JP5843744B2 - 現像剤担持体及びその製造方法、並びに現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を利用した複写機及びプリンター等の画像形成装置において使用される現像剤担持体及びその製造方法、並びにその担持体を用いた現像装置に関する。
近年、電子写真画像の高画質化への要求に対応すべく、現像剤の小粒径化が進んでいる。このような粒径の小さい現像剤では単位質量当りの表面積が大きくなる。そのため、現像工程時に現像剤の表面電荷が大きくなりやすい。一方、現像剤の消費量を低く抑えるべく、球形状の現像剤が用いられるようになっている。このような現像剤は、粉砕しただけの現像剤と比較して表面が平滑化されており、過度に帯電されやすく帯電量が不安定化しやすい。その結果、スリーブゴーストや濃度ムラ等の画像不良が発生しやすい傾向にある。
特許文献1では、現像剤担持体の表面層に鉄錯体化合物を添加し、現像剤の帯電量をコントロールする方法が報告されている。
特許文献2では、特定の第4級ホスホニウム塩と特定の樹脂とを含んだ表面層を有している現像剤担持体が開示されており、球形化された現像剤や重合法によって製造されたネガ現像剤に対してチャージアップ等の過剰な帯電を防ぐ方法が報告されている。
特開平5−346727号公報 特開2010−055072号公報
しかしながら、特許文献1は、現像剤に対する摩擦帯電を促進させることにより現像特性の改良を図ったものである。このため、帯電されやすい現像剤に対しては、むしろチャージアップを増大させることがあり、現像剤の過剰帯電を抑制して良好な画像形成を行うことができないことがあった。
一方、特許文献2記載の現像剤担持体は、現像剤に対するチャージアップを抑制することができ、さらに安定した帯電付与性を有することができる。しかしながら、特に帯電されやすい現像剤の過剰帯電を抑えるために第4級ホスホニウム塩の添加量を増やした場合、表面層の体積抵抗が増大しスリーブゴーストが発生しやすくなる。また、表面層の耐磨耗性が低下することがあり、更なる改善が望まれた。
さらに、近年は電子写真装置の連続使用における濃度維持、スリーブゴースト抑制、ブロッチ(現像剤への摩擦帯電付与不良に起因する斑点画像や波模様画像)抑制に対するニーズが高まっている。このような状況下では、連続使用時における現像剤担持体表面の摩擦帯電制御に対する更なる改善が望まれている。
従って本発明の目的は、表面における現像剤の摩擦帯電を抑制して安定化させ、高摩擦帯電性の現像剤を使用しても、長期に渡って高画質を維持することができる現像剤担持体及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の長期に亘る安定的な形成に資する現像装置を提供することである。
本発明によれば、基体と、表面層とを有する現像剤担持体であって、該表面層は、バインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及びアゾ系金属錯体化合物を含む樹脂組成物の硬化物であり、該バインダー樹脂は、分子構造中に、−NH基、=NH基および−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有しており、該アゾ系金属錯体化合物は、下記式(1)で示される化合物である現像剤担持体が提供される。
Figure 0005843744
式(1)中、X、X、XおよびXは各々独立に、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基または置換もしくは未置換のピラゾレン基を示し、Mは、Fe、CrまたはAlを示し、Jは陽イオンを示す。該フェニレン基、該ナフチレン基および該ピラゾレン基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアニリド基、および置換基を有していても良いフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、該アニリド基および該フェニル基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
また本発明によれば、負帯電性の現像剤、該負帯電性の現像剤が収容されている現像容器、該現像容器から供給された該負帯電性の現像剤を表面に担持し且つ搬送する回転自在に保持された現像剤担持体、および該現像剤担持体上に形成される負帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材を備え、該現像剤担持体が上述した現像剤担持体である現像装置が提供される。
更に本発明によれば、基体と、表面層とを有する現像剤担持体の製造方法であって、分子構造中に−NH基、=NH基、及び−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有するバインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及び上記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を少なくとも含む塗料の塗膜を該基体表面に形成し、該塗膜を硬化させて該表面層を形成する工程を有する現像剤担持体の製造方法が提供される。
本発明によれば、表面における現像剤の摩擦帯電を強力に抑制して安定化させることで、高摩擦帯電の現像剤を使用しても長期に渡って高画質を維持することができる現像剤担持体及びその製造方法を得ることができる。
また、本発明によれば、高品位な電子写真画像の長期に亘る安定的な形成に資する現像装置を得ることができる。
本発明の現像剤担持体を用いた磁性一成分現像装置の一例の模式図である。 本発明の現像剤担持体を用いた磁性一成分現像装置の他の一例の模式図である。 本発明の現像剤担持体を用いた非磁性一成分現像装置の一例の模式図である。 本発明の実施例1に用いたアゾ系金属錯体化合物単体(錯体D−1)のLC/MS(Negative)の測定結果を示すグラフである。 実施例1に用いた第4級ホスホニウム塩(ホスホニウム塩C−1)のLC/MS(Positive)の測定結果を示すグラフである。 実施例1に用いた現像剤担持体(T1)の表面層溶出物のLC/MS(Negative)での検出結果を示すグラフである。 実施例1に用いた現像剤担持体(T1)の表面層溶出物のLC/MS(Positive)での検出結果を示すグラフである。
<<現像剤担持体>>
本発明に係る現像剤担持体は、基体と、表面層とを有し、この他に、例えば、基体と表面層との間に中間層(例えば、弾性層)を有することができる。本発明の現像剤担持体は、電子写真装置に用いる現像剤担持体(電子写真装置用現像剤担持体)として使用することができる。また、表面層は、基体表面に直接形成されることができる。以下に本発明の現像剤担持体を詳しく説明する。
<基体>
基体は、現像剤担持体の分野で公知の基体を用いることができ、その形状は、中空円筒状、中実円柱状及びベルト形状等から適宜選択できる。この基体としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮等の非磁性の金属、又はこれらの合金を、中空円筒状または中実円柱状に成型し、研磨、研削を施したものを用いることができる。
<表面層>
表面層は、バインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及び上記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含む樹脂組成物の硬化物である。なお、このバインダー樹脂は、分子構造中に、−NH基、=NH基および−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造(結合)を有する。また、上記樹脂組成物は、後述する凹凸付与粒子等の他の添加剤を含むことができる。
本発明に係る現像剤担持体は、この構成の表面層を有することによって、負帯電性の現像剤を使用した場合において、現像剤に対する過度の摩擦電荷付与性が抑えられる。そのため、負帯電性の現像剤に対して適切な摩擦電荷を安定的に付与することができる。その結果、従来よりも高摩擦帯電性の現像剤を使用した場合でも、長期に渡って摩擦帯電量の適正化が達成できるため、良好な現像特性を得ることができる。
なお、第4級ホスホニウム塩を使用しない以外は上記と同様の組成の樹脂組成物を用いて形成した表面層を有する現像剤担持体については、高摩擦帯電性の現像剤のチャージアップを抑制する効果は低かった。一方、前記アゾ系金属錯体化合物を使用しない以外は、上記と同じ組成の樹脂組成物を用いて形成した表面層を有する現像剤担持体については、高摩擦帯電性の現像剤のチャージアップをある程度抑制する効果が見られた。
しかし、バインダー樹脂、第4級ホスホニウム塩、アゾ系金属錯体化合物および導電性粒子を含む樹脂組成物から形成されてなる表面層を備えた現像剤担持体は、上述した2つの場合と比較して、格段に大きな過剰帯電の抑制効果が得られ、現像剤の摩擦帯電量の安定化効果が著しかった。
この効果は、上述した第4級ホスホニウム塩及びアゾ系金属錯体化合物のいずれか一方を用いた場合の結果から説明できないほど大きく、これらの材料の相乗効果により発現したものであると考えられる。これらの材料を組み合わせることにより発現する格段に大きな現像剤の過剰帯電抑制メカニズムを、以下の方法により調べた。
まず、第4級ホスホニウム塩を用いずに、バインダー樹脂とアゾ系金属錯体化合物と導電性粒子とを用いて作製した表面層を、アゾ系金属錯体化合物が可溶のクロロホルム等の有機溶剤に浸漬させてアゾ系金属錯体化合物を抽出させた。その結果、アゾ系金属錯体化合物の溶出量は、アゾ系金属錯体化合物の添加量に対して非常に少なかった。
これは、バインダー樹脂の硬化と共に、アゾ系金属錯体化合物がポリマーの一部としてバインダー樹脂中に取り込まれたためだと考えられる。
続いて、バインダー樹脂、第4級ホスホニウム塩、アゾ系金属錯体化合物及び導電性粒子を用いて作製した表面層を、同様に上記有機溶剤に浸漬させてアゾ系金属錯体化合物を抽出させた。その結果、第4級ホスホニウム塩を樹脂組成物中に添加しなかった上記場合と比較して、アゾ系金属錯体化合物が数十倍から数百倍程度多く溶出した。このアゾ系金属錯体化合物の溶出量は、添加した第4級ホスホニウム塩とアゾ系金属錯体化合物の量を考えても非常に多いものであった。
これは、アゾ系金属錯体化合物及び第4級ホスホニウム塩のどちらも、バインダー樹脂の硬化と共にポリマーの一部として取りこまれるが、特定の構造を有するバインダー樹脂の存在下で第4級ホスホニウム塩がバインダー樹脂と優先的に結合する為だと考えられる。アゾ系金属錯体化合物より第4級ホスホニウム塩がバインダー樹脂と優先的に結合する理由は詳しく分かっていないが、これにより、アゾ系金属錯体化合物が単体で存在し易くなると考えられる。その結果、イオン性のアゾ系金属錯体化合物が単体で表面層中に多く存在することとなり、表面層の体積抵抗の上昇を防ぎ、現像剤の過剰帯電を大幅に抑制していると考えられる。そして、結果的に、スリーブゴーストや汚染、ブロッチ等の画像不良を抑制することが可能となる。
なお、表面層中にアゾ系金属錯体化合物が単体で多く存在することは、バインダー樹脂、第4級ホスホニウム塩、アゾ系金属錯体化合物及び導電性粒子を併用して作製した表面層から、アゾ系金属錯体化合物が上記有機溶剤に多く抽出されたことからも明らかである。
