JP4807869B2 - ポリウレタンフォームローラの製造方法 - Google Patents
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筒状型と芯金の両端部を支持する成形型を用い、ポリウレタンフォーム層を形成する原料成分を該筒状型内で発泡、硬化し脱型した後、該ポリウレタンフォーム層にクラッシング処理する工程を含むポリウレタンフォームローラの製造方法において、
該クラッシング処理後に、水蒸気量5〜40g/m 3 環境下で15〜80℃にて10分〜10時間のエージングし、80〜300℃にて5分〜5時間の乾燥を行うことを特徴とするポリウレタンフォームローラの製造方法。
(成形型)
本発明では、成形型の構成としては特に限定はない。例えば、上下が開放された円筒状の型と、その円筒状の型の上下に配置され、芯金を両端部で支持可能な上駒及び下駒と、で構成することができる。
本発明では、上記の成形型を用い、芯金を配置して、ポリウレタンフォーム層を形成する原料成分を成形型内に注入し、発泡、硬化することで、芯金の外周にポリウレタンフォーム層を形成する。
本発明では、ポリウレタンフォーム層を形成し、脱型した後、クラッシング処理を行う。クラッシング処理の方法は、特に制限はなく、物理的圧迫、エアー吹き付け等の公知の方法を適宜用いることができる。これにより、ポリウレタンフォームローラの外径寸法を良好に整えることができる。
本発明では、クラッシング処理が行われたポリウレタンフォームローラに対してエージング処理工程が行われる。ここで、エージング処理とは、ポリウレタンフォーム層の硬化をほぼ終結させる処理を言い、このエージング処理により最終的に得られるポリウレタンフォーム層を所望の硬度に調整することができる。
本発明では、クラッシング処理が行われたポリウレタンフォームローラに対して乾燥処理工程が行われる。ここで、乾燥処理とは、所望の温度でポリウレタンフォーム層内の不純物を除去する処理を言い、この乾燥処理により最終的に得られるポリウレタンフォーム層を所望の表面性や硬度に調整することができる。
本発明では、エージング処理工程及び乾燥処理工程の双方を行うことが必要である。エージング処理のみを行った場合には、ポリウレタンフォーム層に原料の不純物が残留し、良好な表面特性を得ることが出来ない。また、乾燥処理のみ行った場合には、硬度安定までに長時間必要となるばかりか、硬度バラツキが大きくなってしまい、安定した硬度を得ることができない。これらの処理を行う順序は、どちらでも良いが、エージング処理を行った後に、乾燥処理を行った方が、本発明の効果がより得られる。
ポリウレタンフォームローラのポリウレタンフォーム層を形成する材料の組成は特に制限はなく、ポリウレタンフォーム形成材料として、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、及び所望により用いられる発泡剤、導電性付与剤、触媒、整泡剤、架橋剤などを含有するものが使用される。
ポリイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体が好ましいが、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用しても何ら問題はない。このポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート及びその誘導体、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート及びその誘導体などが挙げられる。
ポリオール成分としては、特に制限は無く、従来公知の各種ポリオールの中から、適宜選択して使用することが出来る。このポリオールの例としては、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート(PHA)、エチレンアジペートとブチレンアジペートの共重合体、ダイマー酸系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルポリオールや、ポリオキシアルキレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。また、あらかじめポリイソシアネートと重合させたプレポリマーとして用いても差し支えない。
必要に応じて用いられる発泡剤は、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロメタンのようなハロゲン化炭化水素類;n−およびイソ−ペンタン、これらの工業的混合物;フラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メチルホルマート、ジメチルオキサラート、エチルアセタート等のカルボン酸アルキルエステル類;二酸化炭素等を単独又は混合して使用されるが、環境保護の観点より水を単独で使用することが好ましい。
必要に応じて用いられる整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとEO/PO共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサン、スルホン化リシノール酸のナトリウム塩やこれらとポリシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとの混合物等が挙げられる。この中でもポリエーテルポリオール系整泡剤としては、水溶性ポリエーテルシロキサンが好適である。
必要に応じて用いられる触媒としては、公知のもので特に限定はないが、例えば、アミン系触媒としては、1,2−ジメチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス〔2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル〕エーテル、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミンの塩類、第一及び第二アミンのアミノ基のオキシアルキレン付加物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、N,N−ジアルキルピペラジン類のようなアザシクロ化合物、種々のN,N’,N’’−トリアルキルアミノアルキルヘキサヒドロトリアミン類等があり、有機金属系ウレタン化触媒としては、酢酸錫、オクチル酸錫、オクテタン酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等があり、前記アミン系触媒及び有機金属系触媒の初期活性を低下させた有機酸塩触媒(カルボン酸塩やホウ酸塩等)がある。
