JP2011216538A - 保持部材およびそれを用いたホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の設置作業が比較的簡単であり、かつより確実に対象物を保持することができる保持部材を用いたホルダを提供する。
【解決手段】ホルダは、支持部と、該支持部に設けられた当接体と、支持部に設けられて、当接体に対象物を押し当てることにより、当接体との間で前記対象物を挟んで保持する保持部材とを有する。保持部材は、対象物に接触する接触部と、押し当て方向に垂直な方向において接触部の両側の位置で支持部に固定される複数の固定部と、接触部と複数の固定部とをそれぞれ接続し、押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物を保持するための保持部材およびそれを用いたホルダに関する。
半導体素子の製造工程において、半導体ウェハなどの試料(対象物)は、半導体製造装置内や半導体検査装置内で搬送され、支持台上に載置される。これらの搬送や載置は、自動で行われ、取り扱うことができる試料の大きさが決まっていることも多い。例えば、特許文献1には、自動搬送機構を備えた蛍光X線分析装置において搬送可能な試料ホルダが提案されている。この試料ホルダは、円板状の台座と、台座上に固定されて、小径試料の外周を保持するホルダとを備えており、破片や小径の標準試料を大径の試料と同様に取り扱えるとされている。
特開2000−9665号公報
しかしながら、従来の試料ホルダにおいて、環状の保持リングを用いて試料の外周全体を保持する形態では、試料の外周全体を保持リングに合わせて設置する必要があることから、試料を保持させる作業が煩雑であるという問題がある。また、試料の外周の一部を保持する形態では、設置作業は簡単になるが、保持力が小さくなるという問題がある。
よって、対象物の設置作業が比較的簡単であり、かつより確実に対象物を保持することができる保持部材およびそれを用いたホルダが求められている。
本発明の一態様に係るホルダは、支持部と、該支持部に設けられた当接体と、前記支持部に設けられて、前記当接体に対象物を押し当てることにより、前記当接体との間で前記対象物を挟んで保持する保持部材とを有するホルダであって、前記保持部材は、前記対象物に接触する接触部と、前記押し当て方向に垂直な方向において前記接触部の両側の位置で前記支持部に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有する。
本発明の一態様に係る保持部材は、支持部に設けられ、該支持部に設けられた当接体に対象物を押し当てることにより、前記当接体との間で前記対象物を挟んで保持する保持部材であって、前記対象物に接触する接触部と、前記押し当て方向に垂直な方向において前記接触部の両側の位置で前記支持部に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有する。
本発明の一態様によるホルダによれば、対象物の設置作業が比較的簡単であり、かつ対象物をより確実に保持することができる。
本発明の一態様による保持部材によれば、対象物の設置作業が比較的簡単であり、かつ対象物をより確実に保持することができる。
(a)は対象物を本発明の一実施形態に係るホルダで固定した状態を示す上面図であり、(b)は(a)の破線で囲まれた領域A1の部分拡大図である。 (a)は対象物を本発明の一実施形態に係るホルダによって固定した状態を示す上面図、(b)は(a)のX−X線部における断面図、(c)は(b)の破線で囲まれた領域A2の部分拡大図である。 吸着台、対象物、および本発明の一実施形態に係るホルダをそれぞれ離間させた状態で示した斜視図である。 (a)は保持部材の平面図、(b)は(a)の矢印D方向からみたときの側面図(下側面図)、(c)は(a)の矢印E方向からみたときの側面図(右側面図)である。 (a),(b)は保持部材の詳細な構成を説明するための平面図である。 (a),(b)は対象部の端部と保持部材の対象物との接触面との位置関係を示す断面図である。 対象物を本発明の他の実施形態に係るホルダで固定した状態を示す上面図である。 (a)−(d)は、保持部材のバリエーションを示す平面図である。 (a)は保持部材の平面図、(b)は(a)の矢印D方向からみたときの側面図(下側面図)、(c)は(a)の矢印E方向からみたときの側面図(右側面図)である。 (a),(b)は、保持部材の詳細な構成を説明するための平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1−図3に示すように、本実施形態によるホルダ1は、基板2と、基板2上に設けられた当接体3と、基板2上に設けられた保持部材4とを有する。保持部材4は、対象物Tを当接体3に押し当てることにより、当接体3と保持部材4との間で対象物Tを挟んで保持する。対象物Tは、例えばシリコンウェハであり、基板2は、例えばシリコンウェハを搬送する搬送装置に載置される支持基板である。以下では、基板2を搬送装置に載置される支持基板として説明する。
支持基板2は、例えば、図2に示すように、搬送装置に設けられた吸着台5に載置され、吸着および保持される。この場合、支持基板2は、対象物Tが載置される吸着領域6と、吸着領域6の外周に設けられた非吸着領域8とを有する。支持基板2は、吸着領域6において貫通孔10を有する。対象物Tは、吸着台5が貫通孔10を通して気体を排気することによって生じる吸引力により、支持基板2とともに吸着台5の吸着面上に吸着される。
なお、吸着台5は、気体を排気するための複数の排気孔11を有する。支持基板2の非吸着領域8は、複数の排気孔11の一部を覆い、排気孔11による排気を遮断する。よって、支持基板2の吸着領域6および非吸着領域8は、搬送する対象物Tの形状および大きさに合わせて、その形状および大きさを設定することができる。
基板2は、その表面が凹状である部位(以下、「凹状部位」ともいう。)12を有する。凹状部位12は、対象物Tが配置される部位と、保持部材4が配置される部位とを有する。なお、吸着領域6は、凹状部位12の対象物Tが配置される部位に対応している。
当接体3および保持部材4は、凹状部位12に設けられる。これにより、当接体3および保持部材4の基板2からの突出量を低減することができる。
保持部材4は、図5(a)に示すように、対象物Tに接触する接触部4aと、押し当て方向に垂直な方向において接触部4aの両側に位置する複数の固定部4bと、接触部4aと複数の固定部4bとをそれぞれ接続し、押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部4cとを有する。図5(a)に示した保持部材4では、接触部4aは、矩形状である。伸縮部4cは、接触部4aの長手方向における端部と固定部4bとを接続する。伸縮部4cは、固定部4bと接触部4aとの間で屈曲部を有し、押し当て方向(Y方向)に沿って伸縮可能である。具体的に、伸縮部4cは、固定部4bに接続された端部(以下、「第1端部」ともいう。)から押し当て方向に垂直な方向(X方向)に沿って延在し、U字状に屈曲し、再びX方向に沿って延在する。これをU字状部位とすると、U字状部位は、固定部4bに接続される端部とは異なる端部(以下、「第2端部」ともいう。)が、Y方向に沿って延在する部位(以下、「接続部」)を介して、接触部4aの端部に接続される。これにより、伸縮部4cは、Y方向に伸縮するばねのように作用する。なお、以下では、第1端部から屈曲する部位までX方向に延在する部位を「第1延在部」、屈曲した部位から第2端部までX方向に延在する部位を「第2延在部」ともいう。
固定部4bは、支持基板2、具体的には凹状部位12の内壁面に固定されている。接触部4aは、X方向に沿って2つの固定部4bの間に位置し、Y方向に沿って2つの固定部4bから等距離にある。接触部4aは、伸縮部4cの伸縮によって、Y方向に移動可能である。そこで、まず、力を加えて、接触部4aをY方向に沿って外側(吸着領域6から離れるように)に変位させ、吸着領域6内に対象物Tを配置する。その後、接触部4aに加えていた力を減少させ若しくは除去して、接触部4aが元の位置に戻ろうとする力を利用して、接触部4aをY方向に沿って内側に変位させる。そして、接触部4aを対象物Tに接触させて、対象物Tを当接体3a,3bに押し当てる。以上のようにして、保持部材4は、対象物Tを当接体3a,3bに押し当てて保持することができる。