また、第4級ホスホニウム塩、前記アゾ系金属錯体化合物、導電性粒子及び前記バインダー樹脂を含む樹脂組成物は、保存安定性が非常に優れている。これは、前記バインダー樹脂に対して、第4級ホスホニウム塩の相溶性が高く、前記アゾ系金属錯体化合物が溶けにくいため、常温での反応性が低く、それによって長期保存において樹脂組成物の粘度変化や粒子の凝集が起こり難くなるためだと考えられる。このため、本発明に用いる樹脂組成物を長期保存した後に塗料に使用した場合にも、塗工ブツの発生が少なく、塗工安定性が優れるのである。
(表面層形成用樹脂組成物)
・バインダー樹脂
バインダー樹脂は、分子構造中に、−NH基、=NH基および−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造(以下、NHn構造と称することもある)を有する。NHn構造を分子構造中に有することによって、現像剤の過剰摩擦帯電に起因すると考えられるブロッチやゴースト等の発生を抑制することができる。このバインダー樹脂の具体例としては以下のものが挙げられる。ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、NHn構造を有するフェノール樹脂、および、ウレタン変性エポキシ樹脂等のNHn構造を主鎖以外に有する樹脂。
中でも特に上記NHn構造を有するフェノール樹脂は、硬化後の硬度が高く、且つ併用効果が高いため好ましく用いられる。このフェノール樹脂としては、その製造工程において、触媒としてアンモニア等の含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂が挙げられ、好ましく用いることができる。触媒である含窒素化合物は、重合反応に直接関与し反応終了後に於いてもフェノール樹脂中に存在する。例えば、アンモニア触媒の存在下にて重合された場合は、アンモニアレゾールと呼ばれる中間体が生成されることが一般的に確認されており、反応終了後においても下記式(4)のような構造としてフェノール樹脂中に存在する。
Figure 0005843744
上記フェノール樹脂の製造に用いる含窒素化合物は、酸性、塩基性のいずれでも良く、好適に用いることができる。
表面層の形成に用いる樹脂組成物(表面層形成用樹脂組成物)中のバインダー樹脂の含有量は、樹脂層中への顔料保持の観点から50質量%以上、樹脂層抵抗抑制の観点から80質量%以下であることが好ましい。また、上記バインダー樹脂に関しては、IR(赤外吸収分光法)やNMR(核磁気共鳴分光法)等の分析装置で解析することにより、その構造の分析が可能である。
・第4級ホスホニウム塩
第4級ホスホニウム塩は、本発明に係る現像剤担持体の、現像剤に対する摩擦帯電付与性を安定化させるために必要である。その構造は、過剰な帯電付与の抑制の観点から下記式(3)で表される塩(化合物)であることが好ましい。
Figure 0005843744
式(3)において、Z〜Zは各々独立に炭素数1以上18以下のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基、または置換もしくは未置換のベンジル基を示す。Qは陰イオンを示す。
また、Z〜Zのうちの少なくとも3つの官能基が、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基及び置換もしくは未置換のベンジル基のいずれかであることが好ましい。これにより、バインダー樹脂(例えばNHn構造を有するフェノール樹脂)に対する第4級ホスホニウム塩の分散均一性を容易に向上させることができる。上記フェニル基、ナフチル基及びベンジル基が各々独立に有しても良い置換基としては、例えば、ハロゲン基、ニトロ基、スルホ基、炭素数1以上18以下のアルキル基を挙げることができる。
式(3)におけるQは、例えば、ハロゲンイオン、OH、及び有機酸イオンの中から選ばれる陰イオンであることができる。この有機酸イオンとしては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、及び、モリブデン原子またはタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオン等が挙げられる。また、第4級ホスホニウム塩と他の材料を混合して表面層を形成した際に、現像剤担持体としてより過剰帯電を抑制することができる点で、Qはハロゲンイオン、またはOHであることが好ましい。下記表1−1〜表1−2に、本発明に好適に用いられる第4級ホスホニウム塩を列記するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記表1−1〜表1−2において、「Ph基」とはフェニル基を意味する。
Figure 0005843744
Figure 0005843744
一般的に、第4級ホスホニウム塩は、正帯電性現像剤の帯電量を高めるための正帯電性荷電制御剤として用いられる。しかし、本発明では、第4級ホスホニウム塩を、前記バインダー樹脂と併用することにより、以下のことが可能となる。即ち、第4級ホスホニウム塩自身の正帯電性を緩和する方向に働き、アゾ系金属錯体化合物添加による負帯電性現像剤への過剰摩擦帯電抑制の効果を顕著に発揮させることができる。
表面層形成用樹脂組成物は、前記第4級ホスホニウム塩を前記バインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下有することが好ましい。添加量を0.1質量部以上とすることで現像剤の過剰帯電抑制効果を容易に発揮することができ、20質量部以下とすることで表面層の耐久性を維持したまま現像剤の過剰帯電抑制が容易に可能となる。
また、これら第4級ホスホニウム塩の存在は、例えば、現像剤担持体表面層の研削やクロロホルム等の溶媒による抽出で採取したサンプルを、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)、LC−MS(液体クロマトグラフ質量分析)等の分析装置で解析することにより確認できる。
・アゾ系金属錯体化合物
本発明では、下記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を表面層中に含有させることが、現像剤に対して適切な摩擦帯電付与をするために必要である。
Figure 0005843744
式(1)中、X、X、XおよびXは各々独立に、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基または置換もしくは未置換のピラゾレン基を示す。Mは、Fe、Cr又はAlを示す。Jは陽イオンを示す。
前記フェニレン基、前記ナフチレン基および前記ピラゾレン基が各々独立に有していてもよい置換基としては、炭素数1以上18以下のアルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアニリド基、および置換基を有していても良いフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つである。前記アニリド基および前記フェニル基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
上記式(1)中のカウンターイオンJとしては、例えば、H、アルカリ金属イオン、NH 、アルキルアンモニウムイオンまたはこれらの混合イオンを挙げることができる。また、過剰な摩擦帯電付与を抑制する観点から、Jは、Hであることが好ましい。
特に上記式(1)の中でも、下記式(2)で示されるアゾ系金属錯体化合物を表面層中に含有させることが、高温高湿下や低温低湿下で現像剤担持体の環境安定性を向上させるために好ましい。
Figure 0005843744
式(2)中、A、AおよびAは各々独立に水素原子、炭素数1以上18以下のアルキル基、またはハロゲン原子を示す。Bは水素原子または炭素数1以上18以下のアルキル基を示す。MはFe、CrまたはAlを示す。Jは陽イオンである。
式(2)で示されるアゾ系金属錯体化合物を用いることで、現像剤担持体の環境安定性が良化する詳しい理由は不明だが、ピラゾロン骨格を配位子内に有することで、アゾ系金属錯体化合物の極性が変化し、吸水性が抑制されるためと考えている。
特に、上記式(2)中のMとしてはFe又はCrが好ましい。配位金属をFe又はCrとすることで、バインダー樹脂に対するアゾ系金属錯体化合物の分散性が良化し、長期に渡り安定して現像剤への過剰な帯電付与を抑制することが容易に可能となる。
上記式(2)中のカウンターイオンJは、上記式(1)と同様に、H、アルカリ金属イオン、NH 、アルキルアンモニウムイオン又はこれらの混合イオンであることができ、好ましくは、Hである。
また、本発明に用いるアゾ系金属錯体化合物は、体積平均粒径を0.1μm以上、20μm以下に調整し、使用するのが好ましく、より好ましくは0.1μm以上、10μm以下である。上記体積平均粒径を0.1μm以上20μm以下に制御することで、アゾ系金属錯体化合物を容易に表面層中に均一に分散することができ、これにより、表面層の摩擦帯電性が均一になり、画像濃度のムラを容易に抑制することができ好ましい。
表面層形成用樹脂組成物は、前記アゾ系金属錯体化合物を、前記バインダー樹脂100質量部に対して1質量部以上40質量部以下有することが好ましく、さらに好ましくは、5質量部以上40質量部以下である。添加量を1質量部以上とすることで現像剤への過剰な摩擦帯電付与を容易に抑制することができ、40質量部以下とすることで表面層の耐久性を維持したまま現像剤への過剰な摩擦帯電付与を抑制することが容易に可能となる。
また、これらアゾ系金属錯体化合物の存在は、例えば、現像剤担持体の表面層からの研削やクロロホルム等の溶媒による抽出で採取したサンプルを、GC−MS、LC−MS等の分析装置で解析することにより、確認できる。
本発明に用いるアゾ系金属錯体化合物の製造方法については、公知のアゾ系金属錯体化合物の製造方法を用いて製造できるが、以下に代表的な製造方法を記載する。
まず4−クロロ−2−アミノフェノール等のアミン成分に、塩酸や硫酸等の鉱酸を加え、液温が5℃以下になったら、水に溶解させた亜硝酸ナトリウムを液温10℃以下に維持しながら滴下する。10℃以下で30分以上、3時間以下撹拌し反応させることにより、このアミン成分をジアゾ化して、ジアゾ化合物を得る。そして、反応液にスルファミン酸を加え、ヨウ化カリウムでんぷん紙により反応系中に過剰に亜硝酸が残存していないことを確認する。
次に、別途、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロン等のカップリング成分、水酸化ナトリウムの水溶液、炭酸ナトリウム、及びn−ブタノール等の有機溶媒を室温で攪拌(混合)する。得られた溶液に前記ジアゾ化合物を添加し、室温で数時間攪拌しカップリング反応を行う。撹拌後、反応液にレゾルシンを加え、ジアゾ化合物とレゾルシンとの反応がないことを確認し反応終了とする。水を加えた後十分に攪拌し、静置してから分液する。更に水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌洗浄し分液を行い、モノアゾ化合物を得る。
なお、アミン成分及びカップリング成分は、所望のアゾ系金属錯体化合物の分子構造に応じて適宜選択して用いる。上記カップリングの際に使用するn−ブタノール以外の有機溶媒としては、カップリングの際に、使用できる溶媒であればよく、1価アルコール、2価アルコール、ケトン系有機溶媒が好ましい。1価のアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、エチレングリコールモノアルキル(アルキル基の炭素数1以上4以下)エーテルが挙げられる。2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。ケトン系としては例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
