JP2008287147A - トナー供給ローラの製造方法及びトナー供給ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】径方向の通気度が高くトナー供給性に優れるトナー供給ローラの製造方法、その方法により得られたトナー供給ローラを提供すること。
【解決手段】芯金上にウレタン発泡体層(表面層)を形成するトナー供給ローラの製造方法であって、少なくとも下記成分(A)、成分(B)及び触媒を含有する、クリームタイムが15秒乃至30秒である原料を芯金上に発泡硬化した後、形成された発泡体層の表面に高圧エアを吹き付けてクラッシング処理する。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
【選択図】図2
【解決手段】芯金上にウレタン発泡体層(表面層)を形成するトナー供給ローラの製造方法であって、少なくとも下記成分(A)、成分(B)及び触媒を含有する、クリームタイムが15秒乃至30秒である原料を芯金上に発泡硬化した後、形成された発泡体層の表面に高圧エアを吹き付けてクラッシング処理する。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
【選択図】図2
Description
本発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置において、感光体にトナー(現像剤)を供給してその表面に可視画像を形成する現像ローラに対しトナーを供給するために用いるトナー供給ローラの製造方法及び該方法により製造されるトナー供給ローラに関する。
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体、静電記録誘電体等の像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置により現像している。このような現像装置には、ホッパー内に収容されたトナー(現像剤)を、現像ローラ表面上にムラ無く均一に供給し、かつ現像後に現像ローラ表面上の残存トナーを掻き取るためにトナー供給ローラが内蔵されている。この現像機構においては、現像ローラのトナー保持性能に加え、トナー供給ローラの表面性能が重要になってくる。近年、画像形成装置の高性能化に伴い、トナー供給ローラもより高精度な表面均一性が求められている。
上記要求を満足できる良好な表面性能を備えたトナー供給ローラとして、適当な弾性を有する発泡体を芯金上に形成した弾性発砲体ローラが使用されている。特に、適切な弾性発泡体ローラとして、柔軟性や強度面等から発泡体層がウレタンフォームからなるトナー供給ローラが好適であるとされている。
このような発泡体層がウレタンフォームからなるトナー供給ローラは一般的に以下のようなにして製造されている。すなわち、芯金を備えた成形型内に、ポリイソシアネートとポリオール成分(ポリオール、整泡剤、触媒、水など)を含有する組成物をワンショット製法で混合した後で注入する。これを型内で発泡硬化(一次キュア)した後に成形型から取り出し、形成されたウレタンフォーム部に対しクラッシング処理をした後、二次キュア処理して、トナー供給ローラを製造することができる(例えば、特許文献1)。なお、クラッシング処理はトナー供給ローラの発泡体層の通気度を安定化し、外径寸法精度を向上させる手段として知られている。トナー供給ローラをクラッシング処理する方法としては、例えば、一対の硬いロール間を通す方法(物理的圧縮)、圧縮空気を吹き付ける方法(エア・クラッシング)などが知られている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献1におけるウレタンフォームの原料の配合処方は、ウレタンフォーム製造に使用される従来公知の材料であり何ら規制が無い。従って、ウレタンフォーム形成の反応性が速い(高い)場合には、脱型後にクラッシング処理しても、フォームが復元し難い、高通気度となり難いなどの問題が生じる場合があった。また、ウレタンフォーム形成の反応性が遅い(低い)場合には、脱型時に強度が不足してフォームが破壊される場合があった。
また、物理的圧縮によるクラッシング処理は、トナー供給ローラの軸方向の通気度は向上や安定するが、径方向で通気度が向上しない問題が生じる場合があった。
近年、トナー供給ローラには高い通気度が要求されている。径方向の通気度を高めることでトナーの出入りを円滑にし、トナー供給性に優れるばかりでなく、フォームへのトナー詰りも防止できる。そのような径方向の通気度の高いトナー供給ローラを得るために、好適な配合処方及び最適なクラッシング処理が必要とされていた。
特開2003−156930号公報
特開平09−274373号公報
したがって、本発明の解決課題は、径方向の通気度が高くトナー供給性に優れるトナー供給ローラの製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討した結果、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を厳選し、発泡硬化後のクラッシング処理を特定することにより、径方向の通気度及びトナー供給性を満足するトナー供給ローラが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下に示す構成をとるものである。