必要に応じて用いられる架橋剤の構造は特に限定されないが、アルキレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4BD)等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン(TMP)等のトリオール類、ペンタエリスルトール等のテトラオール類、エチレンジアミン(EDA)等のジアミン類、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)等のアミノアルコール類等を、単独、又は混合して使用することが出来る。
必要に応じて用いられる、導電性を付与するための導電性材料としては、一般の導電性付与剤が使用でき、例えばイオン導電性物質も用いることができる。イオン導電剤としては、第四級アンモニウム塩等があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。
その他添加剤として、難燃剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤、破泡剤等を必要に応じて使用することが出来る。
本発明のようにエージング処理及び乾燥処理を有する方法で製造されたポリウレタンフォームローラは、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラなどの弾性を有するローラ等の形態で用いられるが、特に電子写真装置の現像システム中で用いるトナー供給ローラとして使用するのが最適である。
トナー供給ローラとしては、ポリウレタンフォーム(スポンジ)からなる発泡弾性体ローラが用いられているのが一般的である。また、電子写真プロセスにおいて、現像ローラ表面に付着せるトナーをトナー供給ローラにて掻き取り、除去せしめる一方、現像ローラ上に、新たに、均一にトナーを供給することで、目的とするトナー像を形成する。よって、トナー供給ローラには、安定した硬度及び優れた表面性であることが求められるため、本発明のようにエージング処理及び乾燥処理を有する方法で製造されたポリウレタンフォームローラが適している。
まず、混合ポリオールとして、FA−908(三洋化成株式会社製商品名、ポリエーテルポリオール)100質量部、ジエタノールアミン0.5質量部、L5366(日本ユニカー株式会社製商品名、シリコーン系整泡剤)1質量部、ToyoCat−ET(東ソー株式会社製商品名、第3級アミン触媒)0.1質量部、TEDA−L33(東ソー株式会社製商品名、第3級アミン触媒)0.5質量部、水(発泡剤)2質量部を混合し、その後、T80(三井武田ケミカル株式会社製商品名、イソシアネート、NCO%=48)29.5質量部と、M200(三井武田ケミカル株式会社製商品名、イソシアネート、NCO%=31)7.4部とをNCOインデックス100となるように混合攪拌した。次に、その混合物5gを温度60℃に予熱された成形型(芯金が配置されている)に注入し、そのまま温度60℃で10分硬化させて芯金の外周にポリウレタンフォーム層を形成した後、成形型から脱型し、クラッシング処理を行った。なお、該クラッシング処理は、図2に示すようなロール対5の間に、処理前のポリウレタンフォームローラ1を挟み込む方法を用いて行った。図示する方法においては、平行に配置されたポリウレタンフォームローラ1を該ロール対5に対して平行に配置する。このとき該ポリウレタンフォームローラ1の軸となる芯金2の両端部は回転可能に固定されている。次いで、該ポリウレタンフォームローラ1を該ロール対5で所望の圧縮率に圧迫させた状態で該ロール対5を同方向、同速度で回転させ、該ポリウレタンフォームローラ1を矢印方向に回転させることにより、クラッシング処理を行うことができる。次いで、水蒸気量11.5g/m3の環境下で25℃5時間のエージング処理を行い、さらに110℃30分の乾燥処理を行うことにより、図1に示されるが如き回転軸となる芯金2の周りに、ポリウレタンフォーム層3を一体的に形成せしめてなるポリウレタンフォームローラ1を製造した。
得られた実施例及び比較例のポリウレタンフォームローラについて、硬度安定性を評価した。具体的には、硬度バラツキが小さく、安定した硬度であるものを○、硬度バラツキが大きく、所定の硬度が得られなかったものを×と評価した。ここでの所定の硬度は、図3の硬度測定方法によって測定した12点平均が200g/mmであり、硬度バラツキはn=50以上のローラを同条件で成形したときの硬度分布が12点平均200g/mm±5%未満であれば小、200g/mm±5%以上であれば大とした。さらに、表面性の評価として、画像評価試験をおこない、濃度均一性を調べて、それらの結果を下記表1に示した。なお、かかる画像評価試験における濃度均一性の評価は、それぞれのポリウレタンフォームローラをトナー供給ローラとして組み込んでなるトナーカートリッジを市販の複写機に組み込み可能にしてからセットして、15℃×10%RH環境下における画像出しにより、最大濃度でベタ黒コピー画像出しを行い、目視にて濃度ムラの有無について調べた。その評価において、○は濃度ムラの発生がほとんどなく良好なもの、△は濃度ムラの発生が見られるもの、×は濃度ムラの発生が顕著であることを示す。
2 芯金
3 ポリウレタンフォーム層
4 硬度測定装置の押板治具
5 (クラッシング用)ロール対
Claims (1)
- 筒状型と芯金の両端部を支持する成形型を用い、ポリウレタンフォーム層を形成する原料成分を該筒状型内で発泡、硬化し脱型した後、該ポリウレタンフォーム層にクラッシング処理する工程を含むポリウレタンフォームローラの製造方法において、
該クラッシング処理後に、水蒸気量5〜40g/m 3 環境下で15〜80℃にて10分〜10時間のエージングし、次いで80〜300℃にて5分〜5時間の乾燥を行うことを特徴とするポリウレタンフォームローラの製造方法。
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