JP4458253B2 - 検体試料用マイクロチップ - Google Patents

検体試料用マイクロチップ Download PDF

Info

Publication number
JP4458253B2
JP4458253B2 JP2004314653A JP2004314653A JP4458253B2 JP 4458253 B2 JP4458253 B2 JP 4458253B2 JP 2004314653 A JP2004314653 A JP 2004314653A JP 2004314653 A JP2004314653 A JP 2004314653A JP 4458253 B2 JP4458253 B2 JP 4458253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
channel
dispensing
specimen
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004314653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006126011A (ja
Inventor
正昭 小林
央 市川
栄一 民谷
Original Assignee
有限会社バイオデバイステクノロジー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社バイオデバイステクノロジー filed Critical 有限会社バイオデバイステクノロジー
Priority to JP2004314653A priority Critical patent/JP4458253B2/ja
Publication of JP2006126011A publication Critical patent/JP2006126011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4458253B2 publication Critical patent/JP4458253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、化学反応・生化学反応や血液検査など、微量の反応液や検体試料を定量かつ簡便に配置し、検査するための検体試料用マイクロチップに関する。
例えば、極微量の試料から標的とする遺伝子(DNA)などを検出・診断する場合などに使用される検体試料用マイクロチップは、内部に検査目的に応じた特定形状の微少断面積の流路(チャンネルパターン)を有し、例えば、フロー形状の入力ポート部より被検体をチャンネルパターン内に送液し、遺伝子増幅反応などによって所定の医学的評価を行い、あるいは、チャンネルパターンに検体試料を充填して電圧を印可したときに生じる検体試料の反応によって所定の評価を行う際に使用される。検体試料用マイクロチップは、ポリマー基板に微細な金型を用いてのホットエンボス加工や射出成形等によってチャンネルパターンを形成し、チャンネルパターンを形成したポリマー基板に対し、シート状または板状のポリマー被覆基板を貼着することによってチャンネルパターンを内部に封入する構造のものや、チャンネルパターンを形成したポリマーシートを一対のポリマー被覆基板で挟み込む構造のものなどがある。
特開平8−62225号公報 特開2002−340911号公報 特表2003−185627号公報 特開2003−166975号公報
特許文献1には、検体試料を受け入れる試料チャンバや廃物チャンバなどを有し、所定の流路を形成した検体試料用マイクロチップ(試験ユニット)が開示されると共に、試料チャンバから廃物チャンバへの方向に向けて検体試料に遠心力が加わるように軸線を中心に回転させて検定を行う方法と、遠心力を加えるための装置が開示されている(その図1や図2を参照)。特許文献2には、複数枚の可撓性シートを積層させた積層体の内部に検体を入れるなどの第1から第3の空隙部を有する検体試料用マイクロチップが開示されると共に、この検体試料用マイクロチップの検体に遠心力を加える回転駆動手段と、遠心分離した検体を移動させる移動手段などが開示されている。特許文献3には、分離用チャンネルと、導入用チャンネルとを有する電気泳動用検体試料用マイクロチップと、先端に複数本のピペッタチップ70が装着された多連ピペッタ機構と、これをXY方向などに稼動させることが可能な電気泳動作装置が開示されている(その図2や図4を参照)。特許文献4は、長方形状のチップにおいて、一側面側から対向する他側面側に向かって複数の流路となるチャンネルパターンが形成されている。
