JP5298718B2 - 生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核酸増幅などの生体試料反応を行うための、生体試料反応用チップ、生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置、および生体試料反応用チップに反応液を充填する方法に関するものである。
ガラス基板等に微細流路が設けられたマイクロ流体チップを使用して、化学分析や化学合成、あるいはバイオ関連の分析などを行う方法が注目されている。マイクロ流体チップは、マイクロTotal Analytical System (マイクロTAS)や、Lab-on-a-chip等とも呼ばれ、従来の装置に比較して試料や試薬の必要量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ないなどのメリットがあり、医療診断、環境や食品のオンサイト分析、医薬品や化学品などの生産等、広い分野での利用が期待されている。試薬の量が少なくてよいことから、検査のコストを下げることが可能となり、また、試料および試薬の量が少ないことにより、反応時間も大幅に短縮されて検査の効率化が図れる。特に、医療診断に使用する場合には、試料となる血液など検体を少なくすることができるため、患者の負担を軽減できるというメリットもある。
試料として用いるDNAやRNAなどの遺伝子を増幅する方法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法がよく知られている。PCR法は、ターゲットのDNAと試薬を混合したものをチューブに入れ、サーマルサイクラーという温度制御装置で、例えば55℃、72℃、94℃の3段階の温度変化を数分の周期で繰り返し反応させるもので、ポリメラーゼという酵素の作用により温度サイクル1回あたり、約2倍にターゲットDNAだけを増幅することができる。
近年、特殊な蛍光プローブを用いたリアルタイムPCRという方法が実用化され、増幅反応を行いながらDNAの定量ができるようになった。リアルタイムPCRは、測定の感度、信頼性が高いことから、研究用、臨床検査用に広く使われている。
しかし、従来の装置では、PCRに必要な反応液の量は数十μlが標準的であり、また、1つの反応系では基本的に1つの遺伝子の測定しかできないという問題があった。蛍光プローブを複数入れてその色で区別することにより4種類程度の遺伝子を同時に測定する方法もあるが、それ以上の遺伝子を同時に測定するためには反応系の数を増やすしかなかった。検体から抽出されるDNAの量は一般に少量であり、また試薬も高価なため同時に多数の反応系を測定することは困難であった。
特許文献1や2には、回転駆動装置を使用して、PCR反応溶液や血液などの液状の検体試料を複数のチャンバに正確に流し込む発明が開示されている。
また、特許文献3には、半導体基板上に集積化されたマイクロウェルを作製して、当該ウェルの中でPCRを行うことにより、微量のサンプルで、多数のDNA試料を一度に増幅して解析を行う方法が開示されている。
特開2006−126010号公報 特開2006−126011号公報 特開2000−236876号公報
本発明の目的は、微量な反応液での反応処理が可能であり、また一度に多くの検体の処理を効率よく行うことが可能な、生体試料反応用チップ、生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置、および生体試料反応用チップに反応液を充填する方法を提供することである。
本発明に係る生体試料反応用チップは、複数の反応容器と、各々の前記反応容器に接続された反応液導入用流路と、前記反応液導入用流路に接続された反応液収容部と、前記反応液導入用流路に接続された廃液収容部と、を備え、前記複数の反応容器、前記反応液導入用流路、及び前記反応液収容部は第1の層に形成され、前記廃液収容部は第2の層に形成されているものである。
本発明によれば、遠心力を用いて反応液導入用流路を通して反応容器内に反応液を供給するのに適しており、ピペットで定量することが難しい非常に少量の反応液での反応処理が可能となる。反応液の量が少量になると、試薬等のコストを下げることが可能となり、また、反応時間も大幅に短縮されて処理の効率化が図れる。また、一度に多数の反応容器内で処理を行うことができるため、多種類の検査等を効率よく行うことができる。
また、反応液導入用流路と反応容器に反応液を充填した後、反応液導入用流路内の反応液を廃液収容部に送出するようにしたので、個々の反応容器を分離することができるため、反応容器間でのコンタミネーションを防ぐことができる。
