JP5300362B2 - 現像装置及びそれを用いた現像方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を利用した記録方法において像担持体上に形成された潜像を現像して顕像化するための現像装置及び現像方法に関するものである。
電子写真画像の高画質化への要求に対応すべく、磁性トナーを用いた現像剤においてトナー粒子の小粒径化及び微粒子化が進んでいる。このような粒径の小さいトナー粒子は単位質量当たりの表面積が大きくなるため、現像工程時に表面電荷が大きくなりやすく、現像性が損なわれてしまう課題がある。また、トナーの消費量を低く抑えるべく、トナーの形状を球形に近づけるトナーが用いられてきている。このような球形化されたトナーでは、粉砕しただけのトナーに比べ表面が平滑化されており、磁性体が内包化されやすいことから、その摩擦帯電量が高くなりすぎたり不安定化したりする傾向にある。その結果、スリーブゴーストや濃度ムラの如き画像不良が発生しやすい傾向にある。また、高画質への更なる要求に答えるため、磁性トナーの磁力を低下させた現像剤も用いられている。しかしながら、磁力を低下させたトナーも、過剰な帯電を起こし易く高画質との両立が難しくなっている。
また、高画質化へのアプローチは現像条件からも行われている。現像剤担持体と感光ドラムの間に発生する電界強度を強めることで、トナーへの摩擦帯電付与を促進して高画質を達成することができる。しかし、電界強度を強め過ぎると、トナーの摩擦帯電付与が過剰となり現像剤担持体上にブロッチが発生しやすくなる。このため、現像条件からも安易に高画質化を達成することが困難となっている。
これらの課題を解決する方法として、特許文献1、特許文献2においては、樹脂中に鉄粉に対して正帯電性である第四級アンモニウム塩を、現像スリーブ上に設けた導電性被覆層中に添加することが提案されている。これらの方法により、球形化処理されたトナーや重合法によって製造されたトナーの、過剰な帯電はある程度軽減されている。しかしながら、樹脂層中での導電性粒子の分散性が不十分で、均一な体積抵抗が得られにくく、高画質化を達成するためのトナーの均一帯電が不十分である。また、樹脂と第四級アンモニウム塩が常温で反応し易く、樹脂層を形成するための塗料は、保存で物性が変化して長期に渡り安定的に使いこなすことが難しい。
一方、トナー粒子からも過剰な帯電を防ぐ方法が検討されている。磁性トナー粒子中には微粉末状の磁性酸化鉄粒子が相当量混合分散されているが、磁性酸化鉄粒子は、着色剤としての作用と同時に磁性トナーの摩擦帯電特性にも影響を及ぼす。すなわち、磁性酸化鉄粒子は、摩擦帯電付与を緩和するためのリークポイントとして作用するため、磁性酸化鉄粒子の電気特性や分散性は磁性トナーの電気特性に影響する。そのため、従来から磁性トナー粒子に含有される磁性酸化鉄粒子に関して数々の提案が行われている。
磁性酸化鉄粒子、特に、マグネタイト粒子の如き2価の鉄原子或いはFeO(以後、Fe(2+))を含有する磁性酸化鉄粒子の黒色度は、Fe(2+)の存在状態に左右される。しかしながら、この磁性酸化鉄粒子中のFe(2+)含有量は製造後の酸化による経時劣化が進むにつれ低下し、その結果、黒色度が劣化し赤味が強くなり、帯電特性も変化する。
特許文献3,4,5では、磁性酸化鉄粒子全体に対して、Fe(2+)の量を増量させる技術が開示されている。しかしながら、このような磁性酸化鉄粒子を用いた場合、還元処理を施したり、表面に微細構造を有したり、また酸素欠陥型の磁性酸化鉄粒子を用いているため、製造直後の黒色度は高く画質は良いものの、経時劣化に弱く、安定性に乏しい。そのため長期に渡りドキュメントが保存されるような用途においては黒色度の劣化が生じ易く好ましくない。
特許文献6では、導電性樹脂層を有する現像剤担持体と誘電率を規定したトナーの組み合わせが開示されている。しかし、この組み合わせで更なる高画質を目指して摩擦帯電を高めに安定させようとすると、ブロッチが発生しやすく十分であるとは言い難い。
以上のように、プリント画像の高画質化、長期使用に渡るトナーの摩擦帯電制御を両立するためには、従来技術だけで十分とは言えず、更なるレベルアップが必要である。特に繰り返し複写又は長期間の使用に伴う現像特性の向上を目的とした改善が望まれている。
特開2003−57951号公報 特開2002−311636号公報 特許第2992907号公報 特許第3239220号公報 特開2001−002426号公報 特開2005−134750号公報
以上説明したように、従来例において、高画質化を達成するトナー及び現像剤担持体の提案は数多くあるものの、トナーの摩擦帯電量を高めで均一に安定して維持させる手段は、いまだ充分に行われているとは言い難い。従って、高画質化を達成するために、現像剤の摩擦帯電量を高く均一に、かつ安定して保持させる現像装置の改善が課題となっている。
本発明の目的は、上記問題点を解消した現像装置及び現像方法を提供することにある。即ち、本発明の目的は、現像性が良好で、高品位の画像を耐久においても安定して得られ、ブロッチの如き問題点の発生を抑制できる現像装置及び現像方法を提供することにある。
本発明の課題は、以下の手段により達成される。
即ち、感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層規制手段とを有する現像装置において、
該現像剤担持体は、基体と、該基体上に形成された表面層としての導電性樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有し、
該導電性樹脂層は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有している樹脂(A)と、下記式(1)で示される第四級ホスホニウム塩と、導電性微粒子とを含む樹脂組成物を用いて形成されてなるものであって、かつ、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性が負極性であり、
(式中、R1乃至R3は、それぞれ独立して、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上4以下のアルキル基のいずれかであり、R4は、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基、置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上16以下のアルキル基のいずれかであり、X-は、ハロゲンイオン、OH-及び有機酸又は無機酸イオンの中から選ばれる陰イオンを示す。)
該現像剤は、負帯電性の一成分磁性現像剤であって、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナー粒子を有し、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化量が20.0Am2/kg以上40.0Am2/kg以下であり、かつ
該磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であることを特徴とする現像装置である。
また、上記の現像装置を用いて、前記感光ドラムに対向する現像領域へ現像剤を搬送し、該搬送された現像剤により前記感光ドラム上に形成された静電潜像を現像して可視化することを特徴とする現像方法である。
本発明によれば、ブロッチの発生を抑制すると共に、トナーの摩擦帯電を安定して高く、かつ分布をシャープ化することができる。その結果、多数枚のプリントにおいても、尾引き、飛び散りの少ない高画質を安定して得ることが可能となる。
本発明に係る現像装置は、感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層規制手段とを有している。本発明に係る現像方法は、上記本発明に係る現像装置を用いて、前記感光ドラムに対向する現像領域へ現像剤を搬送し、該搬送された現像剤により前記感光ドラム上に形成された静電潜像を現像して可視化する。
<現像剤担持体について>
本発明に係る現像装置に具備されている現像剤担持体は、基体と、該基体上に形成された表面層としての導電性樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有している。
導電性樹脂層は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有する樹脂(A)と、下記式(1)で示される第四級ホスホニウム塩と、導電性微粒子とを含有している樹脂組成物を用いて形成されてなる。かつ、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性が負極性である。
式中、R1乃至R3は、それぞれ独立して、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上4以下のアルキル基のいずれかである。R4は、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基、置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上16以下のアルキル基のいずれかである。アルケニル基の炭素数は、2以上16以下が好ましい。アルキニル基の炭素数は、2以上16以下が好ましい。また、R1乃至R4の少なくとも3つの官能基が、置換基を有しても良いブチル基、置換基を有しても良いフェニル基又は置換基を有しても良いベンジル基であることが好ましい。この場合、導電性樹脂層中での導電性微粒子の分散性もより向上し、樹脂(A)に対する第四級ホスホニウム塩の分散均一性が向上する傾向にある。その結果、トナーに均一で高い負帯電性を安定して付与することが可能となり、本発明では好ましく用いられる。
式(1)におけるX-は、ハロゲンイオン、OH-及び有機酸又は無機酸イオンの中から選ばれる陰イオンを示す。有機酸又は無機酸イオンとしては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオン等が挙げられる。特に、X-がハロゲンイオンであることが、樹脂(A)に添加した場合の摩擦帯電安定性がより向上する傾向にあり好ましい。表1に、本発明に好適に用いられる第四級ホスホニウム塩を列記するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
更に、導電性樹脂層は、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性が負極性である。一般的に、第四級ホスホニウム塩は正帯電性トナーの摩擦帯電量を高めるための荷電制御剤として用いられている。従って、第四級ホスホニウム塩を現像剤担持体の樹脂層に含有させた場合、樹脂層の正帯電性が高まり、トナーの負極性を高める効果がある。しかし、上記した第四級ホスホニウム塩と特定の構造を有する樹脂(A)とを含む樹脂組成物を用いて形成した導電性樹脂層は、当該樹脂と第四級ホスホニウム塩との相互作用によって導電性樹脂層が、トナーへの負帯電性付与を抑制する方向に働く。その結果、負帯電性トナーの過剰な摩擦帯電を抑制することが可能となる。また、これにより、現像剤担持体上でのトナーのチャージアップを防ぎ、トナーの摩擦帯電性を高く且つ安定して保持することが可能となり、その結果、飛び散り画像や尾引き画像が良化した高精細な画像を提供することが可能となる。
本発明に係る導電性樹脂層が係る挙動を示す理由は明らかではないが、次のように考えられる。まず、上記したような第四級ホスホニウム塩は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合の少なくとも1つを含む樹脂(A)に添加すると均一に分散される。そして、その樹脂組成物を加熱、硬化させて架橋させた際に、−NH2基、=NH基及び−NH−結合と何らかの相互作用を及ぼし、第四級ホスホニウム塩が樹脂骨格中に取り込まれるものと推測している。そして、その結果、第四級ホスホニウムイオンのカウンターイオンの摩擦帯電極性が発現するようになり、樹脂被覆層としては、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子に対する摩擦帯電極性が負極性となるものと考えられる。