しかしながら、上記検体試料用マイクロチップは所定のチャンネルパターンが複数の流路として形成されているが、上記のような回転装置では、検体試料用マイクロチップを遠心分離装置の搭載位置に正確に配置させる必要があり、その位置が若干ずれると所定の位置(廃棄チャンバなど)までに検体試料を流し込むことができず、偏りやときには逆流が生じる問題を有していた。特に、チャンネルパターンの数が増加することにより流路の幅が狭くなると所定の位置(廃棄チャンバなど)までに検体試料を流し込むことは一層困難になる。特許文献1の検体試料用マイクロチップ(試験ユニット)は、複数のチャンネルパターンに一つ一つPCR反応溶液などの検体試料を注入させる必要があると共に、試料チャンバや廃棄チャンバの大きさや流路などの設定を細かく設定する必要もあり、更に、これを回転装置で回転させても所定の位置(廃棄チャンバなど)までに検体試料を流し込むことができない場合が生じている。すなわち、放射状の複数のチャンネルパターンがその中心から僅かにずれて形成されている場合、上記のように検体試料用マイクロチップを回転駆動装置の搭載位置に正確に配置されていない場合や、回転駆動手段であるモータの軸のブレなどにより検体試料を均一に流し込むことができない場合が生じている。また、従来の検体試料用マイクロチップを使用して検定するためには、大型で高価なスポッタ装置(上記多連ピペッタ機構)を必要とするとともに、これをXY方向などに精密に移動させる機構が必要であり、場所と設備が大掛かりとなり、高価である問題を有していた。
そこで本発明の目的は、従来の回転駆動装置を使用して、PCR反応溶液や血液などの液状の検体試料を複数のチャンバに正確に流し込むことができ、従来の大型で高価なスポッタ装置を必要としなくなる検体試料用マイクロチップを提供することにある。
本発明の請求項1記載の検体試料用マイクロチップは、回転駆動装置により、液状の検体試料の流路となるチャンネルパターンが形成された検体試料用マイクロチップを回転させて使用する検体試料用マイクロチップにおいて、チャンネルパターンは、このチップの中心部に検体試料を注入する入力ポートから連続する円周状又は円弧状の流路と、この円周状又は円弧状の流路上であってこの流路よりも広幅に形成された分注用チャネルと、この分注用チャネルとこれよりも狭い連結用の流路を介して連続して検体試料を検査する部分となる検出用チャンバとを備え、上記分注用チャネルは、検出用チャンバに検体試料を切り離すように分けて注入するときにその分注量を定量化するものであり、前記検出用チャンバは、前記分注用チャネルの外周側に放射状に位置するように同心円上に配置され、上記各チャンネルは、その両端部のチャンネルの間隔以外は等間隔で形成され、両端部には、入力ポートと空気穴が形成され、前記分注用チャネルは、検出用チャンバとほぼ同じ大きさであり、前記円周状又は円弧状の流路と分注用チャンネルに液状の検体試料を注入した後に、これを回転駆動装置に搭載させて回転させることを特徴とする。
本発明によれば、入力ポートから検体試料を注入して、所定の回転装置の回転盤に搭載して回転駆動をかければ、チャンネルパターンの分注量を定量するための分注用チャネルが円周状又は円弧状の流路上に形成されていることから、円周状の流路に広がると共に、この広がりにより検出用チャンバに検体試料を切り離すように分けて注入する分注が行われることとなる。
また、本発明によれば、入力ポートから注入された検体試料が分注用チャネルに配置され、その後、所定の回転を与えると、放射状の広がりを見せて、外周に向かう流路よりも広く形成されている検出用チャンバに一定量の検体試料ごとにチャネルパターンから切り離すようにして検出用チャンバに均一に分注させることができる。
本発明の請求項記載の検体試料用マイクロチップは、前記円周状の流路であるチャンネルパターンは、円弧状の流路のチャンネルパターンが2つ以上設けられて円周状となるもので、それぞれに検体試料を注入する入力ポートと、前記少なくとも2つの円弧状の流路上であってこの流路よりも広幅に形成された分注用チャネルと、この分注用チャネルとこれよりも狭い連結用の流路を介して連続して検体試料を検査する部分となる検出用チャンバと、前記少なくとも2つの円弧状の流路の最終位置に外部と連結する空気穴を備え、それぞれの入力ポートに異なる検体試料を注入し、検出用チャンバに検体試料を切り離すように分けて注入する分注により少なくとも2種の検体を同時に検査することを特徴とする。
本発明によれば、一方のチャネルパターンに液状の検体試料を注入して、他方のチャネルパターンには、異なる液状の検体試料を注入することにより、円弧状に連続するそれぞれのチャネルパターンから、異なる検体試料が検出用チャンバに同時かつ均一に分注されることとなる。
本発明の検体試料用マイクロチップは、入力ポートから検体試料を注入して、所定の回転装置の回転盤に搭載して回転駆動をかければ、チャンネルパターンの分注量を定量化するための分注用チャネルが円周状上に形成されていることから、円周状の流路に広がると共に、この広がりにより外周の検出用チャンバに検体試料が均一に送られることとなり、従来のように各チャンネルパターン毎に溶液滴下部を形成しなくともよくなり、又、放射状の複数のチャンネルパターンがその中心から僅かにずれて形成されている場合、検体試料用マイクロチップが回転盤に正確に配されず若干ずれている場合や、回転駆動手段であるモータの軸のブレなどによっても均等に配置される。そして、比較的簡単な構造で実現でき、従来の大型で高価なスポッタ装置を必要としなくなる利点がある。
