JP4148412B2 - 画像形成装置用ローラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置用ローラーに関し、詳しくは、画像形成装置部材としての各種ローラー、例えば帯電ローラー、現像ローラー、トナー供給ローラー、転写ローラー等に好適に利用できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用等に供される部品の部材として、画像形成装置部品用導電性部材が注目されており、帯電ローラー、現像ローラー、転写ローラー及びトナー供給ローラー等の弾性を有するローラー等の形態で用いられる。電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用等に供される部品の部材として、画像形成装置部品用導電性部材が注目されており、帯電ローラー、現像ローラー、転写ローラー及びトナー供給ローラー等の低〜中電気抵抗導電性ローラーの形態で用いられる。
【0003】
従来このような部材としては、金属や金属酸化物の粉末やウィスカー及び/又はカーボンブラック等のフィラーにより導電性を付与したNBR、EPDM、シリコーンゴム及びポリウレタン等のエラストマーやフォームゴム弾性を有する高分子エラストマーや高分子フォームが用いられてきた。これらの中でもポリウレタン材料は、上記導電性部材に適した低硬度の部材が得られ、水や低沸点化合物等の発泡剤を用いる方法、機械的攪拌による方法等により、低硬度のフォームとすることができ、上記部材に好んで用いられている。
【0004】
しかしながら、このような導電性部材を用いた導電性ローラーにおいては、カーボンブラックの配合量のわずかな変化や高分子材料の分散状態によって、材料ロットで電気抵抗が大きくばらつき、導電性ローラー内においても高分子材料の微妙な分散状態の違いにより局所的抵抗のバラツキが生じる。更には、印加電圧への依存性も大きく、安定した電気抵抗が得られない問題点があった。
【0005】
そこで、107Ω〜1012Ωの範囲で電気抵抗制御が可能で、かつ電気抵抗ばらつきが無く電気抵抗を調整する方法としては、ウレタン中にイオン導電付与剤を添加する方法が挙げられる。これまでにLi塩等のイオン導電付与剤を高分子材料に含有する方法も検討されてきた。この場合、半導電領域まで抵抗値は低下するが、電気抵抗の環境変動が大きくなる問題がある。この問題を解決するために、ウレタンに第4級アンモニウム塩をイオン導電付与剤として含有する方法も開示されている(例えば特許文献1〜4参照)。この方法は、電気抵抗が1×107〜1×1012Ωの範囲で調整可能、かつ環境条件の変化によっても安定した電気抵抗を得られる。しかし、導電性に優れる第4級アンモニウム塩は液体であり、ローラー表面にブリードアウトし、画像形成装置内の他の部品へ汚染する問題があった。
【0006】
また、ウレタン等に第4級ホスホニウム塩をイオン導電付与剤として含有する方法も開示されている(例えば特許文献5〜6参照)。この場合に用いられている第4級ホスホニウム塩は、ウレタン内での相溶性が悪く、イオン解離性が低いために、イオン導電付与剤として効果的に作用しない問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−232980号公報(第3〜4頁)
【特許文献2】
特開平7−113050号公報(第2〜3頁)
【特許文献3】
特開平11−209633号公報(第7頁、表1)
【特許文献4】
特開2000−327909号公報(第3〜6頁)
【特許文献5】
特開平9−101652号公報(第4頁、段落番号0029〜0033)
【特許文献6】
特開2002−212413号公報(第7〜8頁、表1〜2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一な低電気抵抗性を有し、かつ樹脂基材と導電付与剤の相溶性が良く、ブルームやブリードアウトが無い画像形成装置用ローラーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する画像形成装置用ローラーにおいて、該導電性弾性層がポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームであり、下記式(1)で示される第4級ホスホニウム塩を導電性付与剤として含有する導電性部材によって形成されていることを特徴とする画像形成装置用ローラーが提供される。
【0010】
【化2】
Figure 0004148412
【0011】
式中、R1〜R4の少なくとも3つの官能基は炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基であり、残余官能基はアルキル基、アルケニル基、アルキレン基又はフェニル基であり、X-は0.18nm以上のイオン半径から成るアニオンである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明の画像形成装置用ローラーは、導電性弾性層中がポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームであり、これにR1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基から成るカチオンで構成され、かつアニオン部位が0.18nm以上のイオン半径から成るX-で構成されている上記式(1)に示される第4級ホスホニウム塩を導電性付与剤として含有する導電性部材は、第4級アンモニウム塩含有系導電性部材と比べてウレタンフォーム表面への染み出しが少なく、かつ第4級アンモニウム塩含有系部材と同等に電気抵抗を調整することができる。