次に、金属化反応を行う。上記モノアゾ化合物のn−ブタノール溶液に、水、サリチル酸、n−ブタノール、炭酸ナトリウムを添加し攪拌する。配位金属として例えば鉄を用いる場合は、塩化第二鉄水溶液と炭酸ナトリウムを添加する。液温を30℃以上、40℃以下に昇温させて反応を開始し、TLC(Thin−Layer Chromatography)で反応を追跡する。反応を開始してから5時間以降、10時間以内に、TLCで原料のスポットが消失したことを確認し反応終了とする。攪拌停止後静止し、分液を行う。更に水、n−ブタノール、水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ洗浄を行う。濾過を行い、得られた固形分(ケーキ)を取り出し、水で洗浄する。
任意の対イオンとする場合は、例えば水酸化ナトリウムを水に加え、昇温しながら攪拌し、内温が85℃以上、90℃以下になったら、上記のケーキの分散液を滴下する。97℃以上、99℃以下で1時間攪拌し、冷却濾過後、水によりケーキを洗浄する。そして、真空乾燥により十分に乾燥することで、本発明に使用可能なアゾ系金属錯体化合物を得ることができる。
・導電性粒子
導電性粒子は、現像剤担持体の分野で公知の導電性粒子を適宜選択して用いることができる。この導電性粒子としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の導電性金属酸化物、結晶性グラファイト、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等の導電性カーボンブラック、更には金属繊維を挙げることができる。また、これらを1種、または2種以上用いても良い。
これらのうち、分散性及び電気伝導性に優れることから、特にカーボンブラック、グラファイトが好ましい。これらのうち、導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適である。また塗料にした場合のチキソ性効果により分散安定性・塗工安定性も良好となる。
また、導電性粒子の体積平均粒径は、分散安定性の観点から10nm以上、樹脂組成物の抵抗均一性の観点から20μm以下が好ましい。
表面層形成用樹脂組成物中の導電性粒子の含有量は、その粒径によっても異なるが、結着樹脂(バインダー樹脂)100質量部に対して1質量部以上100質量部以下とすることが好ましい。1質量部以上であれば表面層の低抵抗化を向上することが容易に可能となり、100質量部以下であると、導電性樹脂の強度(摩耗性)を大きく低下させることなく、抵抗値を好適に下げることが容易に可能となる。
・その他の添加剤
樹脂組成物には、表面層の表面粗さを均一に、且つ、適切な表面粗さを維持する観点から、凹凸形成のための凹凸付与粒子を含有させることが好ましい。凹凸付与粒子は導電性を有する必要はなく、樹脂組成物表面に凹凸形状作製を目的として添加される。この凹凸付与粒子の体積平均粒径は、凹凸付与の観点から1μm以上、樹脂組成物の耐摩耗性維持の観点から30μm以下が好ましい。また、表面層形成用樹脂組成物中の凹凸付与粒子の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、添加による効果発揮の観点から5質量部以上、耐摩耗性維持の観点から100質量部以下が好ましい。
(表面層の層厚、体積抵抗値及び表面粗さ)
表面層の層厚は4μm以上50μm以下、特には6μm以上30μm以下であることが好ましい。4μm以上であれば、表面層が基体を容易に覆うことができるため表面層作製の効果を得易く、50μm以下であれば添加する材料で表面層の粗さを制御し易い。
表面層の体積抵抗値としては、1×10−1Ω・cm以上1×10Ω・cm以下、特には、1×10-1Ω・cm以上、1×10Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗値が1×10−1Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であれば、表面層中への導電性粒子の添加による抵抗調整が容易である。
現像剤担持体表面、すなわち表面層の粗さは、その現像方式によって異なるが、一般的には、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さ(Ra)が0.15μm以上3.00μm以下であることが好ましい。0.15μm以上かつ3.00μm以下であれば、現像剤担持体として十分な搬送力が容易に発揮できる。
また、特に、磁性現像剤を用い、現像剤層厚規制部材として現像剤担持体と間隙をもって配置された磁性ブレードを有するような後述する図1に示す現像装置では、上記Raは0.15μm以上2.50μm以下であることが望ましい。この範囲にすることで良好な現像特性が容易に得られる。
さらに、図2、図3に示すような、弾性部材が現像剤担持体に圧接して用いられる現像装置の場合には、表面層の表面粗さRaは、0.30μm以上3.00μm以下であることが好ましい。この範囲にすることで現像剤担持体として十分な搬送力が容易に発揮できる。
<<現像剤担持体の製造方法>>
本発明の現像剤担持体の製造方法では、上述した、バインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及びアゾ系金属錯体化合物を少なくとも含む塗料の塗膜を前記基体表面に形成し、その塗膜を硬化(乾燥固化でも良い)させて表面層を形成する。なお、表面層を形成するための材料を混合する際は、溶媒中にこれらの材料を分散混合して塗料化し、前記基体表面に塗工することが好ましい。表面層作製には、前記バインダー樹脂、前記導電性粒子、前記第4級ホスホニウム塩及び前記アゾ系金属錯体化合物を、前記バインダー樹脂が溶解する溶剤(例えば、メタノールやイソプロピルアルコール等)に混合した塗料を用いることが好ましい。上記材料を分散混合するためには、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の公知のメディア分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が好適に利用可能である。また得られた塗料の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗工法、リング塗工法等の公知の方法が挙げられる。硬化方法としては、例えば加熱硬化法を挙げることができる。
<<現像装置>>
次に、本発明の現像剤担持体を使用する現像装置について実施形態の例を挙げて説明するが、特に以下の実施形態に限定するものではない。なお、本発明の現像装置は、負帯電性現像剤、現像容器、現像剤担持体、及び現像剤層厚規制部材を少なくとも備えており、この現像剤担持体として、上述した本発明の現像剤担持体を用いる。
図1は、磁性一成分現像剤を使用する場合の本発明の現像装置の一例の構成を示す模式図である。図1に示す現像装置は、現像剤を収容するための容器(現像容器503)と、前記容器に貯蔵された現像剤(不図示)を表面に担持し且つ搬送する回転自在に保持された現像剤担持体(現像スリーブ)508とを有している。この現像剤担持体508は、基体506と、基体上に形成された表面層507とを有する。また、この現像スリーブ508内には、磁性一成分現像剤を現像剤担持体508上に磁気的に吸引しかつ保持するため、磁極(N1、N2、S1及びS2)を有する磁石(マグネットローラ)509が配置されている。
なお、磁性一成分現像剤は、現像剤補給容器(不図示)から現像剤供給部材512を経由して現像容器503内へ送り込まれてくる。現像容器503は、第一室514と第二室515とに分割されており、第一室514に送り込まれた磁性一成分現像剤は攪拌搬送部材505により現像容器503及び仕切り部材504により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。第二室515中には現像剤が滞留するのを防止するための攪拌搬送部材511が設けられている。
この現像装置は、まず、現像容器503に収容された磁性一成分現像剤を、マグネットローラ509による磁力の作用により現像剤担持体508に担持させ、現像剤層厚規制部材502により前記現像剤担持体508上に現像剤層を形成する。そして、現像剤担持体508が矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体508と、静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光ドラム)501とが対向している現像領域Cに、現像剤担持体508上の現像剤を搬送する。そして、静電潜像担持体501の静電潜像を現像剤により現像し、現像剤像を形成する。なおその際、感光ドラム501は、矢印B方向に回転する。
磁性一成分現像剤は、磁性現像剤粒子相互間及び現像剤担持体上の表面層との摩擦により、感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Cに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性ブレード502が装着されている。磁性ブレード502は、通常、現像剤担持体508の表面から50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体508に対向するように現像容器503に装着される。マグネットローラ509の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード502に集中することにより、現像剤担持体508上に磁性一成分現像剤の薄層が形成される。なお、本発明においては、この磁性ブレード502に替えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。
現像剤担持体508上に形成される磁性一成分現像剤の厚みは、高画質の観点から、現像領域Cにおける現像剤担持体508と感光ドラム501との間の最小間隙よりも薄いものであることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、以上の様な磁性一成分現像剤により静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち非接触型現像装置に組み込むことが有効である。
また、現像剤担持体508に担持された磁性一成分現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体508にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体508に印加するのが好ましい。
現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体508に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Cに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体508に印加するのが好ましい。
