JP2004292488A - 画像形成装置部品用高分子材料、それを用いた画像形成装置部品及び画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置部品用高分子材料、それを用いた画像形成装置部品及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ポリオールと、ポリイソシアネートと、水と、触媒と、を含む組成物を反応させて得られる画像形成装置部品用高分子材料において、前記触媒を用いたときの、トルエンジイソシアネート(以下TDI)とジエチレングリコール(以下DEG)の反応速度を定数化した樹脂化定数をK1(L2/eq・mol・hr)、TDIと水(以下H2O)の反応速度を定数化した泡化定数をK2(L2/eq・mol・hr)とした場合、K2/K1×10が5以下であることを特徴とする画像形成装置部品用高分子材料とする。また、前記画像形成装置部品用高分子材料を用いた画像形成装置部品、及びこの画像形成装置部品を装着した画像形成装置とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置部品用高分子材料、それを用いた画像形成装置部品及び画像形成装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、諸特性に優れた電子写真プロセスなどに好適に用いられる画像形成装置部品用高分子材料、それを用いた画像形成装置部品、及び該部品を帯電用部品、現像用部品、トナー供給用部品、転写用部品或いはクリーニング用部品として装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用などに供される部品の部材として、画像形成装置部品用高分子材料からなる部材が注目されており、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラなどの弾性を有するローラ等の形態で用いられる。これらの目的に使用される画像形成装置部品用高分子材料からなる部材には、通常ポリウレタンフォームが用いられている。
【0003】
前記画像形成装置部品用高分子材料であるポリウレタンフォームを合成するために用いられる触媒として、従来から汎用されているアミン系触媒(トリエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン等)や、有機金属系触媒(オクチル酸錫、オレイン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン等)が用いられる。
【0004】
これら触媒の中で、アミン系触媒は一般的に泡(ガス)化触媒と称し水との相性が良い。そのため、ポリオールとポリイソシアネートの反応よりも水とポリイソシアネートの反応が促進されやすく、芳香族ポリ尿素が多く生成する。芳香族ポリ尿素はポリウレタンフォームの圧縮永久歪を悪化させる。特に温度40℃湿度95%のような高温高湿環境下でも圧縮永久歪が大きいという問題があった。
【0005】
また、有機金属系触媒は、一般的に樹脂(ゲル)化触媒として、アミン系触媒と併用し用いられる。近年の環境保護の観点から、アミン系触媒のみの配合へ切り替わりつつある。
【0006】
【非特許文献1】
東洋曹達研究報告第28巻第1号(1984年)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の画像形成装置部品用高分子材料からなる部材がもつ欠点を克服し、高温高湿下での圧縮永久歪、及び樹脂化に優れた画像形成装置部品用高分子材料、この材料を用いた画像形成装置部品及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、
ポリオールとポリイソシアネートと、水と、触媒とを含む組成物を反応させて得られる画像形成装置部品用高分子材料において、前記触媒を用いたときの、トルエンジイソシアネート(以下TDI)とジエチレングリコール(以下DEG)の反応速度を定数化した樹脂化定数をK1(L2/eq・mol・hr)、TDIと水(以下H2O)の反応速度を定数化した泡化定数をK2(L2/eq・mol・hr)とした場合、K2/K1×10が5以下であることを特徴とする画像形成装置部品用高分子材料を用いた。そのような部材は、K2/K1×10が5を超えるものに比べ相対的に泡化定数が小さいため、水とポリイソシアネートの反応よりも、ポリオールとポリイソシアネートの反応が促進され、芳香族ポリ尿素を生成し難いという特徴を持つ。そのため、高温高湿下での圧縮永久歪に優れ、電子写真装置等の画像形成装置用の部材として、好適であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、水と、触媒とを含む組成物を反応させて得られる画像形成装置部品用高分子材料において、前記触媒を用いたときの、TDIとDEGの反応速度を定数化した樹脂化定数をK1(L2/eq・mol・hr)、TDIとH2Oの反応速度を定数化した泡化定数をK2(L2/eq・mol・hr)とした場合、K2/K1×10が5以下であることを特徴とする画像形成装置部品用高分子材料を提供するものである。
【0010】
なお、TDIとDEGの反応速度を定数化した樹脂化定数K1(L2/eq・mol・hr)、TDIとH2Oの反応速度を定数化した泡化定数K2(L2/eq・mol・hr)は、東洋曹達研究報告第28巻第1号(1984年)(非特許文献1)に記載された手法により求められる触媒定数である。
【0011】
また、本発明は、前記画像形成装置部品用高分子材料を用いたことを特徴とする画像形成装置部品、及びこの画像形成装置部品を装着したことを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
