JP3487915B2 - 連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法Info
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Description
に優れ、特に吸水速度の大きいことを特徴する連通気泡
ポリウレタンフォーム(以下、連泡性フォームとい
う。)の製造方法に関する。本発明の方法により得られ
る連泡性フォームは化粧用パフ、吸水ロール等に利用さ
れる。
して水、メチルクロライド、フロン等を使用する化学発
泡によるポリウレタンフォームでは、引張強さ等の機械
的強度が不十分であるため、通常、機械発泡によるフォ
ームが使用されている。しかし、機械発泡の場合独泡性
の高いフォームとなるため、吸水性を付与するにはフォ
ーム自体を吸水性素材、或いは吸水性素材を配合した原
料によって形成するか、又は界面活性剤で表面処理を
し、フォーム表面の濡れ性を上げる方法等が採られてい
る。
材、或いはそれを配合した原料によって形成した場合、
水はフォームを形成する樹脂自体に吸収されるため、吸
収された水の抜け道がなく、フォームが膨潤することに
なる。このように水の抜け道がないため、フォームに吸
収される水の絶対量は必ずしも十分ではなく、また、特
にその吸水速度が小さいため、化粧用パフ等の用途では
使い勝手の悪いものとなる。一方、界面活性剤でフォー
ム表面を処理した場合、フォーム表面の濡れ性が向上す
るだけであって、吸水性はそれほど改善されない。
することによっても可能であるが、アミン触媒等を使用
し、水、フロン等を発泡剤とする化学発泡により得られ
る軟質フォームは、連泡性は高いものの、前記のように
機械的強度の点で化粧用パフ等の用途には適さないもの
である。一方、機械発泡により得られるフォームは独泡
性が高く、機械的強度には優れるものの、強度が大きい
だけにかえってクラッシング処理によって連泡化するこ
とが難しく、機械発泡によるフォームであって、クラッ
シング処理によって容易に実用的な連泡構造にすること
ができるフォームの開発が望まれている。
問題点を解決するものであり、機械的強度の大きい機械
発泡によるフォームをクラッシング処理することにより
連泡化し、機械的強度及び吸水性に優れ、特に吸水速度
が大きく、また、優れた吸水性が長期間維持される連泡
性フォームを提供することを課題とする。
によって得られるフォームであって、クラッシング処理
により容易に連泡化できるフォームについて鋭意検討し
た結果、ポリオール成分中に特定のマイクロカプセルを
特定量配合してフォームを形成した場合に、容易に連泡
化することができ、吸水性に優れたフォームが得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
ポリイソシアネートとポリオール成分とを発泡剤を添加
することなく反応硬化させて得られるポリウレタンフォ
ームをクラッシング処理することにより、連通気泡ポリ
ウレタンフォームを製造する方法であって、上記ポリウ
レタンフォームは機械発泡によって得られるものであ
り、上記ポリオール成分はポリオール及びマイクロカプ
セルを含み、該マイクロカプセルは、該ポリオール10
0重量部に対して、未膨張品の場合は4〜30重量部、
既膨張品の場合は2〜30重量部であることを特徴とす
る。また、第2発明は、上記マイクロカプセルは、上記
ポリオール100重量部に対して、未膨張品の場合は4
〜10重量部、既膨張品の場合は2〜10重量部である
ことを特徴とする。更に、第3発明は、上記ポリオール
成分として、更に金属触媒を含むことを特徴とする。ま
た、第4発明は、ポリイソシアネートとポリオール成分
とを反応硬化させて得られるポリウレタンフォームをク
ラッシング処理することにより、連通気泡ポリウレタン
フォームを製造する方法であって、上記ポリウレタンフ
ォームは機械発泡によって得られるものであり、上記ポ
リオール成分はポリオール、マイクロカプセル及び金属
触媒を含み、該マイクロカプセルは、該ポリオール10
0重量部に対して、未膨張品の場合は4〜30重量部、
既膨張品の場合は2〜30重量部であることを特徴とす
る。
般にポリウレタンフォームの製造に使用されるものを特
に制限することなく使用できるが、なかでもMDI、T
DI若しくはそれらの混合物及びTDI、MDIの変性
物等が好ましい。上記「ポリオール」としても、その種
類等特に制限はされないが、ポリマーポリオール、即ち
ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレ
ン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和化合