また、前記第1の層は第1の基板に形成され、前記第2の層は第2の基板に形成されていることが望ましい。
これにより、生体試料反応用チップを容易に形成することができる。
また、各々の前記反応容器には、反応に必要な試薬が塗布されていることが望ましい。
これにより、使用者は、反応液を充填するだけで簡易に検査等を行うことができる。
本発明に係る遠心装置は、上記の生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置であって、前記生体試料反応用チップを装着可能な被回転部と、前記被回転部を回転軸の周りに回転させる回転手段と、を備え、前記被回転部は、前記生体試料反応用チップを前記回転軸から見て前記第1の層が外側になる向きと、前記第2の層が外側になる向きの両方に装着可能であり、前記生体試料反応用チップを前記被回転部に装着した際、前記生体試料反応用チップが前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ傾斜しており、0°<θ<90°であることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な方法で上記の生体試料反応用チップに効率良く反応液を充填することができる。
また、前記被回転部は、前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から見て前記第1の層が外側になる向きから前記第2の層が外側になる向きへ反転させる反転手段を備えていることが望ましい。
これにより、生体試料反応用チップへの反応液の充填を効率的に行うことができる。
本発明に係る遠心装置は、上記の生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置であって、前記生体試料反応用チップを装着可能な被回転部と、前記被回転部を回転軸の周りに回転させる回転手段と、を備え、前記被回転部は、前記生体試料反応用チップを前記回転軸から見て前記第1の層が外側になる向きに装着可能であり、前記生体試料反応用チップを前記被回転部に装着した際、前記生体試料反応用チップの前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対する角度θを−90°≦θ≦90°の範囲で任意に設定可能なものである。
本発明によれば、簡易な方法で上記の生体試料反応用チップに効率良く反応液を充填することができる。
本発明に係る生体試料反応用チップに反応液を充填する方法は、前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ傾斜させると共に、前記回転軸から見て前記第1の層が外側になるように配置し、遠心力により前記反応液収容部内の前記反応液を前記反応液導入用流路と前記反応容器に充填する第1の工程と、前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ傾斜させると共に、前記回転軸から見て前記第2の層が外側になるように配置し、遠心力により、前記反応液導入用流路内の反応液を前記廃液収容部に送出する第2の工程と、を有し、0°<θ<90°であることを特徴とする。
本発明によれば、遠心力を用いて反応液導入用流路を通して反応容器内に反応液を供給するのに適しており、ピペットで定量することが難しい非常に少量の反応液での反応処理が可能となる。反応液の量が少量になると、試薬等のコストを下げることが可能となり、また、反応時間も大幅に短縮されて処理の効率化が図れる。また、一度に多数の反応容器内で処理を行うことができるため、多種類の検査等を効率よく行うことができる。
また、反応液導入用流路と反応容器に反応液を充填した後、反応液導入用流路内の反応液を廃液収容部に送出するようにしたので、個々の反応容器を分離することができるため、反応容器間でのコンタミネーションを防ぐことができる。
本発明に係る生体試料反応用チップに反応液を充填する方法は、前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ1傾斜させると共に、前記回転軸から見て前記第1の層が外側になるように配置し、遠心力により前記反応液収容部内の前記反応液を前記反応液導入用流路と前記反応容器に充填する第1の工程と、前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ2傾斜させると共に、前記回転軸から見て前記第1の層が外側になるように配置し、遠心力により前記反応液導入用流路内の反応液を前記廃液収容部に送出する第2の工程と、を有し、0°<θ1<90°かつ−90°<θ2<0°であることを特徴とする。
