JP2004004966A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像特性および長期にわたる耐久安定性、環境安定性(高温高湿下特性、放置特性)を向上させた画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 表面にトナー8を担持して回転し、該トナーで静電荷像保持体1に形成された静電荷潜像の現像を行う現像ローラー9を少なくとも有する現像装置7を用いて静電荷潜像を現像する画像形成方法において、
 該現像装置は、現像時に、現像剤を表面に付着して搬送する現像ローラー上のトナーを、対向して設けた静電荷像保持体に接触させながら現像するものであり、
 該現像ローラーの中央部よりも現像ローラーの端部の方が帯電量の絶対値が大きく、
 該トナーの重量平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径分布の12.7μm以上の含有量が20重量%以下であり、
 該現像ローラーの中央部のトナーの帯電量をqc、現像ローラー端部のトナーの帯電量をqeとしたとき、下記の式を満足することを特徴とする。
  0.4≦|qe−qc|≦14.5
【選択図】   図1

Description

 本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などに適用される静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法に関する。
 従来、電子写真法としては特許文献1〜3等に記載されているごとく、多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の方法により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱や圧力等により定着させ、複写物を得るものである。
 静電潜像をトナーを用いて可視像化する現像方法も種々知られている。例えば、特許文献4に記載されている磁気ブラシ法、特許文献5に記載されているカスケード現像法および特許文献6に記載されているパウダークラウド法、ファーブラシ現像法、液体現像法などが知られている。
 これまでに、これらの現像方法において画質を良くするという目的のために、いくつかの現像剤が提案されている。
 特に近年、複写機、プリンターのごとき電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多様化し、得られた画質の高精細化・高画質化が求められている。また、トナー及びトナーを充填したカートリッジの保存環境は様々であり、放置安定性も厳しい条件が要求されている。
 従来、例えば、特許文献7においては、粒度分布を規定して、画質の向上を意図した非磁性トナーが提案されている。このトナーにおいては8〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗く、潜像への忠実な載りは不十分である。このような粗めのトナー粒子であり、ブロードな粒度分布を用いて、鮮明な画像を形成するためにはトナー粒子を厚く重ねることによって、トナー粒子間の間隙を埋める必要があり、所定の画像濃度を出すためには必要なトナー量が増加するという問題点も有している。
 特許文献8では、中間の重さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、高解像度のトナーとしては未だ改善すべき余地を残している。また、特許文献9では、平均粒子径が6〜10μmであり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提案されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下と少なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
 それゆえに、5μm以下のトナー粒子が潜像の輪郭を再現するなどの高画質化に有効であることが特許文献10に示されている。しかしながら、粒子径を細かい方向に制御した場合、トナーの流動性が低下する問題がある。また、省エネルギーや待ち時間短縮を目的とした低温度での定着が可能なトナーにおいては現像ローラー、帯電付与部材、感光体の表面物質などに対する汚染が粒子径が細かい程生じやすくなることから、長期に渡る使用に限界があった。また、粒子径が小さい場合に帯電のバラツキが生じやすくなることから、地カブリが問題となりやすかった。さらに帯電したトナーの細かい粒子は現像ローラー表面とのクーロン力が強まり現像ローラー上で凝集しやすい等の問題点を有していた。
 この現象を解決する手段として、トナーを現像ローラー上に極めて薄く塗布することにより現像ローラーとトナーの接触する機会を増すこと、磁力によって磁性トナーを支持しかつ磁石とトナーを相対的に移動させることにより、トナー粒子相互の凝集を解くとともに、現像ローラーと摩擦せしめていること等の試みがなされているが、未だ解決策が得られていない。
 また、特許文献11、12などでは粒径の小さいトナーが提案されている。また、特許文献13においては14μm以下のトナーについて球形化度を規定しているが、これだけではハーフトーンやベタ画像の均一性を達成することが困難であり、高解像・高精細の現像要求を満たすには不十分であるのが現状である。
 また、近年、半導電性の現像ローラーまたは、表面に誘電層を形成した現像ローラーを用いて感光体表面層に押し当てる構成にて現像を行う所謂接触一成分現像方法が提案されている。
 例えば、非特許文献1に接触型一成分非磁性現像方式の検討がなされている。非特許文献2には、一成分接触現像方法を用いたプリンターの概要が報告されている。また、特許文献14、15に一成分接触現像方法に関する技術が開示されている。
 接触一成分現像方法においては、像担持体表面と現像電極が非常に近接しているため、現像のエッジ効果を低減できるなどの利点が指摘されていた。しかしながら、像担持体表面とトナー担持体が接触することによる問題が存在しており、適用範囲の限界があった。
 例えば、特許文献16では、ガラス転移点50℃以上、軟化点110〜160℃の粒子に着色剤粒子と逆極性粒子を添加する例が示されているが、これだけでは十分な高画質が得られないばかりでなく、定着性も以前のトナーに比べても同等以下であることが確認されている。特許文献17においては現像剤中に厚さ規制部材の硬度を上げた例が示されているが、厚さ規制部材の材質が限られる一方で、現像ローラー、静電荷像保持体、定着部材などに対する汚染、削れについては解決されていない。
 他に、特に現像ローラーと静電荷像保持体とが接触していることによる問題として、現像ローラー上のトナーが静電荷像保持体に押されることによって、端部方向へトナー漏れを引き起こす点があげられる。さらに、一方で、現像ローラーへのトナーの補給を円滑に行うための手段として、トナーを球形に近づけて流動性に優れるトナーを用いた場合において、特に、端部方向へトナー漏れが顕著に現れる。
 この結果、転写材搬送部材、現像ローラー回転ギア、モーターなどの駆動部分をはじめ、静電荷像を形成する露光装置などを少なからず汚染してしまう。このために、定期的に現像装置内部を清掃したり、部品を交換する必要が生じていた。
 また、トナー供給ローラーを用いる例が特許文献18などに開示されている。しかしながら、これらの供給ローラーを用いる場合においても接触現像に特有の問題点は解決されなかった。
 つまり、このような現像方法を用いると、静電荷像保持体表面をトナー及び現像ローラーにより擦る構成が必須であり、このために長期間使用によるトナー劣化、現像ローラー表面劣化、静電荷像保持体表面劣化又は磨耗等を引き起こし、耐久特性の劣化が問題点として残り、従来技術では充分な解決がなされず、耐久特性の改善技術が望まれていた。
 上記方式の現像に用いられる現像ローラーとしては、例えば円筒状の成型物の表面を電解、ブラスト、ヤスリ等で所定の表面粗度になるように処理したものが用いられる。しかしこの場合、規制部材によって現像ローラー表面近傍に存在するトナーは非常に高い電荷を有することになり、現像ローラー表面に強く引きつけられてしまい、これがトナーと現像ローラーとの摩擦機会を減少させるため、トナーは好適な電荷を持つことが出来なくなる。このような状況下においては、充分な現像が行われず、画像にムラや飛び散りを生じてしまう。
 このような過剰な電荷を有するトナーの発生を防止するために、樹脂中にカーボンブラックなどの導電性の微粉を分散させた皮膜を上記現像ローラー上に形成する方法が、特許文献19などに提案されている。また、特許文献20では、表面粗度を大きくするために、金属円筒管にブラストなどによって凹凸を形成したあと、表面に皮膜を設ける手段が提案されている。しかしながら、添加物の分散性、耐磨耗性、耐剥がれ性には未だ十分なものが得られていなかった。
 また、トナーに要求される性能のうち重要なものに、定着性能があげられる。
 定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
 加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着シートを汚すことがある(オフセット現象)。熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないようにすることは、熱ローラー定着方式の必須条件の一つとされている。
 さらに、最近、熱ローラーに代わり、加熱体に対向圧接し、かつ、フィルムを介して記録材を該加熱体に密着させる加圧部材とからなる定着装置が実用化されており、熱効率的にも有利になっているが、トナー表面が溶融するためオフセット現象はさらに生じやすくなり、これを防止することが必要となっている。
 またこれらの定着性能を生かすために、現像工程における静電荷像保持体への載り方が重要である。一般に良好な画像を得る為には、現像ローラー表面に均一にトナーを塗布する必要がある。即ち、例えば図1に示してある現像ローラー(トナー担持体)9に対し、規制部材(弾性ブレード)13が10g/cm〜2000g/cmの圧力で圧接しており、トナー容器中に存在しているトナーは現像ローラーの回転により搬送され、ブレードなどにより現像ローラー表面に極めて薄く均一に塗布される。このため、トナーには流動性、耐凝集性が必要とされる。したがって、トナーの性質を改良することが必要となっている。
 これまでにトナー定着性能の改良のために多くの検討がなされている。