〔1〕芯金上にウレタン発泡体層を形成するトナー供給ローラの製造方法であって、少なくとも下記成分(A)、成分(B)及び触媒を含有する、クリームタイムが15秒乃至30秒である発泡体原料を芯金上に発泡硬化した後、形成された発泡体層の表面に高圧エアを吹き付けてクラッシング処理することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
〔2〕前記触媒が、N−メチルモルホリン又はN−エチルモルホリンである上記〔1〕のトナー供給ローラの製造方法。
〔3〕前記クラッシング処理が、ローラ表面から5mm乃至30mmの距離に位置し、ローラ直径の1/10乃至1/4の口径を有するエア・ノズルを、ローラの軸方向に、0.2MPa乃至1.0MPaの高圧エアを移動させながら吹き付けることである上記〔1〕又は2のトナー供給ローラの製造方法。
〔4〕径方向の通気量が、125Pa減圧下で、2.5l/cm2/min以上6.5l/cm2/min以下である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかのトナー供給ローラの製造方法。
〔5〕上記の製造方法で製造されたトナー供給ローラ。
本発明により、径方向の通気度が高く、トナー供給性に優れるトナー供給ローラトナー供給ローラを提供でき、産業上の利用価値は高い。
本発明は、芯金上にウレタン発泡体層(表面層)を形成するトナー供給ローラの製造方法であって、少なくとも下記成分(A)、成分(B)及び触媒を含有する、クリームタイムが15秒乃至30秒である原料を芯金上に発泡硬化した後、形成された発泡体層の表面に高圧エアを吹き付けてクラッシング処理することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法である。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。
まず、本発明が対象とするトナー供給ローラについて、図1を用いて説明する。
図1は、本発明のトナー供給ローラの一例を示す斜視図である。トナー供給ローラ1は、円柱状の芯金2と、芯金2の両端部を除いて芯金2の周りに設けられた発泡弾性体であるポリウレタンフォームからなる表面層3を備える。
芯金2は、従来のトナー供給ローラ用の芯金を用いることができ、例えば鉄等の金属で作製することができる。芯金の外径は2mm乃至10mmが適当である。
また、ポリウレタンフォームからなる表面層3は、表面に内部まで連通した複数のセル開口部を有している。表面層の厚さは通常1mm乃至20mmであり、2mm乃至10mmであることが好ましい。厚さがこれらの範囲にあることによって、トナー供給ローラはより良好なトナー搬送性を有するようになる。
本発明のトナー供給ローラは、上記の芯金と表面層の間に、接着層、弾性層等を必要に応じて有していても良い。
本発明のトナー供給ローラの製造は、例えば、後述するウレタン発泡体材料を調整し、芯金を備えた成形型に、該材料を注入し、(加熱)発泡硬化し脱型した後、高圧エアを吹き付けてクラッシング処理(以下、「エア・クラッシング処理」という)を行う。かかる後処理を行うことにより、材料を限定することとあいまって、ローラの外径寸法精度が安定し、径方向の通気度が向上し、現像ローラへのトナー供給性に優れる。これにより、画像不良を生じない良好なトナー供給ローラを得ることができる。
上記エア・クラッシング処理の方法を、図2に模式図で示す。トナー供給ローラ1表面から5mm乃至30mmの距離にローラ直径の1/10乃至1/4の口径のエア・ノズル4を位置させる。1rpm乃至300rpmの速度で回転しているトナー供給ローラ1に、エア・ノズル4をローラトナー供給ローラ1の軸方向に移動させながら、0.2MPa乃至1.0MPaの高圧エア5をローラに対しほぼ垂直方向から吹き付ける。ここで、回転速度が1rpm未満であると径方向の通気度の周ムラが生じやすく、300rpmを超えると高速であるためエアがトナー供給ローラの内部まで侵入するのが困難となり、エア・クラッシング処理による通気度の向上は期待できない。また、エア・ノズルの位置がローラ表面から5mm未満であるとウレタンフォーム層が破壊される可能性があり、30mmを超えるとローラに十分に高圧エアが当たらないため、通気度の向上が困難となる。
エア・クラッシング処理は、径方向の通気度を高めるために、脱型後30分以内に行うことが好ましい。より好ましくは10分以内である。早期にクラッシング処理を行うことで、連続気泡化しやすく、より通気度が高まる。
本発明におけるトナー供給ローラは、125Pa減圧下で径方向の通気度が2.5l/cm2/min以上6.5l/cm2/min以下と高いものである。すなわち、径方向の通気度が2.5l/cm2/min未満では、表面層がやや独立気泡性になるため、トナー供給ローラ内のトナー充填量が低下し、トナー供給ローラは像担持体表面へ十分にトナーを供給することができず、画像不良を引き起こしやすい。また、径方向の通気度が6.5l/cm2/minを超えると、表面層の連続気泡性が高まるため、トナーが表面層の奥まで侵入しローラが高硬度となり、トナーにストレスを与えてトナー劣化を引き起こし、画像不良を引き起こすことがある。なお、「125Pa減圧下で」とは、トナー供給ローラの表面の一方の側を大気圧に置き、他方側を大気圧より125Pa低い減圧下に晒した状態を意味する。したがって、「125Pa減圧下での通気量」は、この状態でローラの表面層を通して流れる気体(空気)の量のことである。