本発明者らは、樹脂層の摩擦帯電性を鋭意検討した結果、ポリメチルメタクリレート樹脂に被覆されたキャリアと導電性樹脂層が接触した時、導電性樹脂層が負極性になることにより、負帯電性トナーの過剰な摩擦帯電を抑制することを見出した。一方、ポリメチルメタクリレート樹脂に被覆されたキャリアと導電性樹脂層が接触した時、導電性樹脂層が正極性となると、負帯電性トナーがチャージアップし、ブロッチの発生を誘発してしまう可能性があることを見出したのである。
本発明で用いる第四級ホスホニウム塩は、−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有する樹脂(A)に対する相溶性が高い。そのため、樹脂中に均一に存在し易く、更に常温で樹脂(A)との反応性が低いので、安定性に優れ、導電性樹脂層中での導電性微粒子の均一分散化も促進させる。その結果、現像剤担持体として使用した際にブロッチの発生を抑制する効果が大きいため、電界強度を上げて現像剤の帯電量を高め、画質を向上させることが可能である。
導電性樹脂層中に含有される第四級ホスホニウム塩は、現像剤担持体表面からの研削やクロロホルムの如き溶媒による抽出で採取したサンプルを、GC−MSで測定することにより第四級ホスホニウム塩の存在を検出することが可能である。
導電性樹脂層に用いる結着樹脂としては、現像剤担持体の導電性樹脂層に使用されている公知の−NH2基、=NH基及び−NH−結合を有する樹脂(A)が使用可能である。好ましくは、以下の樹脂が挙げられる。その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドを硬化剤として用いたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、或いはこれらの樹脂を一部に含んだ共重合体。これらの樹脂は基体との密着性や耐摩耗性にも優れているばかりでなく、トナーに対して適度な摩擦帯電を付与することができる。更に、上記樹脂は他の樹脂やプレポリマー、重合体と架橋反応させて変性することによって、耐摩耗性の更なる向上を図ることが可能である。特に本発明においては、十分な機械的強度を有する熱硬化性樹脂であることが耐久性を向上する点で好ましい。
帯電性の面から中でも、特に、−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有するフェノール樹脂を特に好ましく使用できる。フェノール樹脂が、−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有するためには、フェノール樹脂の製造工程において、触媒としてアンモニアの如き含窒素化合物を用いて製造されることが好ましい。含窒素化合物は、反応終了後においてもフェノール樹脂中に存在する。例えば、アンモニア触媒の存在下にて重合された場合は、アンモニアレゾールと呼ばれる中間体が生成されることが一般的に確認されており、反応終了後においても、式(2)のような構造としてフェノール樹脂中に存在する。
含窒素化合物は、酸性触媒、塩基性触媒のいずれでもよい。例えば、酸性触媒としては、次のものが挙げられる。硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、スルファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウムの如きアンモニウム塩又はアミン塩類。塩基性触媒としては、次のものが挙げられる。アンモニア;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンの如きアミノ化合物;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンの如きピリジン及びその誘導体;キノリン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールの如きイミダゾール及びその誘導体の如き含窒素複素環式化合物。
樹脂(A)は、IR(赤外吸収分光法)やNMR(核磁気共鳴分光法)の如き測定装置で測定することにより、その構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有していることを分析することが可能である。
また、現像剤担持体の導電性樹脂層は、樹脂(A)100質量部に対して第四級ホスホニウム塩を1質量部以上60質量部以下含有することが好ましく、5質量部以上40質量部以下がより好ましい。第四級ホスホニウム塩の含有量が1質量部以上であれば、ブロッチの発生の抑制と、画質の良化を可能とする。また、第四級ホスホニウム塩の含有量が60質量部以下であれば、現像剤担持体の導電性樹脂層が十分な耐摩耗性維持したままブロッチの発生を抑制することが可能となる。
本発明に用いられる現像剤担持体は、導電性樹脂層の抵抗値を調整するために、導電性微粒子を導電性樹脂層中に含有していることを特徴としている。この際に使用される導電性付与粒子としては、例えば以下のものが挙げられる。アルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属の微粉末;酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウムの如き導電性金属酸化物;結晶性グラファイト;各種カーボンファイバー;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックの如き導電性カーボンブラック;金属繊維。これらの混合物でもよい。
導電性カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。また塗料にした場合のチキソ性効果により分散安定性・塗工安定性も良好となる。
結晶性グラファイトは、導電性に優れることに加え、導電性樹脂層に添加することにより表面潤滑性が増し、導電性樹脂層の耐トナー汚染性が向上するので好ましい。
導電性微粒子の添加量は、その粒径によっても異なるが、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上100質量部以下の範囲とすることが好ましい。1質量部以上であれば導電性樹脂層の低抵抗化と高潤滑性を向上することが可能となり、100質量部以下であると、導電性樹脂の強度(摩耗性)を大きく低下させることなく、抵抗値を好適に下げることが可能となる。
本発明の現像剤担持体上に形成される導電性樹脂層の体積抵抗値としては、1×10-1Ω・cm以上1×103Ω・cm以下であることが好ましく、1×10-1Ω・cm以上1×102Ω・cm以下であることがより好ましい。体積抵抗値が1×10-1Ω・cm以上もしくは1×103Ω・cm以下であれば、現像剤担持体の抵抗調整が容易となる。
次に、本発明に用いられる導電性樹脂層に含有させることのできる凹凸付与粒子について説明する。
本発明の導電性樹脂層中には、必要に応じ導電性樹脂層の表面に凹凸を形成するための凹凸付与粒子を含有させることができる。このような凹凸付与粒子として以下のものが挙げられる。ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの如きビニル系重合体や共重合体;ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂の如き樹脂粒子;アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫の如き酸化物粒子;炭素粒子;導電処理を施した樹脂粒子の如き導電性粒子。その他、例えばイミダゾール化合物のような有機化合物を粒子状にしてものを用いることも可能である。この場合にイミダゾール化合物は、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
また、凹凸付与粒子として用いる球状樹脂粒子表面に対して無機微粉末で処理することにより、塗料中への分散性、塗工表面の均一性を向上でき、トナーへの摩擦帯電付与性、現像剤担持体表面の耐汚染性や耐摩耗性及び機械的強度を向上させることができる。ここで規定する球状粒子とは、電子顕微鏡の観察像から測定した長径/短径比が、平均で1.0乃至1.2である粒子とする。
凹凸付与粒子として導電性の球状粒子を用いることもできる。このような条件を満たす導電性球状粒子として、球状炭素粒子、導電性物質で表面処理された球状樹脂粒子、導電性微粒子が分散された球状樹脂粒子が挙げられる。球状粒子に導電性を持たせることによって、導電性樹脂層の体積抵抗が均一化され、均一にトナーの摩擦帯電を制御させることができる。
球状粒子の導電性としては、体積抵抗値が1×106Ω・cm以下であることが好ましく、1×10-3Ω・cm以上1×106Ω・cm以下であることがより好ましい。球状粒子の体積抵抗値をこの範囲にすると、導電性樹脂層の均一な導電性が得られやすく、均一なトナーの摩擦帯電が行われやすくなる。
球状粒子の体積平均粒径は、2.0μm以上20.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上15.0μm以下であることが更に好ましい。すなわち、球状粒子の粒径が2.0μm以上では導電性樹脂層にトナーを必要量搬送させるための均一な凹凸を形成することが可能となる。球状粒子の粒径が20.0μm以下であると、粒子が導電性樹脂層表面から突出し過ぎず、現像剤担持体上に担持するトナーの量が適度に保たれ、トナーに均一な摩擦帯電を付与する。更に、バイアス電圧を印加した際、感光ドラムへのリークを防止できる。
本発明に用いる現像剤担持体の導電性樹脂層表面の粗さは、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さ(Ra)で0.15μm以上2.00μm以下の範囲にあることが好ましい。0.15μm以上であれば、トナーを十分に搬送されることが可能となり、トナー不足による画像濃度薄やトナーコート不均一化に伴う画像不良の発生を抑制することができる。また、2.00μm以下であれば、トナーの摩擦帯電付与を均一にすることができるため、スジむらや、反転カブリ、摩擦帯電不足による画像濃度薄の発生が抑制される。
導電性樹脂層の膜厚は、現像方式によって好適な膜厚は異なるものの、5.0μm以上30.0μm以下の範囲にあることが好ましい。膜厚が5.0μm以上であれば、導電性樹脂層が基体表面全体を隙間なく覆っているため部分的に基体を露出することがなく、現像剤に均一に摩擦帯電を付与することが可能となる。また、膜厚が30.0μm以下であれば、表面粗さの制御を安定して行いやすい。
本発明では、一成分磁性トナーを用い、図1に示されるように現像剤担持体に近接して配置された現像剤規制部材を有する現像装置構成である。現像剤規制部材としては、磁性を有するものであることが好ましい。
本発明の導電性樹脂層を得る方法としては、導電性樹脂層を形成する成分を溶媒中に分散混合して塗料化し、現像剤担持体の基体上に塗布することが好ましい。各成分の分散混合には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、の如き公知のメディア分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が好適に利用可能である。また分散した塗料の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗布法の如き公知の方法が適用可能である。
本発明の現像剤担持体と、次に述べる本発明のトナーとを同時に使用することにより、トナーのチャージアップを発生させることなくトナーの帯電量を均一且つ高めに制御可能となり、尾引き、飛び散り画像の向上が可能となる。
<トナー(現像剤)について>
次に、本発明に使用されるトナーについて説明する。本発明で使用する現像剤は、負帯電性の一成分磁性現像剤であって、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナー粒子を有している。なお、トナーについて、トナー粒子という場合には、トナー個々の粒子を意味する。
