又は光を照射することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る吸着用部材を吸着台上に載置し、対象物を吸着用部材に吸着した状態を示す平面図、(b)は(a)のIB−IB線部における断面図、(c)は(b)の破線で囲まれた領域ICの部分拡大図である。 吸着台、対象物、および本発明の一実施形態に係る吸着用部材をそれぞれ離間させた状態で示した斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る吸着用部材の正面図、(b)は(a)のIIIB−IIIB線位置における断面図、(c)は(a)吸着用部材の背面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る吸着用部材を構成する吸着用部材に取り付けられる保持部材の平面図、(b)は(a)の矢印IVB方向からみたときの側面図(下側面図)、(c)は(a)の矢印IVC方向からみたときの側面図(右側面図)である。 (a)は保持部材の他の構成例を示す平面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図である。 (a)は保持部材の他の構成例を示す平面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図である。 (a),(b)は保持部材の詳細な構成を説明するための平面図である。 (a),(b)は対象物の端部と保持部材の対象物との接触面との位置関係を示す断面図である。 保持部材の他の構成例を示す平面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る吸着用部材の正面図、(b)は(a)のXB−XB線位置における断面図、(c)は(a)の吸着用部材の背面図である。 当接部と保持部材の位置関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る光照射装置および荷電粒子線装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る吸着用部材を用いて、対象物を露光する方法の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
吸着用部材1Aは、半導体ウェハなどの対象物Tを吸着する際に用いられ、吸着台2上で対象物Tを吸着して保持する。吸着用部材1Aは、吸着台2に着脱可能に載置される基板4を有する。基板4は対象物Tが載置される吸着領域6を有する。
吸着台2は、気体を吸引するための複数の吸引孔2aを有する。これらの吸引孔2aは、吸着台2上に吸着用部材1Aを用いずに吸着されることが想定される対象物のサイズに応じて設けられている。このように吸着台2において複数の吸引孔2aが設けられている領域を「吸引孔形成領域」ともいう。
また、基板4は、吸引孔2aによる吸引を可能にして対象物Tを吸着する吸着領域6と、該吸着領域6の外周に設けられた吸着遮断領域8を有する。吸着遮断領域8は、複数の吸引孔2aのうち一部の吸引孔2a、すなわち吸引孔形成領域の一部を覆っている。この吸着遮断領域8は、吸引孔2aによる吸引を遮断する。
一方、基板4は、その表面が凹状である部位(以下、「第1部位」ともいう。)9と、それ以外の部位(以下、「第2部位」ともいう。)とを有する。第1部位9は、中央の円形状部位と後述する保持部材28が配置される部位とを有する。なお、吸着領域6は、第1部位9に設けられ、吸着遮断領域8は、第1部位9および第2部位に渡って存在している。
図1(c)および図2に示すように、基板4は、吸着領域6において貫通孔10を有する。対象物Tは、貫通孔10を通して気体を吸引することによって生じる吸引力により吸着領域6を介して吸着台2上に吸着される。
なお、基板4の貫通孔10を通して気体を吸引すると、吸着領域6上に対象物Tが位置した状態で、吸着用部材1Aと対象物Tとを同時に吸着することができる。
図3に示すように、吸着領域6には、複数の突起12が設けられている。複数の突起12の高さは同じである。各突起12は、基板4において表面が凹状でないその他の部位(第2の部位)の表面と同じ高さになるように設けられる。対象物Tは、突起12の頂部に接触した状態で吸着される。突起12の高さと、後述する環状封止部34の高さは同一または略同一であるので、対象物Tは、突起12および環状封止部34に当接した状態で吸着される。
また、基板4は、吸着領域6の外側に当接部15を有する。この当接部15は、対象物Tが吸着領域6に載置された場合に対象物Tが当接する部分である。この当接部15は、具体的には、基板4の表面から上方に突出した凸状部材である。
凸状部材からなる当接部15は、吸着領域6の外側に設けられる。そして、当接部15は、対象物Tが吸着領域6に配置された場合に対象物Tの側面が当接されるように設けられている。当接部15の個数及び形状は限定されないが、本実施の形態による吸着用部材1Aでは、円柱状の凸状部材からなる当接部15aおよび矩形状の凸状部材(当て板)か
らなる当接部15bが1つずつ設けられている(特に区別しないときは、単に「当接部15」という。)。また、当接部15bを矩形状とし、その平坦な側面に対象物Tを当接させるようにしたことから、対象物Tをより正確に、かつより安定的に基板4に固定することができる。当接部15は、吸着用部材1Aに固定されていることが好ましく、吸着用部材1Aと一体的に形成されていることがより好ましい。