図2は、磁性一成分現像剤を使用する本発明の現像装置の他の構成例を示す模式図である。図1では、現像剤担持体508上の磁性一成分現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現像剤担持体508から離間されて配置された磁性ブレード502を用いている。一方、図2では、現像剤層厚規制部材として弾性ブレード516を用いている。この弾性ブレード516は、現像剤担持体508に対して、磁性一成分現像剤を介して接触または圧接されても良い。このように、本発明の現像剤担持体を装着する現像装置は、現像剤層規制部材として、担持体から離間配置される磁性ブレードを使用しても良いし、担持体に現像剤を介して当接可能な弾性ブレードを使用しても良い。
この弾性ブレード516は、例えば、ウレタンゴム及びシリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、又は、リン青銅及びステンレス鋼等の金属弾性を有する材料を用いた弾性板からなることができる。なお、現像剤担持体508に対する弾性ブレード516の当接圧力は、線圧4.9×10−2N/cm以上4.9×10−1N/cm以下であることが、磁性一成分現像剤の適度な摩擦帯電量が付与でき、磁性現像剤層の厚みを好適に規制できる点で好ましい。
図3は、本発明の現像剤担持体を使用する非磁性一成分現像装置の構成例を示す模式図である。図3に示す装置において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光ドラム)501は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ508は、基体(金属製円筒管)506とその表面に形成される表面層507から構成されている。非磁性一成分現像剤を用いているので基体506の内部には磁石は設置されていない。基体506として金属製円筒管の替わりに中実円柱状部材を用いることもできる。
また、現像容器503内には非磁性一成分現像剤518を撹拌搬送するための撹拌搬送部材511が設けられている。
現像スリーブ508に現像剤518を供給し、かつ現像後の現像スリーブ508の表面に残存する現像剤518を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材517が現像スリーブ508に当接している。現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)517が現像スリーブ508と同じ方向(A方向)に回転することにより、現像剤供給・剥ぎ取りローラ517の表面は、現像スリーブ508の表面とカウンター方向(逆方向)に移動する。これにより、現像容器503内で非磁性一成分現像剤518は、現像剤スリーブ508に供給される。現像スリーブ508は、供給された非磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ508と感光ドラム501とが対向した現像領域Cに非磁性一成分現像剤を搬送する。現像スリーブ508に担持されている非磁性一成分現像剤は、現像スリーブ508の表面に対して現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材516によりその厚みが規定される。非磁性一成分現像剤518は現像スリーブ508との摩擦により、感光ドラム501上の静電潜像を現像するのに十分な摩擦帯電をする。なお、煩雑を避けるため、非接触型現像装置を例にとって、以下、説明を行う。
現像スリーブ508には、これに担持された非磁性一成分現像剤を飛翔させるために、現像バイアス電源513より現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(非磁性現像剤518が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が現像スリーブ508に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高めたり、階調性を向上させたりするために、現像スリーブ508に交番バイアス電圧を印加して、現像領域Cに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ508に印加することが好ましい。
現像剤供給・剥ぎ取り部材517としては、樹脂、ゴム、スポンジ等の弾性ローラ部材を用いることが好ましい。現像剤供給・剥ぎ取り部材517として、弾性ローラに代えてベルト部材またはブラシ部材を用いることもできる。現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラからなる現像剤供給・剥ぎ取りローラ517を用いる場合には、現像剤供給・剥ぎ取りローラ517の回転方向は現像スリーブに対して適宜同方向若しくはカウンター方向を選択することができる。通常、カウンター方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
現像スリーブ508に対する現像剤供給・剥ぎ取り部材517の侵入量は、0.5mm以上2.5mm以下であることが、現像剤の供給及び剥ぎ取り性の点で好ましい。この侵入量とは、当接前の、現像剤供給・剥ぎ取り部材517の外径と現像スリーブ508の外径との和を2で割って得られた値から、当接後の部材517とスリーブ508の中心間距離を差し引いた値(長さ)である。
図3に示す現像装置では、現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、またはリン青銅、ステンレス銅等の金属弾性を有する材料からなる弾性ブレード516を使用することができる。この弾性ブレード516は、現像スリーブ508の回転方向と逆方向に湾曲した状態で現像スリーブ508に圧接されている。
この弾性ブレード516としては、特に安定した規制力と現像剤への安定した(負)摩擦帯電付与性のために、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、ポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
現像スリーブ508に対する現像剤層厚規制部材516の当接圧は、図3に示す装置においても磁性一成分現像剤を使用する図2に示したものと同様に、線圧4.9×10−2N/cm以上4.9×10−1N/cm以下であることが好ましい。
なお、本発明の現像担持体を用いる現像装置は、負帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材以外にも、現像容器503の形状、攪拌搬送部材505、511の有無、磁極の配置、現像剤供給部材512の形状、補給容器の有無等を適宜変更することができる。
<現像剤>
本発明の現像剤担持体を使用する現像装置に用いる現像剤(トナー)は、負帯電性である。また、この負帯電性現像剤は、従来公知の材料(例えば、結着樹脂、荷電制御剤、磁性材料、着色剤、離型剤、及び無機微粉体等の成分)を用い、従来公知の製造方法によって得ることが可能であり、特に限定はない。
本発明で使用する現像剤を構成する粒子(現像剤粒子)は、重量平均粒径が4μm以上8μm以下の範囲にあることが好ましい。上記範囲の現像剤を使用することで、画質及び画像濃度のバランスをとることが容易に可能となる。また前記現像剤は、安定した画像濃度と画像品質を達成するため、より球形に近いもの、即ち現像剤粒子の平均円形度が1.0に近いことが好ましい。
現像剤に用いる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能であり、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂が挙げられる。この中でも、現像性、定着性の観点からビニル系樹脂又はポリエステル樹脂が好ましい。
摩擦帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤を現像剤粒子の中に包含させる(内添)、又は現像剤粒子と混合して用いる(外添)ことができる。荷電制御剤を添加することで、現像システムに応じた摩擦帯電量の制御を容易に図ることができる。
現像剤が、磁性現像剤である場合、磁性材料としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、及びフェライト等の酸化鉄系金属酸化物、Fe、Co、及びNi等の磁性金属、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、及びV等の金属との合金、又はこれらの混合物を配合することができる。この際は、これらの磁性材料に、着色剤としての役目を兼用させても構わない。
現像剤に配合する着色剤としては、従来公知の顔料、あるいは染料を使用することが可能である。
また、現像剤には、定着機への巻きつき防止の観点から離型剤を配合することが好ましく、離型剤としては、例えばフィッシャートロプシュワックスを使用することができる。
さらに、現像剤には、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために、シリカ、酸化チタン、及びアルミナ等の無機微粉体を外添することが好ましい。中でも、シリカ微粉体がより好ましい。
以下に、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<<物性測定方法>>
はじめに本発明に関わる各種物性の測定方法を以下に述べる。
〔1〕導電性粒子及び凹凸付与粒子の体積平均粒径測定
表面層の形成に用いる、黒鉛粒子や金属酸化物粒子等の導電性粒子及び凹凸付与粒子の体積平均粒径は、レーザー回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行する。次に、IPA50ml中に、測定試料を1mg以上25mg以下加えて、得られる懸濁液を超音波分散機で3分間分散処理し、被験試料液を得る。そして、測定装置の測定系内にこの被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDS(偏光散乱強度差)が45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求める。尚、後述の実施例では、粒子の体積平均粒径が0.5μm以上の場合は上述した測定方法を用いて体積平均粒径を測定したが、0.5μm未満の場合はメーカー値を使用した。
〔2〕現像剤担持体表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)測定
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE−3500、株式会社小坂研究所製)にて、軸方向3箇所、周方向3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を試料(現像剤担持体)の表面粗さRaとする。なお、カットオフは0.8mm、測定距離は8.0mm、送り速度は0.5mm/secとする。
〔3〕第4級ホスホニウム塩、アゾ系金属錯体化合物の検出
LC/MS(商品名:Agilent1200/6100、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、現像剤担持体の表面層から第4級ホスホニウム塩、アゾ系金属錯体化合物の存在を確認する。現像剤担持体の表面層をメタノールに浸漬し、溶出する成分を溶出させることによって得たサンプル(溶出物)をエレクトロスプレー法(ESI)にてイオン化し、positive、negative共にLC/MS測定を実施する。