本発明によれば、遠心力を用いて反応液導入用流路を通して反応容器内に反応液を供給するのに適しており、ピペットで定量することが難しい非常に少量の反応液での反応処理が可能となる。反応液の量が少量になると、試薬等のコストを下げることが可能となり、また、反応時間も大幅に短縮されて処理の効率化が図れる。また、一度に多数の反応容器内で処理を行うことができるため、多種類の検査等を効率よく行うことができる。
また、反応液導入用流路と反応容器に反応液を充填した後、反応液導入用流路内の反応液を廃液収容部に送出するようにしたので、個々の反応容器を分離することができるため、反応容器間でのコンタミネーションを防ぐことができる。
また、前記第2の工程において、遠心力により、前記反応液導入用流路内の反応液を前記廃液収容部に送出すると同時に、前記反応液収容部内に収容された前記反応液と混和せず比重が前記反応液より小さい液体を前記反応液導入用流路に充填することが望ましい。
これにより、個々の反応容器を分離して、反応容器間でのコンタミネーションを防止することができると共に、反応処理中に反応容器内が乾燥することを防止することもできる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1(A)は、本発明の実施の形態1によるマイクロリアクターアレイ(生体試料反応用チップ)10の概略構成を示す上面図、図1(B)は図1(A)のC−C断面図である。図に示すように、マイクロリアクターアレイ10は、透明基板101,102,103、反応容器104、反応液導入用流路105、廃液収容部106、反応液収容部107、反応液導入用流路105と廃液収容部106を接続する流路108、反応液供給口109を備えている。
図1に示すように、マイクロリアクターアレイ10は、透明基板101,102,103を貼り合わせて構成されている。透明基板101には、複数の反応容器104、反応液導入用流路105、反応液収容部107、反応液供給口109が形成されている。透明基板102には、廃液収容部106、流路108が形成されている。透明基板101,102,103は例えば樹脂基板とすることができ、各部は例えば射出成型により形成することができる。
反応容器104は、例えば直径500μmの円形状で、深さ100μmに形成されている。反応液導入用流路105は、反応液の流れる方向に垂直な断面が、幅200μm、深さ100μmに形成されている。隣り合う反応容器104間の距離は、反応容器104間での反応液の混合を防止できるように十分に確保されている。なお、反応容器104、及び反応液導入用流路105は、気泡の吸着を防止するため内壁面が親液性となるように表面処理を施しておくことが望ましい。また、反応容器104、及び反応液導入用流路105の内壁面にはタンパク質などの生体分子の非特異吸着を抑制する表面処理が施されていることが望ましい。
廃液収容部106は、反応液導入用流路105と流路108を介して接続されている。廃液収容部106には、後述するように、反応液導入用流路105に充填された反応液が排出されるため、反応液導入用流路105の容積よりも大きな容積を有していればよい。流路108は透明基板102を垂直に貫通するように設けられている(図中φ=90°)。
また、透明基板101,102,103の互いに接触する面が撥液性を有するように表面処理を施したり、接触面にシール性を持たせたりすることにより、反応容器104から反応液が漏れ、基板表面を伝わって別の反応容器104に入ることを防ぐことができる。具体的には接触面をシリコーンゴムやフッ素樹脂でコートするなどの方法が考えられる。
次に、マイクロリアクターアレイ10に反応液を充填する方法を説明する。まず、反応液供給口109から、ピペット等を用いて反応液収容部107に反応液を供給する。
反応液には、ターゲット核酸、ポリメラーゼ、及びヌクレオチド(dNTP)が反応に適した所定の濃度で含まれている。
ターゲット核酸は、例えば血液、尿、唾液、髄液のような生体サンプルから抽出したDNA、または抽出したRNAから逆転写したcDNAなどを用いることができる。
プライマーは反応液に含まれていてもよいが、本実施例のマイクロリアクターアレイでは、各反応容器104内に、予め塗付され乾燥状態で収容されている。それぞれの反応容器104には、異なるプライマーが塗付されており、同時に多数のPCRが行えるようになっている。
次に、マイクロリアクターアレイ10を図2A,図2Bに示すような遠心装置50を用いて回転させる。図2Aは遠心装置50を横から見た図、図2Bは遠心装置50を上から見た図である。