吸着用部材1Aは、第1の部位9、かつ吸着遮断領域8において吸着領域6の外周に環状封止部34を有している。ここで、環状封止部34とは、環状壁である。そして、環状封止部34の高さは、好ましくは、吸着領域6に設けられた突起12の高さと同じである。図1(c)に示すように、環状封止部34は、突起12とともに、対象物Tを支持する。環状封止部34は、対象物Tの一方主面(基板4に対向する表面)の外周部と当接する。この構成により、対象物Tの一方主面、吸着領域6の表面(対象物Tに対向する表面)、および環状封止部34で囲まれる領域を閉ざされた空間にすることができる。よって、貫通孔10を通して空間内に存在する気体を排気(吸引)して吸引力を発生させ、その吸引力を効果的に対象物Tへ伝えることができる。なお、図1(a)のIB−IB線における断面において、本来貫通孔10は存在しないが、吸着用部材1Aを平面透視したときに、環状封止部34の内側に貫通孔10が存在することを示すために、図1(c)に貫通孔10を点線で示している。
また、吸着用部材1Aは、対象物Tを当接部15に押し当てることにより、当接部15との間で対象物Tを保持する保持部材28を有する。保持部材28は、凹状の第1部位9に設けられており、その凹状部位の内側にはめ込むように配置されている。保持部材28の構成については、後に詳細に説明する。保持部材28は、対象物Tを当接部15に押し当て、吸着領域6上に対象物Tを固定する。保持部材28および当接部15を用いることにより、この対象物Tの固定は比較的簡単に行うことができるため、基板4に対して対象物Tの着脱を繰り返す場合であっても、煩雑さが低減される。
保持部材28は、対象物Tを損傷しないように、対象物Tよりも硬度の低い材質からなることが好ましい。硬度は、例えば、ビッカース硬度である。ビッカース硬度は、JIS
(日本工業規格)Z 2244:2009に基づいて測定される。
また、保持部材28の材質は、半導体材料であってよく、樹脂または酸化ジルコニウムセラミックスであってもよい。保持部材28の材質が半導体材料であると、この保持部材28によって静電気を逃がすことができる。これは、保持部材28を露光装置内に搬送する可能性がある場合に、特に有用である。また、保持部材28の材質が樹脂または酸化ジルコニウムセラミックスであると、対象物Tがシリコンウェハの場合、保持部材28が対象物Tに接触して摩耗したとしても、その磨耗屑は金属ではないため、対象物Tに悪影響が及ぶことを抑制できる。特に、酸化ジルコニウムセラミックスは摩耗しにくいため、対象物Tに摩耗屑が付着することを抑制することができる。さらに、保持部材28は、熱伝導率がよい材質からなることが好ましい。
対象物Tがシリコンウェハの場合に、上記条件を満たす材質は、例えば、対象物Tがシリコンウェハの場合、ポリカーボネイト樹脂等がある。
保持部材28には、種々の形状が考えられるが、以下にその例を説明する。図4から図7および図9に示した保持部材28A,28A’,28B,28B’(保持部材28A,28A’,28B,28B’を区別しない場合は、単に「保持部材28」と表記する。)は、対象物Tに接触する接触部28aと、対象物Tを当接部15に押し当てる方向(以下、「押し当て方向」ともいい、図7,図8におけるY方向をいう。)に直交する方向(図7,図8におけるX方向)において接触部28aの両側に位置する複数の固定部28bと
、接触部28aと複数の固定部28bとをそれぞれ接続し、押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部28cとを有する。
なお、図5の保持部材28A’は、図4の保持部材28Aと比較して、対象物Tがより確実に接触部28aに接触するように、対象物Tが接触部28aに接触可能な領域、すなわち接触部28aをVB方向からみたときの側面(図5(b)参照)の面積をより大きくした場合を示している。
また、図4および図5に示した保持部材28A,28A’は、引っ張り部28d(後述する)がY方向において固定部28bよりも外側に位置しているのに対し、図6に示した保持部材28Bは、引っ張り部28dがY方向において固定部28bと同じ位置又は固定部28bよりも内側に位置している。
以下に、図7を用いて、図6に示した保持部材28Bの構成を詳細に説明する。なお、説明は、保持部材28Bについて行うが、同様の説明が図4および図5に示した保持部材28Aおよび保持部材28A’についても当てはまる。
図7に示すように、保持部材28Bは、接触部28aが、X方向が長手方向となる矩形状であり、その接触部28aが2つの固定部28bから等しい距離にある。伸縮部28cは、接触部28aの長手方向における端部と固定部28bとを接続する。伸縮部28cは、固定部28bと接触部28aとの間で折り曲げられた部位を有し、押し当て方向(Y方向)に沿って伸縮可能である。具体的に、伸縮部28cは、固定部28bに接続された端部(以下、「第1端部」ともいう。)から押し当て方向に直交する方向(X方向)に沿って延在し、U字状に折り曲げられ、再びX方向に沿って延在する。これをU字状部位とすると、U字状部位は、固定部28bに接続される端部とは異なる端部(以下、「第2端部」ともいう。)が、Y方向に沿って延在する部位(以下、「接続部」)を介して、接触部28aの端部に接続される。これにより、伸縮部28cは、Y方向に伸縮するばねのように作用する。なお、以下では、第1端部から折り曲げられる部位までX方向に延在する部位を「第1延在部」、折り曲げられた部位から第2端部までX方向に延在する部位を「第2延在部」ともいう。
