JP5299904B2 - 積層電子部品の内部電極用導体ペーストおよびそれを用いた積層電子部品 - Google Patents
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1.導電性粉末、樹脂バインダおよび溶剤を主成分とし、樹脂バインダとしてエチルセルロース系樹脂を含む、積層電子部品の内部電極用導体ペーストにおいて、
前記導体ペーストが、セラミックシートに印刷し、乾燥して得た乾燥膜の表面粗さ(Ra)が0.06μm以下の内部電極乾燥膜を有するセラミックシートを複数枚積層し、圧着し、所定の形状に切断し、焼成する各工程を有する積層電子部品の製造に供されるものであり、
前記樹脂バインダとして、前記エチルセルロース系樹脂と、ブチラール樹脂と、を配合比率が重量比で95:5〜60:40の範囲になるように併用することを特徴とする内部電極用導体ペースト。
2.更に高級脂肪酸系または高級脂肪酸エステル系の界面活性剤を含むことを特徴とする、前記1に記載の内部電極用導体ペースト。
3.前記導電性粉末が、ニッケルおよび/または銅を主成分とするものであることを特徴とする、前記1または2に記載の内部電極用導体ペースト。
4.前記1乃至3のいずれかに記載の内部電極用導体ペーストを用いて内部電極を形成したことを特徴とする積層電子部品。
本発明において用いられる導電性粉末は、特に制限はない。例えばニッケル、銅、コパルト、銀、パラジウム、白金等の金属粉末や、これらを含む合金粉末などが用いられる。単体の金属粉末のほか、前記金属を含む合金粉末や、複合粉末を使用してもよい。また金属粉末表面に金属酸化物、ガラス、セラミックなどの無機材料を存在させた金属−無機複合粉末や、金属酸化物、ガラス、セラミックなどの無機粉末に導電性金属を被覆した金属−無機複合粉末を用いることもできる。これらの導電性粉末を2種以上混合して用いてもよい。
本発明の導体ペーストには、この他通常添加されることのある可塑剤、分散剤、界面活性剤等を適宜配合することができる。特に、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の高級脂肪酸やこれらの脂肪酸のエステルを、その構造の中に有する界面活性剤を配合すると、本発明の効果をより高めるので好ましい。このような界面活性剤は、各々のバインダ樹脂と導電性粉末の分散性を向上させることにより、樹脂同士の相溶性が比較的悪いバインダ樹脂を用いた場合でも、バインダ樹脂と導電性粉末の分離現象や、導電性粉末同士の凝集を防止する効果を有している。
また、本発明の積層電子部品は、本発明の内部電極用導体ペーストを用いて、通常の積層部品と同様の方法で製造される。
〔実施例1〕
平均粒径0.2μmの球状の高結晶性ニッケル粉末100重量部に対し、セラミック粉末を20重量部配合した無機粉末を、エチルセルロース4.0重量部、ポリビニルブチラール樹脂1.0重量部、高級脂肪酸エステル系界面活性剤1.0重量部、高級脂肪酸系界面活性剤0.5重量部および溶剤100重量部と混合し、3本ロールミルを使用して混練して、導体ペーストを作製した。なおセラミック粉末は、本実施例でコンデンサの誘電体層を形成するのに使用されるものと同一組成のセラミック粉末である(以下「共材」という。)。溶剤はテルピネオールおよび脂肪族炭化水素系溶剤からなるものである。
垂直方向にほぼ全ての内部電極の位置が揃っているものを◎、若干の位置ずれはあるものの特性に影響しない程度であるものを〇、ずれが大きく、側面から内部電極が露出しているものを×とした。
〔参考例1〜3〕
実施例1と同様にして、表1に示す組成の導体ペーストを作製した。同様にして、圧着性、脱バインダ性を調べ、Raの値と共に表1に示した。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして、表1に示す組成の導体ペーストを作製した。同様にして、圧着性、脱バインダ性を調べ、Raの値と共に表1に示した。
〔実施例2〜3、比較例2〜3〕
エチルセルロース系樹脂とポリビニルブチラール樹脂の比率を、表2のように変化させる以外は実施例1と同様にして、導体ペーストを作製した。圧着性、脱バインダ性を調べ、Raの値と共に表2に示した。
Claims (4)
- 導電性粉末、樹脂バインダおよび溶剤を主成分とし、樹脂バインダとしてエチルセルロース系樹脂を含む、積層電子部品の内部電極用導体ペーストにおいて、
前記導体ペーストが、セラミックシートに印刷し、乾燥して得た乾燥膜の表面粗さ(Ra)が0.06μm以下の内部電極乾燥膜を有するセラミックシートを複数枚積層し、圧着し、所定の形状に切断し、焼成する各工程を有する積層電子部品の製造に供されるものであり、
前記樹脂バインダとして、前記エチルセルロース系樹脂と、ブチラール樹脂と、を配合比率が重量比で95:5〜60:40の範囲になるように併用することを特徴とする内部電極用導体ペースト。 - 更に高級脂肪酸系または高級脂肪酸エステル系の界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の内部電極用導体ペースト。
- 前記導電性粉末が、ニッケルおよび/または銅を主成分とするものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の内部電極用導体ペースト。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の内部電極用導体ペーストを用いて内部電極を形成したことを特徴とする積層電子部品。
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