 例えば、定着ローラー表面にトナーを付着させないために、ローラー表面をフッ素系樹脂等のトナーに対して離型性の優れた材料で形成するとともに、その表面にさらにシリコーンオイルなどのオフセット防止用液体を供給して液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。この方法はトナーのオフセットを防止する点で極めて有効なものではあるがオフセット防止用液体が加熱されることにより臭気を発生し、また、オフセット防止用液体を供給するための装置を必要とするため、機構が複雑になり、かつ、高い精度が要求されるので、高価なものになるという欠点がある。
 特許文献21、22等には、低分子量ポリアルキレンを用いて加熱ローラーヘのオフセットによるトナー付着を防止するのに効果のあるトナーまたは加熱ローラー定着方法が開示されているが、本発明者らの検討の結果、この方法では定着器下ローラー(以下加圧ローラー)の汚れは防止できず、また加熱ローラー定着器が小径で直径40cm以下及び/又は加熱ローラー定着器の線スピードが遅く、150mm/sec未満である場合には効果が小さく、やはリオフセット防止液体の供給が必要である。
 また、特許文献23〜29等にトナー中にワックス類を含有する技術が開示されている。また、特許文献30においてはトナーバインダーのガラス転移点および溶融粘度を、特許文献31においては分子量分布のピークの条件を規定している。これらの方法では、比較的粒子径の大きい10μm以上のトナーが多く含まれる場合においては有効であるが、本発明における小粒径のトナーを用いた場合には、必ずしも十分な性能が得られていなかった。
 一方、高画質化のために潜像に対してより忠実なのりを目的として、トナー粒径を小さくすると、荷電制御剤や着色剤の分散状態がトナーの帯電性に大きく影響を及ぼす。静電荷像現像用トナーに用いられるトナーの帯電制御方法としては、一般に荷電制御剤と呼ばれる染料、顔料などがあり、負帯電性を与えるものとして主としてクロム錯体化合物が使用されている。
 一方、近年では環境保護の観点から、従来から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び転写プロセスから静電荷像保持体当接部材を用いた一次帯電、転写プロセスが主流となりつつある。
 例えば、特許文献32や33が提案されている。これらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであるが、静電潜像保持体に導電性弾性ローラーを当接し、該導電性ローラーに電圧を印加しながら該静電潜像保持体を一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってトナー像を得た後該静電潜像保持体に電圧を印加した別の導電性ローラーを押圧しながらその間に転写材を通過させ、該静電潜像保持体上のトナー画像を転写材に転写した後、定着工程を経て画像を得ている。
 しかしながら、このようなコロナ放電を用いないローラー転写方式においては、転写部材が転写時に転写部材を介して静電荷像保持体に当接されるため、静電荷像保持体上に形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像が圧接され、所謂転写中抜けと称される部分的な転写不良の問題が生じやすい。
 また、転写材上に転写されずに静電荷像保持体上に残ったトナー粒子は、クリーニング工程により静電荷像保持体上より除去される。
 このクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等が用いられていた。いずれの方法も主として力学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、またはせき止めて廃トナー容器へと捕集されるものであった。よって、このような部材が静電荷像保持体表面に押し当てられることに起因する問題が生じていた。例えば、部材を強く押し当てることにより静電荷像保持体を摩耗させ短寿命化することが挙げられる。
 装置面からみると、かかるクリーニング装置を具備するために装置が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときの障著になっていた。
 さらには、エコロジーの観点より、トナーの有効活用という意味で廃トナーの出ないシステムが望まれていた。
 従来、現像同時クリーニング又はクリーナレスと呼ばれた技術の開示は、特許文献34にあるように画像上に転写残余のトナーの影響によるポジメモリ、ネガメモリなどに焦点を当てたものであった。しかし、電子写真の利用が進んでいる今日、様々な転写材に対してトナー像を転写する必要性がでてきており、この意味で様々な転写材に対し満足するものではなかった。
 特許文献35、36では、球形トナー及び球形キャリアを使用する二成分現像剤に達成する手段を求めており、本発明とは現像方法が異なっている他、これだけでは種々の環境に対応できる高画質の達成は不十分であることが確認されている。特に、高画質を得るためにトナーの小粒径化を行った場合に、球形化によるチャージアップという弊害が顕著となり、現像ローラー、静電荷像保持体、接触帯電部材、定着器などへの汚染を引き起こす問題点を有していた。特許文献37では、球形トナー及び球形キャリアを使用することで、安定した帯電特性を得る手段を求めており、従来よりの粉砕法によるトナーに対しては、何ら言及するものではなかった。
 特に、従来の単なる球形化による性能の向上という考えとは異なり、球形化によるチャージアップという弊害を解決することが本発明における大きな課題の一つである。
 特に、転写工程の後に静電荷像保持体上に残ったトナーを除去するクリーニング工程において、粒径の比較的小さなトナーを用いた場合に間題を生じやすい。それは、粒径の比較的小さなトナーでは、トナー中に含まれる超微粉成分が多く、これらが現像され感光体上に付着すると、強固な付着力を示す結果、静電荷像保持体上より永久保持部材へ転写を行なう工程において、この超微粉成分が静電荷像保持体上に残る傾向がある。さらに、その強固な付着力ゆえ、超微粉成分を引き剥して静電荷像保持体をクリーニングすることが困難である。
 静電荷像保持体をクリーニングする方法としては、種々の方式が知られているが、高効率なクリーニング方式としてブレードクリーニングが知られている。ブレードクリーニングを用いて、超微粉成分をクリーニングしようとすると、静電荷像保持体へのブレード当接圧を高め超微粉成分のすり抜けを防がなければならない。この場合、ブレードあるいはブレード上に付着したトナー等によって静電荷像保持体表面がより強く擦られるために、静電荷像保持体の帯電能を損なうあるいは不均一な削れが画像上の傷となって現れ、静電荷像保持体の寿命を縮めてしまう。
 更に、超微粉成分を多く含むようなトナーでは、トナーの凝集力が高まり、良好な帯電特性及び流動性を保ち、所望の高画質・高解像度を達成するために、無機酸化物微粒子等の流動性付与剤或いは、帯電付与剤を従来以上に多く添加せねばならないことが多い。無機酸化物微粒子等の流動性付与剤を多く添加すると、これらが静電荷像保持体とブレードの間に入り込み静電荷像保持体を傷つけ易く、且つ、ブレードの間をすり抜け易くなるため、すり抜け防止のため感光体へのブレード当接圧を高めねばならなくなり、静電荷像保持体の傷及び削れを促進し寿命を縮めてしまう。
 従来、静電荷像保持体は感光材料及び/または電荷輸送物質を多く含有するため、これらの感度あるいは電荷輸送能といった特性を保持するためにその耐久性が制約されてきた。そこで、静電荷像保持体の表面に樹脂等からなる保護層を設ける研究も数多く試されてきた。しかし、感光層の構成上、電荷の移動しない層を設けることに起因して、耐久使用によって、残留電位が上昇したり、感度が低下するといった弊害がみられた。この間題は保護層の膜厚を薄くすることによって改善されることも知られている。この場合は、感光体の繰り返し使用によって保護層自体の摩耗が進行し保護層の寿命が膜厚を薄くすることによって短くなると言う問題点を有している。そこで、保護層の抵抗を調整するために保護層に導電性の微粒子を添加する試みも提案されているが、静電荷像保持体最外層に保護層を設けた場合にも保護層に傷がつけば、画像欠陥として現れ、クリーニング不良の原因ともなる等の間題が同様に存在していた。
 要するに、定着性能を向上させるために、熱に対して軟らかいトナーを用いた場合においては、現像ローラー静電荷像保持体、接触帯電部材等への付着を生じやすいことから、耐久性を満足することが困難になる。
 一方、トナー中にワックス成分などの低分子量成分が多い場合においては、帯電性に問題を生じることから、濃度低下、カブリ等の弊害を引き起こす。
 このように、画質が優れ、耐久性、定着性、環境安定性等のすべてを満足するものが未だ得られていないのが現状である。
米国特許第2,297,691号明細書 特公昭42−23910号公報(米国特許第3,666,363号明細書) 特公昭43−24748号公報(米国特許第4,071,361号明細書) 米国特許第2,874,063号明細書 米国特許第2,618,552号明細書 米国特許第2,221,776号明細書 特開昭51−3244号公報 特開昭54−72054号公報 特開昭58−129437号公報 特開平2−284151号公報 特開平1−112253号公報 特開平2−284158号公報 特開平1−185653号公報 特開平5−188765号公報 特開平5−188752号公報 特開昭63−208062号公報 特開平2−8862号公報 特開平4−34580号公報 特開平1−277265号公報 特開平5−6089号公報 特公昭58−58664号公報 特公昭57−52574号公報 特開昭52−3304号公報 特開昭52−3305号公報 特開昭57−52574号公報 特開昭61−138259号公報 特開昭56−87051号公報 特開昭63−188158号公報 特開昭63−113558号公報 特開平3−166554号公報 特開平5−241351号公報 特開昭63−149669号公報 特開平2−123385号公報 特開平5−2287号公報 特開昭59−222851号公報 特開平1−185653号公報 特開平2−51168号公報 Japan Hardcopy ’89論文集 25〜28頁 FUJITSU Sci.Tech.J.,28,4,pp.473−480(December l992)
 したがって、本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を大幅に改良し、高品位画像を実現し、高い現像性を示しつつ、それらを長期にわたって維持できる画像形成方法を提供することにある。
 さらに本発明の目的は、低温から高温、低湿から高湿まで幅広い環境下において、高い画像濃度、高解像度でカブリのほとんど見られない高品位な画像形成を実現し、高い耐久性を示す画像形成方法を提供することにある。