【0014】
前記導電性ローラーにおけるウレタンフォームに含有するの第4級ホスホニウム塩は、R1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基から成るカチオン部位で構成されている第4級ホスホニウム塩である。カチオン部位内のR1〜R4の少なくとも3つの官能基のアルキル鎖が炭素数4より短いとアニオンとのイオン間距離が短く、イオン解離が難しいために、導電付与効果が得られない。また、R1〜R4の少なくとも3つのアルキル鎖が炭素数8より長いと、イオン間距離が離れ過ぎるために、アニオンとイオン結合が困難なためにホスホニウム塩の生成が難しい。また、R1〜R4中に炭素数4〜8のアルキル鎖の官能基が2以下だと、カチオン分子が一定のかさ高さを持つことができなるなり、アニオンとイオン間距離が短くなり、イオン解離が難しいために、導電付与効果が得られない。従って、導電付与効果を発現させるには、カチオン分子が一定のかさ高さを持っていることが必要である。少なくとも3つの官能基のアルキル鎖が炭素数4〜8又はフェニル基であることが必要である。
【0015】
また、アニオンのイオン半径が0.18nm未満(例えばCl-、Br-)の場合、カチオンとのイオン間距離が短く、イオン解離が難しいために、導電付与効果が得られない。従って、イオンを解離させ、導電付与効果を得るためには、カチオン部位のR1〜R4が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基からなり、アニオンはイオン半径0.18nm以上であることが必要である。
【0016】
一般式(1)中の、カチオンが燐原子に結合したR1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基及びフェニル基から成り、炭素数4〜8のアルキル基は、ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基及び2−エチルヘキシル基等が挙げられ、残余官能基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキレン基及びフェニル基等が挙げられ、炭素数に関係なく使用できる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基及び2−エチルヘキシル基等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル基、アリル基及びオレイル基等が挙げられ、アルキレン基としてはメチレン基、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基及び1,6−ヘキシレン基等が挙げられる。
【0017】
一般式(1)中の、X-として0.18nm以上のイオン半径を有する一価のアニオンがBr-、I-のハロゲンイオンやCH3SO3 -、C25SO3 -、ClO4 -、BF4 -、BPh4 -、PF6 -、HSO4 -及びCOOH-等からなる群から選ばれた一種で、カチオン又はアニオンのいずれか一方の条件を満たすだけでは、導電付与効果が小さいが、カチオンとアニオンの両方の条件を満たすことにより、ポリオールに溶解することができ、均一な複合体を形成するために、少低電気抵抗を実現でき、かつ感光体汚染がない導電性ローラーを得られる。
【0018】
ポリオール中の第4級ホスホニウム塩の配合割合は、ポリオール100質量部に対して、0.1〜10質量部の第4級ホスホニウム塩を含有する導電性部材からなるものが好ましい。0.1質量部未満ではイオン導電性付与効果を得られ難く、第4級ホスホニウム塩10質量部を超えて含有しても、これ以上の導電性の効果は望めず、飽和溶解濃度を超え、ローラー表面に析出するので好ましくない。
【0019】
本発明で用いるポリオールとしては、特に制限は無く、従来公知の各種ポリオールの中から、適宜選択して使用することができる。このポリオールの例としては、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート(PHA)、エチレンアジペートとブチレンアジペートの共重合体、ダイマー酸系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリカプローラークトンポリオール等のポリエステルポリオール及びポリオキシアルキレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0020】
これらのポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、またシュークローズやグルコース等のシュガー系アルコール、ビスフェノールA、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン及びキシリレンジアミン等のような、活性水素を2個以上有する化合物の一種又は二種以上を開始剤として、EO、PO、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、グリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテル等のモノマーの一種又はそれ以上を公知の方法により付加重合することによって製造される。好ましくは、EOやPO等を付加重合して得たもので、平均分子量2000〜10000、官能基数2〜4、更に好ましくは2.5〜3.5であり、エチレンオキシド末端含有量5〜30モル%、更に好ましくは10〜25モル%である。
【0021】
これらポリオールを単独又は混合して、分子量を2000〜10000に調整して使用することが好ましい。すなわち、2000未満であると硬度が高くなり、トナーの劣化を促進し耐久性に劣る傾向が見られる。また、10000を超えるとポリオールの粘度が高くなり、反応時の作業性が悪くなる傾向が見られる。なお、ポリオールのうちポリエーテルポリオールを用いると、耐湿熱耐久性に優れた軟質高弾性ポリウレタン製造に好適である。更に、エチレンオキシドを5モル%以上含有するポリエーテルポリオールを使用すると、成形性が良く好ましい。また、予めポリイソシアネートと重合させたプレポリマーとして用いても差し支えない。
【0022】
ポリエーテルポリオールの少なくとも一部を、ポリエーテルポリオール中でエチレン性不飽和単量体の重合により変性した通称ポリマーポリオール(商品名:三井武田ケミカル)で置き換えることもできる。ポリマーポリオールを一部併用することによりフォームの湿熱耐久性を低下させることなく、通気性向上や硬度向上等を図ることができる。エチレン性不飽和単量体は、特に限定されないが、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル及び塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの重合体は通常直径0.1〜10μmの微粒子状で分散される。
【0023】
また、ポリイソシアネートとしては、特に制限は無く、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することができる。このポリイソシアネートの例としては、トルエンジイソシアネート(以下TDIと記す)やジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート及び/又はその誘導体、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート及び/又はその誘導体、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート及び/又はその誘導体等が挙げられる。前記誘導体としては、例えば、多核体、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物及びビュレット変性物等を挙げることができる。これらのポリイソシアネートの中で、TDIやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート及び/又はその誘導体を主成分とするものは、得られるポリウレタンフォームの低硬度化、湿熱耐久性を向上させるので好適である。
【0024】
本発明においては、TDIやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート及び/又はその誘導体を一種用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0025】
また、ポリイソシアネート、ポリオールとともに用いられる整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとEO/PO共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサン、スルホン化リシノール酸のナトリウム塩やこれらとポリシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとの混合物等が挙げられる。この中でもポリエーテルポリオール系整泡剤としては、水溶性ポリエーテルシロキサンが好適である。
【0026】
ホットモールドフォームは、スラブフォームに比べてゲル化が速いこと、型にオーバーパックされることからフォームの通気性が低くなる傾向にある。このため、スラブ用と基本的には類似しているが、やや整泡力が弱く通気性を高くする整泡剤が選ばれる。
【0027】