上記構成によれば、対象物Tの径方向の寸法がばらついていても、対象物Tは、保持部材4および当接体3によって安定的に保持され、吸着領域6内で回転することが抑制される。よって、より確実に対象物を保持することができる。また、上記構成によれば、対象物Tを高い位置精度で配置することができる。
また、本実施形態による保持部材によれば、保持部材をY方向に移動させるだけで、対象物を保持したり、取り外したりすることが可能であるため、対象物の設置作業が比較的簡単である。
なお、保持部材4は、接触部4aをY方向に移動させるために、接触部4aに接続された引っ張り部4dを有する。引っ張り部4dは、X方向における2つの固定部4bの間において、接触部4aに接続される。また、引っ張り部4dは、孔部41を有する。この孔部41に、例えばピン状の引っ掛け部材の先端を挿入して引っ張り部4dをY方向に引っ張ることにより、接触部4aをY方向に沿って外側に変位させることができる。また、引
っ張り部4dに加えていた力を減少させ若しくは除去して、引っ張り部4dおよび接触部4aをY方向に沿って内側に変位させることができる。まお、引っ張り部4bは、図4および図5に示すように、Y方向において、接触部4aと固定部4bとの間に位置することが好ましい。この構成であれば、保持部材4をより小型化することができる。
孔部41は、その中心が、Y方向に沿って、上記第2延在部の第1延在部側の外縁から接触部4a側に位置することが好ましい。孔部41をそのような位置に設けると、孔部41に引っ掛け部材の先端を挿入してY方向外側に接触部4aを引っ張った場合に、接触部
4aが浮いてしまうこと、すなわちX方向およびY方向に垂直な方向(Z方向)に移動することを効果的に抑制することができる。より好ましくは、孔部41は、接触部4aに設けるか、若しくは引っ張り部4dにおいてY方向に沿って接触部4aにより近い位置に設けるとよい。そのような位置に設けると、孔部41に引っ掛け部材の先端を挿入してY方向外側に接触部4aを引っ張った場合に、接触部4aが浮いてしまうことをより効果的に抑制することができる。しかし、接触部4aは、対象物Tに接触する部位であるため、剛性等の問題から、Y方向の距離(幅)を小さくする場合も考えられる。その場合は、接触部4aに孔部41を設けること自体が困難であるため、引っ張り部4dに設けても差し支えない。また、引っ張り部4dも、上述の剛性等の問題から、接触部4aに近い部位は、X方向における幅を小さくしなければならない場合がある。その場合は、引っ張り部4dにおいて、孔部41を設けても保持部材41の動作に問題ない部位に設ければよい。
さらに、保持部材4は、図5(b)に示すように、接触部4aの長さをL、接触部のY方向における距離(幅)をWとすると、例えば、W/Lが0.05以上0.07以下であることが好ましい。この関係にあると、引っ張り部4dに対してY方向に力を加えたときに、接触部4aが引っ張り部4dに追従してY方向に変位しやすくなる。
また、W/Lが小さすぎると、接触部4aによって対象物Tに働く押圧力が小さくなって対象物Tを精度よく保持することが困難になり、W/Lが大きすぎると、接触部4aによって対象物Tに働く押圧力が大きくなり、対象物Tの変形又は破損を招く場合がある。よって、W/Lは、0.05以上0.07以下であることが好ましい。
また、伸縮部4cの接続部の幅をBとすると、W/Bは、0.5以上2以下であることが好ましい。W/Bが小さすぎると、接触部4aの変位量が小さくなり、接触部4aによって対象物Tに働く押圧力が小さくなるため、対象物Tを精度良く保持することが困難となる。また、W/Bが大きすぎると、伸縮部4cの変形が大きくなりすぎて、伸縮部4cがY方向以外の方向にぶれてしまい、対象物TにY方向に沿って押圧力を加えることが困難になる。その結果、対象物Tを精度良く保持することが困難となる。よって、W/Bは、0.5以上2以下であることが好ましい。
保持部材4は、対象物Tを損傷しないように、対象物Tよりも硬度の低い材質からなることが好ましい。硬度は、例えば、ビッカース硬度である。ビッカース硬度は、JIS
(日本工業規格)Z 2244:2009に基づいて測定される。