ポリオールと、ポリイソシアネートと、水と、触媒とを含む組成物を反応させて得られる画像形成装置部品用高分子材料において、本発明者らは、トルエンジイソシアネート(以下TDI)とジエチレングリコール(以下DEG)の反応速度を定数化した樹脂化定数K1、及びTDIと水(以下H2O)の反応速度を定数化した泡化定数K2に着目し、泡化反応の起きにくい触媒を発見した。
【0013】
なお、TDIとDEGの反応速度を定数化した樹脂化定数K1、及びTDIとH2Oの反応速度を定数化した泡化定数K2は、東洋曹達研究報告第28巻第1号(1984年)(非特許文献1)に記載された手法により求められる触媒定数である。以下、その算出法について説明する。
【0014】
NCO基とOH基との反応が各々の濃度に一次であると仮定すると、NCO基とOH基の濃度が等しいので、以下の式(I)を満たす。
【0015】
dx/dt=k(a−x)2 ・・(I)
式(I)中、xは反応したNCO基あるいはOH基の濃度(mol/L)、aはNCO基あるいはOH基の初期濃度(mol/L)、kは反応速度定数(L/mol・hr)、tは反応時間(hr)である。
【0016】
(I)式に初期条件(t=0のときx=0)を代入して積分すると、以下の式(II)が得られる。
【0017】
1/(a−x)=kx+1/a ・・(II)
式(II)における1/(a−x)は、反応によって減少したNCO基あるいはOH基の濃度の逆数であり、実測可能であるため、反応速度定数kを算出することができる。この反応速度定数kに関して以下の式(III)が成り立つと仮定した時のKcを触媒定数とする。
【0018】
k=k0+KcC ・・(III)
式(III)において、kは触媒濃度がC(mol/L)のときの反応速度定数(L/mol・hr)、k0は無触媒での反応時の反応速度定数(L/mol・hr)、Kcは触媒定数(L2/eq・mol・hr)である。
【0019】
樹脂化定数K1は、TDIとDEGの反応について上記の方法によって求めた触媒定数であり、泡化定数K2は、TDIとH2Oの反応について上記の方法によって求めた触媒定数である。
【0020】
すなわち、上記樹脂化定数をK1(L2/eq・mol・hr)、上記泡化定数をK2(L2/eq・mol・hr)とした場合、K2/K1×10が5以下である触媒を用いた画像形成装置部品用高分子材料は、高温高湿下での圧縮永久歪に優れ、電子写真装置等の画像形成装置用の部材として特に好ましいものである。好ましくは、0.4以上4以下である。
【0021】
これら触媒の中でも、特に好ましいものは、泡化定数K2(L2/eq・mol・hr)が5以下であることを特徴とした画像形成装置部品用高分子材料である。すなわち、K2/K1×10が5以下であっても、泡化定数K2(L2/eq・mol・hr)が5を超える触媒を使用した場合、TDIと水(H2O)の反応が、TDIとポリオールのそれよりも優先的に起こりやすく、芳香族ポリ尿素を生成しやすいからである。前記芳香族ポリ尿素は軟質フォームの圧縮永久歪を悪化させる。特に温度40℃湿度95%のような高温高湿環境下でも圧縮永久歪が大きい。
【0022】
前記条件を満足する触媒としては、ビス(ジメチルアミノプロピル)メチルアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルモルホリン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンのジプロピレングリコール溶液などが挙げられる。これら触媒の中でも、ビス(ジメチルアミノプロピル)メチルアミン、若しくはビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチルプロパンジアミンを使用した画像形成装置部品用高分子材料は、高温高湿下での圧縮永久歪に優れ、電子写真装置等の画像形成装置用の部材として特に好ましいものである。これら触媒は単独で用いても良いし、本発明の効果が損なわれない範囲で、泡化定数K2(L2/eq・mol・hr)が5以下の触媒と適宜組み合せて用いることが出来る。2以上の触媒を組合せて使用する場合は、すべての触媒のK2/K1×10が5以下であることが好ましい。
【0023】
市販されている商品として、ビス(ジメチルアミノプロピル)メチルアミンは、商品名Polycat 77(三共エアプロダクツ社製)が挙げられ、下記の式(3)で表される。また、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチルプロパンジアミンは、商品名Polycat 9(三共エアプロダクツ社製)が挙げられ、下記の式(4)で表される。
【0024】
【化2】
【0025】
このような触媒は、ポリオール、ポリイソシアネート、水、触媒を含有する組成物に対し、0.02〜1.00質量%に設定することが好ましい。
【0026】
一方、前記触媒、ポリイソシアネートと反応させて画像形成装置部品用高分子材料を得るのに用いられるポリオールとしては、特に制限は無く、従来公知の各種ポリオールの中から、適宜選択して使用することが出来る。このポリオールの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体、ダイマー酸系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルポリオールや、ポリオキシアルキレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。この中でも、分子量が2000〜10000のものを単独若しくは混合して用いることが好ましい。すなわち、2000以上であると架橋密度が高くなるため、得られる画像形成装置部品用高分子材料の物性がより向上する傾向がみられる。また、10000以下であるとポリオールの粘度がそれほど高くないので、反応時の作業性が良いという傾向がみられるからである。なお、上記ポリオールのうち、ポリエーテルポリオールを用いると、耐湿熱耐久性に優れた画像形成装置部品用高分子材料を得るのに好適である。更に、エチレンオキサイドを5モル%以上含有するポリエーテルポリオールを使用すると、反応性に優れ好ましい。また、あらかじめポリイソシアネートと重合させたプレポリマーとして用いても差し支えない。ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを単独で用いることもできるが、他のポリオールと組み合せて使用することもできる。このとき、このポリオール成分中にポリエーテルポリオールが50質量%以上含まれていることが好ましい。