物をグラフト重合させたポリオールが好ましく、それら
は不溶解性、且つ高安定性の懸濁液の状態で使用され
る。
ールの他に必須成分として「マイクロカプセル」を含
む。マイクロカプセルとしては、塩化ビニリデン−アク
リロニトリルコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリ
ルコポリマー等からなる殻壁を有し、低沸点の炭化水素
を内包する熱膨張性のもの(未膨張品)などを使用で
き、また、使用前に予め膨張させたもの(既膨張品)を
用いることもできる。
の調製時等において特に限定はされないが、例えば、未
膨張品であれば、粒子径が10〜20μm程度の細かい
ものの方が配合し易い。そして、「クラッシング処理」
時には、上記未膨張品、既膨張品いずれの場合も、50
〜100μm程度の粒子径であることが好ましく、この
粒径範囲であれば、有効な連泡化が可能であり、且つフ
ォームの機械的強度が低下することもない。
オール100重量部に対して、未膨張品、既膨張品それ
ぞれ4及び2重量部未満では、気泡率が低く、クラッシ
ング処理により一部連通構造とすることはできるもの
の、実用的な連泡性フォームとはならず、使用量が未膨
張品、既膨張品それぞれ30重量部を越える場合は、原
料粘度が高くなりすぎ、攪拌不能となってフォームの成
形が難しくなる。また、第2発明に特定する上限値を越
える量使用すると、強度、吸水性には問題ないものの、
フォームの成形性が低下する傾向があり、更に、マイク
ロカプセルの使用量の増加に伴ってフォームが硬くなる
傾向もあり、この点からも使用量は第2発明に特定する
範囲が好ましく、この範囲であれば、フォームの成形性
が良好であり、優れた強度を維持しつつ、容易にクラッ
シング処理できる適度な気泡率の柔軟なフォームを得る
ことができる。
せ、クラッシング処理をする時点において、未膨張品、
既膨張品いずれも特定の体積を有することになるが、そ
の体積が、ポリオールを100重量部とした場合に、1
40〜1200cm3 、特に140〜250cm3 とな
る量のマイクロカプセルを配合することが好ましく、こ
のような配合量であれば、効果的なクラッシング処理が
でき、優れた吸水性を有する連泡性フォームが得られ
る。また、上記クラッシング処理は、独泡性のフォーム
を押圧し、破泡して物理的に連通化する方法であるが、
本発明では、プレス法、ローラー間を通す方法及び減圧
真空法など、従来のいずれの方法によって実施してもよ
い。
オールとマイクロカプセルの他に、通常、触媒及び整泡
剤が含まれる。本発明では機械発泡であるため、触媒と
しては金属触媒が用いられ、スタナスオクトエート、ジ
ブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等
のポリウレタンフォーム用として好適な触媒を使用でき
る。
ず、ウレタン化合物に通常配合されるものを使用できる
が、末端に水酸基を有する反応性のものが特に好適であ
る。整泡剤の使用量は、ポリオール100重量部に対し
て1〜4重量部程度であればよいが、ポリオール100
重量部に対して8〜12重量部程度使用することもで
き、このように多量の整泡剤を使用することにより、整
泡効果が向上して泡立ち性が良くなり、成形性が向上す
るとともに、フォーム表面の濡れ性も向上し、且つ吸水
速度も大きくなる。
立てを行い、均一でミクロな泡を造った後、高温で反応
硬化させる方法である。アミン触媒では常温でも樹脂化
と泡化の両方の反応が促進され、泡立て時においてもポ
リオール中の水分との反応による化学発泡が進行するた
め、機械発泡では通常金属触媒が使用される。また、本
発明では、発泡剤を添加することなく、樹脂のみを硬化
させることを目的としており、この意味からも樹脂化反
応を促進する金属触媒を使用する必要がある。使用され
る金属触媒は感温性であり、常温での泡立て時には実用
的な反応速度では作用せず、高温になって始めて工業上
実用的な働きをするものである。
は機械的強度には優れるものの、独泡性が高く、気泡率
も高くはないので、フォームの骨格は強固であり、通常
のクラッシング処理を試みても、容易には破壊されず連
通孔はほとんど生じない。本発明では、ポリオール成分
に適量のマイクロカプセルを配合することにより、気泡
率を上げてフォームの強度を適度に下げ、これをクラッ
シング処理することにより、実用的な連通気泡構造を有
するフォームとするものである。本発明の連泡性フォー
ムでは、表面に接触した水は容易にフォーム中へ吸収さ
れるものと思われ、機械発泡によるフォーム本来の大き
な機械的強度を維持しつつ、吸水性にも優れ、特に吸水