磁性材料としての磁性酸化鉄粒子とは、好ましくはFe(2+)の高いマグネタイトを主成分とするものである。以下の説明では、磁性酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、磁性酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子と言う場合には、その内容によって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが、34%以上50%以下であることを特徴とする。割合Xは、35%以上44%以下が好ましい。全Fe量に対するFe元素溶解率とは、磁性酸化鉄粒子の位置情報を表す指標である。すなわち、Fe元素溶解率が0%とは磁性酸化鉄粒子の最表面を表し、Fe元素溶解率が100%とは磁性酸化鉄粒子の中心部を表す。つまり、Fe元素溶解率が10質量%のとき、溶解された総Fe量に対するFe(2+)の割合Xとは、磁性酸化鉄粒子の表面から10質量%の範囲に存在する総Fe量に対するFe(2+)の割合を表したものである。磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率が10質量%のとき、溶解された総Fe量を1とした時のFe(2+)の割合Xが34%以上の場合、飛び散り画像が良化し好ましい。一方、割合Xが50%以下の場合、製造直後の磁性酸化鉄粒子の黒色度は十分高く、経時劣化の影響も受けにくく、安定性が向上し、耐久において磁性トナーの摩擦帯電性バランスをよく維持することができ、画像濃度が低下しにくく好ましい。
更に、トナーは、負帯電性の一成分トナーであり、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化量が20.0Am2/kg以上40.0Am2/kg以下であることが特徴である。飽和磁化量が40.0Am2/kg以下の場合、このような場合は実際には磁性体が比較的多量に含有されており、磁気凝集性によりより多くのトナーが現像されやすい傾向にあるが、飛び散り画像の悪化は目立たず高濃度の画像を得やすい。一方、飽和磁化量が20.0Am2/kg以上の場合、このような場合は実際には磁性体の含有量が比較的少ない場合が多く、現像剤担持体上での穂形成能を抑制することで、尾引きの少ない高精彩な画像が得られやすい。トナーの飽和磁化量は、主に使用している磁性酸化鉄粒子の磁化量の如き特性と、磁性酸化鉄粒子の添加量によりほぼ決定される。つまり、同一の磁性体の添加量が増加すれば、トナーの飽和磁化の値もほぼ比例して増加させることができるが、磁性酸化鉄粒子の添加量と飽和磁化の傾きは磁性酸化鉄粒子の特性によるところが大きい。
トナー中の磁性酸化鉄粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、25質量部以上75質量部以下であることが好ましく、更に45質量部以上70質量部以下であることがより好ましい。
また、トナーは、高画質化を達成するため、重量平均粒径(D4)が4.0μm以上8.0μm以下のものが好ましく、5.0μm以上8.0μm以下のものがより好ましい。重量平均粒径が4.0μm以上においては、トナー一粒が含有する磁性粉体の量が減少することで、トナーの凝集を抑制しながらカブリを抑制することが可能となる。また、トナーの重量平均粒径が8.0μm以下の場合にも、トナーの凝集を抑制しながら1ドットの再現性を高品位に保つことで、高画質化を達成しやすくなる。
磁性トナー粒子の円形度分布において、比較的円形度の高い0.93以上の粒子数をトナー中に60個数%以上含有させることが好ましく、より好ましくは75個数%以上である。この範囲であると、長期の繰り返し使用時においても摩擦帯電量の低下や現像剤担持体の汚染といった現象を引き起こしにくく、画像濃度の低下が発生しにくくなる。
また、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下である磁性酸化鉄粒子は、製造時の酸化反応を多段階で行うことにより得られる。
溶液反応により得られる磁性酸化鉄粒子、特にFe(2+)の高いマグネタイト粒子は、一般的に第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。本発明ではこの酸化反応を多段階にすることで表面近傍にFe(2+)を局在化させている。
従来は、このようなFe(2+)リッチな磁性酸化鉄粒子を得るには製造時に非酸化雰囲気、或いは還元雰囲気下での乾燥処理が必要であった。しかし、このような処理を施した磁性酸化鉄粒子の場合、経時劣化や、トナー化時の熱履歴の影響により酸化反応が生じ易く安定性の点で好ましくない。酸化反応のプロセスのみでFe(2+)の存在状態を制御し、上記の如き処理を行わないで磁性酸化鉄粒子を製造することにより、安定性に優れた磁性酸化鉄粒子を作ることが可能である。
また、磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率が10質量%の時のFe(2+)の割合Xをより安定的に本発明の範囲内に制御するには、磁性酸化鉄粒子の内部に金属元素を含有させ、且つ磁性酸化鉄粒子の表面に各種金属元素から成る被覆層を形成することが好ましい。本発明においては、摩擦帯電性と耐熱性のバランスを取り、磁性酸化鉄粒子の内部にケイ素を含有し、磁性酸化鉄粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成させることが特に好ましい。
また、磁性酸化鉄粒子(コア粒子)の内部に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子全体に対し、Siとして0.20質量%以上1.50質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以上1.00質量%であることがより好ましい。また、被覆層に含まれるケイ素の量が磁性酸化鉄粒子の全体に対し、Siとして0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましい。更に、被覆層に含まれるアルミニウムの量が磁性酸化鉄粒子の全体に対しAlとして0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上、0.25質量%以下である。
磁性酸化鉄粒子は上記の特性を有しているものであれば使用することができるが、以下に示す特性を有することがより好ましい。
磁性酸化鉄粒子は、前述の割合(X)と、残りの90質量%中における総Fe量に対するFe(2+)の割合(Y)との比X/Yが、1.00超1.30以下であることが好ましい。1.00超1.20以下であることがより好ましい。磁性酸化鉄粒子における割合(X)と割合(Y)との比X/Y(以下、「表面/内部Fe(2+)比」とも称す)は、磁性酸化鉄粒子の表面と内部とのFe(2+)存在割合比を示す。X/Yが1.00超の場合、磁性酸化鉄粒子の内部に対して表面のFe(2+)量が少ないが、濃度のムラが生じるまでにはいかず適正な使用が可能となる範囲内である。また、X/Yが1.30以下の場合、磁性酸化鉄粒子の表面と内部とのFe(2+)量のバランスが大きくは崩れず、摩擦帯電性が安定しており、カブリが発生しにくく好ましい。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、磁性トナー粒子中への分散性や黒味の面から、八面体状であることがより好ましい。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、一次平均粒子径が0.10μm以上0.30μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.20μm以下であることがより好ましい。磁性酸化鉄粒子の一次平均粒子径を上記範囲に制御することで、磁性トナー粒子中に磁性粉が均一に分散され、効果的にハーフトーン部位の黒色度を向上させ濃度ムラを解消し、且つカブリのない高品位な画像を長期に渡り安定的に得ることができる。一次平均粒子径が0.10μm以上の場合、磁性酸化鉄粒子中のFe(2+)の劣化が抑制され、磁性黒色トナーとしての黒味を維持することが可能となる。一方、一次平均粒子径が0.30μm以下の場合、磁性トナー粒子中の磁性酸化鉄粒子の個数が多少減少するが、磁性酸化鉄粒子を介した電荷移動は十分に行われ、かぶりレベルが現像条件に依存しにくく好ましい。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化量が、86.0Am2/kg以上であることが好ましく、87.0Am2/kg以上であることがより好ましい。飽和磁化量が86.0Am2/kg以上の場合、現像剤担持体上に十分なトナーの穂立ちが形成され、現像性が安定しており、またカブリも発生しにくいので好ましい。
また、磁性酸化鉄粒子は、結着樹脂100質量部に対して20質量部以上150質量部以下の量で用いられるのが好ましく、50質量部以上120質量部以下であることがより好ましい。磁性酸化鉄粒子を上記の範囲で用いた場合には、良好な黒色度と現像性の両立をより良好に達成することができる。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、磁性トナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄粒子を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明で用いられる磁性酸化鉄粒子の製造方法は、一般的な磁性酸化鉄粒子の製造方法を用いても特に問題はないが、特に好ましい製造方法について、以下、具体的に説明する。
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子は、第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化して、磁性酸化鉄粒子を製造する方法である。
まず、第一鉄塩に、最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、Siに換算して0.20質量%以上1.50質量%以下となるように水溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムを添加し、混合する。第一鉄塩としては、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄の如き水可溶性の塩を用いることができ、特に限定されない。
次に、得られたケイ素成分を含有する第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して、水酸化第一鉄スラリーを生成させる。アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液の如き水酸化アルカリ水溶液を用いることができる。
水酸化第一鉄スラリーを生成させる際のアルカリ溶液量は、求める磁性酸化鉄粒子の形状に応じて調整すればよい。具体的には、水酸化第一鉄スラリーのpHが8.0未満となるように調整すれば球状粒子が得られる。また、pH8.0以上9.5以下となるように調整すれば六面体状粒子が得られ、pH9.5を超えるように調整すれば八面体状粒子が得られるので、適宣調整する。本発明においては、八面体形状の磁性酸化鉄粒子を得るためにpH9.5を超える条件で調整を行うことが好ましい。
こうして得られた水酸化第一鉄スラリーより磁性酸化鉄粒子を得るために、常法の酸化性ガス、好ましくは空気をスラリー中に吹き込みながら酸化反応を行う。酸化性ガスの吹き込み量は該ガスとして空気を用いる場合には、1L/min以上80L/min以下とすることが好ましく、特に2L/min以上50L/min以下とすることが好ましい。酸化性ガスの吹込み中はスラリーを加熱して、60℃以上100℃以下に保つことが好ましく、特に80℃以上95℃以下に保つことが好ましい。
磁性酸化鉄粒子の表面から10質量%の範囲に存在する総Fe量に対するFe(2+)の割合を本発明の範囲内に制御するには、前記の酸化反応を制御することが重要である。具体的には、水酸化第一鉄の酸化の進行に合わせて酸化性ガスの吹き込み量を漸次減少させることが好ましい。このように多段階の酸化反応を行うことで磁性酸化鉄粒子の表面にFe(2+)を選択的に増量させることが可能となる。酸化性ガスとして空気を用いる場合には、吹き込み量を以下のように制御することが好ましい。
水酸化第一鉄の50%が酸化されるまで:10L/min以上80L/min以下、好ましくは10L/min以上50L/min以下。
水酸化第一鉄が50%超且つ75%以下酸化されるまで:5L/min以上50L/min以下、好ましくは5L/min以上30L/min以下。