【0027】
前記ポリエーテルポリオールと組み合せる他のポリオールとしては、変性ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。なかでも、ポリエーテルポリオールの少なくとも一部をポリエーテルポリオール中でエチレン性不飽和単量体(アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン等)の重合により変性した通称ポリマーポリオール(商品名:三井武田ケミカル)、エチレンオキサイドを60〜95モル%ランダム付加重合させたポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これらのポリオールを一部併用することにより材料の湿熱耐久性を低下させることなく、通気性向上等を図ることが出来る。
【0028】
一方、前記触媒、ポリオールと反応させて画像形成装置部品用高分子材料を得るのに用いられるポリイソシアネートとしては、特に制限は無く、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することが出来る。このポリイソシアネートの例としては、TDIやジフェニルメタンジイソシアネート、それらの多量体混合物などの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート及びその誘導体、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート及びその誘導体などが挙げられる。前記誘導体としては、例えば、多核体、ポリオールなどで変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物などを挙げることが出来る。これらのポリイソシアネートの中で、TDIやジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体を主成分とするものは、得られる画像形成装置部品用高分子材料からなる部材の低硬度化、湿熱耐久性を向上させるので好適である。
【0029】
本発明においては、TDIやジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体を一種用いても良く、二種以上を組み合せて用いても良い。また、所望により、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記TDIやジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体とともに、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート及びその誘導体を併用することが出来る。
【0030】
これらポリイソシアネートの配合量としては特に制限は無いが、NCOインデックスが60〜120%になるように配合量を設定することが好ましく、より好ましくは70〜105%の範囲である。なお、NCOインデックスとは、(実際に配合したイソシアネート量/化学量論量のイソシアネート量)×100で求められる値である。
【0031】
本発明の高湿熱耐久性画像形成装置部品用高分子材料は、前記ポリオール、ポリイソシアネート、及び所望により用いられる整泡剤、触媒、水、その他助剤から製造される。整泡剤は、ポリジメチルシロキサンとEO(エチレンオキサイド)/PO(プロピレンオキサイド)共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサン、スルホン化リシノール酸のナトリウム塩や、これらとポリシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとの混合物等が挙げられる。これらの整泡剤の中で、ポリジメチルシロキサンとEO/PO共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサンが好適である。使用量は全ポリオール100質量部に対して、0.1〜3質量部である。
【0032】
水は、ポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生することにより発泡剤として使用される。通常使用される量は、全ポリオール100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5質量部である。また、クロロフルオロカーボン類(HFC−134A等)、炭化水素(シクロペンタン等)、その他の発泡剤を助剤として水と併用しても本発明の主旨を損なうものではない。
【0033】
その他助剤として、架橋剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、酸化防止剤、導電性付与剤等が挙げられる。これらのその他助剤を必要に応じて添加しても何等本発明の主旨を損なうものではない。
【0034】