速度が大きいという特徴が発現される。
を、実施例によって更に具体的に説明する。 実施例1 (1) フォーム原料の調製及びフォームの製造 A液及びB液として以下のものを準備した。 A液(ポリオール成分):ポリマーポリオール(三井東
圧社製、商品名「POP34/28」))100重量
部、マイクロカプセル(松本油脂製薬社製、商品名「マ
ツモトマイクロスフェアー F−30」、未膨張品)5
重量部、整泡剤(東レシリコーン社製、商品名「SF2
910」)4重量部及び樹脂化触媒(スタナスオクトエ
ート、中京油脂社製)0.5重量部を混合しポリオール
成分を調製した。 B液:ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商
品名「ミリオネートMTL」)
となる量のB液とを30秒間予備混合した後、10分間
泡立てを行った。その後、160℃で30分間反応硬化
させ、得られたフォームを110℃で4時間アフターキ
ュアーした。次いで、下記の方法によってクラッシング
処理し連泡性フォームを得た。
速度500cm/minで回転するクリアランス約5m
mの2軸ロール間を5回通過させた。クラッシング時の
圧縮率は約75%となる。上記のようにして得られた連
泡性フォームの引張強さをJIS K 6301に準じ
て測定した、また、フォーム表面上に、スポイドによっ
て0.1〜0.2ccの水滴を一滴垂らし、水滴が完全
にフォーム中に吸収されるのを目視で確認し、その時間
を測定した。
品名「DE(#551)」〕に代え、その使用量を3重
量部とした他は、実施例1と同様にして連泡性フォーム
を製造し、実施例1と同様にして引張強さ及び水滴の吸
収時間を測定した。
実施例1と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例
1と同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定し
た。 実施例4 マイクロカプセルの使用量を25重量部とした以外は、
実施例2と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例
1と同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定し
た。
例1と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例1と
同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定した。 比較例2 マイクロカプセルの使用量を35重量部とした以外は、
実施例1と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例
1と同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定し
た。
例1と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例2と
同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定した。 比較例4 マイクロカプセルの使用量を35重量部とした以外は、
実施例2と同様にして連泡性フォームを製造し、実施例
1と同様にして引張強さ及び水滴の吸収時間を測定し
た。
た連泡性フォームの成形性、引張強さ並びに吸水時間を
表1に示す。尚、組成の各数値はポリオールを100重
量部とした場合の重量部を表す。成形性の評価基準は
○:成形性良好、△:若干気泡荒れを生ずるであり、吸
水時間の測定不可は、5分後も水滴がほとんどそのまま
フォーム表面に残っていることを意味する。
水性フォームでは、成形性に優れるとともに、引張強さ
も十分であり、また、吸水時間も79秒及び41秒と短
く、吸水性、特に吸水速度において極めて優れたフォー
ムであることが分かる。また、マイクロカプセルの配合
量が25重量部の実施例3及び実施例4では、原料粘度
が上昇し、フォームの成形性がやや低下するものの、吸
水性等十分満足できる性能の連泡性フォームが得られて
いる。一方、マイクロカプセルの配合量が下限未満の比
較例1及び比較例3では、フォームの気泡率は低く、ク
ラッシング処理による連泡化ができず、吸水時間は測定
不可であった。また、配合量が上限を越えた比較例2及
び比較例4では、原料粘度が高く、攪拌不能となってフ
ォーム成形ができなかった。
れば、特定のマイクロカプセルを適量含むポリオール成
分を使用し、機械発泡によってフォームが形成されるた
め、優れた機械的強度を維持しつつ、効果的なクラッシ