トナー供給ローラの表面層の一方を大気圧に、他方をそれより125Pa減圧下に晒した時の径方向の通気度が2.5l/cm2/min以上6.5l/cm2/min以下となることが好ましい。その中でも、該通気量が3.0l/cm2/min以上5.5l/cm2/min以下である時、トナー供給ローラはトナー供給性と掻き取り性のバランスが良く、最良の画像が得られる。
ここでいう通気度は、図3に示されているような測定装置(a)を用いて測定することができる。トナー供給ローラ1を、その外径より小さい内径で測定孔A及び測定孔Bを有する通気量測定治具7に通し、測定孔Aが外気と接し、測定孔Bが真空ポンプ11に繋がるチャンバー6に圧接するように固定する。このときの測定治具7の内径は、トナー供給ローラの外径に対し90%乃至96%である。測定孔A及び該測定孔Bは芯金2を挟む略対象位置にもう7けられており、その面積は同じである。つぎに、測定治具7内にトナー供給ロールを圧入した後、測定孔A以外が大気開放にならないよう密閉用治具8で密閉し、真空ポンプ11で測定孔Bから空気を吸引する。真空ポンプ11を作動させながら、減圧調整バルブを調整して圧力計9が大気との差圧125Paを示すように吸引側の真空度を調整する。その状態で、流量計10の値(l/min)から通気量を読み取り、該測定孔Aの面積で除算する。また、測定ポイントは、軸方向に3ヶ所(b)、各軸方向に於いて周方向の90度毎に2ヶ所(c)、計6ヶ所測定し平均値とした。なお、トナー供給ローラの表面層内を空気が流れる様子を図4の断面図に点線で示した。
次に、表面層の形成方法についって述べる。
本発明では、成分(A)として、末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000のポリエーテルポリオールを用いる。成分(A)としてのポリエーテルポリオールは、一種でも良く、二種以上を組み合せても良い。
成分(A)として用いるポリエーテルポリオールは、末端にエチレンオキシドが付加している共重合体であり、この付加したエチレンオキシドの含有量が5質量%以上のものである。好ましいエチレンオキシドの含有量は、10質量%乃至20質量%である。エチレンオキシド連鎖が末端に付加していることで、ウレタンフォーム形成の反応性を確保でき、型内成形が可能となる。なお、末端の付加エチレンオキシドが5質量%未満だと樹脂化反応が低下するので、好ましくない。
上記のポリエーテルポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の開始剤にプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加重合させたものを使用できる。付加させるエチレンオキシドの量は、ポリエーテルポリオールプレポリマー中のエチレンオキシド含有量、目的とする共重合体の、エチレンオキシド含有量や質量平均分子量等を考慮して、適宜設定する。
本発明では、成分(B)として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネートを用いる。このような組成のポリイソシアネートを成分(B)として用いると低反応であるため、クラッシング処理をより効果的に実現でき、高い通気度のトナー供給ローラを得ることができる。
MDIの誘導体としては、例えば、変性MDI、ポリメリックMDI等が使用できる。MDI又はその誘導体は、一種を用いても良く、二種以上を組み合せて用いても良い。ポリオールと予めプレポリマー化して用いても良い。
また、ポリイソシアネート成分として、MDI又はその誘導体を含むならば、他の公知のポリイソシアネート化合物を使用しても良い。例えば、トルエンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート及びその誘導体、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート及びその誘導体等を使用しても良い。ポリオールと予めプレポリマー化したものを用いても良い。これらは、一種を用いても良く、二種以上を組み合せて用いても良い。中では、トルエンジイソシアネート又はその誘導体を含有することが好ましい。
成分(B)に含まれるMDI又はその誘導体は、合計量が全体の3質%以上35質量%以下含まれることが好ましい。合計量が3質量%未満だと樹脂化が遅くなるため成形性が低下する場合があり、35質量%を超えると樹脂化が早くなるため、径方向の通気度を高めることが難しく、また高硬度化しやすい。従って、本発明のトナー供給ローラには適さない場合がある。
表面層用原料のクリームタイムとは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び触媒を混合してから発泡(ライズ)が開始されるまでの時間である。クリームタイムは一般的に15秒以内であり、特に、型内成形のクリームタイムは10秒以内に調整される場合が多い。しかしながら、トナー供給ローラにおいては、トナー供給性を高めるために高い通気度が必要である。したがって、本発明では、クリームタイムは15秒乃至30秒であることが必要である。このクリームタイムが15秒未満だと、表面層用原料の反応性が早くなるためクラッシング処理を実施しても高通気度となり難い。また、クリームタイムが30秒を超えると、反応性が遅くなるため脱型時に強度不足でフォームが破壊する場合がある。