本発明の画像形成装置部品用高分子材料の製造方法については、特に制限は無く常法によれば良い。その一例を示せば次の通りである。まず、前記のポリオール、ポリイソシアネート、触媒、及び所望により用いられる整泡剤、水、その他助剤などを均質に混合した後、加熱して反応硬化させることにより、本発明の画像形成装置部品用高分子材料が得られる。原料を混合する際の温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は、通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、混合時間は、通常1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間程度である。また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォームからなる画像形成装置部品用高分子材料を作製することが出来る。ここでの発泡方法については特に制限は無く、発泡剤を用いる方法、機械的な撹拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法をも用いることが出来る。なお、発泡倍率は、適宜定めればよく、特に制限はない。
【0035】
本発明の画像形成装置部品は、このようにして得られた画像形成装置部品用高分子材料を用いたものであって、例えば該画像形成装置部品がローラである場合には、通常、鉄にメッキを施したものやステンレス鋼などからなる芯金を、前記の画像形成装置部品用高分子材料で被覆することにより製造される。用途によっては、導電性付与剤を添加してもよいし、導電性や半導電性、或いは絶縁性の塗料により、その外側を塗装してもよい。本発明の画像形成装置部品は、その用途については特に制限は無いが、例えば帯電用部材、現像用部材、転写用部材、トナー供給用部材及びクリーニング用部材などに装着してなるものである。
【0036】
金属部材とポリウレタンフォームの接合方法については特に制限は無いが、金属部材を予めモールド(成形型)内部に配設しておきポリウレタンフォームとなる組成物を注型硬化する方法や、ポリウレタンフォームを所定の形状に成形した後接着する方法などを用いることが出来る。どちらの方法でも、必要に応じて金属部材とポリウレタンフォームの間に接着層を設けることが出来、この接着層としては、接着剤やホットメルトシートなどの公知の材料を用いることが出来る。本発明のポリウレタンフォームの形成方法としては特に制限は無く、公知の方法、例えば前述した所定の形状のモールドに注型する方法のほかに、ブロックから切削加工により、所定の寸法に切り出す方法、研磨処理により所定の寸法にする方法、或いはこれらの方法を適宜組み合せる方法などを用いることが出来る。本発明のポリウレタンフォームを用いた画像形成装置部品の種類としては特に制限は無いが、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラなどを挙げることが出来る。
【0037】
図1は、本発明の画像形成装置部品をトナー供給ローラとして装着した電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図であって、本発明に係るトナー供給ローラ3と静電潜像を保持した画像形成体1との間に現像ローラ2がその外周面を画像形成体1の表面に近接させた状態で配設され、かつ画像形成体1に紙などの記録媒体8を介して、転写ローラ5を当接させた構造を示している。トナー供給ローラ3、現像ローラ2及び画像形成体1を矢印方向に回転させることにより、トナーがトナー供給ローラ3により、現像ローラ2の表面に供給され、層規制ブレード4によって均一な薄層に整えられた後、画像形成体1上の潜像に付着し、該潜像が可視化される。そして画像形成体1と転写ローラ5との間に電界を発生させることにより、画像形成体1上のトナー画像を記録媒体8に転写させる。また、6はクリーニングブレードであり、このクリーニングブレード6により、転写後に画像形成体1表面に残留するトナーが除去される。なお、7は帯電ローラである。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
まず、表1、2に示す組成のポリオール成分(ポリオール、整泡剤、触媒、水を混合したもの)、およびポリイソシアネートを液温25℃に調整した。そして、両液を、表1、2に記載のNCOインデックスとなるように配合し、撹拌羽根で5秒撹拌した後、40℃に温調したトナー供給ロール用成形型に注入して、60℃で30分熱処理することで、トナー供給ロールを製造し、下記の物性を評価した。なお、芯金としては、直径5mm、長さ270mmの芯金(材質:SUS304)を用いた。製造したトナー供給ロールは、上記芯金の周囲に上記の手法でポリウレタンフォーム層を形成させた構造となっており、トナー供給ロールの直径は16mmである。
(硬度)
図2(a)及び(b)に示される如く、製造したトナー供給ロールを、その両端の芯金部分において支持し、そしてそのトナー供給ロールのポリウレタンフォーム層を50mm幅(厚さ:10mm)の板状押圧面を有する治具にて、10mm/minの速度で押圧したときの、1mm変位(圧縮)時の荷重(gf)を硬度の指標として評価した。その数値が大きくなるほど、ポリウレタンフォーム層の硬さが高い、すなわち硬いことを示している。
【0039】
測定ポイントは、図示の如く、周方向の90度毎に4ヶ所を測定した平均値である。上記の荷重は、40〜400gfであることが好ましい。
(湿熱永久歪)
図3(a)及び(b)に示される如く、トナー供給ロールを、その両端の芯金部分において支持し、そしてそのポリウレタンフォーム層に、φ16mmの円筒状の鉄棒(スリーブ)を押し当て、ポリウレタンフォーム層を1.5mm変位(圧縮)させた状態で、温度50℃湿度95%下に72時間放置し、取り出し解放後30分経過した後の復元度合い(圧縮永久歪率)を下記式にて評価した。