〔4〕現像剤担持体の表面層の体積抵抗測定
試料として、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)シート上に7μm以上20μm以下の厚さの表面層を形成したものを用いる。測定装置として、抵抗値により抵抗率計ロレスタAP(低抵抗)又はハイレスタIP(高抵抗)(いずれも商品名、三菱化学株式会社製)を使い分け、4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定する。また、体積抵抗の測定は、測定環境を20℃以上25℃以下、50%RH(相対湿度)以上60%RH以下として行う。
〔5〕アゾ系金属錯体化合物の体積平均粒径測定
アゾ系金属錯体化合物約20mgを、活性剤である商品名:スコアロール100(花王(株)製)2mLと水20mLとからなる溶液に加え混合液を調製する。続いて、粒度分布測定器である商品名:LA−910((株)堀場製作所製)内の分散水約120mLに、この混合液を約1mL加え、1分間超音波振動させた後、粒度分布を測定する。
〔6〕表面層の膜厚及び削れ量測定
レーザー光にて円筒の外径を測定する株式会社キーエンス製の寸法測定器「LS5000シリーズ」(商品名)を用い、表面層形成前の現像剤担持体の外径(S)、表面層形成後の外径(S)及び耐久使用後(耐久使用条件については適宜設定する)の外径(S)をそれぞれ測定する。それらの値から、表面層の厚み(S−S)及び表面層の削れ量(膜削れ)(S−S)を算出する。
測定には、前記装置のコントローラLS−5500(商品名)及びセンサーヘッドLS−5040T(商品名)を用いる。現像剤担持体固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、現像剤担持体長手方向に対し30分割して30箇所、更にスリーブを周方向に90°回転させた後更に30箇所、合計60箇所について現像剤担持体の外径寸法を測定する。外径寸法はその平均値とし、測定環境は20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行う。なお、耐久使用後の現像剤担持体外径の測定は、表面上に付着或いは融着している現像剤融着物をメチルエチルケトン中で1分間超音波洗浄により除去してから行う。
〔7〕現像剤粒子の粒径測定
測定装置として、コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。また、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した約1質量%NaCl水溶液またはISOTON−II(商品名、ベックマン・コールター社製)を使用する。まず、電解液100ml以上150ml以下中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩液)を0.1ml以上5ml以下加え、次いで、試料(現像剤)を2mg以上20mg以下加える。これに、超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、被験試料を調製する。そして、測定装置の100μmアパーチャーを用い、被験試料中の現像剤粒子の体積、個数を測定する。
この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
〔8〕現像剤粒子の平均円形度測定
現像剤粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(商品名:「FPIA−3000」シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として商品名:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料(現像剤)を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば商品名:「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして商品名:「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース商品名:「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個の現像剤粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、現像剤粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の商品名:「RESEARCH AND TEST PARTICLESLatex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、後述する実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
〔9〕現像剤に用いる、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)及びワックスの融点の測定
ワックスおよびトナーの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置、商品名:「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明に用いるトナーのDSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとする。また、この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
〔10〕現像剤に用いる磁性酸化鉄粒子の磁気特性の測定
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7(商品名)を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて、磁性酸化鉄粒子の磁気特性を測定する。
〔11〕現像剤に用いる、磁性酸化鉄粒子、シリカ粒子、酸化チタン粒子の平均一次粒子径の測定
これらの粒子の平均一次粒子径は、それぞれの粒子を走査型電子顕微鏡(倍率40000倍以上400000倍以下)で観察し、200個の各粒子のフェレ径を計測して個数平均粒子径を求めることにより特定できる。後述する実施例においては、走査型電子顕微鏡として、S−4700(商品名、日立製作所製)を用いた。
<導電性粒子>
現像剤担持体の表面層に用いる導電性粒子としては、以下の導電性粒子A−1及びA−2を用いた。
[導電性粒子A−1]
原材料として、コークスとタールピッチの混合物を用い、この混合物をタールピッチの軟化点以上の温度で練り込み、押出し成型し、窒素雰囲気下において1000℃で一次焼成して炭化した。続いてコールタールピッチを含浸させた後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成をして黒鉛化し、さらに粉砕及び分級して体積平均粒径4.1μmの導電性粒子A−1を得た。
[導電性粒子A−2]
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#5500、東海カーボン株式会社製)を導電性粒子A−2として用いた。
<バインダー樹脂>
現像剤担持体の表面層に用いるバインダー樹脂としては、以下の樹脂B−1、B−2、B−3、b−1、b−2を用いた。
[バインダー樹脂B−1]
アンモニア触媒使用レゾール型フェノール樹脂(商品名:J−325CA、DIC株式会社製)を樹脂B−1として用いた。
[バインダー樹脂B−2]
ポリオール(商品名:ニッポラン5037、日本ポリウレタン工業株式会社製)と、硬化剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業製)とを質量比10:1で配合したものを樹脂B−2として用いた。
[バインダー樹脂B−3]
6/66/610共重合ナイロン(商品名:エルバマイド8023、デュポン社製)を樹脂B−3とした。
[バインダー樹脂b−1]
NaOH触媒使用レゾ−ル型フェノール樹脂GF9000(商品名、大日本インキ化学工業社製)を樹脂b−1として用いた。
[バインダー樹脂b−2]
シリコーン樹脂SH804(商品名、東レ・ダウコーニング社製)を樹脂b−2として用いた。
<第4級ホスホニウム塩>
現像剤担持体の表面層に用いる第4級ホスホニウム塩としては、以下のホスホニウム塩C−1、C−2、C−3及びC−4を用いた。
[ホスホニウム塩C−1]
表1−1の例示No.1の化合物である第4級ホスホニウム塩(商品名:ヒシコーリンBTPPBr、日本化学社製)を第4級ホスホニウム塩C−1として用いた。
[ホスホニウム塩C−2]
表1−1の例示No.4の化合物である第4級ホスホニウム塩(商品名:ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、東京化成工業社製)を第4級ホスホニウム塩C−2として用いた。
[ホスホニウム塩C−3]
下記式(5)で表される第4級ホスホニウム塩(日本化学社製、商品名:ヒシコーリンPX−4BT)をホスホニウム塩C−3として用いた。
Figure 0005843744
[ホスホニウム塩C−4]
表1−1の例示No.2の化合物である第4級ホスホニウム塩(商品名:トリフェニル(2−プロペニル)ホスホニウムブロミド、東京化成工業社製)を第4級ホスホニウム塩C−4として用いた。
<アゾ系金属錯体化合物等>
現像剤担持体の表面層に用いるアゾ系金属錯体化合物や錯体として、以下の錯体D−1、D−2、D−3、D−4、D−5、D−6、D−7、D−8及びd−1を用いた。
[金属錯体化合物D−1の調製]
4−クロロ−2−アミノフェノール10質量部を、水76.5質量部、及び35質量%塩酸15.2質量部の混合物中に加えて撹拌し、アミン水溶液を調製した。0℃以上5℃以下に維持したこのアミン水溶液に、水24.6質量部に溶解させた亜硝酸ナトリウム13.6質量部を滴下し、その後、2時間撹拌してジアゾ化した。これにスルファミン酸を加えて、過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過してジアゾ溶液を得た。
次に、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロン12.0質量部を、水87質量部、25質量%水酸化ナトリウム水溶液12.1質量部、炭酸ナトリウム4.9質量部およびn−ブタノール104.6質量部の混合溶液に加えて溶解させた。得られた溶液に上記ジアゾ溶液を添加して、20℃以上22℃以下で4時間攪拌し、カップリング反応を行った。
その後、反応液中に、水92.8質量部、及び25質量%水酸化ナトリウム水溶液43.5質量部を加えて攪拌後、静置して下層の水相を除去した。
得られた油相に、水42.2質量部、サリチル酸5.9質量部、ブタノール24.6質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液48.5質量部の混合物を加えて攪拌し、さらに、38質量%塩化第二鉄水溶液15.1質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液18.0質量部を加えて、酢酸でpHを4.5に調整した。次いで、液温を30℃に調整して、8時間攪拌して、錯体化反応を行った。攪拌停止後、静置して下層の水相を除去した。