固定部28bは、基板4、具体的には凹状の第1部位9の内壁に固定される。接触部28aは、押し当て方向に変位可能である。
また、保持部材28Bは、接触部28aをY方向に移動させるために、接触部28aに接続された引っ張り部28dを有する。引っ張り部28dは、X方向における2つの固定部28bの間において、接触部28aに接続される。ここで、図4および図5に示した保持部材28Aは、引っ張り部28dが、Y方向において固定部28bよりも外側に位置している。この場合、引っ張り部28dをY方向に沿って容易に引っ張ることができる。一方、保持部材28Bは、引っ張り部28dが、Y方向において固定部28bと同じ位置又は固定部28bよりも内側にあり、固定部28bよりも外側に突出しているわけではない。この場合は、保持部材28をより小型にすることができる。なお、引っ張り部28dが、Y方向において固定部28bよりも外側に位置しているとは、Y方向において引っ張り部28dの外縁が、固定部28bの外縁よりも外側にあることをいう。また、引っ張り部28dが、Y方向において固定部28bと同じ位置又は固定部28bよりも内側にあるとは、Y方向において引っ張り部28dの外縁が、固定部28bの外縁と同じ位置にある、又は固定部28bの外縁よりも内側にあることをいう。
また、保持部材28Bの引っ張り部28dは、孔部29を有する。この孔部29に、例えばピン状の引っ掛け部材の先端を挿入して引っ張り部28dをY方向に引っ張ると、接
触部28aを吸着領域6から離れるようにY方向に沿って外側に変位させることができる。また、引っ張り部28dに加えていた力を減少若しくは除去すると、引っ張り部28dおよび接触部28aを、吸着領域6に近づくようにY方向に沿って内側に変位させることができる。なお、引っ張り部28dは、Y方向において、固定部28bと同じ位置又は固定部28bよりも内側に位置することがより好ましい。この場合、保持部材28をより小型化することができる。また、保持部材28Aは、引っ張り部28dがY方向において固定部28bよりも外側に位置しているため、引っ張り部28dの先端を屈曲させるなどして、引っ掛け部材が引っかかるように容易に構成することができる。よって、孔部29を必ずしも設ける必要はない。
次に、保持部材28の作用について説明する。まず、力を加えて引っ張り部28dを吸着領域6から離れるようにY方向に沿って外側に変位させ、吸着領域6内に対象物Tを位置する。その後、引っ張り部28dに加えていた力を減少若しくは除去し、引っ張り部28dおよび接触部28aを、吸着領域6に近づくようにY方向に沿って内側に変位させる。これにより、伸縮部28cが元の位置に戻ろうとする力を利用して対象物Tを当接部15a,15bに押し当てる。すなわち、保持部材28は、Y方向に伸縮するばねのように作用する。なお、保持部材28は、X方向において変位可能なヒンジ形状にするのが好ましい。
孔部29は、その中心が、Y方向に沿って、上記第2延在部の第1延在部側の外縁と同じ位置又は外縁から接触部28a側に位置することが好ましい。孔部29をそのような位置に設けると、孔部29に引っ掛け部材の先端を挿入してY方向外側に接触部28aを引っ張った場合に、接触部28aが浮いてしまうこと、すなわちX方向およびY方向に垂直な方向(Z方向)に移動することを効果的に抑制することができる。より好ましくは、孔部29は、接触部28aに設けるか、若しくは引っ張り部28dにおいてY方向に沿って接触部28aにより近い位置に設けるとよい。そのような位置に設けると、孔部29に引っ掛け部材の先端を挿入してY方向外側に接触部28aを引っ張った場合に、接触部28aが浮いてしまうことをより効果的に抑制することができる。しかし、接触部28aは、対象物Tに接触する部位であるため、剛性等の問題から、Y方向の距離(幅)を小さくする場合も考えられる。その場合は、接触部28aに孔部29を設けること自体が困難であるため、引っ張り部28dに設けても差し支えない。また、引っ張り部28dも、上述の剛性等の問題から、接触部28aに近い部位は、X方向における幅を小さくしなければならない場合がある。その場合は、引っ張り部28dにおいて、孔部29を設けても保持部材28の動作に問題ない部位に設ければよい。
さらに、保持部材28Bは、図7(b)に示すように、接触部28aの長さをL、接触部のY方向における距離(幅)をWとすると、例えば、W/Lが0.05以上0.07以下であることが好ましい。この関係にあると、引っ張り部28dに対してY方向に力を加えたときに、接触部28aが引っ張り部28dに追従してY方向に変位しやすくなる。
また、W/Lが小さすぎると、接触部28aによって対象物Tに働く押圧力が小さくなって対象物Tを精度よく保持することが困難になり、W/Lが大きすぎると、接触部28aによって対象物Tに働く押圧力が大きくなり、対象物Tの変形又は破損を招く場合がある。よって、W/Lは、0.05以上0.07以下であることが好ましい。
また、伸縮部28cの接続部の幅をBとすると、W/Bは、0.5以上2以下であることが好ましい。W/Bが小さすぎると、接触部28aの変位量が小さくなり、接触部28aによって対象物Tに働く押圧力が小さくなるため、対象物Tを精度良く保持することが困難となる。また、W/Bが大きすぎると、伸縮部28cの変形が大きくなりすぎて、伸縮部28cがY方向以外の方向にぶれてしまい、対象物TにY方向に沿って押圧力を加え
