JP2004194652A - 溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子及びその使用方法 - Google Patents

溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 極微量の反応溶液や処理溶液を精度良く調製してマイクロ流体素子に導入する方法、特に、操作や構造を煩雑にすることなく導入する方法、流路の途中に別の成分を加える方法、及びそのためのマイクロ流体素子を提供すること。
【解決手段】 本発明は、部材の内部に毛細管状の流路を有するマイクロ流体素子であって、前記流路の少なくとも一部に、液体に溶解性の(生)化学物質が付着している、溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、部材の内部に微細な毛細管状の流路を有し、該流路中で化学的又は生化学反応、化学的又は生化学的処理を行うマイクロ流体素子に関し、該反応や処理に関わる成分の少なくとも一部が前記流路内に付着されており、前記流路に液体を流すことによって、前記付着物質が前記液体に溶出して反応又は処理が行われるマイクロ流体素子、及びその使用方法に関する。
マイクロ流体素子は、マイクロ流体デバイス、マイクロ・フルイディック・デバイス、マイクロ・ファブリケイテッド・デバイス、ラブ・オン・チップ、又はマイクロ・トータル・アナリティカル・システム(μ−TAS)とも呼ばれるデバイスである。マイクロ流体素子は、合成、物理化学的処理、検出などの他の機能を有するマイクロ流体素子と一体化して、マイクロ化学システムを構築することもできる。
マイクロ流体素子は、反応溶液の温度の均一性に優れる、温度追従性が良好、反応時間が短縮できる、試料の量が少なくてすむ、溶剤などの使用量が低減できる、デバイスの製造に要する資源やエネルギーが少ない、運転が省エネルギー、廃棄物の量が低減できる、等の特長があり、今後の発展が期待されているが、解決すべき問題も多い。
その問題の一つに、マイクロ流体素子の内部容量があまりにも小さいため、試料の定量的注入が困難であるなどの、人と機械の間の整合が取れないことがある。例えば、マイクロ流体素子を使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う場合(特許文献1)、PCRの反応溶液の量が数十mm以上である場合には、鋳型となるポリヌクレオチドの溶液、プライマー(3’側プライマー、5’側プライマーの2種類)の溶液、ポリメラーゼの溶液、基質(4種類のヌクレオチド単量体)の溶液、及び緩衝液を所定比率で混合して該反応溶液を調製することは比較的容易であるが、極微量、例えば1mm以下である場合には、精度良く調製することは不可能であった。そのため、大量に調製してその一部を使用し、残余を捨てるしかなく、微量の試料で良いというマイクロ流体素子の利点が生かされていなかった。また、複数のPCRを複数の流路中で同時に並行して行う場合には、プライマーなどを取り違える等の錯誤が発生する危険性が高かった。
極微量の反応溶液を調製するために、これをマイクロ流体素子内で行うことも考えられるが、バルブ等が必要であり、マイクロ流体素子の構造が複雑になって、特に使い捨ての用途には、価格的に使用が困難となりがちであった。
また、流路の途上の特定の位置で、反応を開始させたり、発色させて検出を行ったり、凝集などの物理化学的処理を行うには、反応成分や凝集剤などの成分を流路途上に注入するための分岐流路を形成し、バルブなどで送液を制御する必要があった。このため、マイクロ流体素子の構造や操作が複雑となりがちであった。
一方、マイクロチューブなどの中で行う通常のPCR用として、PCR反応成分の一部であるポリメラーゼ、基質(4種類のヌクレオチド単量体)を表面に付着させたビーズが投入されたマイクロチューブが市販されている(非特許文献1)。PCRを行うに当たって、上記のマイクロチューブに所定量の鋳型DNAと2種類のプライマーと緩衝液を注入するとPCR反応溶液が調製出来るというものである。
しかしながら、この方式では、第一に、2種類のプライマーを計量して注入する必要があり、微少量の計量の煩雑さと困難さの改善は不十分であるし、第二に、互いに異なるプライマーを用いた複数のPCRを複数のマイクロチューブで同時に進める場合に、プライマー取り違え等の錯誤が生じる危険性も解消されていない。また、第三に、PCR反応成分でなく、反応途中で別の反応成分などを投入する必要がある場合には、所定時間或いは所定の操作の後にビーズの投入操作を行う必要があり、省力化できなかった。
特開2002−058470 アマシャムバイオサイエンス株式会社カタログ、「PCR/RT−PCRキット」、インターネット<URL:http://www.jp.amershahambioscience.com/products/product_info/pcr_beads.asp>