また、高弾性フォームは、系の粘度が高いことや反応性が高いことから、通常の軟質フォーム用整泡剤を用いると泡の安定化が過剰となり、連通化度が低下してフォームの収縮を生じる。このために、分子量の小さいコポリマーが用いられる。ポリエーテル鎖の代わりに有機官能基を付加したものが用いられることもある。整泡剤の使用量は、活性水素を持つ化合物とポリイソシアネートとの総量に対して0.1〜3.0質量%が用いられる。
【0028】
そして、混合操作の容易性や得られるポリウレタンフォームの特性の見地から、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤の好適組み合せは、ポリイソシアネートとしてはジフェニルメタンジイソシアネートとTDIを混合したものを用い、ポリオールとしてはポリエーテルポリオール、整泡剤としては水溶性ポリエーテルシロキサンとを用いた組み合せである。
【0029】
ポリイソシアネート、ポリオールと共に用いられる発泡剤は、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロメタン、n−、iso−ペンタン、特にこれらの工業的混合物、n−、iso−ブタン、プロパンのような液状炭化水素、フラン、ジメチルエーテル及びジエチルエーテルのようなエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、メチルホルマート、ジメチルオキサラート及びエチルアセタート等のカルボン酸アルキルエステル等、二酸化炭素等が単独で、又は混合して使用されるが、環境保護の観点より水を単独で使用することが好ましい。発泡剤の使用量は、使用ポリオール100質量部に対して1.0〜5.0質量部が好ましい。1.0質量部未満ではスキンが生成する傾向がある。5.0質量部を超えると芳香族ポリ尿素が多量に発生するため圧縮永久歪等の物性が悪化し、耐久性が損なわれる傾向がある。
【0030】
本発明に用いられる触媒としては、公知のもので特に限定はないが、例えば、アミン系触媒、有機金属系ウレタン化触媒及び有機酸塩触媒(カルボン酸塩やホウ酸塩等)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で又は混合して用いられ、その使用量は活性水素を持つ化合物に対して0.001〜10質量%が適当である。
【0031】
また、必要により使用される架橋剤の構造は特に限定されない。
【0032】
本発明の画像形成装置用ローラーの製造方法については、特に制限は無く常法によればよい。その一例を示せば次の通りである。まず、前記のポリオール、ポリイソシアネート、触媒、及び所望により用いられる整泡剤、水、その他助剤等を均質に混合した後、加熱して反応硬化させることにより、本発明にかかる画像形成装置用高分子材料が得られる。原料を混合する際の温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は、通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、混合時間は、通常1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間程度である。また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォームからなる画像形成装置用高分子材料を作製することができる。ここでの発泡方法については特に制限は無く、前記発泡剤を用いる方法、機械的な攪拌により気泡を混入する方法等、いずれの方法をも用いることができる。なお、発泡倍率は、適宜定めればよく特に制限はない。
【0033】
本発明の画像形成装置用ローラーの材料は、例えば帯電用部材、現像用部材、転写用部材、トナー供給用部材及びクリーニング用部材等に用いることができる。
【0034】
金属部材とポリウレタン部材の接合方法については特に制限は無いが、金属部材を予めモールド(成形型)内部に配設しておきポリウレタン組成物を注型硬化する方法や、ポリウレタン部材を所定の形状に成形した後接着する方法等を用いることができる。どちらの方法でも、必要に応じて金属部材とポリウレタンフォームの間に接着層を設けることができ、この接着層としては、接着剤やホットメルトシート等の公知の材料を用いることができる。本発明にかかるポリウレタン部材の形成方法としては特に制限は無く、公知の方法、例えば前述した所定の形状のモールドに注型する方法のほかに、ブロックから切削加工により、所定の寸法に切り出す方法、研磨処理により所定の寸法にする方法、或いはこれらの方法を適宜組み合せる方法等を用いることができる。
【0035】
次に、本発明の画像形成装置用ローラーを、転写用ローラーとして、画像形成装置に装着した例について説明する。図1は、本発明にかかる導電性部材(転写用部材)を用いた画像形成装置における転写装置の一例を示す説明図であって、芯金(図示せず)を具備した本発明にかかる転写用部材(転写ローラー)1を画像形成体(感光体)2に紙等の記録媒体(転写材)4を介して当接させ、転写用部材1と画像形成体2との間に、電源3により電圧を印加し、画像形成体と転写用部材間に電界を発生させることによって、画像形成体2上のトナーを記録媒体4に転写するものである。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