得られた油層に水189.9質量部を加え攪拌洗浄して下層の水相を除去した。金属錯体化合物を濾別した後、金属錯体化合物のケーキを水253質量部で洗浄した。その後、金属錯体化合物を温度60℃で24時間真空乾燥させて、金属錯体化合物D−1を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルを用いて金属錯体化合物D−1の構造を解析した結果、式(2)中のA〜A、B、M及びJが表2に示す構造を有する化合物であることが確認された。得られた金属錯体化合物D−1の上述した方法により測定した体積平均粒径を表2に示す。また表2において、A、Aの結合部位は式(2)に示すフェニル基からそれぞれの置換基の結合位置を、Aの結合部位は式(2)に示すフェニレン基からの結合位置をIUPAC命名法に準じて記載した。
[金属錯体化合物D−2の調製]
金属錯体化合物D−1の作製方法から、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロンを3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンに変更し、金属化に用いた塩化第二鉄水溶液を硫酸クロム水溶液に変更した。それら以外は、金属錯体化合物D−1と同様にして、金属錯体化合物D−2を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルを用いて金属錯体化合物D−2の構造を解析した結果、式(2)中のA〜A、B、M及びJが表2に示す構造を有する化合物であることが確認された。また、得られた金属錯体化合物D−2の体積平均粒径を表2に示す。
[金属錯体化合物D−3]
金属錯体化合物D−3として、下記式(6)で表される鉄アゾ錯体(保土谷化学工業社製、商品名:T−77)を用いた。下記式中、a+b+cは1である。また、金属錯体化合物D−3の体積平均粒径を表2に示す。
Figure 0005843744
[金属錯体化合物D−4]
金属錯体化合物D−4として、下記式(7)で表されるクロムアゾ錯体(保土谷化学工業社製、商品名:T−95)を用いた。また、金属錯体化合物D−4の体積平均粒径を表2に示す。
Figure 0005843744
[金属錯体化合物D−5の調製]
金属錯体化合物D−1の作製方法から、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロンを3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンに変更し、金属化に用いた塩化第二鉄水溶液を塩化アルミニウム水溶液に変更した。それら以外は、金属錯体化合物D−1と同様にして、金属錯体化合物D−5を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルを用いて金属錯体化合物D−5の構造を解析した結果、式(2)中のA〜A、B、M及びJが表2に示す構造を有する化合物であることが確認された。また、得られた金属錯体化合物D−5の体積平均粒径を表2に示す。
[金属錯体化合物D−6の調製]
金属錯体化合物D−1の作製方法から、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロンを3−メチル−1−(3,4−ジニトロフェニル)−5−ピラゾロンに変更する以外は、金属錯体化合物D−1と同様にして、金属錯体化合物D−6を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルを用いて金属錯体化合物D−6の構造を解析した結果、式(2)中のA〜A、B、M及びJが表2に示す構造を有する化合物であることが確認された。また、得られた金属錯体化合物D−6の体積平均粒径を表2に示す。
[金属錯体化合物D−7の調製]
金属錯体化合物D−1と同様の方法でカップリング反応を行い、カップリング反応終了後の油相に、水42.2質量部、サリチル酸5.9質量部、n−ブタノール24.6質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液48.5質量部の混合物を加えて撹拌し、さらに、38質量%塩化第二鉄水溶液15.1質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液48.5質量部を加え、30℃に加熱して8時間攪拌して、錯体化反応を行った。攪拌停止後、静置し下部の水相を除去した。
得られた油相に、水92.8質量部、n−ブタノール12.3質量部および25質量%水酸化ナトリウム水溶液8.7質量部を加えて攪拌した後、静置して下層の水相を除去した。ついで、得られた油層を濾過して金属錯体化合物を取り出し、これを水253質量部で洗浄した。
次に水82.3質量部に硫酸アンモニウム2.9質量部を加え、昇温しながら攪拌した。この硫酸アンモニウム水溶液の内温が90℃になったところで、上記錯体化合物を水113.9質量部に分散させた混合液をピペットにより滴下した。97℃以上99℃以下でn−ブタノールを留去しながら1時間攪拌した。金属錯体化合物を濾別した後、金属錯体化合物のケーキを水253質量部で洗浄した。その後、金属錯体化合物を温度60℃で24時間真空乾燥させて、金属錯体化合物D−7を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルを用いて金属錯体化合物D−7の構造を解析した結果、式(2)中のA〜A、B、M及びJが表2に示す構造を有する化合物であることが確認された。また、得られた金属錯体化合物D−7の体積平均粒径を表2に示す。
[金属錯体化合物D−8の調製]
4−クロロ−2−アミノフェノール10質量部を、水76.5質量部および35質量%塩酸15.2質量部の混合物中に加えて撹拌し、アミン水溶液を調製した。0℃以上5℃以下に維持したこのアミン水溶液に、水24.6質量部に溶解させた亜硝酸ナトリウム13.6質量部を滴下し、その後、2時間撹拌してジアゾ化した。これにスルファミン酸を加えて、過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過してジアゾ溶液を得た。
次に、1−(2−ナフチル)1,1,3,3−テトラメチルブタン12.0質量部を、水87質量部、25質量%水酸化ナトリウム水溶液12.1質量部、炭酸ナトリウム4.9質量部およびn−ブタノール104.6質量部の混合溶液に加えて溶解させた。得られた溶液に上記ジアゾ溶液を添加して、20℃以上22℃以下で4時間攪拌し、カップリング反応を行った。
その後、反応液中に、水92.8質量部、及び25質量%水酸化ナトリウム水溶液43.5質量部を加えて攪拌後、静置して下層の水相を除去した。
得られた油相に、水42.2質量部、サリチル酸5.9質量部、n−ブタノール24.6質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液48.5質量部の混合物を加えて撹拌し、さらに、38質量%硫酸クロム水溶液15.1質量部および15質量%炭酸ナトリウム水溶液48.5質量部を加え、液温を30℃に調整して8時間攪拌して、錯体化反応を行った。攪拌停止後、静置して下層の水相を除去した。
ついで、得られた油相に、水92.8質量部、n−ブタノール12.3質量部および25質量%水酸化ナトリウム水溶液8.7質量部を加えて攪拌した後、静置して下層の水相を除去した。得られた油相を濾過して金属錯体化合物を取り出し、これを水253質量部で洗浄した。
次に、水82.3質量部に水酸化ナトリウム5.9質量部を加え、昇温しながら攪拌し、温度が90℃になったところで、上記金属錯体化合物を水113.9質量部に分散させた混合液をピペットにより滴下した。97℃以上、99℃以下でn−ブタノールを留去しながら1時間攪拌した。金属錯化合物を濾別した後、金属錯体化合物のケーキを水253質量部で洗浄した。その後、金属錯体化合物を温度60℃で24時間真空乾燥させて、下記式(8)に示す金属錯体化合物D−8を得た。
また、得られた金属錯体化合物D−8の体積平均粒径を表2に示す。
Figure 0005843744
[錯体d−1]
六塩化イリジウム二アンモニウム(三津和化学薬品株式会社製)を錯体d−1として用いた。
Figure 0005843744
<凹凸付与粒子>
現像剤担持体の表面層に用いる凹凸付与粒子としては、(商品名:ニカビーズICB0520、日本カーボン株式会社製)を用いた。
<現像剤>
現像剤としては以下のものを用いた。
[現像剤Z−1]
Figure 0005843744
表3に示すポリエステルモノマーをエステル化触媒(ジブチルスズオキサイド)と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌した。なお、この際、所望の架橋構造を得るために、反応の初期と後期にフマル酸を分割添加した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂E−1を得た。この結着樹脂E−1のTgは54.5℃、軟化点は135.5℃であった。
Figure 0005843744
表4に示すポリエステルモノマーをエステル化触媒(ジブチルスズオキサイド)と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂E−2を得た。この結着樹脂E−2のTgは56.8℃、軟化点は99.0℃であった。
次に、上記結着樹脂E−1を85質量部と、上記結着樹脂E−2を15質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂F−1とした。
Figure 0005843744
続いて、表5に示す材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。使用した粉砕機は、ターボミル(商品名:ターボ工業株式会社製)であり、回転子及び固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金で、厚さ150μm、表面硬さHV1050にめっきしたものである。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(商品名:エルボジェット分級機、日鉄鉱業株式会社製)を用いて分級し、負摩擦帯電性の磁性現像剤粒子を得た。
この磁性現像剤粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体(BET140m/g)を1.0質量部とチタン酸ストロンチウム3.0質量部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、重量平均粒径6.0μm、平均円形度が0.955の負摩擦帯電性の磁性現像剤Z−1を得た。
[現像剤Z−2]
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、以下の表6に示す材料を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。
Figure 0005843744
続いて、この混合液に、重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.45質量部を、2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.28質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合した。その後反応液をメタノール中に投入し、スルホン酸基含有重合体Sを析出させた。得られた重合体のガラス転移温度(Tg)は70.2℃であり、重量平均分子量は22000であった。