本発明は、このような実情に鑑みて、極微量の反応溶液や処理溶液を精度良く調製してマイクロ流体素子に導入する方法、特に、操作や構造を煩雑にすることなく導入する方法、流路の途中に別の成分を加える方法、及びそのためのマイクロ流体素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、マイクロ流体素子流路内に反応や処理に関与するの成分を付着させ、該付着物質を、流路に導入した液体に溶解させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、部材の内部に毛細管状の流路を有するマイクロ流体素子であって、前記流路の少なくとも一部に、液体に溶解性の(生)化学物質が付着していることを特徴とする、溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
上述のように本発明のマイクロ流体素子及びその使用方法により、極微量の反応溶液や処理溶液を精度良く調製してマイクロ流体素子に導入でき、特に、使用者は煩雑な調製操作を行うことなく使用でき、流路の途中で別の成分を加えることが可能であり、又、試料調製の手違いなどの誤りが生じにくい。
本発明のマイクロ流体素子Dは、例えば紫外線硬化樹脂で形成される。マイクロ流体素子Dの素材は任意であり、上記の他に、例えば、ガラス、水晶等の結晶、シリコンなどの半導体、ステンレススチールなどの金属、セラミック、炭素、有機重合体(ポリジメチルシロキサンのように、無機元素を含有するものであっても良い(以下単に「重合体」と称する)。
マイクロ流体素子Dは、内部に毛細管状の流路2(以下、「マイクロ流体素子D内に設けられた毛細管状の流路2」を、単に「流路2」と称する)を有する。流路2の断面(「断面」は横断面、即ち、流線に直角な方向の断面をいう)形状は縦横比がほぼ0.7の矩形に形成されている。しかしこの断面形状は任意であり、例えば三角形、矩形、台形、五角形、六角形などの多角形;円;楕円;半円等であり得る。なおこれらの形状の内、多角形などの角のある形状は、角の丸まったものを含む。流路2の断面積は任意であるが、1μm〜10mm が好ましく、100μm〜1mmが更に好ましい。上記の下限以上とすることで圧力損失が低くなって液体の流通が容易となり、上記の上限以下とすることで、マイクロ流体素子Dとしての特長が発揮されると共に、混合機構が不要となり、溶解混合に要する時間も短縮される。なお、本発明でいう流路は、反応溶液が流れる空洞をいい、単なる移送用流路の他、反応場となる流路、反応槽、貯液槽なども含むものとする。従って、流路2は流線方向に断面積や断面形状が変化していてもよく、部分的に上記の好ましい断面積の範囲を超える部分やそれ未満の部分を有していても良い。
流路は、前記付着物質が付着されている部分、又はその下流部分であるが反応や処理などを行う流路部分に至る前の部分に、その他の流路部分より断面積が大きく成された部分を有することも好ましい。このような形状にすることによって、該貯液槽中で混合され、導入される液体の、流路2中における前部と後部の付着物質濃度の差を小さくできる。
流路2の両端である流入部6と流出部7は、例えばそれぞれマイクロ流体素子Dの第一面8に開口している。該流入部6と流出部7には、配管接続のためのフィッティングが固定されていても良いし、フィッティングの代わりに配管が接続固定されていても良い。或いは、流入部6及び/又は流出部7はマイクロ流体素子Dに開口しておらず、マイクロ流体素子D内部に形成された他の機能部分、例えば貯液槽、ポンプ機構、バルブ機構、膜分離機構などに接続されていても良い。マイクロ流体素子Dは分岐した流路2を有していても良いし、独立した複数の流路2を有していても良い。
本発明に成るマイクロ流体素子がPCR用の反応流路を有する素子である場合には、マイクロ流体素子Dは板状であることが好ましく、前記流路2は、該板状のマイクロ流体素子Dの一つの面の側から見て、同じ深さでジグザグに15〜50往復しつつ、全体として直線状に形成されていることが好ましい。このよう流路構造にすることによって、全体としての流れ方向に対してジグザグの右方を例えば結合温度(35〜70℃)、ジグザグの中温を伸長温度(55〜80℃)、左方を融解温度(約95℃)とする3つのヒートブロックでもって温度調節できるため好ましい。このような構造とすることによって、それぞれのヒートブロックは一定温度に保つだけでよく、温度変化を受けるのは微小な流路中の液体のみとなり、ヒートブロックやマイクロ流体素子自体の昇温、降温は不要となるため、昇温、降温の追従性が良く、短時間でPCRが完了する。
或いは、該マイクロ流体素子の一つの面を第一面8、その裏面を第二面9としたとき、前記流路2が第二面9よりも第一面8に近い部分に形成された第一流路部3部と、該第一流路部3部と連結した、第一面8よりも第二面9に近い部分に形成された第二流路部4部を有し、第一流路部3部と第二流路部4部が交互にそれぞれ15〜50箇所直列に形成されていることが、マイクロ流体素子Dの表裏を2つの温度ブロックで温度設定することによって、マイクロ流体素子Dの流路2、深さ方向に前記結合温度、伸長温度、融解温度に調節できるため好ましい。