ング処理が可能なフォームが得られ、軽量であるととも
に強度及び吸水性に優れた、特に吸水速度の大きな連泡
性フォームを得ることができる。また、第2発明に特定
したマイクロカプセルの量であれば、適度な気泡率のフ
ォームが得られ、クラッシング処理によるより効果的な
連泡化が可能であり、一層優れた吸水性を有する連泡性
フォームを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリイソシアネートとポリオール成分と
を発泡剤を添加することなく反応硬化させて得られるポ
リウレタンフォームをクラッシング処理することによ
り、連通気泡ポリウレタンフォームを製造する方法であ
って、 上記ポリウレタンフォームは機械発泡によって得られる
ものであり、上記ポリオール成分はポリオール及びマイ
クロカプセルを含み、該マイクロカプセルは、該ポリオ
ール100重量部に対して、未膨張品の場合は4〜30
重量部、既膨張品の場合は2〜30重量部であることを
特徴とする連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法。 - 【請求項2】 上記マイクロカプセルは、上記ポリオー
ル100重量部に対して、未膨張品の場合は4〜10重
量部、既膨張品の場合は2〜10重量部である請求項1
記載の連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法。 - 【請求項3】 上記ポリオール成分は、更に金属触媒を
含む請求項1又は2記載の連通気泡ポリウレタンフォー
ムの製造方法。 - 【請求項4】 ポリイソシアネートとポリオール成分と
を反応硬化させて得られるポリウレタンフォームをクラ
ッシング処理することにより、連通気泡ポリウレタンフ
ォームを製造する方法であって、 上記ポリウレタンフォームは機械発泡によって得られる
ものであり、上記ポリオール成分はポリオール、マイク
ロカプセル及び金属触媒を含み、該マイクロカプセル
は、該ポリオール100重量部に対して、未膨張品の場
合は4〜30重量部、既膨張品の場合は2〜30重量部
であることを特徴とする連通気泡ポリウレタンフォーム
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18999594A JP3487915B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18999594A JP3487915B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 連通気泡ポリウレタンフォームの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0827240A JPH0827240A (ja) | 1996-01-30 |
JP3487915B2 true JP3487915B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=16250637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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KR20170094998A (ko) | 2016-02-12 | 2017-08-22 | (주)아모레퍼시픽 | 전달특성이 향상된 화장도구 |
KR20170094999A (ko) | 2016-02-12 | 2017-08-22 | (주)아모레퍼시픽 | 인디케이터부를 포함하는 화장도구 |
KR20170094992A (ko) | 2016-02-12 | 2017-08-22 | (주)아모레퍼시픽 | 흡수성과 전달성이 조절된 화장도구 |
KR20170094996A (ko) | 2016-02-12 | 2017-08-22 | (주)아모레퍼시픽 | 화장료 흡수용량이 향상된 화장도구 |
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-
1994
- 1994-07-19 JP JP18999594A patent/JP3487915B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20180000258A (ko) | 2016-06-22 | 2018-01-02 | (주)아모레퍼시픽 | 도포구의 위생성이 향상된 화장용구 |
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