次に、以下の表7に示す材料をアトライター(商品名:三井三池化工機(株)製)を用いて均一に分散混合し、単量体組成物を得た。
Figure 0005843744
この単量体組成物を60℃に加温し、そこにエステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)7質量部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を溶解し、重合性単量体組成物Aを得た。
一方、イオン交換水709質量部に0.1M−NaPO水溶液451質量部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7質量部を添加してCa(POを含む水系媒体Aを得た。この水系媒体A中に、上記重合性単量体組成物Aを投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃で5時間反応させた。その後液温を80℃に維持し更に4時間攪拌を続けた。反応終了後、80℃で更に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥して重量平均粒径6.5μmの黒色粒子を得た。
この黒色粒子100質量部と、一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が120m/gの疎水性シリカ微粉体1.2質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用い混合した。その結果、重量平均粒径6.3μm、平均円形度0.989、負摩擦帯電性の磁性現像剤Z−2が作製できた。
[現像剤Z−3]
下記の手順によって重合現像剤を作製した。60℃に加熱したイオン交換水900質量部に、リン酸三カルシウム3質量部を添加し、攪拌機(商品名:TK式ホモミキサー、プライミクス株式会社製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体Bを作製した。
また、下記表8に示す材料をホモジナイザーに投入し、60℃に加熱した後、TK式ホモミキサーを用いて、8,000rpmにて攪拌し、分散した。
Figure 0005843744
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物Bを調製した。前記水系媒体B中に上記重合性単量体組成物Bを投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置を備えた反応容器に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、温度80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、この重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアン現像剤の母体粒子を得た。
続いて、以下の表9に示す材料をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合することで本発明に用いる重量平均粒径5.6μm、平均円形度0.982である負摩擦帯電性の非磁性一成分現像剤、現像剤Z−3を作製した。
Figure 0005843744
〔実施例1〕
以下の表10に示す材料にメタノールを加え固形分40質量%に調整し、これをサンドミル(商品名:サンドグラインダーLSG−4U−08、アイメックス株式会社製)(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。続いて、篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が33質量%になるようにメタノールを添加して、塗料を得た。
Figure 0005843744
次に、基体として、上下端部(基体の軸方向の両端)にマスキングを施した外径24.5mmφ(直径)で算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で温度150℃、30分間加熱して塗布層を硬化・乾燥することで現像剤担持体T1を作製した。現像剤担持体T1の表面層の層厚は、10μmであり、表面粗さRaは、0.84μmであった。表11に現像剤担持体T1表面層の添加材料と物性を示す。
なお、表11、14及び16中の部とは質量部を意味し、樹脂の部とは樹脂固形分の質量部を意味する。
尚、現像剤担持体T1の表面層をメタノールに浸漬し、表面層の成分が溶出したサンプルのLC/MSによるNegative及びpositiveの測定を実施し、結果をそれぞれ図6及び7に示す。図6のLC/MS(Negative)の測定にてm/z=846.00のピークが検出され、このピークは、図4に示す錯体D−1単体のm/z=846.08のピークと重なることから、現像剤担持体表面層から錯体D−1が検出可能であることを示す。同様に、図7のLC/MS(Positive)の測定にてm/z=319.25のピークが検出され、このピークは、図5に示すホスホニウム塩C−1単体のm/z=319.25のピークと重なることから、現像剤担持体表面層からホスホニウム塩C−1が検出可能であることを示す。
評価には、感光ドラムがアモルファスシリコンドラム感光体である電子写真画像形成装置(商品名:IR−ADVANCE 6075、キヤノン株式会社製)を使用した。なお、上記電子写真画像形成装置は、図1に示した磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置を備えているものである。すなわち、当該現像装置は、磁性一成分現像剤を備え、かつ、現像剤層厚規制部材として、磁性ブレードを具備している。また、本実施例に係る現像剤担持体T1の内部には、図1に示したように磁石を配置した。
現像器に現像剤担持体T1を組み込み、スリーブ−ドラム間距離を240μmとし、現像剤Z−1を使用した。複写環境は、温度30℃及び湿度80%RHの高温高湿環境(H/H)、温度23℃及び湿度50%RH常温常湿環境(N/N)、並びに温度23℃及び湿度5%RH常温低湿環境(N/L)の各環境下で印字比率1.5%のテストチャートを用いて100万枚の連続プリントを行った。尚、画像評価はN/LとN/Nでは、10枚目印刷時(初期)と100万枚目印刷時(耐久後)に実施し、H/Hでは、10枚目印刷時(初期)と100万枚連続プリント後10日放置時(耐久後)に実施した。
以下<1>〜<5>の評価より得られた結果を表12に示す。
<1>画像濃度
印字比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その任意の10点の平均値を画像濃度とし、結果を表12に示す。またその際、表12には、耐久前後の濃度低下率(%)も同時に記載し、耐久により濃度が上昇した場合は、負の値で表記した。
<2>スリーブゴースト
プリンターの出力画像として、画像先端の現像剤担持体1周分に相当する領域を白地にベタ黒の四角や丸の象形画像を等間隔で配置し、それ以外の部分をハーフトーンとしたものを用いた。ハーフトーン上に象形画像のゴーストがどのように出現するかにより、以下の基準に従いランク付けを行った。なお、この画像出力は、直前に画像が形成されず現像剤が消費されない画像を3枚プリントした後に行った。
A:濃淡差が全く見られない。
B:軽微な濃淡差が見られる。
C:濃淡差がやや見られるが、象形画像の形状ははっきり認識できない。
D:濃淡差がスリーブ1周分出る。
E:濃淡差がスリーブ2周分以上出る。
<3>ブロッチ
各現像剤担持体の画像評価の際に、現像剤担持体表面層の表面観察を行い、現像剤への摩擦帯電付与不良に起因する斑点画像や波模様画像(ブロッチ)の有無を目視で観察した。ブロッチが存在した場合は、表中の評価結果の欄に×と表記し、存在しない場合は、○と表記した。ブロッチが発生した場合は、その他の評価も中止した。
<4>現像剤担持体表面層の耐摩耗性
現像剤担持体の外径を測定し、使用前の値と耐久後の値との差から、表面層の削れ量を算出し、その平均値を全体の削れ量とした。なお、耐久後の測定に当たっては現像剤担持体の表面をイソプロパノールで洗浄した。なお、耐久後の測定には温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(N/N)で耐久した現像剤担持体を使用した。
<5>表面層の表面粗さRa
使用前と耐久後に現像剤担持体表面の算術平均粗さRaを測定した。なお、耐久後の測定には温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(N/N)で耐久した現像剤担持体を使用した。
〔実施例2〜16及び比較例1〜7〕
現像剤担持体の構成を表11に示すように変更した以外は、実施例1にかかる現像剤担持体T1と同様にして現像剤担持体T2〜T23を作製した。但し実施例6においては、表面層の形成に用いる塗料の固形分を15質量%で行った。得られた現像剤担持体T2〜T23に対して、現像剤Z−1を使用し実施例1と同様の方法で画像評価を行った。得られた評価結果を表12及び13に示す。
Figure 0005843744
Figure 0005843744
Figure 0005843744
実施例1〜16は、表12に示すように良好な結果であった。
比較例1、2は、バインダー樹脂が−NH基、=NH基、および−NH−結合のいずれの構造も有していないため、現像剤の過剰摩擦帯電に起因すると考えられるブロッチが発生した上、ゴーストも非常に多く発生した。比較例3はアゾ系金属錯体化合物ではない錯体d−1を使用しているため、ゴーストが非常に多く発生した。比較例4、6はアゾ系金属錯体化合物を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分に抑制できず、現像剤の帯電量を安定化することができないためゴーストが非常に多く発生し、H/H濃度も低下した。比較例5、7は第4級ホスホニウム塩を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分に抑制できず、現像剤の帯電量を安定化することができないためブロッチが発生した上、ゴーストも非常に多く発生し、H/H濃度も低下した。
〔実施例17〕
実施例1と同様に表14に示す配合の固形分33質量%の塗料を使用し、基体として、上下端部にマスキングを施した外径14.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて熱風乾燥炉中で温度150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥し硬化して基体上に表面層を形成し現像剤担持体T24を作製した。現像剤担持体T24の表面層の層厚は7μmでRaは1.00μmであった。表14に現像剤担持体T24の表面層の添加材料、物性を示す。
評価には、レーザープリンタ(商品名:LeserJetP2055dn、ヒューレット・パッカード社製)を用いた。なお、上記レーザープリンタは、図2において示した磁性一成分非接触型現像装置を備えた電子写真画像形成装置である。すなわち、当該現像装置は、磁性一成分現像剤を備え、かつ、現像剤層厚規制部材として、弾性ブレードを具備している。