ることが困難になる。その結果、対象物Tを精度良く保持することが困難となる。よって、W/Bは、0.5以上2以下であることが好ましい。
また、接触部28aは、対象物Tに接触する接触面Sを有する。接触面Sは、図6(b)に示すように、接触部28aをY方向に沿って下側からみたときの表面である。この接触面Sは、対象物Tと接触する部位において、例えば図8(a)に示すように、押し当て方向(Y方向)に対して垂直である。
また、接触面Sは、押し当て方向(Y方向)および該押し当て方向に直交する方向(X方向)のいずれにも垂直な方向(Z方向)に沿って傾斜していてもよい。例えば、図8(b)に示した接触面Sは、押し当て方向(Y方向)および該押し当て方向に直交するX方向のいずれにも垂直な方向(Z方向)において、吸着台2の表面から離れるにつれて対象物T側に突出するように傾斜している。接触面Sがこのように傾斜していると、接触面Sが対象物Tの端部に覆いかぶさるように位置することから、対象物Tが吸着台2から離れて浮いてしまうことを抑制し、対象物Tを精度良く位置決めすることができる。また、対象物Tが基板4から外れてしまうことを抑制することができる。一方、接触面Sの傾斜角度が大きくなりすぎると、接触面Sから対象物Tに対してY方向の押圧力が伝わりにくくなるため、この傾斜角度Mは、0度よりも大きく30度以下であるとより好ましい。
また、図9に示した保持部材28B’のように、接触面Sを対象物Tの外周面の形状に沿って曲面にすれば、面全体で対象物Tを押圧することができ、より精度良く、より確実に対象物Tを保持することができる。
以上のように保持部材28と当接部15とを用いた上記構成によれば、対象物Tの径方向の寸法がばらついていても、対象物Tは、保持部材28および当接部15によって安定的に固定され、吸着領域6内で回転することが抑制される。よって、上記構成によれば、対象物Tを吸着領域6内に高い位置精度で位置することができる。
また、上記保持部材28によれば、保持部材28の接触部28aをY方向に移動させるだけで、対象物Tを保持したり、取り外したりすることが可能であるため、対象物Tの設置作業が比較的簡単となる。
また、図10に示した保持部材28Cは、板バネである。この保持部材28Cは、一端が基板4、具体的には凹状の第1部位9の内壁に固定され、他端が開放されている。この構成では、他端が変位可能であり、吸着領域6に対象物Tを配置して固定するときは、その他端を対象物Tに近づけて当接させ、吸着領域6に対象物Tをはめ込むとき、および基板4から対象物Tを外すときには、その他端を対象物Tから離すことができる。保持部材28Cは、上記保持部材28A,28A’,28B,28B’と動作は少し異なるが、端部の位置を移動させることにより、対象物Tを保持したり、取り外したりすることが可能であるため、対象物Tの設置作業が比較的簡単である点で、保持部材28A,28A’,28B,28B’と同様の効果が得られる。ただし、対象物Tの回転を抑制し、より安定して固定できるという点では、保持部材28A,28A’,28B,28B’の方がより効果的であると考えられる。なお、図10では、矩形状の当接部15bの代わりに、2つの円柱状の当接部を用いた例を示している。
本実施の形態による吸着用部材1Aによれば、吸着領域6上に対象物Tが載置されたとき、その対象物Tを安定して吸着し、保持できる。ここで、吸着領域6は、吸着台2の吸引孔形成領域よりもサイズが小さい。よって、吸着用部材1Aによれば、吸着台2の吸引孔形成領域よりもサイズの小さい対象物Tを安定して吸着し、保持することができる。また、吸着用部材1Aを外して、吸着台2に設けられた全ての吸引孔2aを覆うように対象
物Tを配置して、それを吸着し、保持することも可能である。よって、本実施の形態による吸着用部材1Aを用いることにより、サイズの異なる対象物Tをそれぞれ安定して吸着し、保持することができる。
また、本実施の形態による吸着用部材1Aによれば、サイズの異なる対象物Tをそれぞれ高い位置決め精度で吸着台2上に吸着させることができる。また、吸着用部材1Aによれば、吸着用部材1Aを吸着台2に吸着させるだけで、吸着台2よりも小さい対象物Tを簡単に着脱することができる。
さらに、当接部15a,15bおよび保持部材28の位置関係が以下のようであると好ましい。図1から図3に示すように、基板4を平面視したとき、凹状部位9の外縁の一部は、所定の円の円周に沿っているものとする。そして、保持部材28の接触部28aを伸縮部28bの伸縮方向に沿って仮想的に開口部45に向かって直線的に延長してできる領域を仮想直線領域とすると、仮想直線領域と所定の円との交差部は、当接部材15aと当接部材15bとの間に位置している。この場合、接触部28aによって対象物Tを押圧したとき、対象物Tが当接部材15aおよび当接部材15bに押圧され、対象物Tを凹状部位9内により安定して配置することができる。
また、次のような構成であってもよい。まず、図1から図3に示すように、基板4を平面視したとき、凹状部位9の外縁の一部は、所定の円の円周に沿っているものとする。そして、対象物Tは円板状であるため、円柱状の当接部15aおよび矩形状の当接部15bとは、基板4を平面視したときに、それぞれ一点で接触するとみなすことができる。この場合に、基板4を平面視したとき、図11に示すように、上記所定の円の中心点C0と当接部15bが対象物Tと接触する部位C1とを結ぶ線と、所定の円の中心点C0と当接部材15aが対象物Tと接触する部位C2とを結ぶ線とは直角をなしていることが好ましい。