水酸化第一鉄が75%超且つ90%以下酸化されるまで:1L/min以上30L/min以下、好ましくは2L/min以上20L/min以下。
水酸化第一鉄が90%超酸化された状態:1L/min以上15L/min以下、特に2L/min以上8L/min以下。
次に、得られたコア粒子の磁性酸化鉄粒子のスラリーへケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウム水溶液を同時に投入し、pHを5以上9以下に調整し、粒子の表面をケイ素及びアルミニウムを含む被覆層が形成された磁性酸化鉄粒子のスラリーを得る。被覆層を形成するケイ素及びアルミニウムは最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、Siに換算して0.05質量%以上0.50質量%以下、Alに換算して0.05質量%以上0.50質量%以下になるように調整する。
得られた表面被覆層を形成する磁性酸化鉄粒子のスラリーを常法の濾過、洗浄、乾燥、粉砕処理を行い、磁性酸化鉄粒子を得る。
次に、トナー用樹脂(結着樹脂)について記載する。トナー用樹脂としては、例えば、以下のものを用いることができる。スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。中でも好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂との混合物、又はポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂とが一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。
ハイブリッド樹脂を用いる場合には、スチレン系共重合樹脂成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含ませることが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちスチレン系共重合樹脂と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。スチレン系共重合樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
スチレン系共重合樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、スチレン系共重合樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーの存在下で、いずれか一方又は両方の樹脂の重合反応を行うことで得る方法が好ましい。このハイブリッド樹脂においては、ポリエステル系ユニットとスチレン系共重合ユニットとの質量比は、50/50から90/10であることが好ましく、より好ましくは60/40から85/15である。ポリエステル系ユニットとスチレン系共重合ユニットとの比率が上記の範囲内であると、良好な摩擦帯電性が得られやすく、保存性や離型剤の分散性も好適になりやすい。
また、トナー用樹脂は、定着性の観点からテトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにおける重量平均分子量Mwが5000以上100万以下、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1以上50以下であることが好ましい。
また、トナー用樹脂のガラス転移温度は、定着性及び保存性の観点から45℃以上60℃以下であることが好ましく、45℃以上58℃以下であることがより好ましい。
トナー用樹脂を単独で使用してもよいが、軟化点の異なる2種類の高軟化点樹脂(H)と低軟化点樹脂(L)とを混合して使用しても良い。この場合、その2種類の樹脂の質量比H/Lが100/0を超え30/70の範囲とすることが好ましく、100/0を超え40/60の範囲とすることがより好ましい。なお、高軟化点樹脂とは、軟化点が100℃以上の樹脂を示し、低軟化点樹脂とは、軟化点が100℃未満の樹脂を示す。このような系では、磁性トナーの分子量分布の設計を比較的容易に行うことができ、幅広い定着領域を持たせることができるので好ましい。また、上記の範囲であれば、混錬時の適度なシェアがかかるため、良好な磁性酸化鉄粒子の分散性を得やすい。
磁性トナーには、離型性を得るために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができる。ワックスとしては、磁性トナー粒子中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。ワックスは、一種を用いてもよく、必要に応じて二種以上の離型剤を併用してもかまわない。
離型剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(商品名、三洋化成工業社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(商品名、三井化学社);サゾールH1、H2、C80、C105、C77(商品名、サゾール社);、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(商品名、日本精蝋株式会社);ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(商品名、東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(商品名、株式会社セラリカNODA)。
離型剤を添加するタイミングは、磁性トナー粒子の製造中の溶融混練時であっても良いが、樹脂の製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。また、これらの離型剤は単独で使用しても併用しても良い。
離型剤は、樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。上記の範囲内であれば、離型効果を十分に得ることができ、また、磁性トナー粒子中における良好な分散性を得ることができ、感光ドラム感光ドラムへのトナー付着や現像部材やクリーニング部材の表面汚染を抑制することができる。
磁性トナーには、その摩擦帯電性を安定化させるために荷電制御剤を含有させることができる。電荷制御剤の添加量は、その種類や他の磁性トナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に樹脂100質量部当たり0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。本発明で用いる現像剤は、電荷制御剤として磁性トナーを負帯電性に制御するものが好ましい。
磁性トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(例えば、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩;芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノールの如きフェノール誘導体。この中でも特に、安定な摩擦帯電性能が得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。また、上記のものに加えて、電荷制御樹脂も用いることができる。
使用できる電荷制御剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。Spilon Black TRH、T−77、T−95(商品名、保土谷化学社);BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(商品名、オリエント化学社)が挙げられる。
また、磁性トナーにおいては、摩擦帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために磁性トナー粒子に外添剤を添加することが好ましく、特にシリカ微粉末を外添することが好ましい。
シリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上(特に50m2/g以上400m2/g以下)の範囲内のものが好ましい。磁性トナー粒子100質量部に対してシリカ微粉体0.01質量部以上8.00質量部以下で用いることが好ましく、より好ましくは0.10質量部以上5.00質量部以下である。シリカ微粉末のBET比表面積は、比表面積測定装置を用いてシリカ微粉末の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。比表面積測定装置としては、例えば、オートソーブ1(商品名、湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(商品名、マイクロメティリック社製)、トライスター3000(商品名、マイクロメティリック社製)を用いることができる。
また、シリカ微粉末は、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で表面処理されていることも好ましい。処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、又はその他の有機ケイ素化合物の如き材料を使用することが好ましい。
磁性トナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。このような外部添加剤としては、例えば、摩擦帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラに対する離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末が挙げられ、中でも疎水化処理したものが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末が挙げられる。
更に、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明の磁性トナーの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、粉砕法によって以下のようにして得ることができる。まず、樹脂、着色剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練する。冷却固化後、粉砕及び分級を行い、磁性トナー粒子を得る。更に、必要に応じて、磁性トナー粒子に外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、磁性トナーを得る。
混合機としては、例えば、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山社製);スーパーミキサー(商品名、カワタ社製);リボコーン(商品名、大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(商品名、ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(商品名、太平洋機工社製);レーディゲミキサー(商品名、マツボー社製)。