以下、本発明を適用した最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の検体試料用マイクロチップは、外形が円形又は正方形であり、その中心部に検体試料を注入する入力ポートS1から連続する円周状の流路Crと分注用チャネルCeを持つチャンネルパターンが連続するように形成されるとともに、この円周状の分注用チャネルCeの外周に連続して検体試料を検査する部分となる検出用チャンバT1,T2が形成されている(図1)。検出用チャンバT1,T2は、円周状の分注用チャネルCeから外周に向かう流路p1を介して放射状に形成されるとともに、外周に向かう流路p1よりも広く形成されている。
図1に示す検体試料用マイクロチップ1Fは、その分注用チャネルCeの数が19チャンネルであり、各分注用チャネルCeの外周側に第1の検出用チャンバT1が同じ数形成され、第1の検出用チャンバT1の外側に第2の検出用チャンバT2が同じ数形成されている。上記のチャンネルは、その両端部のチャンネルの間隔以外は、等間隔で形成されおり、両端部には、入力ポートS1と空気穴S2が形成されている。この入力ポートS1は、円周状に連続するチャンネルパターンに液状の検体試料を注入するためにあり、他方の空気穴S2は、検体試料を注入の際に押し出される空気を排出するものである。
円周状の流路Crは、細幅で形成されており、この流路Crの上に形成される分注用チャネルCeは、ほぼ円形状に形成され、円周状の流路Crの幅よりも広い幅に形成されている。分注用チャネルCeは、液状の検体試料を検出用チャンバT1やT2に予め決められた量のみ送り込むために形成されており、回転駆動を与えた際に検出用チャンバT1に定量的に分注されるように設計されているもので、細幅の円周状の流路Crとの関係では広幅で形成されることで、細幅の円周状の流路Crに注されている検体試料を無視して、分注用チャネルCeに注入された検体試料のみを検出用チャンバT1やT2に予め決められた量のみ送り込む。すなわち、分注用チャネルCeの検体試料の体積分が検出用チャンバT1やT2に送り込まれる溶液の量が決定される。分注用チャネルCeと第1の検出用チャンバT1との間にある第1の流路p1と、第1の検出用チャンバT1と第2の検出用チャンバT2との間に第2の流路p2が形成され、第1の流路p1よりも第2の流路p2の方が狭くなっている。また、第1の検出用チャンバT1は、円周状の分注用チャネルCeから外周に向かう流路p1を介して放射状に形成されるとともに、外周に向かう流路p1よりも広く形成され、第2の検出用チャンバT2は、外周に向かう流路p1と第1の検出用チャンバT1を介して連続する外周に向かう流路p2よりも広く形成されている。そして、分注用チャネルCeは、検出用チャンバT1やT2に予め決められた量のみ送り込む役割を果たすため、検出用チャンバT1,T2とほぼ同じ大きさであり、余分な量が送られたりすることがないようにしている。なお、図2に示すように、検出用チャンバT1は,分注用チャネルCeの外周側に放射状に位置するように一つ配される検体試料用マイクロチップ1Gであっても良い。
本実施の形態の検体試料用マイクロチップ1F,1Gは、ホットエンボシング装置を使用し、安価なポリマー基材や、或いは金属やガラスなどにそれらの表面の微細な流路形状に加工された凹凸を熱転写させて作製することができる。また、マスクなどを使用する半導体リソグラフィー技術を用いて作製するPDMS(Polydimethylsiloxane)にて微細な流路形状を持った検体試料用マイクロチップを作製することもできる。さらに、その他の手法として、例えば、RIE(Reactive ion etching)、レーザー、NC加工機などを使用して作製することができる。ここでは、Rapid Prototypingを用いて、圧膜フォトレジスト(SU−8)による鋳型をSi基板上に作成し、これをPDMSに転写し、流路となるチャンネルパターンCpなどが形成された一方側のポリマー基材(上方側のチップ)を作成し、他方、Si基板を下部とし、Oプラズマにより貼り合わせて検体試料用マイクロチップ1Fを作成した。作成した検体試料用マイクロチップ1Fは、正方形のものは、外形が約40mm×約40mmであり、厚さが約3mmである。また、円形のものは、直径が約40mmであり、厚さが約3mmである。流路深さを120μmに設計し、チップに必要な試料の分量(19チャンネル分)を約8μlとした。ポリマー基材としては、PDMSの他にも、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネイト等の汎用樹脂材料は、いずれも本発明に使用することができる。
検体試料用マイクロチップ1F,1G使用した検体試料の回転駆動装置としては、従来の回転駆動手段やスピンコータ等の自転状の回転駆動をするもので足りる。すなわち、駆動手段であるモータの軸に上記検体試料用マイクロチップ1F,1Gを搭載する回転盤などを有するもので良い。なお、回転盤には、位置合わせ用の孔を放射状に形成して、この所定位置の孔にピン及び固定用治具、バインダなどを差し込んで位置合わせすることなどの工夫を凝らしたり、回転盤に検体試料用マイクロチップ1F,1Gを搭載し易くするために、位置決めの印や溝などを形成することは実施に応じて可能である。なお、これらを使用せずに両面テープなどを使用して回転盤に検体試料用マイクロチップ1F,1Gを搭載することも可能である。