また、対象物Tが円板状であることから、保持部材28の接触部28aの接触面と対象物Tの外周面とは、平面視したときに、一点で接触する。よって、基板4を平面視したときに、保持部材28の接触部28aが対象物Tに接触する接触部位は、一点とみなすことができる。よって、当接部15bが対象物Tと接触する部位C1と所定の円の中心点C0とを結ぶ線と、所定の円の中心点C0と保持部材28の接触部28aが対象物Tに接触する接触部位C3とを結ぶ線とのなす角度は、当接部15aが対象物Tと接触する部位C2と所定の円の中心点C0とを結ぶ線と、所定の円の中心点C0と保持部材28の接触部位C3とを結ぶ線とのなす角度よりも大きいことが好ましい。これにより、円柱状の当接部15aよりも矩形状の当接部15bにかかる力が大きくなり、当接部15aの曲面からなる外周面よりも当接部15bの平坦な側面に対象物Tをより強く押し当てることなるため、保持部材28と当接部15a,15bとを用いて対象物Tをより安定して固定することができる。その結果、保持部材28を用いて対象物Tを当接部15a,15bに対して繰り返し当接しても、対象物Tと基板4との相対的な位置が変化しにくい。
なお、図9の保持部材28B’を用いた場合、円板状の対象物Tの外周面と保持部材28の接触部28aの接触面とが接触する部位は、平面視したときに曲線になる。この場合は、その曲線の中心点を、保持部材28が対象物Tに接触する接触部位とすればよい。
なお、上述した吸着用部材1Aと、吸着用部材1Aを載置するための吸着台2は、吸着装置を構成する。吸着装置は、さらに吸着台2の吸引孔2a内を減圧するための真空ポンプ(不図示)を有していてもよい。
なお、本実施の形態による吸着用部材1Aでは、対象物Tの形状は円形であるため、吸
着領域6も円形状である。ただし、図2に示すように、対象物Tが例えばシリコンウェハの場合、その向きを示すオリエンテーションフラット(以下、「オリフラ」と略す)が存在する。この場合は、吸着領域6の外周にもオリフラに対応する直線部分が存在してもよい。
吸着台2に設けられた貫通孔2bは、基板3又は対象物Tを載置する際に、突き上げピンが出てくる孔である。例えば、吸着台2上に基板4を載置する場合、貫通孔2bから突出した突き上げピンに基板4を一旦載せる。その後、突き上げピンを自動的に又は制御して下に移動させて貫通孔2b内に収める。これにより、基板4が吸着台2上に載置される。
吸着台2は、通常、半導体装置内に設置されている。この吸着台2に基板4等を載置する場合、自動で動くアーム等の搬送用治具により基板4が吸着台2まで運ばれる。このアームによって何ら損傷を与えることなく基板4を直接吸着台2に載置することは困難であるため、一旦基板4を突き上げピンに載せてから、その突き上げピンを沈めることにより、基板4を吸着台2上に載置する。
また、吸着台2の外周部に設けられた環状壁2cは、吸着台2上に基板4を載置して吸着を行う際に外部に気体が漏れることを抑制する。本実施の形態では、この環状壁2cと吸着台2と基板4の表面(吸着台2に対向する表面)とによって囲まれた閉ざされた空間を形成することができる。この空間内に存在する気体を、吸着台2に設けられた吸引孔2aおよび貫通孔10により吸引することにより、基板4および対象物Tを吸着台2上に吸着することができる。
なお、基板4は、吸着台2上に載置される側の被載置面が凹状に反っていることが好ましい。この場合は、突き上げピンを下降させて基板4を吸着台2に載置しようとするとき、基板4が平坦な場合よりも基板4の外周部を吸着台2の環状壁2cにより早く接触させることができる。これにより、環状壁2cと吸着台2と基板4の表面(吸着台2に対向する表面)とによって囲まれた空間内の気体の吸引をより早く開始することができるため、吸着台2に対する吸着用部材1Aの載置、吸着、取り外しのサイクルにかかる時間を短縮することができる。その結果、多数の基板4を取り替えて露光等の処理を行う際の処理のスループットを上げることができる。なお、上記凹状の反りは、例えば20μm〜100μmであることが好ましい。反り量があまり大きいと、吸着用部材1Aの吸着自体に時間がかかってしまうため、吸着を早く開始したメリットが減少する。反り量が100μm以下であれば、処理のスループットを高く維持することができる。このように反りを形成するためには、対象物Tが載置される載置面をブラスト加工する一方、吸着台2上に載置される側の被載置面を鏡面加工するなどして、載置面と被載置面とに内在される応力に差を生じさせればよい。これにより、被載置面に内在される応力を載置面に内在される応力よりも高くすれば、基板4は、被載置面が凹状に反った形状となる。
ところで、本実施の形態による吸着用部材1Aの基板4を形成する材質としては、セラミックスであることが好ましく、さらに、アルミナ質焼結体や炭化珪素質焼結体で形成することが好ましい。
アルミナ質焼結体は、高剛性でかつ高強度、高硬度の部品とすることができる。即ち、基板4のヤング率として280〜400GPa、3点曲げ強度として250〜500MPa、ビッカース硬度(Hv1)として、12〜18GPaの値をそれぞれ得ることができるので、基板4を、歪みが小さく、且つ傷の付きにくいものとすることができる。
また、基板4を、炭化珪素質焼結体を用いて形成した場合でも、アルミナ質焼結体を用