また、保持部材4は、半導体材料からなってよく、樹脂または酸化ジルコニウムセラミックスからなってもよい。保持部材4の材質が半導体材料であると、この保持部材4によって静電気を逃がすことができる。これは、保持部材4を露光装置内に搬送する可能性がある場合に、特に有用である。また、保持部材4の材質が樹脂または酸化ジルコニウムセラミックスであると、対象物Tがシリコンウェハの場合、保持部材4が対象物Tに接触して摩耗したとしても、その磨耗屑は金属ではないため、対象物Tに悪影響が及ぶことを抑制できる。特に、酸化ジルコニウムセラミックスは摩耗しにくいため、対象物Tに摩耗物が付着することを抑制することができる。さらに、保持部材4は、熱伝導率がよい材質からなることが好ましい。
対象物Tがシリコンウェハの場合に、上記条件を満たす材質は、例えば、対象物Tがシリコンウェハの場合、ポリカーボネイト樹脂等がある。
当接体3は、凹状部位12の内側に、対象物Tが吸着領域6に配置された場合に対象物Tの側面が当接されるように設けられている。当接体3の個数及び形状は限定されないが、本実施の形態によるホルダ1では、円柱状の凸部からなる当接体3aおよび矩形状の凸
部(当て板)からなる当接体3bが1つずつ設けられている(特に区別しないときは、単に「当接体3」という。)。ホルダ1においては、当接体3bを矩形状とし、その平坦な側面に対象物Tの側面を当接させるようにしたことから、対象物Tをより正確に、かつより安定的に支持基板2に保持することができる。当接体3は、支持基板2に固定されていることが好ましく、支持基板2と一体的に形成されていることがより好ましい。
図1−図3に示した支持基板2では、上面視したときに、吸着領域6が、略円形である。具体的には、吸着領域6は、中心点をC0とする円形の外周の一部が直線となった形状である。この直線となっている部分は、当接体3a,3bの側面に沿った部分である。ここで、当接体3aの側面に沿った部分を第1直線部分14a,当接体3bの側面に沿った部分を第2直線部分14bとすると、第2の直線部分14bは、第1の直線部分14aよ
りも距離が長い。そして、円の中心点C0と第1の直線部分14aの中心点C1とを結ぶ直線、並びに円の中心点C0と第2の直線部分14bの中心点C2とを結ぶ直線は直角をなしている。
また、第1の直線部分14aの中心点C1、円の中心点C0、および保持部材4のX方向における中心点のなす角度は、第2の直線部分14bの中心点C2、円の中心点C0、および保持部材4のX方向における中心点のなす角度よりも小さいことが好ましい。これにより、第1の直線部分14aよりも長い第2の直線部分14bにかかる力が大きくなるため、対象物Tをより安定して位置決めすることができる。その結果、保持部材4を用いて対象物Tを当接部3a,3bに対して繰り返し当接しても、支持基板2における対象物Tの位置が変動しにくい。この記構成は、支持基板2上に対象物Tを精度良く位置決めしたい場合に特に有効である。
また、接触部4bは、対象物Tに接触する接触面Sを有する。接触面Sは、図4(b)に示すように、接触部4bをY方向に沿って下側からみたときの表面である。この接触面Sは、対象物Tと接触する部位において、例えば図6(a)に示すように、押し当て方向(Y方向)に対して垂直である。
また、接触面Sは、押し当て方向(Y方向)および該押し当て方向に垂直な方向(X方向)のいずれにも垂直な方向(Z方向)に沿って傾斜していてもよい。例えば、図6(b)に示した接触面Sは、押し当て方向(Y方向)および該押し当て方向に垂直なX方向のいずれにも垂直な方向(Z方向)において、支持基板2の表面から離れるにつれて対象物T側に突出するように傾斜している。接触面Sがこのように傾斜していると、接触面Sが対象物Tの端部に覆いかぶさるように位置することから、対象物Tが支持基板2から離れて浮いてしまうことを抑制し、対象物Tを精度良く位置決めすることができる。また、対象物Tがホルダ1から外れてしまうことを抑制することができる。一方、接触面Sの傾斜角度が大きくなりすぎると、接触面Sから対象物Tに対してY方向の押圧力が伝わりにくくなるため、この傾斜角度Pは、0度よりも大きく30度以下であるとより好ましい。
以下では、対象物Tが支持基板2とともに吸着台5に吸着される場合について、その構成および動作を説明する。吸着領域6には、複数の突起16が設けられている。複数の突起16の高さは同じである。各突起16は、支持基板2において表面が凹状でないその他の部位の表面と同じ高さになるように設けられる。対象物Tは、複数の突起16の頂部に接触しながら吸着される。