本発明に於いては、流路2の少なくとも一部に化学的成分及び/又は生化学的成分が付着されている(以下、「化学」と「生化学」を合わせて「(生)化学」と記載する)。ここで付着とは、物理的、化学的な結合を問わず、流路の少なくとも一部に(生)化学的成分が固定化されていることをいい、流路の少なくとも一部と(生)化学的成分との相互の分子間力による付着、接着成分を介しての付着、あるいは流路の少なくとも一部に化学結合された物質を介しての付着などであってよい。
付着物質が付着している流路部分の流線方向の場所は任意であり、用途目的に応じて決定できる。例えば、PCRのような反応を行う場合には、流入部6付近で反応が行われる流路部分までの間が好ましく、流路内で反応させた生成物を発色させて検出する場合には、付着位置は反応を行う流路部分の下流側となる。
流路断面内における付着物質が付着されている位置も任意である。例えば、流路の内壁面全体又は一部の面;流路内に設置された固体、例えば塊状物や多孔質体などの表面;流路内に固着して形成された多孔質体の細孔表面などであり得る。また、流路内に固定化されたハイドロゲルやハイドロゲルの乾燥物などを介して付着していてもよい。
付着物質の担体として多孔質体を使用した場合には、付着物質の付着量を増すことが出来、また、流線方向の狭い範囲に付着させることが出来る。多孔質体は、流路内面に固着されていても固着されていなくてもよい。固着されていない場合には、該多孔質体装着位置の下流側の流路を細くするなどの方法によって、該多孔質体自体が流出しないようにできる。
多孔質体は、流路内面に固着されている場合も固着されていない場合も、流路断面を閉塞する形状に形成されていても良いし、流路の断面を閉塞しない形状に形成されていても良い。しかし、多孔質体は、流路断面を閉塞することなく、厚みが好ましくは03〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmで流路内壁に固着して形成されていることが好ましい。このような構造とすることにより、流路抵抗の増加を抑え、付着物質の保持量を充分高く維持しながら、溶解速度を向上させることが出来る。また、流路内に設置された塊状物を付着物質の担体として用いると、付着物質が付着した塊状物を一度に多量に製造できるため生産効率が向上する。しかしながら、流路が微小になるほど、該塊状物を流路の所定の部分に装着することが困難になるため、流路が微少な場合には、流路内面に付着させる方法又は、流路に固着して形成された多孔質体に付着させる方法が、製造が容易となり好ましい。
流路に固着された多孔質体は、エネルギー線硬化性樹脂を用い、パターン露光法で形成することによって、微細な多孔質体を切り出して微細な流路の所定位置に装着するという操作を行うことなく、所定位置に、任意の寸法で形成することができ親水性/疎水性などの特性の制御も容易であるため好ましい。多孔質体を、エネルギー線硬化性樹脂を用いてパターン露光法で形成する方法は、例えば本発明者等による特開2000−001565号公報、特開2000−262871号公報に記載されている。
また、付着物質の担体としてハイドロゲルまたはハイドロゲルの乾燥物を使用した場合には、流路作製時に簡便に付着物質を流路内に導入できる。また、流路の一部にゲルを充填させた場合には、流路壁部分だけでなく、流路断面の流体が流通する全域に付着物質を配することができるため、該ゲル部分を流通する流体を付着物質と好適に接触させることができる。ただし、流体が流通する全域に付着物質を配する場合、架橋密度の高いハイドロゲルをした場合には、流路を閉塞して好適な流体の流通を妨げるおそれがある(使用すると、流路を閉塞し好適に流体を流通させることができない→「できない」という表現を避けるため、記載を変更しました。)ため、架橋密度の低いゲルを使用することが好ましい。
付着物質の担体としてのハイドロゲルは、その種類は特に限定されない。例えば、アガロース、アルギン酸、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリル酸、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等であり、単独重合体であっても、他の物質との共重合体であってもかまわない。
ハイドロゲルの流路への導入法は、ゲル状態のまま所定の形状に切り出し流路に供することも可能であるが、ゾル状態の際に流路の一部に散布、塗布、圧着等の任意の方法で導入し、それからゲル化させることが簡便であり好ましい。付着物質をゲルへ付着させる方法は任意であり、特に限定されない。流路に形成させたゲルに、あとから付着物質を供しても良く、ゾルに含有させた状態で流路に供しゲル化させるのも、簡便であり好ましい。