(実施例1〜6及び比較例1〜2)
まず、下記の表1に示す組成のポリオール成分(ポリオール、整泡剤、触媒、水、導電付与剤等)、ポリイソシアネートを液温25℃に調整した。そして、両液を、NCOインデックスが100となるように配合し、攪拌羽根で5秒間攪拌した後、40℃に温調した転写ローラー用成形型に注入してローラーを製造した。
【0038】
表1に示す溶解性、ローラー抵抗、抵抗ムラ及び画像評価は、以下の方法で評価した。
【0039】
<溶解性>
EP901(ポリエーテルポリオール)10mgに導電付与剤を1mg投入し、25℃の振とう器で30分攪拌した。攪拌終了後、1時間放置し、その後濾過を行った。残存物が0〜0.1mgの場合は◎、0.1mg〜0.4mgの場合は○、0.4mg以上の場合は×と評価した。
【0040】
<ローラー抵抗及び抵抗ムラ>
ローラー抵抗測定はN/N環境(23℃/50%RH)において、導電性ローラーを両端部に荷重500gで芯金端部より200Vの直流電圧を印加、回転速度30rpmでの1分間のローラー抵抗値を採用し、抵抗値の最大値と最小値の平均値をローラー抵抗とした。また、N/N環境下でのローラー抵抗の最大値と最小値の抵抗差を周ムラとした。
【0041】
<画像評価>
導電性ローラーをヒューレットパッカード製のレーザープリンターレーザージェット4000Nに使用される感光体に接触させ、両端に100gの荷重を加え、40℃/95%RHの環境下に一日放置した。放置後、荷重を外し、感光体を顕微鏡にて付着物を確認した後、使用した感光体をカートリッジに組み込み、ベタ黒で30枚印字し、得られた画像を目視にて評価した。感光体に付着物が無く、得られた画像も良好なものを◎とし、感光体に少量付着物があるが、得られた画像が実用可能なものを○とし、感光体に多量の付着物を確認し、得られた画像が不良のものを×とした。
【0042】
各実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
【0043】
ポリオールには三井武田ケミカル(株)製「GP−3030」(ポリエーテルポリオール、分子量3000、官能基数3、水酸基55.2mgKOH/g含有EOランダム付加)とEP901(ポリエーテルポリオール)を、ポリイソシアネートには、三井武田ケミカル(株)製「コスモネートTM−50」(TDI、NCO=39.8%)を、アミン系触媒には、東ソー(株)製「TOYOCAT ET」と「TOYOCAT MR」を、整泡剤には日本ユニカー(株)製シリコーン整泡剤「L−5366」を、ホスホニウム塩1には日本化学工業(株)製「テトラブチルホスホニウム・テトラフェニルボレート」((C494P・BPh4)を、ホスホニウム塩2には日本化学工業(株)製「エチルトリオクチルホスホニウム・テトラフルオロボレート」((C8174P・BPh4)を、ホスホニウム塩3には日本化学工業(株)製「エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート」((C494P・BF4)を、ホスホニウム塩4には北興化学工業(株)製「エチルトリフェニルホスホニウム・ブロマイド」(Ph4P・Br)を、ホスホニウム塩5には日本化学工業(株)「テトラメチルホスホニウム・アイオダイド」((CH34P・I)を使用した。
【0044】
【表1】
Figure 0004148412
【0045】
【表2】
Figure 0004148412
【0046】
上記測定結果を表1に示す。この結果から判るように、ポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームから成り、これにR1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基から成るカチオンで構成され、かつアニオン部位が0.18nm以上のイオン半径から成るX-で構成されている第4級ホスホニウム塩を含有する導電性部材から成る導電性ローラーである実施例1〜5は、ローラー抵抗も107Ω〜108Ωに制御でき、低抵抗制御効果が大きく、感光体汚染が少なく、画像評価において実用可能な画像が得られた。
【0047】
それに対し、カチオン部位で構成されるが、アニオン部位のイオン半径が0.18nm未満であるBr-から成る比較例1の場合、カチオンとのイオン間距離が短く、イオン解離が難しいために、導電付与効果が得られない。原料のポリオールに溶解せず、導電付与効果を得ることができず、高電気抵抗になった。また、原料のポリオールに第4級ホスホニウム塩が溶解せず、ローラー表面に第4級ホスホニウム塩が析出するため、感光体に多量の付着物が確認され、画像評価において不良な画像しか得られなかった。
【0048】