いて形成した場合のように、基板4を高剛性かつ高強度とすることができ、さらに高硬度および高熱伝導率とすることができる。よって、基板4を、歪みが小さく、且つ傷の付きにくいものとすることができ、さらに放熱効果も高いことから、さらに歪みや変形を低減することが可能となる。そして、基板4のヤング率として350〜500GPa、3点曲げ強度として450〜600MPa、ビッカース硬度(Hv1)として20〜23GPa、熱伝導率として60〜200W/(m・K)をそれぞれ得ることができる。
特に、基板4を炭化珪素質焼結体を用いて形成し、室温における熱伝導率を180W/(m・K)以上とすることができるものでは、対象物Tに局所的に熱が加わった場合でも放熱性が優れ、熱膨張に伴う対象物Tの歪みが生じにくく、半導体製造工程において露光の発熱による精度の悪化を低減することができる。
次いで、上述の基板4がセラミックスからなる場合に、基板4の製造方法について説明する。
(1)セラミック原料粉末の成形、焼成
基板4がアルミナからなる場合は、主成分であるアルミナ粉体に、所望の焼結助剤を添加して湿式混合し、噴霧乾燥してアルミナ粉体を得る。このアルミナ粉体を78MPa〜120MPaの成形圧でCIP、金型を用いた粉末プレス成形などの公知の成形方法にて成形する。得られた成形体を基板4に近似した所望の形状に切削加工する。この成形体を大気雰囲気中にて1500〜1700℃で焼成する。
基板4が炭化珪素からなる場合は、主成分である炭化珪素の粉末に、添加剤として少なくともホウ素の化合物及び炭素の化合物の粉末を添加した原料粉末を得る。この原料粉末を公知の成形方法を用いて成形して成形体を得る。成形体をAr等の不活性雰囲気中で焼成を行う。前記のようにして得られた成形体を真空中またはAr等の不活性雰囲気中で1900〜2100℃で焼結し、さらにボイドを低減する目的で、HIP処理することができる。
(2)焼結体の加工
上記のようにして作製した焼結体を加工する。基板4の厚み方向を研削して、所定の厚さにする。基板4の外径側の端面を加工する。また、端面が加工された焼結体に貫通孔10を形成する穴加工を施す。
次に、突起12、環状封止部34および凹状部位(第1部位9)を形成すべき面をブラスト加工して、複数の突起12、環状封止部34および第1部位9を形成する。ブラスト加工の前に、突起12および環状封止部34となるべき部分並びに凹部を形成しない部分には、予めブラスト加工を防止するためのマスク(非加工領域)を設けておく。
通常は、複数の突起12および環状封止部34の高さが不揃いになるので、ブラスト加工後に、複数の突起12の高さと環状封止部34の高さとを同一にするためのラップ加工を行う。
(3)凸状部材、保持部材の接合
次に、当接部15a,15bとなる凸状部材,保持部材28を基板4に接合する。これらは、上記(1)、(2)で基板4を作製した後、その基板4に接合してもよいし、上記(1)、(2)の工程を通じて、基板4とともに、基板4と一体的に形成してもよい。
(第3の実施の形態)
本発明の一実施形態に係る荷電粒子線装置は、図12に示すように、上記第1の実施形態
に係る吸着用部材を用いた吸着装置39と、吸着装置39上に載置されて吸着された対象物Tに荷電粒子線40を照射するための荷電粒子線源41とを有する。荷電粒子線40としては、電子ビーム、又はイオンビームなどを選択できる。荷電粒子線装置が例えば露光装置であるとき、荷電粒子線40は、電子ビームである。
また、荷電粒子線装置は、荷電粒子を出射する荷電粒子線源41の出射口および吸着装置39を内部に有する真空チャンバ42を有している。
次に、吸着用部材1Aの使用方法の一例を、図13のフローチャートを用いて説明する。ここでは、対象物Tを露光装置内で露光する場合を説明する。まず、吸着用部材1Aを準備し、基板4に設けられた吸着領域6に対象物Tを配置する。その際、図4に示した保持部材28であれば、保持部材28の引っ張り部28dを引くことにより、保持部材28の接触部28aが対象物TからY方向に離れて移動し、対象物Tを吸着領域6に配置ことができる。その後、引っ張り部28dを戻すことで、対象物Tを当接部5となる凸部に当接させる。これにより、対象物Tが吸着領域6上に固定される。
対象物Tを載置した吸着用部材1Aを露光装置の対象物取り込み口(不図示)に載置し、さらにこの取り込み口から吸着用部材1Aが搬送用治具等を用いて、露光装置内の吸着台2上に載置される。吸着台2の吸引孔2aを通して気体を吸引すると、基板4に設けた貫通孔10から気体が吸引される。その結果、環状封止部34に囲まれた吸着領域6内の気圧が低下し、対象物Tと基板4が吸着される。その後、対象物Tに刻印されたアライメントマーク(位置検知用の印)を検知して対象物Tの位置を正確に検知した後、対象物Tに荷電粒子線40を照射して対象物Tを露光することができる。
なお、同じ露光装置でも対象物Tに対して紫外光等の光を照射する光照射装置の場合、荷電粒子線源41は光源に置き換わり、対象物Tに電子ビームの代わりに光が照射される。
この場合、基板4は、照射光40に対する反射率が小さいことが好ましい。反射率が小さければ、対象物Tがサファイア基板などのように光透過性を有している場合でも、照射光40が対象物Tを通ってさらに基板4の表面で反射することを抑制できる。このため、ベース部材3の表面で反射した光が対象物Tの裏面(対象物Tのベース部材3側の面)に再び照射され、その結果、対象物Tの裏面が加工されることを抑制することができる。例えば、荷電粒子線40の波長が紫外光である場合、基体4は、明度の値が60以下の黒色アルミナからなる。
T:対象物
1A:吸着用部材
2:吸着台
2a:吸引孔
2c:環状壁
4:基板
6:吸着領域
8:吸着遮断領域
9:凹状部位
10:貫通孔(吸引用)
12:突起
15a,15b:当接部