成分(A)と成分(B)の組み合わせに対して、発泡ウレタン化用の触媒を加え、上記クリームタイムになるようにする。このような目的には公知のウレタン化触媒があり、適宜選択して用いることができる。具体的には、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジンなどが挙げられる。中でも、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンは、ポリウレタンフォームのクリームタイムを15秒乃至30秒にするのに特に好ましい。これら触媒は一種を用いても良く、本発明の効果が損なわれない範囲で、他の(従来公知の)触媒と適宜組み合せて用いても良い。
本発明では、必要に応じて発泡剤を用いることができる。特に、水は、ポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生することから、発泡剤として好適に使用される。また、地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類(HFC−134A等)、炭化水素(シクロペンタン等)、その他の発泡剤を使用しても、またこれらと水と併用しても本発明の主旨を損なうものではない。
本発明では、必要に応じて整泡剤を用いることができる。整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサン、スルホン化リシノール酸のナトリウム塩やこれらとポリシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとの混合物等が使用できる。これらの整泡剤の中で、ポリジメチルシロキサンとエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサンが好ましい。
本発明では、その他助剤として、架橋剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、酸化防止剤、導電性付与剤等を必要に応じて適量用いることができる。これらのその他助剤を必要に応じて添加しても何等本発明の主旨を損なうものではない。
本発明では、上記原料を芯金を備えた成形型に注入し、(加熱)発泡硬化する。その後金型から取り出した後、30分以内、好ましくは10分以内に高圧エアを吹き付けて、フォームを破泡(クラッシング処理)する。その後、必要により、二次加硫、表面調整を行ってトナー供給ローラとされる。必要により行われる表面調整としては、スキン層を取り除くための研磨、表面特性を改善するためにエネルギー線照射などである。
以下に、実施例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
まず、本実施例で使用した化合物を示す。
成分(A)
FA908:ポリエーテルポリオール「サンニックスFA908」(商品名、三洋化成工業株式会社製)、質量平均分子量7000、エチレンオキシドを末端に15質量%付加した共重合体(OH価=24mgKOH/g)。
MF78:ポリエーテルポリオール「アクトコールMF78」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、質量平均分子量5000、エチレンオキシドを末端に15質量%付加した共重合体(OH価=36mgKOH/g)。
EP550N:ポリエーテルポリオール「アクトコールEP550N」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、質量平均分子量3000、エチレンオキシドを末端に20質量%ふかした共重合体(OH価=54mgKOH/g)。
GP3000:ポリエーテルポリオール「サンニックスGP3000」(商品名、三洋化成工業株式会社製)、質量平均分子量3000、末端にエチレンオキシドが付加していない重合体(OH価=56mgKOH/g)。
FA908:ポリエーテルポリオール「サンニックスFA908」(商品名、三洋化成工業株式会社製)、質量平均分子量7000、エチレンオキシドを末端に15質量%付加した共重合体(OH価=24mgKOH/g)。
MF78:ポリエーテルポリオール「アクトコールMF78」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、質量平均分子量5000、エチレンオキシドを末端に15質量%付加した共重合体(OH価=36mgKOH/g)。
EP550N:ポリエーテルポリオール「アクトコールEP550N」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、質量平均分子量3000、エチレンオキシドを末端に20質量%ふかした共重合体(OH価=54mgKOH/g)。
GP3000:ポリエーテルポリオール「サンニックスGP3000」(商品名、三洋化成工業株式会社製)、質量平均分子量3000、末端にエチレンオキシドが付加していない重合体(OH価=56mgKOH/g)。
成分(B)
T80:トルエンジイソシアネート「コスモネートT80」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI=100(NCO=48%)。
TM20:ポリイソシアネート混和物「コスモネートTM20」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI/MDI=20/80(NCO=45%)。