図2A,図2Bに示すように、遠心装置50は、マイクロリアクターアレイ10を装着可能なホルダ(被回転部)51、回転モータ(回転手段)52を備える。ホルダ51は、回転軸Oからマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対して角度θ傾斜している。このため、ホルダ51に装着されたマイクロリアクターアレイ10も回転軸Oからマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対して角度θ傾斜する。ここではθ=45°である。なお、θは、0°<θ<90°の範囲であればよい。
図3は、遠心装置50のホルダ51に装着したマイクロリアクターアレイ10を上から見た図、図4は、ホルダ51に装着したマイクロリアクターアレイ10の横断面図であり、図4(A)〜図4(C)は、それぞれ図3(A)〜図3(C)のD−D断面に相当する。
まず、図3(A)及び図4(A)に示すように、回転軸Oから見て透明基板101が外側になるようにマイクロリアクターアレイ10をホルダ51に装着し回転する。これにより、反応液収容部107から反応容器104へ向かう方向に遠心力がかかり、反応液収容部107内の反応液が反応液導入用流路105を充填しながら進んで反応容器104を充填する。反応液よりも比重の軽い空気は反応液導入用流路105内へ押し出され、反応液と入れ替わることにより、反応容器104が反応液で満たされる。
この時、反応液は廃液収容部106へは送出されない。これは、図4(A)に示すように、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう流路108の方向が遠心力の方向(図中矢印F)に対して135度の角度をなしているため、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう方向の遠心力成分が0以下となるからである。
なお、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう流路108の方向と遠心力の方向のなす角度が90度以上180度以下であれば、反応液は廃液収容部106へ送出されない。よって、θ=45°の場合には、図1(B)に示す透明基板102と流路108の成す角度φが45°<φ≦135°の範囲であれば、反応液は廃液収容部106へ送出されない。
以上のように、反応液が廃液収容部106の方へ流れていかないため、すべての反応容器104に効率よく反応液を充填することができ、回転後は図3(B)及び図4(B)に示すように、すべての反応容器104と反応液導入用流路105に反応液が充填された状態となる。
次に、遠心装置50の回転を一端停止し、今度は図3(C)及び図4(C)すように、回転軸Oから見て透明基板103が外側になるようにマイクロリアクターアレイ10をホルダ51に装着し回転する。これにより、今度は反応液導入用流路105内の反応液が廃液収容部106に送出される。これは、図4(C)に示すように、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう流路108の方向が、遠心力の方向(図中矢印F)に対して45度の角度をなしているため、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう方向の遠心力成分が0以上となるからである。なお、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう流路108の方向と遠心力の方向のなす角度が0度以上かつ90度より小さければ、反応液は廃液収容部106へ送出される。よって、θ=45°の場合には、図1(B)に示す透明基板102と流路108の成す角度φが45°<φ≦135°の範囲であれば、反応液は廃液収容部106へ送出される。なお、反応液導入用流路105内の反応液は廃液収容部106へ送出されるが、反応容器104内の反応液は反応容器104内に留まる。
このように、反応液導入用流路105内の反応液を廃液収容部106に送出することにより、各反応容器104を分離することができる。
なお、図3(C)及び図4(C)に示す状態で回転する際、予め反応液供給口109から、ピペット等を用いて反応液収容部107にミネラルオイルを供給しておくようにしてもよい。この状態でマイクロリアクターアレイ10を回転させると、反応液導入用流路105にミネラルオイルが充填される。この時、反応液の比重がミネラルオイルよりも重いので、反応容器104内の反応液はミネラルオイルと入れ替わらない。これにより、個々の反応容器104を分離して、反応容器104間でのコンタミネーションを防止することができる。また、反応処理中に、反応容器104内が乾燥することを防止することもできる。なお、ミネラルオイルの代わりに反応液よりも比重が軽く、反応液と混和せず反応液よりも蒸発しにくい液体を用いても良い。また、一旦、図3(C)及び図4(C)に示す状態で回転を行って反応液導入用流路105内の反応液を廃液収容部106に送出した後で、反応液収容部107にミネラルオイルを供給し、再度遠心装置50を回転させてもよい。
以上のような手順でマイクロリアクターアレイ10に反応液を供給したら、次にPCR処理(生体試料反応処理)を行う。具体的には、マイクロリアクターアレイ10の開口部をシールした後、マイクロリアクターアレイ10をサーマルサイクラーに設置してPCR処理を行う。一般的には、まず、94℃で2本鎖DNAを解離させる工程を実行し、次に、プライマーを約55℃でアニーリングする工程を実行し、次に耐熱性のDNAポリメラーゼを使用して約72℃で相補鎖の複製を行う工程を含むサイクルを繰り返す。
また、マイクロリアクターアレイ10を用いてリアルタイムPCRを行う場合には、あらかじめ反応容器103の内壁にはPCR反応に用いるプライマーと蛍光プローブを塗布しておき、1サイクル毎にCCDセンサ等を用いて蛍光強度を測定する。特定の蛍光強度に到達したサイクル数から、初期のターゲット核酸の量を算出測定する。なお、リアルタイムPCRの実施方法は上記のものに限られない。例えば、SYBR(登録商標)Greenのような二本鎖結合蛍光色素を用いる場合には、蛍光プローブは不要である。
以上のように、実施の形態1によれば、遠心力を利用して、反応液導入用流路105を通して反応容器104内に反応液を供給することにより、ピペットで定量することが難しい非常に少量の反応液での反応処理が可能となる。また、一度に多数の反応容器104内で処理を行うことができるため、多種類の検査等を効率よく行うことができる。
また、遠心力により、反応液導入用流路105と反応容器104に反応液を充填した後、遠心力のかかる向きを変えて、再度遠心力により、反応液導入用流路105内の反応液を廃液収容部106に送出するようにしたので、反応処理時には個々の反応容器104を分離することができるため、反応容器間でのコンタミネーションを防ぐことができる。
なお、実施の形態1では、マイクロリアクターアレイ10をリアルタイムPCR反応用の反応装置として用いたが、遺伝子や生体試料を用いた様々な反応に利用することができる。例えば、特定のタンパク質を特異的に捕捉(例えば、吸着、結合等)する抗原、抗体、レセプター、酵素等のタンパク質、ペプチド(オリゴペプチド)等を反応容器104内に塗布しておき、反応液からターゲットのタンパク質を検出する処理等に用いることもできる。
(変形例)
図5は、実施の形態1の変形例による遠心装置60を上から見た図である。遠心装置60は、マイクロリアクターアレイ10を装着可能なホルダ(被回転部)61、回転モータ(回転手段)52、ホルダ61を180度回転させるための回転軸63を備える。図2A,図2Bに示す遠心装置50と同様に、ホルダ61は遠心装置60の回転軸からマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対して角度θ傾斜している。このため、ホルダ61に装着されたマイクロリアクターアレイ10も遠心装置60の回転軸からマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対して角度θ傾斜する。ここではθ=45°である。なお、θは、0°<θ<90°の範囲であればよい。ホルダ61はマイクロリアクターアレイ10を装着した状態で回転軸63を軸として反転可能に構成されている。なお、ホルダ61の反転は、反転手段(図示せず)により自動的に行うことができる。
図6は、遠心装置60のホルダ61にマイクロリアクターアレイ10を装着した状態を上から見た図である。図に示すように、マイクロリアクターアレイ10を装着した状態でホルダ61を回転軸63の周りに反転させることにより、透明基板101が遠心装置60の回転軸の外側になる状態から透明基板103が外側になる状態にすることができる。また、図7に示すように、回転軸63の反対側にもホルダ61aを設けておくことにより、重心のバランスもとることができる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による遠心装置70を横から見た図である。遠心装置70は、マイクロリアクターアレイ10を装着可能なホルダ(被回転部)71、回転モータ(回転手段)52、ヒンジ73を備えている。ヒンジ73は、遠心装置70の回転軸Oからマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対するホルダ71の角度θを−90°≦θ≦90°の範囲で動かすことを可能にする。ホルダ71に装着されたマイクロリアクターアレイ10も回転軸Oからマイクロリアクターアレイ10に向かう方向に対して角度θ傾斜する。なお、ホルダ71の傾斜角度θは、角度制御手段(図示せず)により自動的に変えることができる。
実施の形態2では、まず、回転軸Oから見て透明基板101が外側になるようにマイクロリアクターアレイ10をホルダ71に装着し、θ=45°にして回転する。なお、θは、0°<θ<90°の範囲であればよい。これにより、反応液収容部107から反応容器104へ向かう方向に遠心力がかかり、反応液収容部107内の反応液が反応液導入用流路105を充填しながら進んで反応容器104を充填する。この時、反応液は廃液収容部106へは送出されない。これは、実施の形態1と同様に、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう流路108の方向が遠心力の方向に対して135度の角度をなしているため、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう方向の遠心力成分が0以下となるからである。
次に、遠心装置70の回転を一端停止し、今度はθを−90°<θ<0°の範囲に設定して回転する。これにより、今度は反応液導入用流路105内の反応液が廃液収容部106に送出される。これは、反応液導入用流路105から廃液収容部106へ向かう方向の遠心力成分が0以上となるからである。なお、反応液導入用流路105内の反応液は廃液収容部106へ送出されるが、反応容器104内の反応液は反応容器104内に留まる。このように、反応液導入用流路105内の反応液を廃液収容部106に送出することにより、各反応容器104を分離することができる。
図1(A)は、本発明の実施の形態1によるマイクロリアクターアレイの概略構成を示す上面図、図1(B)は図1(A)のC−C断面図。 図2Aは、本発明の実施の形1による遠心装置を横から見た図である。 図2Bは、遠心装置を上から見た図である。 遠心装置のホルダに装着したマイクロリアクターアレイを上から見た図。 遠心装置のホルダに装着したマイクロリアクターアレイの横断面図。 実施の形態1の変形例による遠心装置を上から見た図。 実施の形態1の変形例による遠心装置のホルダにマイクロリアクターアレイを装着した状態を上から見た図。 実施の形態1の変形例による遠心装置を上から見た図。 本発明の実施の形態2による遠心装置を横から見た図。
符号の説明
10 マイクロリアクターアレイ、101,102,103 透明基板、104 反応容器、105 反応液導入用流路、106 廃液収容部、107 反応液収容部、108 流路、109 反応液供給口、50,60,70 遠心装置、51,61,71 ホルダ、52 回転モータ、63 回転軸、73 ヒンジ

Claims (2)

  1. 生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置であって、
    前記生体試料反応用チップは、
    複数の反応容器と、
    各々の前記反応容器に接続された反応液導入用流路と、
    前記反応液導入用流路に接続された反応液収容部と、
    前記反応液導入用流路に接続された廃液収容部と、を備え、
    前記複数の反応容器、前記反応液導入用流路、及び前記反応液収容部は第1の層に形成され、
    前記廃液収容部は第2の層に形成され、
    前記第1の層は第1の基板に形成され、
    前記第2の層は第2の基板に形成され、
    各々の前記反応容器には、反応に必要な試薬が塗布され、
    前記遠心装置は、
    前記生体試料反応用チップを装着可能な被回転部と、
    前記被回転部を回転軸の周りに回転させる回転手段と、を備え、
    前記被回転部は、前記生体試料反応用チップを前記回転軸から見て前記第1の層が外側になる向きと、前記第2の層が外側になる向きの両方に装着可能であり、
    前記生体試料反応用チップを前記被回転部に装着した際、前記生体試料反応用チップが前記回転軸から前記生体試料反応用チップに向かう方向に対して角度θ傾斜しており、
    0°<θ<90°であることを特徴とする遠心装置。
  2. 前記被回転部は、
    前記生体試料反応用チップを、前記回転軸から見て前記第1の層が外側になる向きから前記第2の層が外側になる向きへ反転させる反転手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の遠心装置。
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