28A,28A’,28B,28B’,28C:保持部材
28a:接触部
28b:固定部
28c:伸縮部
28d:引っ張り部
34:環状封止部

Claims (5)

  1. 複数の吸引孔が設けられた吸着台上に載置され、前記吸引孔による気体の吸引によって対象物を吸着する吸着用部材であって、
    前記吸着台上に着脱可能に載置される基板を有し、
    該基板は、前記対象物が載置され、前記吸引孔による吸引を可能にして前記対象物を吸着する吸着領域を含む凹状部位と、該吸着領域の外周に設けられ、前記複数の吸引孔の一部を覆う吸着遮断領域と
    前記吸着領域の外側に設けられ、前記対象物が前記吸着領域に載置されると該対象物が当接する、矩形状の第1当接部および円柱状の第2当接部と、
    前記対象物を前記第1当接部の側面および前記第2当接部に押し当てることにより、前記第1当接部および前記第2当接部との間で前記対象物を保持する保持部材とを有し、
    前記保持部材は、前記対象物に接触する接触部と、前記対象物を前記第1当接部および前記第2当接部に押し当てる方向に直交する方向において前記接触部の両側の位置で前記基板に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記対象物を前記第1当接部および前記第2当接部に押し当てる方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有し、
    前記基板を平面視した場合、前記凹状部位の外縁の一部は、所定の円の円周に沿っており、前記第1当接部と前記対象物の外周面とが当接する部位を第1接触部位とし、前記第2当接部と前記対象物の外周面とが接触する部位を第2当接部としたとき、
    前記所定の円の中心点と前記第1接触部位を結ぶ第1仮想線と、前記中心点と前記第2接触部位を結ぶ第2仮想線とは直角をなしており、
    前記接触部が前記対象物に接触する接触部位と前記中心点とを結ぶ線と、前記第1接触部位と前記中心点とを結ぶ線とのなす角度は、接触部位と前記中心点とを結ぶ線と、前記第2接触部位と前記中心点とを結ぶ線とのなす角度よりも大きい吸着用部材。
  2. 前記基板は、前記吸着台上に載置される側の被載置面が凹状に反っている請求項1に記載の吸着用部材。
  3. 複数の吸引孔が設けられた吸着台と、
    請求項1または2に記載の吸着用部材とを有する吸着装置。
  4. 請求項に記載の吸着装置と、該吸着装置上に載置されて吸着された対象物に光を照射する光源とを有する光照射装置。
  5. 請求項に記載の吸着装置と、該吸着装置上に載置されて吸着された対象物に荷電粒子線を照射する荷電粒子線源とを有する荷電粒子線装置。

JP2010220892A 2009-09-30 2010-09-30 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置 Active JP5606254B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010220892A JP5606254B2 (ja) 2009-09-30 2010-09-30 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置
US12/894,382 US8698099B2 (en) 2009-09-30 2010-09-30 Attraction member, and attraction device and charged particle beam apparatus using the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009226247 2009-09-30
JP2009226247 2009-09-30
JP2010220892A JP5606254B2 (ja) 2009-09-30 2010-09-30 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011097043A JP2011097043A (ja) 2011-05-12
JP5606254B2 true JP5606254B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=44113590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010220892A Active JP5606254B2 (ja) 2009-09-30 2010-09-30 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5606254B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014086472A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Sinfonia Technology Co Ltd クランプ装置及びワーク搬送ロボット
JP6594286B2 (ja) * 2016-11-14 2019-10-23 三菱電機株式会社 SiC半導体装置の製造方法
JP6913764B2 (ja) * 2017-12-19 2021-08-04 京セラ株式会社 押圧部材および基板保持具