次に、上記実施の形態のうちの検体試料用マイクロチップ1F,1Gを上記した検体試料の遠心分離装置の回転盤に搭載して、検体試料用マイクロチップ1Fが各々の軸の位置から若干ズレて配置された場合などにおいても第1の検出用チャンバT1に均等に分離注入することができるかを検討した。ここでは、検体試料用マイクロチップ1Fの円周状の流路Crと分注用チャネルCeにミネラルオイル(オイル)を注入した後に、これをスピンコータ等の回転駆動装置の回転盤に搭載させて3000〜9000rpmでこの検体試料用マイクロチップ1Fを回転させ、外周に位置する検出用チェンバT2にオイルを流し込んだ。そして、検体試料の代わりに色素溶液Rを入力ポートS1から注入し、上記回転盤を回転駆動させると、分注用チャネルCeの持つ体積に相当する色素溶液Rのみが検出用チャンバT2に送られ、均一に配置することが出来た(図1(b)、図2(b))。なお、色素溶液Rは第2の検出用チャンバT2の位置で行き止ることとなる。検体試料用マイクロチップ1Fが回転盤の中心位置から若干ズレて配置された場合おいても、回転盤の中心位置が流路Crと分注用チャネルCeが連続している円周状のチャンネルパターンの内側に位置していれば、均等に色素溶液を配置することが出来る。さらに、オイルと色素溶液Rの比重の違いから2液が置換され、Ceにはエア、T1にはオイル、T2には色素溶液Rの順に配置(分注)できることが確認できた。また、この状態で検体試料用マイクロチップを高温で加熱しても、オイルが蓋の替わりを果たし、検体試料の蒸発を防ぐことができ、安定であることが分かった。このことから、遺伝子増幅法(PCRなど)を利用した遺伝子検査などへの応用が可能である。
次に、PCR反応溶液を使用した場合の実施例を説明する。
実施例1
まず、PCR(Polymerase Chain Reaction)反応とは、ポリメラーゼ連鎖反応とも呼ばれ、特定の遺伝子の配列をもとにその遺伝子を短時間に100万倍に複製する技術である。生物工学的な分野での利用以外にも、最近では血液及び髄液などから遺伝的な疾患やウイルス・病原菌などを診断・検出するために利用される。この生成過程を解析する事により、そのDNAの含有量そのものを定量する事が可能であり、PCR反応の手順としては、次の(1)〜(6)などの手順により行われる。(1)DNAを抽出(2)二重螺旋の形態をとるDNAを加熱し、1本鎖の状態にする。(3)4つの塩基により構成されている遺伝子は特定の塩基と結合する。(4)この塩基の配列が遺伝子配列であり、標的とする遺伝子を対象とする配列をもとに作成し、これと対となる遺伝子の断片(プライマー)を加える。(5)プライマーは、目的とする遺伝子配列と結合する。(6)熱耐性酵素(Taq酵素)は、プライマーが1本鎖遺伝子と結合している場合、その結合部位から、もとの2重螺旋DNAを再生する。
この過程にて、1本の二重螺旋DNAから、2本の同一二重螺旋DNAが生成される。これを再び、加熱し、二重螺旋をほどいた上で、一連の過程でプライマーとの結合、DNAの再生を行う。この結果2本の二重螺旋DNAが4本の二重螺旋DNAとなる。この繰り返しにより、生成されるDNAは、指数的に増加する。これらの一連の過程は、サーマルサークラーと呼ばれる装置にて、正確に温度制御を行い、連続して繰り返される。
以上のような技術をもとに、PCR反応を用いた従来の反応検出は、検査用チャンバへスポッタ装置などを用いて何種類かのプライマーを配置させた後、スポッタ装置などを用いてPCR反応溶液を滴下させてから基板を貼り合わせて、ヒータにて正確に温度制御し増幅させ反応結果を検出する。チャンバT1,T2へは、スポッタ装置により微量、定量が望まれナノリットル、ピコリットル単位で吐出れるが、チャンバに異なるプライマーが配置されるときは、PCR反応溶液は各チャンバ間で非接触でなければならない(分離注入させる必要がある)。なお、プライマーとPCR反応溶液との反応の際、PCR反応では所定の温度まで温度上昇させる場合もある。
実施例1では、始めにミネラルオイルを入力ポートS1から検体試料用マイクロチップ1Fの円周状の流路Crおよび分注用チャネルCeにミネラルオイル(オイル)を注入した後に、これをスピンコータ等の回転駆動装置の回転盤に搭載させて3000〜9000rpmでこの検体試料用マイクロチップ1Fを回転させ、外周に位置する検出用チェンバT2にオイルを流し込んだ。次に、PCR溶液を入力ポートS1から注入し、上記回転盤を回転駆動させ、分注用チャネルCeの持つ体積に相当するPCR溶液のみを検出用チャンバT2に送り込んだ。この際、ミネラルオイルとPCR溶液はその比重の違いから置換され、T1にオイル、T2にPCR溶液の配置となる。さらに、PCR溶液の内側には均一にオイルの膜ができ、PCR反応溶液と空気の接触もなくなり蓋をした状態となる。次いで、検体試料用マイクロチップ1を遠心分離装置の回転盤より取り外し、正確な温度制御を行うヒータテーブル(サーマルサイクラ)に設置し、PCR増幅法による温度制御を実施する。PCR反応終了後、若しくはリアルタイム検出にて、円周上の各検出用チャンバT1,T2を蛍光検出し、反応結果を診断した。