 さらに本発明の目的は、優れた画像品質を有しつつ、定着性、耐オフセット性についても高い性能を示す画像形成方法を提供することにある。
 さらに本発明の目的は、接触帯電工程を有する画像形成方法において多量枚数の画出しを行った場合にも、帯電ムラを生じにくい画像形成方法の提供にある。
 さらに本発明の目的は、接触帯電部材を用いて静電荷潜像保持体を帯電させる現像方式を用いた場合にも接触帯電部材を汚染することなく、従って表面抵抗が増大せずに帯電不良の生じることのない画像形成方法の提供にある。
 本発明は、表面にトナーを担持して回転し、該トナーで静電荷像保持体に形成された静電荷潜像の現像を行う現像ローラーを少なくとも有する現像装置を用いて静電荷潜像を現像する画像形成方法において、
 該現像装置は、現像時に、現像剤を表面に付着して搬送する現像ローラー上のトナーを、対向して設けた静電荷像保持体に接触させながら現像するものであり、
 該現像ローラーの中央部よりも現像ローラーの端部の方が帯電量の絶対値が大きく、
 該トナーの重量平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径分布の12.7μm以上の含有量が20重量%以下であり、
 該現像ローラーの中央部のトナーの帯電量をqc、現像ローラー端部のトナーの帯電量をqeとしたとき、下記の式を満足することを特徴とするの画像形成方法に関する。
 本発明によれば、高精細画像形成とともに、耐久安定性、環境安定性(高温高湿下特性、放置特性)および優れた定着特性を達成させることができる。
 本発明の画像形成方法により、上述の目的が達成される理由は以下の様に推察される。
 トナー粒子を小さくすることは、高精細画像形成にとって極めて重要である。
 従来より用いられているトナーにおいては、潜像に対する載りが忠実さという点で不十分であって、その粒径の大きさからムラを生じていた。特にベタ画像においてはトナーの載り量を多くすることで、見た目の不均一さを低減させていたため、ライン画像では現像装置の転写工程、定着工程でトナーの飛び散りが生じ、解像度などの画像品質が劣っていた。この小さいトナー粒子を高精細画像形成に生かすことが、本発明の特徴である。
 本発明においてはさらに、現像時にトナーが静電荷像保持体に接することにより、静電荷像保持体へのトナーの忠実な載りが達成される。即ち、トナーの飛翔による像の乱れを起こしにくいため、高い解像度を持つ画像を得ることが可能となる。この際に問題となることは、接触によるトナー、静電荷像保持体、現像ローラーの磨耗、融着劣化であり、また、接触によってトナーが静電荷像保持体と現像ローラーとの間で圧力を受けることによるトナー漏れである。この問題点を解決していることが本発明の大きな特徴である。
 即ち、トナー形状を最適に調節することによって、あるいは該トナー中に45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分を含むことによって、トナーの流動性が保たれ、トナーの凝集および現像ローラーや静電荷像保持体の汚染などによる画像の不均一さや乱れを防ぐことが可能となる。また、この画像形成方法によれば、トナーがチャージアップしにくく、帯電状態が安定するという利点を持つ。また、該現像ローラーの中央部よりも現像ローラーの端部の方が帯電量の絶対値が大きいことによって、トナー漏れを防ぐことができる。さらにトナー帯電性の環境差を小さくすることが可能であり、環境の違いに影響されず、静電荷像保持体、現像ローラーなどの寿命のアップが可能となった。
 本発明においては、特に、従来の単なる球形化による性能の向上という考えとは異なり、球形化によるチャージアップという弊害を解決することが大きな効果の一つである。
 要するに、本発明に用いられるトナーにおいては、該トナーに外接する直方体を仮想した場合の該直方体の各々の一辺をa>b>cあるいはa>b=cあるいはa=b>cあるいはa=b=cとなるようにa、b、cを規定したときに、b/aの平均が0.4〜0.98かつc/aの平均が0.3〜0.95である形状を有することが一つの特徴である。
 トナーの形状が上記式を満たすことが、満足できる潜像に忠実な高精細画質を得るために重要である。上記式に対し、b/a、c/aの値が小さい場合、即ちトナー粒子の形状がより扁平である場合には、トナーの安定性は低くなり、特に耐凝集性の点で問題を生じる。また、帯電が均一性を欠き、帯電不良によるカブリ、濃度薄が生じやすく、現像ローラーや静電荷像保持体への汚染が生じやすくなる。
 本発明においては、特に、従来の単なる低分子量ポリエチレンまたはポリプロピレンによる定着性能の向上という考えとは異なり、接触現像による静電荷像保持体、現像ローラー、接触帯電部材等に対する耐久性の弊害を解決していることが大きな効果の一つである。
 要するに、本発明に用いられるトナーにおいては、該トナー中に45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分を含むことが一つの特徴である。
 また特に、該トナーの結着樹脂の酸価をA、該トナー中に含まれる45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分のうちで最大吸熱ピークの位置をB℃としたときに、55≦B−2×A≦105を満たすときに大きな効果が得られる。
 トナーとして上記式を満たすことが、満足できる潜像に忠実な高精細画質と定着溶融性能を得るために重要である。
 上記式において、B−2×Aの値が55よりも小さい場合、即ち最大吸収熱量ピークの位置が低くかつ酸価が大きい場合においては帯電が均一性を欠き、帯電不良によるカブリ、濃度薄が生じやすくなる。
 また、最大吸収熱量ピークの位置が特に低い場合には、トナーの安定性は低くなり、現像ローラーや静電荷像保持体への汚染が生じやすく、特に高温環境における耐凝集性の点で問題を生じやすい。また、B−2×Aの値が105よりも大きい場合は、即ち最大吸収熱量ピークの位置が高くかつ酸価が小さい場合においては45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分の効果が小さくなり、定着部材汚染を生じやすい。
 一方、本発明においては、現像ローラー上のトナーが静電荷像保持体に接しているために現像ローラーとの帯電性のみならず、静電荷像保持体との帯電性も重要であるが、これは使用しているトナーを用いた本発明の帯電量Qの測定方法である二成分摩擦帯電量およびトナーの形状の関係を知ることによって、シュミレートする事が可能であることが見いだされた。
 また、本発明においては、特に、従来の単なる接触現像法における性能の向上という考えとは異なり、接触現像による機内汚染に対する耐久性の弊害と同時に画像の解像度における問題を解決していることが大きな効果の一つである。単に、該現像ローラーの中央部よりも現像ローラーの端部の方が帯電量の絶対値が大きいのみでは、静電荷像保持体、現像ローラーなどの寿命の点で不十分である。
 要するに、本発明に用いられる現像ローラーにおいては、中央部分の帯電量と端部の帯電量の差が存在していることが特徴である。中央部分の帯電量をqc、端部の帯電量をqeとしたときに、0.4≦|qe−qc|≦14.5、さらに望ましくは0.8≦|qe−qc|≦5.6を満たすときに大きな効果が得られる。上記式を満たすことが、潜像に忠実な高精細画質を得るためとトナー漏れを防ぐ上で、より効果的である。
 特に、本発明者らが上記のトナーの特性と装置構成との関係について鋭意検討を行ったところ、該トナーの形状と挙動についての関係、耐久時における画像品質との関係が見い出された。
 このように本発明においては特に、静電荷像保持体と、現像ローラー上の粒度分布及び形状又は離型性が優れたトナーとが接触していることによって、鮮明で解像度の高い、画像周囲のトナーの飛び散りの少ない優れた画像が得られるところに大きな特徴がある。しかも、耐久性、放置安定性に優れ、上記の現像装置の性能が長期に渡って維持できるところに特徴がある。
 トナーの形状が上記式を満足しない場合、他にも例えば、b/aの平均が0.4未満またはc/aの平均が0.3未満である場合には、静電荷像保持体からの分離性が劣ることから、転写されないトナーが多く生じる。また、特にb/aの平均が0.3より小さい場合には、トナーの帯電性が劣る一方で、定着部材を汚染しやすくなる。
 一方、b/aの平均が0.98を超える場合や、c/aの平均が0.95を超える場合は、高コストとなる他、トナーの帯電の立ち上がりが悪くなるとともに飽和帯電量が大きくなりすぎる傾向にある。
 また、c/aの平均が0.95よりも大きい場合には、画像の周囲の線の切れが僅かではあるものの、悪くなる。これは、トナーの流動性が高くなるために、定着工程以前の未定着画像が乱れやすくなるとともに、トナー粒子同士の付着力が不安定になるためであると見られる。さらに、c/aの平均が0.95より大きい場合には、定着性が僅かながら悪化する傾向がある。したがって、b/aの平均が0.98以下であり、c/aの平均が0.95以下であることが必要であって、好ましくはb/aの平均が0.92以下であり、c/aの平均が0.85以下であることが望ましい。
 これまでトナーの球形化について、複数回現像して一括転写するプロセスに用いる場合や、溶媒中でトナー粒子を生じせしめる重合法トナーについて限定された形で報告されているが、本発明においては製造方法は従来の粉砕による手段を用いることが出来る。本発明におけるトナー形状を達成する手段としては、粉砕装置、条件による他、熱を用いて表面を溶融させる方法、表面を徐々に削り取って丸くする装置等が用いられる。特に本発明の現像ローラーと組み合わせたときに、高画質化に効果がある。
 その理由として、高精細画像を得ることが出来る本発明の現像方法においては、静電荷像保持体と現像ローラー上のトナーとが常に接し、圧力を受けていることから、トナーの物性、特に形状の制御が厳しく求められる。本発明のトナー形状を用いることによって、耐凝集性が高くなり、放置における凝集性や現像器内や、静電荷像保持体上においても凝集、固着等の問題が生じにくくなる。また、これと並んで、粒度分布も重要である。粒度分布においては粗い粒子が多い場合には、静電荷像保持体上の潜像に忠実にトナーを載せることが困難になることから、該トナーの重量平均粒径は10μm以下であり、かつ粒径分布の12.7μm以上の含有量が20重量%以下であることが良好な画像を得る上で必須となる。