混練機としては、例えば、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(商品名、栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(商品名、Buss社製);TEM型押し出し機(商品名、東芝機械社製);TEX二軸混練機(商品名、日本製鋼所社製);PCM混練機(商品名、池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(商品名、井上製作所社製);ニーデックス(商品名、三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(商品名、森山製作所社製);バンバリーミキサー(商品名、神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、例えば、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(商品名、ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(商品名、日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(商品名、栗本鉄工所社製);ウルマックス(商品名、日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(商品名、セイシン企業社製);クリプトロン(商品名、川崎重工業社製);ターボミル(商品名、ターボエ業社製);スーパーローター(商品名、日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、例えば、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(商品名、セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(商品名、日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン社製);エルボージェット(商品名、日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(商品名、日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(商品名、安川商事社製)。粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(商品名、晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(商品名、徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(商品名、ダルトン社製);ソニクリーン(商品名、新東工業社製);ターボスクリーナー(商品名、ターボエ業社製);ミクロシフター(商品名、槙野産業社製);円形振動篩い。
次に、本発明の現像装置について説明する。
図1は、磁性一成分トナーを使用する本発明の現像装置における実施形態の一例の構成を示す模式図である。図1に示した実施形態の現像装置は、トナーを収容するための容器(現像容器503)と、前記容器に貯蔵されたトナー(不図示)を担持搬送するための現像剤担持体510を有している。そして、現像剤層厚規制部材502により現像剤担持体510上にトナー層を形成し、現像剤担持体510上のトナーを感光ドラム501と対向する現像領域Dへと搬送し、感光ドラム501の静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する現像装置である。ここで、現像剤担持体510が、本発明の現像剤担持体であることを特徴としている。
感光ドラム501は、公知のプロセスにより形成することができる。静電潜像を担持する感光ドラム501は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体510は、現像容器503に収容された磁性トナー粒子を有する磁性一成分トナーを担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体510と感光ドラム501とが対向している現像領域Dにトナーを搬送する。現像剤担持体510においては、磁性一成分トナーを現像剤担持体510上に磁気的に吸引しかつ保持するため、現像剤担持体508内に磁石(マグネットローラ)509が配置されている。なお、現像剤担持体508は、基体506である金属円筒管上に導電性樹脂層507が被覆形成されている。
現像容器503内へは、現像剤補給容器(不図示)から現像剤供給部材512を経由して磁性一成分トナーが送り込まれてくる。現像容器503は、第一室514と第二室515に分割されており、第一室514に送り込まれた磁性一成分トナーは攪拌搬送部材505により現像容器503及び仕切り部材504により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。磁性一成分トナーはマグネットローラ509による磁力の作用により現像剤担持体510上に担持される。第二室515中にはトナーが滞留するのを防止するための攪拌部材511が設けられている。
磁性一成分トナーは、磁性トナー粒子相互間及び現像剤担持体上の導電性樹脂層507により、感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送されるトナーの層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性ブレード(ドクターブレード)502が装着されている。磁性ブレード502は、通常、現像剤担持体510の表面から50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体510に対向するように現像容器503に装着される。マグネットローラ509の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード502に集中することにより、現像剤担持体510上に磁性一成分トナーの薄層が形成される。なお、本発明においては、この磁性ブレード502に替えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。
現像剤担持体510上に形成される磁性一成分トナーの薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体510と感光ドラム501との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、以上のような磁性一成分トナーにより静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち非接触型現像装置に組み込むことが有効である。
また、現像剤担持体510に担持された磁性トナーを飛翔させるため、現像剤担持体510にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(トナーが付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体510に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
また、他の実施形態としては、前記した現像剤層厚規制部材以外にも、現像容器503の形状、攪拌搬送部材505、511の有無、磁極の配置、現像剤供給部材512の形状、補給容器の有無が異なるものもある。
この時、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分トナーを使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分トナーを使用する。この場合、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。
本発明に用いられる現像装置は、現像剤担持体−感光ドラム間(以後、S−D間)の最大電界強度が3.0×106V/m以上1.0×107V/m以下に制御されていることが好ましい。最大電界強度が3.0×106V/m以上であれば、感光ドラム上に現像されるトナーの帯電量を高められ、濃度低下を発生させず、尾引きや飛び散りの少ない良好なプリント画質を維持することが可能となる。また、最大電界強度が1.0×107V/m以下であれば、現像力が高過ぎることによるカブリの増大やブロッチ発生、或いは現像バイアスのリークによる白抜けの如き画像欠陥を生じ難くなる。最大電界強度を変化させる手段は、S−D間距離とVppを変化させることが挙げられる。
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
〔1〕導電性樹脂層の体積抵抗
試料として、厚さ100μmのPETシート上に7μm以上20μm以下の厚さの導電性樹脂層を形成したものを用いた。測定装置として、抵抗率計ロレスタAP又はハイレスタIP(いずれも商品名、三菱油化株式会社(現 三菱化学株式会社)製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。また、体積抵抗の測定は、測定環境を20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行った。
〔2〕0.5μm以上の導電性粒子、凹凸付与粒子の体積平均粒径
黒鉛粒子や凹凸付与粒子、金属酸化物粒子の如き導電性粒子の粒径は、レーザー回折型粒度分布計コールターLS−230型粒度分布計(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用した。まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行した。次に、IPA50ml中に、測定試料1mg以上25mg以下を加えて懸濁した溶液を超音波分散機で約1分以上3分間以下分散処理し、被験試料液を得た。そして、測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求めた。
〔3〕現像剤担持体表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−3500」(商品名)にて、軸方向3箇所、周方向3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を当該試料の表面粗さRaとした。なお、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm及び送り速度0.5mm/secとした。
〔4〕導電性樹脂層の膜厚及び削れ量
レーザー光にて円筒の外径を測定する株式会社キーエンス製の寸法測定器「LS5000シリーズ」(商品名)を用い、導電性樹脂層形成前のスリーブの外径(S0)、導電性樹脂層形成後の外径(S1)及び耐久使用後の外径(S2)をそれぞれ測定した。それらの値から、導電性樹脂層の厚み(S1−S0)及び導電性樹脂層の削れ量(膜削れ)(S1−S2)を算出した。
測定には、前記装置のコントローラLS−5500(商品名)及びセンサーヘッドLS−5040T(商品名)を用いた。スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブ長手方向に対し30分割して30箇所、更にスリーブを周方向に90°回転させた後更に30箇所、合計60箇所についてスリーブの外径寸法を測定した。外径寸法はその平均値とし、測定環境は20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行った。なお、耐久使用後のスリーブ外径の測定は、表面上に付着或いは融着しているトナー融着物をメチルエチルケトン中で1分間超音波洗浄により除去してから行った。
〔5〕導電性樹脂層の帯電性
測定には、図2に示した測定部をカスケード式表面帯電量測定装置TS−100AT(商品名、京セラケミカル社製)に接続して使用した。まず、ポリメチルメタクリレート樹脂BR83(商品名、三菱レイヨン製)をMEKに溶解し、固形分10%のPMMA溶液を作製した。平均粒径100μmの球状フェライト粒子1kgに対し、PMMA溶液100gの割合で用いて、ナウターミキサーD2SY−2R(商品名、ホソカワミクロン)でフェライト粒子表面に樹脂層を形成させた。その後、140℃で1時間加熱して、PMMA樹脂で被覆されたフェライト粒子を作製した。次に、図2のように絶縁支持棒8に現像剤担持体2を設置し、PMMA樹脂で被覆されたフェライト粒子3を粉体投入口1に投入して10秒間落下させた。絶縁板5上に設置された受け皿4内に落下したフェライト粒子3の総帯電量を、コンデンサ6と並列に接続された電位計7で測定し、Q〔nC〕とした。この際、摩擦帯電量の極性はQの正負のみによるので、Qの正負を確認し、樹脂層の摩擦帯電性の評価を行った。
〔6〕トナーの粒径測定