実施例1では、ヒトゲノムDNAからのSRY遺伝子(ヒト性判定遺伝子)の検出を行った。まず、PCR溶液(dNTP mixture:5μl、10×Buffer:5μl、25mM MgCl2:
8μl、Amplitaq Gold DNA polymerase : 1μl、TaqMan primer:5μl、Forward primer:5μl、Reverse primer:5μl、H2O:10μl、2.5% PVP: 5μl、Human Male DNA: 1μl)を作製し、回転を与えることで検体試料用マイクロチップのチャンバに配置した。次にマイクロチップをサーマルサイクラに置き、温度条件 95℃:5分の加熱後、95℃: 15秒−60℃: 60秒の加熱を45サイクル行い、DNAを増幅させた。その後、蛍光顕微鏡を用いて、各チャンバの蛍光強度変化(ex460-490、em510-550)を測定したところ、ヒトゲノムDNAを含むチャンバの蛍光強度は、含まないチャンバの蛍光強度に比べ、平均で1.84倍上昇していた。この結果から、検体試料用マイクロチップを用いて標的とする遺伝子の検出が可能であることが分かった。
実施例2
次に、検体試料用マイクロチップ1Fを図3に示すように設定して、これを上記回転駆動装置にかけて回転させた。検体試料用マイクロチップ1Fは、第1の検出用チャンバT1の幅H1と第2の検出用チャンバT2の幅H2と分注用チャンバCeの幅H3とは同じ幅であり、2000μmである。第1の流路p1の幅p1hは、500μm、第2の流路p2の幅p2hは、750μm、円周状の流路Crの幅Crhは、100μmに設定されている。そして、第2の検出用チャンバT2と第2の流路p2にミネラルオイルOが配させているが(図4(a))、入力ポートS1から色素Rを円周状の流路Crを注入し(図4(b))、そして回転駆動させると、所定数の回転により、オイルOと色素溶液Rの比重の違いから2液が置換され、分注用チャンバCeにはエア(空気)A、第1の検出用チャンバT1にはオイルO、第2の検出用チャンバT2には色素Rの順に配置(分注)できることが確認できた(図4(c))。ここで、円周状の流路Crの幅Crhが100μm程度で、分注用チャンバCeの幅H3が上記2000μm程度であるとすると、分注用チャンバCeのPCR反応溶液である検体試料は、細幅の円周状の流路Crに注されている検体試料を無視して、分注用チャネルCeに注入された検体試料のみが検出用チャンバT1に予め決められた量を送り込まれることとなる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の検体試料用マイクロチップは、図5に示ように、チップの中心部の流路Crが円弧状の流路として形成され、これが2組合わさって両方で円周状を形成している。すなわち、円弧状の流路Crのチャネルパターンが2つ設けられており、それぞれに検体試料を注入する入力ポートS1と、円弧状の流路Cr上であってこの流路Crよりも広幅に形成された分注用チャネルCeと、分注用チャネルCeとこれよりも狭い連結用の流路p1,p2を介して連続する検出用チャンバT1,T2とを備える。そして、二組みのそれぞれの入力ポートS1,S1に異なる検体試料を注入し、検出用チャンバT1,T2に検体試料を切り離すように分けて注入することで2種の検体を同時に検査する。本実施の形態においても、外形は円形又は正方形であり、検出用チャンバT1,T2が二個配置されている点等は第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態では円弧状の流路Crのチャネルパターンが2つであるが、2個以上に同じように形成することも可能である。
本発明の第1の実施の形態の検体試料用マイクロチップ示す平面図である。 上記第1の実施の形態の他の例を示す平面図である。 本発明の検体試料用マイクロチップの大きさの一例を説明する図である。 本発明の検体試料の分離注入過程を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態の検体試料用マイクロチップを示す平面図である。
1F,1G 検体試料用マイクロチップ、
Cr 円周状又は円弧状の流路、
Ce 分注用チャネル、
p1,p2 外周に向かう流路、p1h,p2h 流路の幅、
R 検体試料(色素溶液)、
S1 入力ポート、
S2 空気穴、
T1,T2, 検出用のチャンバ、
H1 第1の検出用のチャンバの幅、
H2 第2の検出用のチャンバの幅、
H3 分注用チャンバの幅、

Claims (3)

  1. 回転駆動装置により、液状の検体試料の流路となるチャンネルパターンが形成された検体試料用マイクロチップを回転させて使用する検体試料用マイクロチップにおいて、
    チャンネルパターンは、このチップの中心部に検体試料を注入する入力ポートから連続する円周状又は円弧状の流路と、この円周状又は円弧状の流路上であってこの流路よりも広幅に形成された分注用チャネルと、この分注用チャネルとこれよりも狭い連結用の流路を介して連続して検体試料を検査する部分となる検出用チャンバとを備え、上記分注用チャネルは、検出用チャンバに検体試料を切り離すように分けて注入するときにその分注量を定量化するものであり、前記検出用チャンバは、前記分注用チャネルの外周側に放射状に位置するように同心円上に配置され、上記各チャンネルは、その両端部のチャンネルの間隔以外は等間隔で形成され、両端部には、入力ポートと空気穴が形成され、前記分注用チャネルは、検出用チャンバとほぼ同じ大きさであり、