TM50:ポリイソシアネート混和物「コスモネートTM50」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI/MDI=50/50(NCO=40%)。
M200:ジフェニルメタンジイソシアネート「コスモネートM200」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)。MDI=100(NCO=31%)。
T80:トルエンジイソシアネート「コスモネートT80」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI=100(NCO=48%)。
TM20:ポリイソシアネート混和物「コスモネートTM20」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI/MDI=20/80(NCO=45%)。
TM50:ポリイソシアネート混和物「コスモネートTM50」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、TDI/MDI=50/50(NCO=40%)。
M200:ジフェニルメタンジイソシアネート「コスモネートM200」(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)。MDI=100(NCO=31%)。
触媒
MM:N−メチルモルホリン(日本乳化剤株式会社製)。
EM:N−エチルモルホリン(日本乳化剤株式会社製)。
ET:アミン系触媒「TOYOCAT−ET」(商品名、東ソー株式会社製)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル/ジプロピレングリコール=70/30。
L33:アミン系触媒「TOYOCAT−L33」(商品名、東ソー株式会社製)、トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67。
MM:N−メチルモルホリン(日本乳化剤株式会社製)。
EM:N−エチルモルホリン(日本乳化剤株式会社製)。
ET:アミン系触媒「TOYOCAT−ET」(商品名、東ソー株式会社製)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル/ジプロピレングリコール=70/30。
L33:アミン系触媒「TOYOCAT−L33」(商品名、東ソー株式会社製)、トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67。
実施例1〜7
成分(A)として、表1に示すポリエーテルポリオール100質量部をとり、これに表1に示す触媒を表1に示す量、整泡剤SRX274C(商品名)1質量部及び発泡剤として水2.0質量部を混合した。これと、成分(B)として、表1に示すポリイソシアネートを表1に示す量(NCOインデックスが90となる)とを、25℃で混合攪拌して表面層用混合物を得た。この混合物を、直径5mm、長さ290mmの金属製シャフトを挿入した内径16mmのパイプ状金型に、フォーム密度が0.10g/cm3になるように注入し、60℃のオーブン中に30分間発泡硬化させた。その後脱型し、エア・クラッシング処理し、トナー供給ローラを作成した。一方、表面層用混合物のクリームタイム(混合物約4gを100mlのポリカップに採取し、その液面が上昇開始するまでの時間)を測定し、その結果を表1に示した。
成分(A)として、表1に示すポリエーテルポリオール100質量部をとり、これに表1に示す触媒を表1に示す量、整泡剤SRX274C(商品名)1質量部及び発泡剤として水2.0質量部を混合した。これと、成分(B)として、表1に示すポリイソシアネートを表1に示す量(NCOインデックスが90となる)とを、25℃で混合攪拌して表面層用混合物を得た。この混合物を、直径5mm、長さ290mmの金属製シャフトを挿入した内径16mmのパイプ状金型に、フォーム密度が0.10g/cm3になるように注入し、60℃のオーブン中に30分間発泡硬化させた。その後脱型し、エア・クラッシング処理し、トナー供給ローラを作成した。一方、表面層用混合物のクリームタイム(混合物約4gを100mlのポリカップに採取し、その液面が上昇開始するまでの時間)を測定し、その結果を表1に示した。
エア・クラッシング処理は、図2に示すように、トナー供給ローラ1及びエア・ノズル4を置き、エア・ノズル4から高圧エアをトナー供給ローラ1に対しほぼ垂直方向から、トナー供給ローラ1の軸方向に移動させながら、吹き付けて行った。なお、トナー供給ローラ1は10rpmで回転させた。また、エア・ノズル4はローラ表面から10mmの距離に位置させ、その口径が2mmであるものを用いた。ローラ径に対する口径比は1/8であった。吹き付けた高圧エアの圧力は、表1に示す通りとした。
得られたトナー供給ローラの表面層の径方向の通気度を下記により測定し、その測定値に対して、下記基準で評価した。これらの結果も表1に示した。
通気度は、図3に示されているような測定装置を用いて測定した。まず、内径15mmで、測定孔A及び測定孔Bがほぼ対抗する位置に、φ10mmの円形で設けられた測定治具7に、トナー供給ローラ1を圧入する。これを測定孔Bが真空ポンプ11に繋がるチャンバー6に圧接するように固定する。次いで、測定孔A以外が大気開放にならないよう密閉用治具8で密閉した後、真空ポンプ11を作動させる。この時、で測定孔Bから空気を吸引する。減圧調整バルブを調整して圧力計9が大気との差圧125Paを示すように吸引側の真空度を調整する。この状態で、流量計10で通気値(l/min)を読み取り、測定孔Aの面積(0.785cm2)で除算して、通気度(l/cm2/min)を求める。また、測定ポイントは、軸方向に3ヶ所、各軸方向において周方で90度毎に4ヶ所、計12ヶ所を測定し、平均値を当該トナー供給ローラの径方向の通気度とする。また、評価基準は下記によった。