測定装置として、コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いた。また、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した約1質量%NaCl水溶液又はISOTON−II(商品名、ベックマン・コールター社製)を使用した。まず、電解液100ml以上150ml以下中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩液)0.1ml以上5ml以下を加え、次いで、試料を2mg以上20mg以下加えた。これに、超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、被験試料を調製した。そして、測定装置の100μmアパーチャーを用い、被験試料中の球状粒子又は磁性トナー粒子の体積、個数を測定した。
この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
〔7〕磁性トナー粒子の平均円形度
フロー式粒子像分析装置FPIA―2100(商品名、シスメックス社製)を用いて23℃/60%RHの環境下で測定を行った。円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内の磁性トナー粒子について、投影像の面積及び周囲長を測定し、そこで測定された磁性トナー粒子の投影像の面積から、円相当径を求めた。また、円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内の磁性トナー粒子について円形度を下式により求めた。更に円相当径3μm以上400μm以下の磁性トナー粒子について、円形度の総和及び全粒子数を求めた。得られた円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義した。
円形度a=L0/L
(式中、L0は磁性トナー粒子の投影像の面積と同じ面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の磁性トナー粒子の投影像周囲長を示す。)
円形度は磁性トナー粒子の凹凸度合いの指標であり、磁性トナー粒子が完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。具体的な測定方法としては、予め不純物を除去した水200ml以上300ml以下中に分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml以上0.5ml以下加え、更に測定試料を0.1g以上0.5g以下程度加えた。試料を分散した懸濁液は超音波発信機で2分間分散し、磁性トナー粒子濃度が0.2万個/μl以上1.0万個/μl以下の被験試料液を調製し、これを用いて磁性トナー粒子の円形度分布を測定した。
超音波発信器としては、以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いた。
装置:UH−150(商品名、株式会社エス・エム・テー製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
円形度の測定の概略は以下のとおりである。
被験試料液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って拡がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラがフローセルに対して相互に反対側に装着されている。被験試料液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、それぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する二次元の投影像として撮影される。各粒子の投影像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。また、円相当径0.60μm以上400μm以下である各粒子の投影像の面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円相当径を求める。更に、得られた結果に基づき円相当径3μm以上400μm以下の磁性トナー粒子における平均円形度(平均円形度と表すことがある)を算出する。
〔8〕全Fe量に対してFe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合X
3.8リットルの脱イオン水に試料である磁性酸化鉄粒子25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌した。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250mlを加え、溶解を開始した。溶解開始から全て溶解して透明になるまで、10分毎に50mlを分散する磁性酸化鉄粒子ごとサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取した。採取した濾液の内、25mlをICPによってFe元素の定量を行った。そして、磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率(質量%)を以下の計算式(3)によって算出した。
Fe(2+)の量は残りの濾液25mlを用いて測定した。この25mlの液に脱イオン水75mlを加えて試料を調整して、指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加えた。そして0.1N重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定し、該試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、敵定量から、Fe(2+)(mg/l)濃度を算出した。
上述の方法で求めたFe元素溶解率10質量%の時のFe元素濃度(mg/L)と、その時の滴定量から求めたFe(2+)(mg/l)とを用いて、下記式(4)より、Fe元素溶解率が10質量%のときFe(2+)の割合Xを求めた。
〔9〕表面/内部Fe(2+)比(X/Y)の算出
Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合(X)に関しては、〔8〕で算出した値を用いた。
残りの90質量%中における総Fe量に対するFe(2+)の割合(Y)に関しては、以下の方法で算出される。即ち、上述したXの測定において、Fe元素が完全に溶解した時のFe元素濃度(mg/l)とFe元素溶解率10質量%の時のFe元素濃度(mg/l)の差を残りの90質量%中のFe元素濃度(mg/l)とした。これとは別に、Fe元素が完全に溶解した時のFe(2+)の濃度を上述した割合Xの測定と同様の方法で求めた。そして、Fe元素が完全に溶解した時のFe(2+)の濃度(mg/l)と、Fe元素溶解率10質量%の時のFe(2+)の濃度(mg/l)との差を、残りの90質量%中におけるFe(2+)の濃度(mg/l)とした。そして、Fe元素溶解率90質量%中におけるFe元素濃度(mg/l)とFe(2+)の元素濃度(mg/l)とを用いて、下記式(5)より、残り90質量%中における総Fe量に対するFe(2+)の割合(Y)を求めた。
上記により算出したX値、Y値より、両者の比X/Yを算出した。
〔10〕磁性酸化鉄粒子の総ケイ素含有量の定量
サンプル1.00gに特級塩酸試薬(濃度35%)16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え、サンプルを加熱(80℃以下)溶解し、その後室温まで放冷した。特級フッ酸試薬(濃度4%)2mlが溶解したフッ酸水溶液を4ml添加後、20分放置した。Triton X−100(10%濃度)(商品名、ACROS ORGANICS社製)を10ml添加後、100mlポリメスフラスコへ移し、純水を添加し、全溶液を100mlに合わせた。そして、溶液試薬を島津製作所製プラズマ発光分析装置ICP S2000(商品名)を使用し、ケイ素量を定量した。
〔11〕被覆層ケイ素量及び被覆層アルミニウム量の定量
サンプル0.900gを秤量し、1N―NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら温度45℃に加温し、磁性酸化鉄粒子表面のケイ素成分やアルミニウム成分を溶解した。未溶解物を濾過した後、溶出液を純水で125mlに定量し、溶出液に含まれるケイ素やアルミニウムを上記プラズマ発光分析(ICP)で定量した。被覆層のケイ素成分及びアルミニウム成分は下記式(6)を用いて算出した。
〔12〕コア粒子のケイ素量の定量
上記〔10〕の総ケイ素量と被覆ケイ素量の差をコア粒子のケイ素量とした。
〔13〕磁性酸化鉄粒子の平均一次粒子径の測定
平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)で磁性酸化鉄粒子を観察し、200個の粒子のフェレ径を計測し平均粒子径を求めた。
〔14〕磁気特性の測定
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
〔15〕トナー用樹脂の軟化点の測定
樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、降下式フローテスターにより測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
降下式流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D(商品名、島津製作所)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱した。その加熱をしながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにした。そして、これによりプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とした。
〔16〕GPCによる分子量分布の測定
温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定した。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば102以上107以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。例えば、東ソー社製TSK標準ポリスチレン(F−850,F−450,F−288,F−128,F−80,F−40,F−20,F−10,F−4,F−2,F−1,A−5000,A−2500,A−1000,A−500、いずれも商品名)を使用できる。
また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いた。なお、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが好ましく、例えば、次のような組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800P(いずれも商品名)の組み合わせ;東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd column(いずれも商品名)の組み合わせ。
また、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整し、温度25℃で数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置した。その時THF中への放置時間が24時間となるようにした。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ約0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とした。また、試料濃度は、樹脂成分が5mg/mlとなるように調整した。
〔17〕トナー用樹脂のガラス転移温度の測定