 さらに、本発明者らの検討によれば、トナーの粒度分布のうちで4〜6μmの部分が高精細画像を得る上で重要であることが判明している。しかしながら、3.17μm以下の部分は現像ローラーに対する付着力が強く、静電荷像保持体に現像されにくくなり画像欠陥を引き起こしやすいため、含有量を多くすることは好ましくない。したがって、より望ましいものとして、該トナーの重量平均径D4(μm)が、3.5≦D4≦9.5であり、かつ、個数粒度分布における3.17μm以下の粒子の存在割合N(個数%)との関係が、
     35−D4×5≦N≦180−D4×25
を満足する粒度分布を有するものが好ましい。これによって、帯電性、耐久性がより優れたものとなり、カブリの少ない、より鮮明な画像が得られる。
 また、本発明者らの検討によれば、トナー形状をより生かすために、帯電量との関係が重要であることが明らかになった。即ち、より良好な転写、現像、定着性を得るために、トナーの帯電量の絶対値|Q|が6mC/kg以上48mC/kg以下が有効であるということが見いだされた。また、さらに検討を重ねた結果、該トナーに外接する直方体を仮想した場合の該直方体の各々の一辺をa>b>cあるいはa>b=cあるいはa=b>cあるいはa=b=cとなるようにa、b、cを規定したときに、図6に示す範囲(細かい斜線部分)である
     −8×c/a+16≦|Q|≦−28×c/a+56
を満たすことが極めて効果的であることが明らかになった。即ち、図6における斜線部分よりも|Q|が小さい部分においては、転写性が悪くなり、ドラム上に残るトナー量が多くなる。また、|Q|が斜線部分よりも大きい部分においては、画像飛びちりが多くなり、鮮明さを欠いた画像になりやすい。
 本発明では、上記と同様の趣旨で、トナーの帯電量の絶対値|Q|が5mC/kg以上58mC/kg以下が有効であり、図7に示す範囲(細かい斜線部分)であるc/a×12+3≦|Q|≦c/a×16+41を満たすことが極めて効果的である。
 高精細画像を得るために本発明においては、静電荷像保持体と現像ローラー上のトナーとが常に接し、圧力を受けていることから、トナーを構成する樹脂、荷電制御剤、離型剤などの性能が重要である。
 その一つの例として、結着樹脂の制御が挙げられる。即ち、トナーの結着樹脂に含まれる酸の存在状態および総量をコントロールすることによって、低分子量ワックスなどの離型剤を用いた場合の相溶性を良くするだけでなく、他のトナー成分、例えば着色剤、磁性体、荷電制御剤などの結着樹脂中での分散を良くする役割を果たしていると推定できるものがある。
 すなわち、この手段を用いて荷電制御剤やワックスの凝集を起こりにくくすることによって、安定な帯電特性を示し、高い現像性を保持しつつ、トナー粒子の耐ブロッキング性を維持することに寄与しているものと見られる。
 またこのことは、接触帯電部材、静電荷潜像保持体などへの汚染を生じにくくする効果がある。また飛散トナーが少ないため、高速機に適応した場合においても、機内汚染を生じにくい結果となる。
 また、本発明の画像形成方法によれば、定着性が良好であり、オフセットが生じにくい。このことは、定着温度付近で離型性を持つ成分がトナーの表面に滞留することが可能となり、耐オフセットの効果が生じていると推察される。
 また、離型性成分が低分子量ワックスであれば、定着性をさらに改良できることが見いだされた。但し、トナー中に45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分を含有しない場合においては、現像ローラーや静電荷像保持体、接触帯電部材などを汚染しやすく、放置安定性と定着性との両立が困難になる。
 更に本発明においては、トナー結着樹脂の樹脂組成物はカルボキシル基の如き酸基を有する成分を、全酸価が0.1〜40の範囲となるように含むことが望ましい。0.1未満では、帯電付与能力が低くなり、高湿環境下ではカブリなどの弊害をもたらす。また、40を超える場合では、空気中の水分の影響を受けやすくなり、高湿下の帯電能力に弊害を生じやすくなる。また、現像ローラーの寿命を短くする傾向がある。
 また、トナーのMIは、2〜30の範囲内であることが望ましい。その理由としては、MIが2より小さいと、現像ローラー上のトナー層がやや不均一になり、画質が僅かではあるが劣る傾向にあり、また、熱定着時の溶融特性が十分でなく、トナーが粒子状に存在しやすくなる。MIが30より大きいと、主として接触帯電部材の汚染および熱定着時に定着ローラーヘのトナー付着などの間題を発生しやすいからである。これらの調節手段として、トナー製造時における混練条件(温度、強度)を変えることや材料の配合を振ることなども可能である。また、後述の2種の荷電制御剤を用いることも手段としてよい。
 本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種類としては特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
 また、本発明にかかる樹脂組成物は様々な分子量分布のものを用いることが可能であるが、好ましい結着樹脂はGPCにより測定される分子量分布において、Mwが15万〜30万であり、Mzは100万〜1000万であることが好ましい。分子量がこの範囲を下回るならば、混練時に充分に混合がされにくく、現像ローラーの表面の劣化が早くなりやすい。また、分子量がこの範囲よりも大きいものは、樹脂の製造上も困難であるばかりではなく、トナー製造上、粉砕性が著しく悪化する。
 また、Mw/Mnが、8〜65の範囲であることが好ましい。8未満では分布が狭すぎ、定着性と静電荷像保持体への耐付着性とを両立させることが困難となる。65を超えると分布が広いことから、高分子量成分による静電荷像保持体への傷や低分子量成分による定着器への汚染が生じやすくなる。
 また、軟化点温度が145℃〜165℃であることが好ましい。この範囲内にあることにより、混練時に充分な粘度が得られ、トナー構成成分の分散が良好となり、その結果、安定した帯電性能、耐現像ローラー汚染性、耐静電荷像保持体汚染性を得ることができるからである。
 また、望ましい結着樹脂組成物は、ガラス転移点Tgが54〜75℃の範囲であることが好ましい。Tgが54℃未満の場合には、幅広い様々な転写材に対する高度な定着性を達成することが困難である。75℃よりも大きいならば現像ローラーの十分な寿命、静電荷像保持体の十分な寿命、トナーの保存性、定着性を同時に満足することが困難である。特に、Tgが上記範囲であることよって結着樹脂成分を堅牢なものとすることができ、安定な帯電特性を得ることができ、カブリのない高品位な画像を提供することができる。
 トナー中には着色剤を添加することができ、たとえば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等が挙げられる。さらに例えば、染料としてはアントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等を挙げることができ、これらを用いる場合には結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部を使用することが好ましい。
 一方、磁性材料を含有させることもでき、例えば、マグネタイト、フェライト、酸化鉄などが挙げられる。
 本発明で好ましく用いられるワックスは、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
 本発明で用いられる45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分は、例えば、下記一般式で表される高級アルコールが挙げられる。
       R−Y
 (R:炭化水素、
  Y:水酸基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、エステル基、スルホニル基を示す。R−YのGPCによる重量平均分子量(Mw)が3000以下)
 具体的な化合物例としては、
(a)CH3(CH2nCH2OH(n=約20〜約300)
(b)CH3(CH2nCH2COOH(n=約20〜約300)
(c)CH3(CH2)nCH2OCH2(CH2)mCH3
   (n=約20〜約200、m=0〜約100)
等を挙げることができる。
 これらの化合物は、(a)化合物の誘導体であり、主鎖は直鎖状の飽和炭化水素である。化合物(a)から誘導される化合物であれば上記例に示した以外のものでも使用できる。上記ワックスを用いることにより、本発明のトナーは低温での定着性及び高温での耐オフセット性を高度に満足することが可能である。
 上記化合物のなかでも特に(a)式
(a)CH3(CH2nCH2OH(n=約20〜約300)
で表される高分子アルコールを主成分としたワックスを本発明の樹脂とともに用いることにより、その効果は大きい。上記ワックスは滑り性がよく、特に耐オフセット性に優れている。
 これらのワックスは結着樹脂100重量部に対し、0.5重量部以上20重量部以下で用いることが好ましい。また、2種以上のワックスを併用することも可能である。
 さらに本発明では必要に応じてトナー中に荷電制御剤を含有しても良い。例えば、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸またはナフトエ酸の金属錯塩、ニグロシン系化合物、有機四級アンモニウム塩等を用いることが可能であり、特に限定されないが、良好な帯電性を得る上で、効果的なものとしては、モノアゾ系金属化合物(A式)があげられる。さらに、より帯電安定化に効果をもたらす手段としてモノアゾ系金属化合物とオキシカルボン酸系金属化合物(B式)の2種の荷電制御剤を併用することがあげられる。この理由としてはオキシカルボン酸系金属化合物が結着樹脂を適度に架橋させ、現像ローラーや、接触帯電部材、静電荷像保持体等に対する汚染を防ぐ効果と高温オフセットに対する許容幅が増すことがあげられる。一方、モノアゾ系金属化合物がさらなる帯電安定化に寄与することから、より安定した特性を有するトナーを得ることができる。モノアゾ系金属化合物の中では、好ましいものとして(A−2式)で表されるものがあげられる。アゾ系鉄錯体は、特に酸成分を有するバインダーに対し、分子間相互作用により、好適に分散が達成されるためである。
Figure 2004004966
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 また、本発明のトナーには、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上等のため、無機微粉体、または、疎水性無機微粉体が混合されていても良い。例えば、シリカ微粉体あるいは酸化チタン微粉体を単独あるいは併用して用いることが好ましい。
 シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。