また、アニオン部位のイオン半径が0.18nm以上で構成されるが、R1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4以下のカチオン部位から成る第4級ホスホニウム塩を含有した比較例2の場合、炭素数が短いため、アニオンとのイオン間距離が短く、イオン解離が難しいために、導電付与効果を得ることができず、高ローラー抵抗になった。また、原料のポリオールに溶解せず、ローラー表面に第4級ホスホニウム塩が析出するため、感光体に多量の付着物が確認され、画像評価において不良な画像しか得られなかった。従って、良好な画像を得るにはポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームから成り、これにR1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基から成るカチオンで構成され、かつアニオン部位が0.18nm以上のイオン半径から成るX-で構成されている第4級ホスホニウム塩を含有する導電性部材から成ることが必須である。
【0049】
ポリオール100質量部に対し、第4級ホスホニウム塩0.1〜10質量部添加した実施例1〜5は第4級ホスホニウム塩が原料のポリオール中に完全に溶解しているために、ローラー成形後も、ローラー表面に第4級ホスホニウム塩が析出しないため、感光体汚染が無く、画像評価において特に良好な画像が得られた。それに対し、ポリオール100質量部に対し、第4級ホスホニウム塩を10質量部を超えて含有した実施例6は、ローラー抵抗の低減効果は大きいが、溶解しきれず、ローラー表面に若干析出するために、感光体汚染に少量の付着物が確認できたが、得られた画像は実用可能であった。また、第4級ホスホニウム塩を含有しない比較例3は、感光体汚染は無いものの、ウレタンフォーム内に導電付与剤を含有しないために、ローラー抵抗が高く、不良な画像しか得られなかった。従って、ポリオール100質量部に対し、第4級ホスホニウム塩0.1〜10質量部添加することがより好ましい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば導電性弾性層中に、ポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームから成り、これにR1〜R4の少なくとも3つの官能基が炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基から成るカチオンで構成され、かつアニオン部位が0.18nm以上のイオン半径から成るX-で構成されている第4級ホスホニウム塩を導電性付与剤として含有する導電性部材によって形成されていることを特徴とする導電性部材を用いることにより、ブルームやブリードアウトがなく、かつ均一な低電気抵抗性を有する画像形成装置用ローラーを提供することが可能となった。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材(画像形成装置用ローラー)を用いた画像形成装置における転写装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 転写ローラー
2 感光体
3 電源
4 転写媒体

Claims (6)

  1. 導電性軸体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有する画像形成装置用ローラーにおいて、該導電性弾性層がポリオールとポリイソシアネートを用いて得られるウレタンフォームであり、下記式(1)で示される第4級ホスホニウム塩を導電性付与剤として含有する導電性部材によって形成されていることを特徴とする画像形成装置用ローラー:
    Figure 0004148412
    (式中、R1〜R4の少なくとも3つの官能基は炭素数4〜8のアルキル基又はフェニル基であり、残余官能基はアルキル基、アルケニル基、アルキレン基又はフェニル基であり、X-は0.18nm以上のイオン半径から成るアニオンである)。
  2. 前記導電性部材が、ポリオール100質量部に対し第4級ホスホニウム塩を0.1〜10質量部含有している請求項1に記載の画像形成装置用ローラー。
  3. 前記ポリオールがポリエーテルポリオールである請求項1又は2に記載の画像形成装置用ローラー。
  4. 前記ポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネート、その誘導体の一方又は両方を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用ローラー。
  5. 前記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、その誘導体の一方又は両方を含有し、かつトルエンジイソシアネート、その誘導体の一方又は両方を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置用ローラー。
  6. 前記画像形成装置用ローラーが、帯電ローラー、現像ローラー、トナー供給ローラー及び転写ローラーからなる群から選択されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置用ローラー。
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