示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(商品名、TA Instruments社)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定した。測定試料としては、2mg以上10mg以下、好ましくは約3mgを精密に秤量したものを用いた。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いた。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温させた後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温させ、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させた。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースライン中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度Tgとした。
〔18〕THF不溶分の測定
1.0グラムの樹脂を秤量し(W1グラム)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、THF200mlを用いて20時間ソックスレー抽出した。その後円筒ろ紙を取り出し、温度40℃で20時間真空乾燥した後、THF可溶樹脂成分量を秤量し(W2グラム)、以下の式(7)に従って計算した。
THF不溶分=〔(W1−W2)/W1〕×100(質量%) (7)
〔19〕電界強度
感光ドラムの静電潜像が形成された画像の電位(以後、VD)、非画像部電位(以後、VL)を設定した。また、現像剤担持体には現像バイアスとして直流バイアス(以後、VDC)と、一定の周波数と波形からなるピーク間の電圧(以後、VPP)である交流バイアスを重畳したものを用いて、ジャンピング現像を行っている。S−D間の距離を決めることで、この時の最大電界強度Fは下記式(8)で算出される。
以下に、実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、以下の配合における部、%は、特にことわらない限り、それぞれ質量部、質量%を示す。
現像剤担持体の導電性樹脂層に用いる導電性微粒子としては、以下の導電剤1乃至4を用いた。
[導電剤1]
カーボンブラックからなるトーカブラック#5500(商品名、東海カーボン株式会社)を導電剤1として用いた。
[導電剤2]
原材料として、コークスとタールピッチの混合物を用い、この混合物をタールピッチの軟化点以上の温度で練り込み、押出し成型し、窒素雰囲気下において1000℃で一次焼成して炭化した。炭化した混合物にコールタールピッチを含浸させた後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成をして黒鉛化し、更に粉砕及び分級して体積平均粒子径7.8μmの黒鉛粒子を得て、導電剤2として用いた。
[導電剤3]
酸化チタンからなるTIPAQUE CR−50(商品名、石原産業社)を導電剤3として用いた。
[導電剤4]
カーボンナノファイバーからなるVGCF(商品名、昭和電工株式会社)を導電剤4として用いた。
現像剤担持体の導電性樹脂層に用いる凹凸付与粒子としては、以下の凹凸付与粒子を用いた。
[凹凸付与粒子]
ガラス状カーボンからなるニカビーズICB−0520(商品名、日本カーボン株式会社、体積平均粒径6.2μm)を用いた。
現像剤担持体の導電性樹脂層に用いる第四級ホスホニウム塩としては、以下のホスホニウム塩1乃至7を用いた。
[ホスホニウム塩1]
表1に示した、例示No.1の構造を有する第四級ホスホニウム塩(日本化学社製、商品名:BTPPBr)をホスホニウム塩1として用いた。
[ホスホニウム塩2]
表1に示した、例示No.3の構造を有する第四級ホスホニウム塩(Rohm and Haas社製、商品名:ETPPI)をホスホニウム塩2として用いた。
[ホスホニウム塩3]
表1に示した、例示No.4の構造を有する第四級ホスホニウム塩(東京化成工業社製、商品名:ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド)をホスホニウム塩3として用いた。
[ホスホニウム塩4]
表1に示した、例示No.9の構造を有する第四級ホスホニウム塩(日本化学社製、商品名:PX−2H)をホスホニウム塩4として用いた。
[ホスホニウム塩5]
下記式(9)の構造を有する第四級ホスホニウム塩(日本化学社製、商品名:PX−4BT)をホスホニウム塩5として用いた。
[ホスホニウム塩6]
表1に示した、例示No.2の構造を有する第四級ホスホニウム塩(東京化成工業製、商品名:アリルトリフェニルホスホニウム ブロミド)をホスホニウム塩6として用いた。
[ホスホニウム塩7]
表1に示した、例示No.11の構造を有する第四級ホスホニウム塩(東京化成工業製、商品名:トリブチルヘキサデシルホスホニウム ブロミド)をホスホニウム塩7として用いた。
現像剤担持体の導電性樹脂層に用いる結着樹脂(樹脂(A))としては、以下の結着樹脂1乃至5を用いた。なお、結着樹脂1,3,4は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有しており、結着樹脂2,5は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれも有していない。
[結着樹脂1]
アンモニア触媒使用レゾール型フェノール樹脂溶液(商品名:J−325、大日本インキ株式会社製)を結着樹脂1として用いた。
[結着樹脂2]
NaOH触媒使用レゾ−ル型フェノール樹脂(商品名:GF9000、大日本インキ化学工業社製)を結着樹脂2として用いた。
[結着樹脂3]
ポリオール(商品名:ニッポラン5037、日本ポリウレタン工業製)と、硬化剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業製)を10:1で配合したものを結着樹脂3として用いた。
[結着樹脂4]
6/66/610共重合ナイロン(商品名:エルバマイド8023、デュポン社製)を結着樹脂4として用いた。
[結着樹脂5]
シリコーン樹脂SH804(商品名、東芝シリコーン社製)を結着樹脂5として用いた。
トナーに用いる結着樹脂としては、以下のトナー用樹脂A−1乃至A−2を用いた。
<トナー用樹脂A−1の製造例>
・テレフタル酸 24.5mol%
・ドデセニルコハク酸 15.5mol%
・無水トリメリット酸 6mol%
・ビスフェノールA(プロピレンオキサイド2.5mol付加物) 30mol%
・ビスフェノールA(エチレンオキサイド2.5mol付加物) 24mol%
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとして、上記の酸成分及びアルコール成分、並びに触媒としての2−エチルヘキサン酸錫を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着した。窒素雰囲気下にて温度130℃の温度で攪拌しつつ、下記のスチレン−アクリル系樹脂ユニットを生成するためのモノマーに重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。なお、滴下量は、上記のポリエステルユニットを生成するためのモノマー成分100質量部に対し、下記のスチレン−アクリル系樹脂ユニットを生成するためのモノマー25質量部とした。
・スチレン 83質量%
・2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%
・アクリル酸 2質量%
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、ビニル系重合体成分、及びポリエステルユニットとスチレン−アクリル系樹脂ユニットが化学的に結合したハイブリッド樹脂成分を含有したトナー用樹脂A−1を得た。トナー用樹脂A−1の諸物性を表2に示す。
<トナー用樹脂A−2の製造例>
・テレフタル酸 28mol%
・ドデセニルコハク酸 12mol%
・無水トリメリット酸 2mol%
・ビスフェノールA(プロピレンオキサイド2.5mol付加物) 32mol%
・ビスフェノールA(エチレンオキサイド2.5mol付加物) 24mol%
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとして、上記の酸成分及びアルコール成分、並びに触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着した。窒素雰囲気下にて温度130℃の温度で攪拌しつつ、下記のスチレン−アクリル系樹脂ユニットを生成するためのモノマーに重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。なお、滴下量は、上記のポリエステルユニットを生成するためのモノマー成分100質量部に対し、下記のスチレン−アクリル系樹脂ユニットを生成するためのモノマー25質量部とした。
・スチレン 83質量%
・2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%
・アクリル酸 2質量%
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、ビニル系重合体成分、及びポリエステルユニットとスチレン−アクリル系樹脂ユニットが化学的に結合したハイブリッド樹脂成分を含有したトナー用樹脂A−2を得た。トナー用樹脂A−2の諸物性を表2に示す。
トナーに用いる磁性酸化鉄粒子としては、以下の磁性酸化鉄粒子B−1乃至B−5を用いた。
<磁性酸化鉄粒子B−1の製造例>
Fe2+を2.0mol/l含有する水溶液50リットルに、水溶性ケイ酸塩としてSi4+を0.23mol/l含有する水溶液を10.0リットル添加し、NaOHを5.0mol/l含有する水溶液42リットルと撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーのpHを12に調整し、温度90℃にて30L/minの空気を吹き込み、磁性酸化鉄粒子が50%生成するまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20L/minの空気を吹き込み、次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで8L/minの空気を吹き込み、更に90%を超えた時点で、空気を7L/min吹き込み酸化反応を完結させた。こうして、八面体形状のコア粒子スラリーを得た。
得られたコア粒子を含むスラリーに、ケイ酸ナトリウムの水溶液(Siを13.4質量%含有)を94mlと、硫酸アルミニウム水溶液(Alを4.2質量%含有)を288ml同時に投入した。その後、スラリーの温度を80℃に、pHを希硫酸によって5以上9以下に調整し、コア粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成した。得られた磁性酸化鉄粒子を常法により濾過し、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子B−1を得た。磁性酸化鉄粒子B−1の諸物性を表3に示す。
<磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−5の製造例>
製造例B−1において、製造条件を表3の如き調整することで得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−5の物性値を表4に示す。
なお、表2中の吹き込み空気量における各段数は以下に示す状態を表す。
1段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が0%以上50以下
2段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が50%超、75%以下
3段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が75%超、90%以下
4段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が90%超、100%まで
(実施例1)
・トナー用樹脂A−1 90質量部
・トナー用樹脂A−2 10質量部
・磁性酸化鉄粒子B−1 65質量部
・ワックス 4質量部
(フィッシャートロプシュワックス、融点105℃、数平均分子量1500、重量平均分子量2500)