 更に、無機微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、無機微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。その例としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルのごとき有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
 疎水化処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
 また有機ケイ素化合物としては、例えば、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30〜1000センチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
 シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理された無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなる無機微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。
 本発明中のトナーは、必要に応じて、上述以外の添加剤を添加してもよく、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする微粒子などである。例えばポリフッ化エチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンのごとき滑剤;あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤;あるいは例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
 トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体あるいは疎水性無機微粉体などは、トナー100重量部に対して0.1〜10重量部(より好ましくは、0.1〜5重量部)使用するのが好ましい。
 本発明にかかるトナーを作製するには、例えば、トナー構成材料を混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのごとき熱混練機を用いて溶融混練し、さらに冷却固化後粉砕、分級を行う方法があげられる。この際、製造装置及び条件によってトナーの形状を制御する方法を用いることができる。例えば、粉砕装置は機械式衝撃力または熱により、トナー表面における摩耗、剥離または溶融などを行わせ、所望の形状を有するトナー粒子とする手段を用いることも可能である。
 本発明においては現像ローラーにカーボンブラック、グラファイト、導電性金属、導電性ゴムのうち少なくとも一つを含有させることも有効である。特に現像ローラーの材質として弾性層を持つもの、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、NBR等を用い、弾性層の形態としては、ゴム、発泡体、スポンジ等の形態にして用いた場合に効果的である。また、磁界発生層を設けることも可能であるが、特に必要ではない。
 本発明においては、現像ローラーにトナーを供給するトナー供給ローラーを設けてもよい。この2つのローラー間は接触、非接触が適宜選択できる。また、この2つのローラーの間には交流あるいは直流、または交流+直流の電界を印加しても良い。トナー供給ローラーを設けることによって、トナーの帯電が円滑に行われ、現像ローラー上のトナー層のバラツキが無くすことができる。トナー供給ローラーの材質は特に限定されず、スポンジ、ゴム、SUSあるいはこれらにコーティングを施したもの等の公知の材料を用いることができる。また、場合によっては供給ローラーの他に、現像に用いられなかったトナーを現像ローラーからいったん剥ぎ取る働きを有する剥ぎ取りローラーを設けることも可能である。
 特に本発明においては、現像ローラーの導電層が個数平均粒子径が0.3〜30μmである粒子を含む場合において分散均一性、耐久性について良好な結果が得られる。例えば、銅,ニッケル,銀,アルミニウム等の金属、酸化アンチモン,酸化スズ,酸化チタン,チタン酸バリウム,チタン酸カルシウム等の化合物の粉体等が挙げられる。個数平均粒子径が0.3μm未満のものでは抵抗調整の効果が弱くなり、また30μmを超えるものでは該粒子を含有する層の十分な強度を得ることが難しくなり、また、抵抗を均一にすることが難しく、帯電ムラの原因となりやすい。
 また、その粒子が表面に無機微粉末が付着または固着した球状粒子を含む場合に、さらに耐久安定性に優れる結果が得られることが見いだされた。また、球状粒子が表面を炭化処理されている時に耐久性が特に好ましい結果が得られることが判明した。
 本発明で使用できる導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを焼成して、炭素化および黒鉛化して得る方法;またはこれらの樹脂粒子表面にメカノケミカル法によって、バルクメソフューズピッチを被覆し、この被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理;焼成して炭素化及び/または黒鉛化して得る方法等が挙げられる。また、重合時に導電性微粒子を含有させる方法、樹脂と導電性微粒子を混練分散させた後に粉砕する方法、機械的衝撃力によって付着させる方法なども用いることが可能である。
 またこれらを弾性層のコート剤中に分散させることも有効であり、コート樹脂として、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。この理由としては、従来から用いられているグラファイトに比べて添加量が少なくて効果が得られ、また削れにくいため耐久性に優れていることが挙げられる。
 また、他の微粒子とともに用いることも可能であり、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、グラファイトなどが使用できる。
 さらに、本発明者らの検討によれば、本発明の効果をさらに発揮させるために、現像ローラーに離型効果の高いシリコーン樹脂を含有させることによって、帯電能力を損なわずに耐久性を持たせることができることが見いだされた。また、これらシリコーン樹脂は帯電レベルの調節のために、置換基としてアルキル基、アリール基、変性アルキル基、変性アリール基、フェニル基、変性フェニル基、アミノ基、イミノ基の中から選ばれる一種以上の置換基を含有することが有効である。
 また、現像ローラー表面の凹凸によって、トナーの搬送性が改良される効果が見いだされており、Raは8.5μm以下であることが望ましく、より好ましくは0.1〜6.5である。表面粗度が0.1μm未満ではトナーの搬送性が低下し十分な画像濃度が得られなくなる場合があり、8.5μmを超えると、トナーの搬送力が大きくなりすぎて十分に帯電できないトナーが生じる。
 また、現像位置に対して、現像ローラー回転の上流側、下流側にブレードを設けることも可能である。さらに、これらの部材に電圧を印加することも可能である。供給ローラーにおいても剥ぎ取りと供給の作用を兼ねさせることも可能である。さらに、現像部の上流側にトナー層規制部材を設けることも好ましい。このトナー層規制部材は板状のものであっても良いし、回転ローラーを用いても構わない。このトナー層規制部材により、トナーに電荷注入を行うことも好ましい。
 また、本発明においては、静電荷像保持体への帯電手段として接触式帯電方式を用いることが可能であるが、帯電部材としては繊維状ブラシ、弾性ローラー、ベルト、フィルム、あるいは磁気ローラーの周囲に磁性粉体を存在させたもの等が用いられ、接触帯電子を静電荷像保持体へ直接接触させながら、静電荷像保持体表面を直接帯電させる。
 静電荷像保持体に対する帯電を行う望ましい形態として、一次帯電ローラーは、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)ローラー上をナイロン樹脂で被覆した中抵抗に抵抗制御されたゴムローラー(直径12mm、当接圧49N/m(50g/cm))を静電荷像保持体に当接させて使用できる。
 また、抵抗調整に用いられる導電性微粒子としては、銅,ニッケル,鉄,アルミニウム,金,銀等の金属、あるいは酸化鉄,フェライト,酸化亜鉛,酸化スズ,酸化アンチモン,酸化チタン等の金属酸化物、更にはカーボンブラック等の導電紛が挙げられる。また本発明に用いるこれら導電性微粒子は体積抵抗値が1×107Ωcm以下のものが望ましく、粒径は1μm以下が望ましい。
 帯電ローラーの表面粗さRaは0.1以上8.0以下であることが望ましい。より望ましくは、0.2以上6.0以下であることが好ましい。Raが0.1未満であると静電荷像保持体との摩擦力が大きくなり、静電荷像保持体と帯電ローラーの双方の劣化を早めてしまう。また、Raが8.0を超えると、弾性ローラーを用いても圧力の違いから、帯電時における電気力線が帯電ローラーの凸部に集中しやすくなり、静電荷像保持体上に特異なピンホール状の劣化部位を生じさせやすい。
 図1は本発明に適用する画像形成装置の概略的説明図である。
 静電荷像保持体であるOPC感光体ドラム1は矢印の方向に回転し、帯電器4により、均一に一次帯電される。次に、露光装置5,6により、画像部に露光が行われ、静電潜像が形成される。図1中の静電荷像保持体(感光ドラム)1と現像ローラー(トナー担持体)9上のトナー層を接触するように設定し、直流バイアスをバイアス印加手段によりトナー担持体9に印加しながら、画像部を現像して、トナー画像を感光体ドラム上に形成する。また、交流バイアスを用いることも可能である。
 得られた該トナー画像は、転写ローラー(転写手段)15によって転写材(記録材)上に転写される。感光体表面上に残ったトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーナーは用いることは可能であるが、用いずに現像部において、現像時に回収することができる。一方、感光体ドラム1から分離された転写材は加熱定着装置供給され、転写材上のトナー画像が転写材に加熱定着される。以上の工程を繰り返して、画像形成を行っている。また、トナー収納容器7内の現像ローラーの背面にスポンジ製のトナー塗布ローラー(図示せず)を取り付けて画像形成を行うことができる。
 本発明においては、静電荷像保持体に形成されたトナー画像を中間転写体を介して転写材(記録材)に転写することも可能である。
 本発明に中間転写体21を用いる場合の例を図8に示す。
 図8に示す画像形成装置において、現像装置7にトナー8が導入されており、現像装置7はトナーの色ごとに複数のものが用いられていても良い。
 図8に示す画像形成装置においては、図1で示す画像形成装置の場合と同様に静電荷像保持体1に現像されたトナー画像は、静電荷像保持体1の表面と当接する中間転写体21に転写電圧の印加によって1次転写され、中間転写体21に転写されたトナー画像は、転写ローラー(転写手段)25によって転写材(記録材)上に2次転写される。この転写材上に転写されたトナー画像は、図1に示す画像形成装置の場合と同様に転写材が加熱定着装置に供給され、転写材上のトナー画像が転写材に加熱定着される。
 中間転写体21としては、一般的な材料を用いることが可能である。好ましいものとしては、中間転写体21の体積固有抵抗値よりも転写材26の体積固有抵抗値を小さく設定することで、転写部材25への印加電圧を低減でき、転写材26上に良好なトナー像を形成できるのとともに転写材26の中間転写体21への巻き付きを防止することができる。また、中間転写体21の硬度は10〜40度の範囲であることが好ましい。中間転写体21には中間転写体21に当接して転写材への転写後中間転写体21に残存するトナーを除去するためのクリーニング部材23を有する中間転写体クリーナー22を設けることも可能である。
 以下、本発明の画像形成方法に適用可能な接触転写工程について具体的に説明する。
 接触転写工程とは、静電荷像担持体又は中間転写体と転写材を介して転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写するものであるが、転写手段の当接圧力としては、線圧が3g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは20g/cm以上である。
 また、接触転写工程における転写手段としては、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が使用される。転写ローラーは、導電性弾性層はカーボン等の導電材を分散させたウレタンやEPDM等の、体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体で作られることが望ましいが、特に限定されない。
 さらに本発明においては、交流電界を用いずに直流のみで帯電や現像を行うDC帯電やDC現像方式においても良好な画像が得られることが見い出されている。その理由としては、トナー同士の凝集が少なく、より均一な帯電が達成されているためであると推察される。また、本発明のトナーを用いることで、帯電付与部材などに対する汚染が少なく、従来の画像形成条件と異なり、高精細画像を長期にわたって得ることができる。
 本発明にクリーニング部材を用いる場合には、用いられるクリーニング部材として、ブレード、ローラー、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用いることが出来る。また、これらのクリーニング部材の2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
 これらの中では、ブレードクリーニングが好ましい。ブレードクリーニングはウレタンゴム,シリコーンゴム,弾性を有する樹脂をブレードとして、あるいは金属等のブレードの先端にチップ状の樹脂を保持させたものを、感光体の移動方向に対して順方向または逆方向に当接あるいは圧接させたものとして知られている。この時、感光体に対するブレードの当接圧は、線圧で10g/cm以上が好ましく、より好ましくは15〜50g/cmである。当接圧が線圧で10g/cmに満たない場合には、超微粉成分まで感光体上から除去することが困難であり、超微粉成分がブレードをすり抜けることからブレード先端部に微少な傷を生ずるなどして他のトナー粒子に対するクリーニング効果まで損ねてしまい、画像汚れが生じ易くなる。また、流動性付与等の目的でトナーに無機酸化物等の微粒子を添加する場合には、これらがトナー粒子のすり抜けを助長する傾向があるため、15g/cm以上の当接圧に設定することが望ましい。更に、当接圧を50g/cmよりも大きくするとブレード自体の耐久性が問題となり、長期間の使用によって、クリーニング不良による画像汚れを生ずることがあり、当接圧を50g/cm以下とすることが好ましい。更に、ブレードクリーニング法にマグブラシクリーニング法,ファーブラシクリーニング法,ローラークリーニング法等、公知の方法を組み合わせても良い。
 また、場合によっては、1)転写工程後に静電荷像保持体上に存在する転写残トナーを逆極性とし、静電荷像保持体が次の転写工程までの転写材と接触しない非通紙部に相当するときはその転写残トナーを静電荷像保持体上を経て、現像ローラー上に戻す、または2)転写残トナー回収容器からスクリュー内蔵パイプ等によるトナーリユース工程を設けることも可能である。
 さらに本発明においては、転写残トナーが少ないことにより、クリーナーを用いないクリーナーレスの構成にすることも可能である。
 本発明に用いられる電子写真感光体の光導電性物質としては、公知のものが使用できる。例えば、有機光導電物質があげられ、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型のものが好ましく用いられる。
 この時に用いられる感光体としては、光導電材料として、セレン、硫化カドニウム、酸化亜鉛等の無機光導電材料を用いたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を用いたものなどがあげられる。
 このうち、有機光導電性物質を用いた感光体は比較的コストがかからず、また塗工によって生産できるため極めて生産性が高く安価な感光体を提供できる利点を有している。さらには、このような有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたものも使用可能である。高耐久性を実現する為に光導電層上に保護層を設けることも可能であり、例えば特開平2−93543号公報では放射線照射により硬化する保護層が、特開平2−146047号公報では電荷輸送材を含有するポリカーボネート樹脂、特開平3−17655号公報には金属或いは金属微粉末とビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、特開平3−103741号公報には硬化型エポキシ樹脂を用いることなどが提案されている。これらは、感光層或いは感光体としての機能を発揮するための必要な部材を覆うことにより、感光層などに損傷を与えないことを目的としている。また、これら表面層に離型効果の高い、フッ素系化合物,シリコン系化合物を含有させることも好ましい。
 次に、本発明における測定方法について述べる。
 1)トナー形状測定方法
 トナーを適当な倍率で、走査型電子顕微鏡を用いて写真撮影を行う。このとき、同一粒子について、電子線が試料台上のトナーに対して垂直に当たっている画面となるべく水平に当たっている画面とを数枚撮り、これらから1つの粒子に外接する直方体を描く。さらにこの直方体の各々の一辺をa≧b≧cとなるようにa,b,cを設定し、a,b,cを実測する。以上のような操作をランダムに100粒子行い、b/a,c/aの平均を求める。
 2)トナー帯電量測定方法
 トナー2.5gとキャリア(パウダーテック社製 EFV−200/300)47.5gを50cm3のポリエチレン容器に秤取し、温度21〜25℃、湿度55〜63%の環境下で2日間放置する。これに蓋をしてターブラミキサーで240秒間振とうしたのち、約0.5g秤取し、吸引法にて摩擦帯電量を測定する。本発明における帯電量測定装置を図4に示す。底に500メッシュ(キャリア粒子の通過しない大きさに適宜選択可能)の導電性スクリーン23のある金属製の測定容器22に試料を入れ、金属製の蓋をする。次に、吸引機21(測定容器22と接する部分は少なくとも絶縁体)において吸引口27から吸引し、風量調節弁26を調整して真空計25の圧力を250mmH2Oとする。この状態で1分間吸引する。この時の電位計の電圧をV(ボルト)とする。ここで28はコンデンサーであり、容量をC(μF)とする。これから得られる電荷量を吸引除去したトナー量(g)で除したものが、摩擦帯電量(mC/kg)である。
 3)分子量分布測定方法
 本発明において、分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によってそれぞれ次の条件で測定される。
 <GPC測定条件>
  装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
  カラム:KF801〜7(SHODEX社製)の7連
  温度 :40℃
  溶媒 :THF(テトラヒドロフラン)
  流速 :1.0ml/min.
  試料 :濃度0.05〜0.6重量%の試料を0.1ml注入
 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。
 4)ガラス転移点Tg測定方法
 本発明において樹脂のガラス転移点Tgは示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件にて測定した。
  試料 :5〜20mg、好ましくは10mg
  温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
       降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.)
       昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
      昇温IIで測定されるTgを測定値とする。
  測定法 :試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点Tgとした。
 5)トナー中に含まれる45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分測定方法本発明においてトナー中に含まれる45〜115℃に吸収熱量ピークを持つ成分は示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件にて測定した。
  試料 :5〜20mg、好ましくは10mg
  温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
       降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.)
       昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
  測定法 :試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。昇温IIで測定されるピークのうち、吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインをもとに、45〜115℃に現れる吸熱ピークを求め測定値とする。
 6)トナーの酸価の測定方法
 本発明のトナーの酸価の測定は電位差滴定法を用いて行った。
  装置:京都電子工業製 AT−400
 7)軟化点測定方法
 本発明の軟化点は、環球法(JIS K2406)で測定する。
 内径15.9mm,深さ6.4mmの真鍮製のリングに試験片を融解させて流し込むか、打抜くか、または成型するかなどによってはめ込み、その中心上に直径9.53mm,重量3.5±0.5gの鋼球を載せて、これを液浴中に入れ液温を5℃/分で上昇させる。試験片が軟化するに従って鋼球は降下し、これがリング下端から25.4mm下のプレート表面に接触するようになった時の温度を軟化点とする。
 8)メルトインデックス(MI)測定方法
 本発明のメルトインデックス(MI)は、JIS K7210記載の装置を用いて、下記測定条件下、手動切り取り法で測定を行う。この時、測定値は10分値に換算する。
      測定温度 :125℃
       荷重  :10kg
      試料充填量:5〜10g
 9)トナー粒度分布測定方法
 トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)と体積変動係数(Sv)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)と長さ変動係数(S1)、及び体積分布から求めた重量基準の粗粉量(12.7μm以上)、個数分布から求めた個数基準の微粉量(3.17μm以下)を求めた。
 10)現像ローラーおよび帯電ローラーの中心線平均粗さ(Ra)の測定方法
 JIS表面粗さ(B0601)に基づいて、小坂研究所製サーフコーダSE−3300を使用して、軸方向×周方向2点=6点測定し、その平均値をとった。
 11)現像ローラー上のトナーの帯電量(qe,qc)の測定方法
 トナー吸引部分を現像ローラーに近づけ、現像ローラー上のトナーを吸引することによって、測定して帯電量とする。
 現像ローラー上の帯電量の測定は、図5の透視図に示すファラデーケージを用いて行った。内部(図の右側)を減圧状態にして現像ローラー上のトナーが吸い込まれるようにし、トナーフィルター33を設けてトナーを捕集した。この捕集したトナーの重量Mとクーロンメーターにて直接測定した電荷Qより、現像ローラー上の帯電量Q/M(qe,qc)を算出した。
 以上、本発明の基本的な構成と特徴について述べたが、以下に実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施形態が限定されるものではない。実施例中の部数は重量部である。
 <実施例1>
 トナーの製造例1
 スチレン−n−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル共重合体(樹脂1)
                                   100部
 カーボンブラック(着色剤)                       5部
 荷電制御剤 C−1に示す化合物                     1部
 D−1に示す化合物                           2部
 低分子量ポリプロピレン                         4部
 上記材料をヘンシェルミキサーで良く混合した後、130℃に設定したエクストルーダーでよく混合し、冷却後、カッターミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機で微粉砕した。その後、風力分級器で分級し、黒色トナー粒子を得た。
 得られた黒色微粉体100部に、コロイダルシリカ1.1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を得た。この時、微粉砕〜分級工程の条件を変えることにより、表3に示すような形状,粒度を有するトナーを得た。
Figure 2004004966
Figure 2004004966
 現像ローラーの作製1
 導電性球状粒子として、10μmの球状フェノール樹脂粒子100部に、ライカイ機(自動乳鉢)を用いて3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、その後、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2600℃で焼成することにより、黒鉛化して得られた球状の導電性炭素粒子を得た。
 レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有)        200部
 個数平均粒径6.1μmのグラファイト                 45部
 導電性カーボンブラック                         5部
 イソプロピルアルコール                       130部
 上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒子として加え、サンドミルにて分散させたもの380部に対して、上記導電性炭素粒子を10部添加し、分散させて塗工液を得た。
 この塗工液を用いて、スプレー法により、カーボンブラックを15%含有させたウレタンゴム製のローラー上に導電性樹脂被覆を形成させ、現像ローラー1を作製した。
 画出し試験
 このトナー1および現像ローラー1を用いて、表5に示す構成を用い、低温低湿環境(15℃/10%RH)下、常温常湿環境(23℃/60%RH)下、高温高湿環境(32.5℃/80%RH)下で画出しを行った。画出し試験の結果を表6に示す。
 本実施例中では、市販のレーザービームプリンターLBP−PX(キヤノン製)改造機を下記の条件に改造して用いた。
 図1は本発明に適用する画像形成装置の概略的説明図である。
 静電荷像保持体であるOPC感光体ドラム1は矢印の方向に回転し、帯電器4により、暗部電位(Vd)が−600Vになるように均一に帯電される。次に、露光装置5,6により、画像部に露光が行われ、明部電位(Vl)が−150Vの静電潜像が形成される。図1中の静電荷像保持体(感光ドラム)1と現像ローラー(トナー担持体)9上のトナー層を接触するように設定し、直流バイアス(Vdc=−400V)をバイアス印加手段によりトナー担持体9に印加しながら、画像部を現像して、トナー像を感光体ドラム上に形成した。また、交流バイアスを用いる場合においては、(f=1700Hz、Vpp=1200V)を印加した。
 得られた該トナー像を転写ローラー15によって転写材上に転写する。感光体表面上に残ったトナーをクリーニングするクリーナーは除去した。一方、感光体ドラム1から分離された転写材は加熱定着装置により、転写材上のトナー画像を定着するために、加熱定着処理される。以上の工程を繰り返して、画像形成を行っている。また、トナー収納容器7内の現像ローラーの背面にスポンジ製のトナー塗布ローラーを取り付けて画像形成を行った。
 表5中「ローラー帯電」とは、導電性シリコンローラーの表面にフッ素系樹脂をコーティングしたものを用いた。
 表5中の「接触」とは、図1,図2に示す現像ローラー上のトナーと静電荷像保持体とが接触している現像方法を示し、「非接触」とは図3に示す現像ローラー上のトナーと静電荷像保持体とが接触していない現像方法を示す。
 以上の設定条件で、8枚/分のプリントアウト速度で、本発明に係るトナーおよび比較用トナーを補給しながら、連続10000枚にわたリプリントアウト試験を行い、得られた画像を下記項目について評価した。
 (プリントアウト画像評価)
 (1)画像濃度
 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に耐久初期と終了時における画像濃度維持の度合いについて評価した。なお、画像濃度は、『マクベス反射濃度計』(マクベス社製)を用いて、原稿濃度0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
◎(優秀):1.40以上、  ○(良):1.35以上1.40未満、
△(可):1.00以上1.35未満、  ×(不可):1.00未満
 (2)画像品質(解像度)
 細線画像をプリントアウトし、その解像度をルーペを用いて評価した。(判別可能なライン数、10カ所の平均値)
◎(非常に良好):7(ライン/mm)以上、
○(良好):6(ライン/mm)以上7(ライン/mm)未満、
△(可):5(ライン/mm)以上6(ライン/mm)未満、
×(不可):5(ライン/mm)未満
 (3)画像カブリ
 『リフレクトメーター』(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の関係から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。3環境における最悪値を比較した。
 (4)定着性
 定着性は、50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。
◎(優秀):5%未満、  〇(良):5%以上10%未満、
△(可):10%以上20%未満、  ×(不可):20%以上
 (5)トナー保存性
 トナー10gを50mlのポリエチレン製カップに入れ、50℃の恒温漕に3日間安置し、その時のトナーの耐ブロッキング性を評価した。
◎(優秀):変わらない、  ○(良):流動性が僅かに劣る、
△(可):僅かに固化しているが、実用可能、  ×(不可):ブロッキングしており、実用不可
 (6)帯電ローラー汚れ
 プリントアウト試験終了後、帯電ローラー表面への異物の付着の様子、及び画像評価結果に基づいて、帯電ローラーの耐久性への影響について評価を行った。
◎(非常に良好):付着物はほとんど見られず、画像品位も初期に匹敵する、
○(良好):付着物はほとんど見られず、画像品位の変化が極めて少ない、
△(可):付着物は極めて少なく、画像も問題ないレベル、
×(不可):付着物が多く、画像欠陥を生じる
 (7)現像ローラー汚れ
 プリントアウト試験終了後、現像ローラー表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響について調べた。
◎(非常に良好):付着物はほとんど見られず、画像品位も初期に匹敵する、
○(良好):付着物はほとんど見られず、画像品位の変化が極めて少ない、
△(可):付着物は極めて少なく、画像も間題ないレベル
×(不可):固着が多く、画像ムラを生じる
 (8)静電荷像保持体汚れ
 感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎(非常に良好):付着物はほとんど見られず、画像品位も初期に匹敵する、
〇(良好):付着物はほとんど見られず、画像品位の変化が極めて少ない、
△(可):付着物は極めて少なく、画像も問題ないレベル、
×(不可):付着物が多く、画像欠陥を生じる
 (9)定着装置汚れ
 プリントアウト試験終了後の定着ローラー表面の残留トナーの固着状況を目視で評価した。
◎(優秀):付着物未発生、  ○(良):ほとんど発生せず、
△(可):実用可、  ×(不可):実用不可
 <実施例2〜16および比較例1〜4>
 樹脂の物性を表1、トナーを表2、表3に示すように製造した。また、現像ローラーは表4に示すものを用いた。
 現像条件を表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行い、表6、表7に示す結果を得た。なお、表2中の(C−2)は下記構造の化合物である。
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
 <実施例17>
 トナーの製造例15
 スチレン−n−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル共重合体(樹脂4)
                                   100部
 カーボンブラック(着色剤)                       5部
 荷電制御剤 C−1に示す化合物                     1部
 D−1に示す化合物                           2部
 W−1に示す化合物                           4部
 上記材料をヘンシェルミキサーで良く混合した後、130℃に設定したエクストルーダーでよく混合し、冷却後、カッターミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機で微粉砕した。その後、風力分級器で分級し、黒色トナー粒子を得た。
 得られた黒色微粉体100部に、コロイダルシリカ1.1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー15を得た。この時、微粉砕〜分級工程の条件を変えることにより、表10に示すような形状,粒度を有するトナーを得た。このトナーは92℃に吸熱ピークを有していた。
 現像ローラーの作製2
 カーボンブラックを15%含有させたウレタンゴム製のローラー上に、グラファイトと導電性カーボンブラックとを含むフェノール樹脂層を形成し、現像ローラー2を作製した。
 画出し試験
 このトナー15および現像ローラー2を用いて、表12に示す構成を用い、低温低湿環境(15℃/10%RH)下、常温常湿環境(23℃/60%RH)下、高温高湿環境(32.5℃/80%RH)下で画出しを行った。画出し試験の結果を表13に示す。
 本実施例中では、市販のレーザービームプリンターLBP−PX(キヤノン製)改造機を実施例1と同様の条件に改造して用いた。
 そして、8枚/分のプリントアウト速度で、本発明に係るトナーおよび比較用トナーを補給しながら、連続10000枚にわたリプリントアウト試験を行い、得られた画像を実施例1と同様の項目について評価した。
 <実施例18〜43および比較例5〜7>
 樹脂の物性を表8、トナーを表9、表10及び表11に示すように製造した。
 現像条件を表12に示すように変更した以外は、実施例17と同様に行い、表13、表14に示す結果を得た。
Figure 2004004966
Figure 2004004966
 W−1:CH3(CH2nCH2OH;Mw=870,n=47
 W−2:スチレン変性ワックス
 W−3:低融点のパラフィン系ワックス
 W−4:ポリプロピレンワックス
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
Figure 2004004966
 <実施例44>
 トナーの製造例38
 スチレン−n−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル共重合体(樹脂9)
                                   100部
 カーボンブラック(着色剤)                       7部
 荷電制御剤 C−1に示す化合物                     1部
 D−1に示す化合物                           2部
 上記材料をヘンシェルミキサーで良く混合した後、130℃に設定したエクストルーダーでよく混合し、冷却後、カッターミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機で微粉砕した。その後、風力分級器で分級し、黒色トナー粒子を得た。
 得られた黒色微粉体100部に、コロイダルシリカ1.1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー38を得た。この時、微粉砕〜分級工程の条件を変えることにより、表17に示すような形状,粒度を有するトナーを得た。
 現像ローラーの作製3
 導電性球状粒子として、10μmの球状フェノール樹脂粒子100部に、ライカイ機(自動乳鉢)を用いて3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、その後、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2600℃で焼成することにより、黒鉛化して得られた球状の導電性炭素粒子を得た。
 レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部
 個数平均粒径6.1μmのグラファイト 45部
 導電性カーボンブラック 5部
 イソプロピルアルコール 130部
 上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒子として加え、サンドミルにて分散させたもの380部に対して、上記導電性炭素粒子を10部添加し、分散させて塗工液を得た。
 この塗工液を用いて、スプレー法により、カーボンブラックを15%含有させたウレタンゴム製のローラー上の端部を除く部分に、グラファイトと導電性カーボンとを含むフェノール樹脂層を形成し、さらに、現像ローラーの両端部におよそ2cmの幅で、導電性カーボンを3部に減らしかつアミノ変性シリコーン系樹脂を含有させたフェノール樹脂層でコートを行って、現像ローラー3を作製した。
 画出し試験
 このトナー38および現像ローラー3を用いて、表19に示す構成を用い、低温低湿環境(15℃/10%RH)下、常温常湿環境(23℃/60%RH)下、高温高湿環境(32.5℃/80%RH)下で画出しを行った。画出し試験の結果を表20に示す。
 本実施例中では、市販のレーザービームプリンターLBP−PX(キヤノン製)改造機を実施例1と同様の条件に改造して用いた。
 そして、8枚/分のプリントアウト速度で、本発明に係るトナーおよび比較用トナーを補給しながら、連続10000枚にわたリプリントアウト試験を行い、得られた画像を下記項目について評価した。
 (プリントアウト画像評価)
 実施例1中の評価項目のうち、画像濃度、画像品質、画像カブリ、定着性、帯電ローラー汚れ、現像ローラー汚れ及び静電荷像保持体汚れについて調べた他、次の項目についても評価を行った。
 (1)機内汚染
 10000枚プリントアウト試験後の機内の汚染状況(現像ローラーの下)を評価した。
◎(優秀):トナーが見られない、  ○(良):トナーが僅かに存在する、
△(可):僅かに堆積している、  ×(不可):トナー漏れ大
 (2)画像均一性
 プリントアウト画像の中央部と端部の画像濃度の差をベタ黒画像濃度および、ハーフトーン画像濃度について評価した。
◎:濃度差見られず(0.00〜0.01)、 ○:濃度差僅か(0.02〜0.03)、
△:濃度差あり(0.04〜0.05)、 ×:濃度差大(0.06以上)
 現像ローラーの作製4
 カーボンブラックを18%含有させたウレタンゴム製のローラー上の端部を除く部分に、グラファイトと導電性カーボンブラックとアクリル変性シリコーン樹脂とを含むフェノール樹脂層を形成し、さらに、現像ローラーの両端部におよそ2cmの幅で、同じ材質でコート層を厚くコートを行って、現像ローラー4を作製した。
 現像ローラーの作製5
 カーボンブラックを18%含有させたウレタンゴム製のローラー上の端部を除く部分に、グラファイトと導電性カーボンブラックとを含むフェノール樹脂層を形成し、さらに、現像ローラーの両端部におよそ2cmの幅で、同じ樹脂層で塗工液の粘度をさらに上げてコートを行って、現像ローラー5を作製した。
 現像ローラーの作製6
 カーボンブラックを18%含有させたウレタンゴム製のローラー上の端部を除く部分に、グラファイトと導電性カーボンブラックとを含むフェノール樹脂層を形成し、さらに、現像ローラーの両端部におよそ2cmの幅で、イミド変性シリコーン系樹脂を含有させたフェノール樹脂層で塗工液の粘度を上げてコートを行って(コート層厚は中央部よりも薄くした)、現像ローラー6を作製した。
 現像ローラーの作製7
 カーボンブラックを15%含有させたウレタンゴム製のローラー上に、グラファイトと導電性カーボンブラックとを含むフェノール樹脂層を形成して、現像ローラー7を作製した。
 <実施例45〜57および比較例8〜13>
 樹脂の物性を表15、トナーを表16、表17に示すように製造した。また、現像ローラーは表18に示すものを用いた。
 現像条件を表19に示すように変更した以外は、実施例44と同様に行い、表20、表21に示す結果を得た。
Figure 2004004966
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本発明の画像形成を行うのに好適な画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成を行うのに好適な画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明から除外される画像形成を行う画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるトナーの帯電量を測定するのに用いる測定装置を示す概略図である。 本発明における現像ローラー上のトナーの帯電量qcおよびqeを測定するのに用いる測定装置を示す概略図である。 トナーの帯電量と形状との関係を示す図である。 本発明におけるトナーの帯電量と形状との関係を示す図である。 本発明の画像形成を行なうのに好適な他の画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
 1 感光体ドラム(潜像担持体)
 4 帯電ローラー
 5 露光装置
 7 現像装置
 8 トナー
 9 現像ローラー
 13 ブレード
 14 現像バイアス印加手段
 15 転写ローラー
 16 転写材(記録材)
 21 中間転写体
 22 中間転写体クリーナー
 23 クリーニング部材
 25 転写ローラー(転写手段)
 26 転写材(記録材)
 31 現像ローラー上のトナー吸引方向
 32 絶縁部材
 33 トナーフィルター

Claims (9)

  1. 表面にトナーを担持して回転し、該トナーで静電荷像保持体に形成された静電荷潜像の現像を行う現像ローラーを少なくとも有する現像装置を用いて静電荷潜像を現像する画像形成方法において、
     該現像装置は、現像時に、現像剤を表面に付着して搬送する現像ローラー上のトナーを、対向して設けた静電荷像保持体に接触させながら現像するものであり、
     該現像ローラーの中央部よりも現像ローラーの端部の方が帯電量の絶対値が大きく、
     該トナーの重量平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径分布の12.7μm以上の含有量が20重量%以下であり、
     該現像ローラーの中央部のトナーの帯電量をqc、現像ローラー端部のトナーの帯電量をqeとしたとき、下記の式を満足することを特徴とするの画像形成方法。
      0.4≦|qe−qc|≦14.5
  2. 該トナーの重量平均粒径D4(μm)が、3.5≦D4≦9.5であり、かつ、個数粒度分布における3.17μm以下の粒子の存在割合N(個数%)との関係が、
      35−D4×5≦N≦180−D4×25
    を満足する粒度分布を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該トナーの結着樹脂の酸価が0.1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であり、かつ、該結着樹脂の軟化温度が145℃以上165℃以下であり、かつ該結着樹脂のTgが54℃以上75℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該現像ローラーの中央部のトナーの帯電量をqc、現像ローラー端部のトナーの帯電量をqeとしたとき、下記の式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
      0.8≦|qe−qc|≦5.6
  5. 該トナーの結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15万〜30万の範囲であり、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値が8〜65であり、かつ、メルトインデックス(MI)が2〜30の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 該トナーがモノアゾ系金属化合物とオキシカルボン酸系金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該現像ローラーが導電層を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 該導電層が少なくとも、結着樹脂と個数平均粒子径が0.3〜30μmであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 該現像装置が感光体のクリーニング手段を有さないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
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