また、支持基板2は、吸着領域6の外周に環状封止部6aを有している。ここで、環状封止部6aとは、環状壁である。そして、環状封止部6aの高さは、好ましくは、吸着領域6に設けられた突起16の高さと同じである。図1(c)に示すように、環状封止部6aは、突起16とともに、対象物Tを支持する。環状封止部6aは、対象物Tの一方主面
(支持基板2に対向する表面)の外周部と当接する。この構成により、対象物Tの一方主面、吸着領域6の表面(対象物Tに対向する表面)、および環状封止部6aで囲まれる領域を閉ざされた空間にすることができる。よって、貫通孔10を通して空間内に存在する気体を排気して吸引力を発生させ、その吸引力を効果的に対象物Tへ伝えることができる。なお、図1(a)のX−X線における断面において、本来貫通孔10は存在しないが、支持基板2を平面透視したときに、環状封止部6aの内側に貫通孔10が存在することを示すために、図1(c)に貫通孔10を点線で示している。
以上のように、対象物Tが支持基板2に保持され、支持基板2が吸着台5に吸着されることにより、対象物Tを搬送装置に保持して搬送することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施の形態によるホルダ21は、保持しようとする対象物Tの形状が異なる。本実施形態によるホルダ21では、保持しようとする対象物Tの形状は、四角形状であり、角部を有している。なお、ホルダ1と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。ここでは、特にホルダ1と異なる構成について説明する。
支持基板2の吸着領域6は、対象物Tの形状に合わせて四角形状となっている。また、保持部材4は、図7および図8(b)に示すように、接触面Sの中央部に凹部42を有する。この凹部42は、対象物Tを当接体3に押し当てる際に、対象物Tの角部を収容する。また、保持部材4の弾性力により、対象物Tの角部は、凹部42の側面によって押圧される。
凹部42は、接触面Sの一部を切り欠いたものであり、その形状は、収容しようとする対象物Tの角部の形状に合わせることが好ましい。例えば、本実施形態によるホルダ21では、保持しようとする対象物Tが四角形状であるため、保持部材4を平面視したときに凹部42の形状は、三角形の頂点が丸みを帯びた形状をしている。凹部42がこのような形状をしていると、対象物Tの角部をより確実に押圧することができる。さらに、ホルダ21では、保持しようとする対象物Tがほぼ正方形であるため、上記三角形は二等辺三角形であることが好ましい。すなわち、図10(b)に示すように、保持部材4を平面視したときに、凹部42の側面のなす角度Fは90°であることが好ましい。この場合、対象物Tの角部と、凹部42の形状がより近いものとなり、凹部42が対象物Tの角部をより確実に押圧することができる。
上述したように、保持部材4の接触面Sに凹部42を設けることにより、対象物Tの角部が凹部42に収容され、凹部42の側面によって対象物Tが押圧される。第1の実施形態によるホルダ1では、保持部材4の接触面Sは、対象物Tの曲面に接していたため、平面視したときに、接触面Sは1点で対象物Tを押圧する。しかし、本実施形態によるホルダ21では、接触面Sは、少なくとも2点で対象物を押圧することができる。これにより、保持部材4は、対象物Tをより精度良く、より確実に保持することができる。
なお、上述の説明において、凹部42は、三角形の頂点が丸みを帯びた形状をしていると説明したが、必ずしも丸みを帯びている必要はなく、通常の三角形の頂点のように角部を有していてもよい。しかし、三角形の頂点が丸みを帯びていると、対象物Tの角部が凹部42の底部に接触することを抑制することができるため、対象物Tの損傷を抑制できる。また、三角形の頂点が丸みを帯びていると、凹部42の変形の自由度があがるため、凹部42の側面が対象物Tを押圧する押圧力をより大きくすることができ、好ましい。
また、上記効果を奏する凹部42の形状は、次のように記載することもできる。すなわ