・下記式(10)の構造を有する電荷制御剤(負荷電制御剤) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕した。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.0μm、円形度0.93以上の割合が80.2%、飽和磁化が33.07Am2/kgの負摩擦帯電性の磁性トナー粒子を得た。磁性トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉末(BET140m2/g)を1.0質量部、及びチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.2μm)3.0質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、負摩擦帯電性の磁性トナー1を得た。なお、疎水性シリカ微粉末は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコーンオイル10質量部でシリカ微粉体100質量部を疎水化処理したものである。磁性トナー1の構成と物性を表5に示す。
以下の材料にメタノールを加え固形分40%に調整し、これをサンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
・結着樹脂1 150部(固形分90部)
・導電剤1 30部
・導電剤2 70部
・ホスホニウム塩1 30部
・凹凸付与粒子 10部
篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が33%になるようにメタノールを添加して、塗料1を得た。
基体として、上下端部にマスキングを施した外径24.5mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料1を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥し硬化して基体上に導電性樹脂層を形成し現像剤担持体1を作製した。現像剤担持体1の導電性樹脂層の層厚は、14μmであり、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性が負極性であった。表6に現像剤担持体1の導電性樹脂層の構成と物性を示す。
現像剤担持体1を感光ドラムがアモルファスシリコンドラム感光体であるデジタル複写機(商品名:IR5075N、キヤノン株式会社製)の現像器に組み込み、スリーブ−ドラム間距離を240μmとし、磁性トナー1を使用した。複写環境は、高温高湿環境(30℃,80%RH)、常温常湿環境(23℃,50%RH)及び常温低湿環境(23℃,5%RH)の各環境下で印字比率5%のテストチャートを用いて10万枚の連続プリントを行い、以下の評価を行った。
<1>画像濃度
画像比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計「RD918」(商品名、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その10点の平均値を画像濃度とし、以下の基準で評価した。
A:画像濃度1.40以上
B:画像濃度1.35以上1.40未満
C:画像濃度1.30以上1.35未満
D:画像濃度1.20以上1.30未満
E:画像濃度1.20未満
<2>カブリ
<1>で得たコピー上のベタ白部の反射率をランダムに10箇所測定し、その最低値から未使用の転写紙の反射率(10箇所の平均値)を差し引いたものをカブリ濃度とした。そして、この値を下記の基準で評価した。なお、反射率は反射率計「TC−6DS」(商品名、東京電色株式会社製)によって測定した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.5%以上
<3>ブロッチ
本体のVppやS−D間距離を変更することによって電界強度を高めていった際、現像剤担持体表面に発生するブロッチを観察した。方法は、初期トナー設置後、0.6kVから「Vppを0.1kV上げて10枚プリント」する作業を繰り返し、プリント中にブロッチが発生しない上限Vppを記録した。Vpp=0.6kVでブロッチ発生の場合には記録無しとした。Vppは2.0kVを上限とし、2.0kVでもブロッチの発生がないものは、230μmから「S−D間を20μmずつ近づけて10枚プリント」を繰り返し、プリント中にブロッチが発生しない下限S−D間を記録した。S−D間を150μmにしてもブロッチの発生がない場合は、150μm未満にはせず、150μmとして記録した。但し、実施例24乃至27は、電界強度の影響確認のため上記測定は行わず、記載した電界強度とした。この上限Vppと下限S−D間距離に設定して、耐久評価を行った。なお、現像時における交流成分の波形や波長は製品と同じものを使用し、測定は23℃、60%RHの常温常湿(N/N)環境で初期のみ測定を行った。
<4>飛び散り
本体と現像器構成を<3>で得たブロッチの発生しない上限Vppと下限S−D間距離に設定した。但し、実施例24乃至27は、電界強度の影響確認のため記載した電界強度とした。その後、約2mm角の「電」の文字を複写し、光学顕微鏡観察や目視により「電」の文字周辺のトナー飛び散りレベルを確認し、下記評価基準で評価した。
A:倍率10倍で見てもほとんど飛び散りのない鮮明な画像である。
B:目視で見る限り鮮明な画像である。
C:目視で見て若干飛び散りが見られる。
D:目視で見て飛び散り以外に文字のカスレが目立つ。
E:目視で見て飛び散りや文字のカスレがはっきり確認できる。
<5>尾引き
本体と現像器構成を<3>で得たブロッチの発生しない上限Vppと下限S−D間距離に設定した。但し、実施例24乃至27は、電界強度の影響確認のため記載した電界強度とした。その後、4ptの横線を複写し、光学顕微鏡や目視により横線下方縦線状に発生する尾引きを確認し、下記評価基準で評価した。
A:倍率10倍で見ても大きな尾引きのない鮮明な画像である。
B:目視で見る限り鮮明な画像である。
C:目視見て若干尾引きが確認できる。
D:目視で見て尾引きが目立つ。
E:目視で見て大きな尾引きが確認できる。
<6>導電性樹脂層の耐摩耗性
現像剤担持体の外径を測定し、使用前の値から耐久後の値を引いて、導電性樹脂層の削れ量とし、その平均値を全体の削れ量とした。下記基準にて評価した。なお、耐久後の測定に当たっては現像剤担持体の表面をイソプロパノールで洗浄した。なお、測定には23℃、60%RHの常温常湿(N/N)で耐久した現像剤担持体を使用した。
A:削れ量が1.5μm未満。
B:削れ量が1.5μm以上3.0μm未満。
C:削れ量が3.0μm以上5.0μm未満。
D:削れ量が5.5μm以上。
<7>導電性樹脂層の表面粗さRa
使用前と耐久後に現像剤担持体表面の算術平均粗さRaを測定した。なお、測定には23℃、60%RHの常温常湿(N/N)で耐久した現像剤担持体を使用した。
(実施例2乃至32、比較例1乃至13)
表5に記載の処方とした以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性の磁性トナー2乃至19を得た。また、表6に記載の処方とした以外は実施例1と同様に現像剤担持体2乃至23を得た。なお、現像剤担持体2乃至23の導電性樹脂層について、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性を表6に示した。表9に記載のように磁性トナーと現像剤担持体を組み合わせ、Vd、Vdcも記載の条件を用いて耐久評価を行った。磁性トナーと現像剤担持体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を表7、8に示す。
本発明の磁性一成分トナーを使用する現像装置の一例の模式図である。 本発明において傾斜帯電量測定に利用したカスケード式帯電量測定装置の概略図である。
符号の説明
1 粉体投入口
2 現像剤担持体
3 粉体(フェライト粒子)
4 受け皿
5 絶縁板
6 コンデンサ
7 電位計
8 絶縁支持棒
501 感光ドラム
502 現像剤層厚規制部材(磁性ブレード)
503 現像容器
504 仕切り部材
505 攪拌搬送部材
506 基体
507 導電性樹脂層
508 現像剤担持体
509 磁石(マグネットローラ)
510 現像剤担持体
511 攪拌部材
512 現像剤供給部材
513 現像バイアス電源
514 第一室
515 第二室
A 現像剤担持体回転方向
B 感光ドラム回転方向
D 現像領域

Claims (8)

  1. 感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像剤と、該現像剤を担持・搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持・搬送された現像剤の量を規制するために該現像剤担持体に近接して配置された現像剤層規制手段とを有する現像装置において、
    該現像剤担持体は、基体と、該基体上に形成された表面層としての導電性樹脂層と、該基体内部に配設された磁性部材とを有し、
    該導電性樹脂層は、構造中に−NH2基、=NH基及び−NH−結合のいずれかを有している樹脂(A)と、下記式(1)で示される第四級ホスホニウム塩と、導電性微粒子とを含む樹脂組成物を用いて形成されてなるものであって、かつ、ポリメチルメタクリレート樹脂が被覆されたフェライト粒子との摩擦帯電極性が負極性であり、
    (式中、R1乃至R3は、それぞれ独立して、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上4以下のアルキル基のいずれかであり、R4は、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有しても良いベンジル基、置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基及び置換基を有しても良い炭素数が1以上16以下のアルキル基のいずれかであり、X-は、ハロゲンイオン、OH-及び有機酸又は無機酸イオンの中から選ばれる陰イオンを示す。)
    該現像剤は、負帯電性の一成分磁性現像剤であって、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナー粒子を有し、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化量が20.0Am2/kg以上40.0Am2/kg以下であり、かつ
    該磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記導電性樹脂層は、前記樹脂(A)100質量部に対して前記第四級ホスホニウム塩を1質量部以上60質量部以下含有する請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記樹脂(A)は、フェノール樹脂である請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記導電性微粒子は、導電性カーボンブラック、結晶性グラファイト又はその混合物である請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 前記導電性樹脂層は、1×10-1Ω・cm以上1×103Ω・cm以下の体積抵抗を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 前記現像剤は、重量平均粒径(D4)が4.0μm以上8.0μm以下であり、かつ
    円形度が0.93以上の範囲にある磁性トナー粒子を60個数%以上含有する
    請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 前記現像剤担持体と前記感光ドラムとの間の最大電界強度は、3.0×106V/m以上1.0×107V/m以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置を用いて、前記感光ドラムに対向する現像領域へ現像剤を搬送し、該搬送された現像剤により前記感光ドラム上に形成された静電潜像を現像して可視化することを特徴とする現像方法。
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