○:径方向の通気度が2.5l/cm2/min以上
×:径方向の通気度が2.5l/cm2/min未満
○:径方向の通気度が2.5l/cm2/min以上
×:径方向の通気度が2.5l/cm2/min未満
比較例1〜7
成分(A)、成分(B)及び触媒を表2のように変えて、表面層用混合物を得、上記実施例と同様にして、エア・クラッシング用トナー供給ローラを作製した。なお、比較例6及び7では、成分(A)又は成分(B)が本発明の範囲外のものであるため、うまく成形できなった(クリームタイムは測定していない)。
成分(A)、成分(B)及び触媒を表2のように変えて、表面層用混合物を得、上記実施例と同様にして、エア・クラッシング用トナー供給ローラを作製した。なお、比較例6及び7では、成分(A)又は成分(B)が本発明の範囲外のものであるため、うまく成形できなった(クリームタイムは測定していない)。
作製できたエア・クラッシング用トナー供給ローラについて、比較例1、3及び4はエア・クラッシング処理せず、また、比較例2及び5では表2に示す条件でエア・クラッシング処理して、径方向の通気度を測定した。用いた表面層用混合物のクリームタイムと共に表2に示した。
上記表に見られるように、実施例1〜7では、本発明の範囲内の材料を使用し、エア・クラッシン処理を実施しているので、トナー供給ロ−ラは径方向の通気度が充分高められている。これに対し、比較例1〜5では、本発明の範囲外の材料を使用するか、エア・クラッシング処理を実施していないため、径方向の通気度が劣る結果となっている。また、比較例6、7ではトナー供給ローラとして有用な表面層を形成することができなった。
1 トナー供給ローラ
2 芯金
3 表面層(ポリウレタンフォーム層)
4 エア・ノズル
5 高圧エア
6 チャンバー
7 通気度測定用治具
8 密閉用治具
9 圧力計
10 流量計
11 真空ポンプ
2 芯金
3 表面層(ポリウレタンフォーム層)
4 エア・ノズル
5 高圧エア
6 チャンバー
7 通気度測定用治具
8 密閉用治具
9 圧力計
10 流量計
11 真空ポンプ
Claims (5)
- 芯金上にウレタン発泡体層(表面層)を形成するトナー供給ローラの製造方法であって、
少なくとも下記成分(A)、成分(B)及び触媒を含有する、クリームタイムが15秒乃至30秒である原料を芯金上に発泡硬化した後、形成された発泡体層の表面に高圧エアを吹き付けてクラッシング処理することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法。
成分(A):末端にエチレンオキシドが付加された共重合体であり、エチレンオキシドの含有量が全体の5質量%以上で、かつ、質量平均分子量が3000乃至10000であるポリエーテルポリオール。
成分(B):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその誘導体を3質量%乃至35質量%含有するポリイソシアネート。 - 前記触媒が、N−メチルモルホリン又はN−エチルモルホリンである請求項1に記載のトナー供給ローラの製造方法。
- 前記クラッシング処理が、ローラ表面から5mm乃至30mmの距離に位置し、ローラ直径の1/10乃至1/4の口径を有するエア・ノズルを、ローラの軸方向に、0.2MPa乃至1.0MPaの高圧エアを移動させながら吹き付けることである請求項1又は2に記載のトナー供給ローラの製造方法。
- 径方向の通気量が、125Pa減圧下で、2.5l/cm2/min以上6.5l/cm2/min以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー供給ローラの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたトナー供給ローラ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007133922A JP2008287147A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | トナー供給ローラの製造方法及びトナー供給ローラ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008307777A (ja) * | 2007-06-14 | 2008-12-25 | Canon Chemicals Inc | ポリウレタンフォームローラの製造方法及びその製造方法により製造されたポリウレタンフォームローラ |
JP2011112954A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Tokai Rubber Ind Ltd | 電子写真機器用トナー供給ロール |
-
2007
- 2007-05-21 JP JP2007133922A patent/JP2008287147A/ja not_active Withdrawn
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