ち、凹部42は、底部に位置する第1部分と、開口部から第1部分に向かって側面が傾斜している第2部分とを有し、第1部分の底面が曲面である。また、上記効果をより効果的にするために、凹部42の形状は、例えば、図8(c)に示すような形状であってよい。図8(c)の凹部42は、第1部分の底面が曲面であって、その曲率が図8(b)よりもさらに大きい。
また、図1のホルダ1では、平面視したときに、保持部材4の接触面Sは1点で対象物Tを押圧しているが、図8(d)に示すように、保持部材4の接触面Sを対象物Tの外周部の形状に沿って曲面にすれば、面全体で対象物Tを押圧することができ、より精度良く、より確実に対象物Tを保持することができる。
なお、本発明のホルダは、上述した実施形態に限られない。例えば、保持部材4の伸縮部4cは、U字状部位を必ずしも有している必要はなく、Y方向に伸縮可能であれば任意の形状であってよい。また、伸縮部4cの屈曲する部位も1つであっても複数であってよい。
また、上述の説明では、保持部材4および当接体5を支持基板2上に設けたが、保持部材4および当接体5を取り付けることができれば、支持部の形態はどのようなものであってもよい。例えば、支持部が環状の部材であって、その環状部材の内周面に取り付けられた当接体5と該当接体5に対向する位置に取り付けられた保持部材4とで、対象物Tを挟んで保持する形態であってもよい。
なお、上述の説明では、保持部材4および当接体5を、支持基板2を含む支持部に設け
て、その支持部を搬送装置に載置する構成としたが、保持部材4および当接体5を搬送装置に直接取り付けて、対象物を直接搬送装置に載置することも可能である。
また、上述の説明では、保持部材およびホルダをシリコンウェハの保持に用いたが、液晶基板又はLED基板等のその他の基板の保持、顕微鏡等のプレパラートの保持、並びに血液や試薬などのサンプリングの保持などにも利用可能である。
T:対象物
1,21:ホルダ
2:基板
3,3a,3b:当接体
4:保持部材
4a:接触部
4b:固定部
4c:伸縮部
4d:引っ張り部
5:支持台
41:孔部
42:凹部

Claims (10)

  1. 支持部と、該支持部に設けられた当接体と、前記支持部に設けられて、前記当接体に対象物を押し当てることにより、前記当接体との間で前記対象物を挟んで保持する保持部材とを有するホルダであって、前記保持部材は、前記対象物に接触する接触部と、前記押し当て方向に垂直な方向において前記接触部の両側の位置で前記支持部に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有するホルダ。
  2. 前記支持部は、前記対象物が載置される支持基板である請求項1に記載のホルダ。
  3. 前記接触部は、前記対象物に接触する接触面の中央部に凹部を有する請求項1又は2に記載のホルダ。
  4. 前記凹部は、その側面に傾斜した部位を有する請求項3に記載のホルダ。
  5. 前記凹部は、底部に位置する第1部分と、開口部から前記第1部分に向かって側面が傾斜している第2部分とを有し、前記第1部分の底面が曲面である請求項3又は請求項4に記載のホルダ。
  6. 前記伸縮部は、前記押し当て方向において前記接触部と前記固定部との間に屈曲部を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載のホルダ。
  7. 前記屈曲部は、U字形状である請求項6に記載のホルダ。
  8. 少なくとも前記接触部は、半導体材料からなる請求項1から請求項7のいずれかに記載のホルダ。
  9. 前記接触部は、前記対象物に接触する接触面が、前記押し当て方向および該押し当て方向に垂直な方向のいずれにも垂直な方向において傾斜しており、その傾斜角度が0度よりも大きく30度未満である請求項1から請求項8のいずれかに記載のホルダ。
  10. 支持部に設けられ、該支持部に設けられた当接体に対象物を押し当てることにより、前記当接体との間で前記対象物を挟んで保持する保持部材であって、前記対象物に接触する接触部と、前記押し当て方向に垂直な方向において前記接触部の両側の位置で前記支持部に固定される複数の固定部と、前記接触部と前記複数の固定部とをそれぞれ接続し、前記押し当て方向に伸縮可能な複数の伸縮部とを有する保持部材。
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