    前記円周状又は円弧状の流路と分注用チャンネルに液状の検体試料を注入した後に、これを回転駆動装置に搭載させて回転させることを特徴とする検体試料用マイクロチップ。
  2. 前記円周状の流路であるチャンネルパターンは、円弧状の流路のチャンネルパターンが2つ以上設けられて円周状となるもので、それぞれに検体試料を注入する入力ポートと、前記少なくとも2つの円弧状の流路上であってこの流路よりも広幅に形成された分注用チャネルと、この分注用チャネルとこれよりも狭い連結用の流路を介して連続して検体試料を検査する部分となる検出用チャンバと、前記少なくとも2つの円弧状の流路の最終位置に外部と連結する空気穴を備え、それぞれの入力ポートに異なる検体試料を注入し、検出用チャンバに検体試料を切り離すように分けて注入する分注により少なくとも2種の検体を同時に検査することを特徴とする請求項1記載の検体試料用マイクロチップ。
  3. 前記検出用チャンバは、各分注用チャンネルの外周側に第1の検出用チャンバが同じ数形成され、第1の検出用チャンバの外側の同心円上に第2の検出用チャンバが同じ数形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の検体試料用マイクロチップ。
JP2004314653A 2004-10-28 2004-10-28 検体試料用マイクロチップ Expired - Fee Related JP4458253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004314653A JP4458253B2 (ja) 2004-10-28 2004-10-28 検体試料用マイクロチップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004314653A JP4458253B2 (ja) 2004-10-28 2004-10-28 検体試料用マイクロチップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006126011A JP2006126011A (ja) 2006-05-18
JP4458253B2 true JP4458253B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=36720894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004314653A Expired - Fee Related JP4458253B2 (ja) 2004-10-28 2004-10-28 検体試料用マイクロチップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4458253B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4665960B2 (ja) 2007-12-06 2011-04-06 セイコーエプソン株式会社 生体試料反応用チップ、生体試料反応装置、および生体試料反応方法
JP4556194B2 (ja) 2008-02-01 2010-10-06 セイコーエプソン株式会社 生体試料反応方法
JP5131538B2 (ja) * 2008-05-07 2013-01-30 セイコーエプソン株式会社 反応液充填方法
JP5298718B2 (ja) * 2008-09-12 2013-09-25 セイコーエプソン株式会社 生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置
JP5521454B2 (ja) * 2009-09-15 2014-06-11 凸版印刷株式会社 試料分析チップ、これを用いた試料分析装置及び試料分析方法
JP2011062119A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Seiko Epson Corp 生体試料定量用チップ
JP5505646B2 (ja) * 2010-09-06 2014-05-28 セイコーエプソン株式会社 生体試料定量方法
US9063121B2 (en) * 2012-05-09 2015-06-23 Stat-Diagnostica & Innovation, S.L. Plurality of reaction chambers in a test cartridge
KR101466301B1 (ko) * 2013-04-05 2014-11-27 포항공과대학교 산학협력단 수중의 크롬을 연속적으로 모니터링하기 위한 미세유체칩 및 이를 포함하는 크롬검출 장치