マイクロ流体素子Dが、それぞれ異なる種類または量の前記付着物質が付着した複数の流路を有することも好ましい。この時、導入部は各流路毎に設けても良いし、一つの導入部から分岐した前記複数の流路を設けても良く、用途、目的に応じて設計できるが、一つの導入部から分岐させることが、液体の注入が容易となり好ましい。例えば、後述のように、PCR用流路を有するマイクロ流体素子をDNAの分析或いは診断デバイスとして使用する場合には、それぞれ異なるプライマーと、鋳型ポリヌクレオチド以外の共通成分を固着した複数の流路を設けることによって、一操作で複数の塩基配列の分析、診断が出来る上、試薬の取り違えが生じる恐れがないため、信頼性に優れ、好ましい。
本発明で言う付着物質は、マイクロ流体素子の前記流路に導入される液体に溶解して反応や処理を進行させるものであれば任意であり、固体であっても液体であっても良く、又、単独成分であっても混合成分であっても良い。また、導入される液体に可溶なマイクロカプセルであっても良い。付着物質は、例えば反応の一成分であってよく、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の反応溶液成分の、鋳型ポリヌクレオチド、プライマー、ポリメラーゼ、及びヌクレオチド単量体のいずれか単独又は任意の組合わせの混合成分であり得る。マイクロ流体素子がPCR用マイクロリアクターまたはPCRを組み込んだポリヌクレオチド分析デバイスである場合には、付着物質は、これらの反応や分析に使用される共通の成分であること、即ち、鋳型ポリヌクレオチド以外の混合成分であること、又は、鋳型ポリヌクレオチドとプライマー以外の混合成分であることが好ましい。特に、プライマーのような、分析の標的に特異的に作用する試薬を付着させたマイクロ流体素子は、分析、診断デバイスとして使用するに当たり、試薬の取り違えが生じる恐れがないため、信頼性に優れ、好ましい。
付着物質は、このような反応の一成分の他に、少なくとも一方がマイクロカプセル化され、乾燥状態で反応しないが液体が導入されるとそれに溶解して反応が進行する全反応成分;固体状態で固着している状態では反応せず、溶剤に溶出して初めて反応が進行する全反応成分;触媒を欠いた全反応政分;反応終了溶液に添加して第二の反応を生じさせる成分;均一触媒;反応停止剤;発色剤、蛍光発色剤、導電性インターカレーターなどの検出補助成分、等を挙げることができる。
付着物質を流路内に付着させる方法は任意である。流路2内全体に付着させる場合には、形成された毛細管状の流路2中に付着物質の溶液又は分散液を注入してその状態で乾燥させればよい。乾燥は、使用する溶媒や分散媒の沸点に応じて、風乾、熱風乾燥、真空乾燥などを利用できる。マイクロ流体素子の製造工程の途中に於いて、流路となる溝に付着部室を付着させた後、カバーを固着する方法も、製造が容易であり好ましい。
流路の中の一部に付着させる場合には、例えば、付着物質を付着させる部分の流路内面のみを親水性、他の部分を疎水性としておき、流路に付着成分の溶液を充填して乾燥すると、該溶液は減量しながら、最終的に前記親水性部分に付着して乾固するため、付着物質を前記親水性部分のみに付着させることが出来る。また、流路となる溝の付着させない部分を任意の保護材、例えば半固形ポリエチレングリコール、ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エネルギー線のパターン照射で形成されたポリアクリルアミドなどのゲル、などで保護した状態で付着物質を流路内面に付着乾燥させ、その後に保護材を除去すればよい。保護材の除去は、付着物質が溶解しない溶媒での溶解、機械的剥離などが使用できる。その後、溝状の流路にカバーを固着する。
上記のような、付着物質が流路に付着したマイクロ流体素子の使用方法は任意であり、用途目的に応じて適宜行えばよい。例えば、PCRを行う場合には、プライマー、ポリメラーゼ、及び基質を付着させておき、鋳型DNAの緩衝液溶液を流入口から導入し、該流路内に流す。流速は一定速度として良く、前記導入溶液が付着物質の付着位置を通過する際に移動的に溶解し、次の反応用流路部分に送られる。或いは、高速で液体を導入し、該付着部に導入液体が充填された時点で一旦送液を止めて、溶解時間を設けることも好ましい。
以下、本発明の実施例について添付図面により説明する。
図1及び図2は実施例によるマイクロ流体素子を示すもので、図1はその平面図、図2は図1のA−A線縦断面図である。
図に示すマイクロ流体素子Dは化学反応、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いるものである。このデバイスDは、例えばアクリル樹脂製の基材1上に樹脂組成物からなる第一塗膜2と第二塗膜3を順次積層して部材Mを形成し、第二塗膜3には液体の流路4を形成するために、該塗膜を上下面に貫通する溝を平面視で蛇行して折り曲げた形状に形成する。また例えばアクリル樹脂製の板6上に第三塗膜5を積層して部材Nを形成する。そして部材Mの第二塗膜3に部材Nの第三塗膜5を密着させて固着させることで一体化させ、第二塗膜3に設けた溝の上下面を密閉させて毛細管状の流路4を形成する。
そしてマイクロ流体素子Dの部材Nについて、板6と第三塗膜5を貫通する二つの孔部を形成してそれぞれ流路4の両端部である流入口7と流出口8と連通させる。一方の孔部に円筒部を嵌挿して流入側フィッティング9とし、他方の孔部にも円筒部を嵌挿して流出側フィッティング10とする。これによって、流入側フィッティング9の内側空間の底と流出側フィッティング10の内側空間の底にそれぞれ開口した流入口7と流出口8によって流路4は大気に連通する構成となる。図1に示すマイクロ流体素子D内で蛇行して形成された流路4は、略直線状の多数の単位流路4xが互いに平行に配列されると共に各単位流路4xは両端で湾曲または屈曲することで隣接する他の単位流路4xと接続されて全体で1本の流路を構成している。
流路4となる溝4に、多孔質体形成用エネルギー線硬化性組成物(ii)を配し、スピンコーターにて余剰の該組成物(ii)を飛散除去した後、第一付着部4aとなる溝4の最初の2本の直線状の単位流路4x部分4a(長さ約6cm)、プローブ固定部4dとなる、流出口から約1cm上流部分の長さ約3mmの部分4d、及び、第二付着部4cとなるその前の1本の直線状の単位流路4x部分4c(長さ約3cm)の部分のみに紫外線を照射して該組成物(ii)を多孔質体と成し、50%エタノール水溶液にて非照射部分の未硬化の組成物(ii)及び形成された多孔質体の細孔中の非溶剤などを洗浄除去した。形成された多孔質体は流路4の底面と両側面に形成されており、厚みは約4μmであった。
そして図1に示す平面視で、流路4は直線状の流路部4aに直交する方向の複数、例えば三つの温調領域部α、β、γに仕切られており、各温調領域部において流路4はそれぞれ異なる温度、例えば第一の温調領域部αで95℃、第二の温調領域部βで75℃、第三の温調領域部γで45℃に制御されている。そのため、流入口7から供給された例えばPCR反応原液等の液状の試料Aは流路4内を移動する過程で第一の温調領域部α、第二の温調領域部β、第三の温調領域部γを順次繰り返して通過することで温度制御され、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことになる。
これらの温度調節を行う手段として例えば表面温度を各温度に設定した温度調節ステージ(図示せず)をマイクロ流体素子Dの基板1の下面に密着させて配置してもよく、各温度調節ステージはそれぞれ図1に示す第一の温調領域部α、第二の温調領域部β、第三の温調領域部γと重なる位置に設置するとよい。
本実施例によるマイクロ流体素子Dは上述の構成を有しており、次にこの素子Dの送液方法について説明する。
先ず、流入側フィッティング9の筒状の内側空間にマイクロピペッター(図示せず)で、ポリメラーゼ連鎖反応原料溶液である鋳型DNAの緩衝液溶液を所定量注入する。
次いで、流入側フィッティング9の筒状の内側空間にマイクロピペッター(図示せず)で、駆動用の液体としてミネラルオイルを溢れるまで注入する。その後、マイクロ流体素子Dの流入側フィッティング10に、シリンジポンプ(図示せず)に接続された接続配管11の先端を流入口7内に嵌挿して接続すると、そのときの押圧で反応溶液は流路4中に押し込まれ、第一付着部に充填された状態で停止する。数分放置すると、第一付着部に付着していた第一付着成分であるPCR反応成分は該反応溶液に溶出し、全反応成分が溶解した反応溶液となる。
シリンジポンプを駆動してミネラルオイルを一定速度で吐出すると、反応溶液はミネラルオイルに押されて、流路4内を一定速度で送液され、三つの温調領域部α、β、γを順次通過することで温度履歴を受ける。そして反応溶液は流出口8から流出側フィッティング10の筒状の内側空間にDNAが増幅された反応溶液として排出される。
流路4の途上の、上記温度履歴を受ける反応用流路部4bの下流に第二付着部4cを設け、DNAの二本鎖にインターカレートして蛍光性となる蛍光性インターカレーターを第二付着成分として付着させ、さらにその下流のプローブ固定部4dに特定の塩基配列を有するプローブDNAを固定しておくと、反応溶液が第二付着部4cを通過すると蛍光性インターカレーターが反応溶液に溶解する。さらに、プローブ固定部4dにて増幅されたDNAとプローブがハイブリッド形成すると、そこに蛍光性インターカレーターがインターカレートして蛍光性となる。従って、このプローブ固定部を蛍光顕微鏡で観察することによって、鋳型DNAがプローブDNAと同じ塩基配列を有すること、及びDNAが増幅されたことが確認される。
上述のように本実施例によれば、液体Aが流路4内の容積のほんの一部だけにすぎない極少量であっても、所定の流速で流路4内を送液されてポリメラーゼ連鎖反応等の反応や処理を行うことができ、しかも液体Aを送液する駆動用の液体Bは液体Aと実質的に混和することがない上に、従来の送液方法と相違して気体でなく液体Bで駆動させるために温度変化による熱膨張差や熱収縮差がほとんど無いため、送液量の変動を抑制して所望の速度で精度良く送液できる。また、液体Aの定量を、洗浄不要のマイクロピペッターで行うことが出来るため、操作が簡略化されて作業効率が向上する上、試料の汚染の恐れもない。
また、蛍光指示薬である蛍光性インターカレーターを反応終了溶液に自動的に添加することが出来、ポンプなどの複雑な機構と操作を用いることなく蛍光検出が可能でり、大幅な省力化が図れる。
また上述の実施例では、液体Bの移送機構として外部ポンプを使用したが、マイクロ流体素子内に形成された内部ポンプを使用してもよい。この場合には予め流路4に液体Bを充填する際に、少なくとも流入口から該内部ポンプまでの間に液体Bを充填すればよい。その方法としては、前述の外部ポンプと同様にして、流出口から液体Bを導入しても良いし、流入口から液体Bを導入しても良い。流入口から導入する場合、筒7内に残留した液体Bは、マイクロシリンジやマイクロピペッターで除去すればよい。
以下、本発明をより具体化した実施例1を用いて更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例1の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例1における「部」は「質量部」を表す。
また実施例の説明に先立って各部材の製作や試験に共通する、エネルギー線照射装置と照射方法、エネルギー線硬化性組成物(i)の調製方法、マイクロ流体素子Dの製法、配管9の製作手順について説明する。
[エネルギー線照射装置]
200wメタルハライドランプが組み込まれたウシオ電機株式会社製のマルチライト200型露光装置用光源ユニットを用い、365nmにおける強度が50mw/cm2の紫外線を窒素雰囲気下で照射した。
[製造例1]
〔エネルギー線硬化性組成物(i)の調製〕
活性エネルギー線架橋重合性化合物として、平均分子量約2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製の「ユニディックV−4263」)を60部、及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティアHDDA」)を20部、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(n=17)アクリレート(第一工業製薬株式会社製の「N−177E」;両親媒性の単量体)を20部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュア184」)を5部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)0.1部を均一に混合して組成物(i)を調製した。
〔多孔質体を形成するエネルギー線硬化性組成物(ii)の調製〕
活性エネルギー線重合性化合物としてエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティアBPE−4」)を35部、及び、前記「N−177E」を5部、相分離剤(貧溶剤)としてカプリン酸メチル(関東化学社製)100部、及び、紫外線重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキュア184」)を5部を混合して多孔質体を形成するエネルギー線硬化性組成物(ii)を調製した。
〔付着液Aの調製〕
ポリメラーゼ[宝酒造株式会社製「TaKaRa Ex Taq TM」]:2.0mm、基質 [宝酒造株式会社製「dNTP Mixture (2.5mM each)」]:6.4mm、フォワード及びリバースプライマー[タカラバイオ株式会社製「ras Gene Primer set c-Ki-ras/12 (5pmol/mm)」]:各20mm、及び滅菌蒸留水:19.6mmを混合して、PCR反応用の付着液Aを調製した。
〔付着液Bの調製〕
エチジウムブロマイド(和光純薬製)1部を蒸留水30部に溶解させて付着液Bを調製した。
[実施例1]
[マイクロ流体素子Dの作製]
〔部材Mの作製〕
基材1としてアクリル樹脂製の5cm×5cm×1mmの板を用い、これに127μmのバーコーターを用いて組成物(i)を塗布し、紫外線を3秒間照射して、第一塗膜2を半硬化させた。
この半硬化の第一塗膜2の上に、127μmのバーコーターを用いて組成物(i)を塗布し、フォトマスクを使用して、図1に示された、直線状の単位流路4xが48本半が蛇行状に折りたたまれた形状の流路4となる部分以外の部分に、紫外線を3秒間照射して、照射部分の第二塗膜3を半硬化させた後、50%エタノール水溶液にて第二塗膜3の未照射部の未硬化の組成物(i)を洗浄除去し、流路4となる溝が形成された部材Mを作製した。なお、溝4(流路4)は後述のように、4a、4b,4c,4d成る部分を有する。
〔底面多孔質体の形成〕
この溝4に、マイクロピペッターにて多孔質体形成用エネルギー線硬化性組成物(ii)を配し、スピンコーターにて余剰の該組成物(ii)を飛散除去した後、第一付着部4aとなる溝4の最初の2本の直線状の単位流路4x部分4a(長さ約6cm)、プローブ固定部4dとなる、流出口8から約5mm上流部分の温度領域β内の長さ1mmの部分4d、及び、第二付着部4cとなるその前の1本の直線状の単位流路4x部分4c(長さ約3cm)の部分のみに紫外線を40秒間照射して該組成物(ii)を多孔質体と成し、50%エタノール水溶液にて非照射部分の未硬化の組成物(ii)及び形成された多孔質体の細孔中の非溶剤などを洗浄除去した。形成された多孔質体の厚みは約4μmであった。
〔PCR用付着液の付着〕
前記第一付着部分4aから付着液が流出しないように前記と同じ塗装用保護テープで溝4を保護し、第一付着部分4aにPCR用付着液をマイクロピペッターにて配し、温風にて乾燥させ、これを繰り返して、合計6mmの付着液を付着させて乾燥した。前記第二付着部4c及びプローブ固定部4dは処理もせず、何らの物質も付着又は固着させなかった。
〔部材Nの作製〕
一方、前記と同じアクリル樹脂製の5cm×5cm×1mmの板6に127μmのバーコーターを用いて組成物(i)を塗布し、紫外線をフォトマスク無しで3秒間照射し、第三塗膜5を半硬化させ、部材Nとした。
次いで、部材Nの半硬化状態の第三塗膜5を部材Mの第二塗膜3と密着させて、紫外線を更に30秒間照射し、部材Mの第二塗膜3に部材Nを接着し、溝を毛細管状の流路4と成し、幅150μm、深さ100μm、直線状の単位単位流路4xの長さ30mm、該直線状の単位単位流路4xのかず48.5本、全長1.5m、流路断面積0.015mm2、全容積22.5mm3の流路4を形成した。但し、該流路4の一部に設けられたプローブ固定部4dの長さ1mmの部分のみは、幅500μmとされている。
〔流入口の形成〕
部材Nの、流路4の両端部に3mmのドリルにてそれぞれ孔を穿って流入口7及び流出口8を形成し、その部分に内径2mm、外径3mm、高さ4mmの軟質塩化ビニル製の円筒を嵌挿して接着し、流入側フィッテイング9及び流出側フィッティング10として、図1及び図2に示された形状のマイクロ流体素子[D1]を得た。
[接続配管の作製]
一方、テーパー状のホース口を、内径2mm、外径3mmの軟質塩化ビニルチューブの先端に取り付けた接続配管11を作製した。
[PCR試験]
マイクロ流体素子[D1]を流入口7と流出口8側を上にして、図1に示された第一の温調領域部α、第二の温調領域部β、第三の温調領域部γの底面に、それぞれ95℃、75℃、45℃に温調した真鍮製の温調ステージ(図示せず)を密着させて載置した。そして、流入側フィッティング9と流出側フィッティング10の部分に直径3.2mmの孔を開けた厚さ1mmのアクリル樹脂板(図示せず)を、マイクロ流体素子[D1]の上面に約1mmの間隙をあけて載置した。
反応溶液として、鋳型DNA[タカラバイオ株式会社製「ras Mutant Set c-Ki-ras codon 12 Gly (1ng/1mm3)」]の緩衝液[宝酒造株式会社製(10X ExTaq TM Buffer)の滅菌蒸留水による10倍希釈物]による20倍希釈液1.5mm3をマイクロピペッターにて、マイクロ流体素子[D1]の流入口7の底に注入し、次いで、該流入口7にマイクロシリンジを用いて、気泡が入らないように注意しながらミネラルオイル(和光純薬)を溢れるまで注入した後、前記ミネラルオイルが配管内部に充填された接続配管11をゆっくりと嵌挿接続した。一方、該接続配管11の他端は、やはり前記ミネラルオイルが充填されたマイクロシリンジポンプ(サイエンティフィック社製IC−3210P型)(図示せず)に接続した。以上の操作を行ったところ、反応溶液(導入された液体)は前記ミネラルオイルに押されて流路4中に導入され、流路4中で第一付着部4aに充填された。
3分間放置して、第一付着部4aに付着しているPCR用付着物質を反応溶液に溶出させた後、マイクロシリンジポンプを駆動して、ミネラルオイルを1mm3/分で導入すると、反応溶液はミネラルオイルに押されて、流路4内を一定速度で送液され、前記の各温調領域部α、β、γの反応用流路4bを順次通過することによって温度履歴を受けた後、流出口8から流出した。フィッティング10の内側に溜まった液体Aをマイクロピペッターで採取して電気泳動分析装置(日立電子エンジニヤリング製、SV1100型)で分析したところ、DNAが増幅されていることが確認された。
即ち、本実施例で分かるように、試料溶液として鋳型DNAのみの溶液を導入するだけで、PCRが実施できる。そのため、多種類の極微量の成分を調製する必要が無く、容易に極微量のPCRが実施できる。また、本PCRがDNA分析工程に組み込まれた一つの工程である場合には、プライマーがマイクロ流体素子内に付着しているため、反応溶液調製時に取り違える恐れが無く、分析結果の信頼度が向上する。
[実施例2]
[マイクロ流体素子Dの作製]
(1)流路2の第二付着部4cに、蛍光性インターカレーターであるエチジウムブロマイドを付着させたこと、及び、
(2)前記プローブ固定部4dに、前記鋳型DNAに相補的な塩基配列を有し、且つ、プライマーの塩基配列とは一致しない塩基配列を有する25merのオリゴヌクレオチドを通常のDNAマイクロアレイの製法と同様の方法で固定したこと、以外は実施例1と同様にしてマイクロ流体素子[D2]を作製した。
[接続配管の作製]
実施例1と全く同様にして接続配管11を作製した。
[PCR試験]
マイクロ流体素子[D2]を用いたこと、導入した反応溶液の最終端がプローブ固定部4dに達した時点でポンプを停止し、該プローブ固定部4dを蛍光顕微鏡で観察したところ、DNA二本鎖にインターカレートしたエチジウムブロマイドの蛍光が観察され、DNAが増幅されたことが確認された。
なお、比較のため、ヒートブロックを全て45℃とした対照実験では、上記エチジウムブロマイドの蛍光は観察されなかった。
即ち、蛍光指示薬であるエチジウムブロマイドを反応終了溶液に自動的に添加することが出来、蛍光検出が可能であった。これにより大幅な省力化が図れた。
本発明の実施例によるマイクロ流体素子の平面図である。 図1に示すマイクロ流体素子のA−A線縦断面図である。
符号の説明
D マイクロ流体素子
4 流路
4a 第一付着部(流路)
4b 反応用流路(流路)
4c 第二付着部(流路)
4d プローブ固定部(流路)
7 流入口
8 流出口
9 流入側フィッテイング
10 流出側フィッティング
11 接続配管
α 第一の温調領域部
β 第二の温調領域部
γ 第三の温調領域部

Claims (13)

  1. 部材の内部に毛細管状の流路を有するマイクロ流体素子であって、前記流路の少なくとも一部に、液体に溶解性の(生)化学物質が付着していることを特徴とする、溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  2. 前記流路に多孔質体が固着形成されており、該多孔質体に、前記付着物質が付着している請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  3. 前記流路にハイドロゲルが固着形成されており、該ハイドロゲルに、前記付着物質が付着している請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  4. 前記多孔質体が、前記流路の内表面に、該流路の断面を閉塞しない形状に形成された多孔質体である請求項1に記載のマイクロ流体素子。
  5. 前記付着している(生)化学物質が、前記流路に導入される液体に溶解して(生)化学反応が進行するような反応成分である請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  6. 前記付着物質が、ポリヌクレオチド増幅反応の反応成分である請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  7. 前記付着物質が、指示薬である請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  8. 前記付着物質が、蛍光性インターカレーター又は導電性インターカレーターである請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  9. 前記マイクロ流体素子が、それぞれ異なる種類または異なる量の前記付着物質が付着した複数の流路を有する請求項1に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロ流体素子の流路に液体を流し、該付着物質を該液体に溶解させて、該流路中で(生)化学反応及び/又は(生)化学的処理を行うことを特徴とする、溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子の使用方法。
  11. 前記付着物質が、反応に関わる成分中の一部であり、マイクロ流体素子に導入する液体が、前記反応に関わる成分の残部を含有する溶液である請求項10に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子の使用方法。
  12. 前記付着物質が、ポリヌクレオチド増幅反応用のポリメラーゼ、基質、及びプライマーであり、前記溶液に含有される他の成分が、鋳型ポリヌクレオチドである請求項10に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子の使用方法。
  13. マイクロ流体素子が請求項9に記載のマイクロ流体素子であり、前記プライマーが異なる種類のプライマーである請求項10に記載の溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子の使用方法。
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