また、本実施例に係る現像剤担持体T24の内部には、図2に示したように磁石を配置した。この現像剤担持体T24をプロセスカートリッジに装着し、また、現像剤Z−2を充填した。このプロセスカートリッジを、上記レーザープリンタに装填し、画像評価を行った。評価においては、2枚/7秒の間欠モードで印字比率が1%の文字パターンにて12000枚のプリントを実施した。
画像評価は10枚目印刷時(初期)と12000枚目印刷時(耐久後)に実施した。評価環境としては、15℃、10%RHの低温/低湿環境(L/L)下、23℃、50%RHの常温/常湿環境(N/N)下、及び32℃、85%RHの高温/高湿環境(H/H)下の環境で行った以外は、実施例1と同様の評価を実施した。
得られた評価結果を表15に示す。
〔実施例18〜26及び比較例8〜11〕
現像剤担持体の構成を表14に示すように変更した以外は、実施例17と同様にして現像剤担持体T25〜37を作製し、実施例17と同様の方法で画像評価を行った。評価結果を表15に示す。
Figure 0005843744
Figure 0005843744
実施例17〜26は、表15に示すように良好結果であった。
比較例8は、バインダー樹脂が−NH基、=NH基、及び−NH−結合のいずれの構造も有していないため、現像剤の過剰摩擦帯電に起因すると考えられるブロッチが発生した上、ゴーストも非常に多く発生した。比較例9はアゾ系金属錯体化合物を使用せず第4級ホスホニウム塩を多量に添加したため、初期においては過剰な摩擦帯電付与をいくらか抑制できているものの、連続使用で削れが多く、濃度の低下が見られ、更にゴーストが非常に多く発生した。比較例10はアゾ系金属錯体化合物を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分に抑制できず、現像剤の帯電量を安定化することができないためゴーストが非常に多く発生した。比較例11は第4級ホスホニウム塩を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分抑制できず、現像剤の帯電量を安定化することができないためブロッチが発生した。
〔実施例27〕
実施例1と同様に表16に示す配合の固形分33質量%の塗料を使用し、基体として、上下端部にマスキングを施した外径12.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で温度150℃、30分間加熱して塗布層を硬化・乾燥することで、層厚7μmで、Raが0.51μmである現像剤担持体T38を作製した。表16に現像剤担持体T38の表面層の添加材料、物性を示す。
得られた現像剤担持体T38を、レーザービームプリンタ(商品名:レーザーショットLBP5000、キヤノン株式会社製)のシアンカートリッジに組み込み、現像剤Z−3を充填した。このシアンカートリッジを上記レーザービームプリンタに装填し、1枚/10秒の間欠モードで印字比率1.0%のテストチャートを用いて5000枚の画出し(耐久)を行った。尚、画像評価は10枚目印刷時(初期)と、5000枚目印刷時(耐久後)に実施した。
画像形成は、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(N/N)、温度15℃、湿度10%RHの低温低湿(L/L)、及び温度32℃、湿度85%RHの高温高湿(H/H)環境下にて行った。画像評価は、実施例1と同様の評価に加えて下記のハーフトーン均一性の評価を行った。実施例27〜38及び比較例12〜15についてはいずれも、ブロッチ及びゴーストの発生が無かったため、ブロッチ及びゴースト以外の評価結果を表17に示す。なお、この現像装置の概略図は図3に示すものである。また、ハーフトーン均一性の評価方法は以下のように行った。
<6>ハーフトーン均一性
ベタ白画像を20枚連続出力した後に、ハーフトーン画像を出力し、トナーの過剰帯電により発生しやすい濃度ムラ(もや状の濃淡差)画像発生の有無を目視で観察した。なお、この評価は10枚目印刷時(初期)と、5000枚目印刷時(耐久後)に実施した。もや画像が存在した場合は、表中の評価結果の欄に×と表記し、存在しない場合は、○と表記した。なお、評価は温度15℃、湿度10%RHの低温低湿環境(L/L)にて実施した。
〔実施例28〜38及び比較例12〜15〕
現像剤担持体の構成を表16に示すように変更した以外は、実施例27と同様にして現像剤担持体T39〜53を作製した。ただし、実施例30は、表面層形成用塗料の固形分を15質量%で行った。得られた現像剤担持体T39〜53について、実施例27と同様に画像評価を行い、得られた評価結果を表17に示す。
Figure 0005843744
Figure 0005843744
実施例27〜38は、表17に示すように良好な結果であった。
比較例12は、バインダー樹脂が−NH基、=NH基、及び−NH−結合のいずれの構造も有していないため、現像剤の過剰摩擦帯電に起因すると考えられるハーフトーン均一性の低下が見られた。
比較例13、15は第4級ホスホニウム塩を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分抑制できず現像剤の帯電量を安定化することができないため、ハーフトーン均一性が低下した。
比較例14はアゾ系金属錯体化合物を使用しなかったことで、過剰な摩擦帯電付与を十分に抑制できず、現像剤の帯電量を安定化することができないためハーフトーン均一性が低下した。
以上の結果から、本発明によって表面層から現像剤への摩擦帯電付与を適切に維持できる現像剤担持体を提供できることがわかった。
501 静電潜像担持体(感光ドラム)
502 現像剤層厚規制部材(磁性ブレード)
503 現像容器
504 仕切り部材
505 攪拌搬送部材
506 基体
507 表面層
508 現像剤担持体(現像スリーブ)
509 磁石(マグネットローラ)
511 攪拌搬送部材
512 現像剤供給部材
513 現像バイアス電源
514 第一室
515 第二室
516 現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)
517 現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)
518 非磁性現像剤
N1 磁極
N2 磁極
S1 磁極
S2 磁極
A 現像スリーブ回転方向
B 静電潜像担持体(感光ドラム)回転方向
C 現像領域

Claims (8)

  1. 基体と、表面層とを有する現像剤担持体であって、
    該表面層は、バインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及びアゾ系金属錯体化合物を含む樹脂組成物の硬化物であり、
    該バインダー樹脂は、分子構造中に、−NH基、=NH基および−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有しており、
    該アゾ系金属錯体化合物は、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする現像剤担持体:
    Figure 0005843744
    (式(1)中、X、X、XおよびXは各々独立に、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基または置換もしくは未置換のピラゾレン基を示し、Mは、Fe、Cr、またはAlを示し、Jは陽イオンを示す。
    該フェニレン基、該ナフチレン基および該ピラゾレン基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアニリド基、および置換基を有していても良いフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、該アニリド基および該フェニル基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1つである。)。
  2. 前記アゾ系金属錯体化合物が、下記式(2)で示される化合物である請求項1に記載の現像剤担持体:
    Figure 0005843744
    (式(2)中、A、AおよびAは各々独立に、水素原子、炭素数1以上18以下のアルキル基、またはハロゲン原子を示し、Bは水素原子または炭素数1以上18以下のアルキル基を示し、MはFe、CrまたはAlを示し、Jは陽イオンを示す)。
  3. 前記第4級ホスホニウム塩が、下記式(3)で示される塩である請求項1または2に記載の現像剤担持体:
    Figure 0005843744
    (式(3)中、Z〜Zは各々独立に炭素数1以上18以下のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基、または置換もしくは未置換のベンジル基を示し、Qは陰イオンを示す)。
  4. 負帯電性の現像剤、該負帯電性の現像剤が収容されている現像容器、該現像容器から供給された該負帯電性の現像剤を表面に担持し且つ搬送する回転自在に保持された現像剤担持体、および該現像剤担持体上に形成される負帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材を備えた現像装置であって、
    該現像剤担持体は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
  5. 前記現像剤が、磁性一成分現像剤であり、
    前記現像剤担持体の内部には磁石が配置されており、
    前記現像剤層厚規制部材が、磁性ブレードである請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤が、磁性一成分現像剤であり、
    前記現像剤担持体の内部には磁石が配置されており、
    前記現像剤層厚規制部材が、弾性ブレードである請求項4に記載の現像装置。
  7. 前記現像剤が、非磁性一成分現像剤であり、
    前記現像剤層厚規制部材が、弾性ブレードである請求項4に記載の現像装置。
  8. 基体と、表面層とを有する現像剤担持体の製造方法であって、
    分子構造中に−NH基、=NH基、及び−NH−結合からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有するバインダー樹脂、導電性粒子、第4級ホスホニウム塩及び下記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を少なくとも含む塗料の塗膜を該基体表面に形成し、該塗膜を硬化させて該表面層を形成する工程を有することを特徴とする現像剤担持体の製造方法:
    Figure 0005843744
    (式(1)中、X、X、XおよびXは各々独立に、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基または置換もしくは未置換のピラゾレン基を示し、Mは、Fe、CrまたはAlを示し、Jは陽イオンを示す。
    該フェニレン基、該ナフチレン基および該ピラゾレン基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアニリド基、および置換基を有していても良いフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、該アニリド基および該フェニル基が各々独立に有していても良い置換基は、炭素数1以上18以下のアルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1つである。)。
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