【0040】
CS=(t0−t1)/1.5×100
CS:圧縮永久歪率(%)、t0:初めの成形品の半径(mm)、t1:試験後の成形品の半径(mm)。圧縮永久歪は、15%以下であることが好ましい。
【0041】
【表1】
【0042】
配合量=質量部
【0043】
【表2】
【0044】
配合量=質量部
1) 三井武田ケミカル(株)製ポリエーテルポリオール、OH価28、エチレンオキサイドを末端に約15%含有
2) 三井武田ケミカル(株)製ポリエーテルポリオール、OH価40、エチレンオキサイドを末端に約19%含有
3) 三井武田ケミカル(株)製ポリマーポリオール、OH価28
4) 三井武田ケミカル(株)製TDIとジフェニルメタンジイソシアネートの混合体、NCO:45%
5) 三井武田ケミカル(株)製TDIとジフェニルメタンジイソシアネートの混合体、NCO:40%
6) 三井武田ケミカル(株)製ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO:31%
7) 日本ポリウレタン(株)製TDI、NCO:48%
8) 日本ユニカー(株)製シリコーン整泡剤
9) 三共エアプロダクツ(株)製アミン触媒(K1=3.8、K2=1.16、K2/K1×10=3.05)
10) 三共エアプロダクツ(株)製アミン触媒(K1=0.37、K2=0.1、K2/K1×10=2.70)
11) 三共エアプロダクツ(株)製アミン触媒(K1=3.07、K2=0.23、K2/K1×10=0.75)
12) 三共エアプロダクツ(株)製アミン触媒(K1=3.63、K2=0.48、K2/K1×10=1.32)
13) 三共エアプロダクツ(株)製アミン触媒(K1=2.99、K2=11.7、K2/K1×10=39.1)
前記表1、2の結果から、実施例品は、泡化よりも樹脂化が優先されるため、いずれも良好な湿熱永久歪を示す。本発明の泡化よりも樹脂化に優れる触媒を使用した画像形成装置部品用高分子材料は、良好な湿熱永久歪を示す。これに対し、比較例品は、泡化が優先され芳香族ポリ尿素が大量に生成されているものと思われ、いずれの湿熱永久歪も20%以上となり良好ではない。
【0045】
【発明の効果】
高温高湿下での圧縮永久歪の優れた画像形成装置部品用高分子材料、この材料を用いた画像形成装置部品及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置部品をトナー供給ローラとして装着した電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【図2】トナー供給ロールのポリウレタンフォーム層の硬度の測定方法を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】トナー供給ロールのポリウレタンフォーム層の湿熱永久歪の測定方法を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1.画像形成体
2.現像ローラ
3.トナー供給ローラ
4.層規制ブレード
5.転写ローラ
6.クリーニングブレード
7.帯電ローラ
8.記録媒体
9.スキン層
10.芯金
11.ポリウレタンフォーム層
12.芯金支持部
13.スリーブ
14.圧縮永久歪治具
15.解放後のフォーム凹み
Claims (9)
- ポリオールと、ポリイソシアネートと、水と、触媒と、を含む組成物を反応させて得られる画像形成装置部品用高分子材料において、前記触媒を用いたときの、トルエンジイソシアネート(以下TDI)とジエチレングリコール(以下DEG)の反応速度を定数化した樹脂化定数をK1(L2/eq・mol・hr)、TDIと水(以下H2O)の反応速度を定数化した泡化定数をK2(L2/eq・mol・hr)とした場合、K2/K1×10が5以下であることを特徴とする画像形成装置部品用高分子材料。
- 前記泡化定数K2(L2/eq・mol・hr)が5以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置部品用高分子材料。
- 前記ポリオールが、ポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置部品用高分子材料。
- 前記ポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネート、またはその誘導体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置部品用高分子材料。
- 前記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、その誘導体、TDI、その誘導体から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置部品用高分子材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置部品用高分子材料を用いて構成される画像形成装置部品。
- 請求項7記載の画像形成装置部品が、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラである画像形成装置部品。
- 請求項7または8に記載の画像形成装置部品を装着してなる画像形成装置。
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JP2003083016A JP2004292488A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 画像形成装置部品用高分子材料、それを用いた画像形成装置部品及び画像形成装置 |
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