JP7250525B2 (ja) * 2019-01-08 2023-04-03 キヤノン株式会社 ウエハ搬送用トレイ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02174245A (ja) * 1988-12-27 1990-07-05 Nippon Maikuronikusu:Kk 測定物の吸着法とそれに用いられる吸着板
JPH09283605A (ja) * 1996-04-09 1997-10-31 Canon Inc 基板の吸着保持装置およびその製造方法
JPH10261676A (ja) * 1997-03-17 1998-09-29 Sharp Corp 半導体のウエハテスト方法
JP2000091407A (ja) * 1998-09-08 2000-03-31 Yokogawa Electric Corp 基板の固定装置
JP3909981B2 (ja) * 1999-04-23 2007-04-25 株式会社 Sen−Shi・アクセリス カンパニー ウェハサイズコンバーションホルダー及びそれを用いたウェハの保持方法
JP2001068541A (ja) * 1999-08-26 2001-03-16 Tatsumo Kk 処理基板トレイ
JP2003258078A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Nikon Corp 基板支持装置及びそれを用いた搬送装置
US7408624B2 (en) * 2005-06-30 2008-08-05 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2011216538A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kyocera Corp 保持部材およびそれを用いたホルダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011097043A (ja) 2011-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI691006B (zh) 基板載體系統
JP5606254B2 (ja) 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置
JP2010166085A (ja) ウェハチャックおよびそれを用いた露光装置ならびに半導体装置の製造方法
JPWO2014188572A1 (ja) 基板保持方法及び装置、並びに露光方法及び装置
JP2006303125A (ja) 半導体製造装置および半導体装置の製造方法
JP6108803B2 (ja) 基板保持部材
TWI566325B (zh) A substrate holding device and a close contact exposure device and a proximity exposure device
US8698099B2 (en) Attraction member, and attraction device and charged particle beam apparatus using the same
KR20120085180A (ko) 워크 스테이지 및 이 워크 스테이지를 사용한 노광 장치
JP5597502B2 (ja) 吸着用部材およびこれを用いた吸着装置、並びに光照射装置および荷電粒子線装置
JP2009054723A (ja) 吸着部材、吸着装置および吸着方法
JP2011199303A (ja) 吸着部材、吸着装置および吸着方法
TW200402823A (en) Method and device for holding reticle and exposure device
US20100144147A1 (en) Sample holding tool, sample suction device using the same and sample processing method using the same
JP5305012B2 (ja) ワークステージ及びそのワークステージを備えた露光装置
JP4857239B2 (ja) ウェハ保持装置
CN102034732A (zh) 吸附用构件、使用其的吸附装置及带电粒子线装置
JP6376871B2 (ja) 密着露光装置
KR101017445B1 (ko) 처리장치 및 압력 상태 치환방법
JP2014203967A (ja) チャックテーブル
JP4106957B2 (ja) クランプ機構及び処理装置
JP2011216538A (ja) 保持部材およびそれを用いたホルダ
JP4447497B2 (ja) 基板保持具
JP6024698B2 (ja) 基板搬送用真空吸着アーム
JP2014241357A (ja) 基板保持装置、及び光学装置、及び基板保持方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140729

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140826

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5606254

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150