CN112387317B (zh) * 2020-10-15 2023-07-07 上海市第五人民医院 一种快速检测血清Septin 9甲基化的微流控液滴芯片

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003533682A (ja) * 2000-05-15 2003-11-11 テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト 双方向流動遠心ミクロ流体装置
JP4262466B2 (ja) * 2002-10-28 2009-05-13 アークレイ株式会社 分析用具および分析装置
US7125711B2 (en) * 2002-12-19 2006-10-24 Bayer Healthcare Llc Method and apparatus for splitting of specimens into multiple channels of a microfluidic device
US7332129B2 (en) * 2003-01-09 2008-02-19 3M Innovative Properties Company Sample processing device having process chambers with bypass slots

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006126011A (ja) 2006-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3699721B1 (ja) 検体試料の遠心分注方法及び遠心分注装置
US11896978B2 (en) Assay cartridges and methods of using the same
EP2280905B1 (en) Multilevel microfluidic systems and methods
Peytavi et al. Microfluidic device for rapid (< 15 min) automated microarray hybridization
US8058630B2 (en) Microfluidic devices and methods
US7919306B2 (en) Biological sample reaction chip, biological sample reaction apparatus, and biological sample reaction method
US8092999B2 (en) Biological sample reaction chip and biological sample reaction method
JP4458253B2 (ja) 検体試料用マイクロチップ
JP6323274B2 (ja) 試料分析チップ
JP2023537142A (ja) 片側熱入力を用いた回転に基づく分析方法のためのカートリッジ、回転に基づく分析方法、及びカートリッジの使用方法
Kulkarni et al. A review on recent advancements in chamber-based microfluidic PCR devices
JP2004194652A (ja) 溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子及びその使用方法
JP2010213649A (ja) 生体試料反応容器及び生体試料反応方法
JP2009002933A (ja) 分析用媒体
JP5131538B2 (ja) 反応液充填方法
KR20190111588A (ko) 고속 중합효소 연쇄반응 분석 플레이트
US20230400452A1 (en) Sample Analysis Chip and Sample Analysis Method Using Sample Analysis Chip
CN111254061B (zh) 一种探针分子印刷芯片及其制造方法
Jülg Microfluidic automation of multiplex mediator probe PCR for leukaemia MRD monitoring
Becker et al. Polymeric Microfluidic Devices for High Performance Optical Imaging and Detection Methods in Bioanalytics
JP2009171933A (ja) 生体試料反応用チップおよび生体試料反応方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071029

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4458253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160219

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees