JP2002189339A - 現像装置、現像剤担持体及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、現像剤担持体及び画像形成装置

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JP2002189339A
JP2002189339A JP2000388119A JP2000388119A JP2002189339A JP 2002189339 A JP2002189339 A JP 2002189339A JP 2000388119 A JP2000388119 A JP 2000388119A JP 2000388119 A JP2000388119 A JP 2000388119A JP 2002189339 A JP2002189339 A JP 2002189339A
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Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
Kenji Fujishima
健司 藤島
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Kazunori Saiki
一紀 齊木
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Satoshi Otake
智 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤担持体表面の凹凸が多数枚の画出しに
おいても変化しにくく、且つトナー汚染も発生しにくく
することで、現像剤担持体上のM/Sを安定にコートす
る現像装置を提供することにある。 【解決手段】 磁性キャリアと非磁性トナーからなる二
成分系現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤
容器に収容されている二成分系現像剤の薄層を表面に形
成して担持し、且つ現像領域へと二成分系現像剤を搬送
するための現像剤担持体を有する現像装置において、該
現像剤担持体は、少なくとも基体11bおよび該基体表
面に形成された樹脂被覆層11aを有し、該樹脂被覆層
は少なくとも被覆樹脂および該被覆樹脂中に分散された
モース硬度6以上の高硬度粒状物を含有していることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法におい
て、電子写真感光体あるいは静電記録誘電体の如き潜像
保持体に形成された静電潜像を現像して顕像化する際に
用いられる現像剤担持体、該現像剤担持体が用いられて
いる現像装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法として米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報お
よび特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記
載されている。これらの方法は、光導電層に原稿に応じ
た光像を照射することにより静電潜像を形成し、次い
で、ノーマル現像の場合は、該静電潜像上に、これとは
反対の極性を有するトナーと呼ばれる着色微粉末を付着
させて該静電潜像を現像し、必要に応じて紙の如き転写
材にトナー画像を転写した後、熱、圧力、加熱加圧ある
いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得るものである。
【0003】該静電潜像を現像する工程は、潜像とは反
対の極性に帯電せしめたトナー粒子を静電引力により吸
引せしめて静電潜像上に付着させるものであるが(反転
現像の場合は、潜像の電荷と同極性の摩擦電荷を有する
トナーを使用)、一般にかかる静電潜像をトナーを用い
て現像する方法としては大別して少量のトナーとキャリ
アとを混合した二成分系現像剤を用いる方法と、キャリ
アを用いることなくトナー単独のいわゆる一成分系現像
剤を用いる方法とがある。
【0004】ところで、電子写真法は、文書複写として
は一応満足できるレベルに達しているものの、コンピュ
ータの発達やハイビジョンの発達等により、フルカラー
画像の出力画像に対しては、デジタル画像処理、現像時
に交番電界印加等の種々の手法により、高画質化及び高
品位化が図られている。さらに、今後も更なる高画質
化、高品位化が望まれる。
【0005】一般に静電荷像をトナーを用いて現像する
方法のうち、トナーをキャリアと混合した二成分系現像
剤が、高画質を要求されるフルカラー複写機又はプリン
タには好適に用いられている。
【0006】この現像方法においては、該キャリアは摩
擦帯電により適当量の正または負の帯電量をトナーに付
与し、また、該摩擦帯電の静電引力により、その表面に
トナーを担持する。
【0007】トナーとキャリアを有する現像剤は、磁石
を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規制部材により
所定の層厚にコートされ、磁気力を利用することによっ
て、静電荷像担持体(感光体)と該現像スリーブとの間
に形成される現像領域に搬送される。感光体と現像スリ
ーブとの間には,ある所定の現像バイアスが印加されて
おり,上記トナーは,該現像領域において,上記感光体
上に現像される。
【0008】一般にかかる二成分系現像剤を構成するキ
ャリアは、鉄粉に代表される導電性キャリアと、鉄粉、
ニッケル、フェライトの如き磁性粒子の表面を絶縁性樹
脂により被覆したいわゆる絶縁性キャリアに大別され
る。高画質化を図るために交番電界を印加する場合、キ
ャリアの抵抗が低いと潜像電位をキャリアがリークし、
良好な現像画像を得られなくなるため、キャリアとして
はある程度以上の抵抗が必要である。キャリアコアが導
電性の場合、キャリアコアをコートして用いるのが好ま
しい。また、抵抗がある程度高いフェライト、磁性体分
散型樹脂粒子等がコア材として好ましく用いられてい
る。
【0009】一般に、鉄粉は、高磁気力のため、現像剤
中のトナーが潜像を現像する現像領域において、現像剤
の磁気ブラシが硬くなるために、はき目を生じたり、ガ
サツキ等を生じるために高画質な現像画像を得ることが
困難である。そこで、キャリアの磁気力を低くして高画
質化を図るためにもフェライトや磁性体分散型樹脂キャ
リアが好ましく用いられている。
【0010】さらに、磁性体分散型樹脂キャリアの場
合、比重が鉄粉やフェライトよりも小さいため、単位体
積あたりの磁化の強さがより小さくなることに加え、ト
ナーに対するシェアも少ないので、高画質化に加えて高
現像剤耐久性が達成できる。よって、抵抗がある程度高
い磁性体分散型樹脂微粒子がキャリアとして好ましく用
いられている。
【0011】一方、上述したような従来の二成分現像方
式に用いられる現像剤担持体は、例えば金属、合金又は
金属化合物を円筒状に成型し、その表面を電解、ブラス
ト、ヤスリ等で所定の表面粗度になるようにして現像剤
担持体に凹凸を付与して、現像剤の搬送性を向上するた
めの処理を施したものが用いられている。そのうち、現
像剤担持体としてはアルミの材質を用いたスリーブが、
加工性及び安価なコストの点から好ましく用いられる。
しかし、加工性の良い金属、合金又は金属化合物を使用
した場合、ブラスト時にスリーブが変形し易く、画像ム
ラが生じやすくなる。更に多数枚複写した場合に、現像
剤を前記現像剤層厚規制部材で現像スリーブ上に所定の
層厚にコートする際、現像剤との摺擦によりスリーブ表
面の凹凸の凸部が摩耗すると共に、トナーの微粉や外添
剤が静電気的・熱的に徐々にスリーブ表面上へ付着し
て、特に表面の凹部への汚染が発生しだすため、現像ス
リーブの表面粗さが実質上小さくなり、現像剤の搬送性
が低下してしまう。
【0012】また、耐摩耗性に優れているステンレス鋼
からなる材料を用いて表面に凹凸を付与したスリーブで
も、多数枚複写によるトナーの微粉や外添剤によるスリ
ーブ表面への汚染は、現像剤の搬送性の低下を十分に満
足できる状態にまで軽減できていない。
【0013】このように所望の現像スリーブ上の現像剤
の単位面積当たりの質量(以下M/Sと称す)を、安定
に現像スリーブ上にコートすることは、従来の現像スリ
ーブでは困難であった。
【0014】しかし、現像スリーブ上のM/Sの量は、
画像濃度等の画像品質に密接に関係しており、所望のM
/Sを長期にわたり安定に得ることが高品質な画質を長
く維持するために重要になっている。
【0015】そして近年、更なる転写性の向上および画
質の向上を目的として、トナーの形状をほぼ球形化した
ものが開発されている。このトナーはその形状因子によ
り、感光ドラムとの離型性が良く、その結果高い転写効
率が得られ、特に高濃度の大面積画像が高品位となる。
一方、このトナーを用いて二成分現像を行うと、トナー
の形状が球形に近いためにスリーブと現像剤との摩擦係
数μが低くなってしまい、従来の現像スリーブでは現像
剤の搬送性が不十分である。更に球形トナーはトナーの
外添剤が遊離しやすくなるので、遊離した外添剤や外添
剤の付着が少ないトナー粒子がスリーブ表面に汚染しや
すくなり、従来の現像スリーブではより一層、現像スリ
ーブ上のM/Sを安定にコートすることが困難になって
きている。
【0016】上記のようなトナーによる現像スリーブの
汚染は、前記した磁性微粒子分散型樹脂キャリアをもち
いると、キャリアの低比重化、キャリア粒子形状に歪み
が少ない球状化が容易であるので、現像剤を前記現像剤
層規制部材で現像スリーブ上に所定の層厚にする際に現
像剤及び現像剤担持体にかかる負荷が軽減し、スリーブ
表面のトナー汚染や摩耗はある程度軽減されるものの、
現像剤の搬送性の低下を十分に満足できる状態にまで軽
減できておらず、更なる改良が望まれている。
【0017】一方、現像剤担持体としては、現像剤の静
電気的な強固な付着から発生するトナー汚染を防止する
ため、摩擦帯電可能な樹脂中にカーボンブラック、グラ
ファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹
脂被覆層を上記現像剤担持体基体上に形成する方法が、
特開平01−277265号公報等に開示されている。
【0018】しかしながら、上記の様に、カーボンブラ
ックやグラファイトを添加した樹脂被覆層を設けたスリ
ーブを二成分現像装置に用いた場合、トナーによるスリ
ーブ表面の汚染は軽減されるものの、現像スリーブ上の
樹脂被覆層の耐磨耗性が不十分であるため多数枚画出し
において樹脂被覆層表面の摩耗による表面粗さの低下が
発生しやすく、現像スリーブ上のM/Sを安定にコート
し難くなっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分系現像
剤を用いた現像装置において、現像剤担持体表面の凹凸
が多数枚の画出しにおいても変化しにくく、且つトナー
汚染も発生しにくくすることで、現像剤担持体上のM/
Sを安定にコートする現像装置、該現像装置に用いる現
像剤担持体及び該現像装置を用いた画像形成装置を提供
することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は、以
下の本発明の構成によって達成される。
【0021】即ち、本発明は、磁性キャリアと非磁性ト
ナーからなる二成分系現像剤を収容している現像剤容
器、及び該現像剤容器に収容されている二成分系現像剤
の薄層を表面に形成して担持し、且つ現像領域へと二成
分系現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像
装置において、該現像剤担持体は、少なくとも基体およ
び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被
覆層は少なくとも被覆樹脂および該被覆樹脂中に分散さ
れたモース硬度6以上の高硬度粒状物を含有しているこ
とを特徴とする現像装置に関する。
【0022】また、本発明は、磁性キャリアと非磁性ト
ナーからなる二成分系現像剤を収容している現像剤容
器、及び該現像剤容器に収容されている二成分系現像剤
の薄層を表面に形成して担持し、且つ現像領域へと二成
分系現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像
装置に用いられる現像剤担持体において、該現像剤担持
体は、少なくとも基体および該基体表面に形成された樹
脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくとも被覆樹脂お
よび該被覆樹脂中に分散されたモース硬度6以上の高硬
度粒状物を含有していることを特徴とする現像剤担持体
に関する。
【0023】さらに、本発明は、(i)静電荷潜像を保
持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜
像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成
するための現像装置を少なくとも有する画像形成装置に
おいて、該現像装置は、磁性キャリアと非磁性トナーか
らなる二成分系現像剤を収容する現像剤容器、及び該現
像容器に収容されている二成分系現像剤の薄層を担持
し、且つ二成分系現像剤を現像領域へ搬送するための現
像剤担持体を有しており、該現像剤担持体は、少なくと
も基体および該基体表面に形成された樹脂被覆層を有
し、該樹脂被覆層は少なくとも被覆樹脂および該被覆樹
脂中に分散されたモース硬度6以上の高硬度粒状物を含
有していることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0024】本発明者らは、前記の課題について鋭意検
討を行った結果、磁性キャリアと非磁性トナーからなる
二成分系現像剤を用いた現像装置において、現像剤担持
体表面の樹脂被覆層を、凹凸を付与するモース硬度6以
上の高硬度粒状物を被覆樹脂中に分散させた構成にする
ことにより、現像剤担持体表面の凹凸が多数枚の画出し
においても変化しにくく、且つトナー汚染も発生しにく
くなることで、従来の現像装置より、格段に現像剤担持
体上のM/Sを安定にコートする効果を見出したのであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。
【0026】まず、本発明の現像剤担持体を構成する基
体表面に被覆された樹脂被覆層に用いられる高硬度粒状
物について説明する。
【0027】高硬度粒状物のモース硬度とは、高硬度粒
状物を構成する物質のモース硬度を示す。また、モース
硬度とは滑石を1、ダイヤモンドを10とし、標準とな
る鉱物と試料を相互に引き合わせ、傷の付く方が軟らか
く、硬度が小であるとする定性的な方法により決められ
た値である。該現像剤担持体表面に被覆された樹脂被覆
層に用いられる高硬度粒状物は、それ自身の硬度が高い
ために、現像剤担持体上のキャリアやトナーに含まれる
磁性体や研磨剤等の外添剤、さらには現像剤層厚規制部
材などからの力を受けても削れが小さく、従って、粒子
自身の形状が変化しがたく、樹脂分等が削れたとして
も、またはその影響で粒子自身が脱落したとしても樹脂
層中から粒子が再度突出あるいは露出してくることもあ
り、表面形状の変化を小さくおさえることができる。
【0028】該モース硬度が6未満では、現像剤担持体
上の樹脂被覆層の凹凸の凸部が二成分現像剤により摩耗
しやすくなり、その結果、現像剤担持体上のM/Sが減
少することで画像濃度の低下を引き起こしてしまう。
【0029】このような高硬度の粒状物としては、例え
ば、酸化セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸
化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の酸化物;
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタンなどの窒化
物;炭化珪素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングス
テン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウムなどの炭化
物;ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン、ホウ化珪素、
ホウ化タングステン等のホウ化物等が挙げられ、これら
のうち1種、または必要に応じて2種以上を用いること
ができる。
【0030】本発明に使用される高硬度の粒状物として
は、個数平均粒径が0.3〜30μm、好ましくは2μ
m〜20μmである。
【0031】高硬度の粒状物の個数平均粒径が0.3μ
m未満では、樹脂被覆層表面に現像剤の搬送を十分に行
うための凹凸付与の形成しにくくなり、現像剤担持体上
のM/Sが不安定になると共に耐摩耗性及び耐トナー汚
染性も不十分となるため好ましくない。
【0032】個数平均粒径が30μmを超える場合に
は、樹脂被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎて、現像剤
にかかる摺擦力が強くなり、耐久時の現像剤の劣化及び
樹脂被覆層表面へのトナー汚染が発生しやすくなると共
に、樹脂被覆層の機械的強度も低下してしまうため好ま
しくない。
【0033】また、本発明で使用する高硬度の粒状物の
真比重は、3.5g/cm3以下、好ましくは3.0g
/cm3以下、より好ましくは1.0〜2.7g/cm3
であることが良い。即ち、高硬度の粒状物の真比重が
3.5g/cm3を超える場合には、樹脂被覆層中での
高硬度の粒状物の分散性が不十分となるため、被覆層表
面に均一な粗さを付与しにくくなり、被覆層の強度が不
十分となってしまい好ましくない。
【0034】また、本発明で使用する高硬度の粒状物
は、表面にカップリング処理を施されていることが、樹
脂被覆層の耐磨耗性を向上するために好ましい。特に、
真比重が3.0g/cm3以上の樹脂被覆層中への分散
性があまり良くない高硬度の粒状物にカップリング処理
を施して用いると、樹脂被覆層中への分散性が向上する
ので好ましい。
【0035】このようなカップリング剤としては、シラ
ン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ア
ルミニウム系カップリング剤などがあるが、以下に具体
例を示す。
【0036】シラン系カップリング剤としては、例えば
ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチ
ルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチル
ジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメ
チルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベ
ンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルク
ロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−
クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチル
クロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリ
メチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリ
レート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,
3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフ
ェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2か
ら12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位
にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有し
たジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0037】更には、窒素原子を有するアミノプロピル
トリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキ
シシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、
ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチル
アミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリ
ル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル
−γ−プロピルベンジルアミン等である。
【0038】これらのシランカップリング剤も単独ある
いは併用して使用される。
【0039】チタネート系カップリング剤としては、例
えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミ
ノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデ
シルホスファイト)チタネート、テトラ(2.2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピ
ルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピ
ルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどが
ある。これらの中でも直鎖系炭化水素からなる疎水基を
有するものが好ましい。
【0040】アルミニウム系カップリング剤としては、
例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
トを挙げることができる。
【0041】高硬度の粒状物における形状は、粒子の長
径/短径の比が2未満の球形に近い形状の粒子を使用す
ることが好ましい。
【0042】高硬度の粒状物の長径/短径の比が2を超
える場合には、樹脂被覆層中への高硬度の粒状物の分散
性が低下すると共に、被覆層表面粗さの不均一化が発生
しやすくなるため樹脂被覆層の耐摩耗性の点で好ましく
ない。
【0043】高硬度の粒状物は、体積抵抗値が106Ω
・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmで
あることが好ましい。高硬度の粒状物の体積抵抗値が1
6Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露
出した高硬度の粒状物を核として、トナー汚染を発生し
やすくなるため好ましくない。
【0044】本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆
層には、更に潤滑性粒子を併用して分散させると、より
本発明の効果が促進されるため好ましい。この潤滑性粒
子としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデ
ン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン
化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、ステ
アリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、中でもグ
ラファイト粒子が樹脂被覆層の導電性が損なわれないの
で特に好ましく用いられる。これらの潤滑性粒子は、個
数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好
ましくは1〜15μmのものを使用するのが良い。潤滑
性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤
滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が
20μmを超える場合には、樹脂被覆層表面の粗さが不
均一となり、樹脂被覆層の耐摩耗性の点で好ましくな
い。
【0045】本発明の樹脂被覆層には、トナーのチャー
ジアップによるトナー汚染を低減させるため、樹脂被覆
層とトナーとの帯電性を抑制する荷電制御剤が含有され
ていることが好ましい。
【0046】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルア
セトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられ
る。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モ
ノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無
水物、それらのエステル類、ビスフェノールの如きそれ
らのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル
酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;
4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;ケイ素化合
物;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタク
リル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重
合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられ
る。
【0047】本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆
層の結着樹脂材料としては、一般に公知の樹脂が使用可
能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
フェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹
脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂;
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素
樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは
光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリ
コーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或
いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエ
ステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。
【0048】該現像剤担持体表面に形成された該樹脂被
覆層中の樹脂が、その構造中に、−NH2基、=NH
基、もしくは−NH−結合のいずれかを有し、更に荷電
制御剤として、鉄粉に対して正帯電性を有する第4級ア
ンモニウム塩化合物を樹脂中に含有させた場合、該樹脂
被覆層とトナーとの帯電性が抑制されて、トナー汚染の
防止効果が向上するため好ましい。
【0049】それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第
4級アンモニウム塩化合物は、構造中に−NH2或いは
=NH、−NH−の少なくとも1つを含む樹脂中に均一
に分散され、更に、被覆層を形成する際に樹脂の構造中
に取り込まれ、上記化合物を有する結着樹脂組成物自身
が負帯電性を持つようになるものと考えられる。そのた
め負帯電性トナーに対しては、トナーに負帯電量が過剰
となることを妨げる方向に働き、結果として負帯電量を
適宜にコントロールすることが可能となる。
【0050】本発明において好適に使用される、上記し
た機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、
鉄粉に対して正帯電性を有するものであればいずれのも
のでもよいが、例えば、下記一般式で表される化合物が
挙げられる。
【0051】
【化1】 (式中のR1、R2、R3、R4は、夫々置換基を有しても
よいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ア
ルアルキル基を表わし、R1〜R4は夫々同一でも或いは
異なってもよい。X-は、酸の陰イオンを表わす。)
【0052】前述の一般式(1)において、X-の酸イ
オンの具体例としては、有機硫酸イオン、有機スルホン
酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タ
ングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステ
ン原子を含むヘテロポリ酸等が好ましく用いられる。
【0053】本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄
粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物
としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる
が、勿論、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】また、本発明者らが鋭意検討を重ねた結
果、本発明において使用する、構造中に−NH2或いは
=NH、−NH−の少なくとも1つを含む樹脂として、
その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて
製造されたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミ
ドを硬化剤として用いたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
或いはこれらの樹脂を一部に含んだ共重合体等が挙げら
れる。これら結着樹脂との混合物の成膜時に第4級アン
モニウム塩化合物が結着樹脂の構造中に容易に取り込ま
れる。
【0057】本発明で好適に使用し得る、前記フェノー
ル樹脂としては、製造工程において触媒として用いられ
る含窒素化合物としては、例えば、酸性触媒としては、
硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、スルファミド
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、マレイン酸アンモニウムといったアンモニウム塩又
はアミン塩類が挙げられる。塩基性触媒としては、アン
モニア、或は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブ
チルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエ
チルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N
−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、
N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、
エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールア
ミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパ
ノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテト
ラミン等のアミノ化合物、ピリジン、α−ピコリン、β
−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6
−ルチジン等のピリジン及びその誘導体、キノリン化合
物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−
ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール
等のイミダゾール及びその誘導体等の含窒素複素環式化
合物等が挙げられる。
【0058】また、本発明において使用する結着樹脂を
構成する前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロ
ン6、66、610、11、12、9、13、Q2ナイ
ロン等、或いはこれらを主成分とするナイロンの共重合
体等、或はN−アルキル変性ナイロン、N−アルコキシ
ルアルキル変性ナイロン等、いずれも好適に用いること
ができる。更にはポリアミド変性フェノール樹脂のよう
にポリアミドにて変性された各種樹脂、或いは、硬化剤
としてポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹脂、といった
ように、ポリアミド樹脂分を含有している樹脂であれ
ば、いずれも好適に用いることができる。
【0059】また、本発明において使用する結着樹脂を
構成する前記ウレタン樹脂としてはウレタン結合を含ん
だ樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。
このウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールと
の重合付加反応によって得られる。このポリウレタン樹
脂の主原料となるポリイソシアネートとしては、TDI
(トリレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェ
ニルメタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI
(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)、T
ODI(トリジンジイソシアネート)、NDI(ナフタ
リンジイソシアネート)等の芳香族系ポリイソシアネー
ト;HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、I
PDI(イソホロンジイソシアネート)、XDI(キシ
リレンジイソシアネート)、水添XDI(水添キシリレ
ンジイソシアネート)、水添MDI(ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート)等の脂肪族系ポリイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0060】またこのポリウレタン樹脂の主原料となる
ポリオールとしては、PPG(ポリオキシプロピレング
リコール)、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレン
グリコール(PTMG)等のポリエーテル系ポリオー
ル;アジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネー
トポリオール等のポリエステル系ポリオール;PHDポ
リオール、ポリエーテルエステルポリオール等のポリエ
ーテル系の変性ポリオール;その他、エポキシ変性ポリ
オール;エチレン―酢酸ビニル共重合物の部分ケン化ポ
リオール(ケン化EVA);難燃ポリオール等が挙げら
れる。
【0061】本発明において、現像剤担持体の樹脂被覆
層の体積抵抗は、104Ω・cm以下、より好ましくは
103〜10-2Ω・cmであることがよい。被覆層の体
積抵抗が104Ω・cmを超える場合には、トナーのチ
ャージアップが発生し易くなり、樹脂被覆層へのトナー
汚染を引き起こし易い。
【0062】本発明においては、樹脂被覆層の体積抵抗
を調整するため、樹脂被覆層中に上記の高硬度の粒状物
と併用して、他の導電性微粒子を分散含有させてもよ
い。
【0063】この導電性微粒子としては、個数平均粒径
が、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜
0.8μmのものがよい。この樹脂被覆層中に高硬度の
粒状物と併用して分散含有させる導電性微粒子の個数平
均粒径が1μmを超え場合には、導電性被覆層の体積抵
抗を低く制御しづらくなり、トナーのチャージ・アップ
現象によるトナー汚染が発生しやすくなる。
【0064】本発明で使用することのできる導電性微粒
子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャン
ネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化
スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化
アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物等;アル
ミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、
金属繊維、炭素繊維等の無機系充填剤等が挙げられる。
【0065】次に本発明の現像剤担持体の構成について
説明する。
【0066】本発明の現像剤担持体は、主として基体で
ある金属円筒管及びそれを取り巻いて被覆する樹脂層と
から構成される。金属円筒管は主として、ステンレスス
チール及びアルミニウムが好適に用いられる。
【0067】樹脂被覆層を構成する各成分の構成比につ
いて説明するが、これは本発明において特に好ましい範
囲である。
【0068】樹脂被覆層中に分散されている高硬度の粒
状物の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して
好ましくは2〜120質量部、より好ましくは2〜80
質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。高硬度の粒
状物の含有量が2質量部未満の場合には高硬度の粒状物
の添加効果が小さく、120質量部を超える場合には樹
脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐磨耗性が悪化して
しまう場合がある。
【0069】樹脂被覆層中に潤滑性粒子を併用して含有
させる場合には、潤滑性粒子の含有量は、被覆樹脂10
0質量部に対して好ましくは5〜120質量部、より好
ましくは10〜100質量部の範囲で特に好ましい結果
を与える。潤滑性粒子の含有量が120質量部を超える
場合には、被膜強度の低下が認められ、5質量部未満で
は7μm以下の小粒径トナーを用いて長期間使用した場
合など、樹脂被覆層表面にトナーの汚染が発生しやすく
なる傾向がある。
【0070】前記した、樹脂被覆層中に導電性微粒子を
併用して分散含有させる場合の1μm以下の導電性微粒
子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して、
好ましくは40質量部以下、より好ましくは2〜35質
量部の範囲で使用すると特に好ましい結果が得られる。
【0071】即ち、導電性微粒子の含有量が40質量部
を超える場合には、被膜強度の低下が認められ好ましく
ない。
【0072】樹脂被覆層中に荷電制御剤を併用して含有
させる場合には、荷電制御剤の含有量は、被覆樹脂10
0質量部に対して1〜100質量部とすることが好まし
い。1質量部未満では添加による帯電制御性の効果が見
られず、100質量部を超えると被覆樹脂中への分散不
良となり被膜強度の低下を招き易い。
【0073】本発明において、樹脂被覆層表面の粗度と
しては、中心線平均粗さ(以下、「Ra」と称す。)
が、好ましくは0.3〜3.5μmの範囲内であり、よ
り好ましくは0.5〜3.0μmの範囲内であることが
良い。樹脂被覆層表面のRaが0.3μm未満の場合に
は、樹脂被覆層表面に現像剤の搬送を十分に行うための
凹凸付与の形成がしにくくなり、現像剤担持体上のM/
Sが不安定になると共に耐摩耗性及び耐トナー汚染性も
不十分となる場合があるため好ましくない。樹脂被覆層
表面のRaが3.5μmを超える場合には、現像剤にか
かる摺擦力が強くなり、耐久時の現像剤の劣化及び樹脂
被覆層表面へのトナー汚染が発生しやすくなると共に、
樹脂被覆層の機械的強度も低下してしまうため好ましく
ない。
【0074】上記したような構成の樹脂被覆層の層厚
は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm
以下、更に好ましくは4〜20μmであると均一な膜厚
を得るために好ましいが、特にこの層厚に限定されるも
のではない。
【0075】次に、添付図面を参照しながら、上記した
ような本発明の現像装置、現像装置に組み込まれた現像
剤担持体及び画像形成装置について説明する。
【0076】図1において、マグネットローラ21の有
する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子
23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを静
電荷像担持体(感光ドラム)1の表面に接触させ、感光
ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示され
ないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されて
いる。帯電された感光ドラム1に、図示されない露光装
置によりレーザー光24を照射することにより、デジタ
ルな静電荷像を形成する。感光ドラム1上に形成された
静電荷像は、マグネットローラ12を内包しており、図
示されないバイアス印加装置によって現像バイアスを印
加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19
中のトナー19aによって、現像される。
【0077】本発明の現像装置で用いられる現像スリー
ブ11は、図8に示すように基体としてのアルミニウム
や非磁性ステンレス鋼等の非磁性材料の円筒管11b上
に被覆された樹脂被覆層11aを有する。
【0078】現像装置4は、隔壁17により現像剤室R
1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリ
ュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方に
は、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設
置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられて
いる。現像剤搬送スクリュー13は回転することによっ
て、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリー
ブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17
には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられてお
り、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に搬送
された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って
撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に
受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー
13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から
受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給され
たトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆
方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を
通って現像剤室R1に送り込む。
【0079】感光ドラム1上に形成された静電荷像を現
像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネット
ローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ1
1の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持され
た現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブ
レード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層
に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが
対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像
領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置さ
れており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、
この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現
像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感
光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに
付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付
着しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域
に転移して付着し、静電荷像が現像されトナー像が形成
される。
【0080】現像領域を通過した現像剤は、現像スリー
ブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S
1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ
取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回
収される。
【0081】上記の現像により現像装置4内の現像剤1
9のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現
像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3か
らトナー18を現像で消費された量に見あった量で撹拌
室R2に補給し、現像剤19のT/Cが所定量に保たれ
る。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、
コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変
化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該ト
ナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に
有している。
【0082】現像スリーブ11の下方に配置され、現像
スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレ
ード15は、アルミニウム又はSUS316の如き非磁
性材料で作製される非磁性ブレード15である。その端
部と現像スリーブ11面との距離は300〜1000μ
m、好ましくは400〜900μmである。この距離が
300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰ま
り現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行
うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの
多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在してい
る不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづま
り)を防止するためにはこの距離は400μm以上が好
ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ11上
へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制
が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付
着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15に
よる現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリや
すくなる。
【0083】この磁性キャリア粒子層は、現像スリーブ
11が矢印方向に回転駆動されても磁気力,重力に基づ
く拘束力と現像スリーブ11の移動方向への搬送力との
釣合いによってスリーブ表面から離れるに従って動きが
遅くなる。重力の影響により落下するものもある。
【0084】従って、磁極NとNの配設位置と磁性キャ
リア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択することによ
り、磁性キャリア粒子層はスリーブに近いほど磁極N1
方向に搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子
の移動により、現像スリーブ11の回転に伴って現像領
域へ現像剤は搬送され現像に供される。
【0085】また、現像されたトナー画像は、搬送され
てくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段2
6により転写バイアス印加されている転写手段である転
写ブレード27により転写され、転写材上に転写された
トナー画像は、図示されていない定着装置により転写材
に定着される。転写工程において、転写材に転写されず
に感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程に
おいて、帯電を調整され、現像時に回収される。
【0086】図3は、本発明の画像形成方法をフルカラ
ー画像形成装置に適用した概略図を示す。
【0087】フルカラー画像形成装置本体には、第1画
像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3
画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが
併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転
写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0088】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に
挙げて説明する。
【0089】第1の画像形成ユニットPaは、静電荷像
担持体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム6
1aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ
回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器
であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁
気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配
置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面
が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電荷像
を形成するためのレーザー光であり、図示されていない
露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム6
1a上に担持されている静電荷像を現像してカラートナ
ー画像を形成するための現像手段としての現像装置であ
り、カラートナーを保持している。64aは、感光体ド
ラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベル
ト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材
(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転
写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材
担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得る
ものである。
【0090】第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電
器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電
した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成
し、現像装置63aで静電荷像をカラートナーを用いて
現像し、この現像されたトナー画像を、第1の転写部
(感光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送する
ベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブ
レード64aから転写バイアスを印加することによっ
て、転写材の表面に転写する。
【0091】現像によりトナーが消費され、T/C比が
低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用
して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知セ
ンサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給
用トナー65を補給する。なお、トナー濃度検知センサ
ー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0092】本画像形成装置は、第1の画像形成ユニッ
トPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラート
ナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の
画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの
4つの画像形成ユニットを併設するものである。例え
ば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第
2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画
像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形
成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画
像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上へ
の転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーシ
ョンを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動
で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯
電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離
され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に
送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像
が得られる。
【0093】定着器70は、一対の直径40mmの定着
ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定
着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有して
いる。
【0094】転写材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ロー
ラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の
作用により転写材上に定着される。
【0095】図3において、転写材担持体68は、無端
のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆
動ローラによって矢印e方向に移動するものである。7
9は転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト
従動ローラであり、82はベルト除電器である。83
は、転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬
送するための一対のレジストローラである。
【0096】転写手段としては、転写材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ロー
ラの如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアス
を直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0097】さらに、上記の接触転写手段に代えて一般
的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配
置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して
転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0098】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
が、より好ましい。
【0099】次に、図4を参照しながら本発明の他の画
像形成装置の一例を説明する。
【0100】図4は、本発明の画像形成方法を実施可能
な画像形成装置の例を示す概略構成図である。この画像
形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フル
カラー複写機は、図4に示すように、上部にデジタルカ
ラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリ
ンタ部36を有する。
【0101】画像リーダ部において、原稿30を原稿台
ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査す
ることにより、原稿30からの反射光像をレンズ33に
よりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像
信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示
せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理
を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0102】画像プリンタ部において、静電荷像担持体
である感光ドラム1は、例えば有機光導電体のような感
光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感
光ドラム1の回りには、前露光ランプ37、一次帯電部
材としてのコロナ帯電器2、潜像形成手段としてのレー
ザ露光光学系3、電位センサ38、色の異なる4個の現
像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段3
9、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されて
いる。
【0103】レーザ露光光学系3において、リーダ部か
らの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメー
ジスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ
光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよび
ミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影され
る。
【0104】プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1
を矢印方向に回転させ、前露光ランプ37で除電した後
に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電さ
せて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上
に潜像を形成する。
【0105】次に、所定の現像器を動作させて感光ドラ
ム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体と
した負帯電性トナーによる可視像、すなわち、トナー像
を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞ
れの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作に
より、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近し
て、現像を行う。
【0106】転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電
器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cお
よびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器
5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。
転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の
開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体であ
る転写シート5fが、円筒状に一体的に調節されてい
る。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなど
が使用される。記録材は、記録材カセット7a、7bま
たは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送
され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム
5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にとも
ない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送さ
れ、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用に
より、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写され
る。
【0107】上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)に
ついて繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のト
ナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
【0108】片面の画像形成の場合は、このようにして
4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分
離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、
転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。
この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定
着ローラ9aと加圧ローラ9bによって構成されてい
る。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ9aと加圧ロ
ーラ9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材
上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着され
る。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色
および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像
とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー
複写が終了する。他方、感光ドラム1は、表面の残留ト
ナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再
度、画像形成工程に供せられる。
【0109】本発明の画像形成方法においては、潜像担
持体に形成された静電荷像を現像したトナー像を中間転
写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0110】すなわち、この画像形成方法は、静電荷像
担持体に形成された静電荷像を現像することによって形
成したトナー像を中間転写体に転写する工程、及び中間
転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を
有するものである。
【0111】図5を参照しながら、中間転写体を用いた
画像形成方法の一例を具体的に説明する。
【0112】図5に示す装置システムにおいて、シアン
現像器54−1、マゼンタ現像器54−2、イエロー現
像器54−3、ブラック現像器54−4に、それぞれシ
アントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有
するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー
現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導
入されている。レーザー光の如き潜像形成手段53によ
って潜像保持体としての感光体51上に静電潜像が形成
される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又
は磁性ジャンピング現像方式の如き現像方式によって、
感光体51に形成された静電荷像をこれらの現像剤によ
って現像し、各色トナー像が感光体51に形成される。
感光体51は導電性基体51b及び導電性基体51b上
に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸
化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコンの如き光
導電絶縁物質層51aを持つ感光ドラムもしくは感光ベ
ルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって
矢印方向に回転する。感光体51としては、アモルファ
スシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好
ましく用いられる。
【0113】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分
とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上
に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている
構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0114】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニン
グ性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融
着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0115】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光
体51とは非接触タイプの方式と、ローラの如き接触帯
電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのもの
も用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾ
ン発生化のために図5に示す如く接触方式のものが好ま
しく用いられる。
【0116】一次帯電部材としての帯電ローラ52は、
中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層5
2aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52
は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体5
1の回転に伴い従動回転する。
【0117】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときに
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVであ
る。
【0118】この他の接触帯電部材としては、帯電ブレ
ードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になった
り、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0119】接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリ
ル樹脂が適用可能である。
【0120】感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±
0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に
転写される。中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金
55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55
aからなる。芯金55bは、プラスチックの表面に導電
層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
【0121】中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴ
ム、テフロン(登録商標)ゴム、クロロプレンゴム、ウ
レタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3
元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸
化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配
合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011
Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉
質の層である。
【0122】中間転写体55は、感光体51に対して並
行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設
してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向
に回転する。
【0123】感光体51の面に形成担持された第1色の
トナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転
写ニップ部を通過する過程で中間転写体55に対する印
加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によっ
て、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写され
ていく。
【0124】中間転写体55に転写されなかった感光体
51上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材5
8によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器
59に回収される。
【0125】中間転写体55に対して並行に軸受けさせ
て中間転写体55の下面部に接触させて転写手段が配設
され、転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルト
であり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向
に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触
するように配設されていても良く、またベルト等が中間
転写体55と転写手段57との間に接触するように配置
されても良い。
【0126】転写ローラの場合、中心の芯金57bとそ
の外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とす
るものである。
【0127】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0128】中間転写体及び転写ローラの硬度は、JI
S K−6301に準拠し測定される。本発明に用いら
れる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層
から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾
性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41
〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻
き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ロー
ラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成さ
れ、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0129】転写手段57は中間転写体55と等速度或
は周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転
写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、
転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイ
アスを転写バイアス手段から印加することによって、中
間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写
される。
【0130】転写材56に転写されなかった中間転写体
上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材6
0によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング
容器62に回収される。
【0131】転写材56に転写されたトナー像は、加熱
定着装置61により転写材56に定着される。
【0132】転写ローラの材質しては、帯電ローラと同
様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条
件としては、ローラの当接圧が2.94〜490N/m
(3〜500g/cm)(より好ましくは19.6〜2
94N/m)で、直流電圧=±0.2〜±10kVであ
る。当接圧力としての線圧が2.94N/m未満である
と、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすく
なるため好ましくない。
【0133】例えば転写ローラ57の導電性弾性層57
bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレン
ジエン三元重合体)の如き弾性材料に、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素の如き導電性付与剤
を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を106〜1
10Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発
泡肉質の層である。
【0134】トナーの重量平均粒径aと磁性キャリアの
個数平均粒径bとの比a/bは、0.1〜0.3である
ことが好ましい。0.1未満であるとトナーを良好に帯
電付与することができずらくなり、カブリや高湿環境下
でのトナー飛散が起こりやすくなる。また0.3を超え
ると、特に低湿下でのトナーの帯電量が高くなりすぎ、
画像濃度の低下やカブリを引き起こしやすくなる。
【0135】本発明に係るトナーは重量平均粒径が3.
0〜9.9μmであり、4.5〜8.9μmであること
が好ましい。また、個数平均粒径の1/2倍径以下の分
布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径の2倍
径以上の分布累積値が10体積%以下であることが反転
成分のない良好な帯電付与、潜像ドットの再現性等を向
上させるために好ましい。さらにトナーの摩擦帯電性を
良好にし、ドット再現性を高めるには個数平均粒径の1
/2倍径以下の分布累積値が15個数%以下であり、重
量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が5体積%以下で
あることがより好ましい。さらには個数平均粒径の1/
2倍径以下の分布累積値が10個数%以下であり、重量
平均粒径の2倍径以上の分布累積値が2体積%以下であ
ることがさらに好ましい。
【0136】トナーの重量平均粒径(D4)が9.9μ
mを超えると、静電荷像を現像するトナー粒子が大きく
なるために、磁性コートキャリアの磁気力を下げても静
電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転
写を行うとトナーが飛び散りやすくなる。また、重量平
均粒径が3μm未満のトナーは粉体としてのハンドリン
グ性が低下する。
【0137】また、個数平均粒径の1/2倍径以下の分
布累積値が20個数%を超えると、微粒トナー粒子への
トナー帯電付与が良好に行えず、トナーのトリボ分布が
広くなり、帯電不良(反転成分生成)や現像したトナー
の粒径偏在化により耐久での粒径変化という問題を生じ
やすい。また、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値
が10体積%を超えると、磁性樹脂キャリアとの摩擦帯
電が良好に行えなくなるのに加え、静電荷像を忠実に再
現しにくくなる。トナーの粒度分布の測定には、例えば
コールターカウンターを使用する方法を挙げることがで
きる。
【0138】本発明に用いられるトナーは、粉砕トナー
製法及び重合トナー製法を用いて製造することが可能で
ある。
【0139】トナーに使用される結着樹脂としては、下
記の結着樹脂の使用が可能である。
【0140】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹
脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹
脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル
樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エ
ポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テ
ルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用
できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合
体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。また、架橋
されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0141】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二
重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例
えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン
系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトンのようなビニルケトン類;例えば、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルのようなビニルエーテル類;の如きビニ
ル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0142】本発明において、トナーの結着樹脂のTH
F可溶分の数平均分子量は3,000〜100万(より
好ましくは、6,000〜20万)がよい。
【0143】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂
と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
【0144】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの
ような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重
結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルホンの如きジビニル化合物;および3個以上のビニ
ル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしく
は混合物として用いられる。
【0145】架橋剤の添加量としては、重合性単量体1
00質量部に対して0.001〜10質量部が好まし
い。
【0146】トナーは荷電制御剤を含有しても良い。荷
電制御剤は、トナーの樹脂成分100質量部に対して、
0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量
部、より好ましくは0.2〜4質量部使用するのが良
い。
【0147】本発明に用いられるトナーの着色剤は、黒
色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示す
イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色さ
れたものが利用される。
【0148】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168又は180が
好適に用いられる。
【0149】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221又は254が好適
に用いられる。
【0150】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利
用できる。
【0151】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤
は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナ
ー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量
は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用
いられる。
【0152】トナー粒子には、必要によりワックスを含
有させても良い。ワックスは、トナーの結着樹脂100
質量部に対して1乃至40の質量部、好ましくは2〜3
0質量部配合するのが良い。
【0153】結着樹脂、着色剤およびワックスを有する
混合物を溶融混練後、冷却し粉砕後分級してトナー粒子
を得る粉砕トナー製造においては、ワックスの添加量
は、結着樹脂100質量部に対し1〜10質量部、より
好ましくは2〜7質量部使用するのが好ましい。
【0154】重合性単量体と着色剤及びワックスを有す
る混合物を重合せしめることにより、直接的にトナー粒
子を得る重合トナー製法においては、ワックスの添加量
は、重合性単量体又は、重合性単量体の重合によって合
成された樹脂100質量部に対し2〜40質量部、より
好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは10〜2
0質量部使用するのが好ましい。
【0155】粉砕トナー製法に比べ重合トナー製法にお
いては、用いるワックスがバインダー樹脂より極性が低
いため、水系媒体中での重合方法ではトナー粒子内部に
多量のワックスを内包化させ易いため粉砕トナー製法と
比較し、多量のワックスを用いることが可能となり、定
着時のオフセット防止効果には、特に有効となる。
【0156】ワックスの配合量が下限より少ないとオフ
セット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合、耐
ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響
を与えやすく、ドラム融着、スリーブ融着を起こしやす
く、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナ
ーが生成する傾向にある。
【0157】本発明に用いることが可能なワックスとし
ては、例えばパラフィン系ワックス、ポリオレフィン系
ワックス、これらの変性物(例えば、酸化物やグラフト
処理物)、高級脂肪酸、およびその金属塩、アミドワッ
クス、及びエステル系ワックスなどが挙げられる。
【0158】その中でも、より高品位なフルカラーOH
P画像が得られる点でエステルワックスが特に好まし
い。
【0159】本発明に好ましく用いられるエステルワッ
クスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成
法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付
加反応に代表されるエステル基導入反応が用いられる。
【0160】本発明に用いられるワックスの特に好まし
い製造方法は、原料の多様性、反応の容易さから、下記
式(1)で示すカルボン酸化合物とアルコール化合物か
らの脱水縮合反応を利用する方法、又は、下記式(2)
で示すハロゲン化物とアルコール化合物からの反応が特
に好ましい。
【0161】
【化4】
【0162】式中、R1及びR2はアルキル基、アルケニ
ル基、アラル基及び芳香族基の如き有機基を示し、nは
1〜4の整数を示す。有機基は、炭素数が1〜50、好
ましくは2〜45、より好ましくは4〜30であること
が良く、さらに直鎖状があることが好ましい。
【0163】上記のエステル平衡反応を生成系に移行さ
せるため、大過剰のアルコールを用いるか、水との共沸
が可能な芳香族有機溶剤中にてDean−Stark水
分離器を用い反応を行う。酸ハロゲン化合物を用い芳香
族有機溶剤中にて副生する酸の受容物として塩基を添加
しポリエステルを合成する方法も利用できる。
【0164】本発明において、粉砕トナーの製造方法
は、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料又
は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤
を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機によ
り充分混合し;得られた混合物を加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練
し、樹脂成分を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔
料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ;得られた混練
物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ること
ができる。
【0165】さらに必要に応じてトナーと所望の添加剤
をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、
本発明に用いられるトナーを得ることができる。
【0166】重合トナーの製造法は、特公昭56−13
945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用
い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法
や、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53
856号公報,特開昭59−61842号公報に述べら
れている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法
や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機
溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法又は水溶性
極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソ
ープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次
極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒
子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナーを製造
することが可能である。
【0167】この中でも、重合性モノマー、着色剤及び
ワックスを少なくとも含むモノマー組成物を直接重合し
てトナー粒子を生成する方法が好ましい。
【0168】しかしながら、分散重合法においては、得
られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示すが、使
用する材料の選択が狭いことや有機溶剤の利用が廃溶剤
の処理や溶剤の引火性に関する観点から製造装置が複雑
で煩雑化しやすい。従って、重合性モノマー、着色剤及
びワックスを少なくとも含むモノマー組成物を水系媒体
中で直接重合してトナー粒子を生成する方法がより好ま
しい。しかしながら、ソープフリー重合に代表される乳
化重合法は、トナーの粒度分布が比較的揃うため有効で
あるが、使用した乳化剤や開始剤末端がトナー粒子表面
に存在した時に環境特性を悪化させやすい。
【0169】従って、本発明においては比較的容易に粒
度分布がシャープな微粒子トナーが得られる常圧下で
の、または、加圧下での懸濁重合法が特に好ましい。一
旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重
合開始剤を用い重合せしめる所謂シード重合方法も本発
明に好適に利用することができる。
【0170】本発明のトナー製造方法に直接重合方法を
用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具
体的にトナーを製造することが可能である。単量体中に
ワックス,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添
加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって
均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を
含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホ
モジナイザーの如き撹拌機により分散せしめる。好まし
くは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するよ
うに撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散
安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の
沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は
40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して
重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更
に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性
単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、
反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了
後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質
量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として
使用するのが好ましい。
【0171】重合法を用い直接トナーを得る時には、重
合性単量体としては、スチレン,o(m−,p−)−メ
チルスチレン,m(p−)−エチルスチレンの如きスチ
レン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)ア
クリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メ
タ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,
(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステ
アリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチ
ルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジ
エン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロ
ニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ま
しく用いられる。
【0172】極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如
き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレ
ン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロ
ニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含
ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不
飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水
物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系
単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が
挙げられる。より好ましいものとして、スチレンと(メ
タ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
【0173】重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又は
ジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシ
カーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ
クシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンの
如き過酸化物系開始剤;過酸化物を側鎖に有する高分子
開始剤;過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムの如き
過硫酸塩;過酸化水素などが使用される。これらは単独
で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0174】重合開始剤は、重合性単量体100質量部
に対して0.5〜20質量部の添加量が好ましい。
【0175】分子量をコントロールするために、公知の
架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、好ましい添加量
としては重合性単量体100質量部に対して0.001
〜15質量部である。
【0176】乳化重合,分散重合,懸濁重合,シード重
合,ヘテロ凝集法を用いる重合法によって、重合法トナ
ーを製造する際に用いられる分散媒には、適当な無機化
合物又は有機化合物の安定化剤を使用することが好まし
い。無機化合物の安定化剤としては、例えば、リン酸三
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウ
ム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられ
る。有機化合物の安定化剤としては、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシ
プロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びそ
の塩、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオ
キシド、ポリ(ハイドロオキシステアリン酸−g−メタ
クリル酸メチル−eu−メタクリル酸)共重合体やノニ
オン系或はイオン系界面活性剤が挙げられる。
【0177】乳化重合法及びヘテロ凝集法を用いる場合
には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、
両性イオン界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が使用
される。これらの安定剤は重合性単量体100質量部に
対して0.2〜30質量部を使用することが好ましい。
【0178】これら安定化剤の中で、無機化合物を用い
る場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい
粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成さ
せても良い。
【0179】これら安定化剤の微細な分散の為に、重合
性単量体100質量部に対して0.001〜0.1質量
部の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤は上
記分散安定化剤の安定化作用を促進する為のものであ
る。その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリ
ウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸
ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト
リウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0180】本発明において重合法トナーに用いられる
着色剤としては、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性
に注意を払う必要があり、前記着色剤を好ましくは表面
改質、たとえば重合阻害のない疎水化処理を施したほう
が良い。特に染料系やカーボンブラックは、重合阻害性
を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
染料系を表面処理する好ましい方法としては、これら染
料の存在下に重合性単量体をあらかじめ重合せしめる方
法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加す
る。また、カーボンブラックについては、上記染料と同
様の処理のほか、ポリオルガノシロキサンの如きカーボ
ンブラックの表面官能基と反応する物質で処理を行って
も良い。
【0181】次に、トナー粒子に外添される外添剤につ
いて説明する。
【0182】本発明に使用されるトナーにはシリカ、ア
ルミナ、酸化チタンの如き無機微粒子;ポリテトラフロ
ロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、シリコーンの如き有機微
粒子の微粉末が外添されていることが好適である。トナ
ーに対して上述した微粉末を外添することによって、ト
ナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に微粉末
が存在することになり、現像剤の流動性が向上され、さ
らに現像剤の寿命も向上する。上述した微粉末の平均粒
径は0.2μm以下であることが好ましい。平均粒径が
0.2μmを超えると流動性向上の効果が少なくなり、
現像時、転写時の不良等により画質を低下させてしまう
場合がある。これら微粉末の平均粒径の測定は後述す
る。
【0183】これらの微粉末の表面積としては、BET
法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以
上、特に5〜400m2/gの範囲のものが良好であ
る。微粉末の添加量は、トナー100質量部に対して
0.1〜20質量部で使用することが好適である。
【0184】また、該シリカは高湿下での帯電性を維持
するために、疎水化処理されることが好ましい。その疎
水化処理の例を下記に示す。
【0185】疎水化処理剤の一つとしてシリコーンオイ
ルが挙げられる。一般に次の式により示されるものが好
ましい。
【0186】
【化5】 〔式中、R1〜R10は、同一でも異なっていてもよく、
水素、水酸基、アルキル基、ハロゲン、フェニル基、置
換基を有するフェニル基、脂肪酸基、ポリオキシアルキ
レン基又はパーフルオロアルキル基を示し、m及びnは
整数を示す。〕
【0187】好ましいシリコーンオイルとしては、25
℃における粘度が5〜2000mm 2/sのものが好ま
しく用いられる。分子量が低すぎて低粘度のシリコーン
オイルは加熱処理により、揮発分が発生することがあり
好ましくなく、一方、分子量が高すぎて高粘度のシリコ
ーンオイルは表面処理操作がしにくくなる。シリコーン
オイルとしては、メチルシリコーンオイル、ジメチルシ
リコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ク
ロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シ
リコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオ
キシアルキル変性シリコーンオイルが好ましい。
【0188】上述のシリコーンオイルは、トナーの帯電
性を高めるため、トナー粒子と同極性の負帯電性のもの
を用いることが好ましい。
【0189】無機微粉体をシリコーンオイル処理する方
法としては、公知の技術が用いられる。例えば無機微粉
体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混
合機を用いて直接混合しても良いし、無機微粉体へシリ
コーンオイルを噴霧する方法によっても良い。あるいは
適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せし
めた後、無機微粉体と混合し、その後、溶剤を除去して
作製しても良い。
【0190】シリコーンオイルは、処理を施す無機微粉
体100質量部に対して1.5〜60質量部、好ましく
は3.5〜40質量部用いるのが良い。1.5乃至60
質量部であると、シリコーンオイルによる表面処理が均
一に行え、好適にフィルミング及び中抜けを防止でき、
高湿下での吸湿によるトナーの帯電性の低下を防止し、
耐久における画像濃度の低下を防止し得る。サーフ定着
を用いた場合は、定着飛び散りといった画像欠陥の発生
を防止し得る。トナーの流動性の低下を防止、カブリの
発生も防止し得る。また別の疎水化処理方法として、シ
ランカップリング剤で処理することも好ましい。
【0191】シランカップリング剤は、カップリング処
理を施す以前の無機微粉体100質量部に対して1〜4
0質量部、好ましくは2〜35質量部を用いるのが良
い。1乃至40質量部であると耐湿性が向上し凝集体が
発生しにくい。
【0192】本発明に用いられるシランカップリング剤
としては、下記一般式で示されるものが挙げられる。
【0193】RmSiYn 〔式中、Rはアルコキシ基又は塩素原子を示し、mは1
〜3の整数であり、Yは、炭化水素基(例えば、アルキ
ル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基が挙げ
られる)を示し、nは3〜1の整数である。〕
【0194】例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメ
チルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキ
サメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、
ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラ
ン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることができ
る。
【0195】上記無機微粉体のシランカップリング剤処
理は、無機微粉体を撹拌によりクラウド状としたものに
気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理、
又は、ケイ酸微粉体を溶媒中に分散させシランカップリ
ング剤を滴下反応させる湿式法の如き一般に知られた方
法で処理することができる。上述の疎水化処理は適宜併
用可能である。
【0196】各種トナー特性付与を目的とした添加剤
は、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐久性
の点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の粒径
であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕
微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平
均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤
としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
【0197】流動性付与剤としては、例えば酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化チタンの如き金属酸化物;
カーボンブラック;及びフッ化カーボンが挙げられる。
これらはそれぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好
ましい。
【0198】研磨剤としては、例えば、チタン酸ストロ
ンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム及び酸化クロムなどの如き金属酸化物;窒化ケ
イ素の如き窒化物;炭化ケイ素などの炭化物;及び硫酸
カルシウム,硫酸バリウム及び炭酸カルシウムの如き金
属塩が挙げられる。
【0199】滑剤としては、例えばフッ化ビニリデン及
びポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉
末;及びステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム
の如き脂肪酸金属塩が挙げられる。
【0200】荷電制御性粒子としては、例えば酸化錫、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及び酸化アルミニウ
ムの如き金属酸化物;及びカーボンブラックが挙げられ
る。
【0201】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは
0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0202】本発明の現像装置に用いるキャリアとして
は、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜
鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き酸性金
属、それらの合金、それらの酸化物及びフェライトが使
用できる。その製造方法として特別な制約はない。
【0203】更に、帯電調整等の目的で上記キャリア粒
子の表面を樹脂を有する被覆材で被覆することも好まし
い。その方法としては、樹脂を有する被覆材を溶剤中に
溶解もしくは懸濁せしめて塗布し、キャリアに付着せし
める方法又は単に粉体で混合する方法の如き従来公知の
方法がいずれも適用できるが、被覆層の安定のために
は、被覆材を溶剤中に溶解して塗布する方法の方が好ま
しい。
【0204】上記キャリアの表面への被覆材としては、
トナー材料により異なるが、例えば、アミノアクリレー
ト樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とスチレン
系樹脂との共重合体、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノク
ロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデ
ンが好適に使用されるが、必ずしもこれに制約されるも
のではない。これら化合物の被覆量は、キャリアの帯電
付与特定が満足する様に適宜決定すれば良いが、一般に
は総量でキャリアに対し、好ましくは0.1〜30質量
%、より好ましくは0.3〜20質量%であることが良
い。
【0205】本発明の現像装置に用いられるキャリアの
材質としては、98%以上のCu−Zn−Fe(組成比
〔5〜20〕:〔5〜20〕:〔30〜80〕)の組成
からなるフェライト粒子等が挙げられる。
【0206】更に、本発明の現像装置に用いられるキャ
リアの材質としては、結着樹脂中に磁性微粒子を分散さ
せた磁性微粒子分散型樹脂キャリアであることが、低比
重及び低磁化に制御しやすく、現像剤及び現像剤担持体
表面への負荷を低減でき、現像剤担持体上のM/Sを安
定に維持するため、より好ましく用いられる。
【0207】本発明で用いる磁性体分散型キャリアの構
成においてコア材に用いられる結着樹脂としては、ビニ
ル系モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられ
る。ここで言うビニル系モノマーとしては例えば、スチ
レン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノ
ニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデ
シルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチ
レン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレ
ン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、等のス
チレン誘導体と、エチレン、プロピレン、ブチレン、イ
ソブチレンなどのエチレン及び不飽和モノオレフィン
類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレフィン
類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化
ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;
メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェ
ニル、などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステ
ル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸、
マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、等の
ビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシ
ルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケト
ン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、
N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などが
挙げられ、これらの中から1種または2種以上使用して
重合させたものが用いられる。
【0208】また、ビニル系モノマーから重合して得ら
れる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニ
ル縮合系樹脂あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混
合物を用いることができる。
【0209】本発明で用いる磁性体分散型キヤリアを構
成する磁性体微粒子として、例えば鉄、コバルト、ニッ
ケルなどの強磁性金属、フェライト、マグネタイト、ヘ
マタイト等、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示
す元素を含む合金あるいは化合物などが挙げられる。
【0210】また、磁性体微粒子は一次平均粒子径が
2.0μm以下であることが望ましい。2.0μmより
大の場合、コア材の表面が緻密とならず、均一な被覆が
できない。更にまた、本発明にかかわる磁性体微粒子の
比抵抗は109Ω・cm以下であり、かつキャリア総量
に対する含有量は30質量%以上、好ましくは50質量
%以上であることが必要である。30質量%未満である
と感光体への付着が起こり、また、キャリアの抵抗コン
トロールも難しくなる。
【0211】本発明にもちいるキャリアの平均粒径は1
0〜60μmの範囲で好ましく用いることができる。1
0μmより小さいとキャリアが感光体へ付着し易くな
り、感光体に傷等が発生し、画像劣化の原因となる。ま
た、60μmを超えると、現像器内において現像剤担持
体及び現像剤にかかるシェアが大となり、現像剤担持体
上の樹脂被覆層の摩耗、トナー汚染、現像剤の劣化等を
引き起こす原因となる。更にまた、粒径が大きいと比表
面積的に小さくなるため、現像剤として構成する上で保
持できるトナー量が少なくなり、精細性を欠いた画像と
なってしまう。
【0212】また、本発明にもちいるキャリアの真比重
は1.5〜5.0の範囲が好適である。より好ましくは
1.5〜4.5である。真比重5.0を超えると、現像
器内において現像剤担持体上の樹脂被覆層の摩耗、トナ
ー汚染、現像剤の劣化等を引き起こす原因となり、好ま
しくない。真比重1.5未満では感光体へのキャリア付
着を抑制するに足る磁気力を得ることは現実的に無理で
ある。
【0213】本発明のキャリアの比抵抗は107〜10
15Ω・cmの範囲が適当である。
【0214】107Ω・cm未満では、バイアス電圧を
印加する現像方法では現像領域においてスリーブから感
光体表面へと電流がリークし、良好な画像が得られな
い。また、1015Ω・cmを超えると、低湿のごとき条
件下でチャージアップ現象を引き起こし、濃度ウス、転
写不良、カブリなどの画像劣化の原因となる。
【0215】本発明におけるキャリアの球形度(長軸/
短軸)は2以下が望ましい。上記球形度が2を超える
と、現像剤担持体表面及び現像剤にかかるシェアの軽減
効果と、現像剤としての流動性向上の効果が低減する傾
向があった。従って、本発明におけるキャリアによって
成し得ることの出来る現像剤担持体表面の樹脂被覆層と
現像剤の劣化防止と、現像特性の向上という効果が損な
われるために、上記球形度は2以下が望ましい。
【0216】本発明に用いる磁性体分散型キャリアにお
いて上記球形度2以下を達成する手段としては、コア材
を加熱し表面を熱溶融させ球形化する方法、或いは、機
械的に球形化する方法等がある。或いは、コア材の生成
方法を、コア材に用いられる結着樹脂のモノマー溶液中
に磁性体微粒子、重合開始剤、懸濁安定剤などを添加
し、分散せしめた後、造粒重合してコア材を得る通常の
懸濁重合法を用いれば、上記コア材に対する処理を施す
こと無く上記キャリアの球形度2以下を達成することが
出来る。
【0217】上述のキャリアとトナー粒子の混合比率
は、二成分系現像剤中のトナー濃度として2〜9質量
%、好ましくは3〜8質量%にすると良好な結果が得ら
れる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実
用不可となり、9質量%を超えるとカブリや機内飛散が
増加し、現像剤の耐用寿命が短くなる。
【0218】以下に各物性の測定方法を記載する。
【0219】(1)磁性キャリアの粒径 本発明の磁性キャリアの粒径は、光学顕微鏡(100〜
5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキ
ャリア粒子300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画
像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径を
もってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出
する。この条件で測定した個数基準の粒度分布より個数
平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を求め、
1/2倍径累積分布以下の累積値を計算する。
【0220】(2)磁性キャリアの磁気特性 磁性キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製の振動磁
場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定す
る。磁性コートキャリア粉体の磁気特性値は79.58
kA/m(1キロエルステッド)の外部磁場を作り、そ
のときの磁化の強さを求める。磁性キャリアは、体積約
0.07cm3の円筒状のプラスチック容器に十分密に
なるようにパッキングした状態に作製する。この状態で
磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の体
積を測定して、これをもって単位体積当たりの磁化の強
さを求める。
【0221】(3)磁性キャリアの比抵抗測定 磁性キャリアの比抵抗測定は図6に示す測定装置を用い
て行う。セルEに、磁性樹脂キャリア又はコアを充填
し、サンプル127として充填された磁性樹脂キャリア
又はコアに接するように電極121及び122を配し、
該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定す
ることにより比抵抗を求める。上記測定方法において
は、磁性キャリア又が粉末であるために充填率に変化が
生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり、注意を
要する。比抵抗の測定条件は、充填された磁性キャリア
又はコアと電極との接触面積S=約2.3cm2、厚み
d=約2mm、上部電極22の荷重1.76N(180
g)、印加電圧100Vとする。
【0222】(4)磁性微粒子及び非磁性無機化合物微
粒子の粒径 磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子の粒径の測定方
法について以下に記載する。微粒子の個数平均粒径は、
日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡H−800により
5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ラ
ンダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽
出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex
3により水平方向フェレ径をもって微粒子の粒径として
測定し、平均化処理して個数平均粒径を算出する。
【0223】微粒子の比抵抗測定はキャリア比抵抗の方
法に準ずる。図6のセルEに、微粒子を充填し、サンプ
ル127として充填された微粒子に接するように電極1
21及び122を配し、該電極間に電圧を印加し、その
とき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める。
微粒子の充填に際して電極が試料に対して均一に接触す
るように上部電極121を左右に回転させつつ充填を行
う。上記測定方法において比抵抗の測定条件は、充填さ
れた微粒子と電極との接触面積S=約2.3cm2、厚
みd=約2mm、上部電極122の荷重1.76N(1
80g)、印加電圧100Vとする。
【0224】(5)トナー粒径の測定 電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキル
ベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これ
に測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電
解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述し
たコールターカウンターマルチサイザーにより17μm
または100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパ
チャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒
度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個
数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求
め、さらに個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/
2倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累
積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分
布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を
計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
【0225】(6)現像剤担持体表面の中心線平均粗さ
(Ra)の測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製
サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方
向2点=6点について各々測定し、その平均値をとっ
た。
【0226】(7)高硬度の粒状物の体積抵抗の測定 粒状試料を40mmφのアルミリングに入れ、2500
Nで加圧成型し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレス
タIP(共に三菱油化製)にて4端子プローブを用いて
体積抵抗値を測定する。尚、測定環境は、20〜25
℃,50〜60%RHとする。
【0227】(8)現像剤担持体上の樹脂被覆層の体積
抵抗の測定 100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚
さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−8
2)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−
1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの
体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式
デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定
した。尚、測定環境は20〜25℃,50〜60RH%
とする。
【0228】(9)高硬度粒状物の真比重の測定 本発明で使用する高硬度粒状物の真比重は、乾式密度計
アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定し
た。
【0229】(10)高硬度粒状物及び潤滑性微粉末の
粒径測定 レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型
粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定
方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒として
は純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約
5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウ
ムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンク
ションを実行する。
【0230】次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴
を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸
濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を
行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液
を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55
%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行
い、個数分布から算術した個数平均粒径を求める。
【0231】(11)導電性微粒子の粒径測定 電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。
撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影
した後に6万倍となるように写真を拡大プリントする。
写真上で一次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を
測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプ
ルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
【0232】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳
細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するもの
ではない。尚、実施例及び比較例中の「%」及び「部」
とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0233】<実施例1>高硬度の粒状物として、個数
平均粒径10.5μmの炭化ホウ素からなる高硬度粒状
物A−1を用いた。高硬度粒状物A−1の物性を表1に
示す。
【0234】鉄粉との摩擦帯電量が正極性である4級ア
ンモニウム塩としては、下記式(1−1)を用いた。
【0235】
【化6】
【0236】 ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部 ・高硬度粒状物(A−1) 31.3部 ・4級アンモニウム塩(1−1) 31.3部 ・個数平均粒径3.4μmのグラファイト 28.1部 ・導電性カーボンブラック 3.1部 ・メタノール 250部 まず、上記材料のレゾール型フェノール樹脂溶液(メタ
ノール50%含有)をメタノールの一部で希釈する。導
電性カーボンブラック、個数平均径3.4μmのグラフ
ァイト及び上記4級アンモニウム塩(1−1)を添加
し、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用
いたサンドミルにて分散した。ここに、更に残りのメタ
ノール中に分散した上記高硬度粒状物(A−1)と4級
アンモニウム塩(1−1)を添加し、更にサンドミル分
散を進めて塗工液を得た。
【0237】この塗工液を用いてスプレー法により外径
20mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形
成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加
熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−1を作
製した。
【0238】この現像剤担持体B−1の樹脂被覆層の処
方と物性を表2に示す。表2中、「被覆層の組成比」欄
のCはカーボンブラック、GFはグラファイト、Bは樹
脂、Pは4級アンモニウム塩、Rは高硬度粒状物を示
す。
【0239】次に、市販のデジタル複写機(キヤノン
(株)社製、GP30F)を改造して、B−1の現像剤
担持体を図1に示す現像装置4に装着して7万枚の画出
し耐久評価テストを行った。
【0240】帯電部材としては、図9に示すように、磁
極N・Sが交互に複数形成されてなるマグネットロール
95を回転自由なスリーブ96に対して不動の状態で内
包し、非磁性の帯電スリーブ96表面に導電性の磁性粒
子97を担持する磁気ブラシ帯電器94を用い、感光体
(潜像担持体)としては、導電性のドラム基体91上に
感光層92及び電荷注入層93を積層した感光ドラム9
0を用い、クリーニングユニットを取り外した。
【0241】そして、上記磁気ブラシ帯電器を感光体に
対してカウンター方向に120%で回転させ、直流/交
流電界(−700V,1kHz/1.2kVpp)を重
畳印加し、感光体を帯電させ、現像コントラストを20
0V、カブリとの反転コントラストを−150Vに設定
し、現像スリーブに印加する現像バイアスは図2に示す
ブランクパルスを使用した。
【0242】加熱加圧定着装置における、加熱ローラと
してはPFA樹脂を層厚1.2μmに被覆したものを使
用し、加圧ローラとしてはPFA樹脂を層厚1.2μm
に被覆したものを使用した。加熱加圧定着装置からシリ
コーンオイル塗布手段を取りはずし、オイルレス定着を
おこなった。
【0243】画出し評価には、以下の非磁性のシアント
ナーと磁性キャリアをそれぞれトナー濃度8%で混合し
て、画像面積30%のオリジナル画像をデジタル処理
し、OPC感光ドラムにデジタル潜像を静電荷像として
形成し、負帯電性のトナーにより反転現像方法により静
電荷像を現像してシアントナー画像を形成した。
【0244】非磁性のシアントナーとしては次のものを
用いた。
【0245】イオン交換水710部に、0.1M−Na
3PO4水溶液450部を投入し、60℃に加温した後、
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、13
00rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2
水溶液68部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む
水系媒体を得た。
【0246】一方、 ・スチレン 160部 ・n−ブチルアクリレート 34部 ・銅フタロシアニン顔料 12部 ・ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物 2部 ・飽和ポリエステル 10部 (酸価11mgKOH/g、ピーク分子量8500) ・モノエステルワックス 30部 (Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点:69℃、粘度: 6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6) 上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊
機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、
重合性単量体組成物を調製した。
【0247】前記水系媒体中に重合性単量体組成物を投
入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミキサー
(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分
間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水
系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で昇温し、
pHを6に維持しながら10時間の重合反応を行った。
【0248】重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン
酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をし
て、重合粒子(トナー粒子)を得た。得られた重合粒子
(トナー粒子)の粒径をコールターカウンターで測定し
たところ、重量平均粒径7.1μmでシャープな粒度分
布を有していた。
【0249】更に、得られた重合粒子は、透過電子顕微
鏡(TEM)を用いた重合粒子の断層面測定法により、
ワックスを外殻樹脂層で内包化したコア−シェル構造が
確認された。
【0250】得られた重合粒子(トナー粒子)100部
に対して、下記外添剤3種の外添剤を外添し、外添後に
330メッシュの篩で粗粒を除去し、負帯電性のシアン
トナーを得た。 (1)第1の疎水性シリカ微粉体0.3部: BET比表面積200m2/g 個数平均粒径12nm シリカ微粉体100部に対してヘキサメチルジシラザン
20部で疎水化処理したもの。 (2)第2の疎水性シリカ微粉体0.8部: BET比表面積50m2/g 個数平均粒径30nm シリカ微粉体100部に対してヘキサメチルジシラザン
10部で疎水化処理したもの。 (3)疎水性酸化チタン微粉体0.4部: BET比表面積100m2/g 個数平均粒径45nm 酸化チタン微粉体100部に対してイソブチルトリメト
キシシラン10部で疎水化処理したもの。
【0251】磁性キャリアとしては次のものを用いた。
【0252】 ・フェノール(ヒドロキシベンゼン) 50部 ・37質量%のホルマリン水溶液 80部 ・水 50部 ・チタンカップリング剤で表面処理されたマグネタイト微粒子 385部 (個数平均粒径0.24μm,比抵抗値5×105Ω・cm) ・チタンカップリング剤で表面処理されたα−Fe23微粒子 15部 (個数平均粒径0.60μm,比抵抗値8×109Ω・cm) ・28質量%のアンモニア水 15部 上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら4
0分間で85℃まで昇温保持し、180分間反応、硬化
させた。その後30℃まで冷却し500部の水を添加し
た後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。
次いでこれを減圧下(5mmHg)60℃で24時間乾
燥して、メチレンユニットを有するフェノール樹脂を結
着樹脂とする磁性キャリアコアを得た。
【0253】得られた磁性キャリアコア(A)の表面に
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0254】
【化7】 の5質量%トルエン溶液を塗布した。
【0255】磁性キャリアコアの表面は、0.1質量%
のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されて
いた。塗布中は、磁性キャリアコアに剪断応力を連続し
て印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。磁
性キャリアコアの表面に
【0256】
【化8】 が存在しているのが確認された。
【0257】次に、一方の末端にエチレン性不飽和基を
有する重量平均分子量5,000のメチルメタクリレー
トマクロマー10部、2−(パーフルオロオクチル)−
エチルメタクリレート60部、メチルメタクリレート3
0部を、還流冷却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり
合わせ方式撹拌装置を配した4ツ口フラスコに添加し、
更にメチルエチルケトン100部、アゾビスイソバレロ
ニトリル2.0部を加え、窒素気流下70℃で10時間
保ちグラフト共重合体を得た。該グラフト共重合体のゲ
ルパーミエーションクロマトグラム(GPC)による重
量平均分子量は、70,000であり、分子量40,0
00にメインピークを持ち、更に、分子量4,000に
ショルダーを有していた。
【0258】該グラフト共重合体は、2−(パーフルオ
ロオクチル)−エチルメタクリレートとメチルメタクリ
レートとの共重合体にメチルメタクリレートマクロマー
がグラフト重合していた。
【0259】前記のγ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランで表面処理された磁性キャリアコアに、グラフト共
重合体の10質量%トルエンコート溶液を塗布した。こ
の磁性キャリアコアの表面は、0.7質量%のグラフト
共重合体で被覆されていた。磁性キャリアコアの表面を
コート溶液で塗布する際は、剪断力を連続的に印加しな
がら塗布しつつトルエンを揮発させた。
【0260】その後、温度140℃で2時間キュアし凝
集をほぐした後200メッシュのふるいで分級して磁性
樹脂キャリアを得た。得られた磁性樹脂キャリアの個数
平均粒径は38μmであり、比抵抗値は7.2×1013
Ω・cmであり、79.58kA/m(1キロエルステ
ッド)における磁化の強さ(σ1000)は63Am 2
/kg(emu/g)であり、残留磁化(σr)は2.
2Am2/kg(emu/g)であり、真比重は3.9
9であり、嵩密度は1.92g/cm3であった。
【0261】〔評価〕下記に挙げる評価項目について耐
久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価
を行った。表3に、現像剤担持体上のM/Sの耐久によ
る変動、画像濃度の耐久性、樹脂被覆層の耐久削れ、樹
脂被覆層の耐久によるトナー汚染の評価結果を示した。
耐久環境としては、常温常湿(温度23℃,湿度55%
RH)の環境下で行った。
【0262】(評価方法) (1)画像濃度 画像濃度は、SPIフィルターを装着した反射濃度計R
D918(マクベス社製)を使用して、普通紙に形成さ
れた画像の相対濃度として測定した。
【0263】(2)現像剤担持体表面の削れ(耐磨耗
性) 画出し前の現像剤担持体の外径をレーザー測長器にて測
定(10箇所の平均)しておき、耐久後の外径をレーザ
ー測長器にて測定し、(画出し前の外径)−(耐久後の
外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0264】(3)現像剤担持体表面のトナー汚染(耐
汚染性) 耐久後の現像剤担持体の表面をSEM観察にて下記評価
基準の下に評価した。 A:全く汚染が無い。 B:若干汚染があるものの実用上問題ないレベル。 C:現像剤担持体表面に汚染トナーが多く存在するが、
画像には影響をほとんど及ぼさないレベル。 D:汚染がかなり多く、画像に影響を与え、実用上問題
となるレベル。 E:汚染及び画像劣化が激しい。
【0265】(4)表面粗さ(Ra)の測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製
サーフコーダーSE−3300にて、測定長さ4mmで
軸方向3点×周方向2点=6点について各々測定し、そ
の平均値をとった。
【0266】(5)スリーブの現像剤搬送量(M/S) 現像スリーブ上に担持された現像剤を、金属円筒管と円
筒フィルターにより吸引捕集し、捕集された現像剤質量
Mと、現像剤を吸引した面積Sから、単位面積当たりの
現像剤質量M/S(mg/cm2)を計算し、現像剤搬
送量(M/S)とした。
【0267】結果を表3に示す。表3に示されるよう
に、良好な結果が得られた。
【0268】<実施例2>実施例1において、樹脂被覆
層中の高硬度粒状物としてA−1を31.3部用いるこ
とに替えて、高硬度粒状物A−2を46.9部用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−
2を作製し、実施例1と同様の評価を行った。この現像
剤担持体の被覆層の処方と物性を表2、評価結果を表3
に示す。
【0269】<実施例3>実施例1において、樹脂被覆
層中の高硬度粒状物としてA−1を31.3部用いるこ
とに替えて、高硬度粒状物A−3を15.6部用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−
3を作製し、実施例1と同様の評価を行った。この現像
剤担持体の被覆層の処方と物性を表2、評価結果を表3
に示す。
【0270】<実施例4〜10>実施例1において、樹
脂被覆層中の高硬度粒状物としてA−1を用いることに
替えて、高硬度粒状物A−4〜10を用いたことを除い
ては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−4〜10
を作製し、実施例1と同様の評価を行った。この現像剤
担持体の被覆層の処方と物性を表2、評価結果を表3に
示す。
【0271】<実施例11>実施例1において、樹脂被
覆層中の4級アンモニウム塩(1−1)を添加しなかっ
たことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体
B−11を作製し、実施例1と同様の評価を行った。こ
の現像剤担持体の被覆層の処方と物性を表2、評価結果
を表3に示す。
【0272】<実施例12>実施例1において、樹脂被
覆層中の結着樹脂としてアンモニアを触媒として製造さ
れたフェノール樹脂を用いることに替えて、水酸化ナト
リウムを触媒として製造されたフェノール樹脂を用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B
−12を作製し、実施例1と同様の評価を行った。この
現像剤担持体の被覆層の物性を表2、評価結果を表3に
示す。
【0273】<実施例13>実施例1において、樹脂被
覆層中の結着樹脂としてアンモニアを触媒として製造さ
れたフェノール樹脂を用いることに替えてポリアミド樹
脂を用い、更に4級アンモニウム塩(1−1)を4級ア
ンモニウム塩(1−2)に替えたことを除いては、実施
例1と同様にして現像剤担持体B−13を作製し、実施
例1と同様の評価を行った。この現像剤担持体の被覆層
の物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0274】<実施例14>実施例1において、樹脂被
覆層中の結着樹脂としてアンモニアを触媒として製造さ
れたフェノール樹脂を用いることに替えてポリウレタン
樹脂を用い、更に4級アンモニウム塩(1−1)を4級
アンモニウム塩(1−3)に替えたことを除いては、実
施例1と同様にして現像剤担持体B−14を作製し、実
施例1と同様の評価を行った。この現像剤担持体の被覆
層の物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0275】<比較例1>φ20mmのアルミスリーブ
表面を、サンドブラスト処理し、Ra=2.15μmの
表面粗さを得、これを現像剤担持体b−1とした。実施
例1と同様にして画出し評価を行った。この現像剤担持
体の物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0276】<比較例2>φ20mmのステンレス鋼表
面を、サンドブラスト処理し、Ra=1.52μmの表
面粗さを得、これを現像剤担持体b−2とした。実施例
1と同様にして画出し評価を行った。この現像剤担持体
の物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0277】<比較例3>実施例1において、樹脂被覆
層中の高硬度粒状物としてA−1を用いることに替え
て、粒状物a−1を用いたことを除いては、実施例1と
同様にして現像剤担持体b−3を作製し、実施例1と同
様の評価を行った。この現像剤担持体の被覆層の処方と
物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0278】<比較例4〜6>実施例11において、樹
脂被覆層中の高硬度粒状物としてA−1を用いることに
替えて、粒状物a−2〜4を用いたことを除いては、実
施例1と同様にして現像剤担持体b−4〜6を作製し、
実施例1と同様の評価を行った。この現像剤担持体の被
覆層の処方と物性を表2、評価結果を表3に示す。
【0279】<実施例15>高硬度の粒状物として、個
数平均粒径10.5μmの炭化ホウ素からなる高硬度粒
状物A−1を用いた。高硬度粒状物A−1の物性を表1
に示す。
【0280】鉄粉との摩擦帯電量が正極性である4級ア
ンモニウム塩としては、下記式(1−1)を用いた。
【0281】
【化9】
【0282】 ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部 ・高硬度粒状物(A−1) 25部 ・4級アンモニウム塩(1−1) 25部 ・個数平均粒径3.4μmのグラファイト 20部 ・導電性カーボンブラック 2.5部 ・メタノール 250部 まず、上記材料のレゾール型フェノール樹脂溶液(メタ
ノール50%含有)をメタノールの一部で希釈する。導
電性カーボンブラック、個数平均径3.4μmのグラフ
ァイト及び上記4級アンモニウム塩(1−1)を添加
し、直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用
いたサンドミルにて分散した。ここに、更に残りのメタ
ノール中に分散した上記高硬度粒状物(A−1)と4級
アンモニウム塩(1−1)を添加し、更にサンドミル分
散を進めて塗工液を得た。
【0283】この塗工液を用いてスプレー法により外径
24.5mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層
を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分
間加熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−1
5を作製した。
【0284】この現像剤担持体B−15の樹脂被覆層の
処方と物性を表2に示す。
【0285】次に、市販のカラー複写機CLC700
(キヤノン製)において、B−15の現像剤担持体を図
7に示した現像装置に装着して30万枚の画出し耐久評
価テストを行った。
【0286】図7に示した現像装置101には、磁性キ
ャリアと非磁性トナーからなる二成分系現像剤を収容し
た現像剤容器102が備えられている。現像スリーブ1
10には、5つの磁極、即ち、感光ドラム100に対向
配置された現像主極S1、および現像スリーブ110の
回転方向にN1、N2、S2、N3の各磁極を有する磁
界発生手段であるマグネチックローラ111が非回転に
設けられている。
【0287】上記磁極のうち、N1,N2極は第一室1
02a内に配置され、N2極は規制ブレード112に概
略対向するように配置されている。ここでは、N1が第
1の磁極であり、N2が第2の磁極である。
【0288】現像剤容器102の現像剤は、現像剤容器
102に設けられた現像剤搬送スクリュー104により
撹拌されながら奥側から手前側に搬送されるが、このと
き一部の現像剤がN2極によりくみ上げられる。ここ
で、N2極の最大磁束密度は600ガウス、磁束密度の
半値幅は30度である。
【0289】くみ上げられた現像剤は、規制ブレード1
12の磁性板112bとN2極との間で適切な層厚に規
制される。ここで、規制ブレード112が配置される位
置は、N2極の最大磁束密度対向位置から下流側に10
度の位置である。
【0290】層厚が規制された現像剤は、S2→N3極
と搬送され、現像部を通過した現像剤は、N1極(磁束
密度は400〜500ガウス)へと搬送され、N1極と
N2極の間の反発極間領域の現像スリーブ110上の垂
直方向の磁束密度Brが45ガウス、かつ水平方向の磁
束密度Bθが45ガウスの領域で、現像剤は現像スリー
ブ110から落下し、現像スリーブ下方に設けられたス
クリュー104に受け渡される。
【0291】このように、2つの同極の磁極N1,N2
のうち、現像スリーブ110の回転方向下流側に位置す
るN2極の対向位置近傍で現像剤を規制することによっ
て、現像スリーブ110上に塗布されずに余った現像剤
のうち、N2極で保持できない現像剤は速やかにスクリ
ュー104上へと落下するので、規制ブレード112の
現像スリーブ110の回転方向下流側の近傍に現像剤の
大きな溜りが発生することはない。
【0292】非磁性のシアントナーとしては次のものを
用いた。
【0293】 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部 ・フタロシアニン顔料 4部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸
押し出し式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルを用いて、約1〜2mm程度に粗粉砕し、得られた微
粉砕物を分級して重量平均粒径が7.3μmである負摩
擦帯電性のトナー粒子を得た。
【0294】上記トナー粒子100部と疎水化処理アル
ミナ微粒子0.8部とをヘンシェルミキサーで混合し、
シアントナーを得た。
【0295】磁性キャリアとしては次のものを用いた。
【0296】MnOを30mol%、MgOを20mo
l%、Fe23を44.5mol%湿式ボールミルで5
時間粉砕、混合し、乾燥させた後、850℃で1時間保
持し、仮焼成を行なった。これを湿式ボールミルで7時
間粉砕し、3μm以下とした。このスラリーに分散剤お
よびバインダーを適量添加し、次いでスプレードライヤ
ーにより造粒、乾操し、電気炉にて1200℃で4時間
保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、さらに分
級してフェライト粒子の芯材を得た。
【0297】このフェライト粒子を芯材とし、シリコー
ン系樹脂の固形分に対し、アミノシランカップリング剤
を20質量%混合し、トルエン溶剤に溶解させ、流動床
を用いてキャリア芯材に対し0.1質量%コーティング
し、さらに250℃で3時間焼付を行ない、上記樹脂に
よって被覆されたフェライトキャリアを得た。
【0298】得られた磁性キャリアの個数平均粒径は4
3μmであり、比抵抗値は3.2×109Ω・cmであ
り、79.58kA/m(1キロエルステッド)におけ
る磁化の強さ(σ1000)は69Am2/kg(em
u/g)であり、残留磁化(σr)は4.2Am2/k
g(emu/g)であり、真比重は4.8であり、嵩密
度は2.3g/cm3であった。
【0299】画出し評価には、前述のシアントナーとの
キャリアをそれぞれトナー濃度6%で混合して、現像剤
を作製し、カラー複写機CLC700(キヤノン製)に
おいて、図7に示した現像器を用い、画像面積25%の
オリジナル画像をデジタル処理し、OPC感光ドラムに
デジタル潜像を静電荷像として形成し、負帯電性のトナ
ーにより反転現像方法により静電荷像を現像してシアン
トナー画像を形成した。
【0300】尚、現像剤担持体の耐久劣化による搬送性
を、現像剤の劣化による搬送性低下と区別するため、現
像剤は10万枚毎に新しい現像剤に交換しながら、画だ
し耐久テストを行った。
【0301】〔評価〕下記に挙げる評価項目について耐
久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価
を行った。表4に、現像剤担持体上のM/Sの耐久によ
る変動、画像濃度の耐久性、樹脂被覆層の耐久削れ、樹
脂被覆層の耐久によるトナー汚染の評価結果を示した。
耐久環境としては、常温常湿(温度23℃,湿度55%
RH)の環境下で行った。
【0302】(評価方法) (1)画像濃度 画像濃度は、SPIフィルターを装着した反射濃度計R
D918(マクベス社製)を使用して、普通紙に形成さ
れた画像の相対濃度として測定した。
【0303】(2)現像剤担持体表面の削れ(耐磨耗
性) 画出し前の現像剤担持体の外径をレーザー測長器にて測
定(10箇所の平均)しておき、耐久後の外径をレーザ
ー測長器にて測定し、(画出し前の外径)−(耐久後の
外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0304】(3)現像剤担持体表面のトナー汚染(耐
汚染性) 耐久後の現像剤担持体の表面をSEM観察にて下記評価
基準の下に評価した。 A:全く汚染が無い。 B:若干汚染があるものの実用上問題ないレベル。 C:現像剤担持体表面に汚染トナーが多く存在するが、
画像には影響をほとんど及ぼさないレベル。 D:汚染がかなり多く、画像に影響を与え、実用上問題
となるレベル。 E:汚染及び画像劣化が激しい。
【0305】(4)表面粗さ(Ra)の測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製
サーフコーダーSE−3300にて、測定長さ4mmで
軸方向3点×周方向2点=6点について各々測定し、そ
の平均値をとった。
【0306】(5)スリーブの現像剤搬送量(M/S) 現像スリーブ上に担持された現像剤を、金属円筒管と円
筒フィルターにより吸引捕集し、捕集された現像剤重量
Mと、現像剤を吸引した面積Sから、単位面積当たりの
現像剤重量M/S(mg/cm2)を計算し、現像剤搬
送量(M/S)とした。
【0307】結果を表4に示す。表4に示されるよう
に、良好な結果が得られた。
【0308】<実施例16>実施例15において、樹脂
被覆層中の4級アンモニウム塩(1−1)を添加しなか
ったことを除いては、実施例15と同様にして現像剤担
持体B−15を作製し、実施例15と同様の評価を行っ
た。この現像剤担持体の被覆層の処方と物性を表2、評
価結果を表4に示す。
【0309】<比較例7>φ24.5mmのステンレス
鋼表面を、サンドブラスト処理し、Ra=1.52μm
の表面粗さを得、これを現像剤担持体b−7とした。実
施例15と同様にして画出し評価を行った。この現像剤
担持体の物性を表2、評価結果を表4に示す <比較例8>実施例15において、樹脂被覆層中の高硬
度粒状物としてA−1を用いることに替えて、粒状物a
−1を用いたことと、4級アンモニウム塩(1−1)を
添加しなかったことを除いては、実施例15と同様にし
て現像剤担持体b−8を作製し、実施例1と同様の評価
を行った。この現像剤担持体の被覆層の処方と物性を表
2、評価結果を表4に示す。
【0310】
【表1】
【0311】
【表2】
【0312】
【表3】
【0313】
【表4】
【0314】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来用いられていた磁性キャリアと非磁性トナーからな
る二成分系現像剤を用いた現像装置よりも、現像剤担持
体表面の凹凸が多数枚の画出しにおいても変化しにく
く、且つトナー汚染も発生しにくくなることで、格段に
現像剤担持体上のM/Sを安定にコートする効果を見出
したのである。
【0315】従って、本発明によれば、繰り返し複写又
は耐久による現像剤担持体表面の被覆層の磨耗及びトナ
ー汚染のごとき劣化が生じない高耐久な現像剤担持体を
用いた現像装置によって、画像濃度が安定して高く高品
位な画像を長期に渡り提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の好適な一例を表す模式
図である。
【図2】実施例1で用いた交番電界を示す図である。
【図3】フルカラー画像形成方法の例を示す概略説明図
である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施するための画像形
成装置の他の例を示す概略的説明図である。
【図5】本発明の画像形成方法を実施するための画像形
成装置の他の例を示す概略的説明図である。
【図6】体積抵抗値の測定に用いたセルの模式図であ
る。
【図7】現像装置の概略的説明図である。
【図8】現像剤担持体の層構成の概略的説明図である。
【図9】実施例1で用いた帯電器の概略的説明図であ
る。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体(感光ドラム) 4 現像装置 11 現像剤担持体(現像スリーブ) 11a 樹脂被覆層 11b 基体(円筒管) 12 マグネットローラ 13,14 現像剤搬送スクリュー 15 規制ブレード 17 隔壁 18 補給用トナー 19 現像剤 19a トナー 19b キャリア 20 補給口 21 マグネットローラ 22 搬送スリーブ 23 磁性粒子 24 レーザー光 25 転写材(記録材) 26 バイアス印加手段 27 転写ブレード 28 トナー濃度検知センサー 61a 感光ドラム 62a 一次帯電器 63a 現像器 64a 転写ブレード 65a 補給用トナー 67a レーザー光 68 転写材担持体 69 分離帯電器 70 定着器 71 定着ローラ 72 加圧ローラ 75,76 加熱手段 79 転写ベルトクリーニング装置 80 駆動ローラ 81 ベルト従動ローラ 82 ベルト除電器 83 レジストローラ 85 トナー濃度検知センサー 121 下部電極 122 上部電極 123 絶縁物 124 電流計 125 電圧計 126 電源
フロントページの続き (72)発明者 後関 康秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊木 一紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡本 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大竹 智 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 BA03 2H077 AB02 AC02 AD06 AD13 AD16 AD18 AD32 AD35 AE03 DA10 DA54 DB01 EA03 EA14 EA16 FA01 FA13 FA22 GA13 3J103 AA02 AA14 AA61 AA72 FA07 GA57 GA58 GA60 HA04 HA20 HA41

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性キャリアと非磁性トナーからなる二
    成分系現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤
    容器に収容されている二成分系現像剤の薄層を表面に形
    成して担持し、且つ現像領域へと二成分系現像剤を搬送
    するための現像剤担持体を有する現像装置において、 該現像剤担持体は、少なくとも基体および該基体表面に
    形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくと
    も被覆樹脂および該被覆樹脂中に分散されたモース硬度
    6以上の高硬度粒状物を含有していることを特徴とする
    現像装置。
  2. 【請求項2】 該樹脂被覆層は、導電性を有し、該導電
    性は、導電剤を該樹脂被覆層中に含有することにより付
    与されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 該樹脂被覆層中に、さらに潤滑性微粉末
    を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の現
    像装置。
  4. 【請求項4】 該樹脂被覆層中に、さらに荷電制御性物
    質を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 該荷電制御性物質が、鉄粉に対して正帯
    電性である第4級アンモニウム塩化合物であり、且つ該
    樹脂被覆層中の樹脂が、少なくとも樹脂構造中に、−N
    2基、=NH基、もしくは−NH−結合のいずれかを
    有することを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 該樹脂被覆層は外表面に凹凸を有し、該
    凹凸は、主として該モース硬度6以上の高硬度粒状物の
    添加により形成されることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の現像装置。
  7. 【請求項7】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物の個
    数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 【請求項8】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物は、
    カップリング剤によって表面処理されていることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物の真
    比重が、3.5g/cm3以下であることを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれかに記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 該樹脂被覆層外表面の中心線平均粗さ
    Raが0.3〜3.5μmであることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載の現像装置。
  11. 【請求項11】 該磁性キャリアが、結着樹脂中に磁性
    微粒子を分散させた磁性微粒子分散型樹脂キャリアであ
    ること特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    現像剤装置。
  12. 【請求項12】 該現像装置は、該現像剤担持体上に該
    二成分現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材
    を更に有していることを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれかに記載の現像剤装置。
  13. 【請求項13】 磁性キャリアと非磁性トナーからなる
    二成分系現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像
    剤容器に収容されている二成分系現像剤の薄層を表面に
    形成して担持し、且つ現像領域へと二成分系現像剤を搬
    送するための現像剤担持体を有する現像装置に用いられ
    る現像剤担持体において、 該現像剤担持体は、少なくとも基体および該基体表面に
    形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくと
    も被覆樹脂および該被覆樹脂中に分散されたモース硬度
    6以上の高硬度粒状物を含有していることを特徴とする
    現像剤担持体。
  14. 【請求項14】 該樹脂被覆層は、導電性を有し、該導
    電性は、導電剤を該樹脂被覆層中に含有することにより
    付与されることを特徴とする請求項13に記載の現像剤
    担持体。
  15. 【請求項15】 該樹脂被覆層中に、さらに潤滑性微粉
    末を含有することを特徴とする請求項13又は14に記
    載の現像剤担持体。
  16. 【請求項16】 該樹脂被覆層中に、さらに荷電制御性
    物質を含有することを特徴とする請求項13乃至15の
    いずれかに記載の現像剤担持体。
  17. 【請求項17】 該荷電制御性物質が、鉄粉に対して正
    帯電性である第4級アンモニウム塩化合物であり、且つ
    該樹脂被覆層中の樹脂が、少なくとも樹脂構造中に、−
    NH2基、=NH基、もしくは−NH−結合のいずれか
    を有することを特徴とする請求項16に記載の現像剤担
    持体。
  18. 【請求項18】 該樹脂被覆層は外表面に凹凸を有し、
    該凹凸は、主として該モース硬度6以上の高硬度粒状物
    の添加により形成されることを特徴とする請求項13乃
    至17のいずれかに記載の現像剤担持体。
  19. 【請求項19】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物の
    個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とす
    る請求項13乃至18のいずれかに記載の現像剤担持
    体。
  20. 【請求項20】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物
    は、カップリング剤によって表面処理されていることを
    特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の現像
    剤担持体。
  21. 【請求項21】 該モース硬度6以上の高硬度粒状物の
    真比重が、3.5g/cm3以下であることを特徴とす
    る請求項13乃至20のいずれかに記載の現像剤担持
    体。
  22. 【請求項22】 該樹脂被覆層外表面の中心線平均粗さ
    Raが0.3〜3.5μmであることを特徴とする請求
    項13乃至21のいずれかに記載の現像剤担持体。
  23. 【請求項23】 (i)静電荷潜像を保持するための静
    電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で
    現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像
    装置を少なくとも有する画像形成装置において、 該現像装置は、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二
    成分系現像剤を収容する現像剤容器、及び該現像容器に
    収容されている二成分系現像剤の薄層を担持し、且つ二
    成分系現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体
    を有しており、 該現像剤担持体は、少なくとも基体および該基体表面に
    形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくと
    も被覆樹脂および該被覆樹脂中に分散されたモース硬度
    6以上の高硬度粒状物を含有していることを特徴とする
    画像形成装置。
  24. 【請求項24】 該画像形成装置は、該静電潜像保持体
    が電子写真用感光体であることを特徴とする請求項23
    に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 該画像形成装置は、該現像画像を被記
    録材上に転写するための転写手段を更に有していること
    を特徴とする請求項23又は24に記載の画像形成装
    置。
  26. 【請求項26】 該画像形成装置は、該現像画像を被記
    録材上に定着するための定着手段を更に有していること
    を特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  27. 【請求項27】 該現像装置は、請求項1乃至12のい
    ずれかに記載の現像装置であることを特徴とする請求項
    23に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292576A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Canon Inc 現像剤担持体
JP2009271328A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP2009271186A (ja) * 2008-05-01 2009-11-19 Canon Inc 現像剤担持体及びその製造方法ならびに現像装置

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