JP2006308447A - 生体サンプル分析用プレート及び生体サンプル分析方法 - Google Patents

生体サンプル分析用プレート及び生体サンプル分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 流路に充填された緩衝材中で生体サンプルを移動させて検出を行う際に、緩衝剤や生体サンプルの注入作業が容易で、そして短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル分析用のプレートを提供する。
【解決手段】 流路11,12は、生体サンプルを一定量だけ取得するための予め定められた容積を有する定量分取部10に一端が連結されている。流路11の他端には、前記軸心に対して定量分取部10と同心円上の位置において、流路11,12に充填される緩衝剤が保持される緩衝剤貯留部7を設けてあり、更に緩衝剤貯留部7には、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するオーバーフローチャンバー17を連結する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、DNAやタンパク、その他の生体サンプルを緩衝剤中で移動させ、その輸送反応を検出して生体サンプルを分析するための生体サンプル分析用プレート及び生体サンプル分析方法に関する。
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNAとタンパクが存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
DNAに関しては、現在SNPs(single nucleotide polymorphismの略で「1塩基多型」と一般に訳されており、遺伝子における1暗号(1塩基)の違いの総称である。)が注目されている。その理由としては、SNPsの分類により、多くの疾患に対する罹患率や各個人の薬剤に対する効果や感受性を予測でき、さらには、地球上に親子兄弟といえども全く同じSNPsを持つ人間は絶対に存在しないことから個人の完全な特定ができると考えられているからである。
現在SNPsを調べる方法としては、DNAの塩基配列を端から直接読んでいくシーケンシング(塩基配列の決定)が最も一般的に用いられている。そして、前記シーケンシングを行う方法としては、いくつかの報告があるが、もっとも一般的に行われているのは、ジデオキシシーケリング(Sanger法)である。なお、シーケンシングは、このSanger法を含め何れの方法においても、分離能の高い変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動か、キャピラリー電気泳動によって1塩基長の長さの違いを分離・識別する技術が基になって成り立っている。
また他の方法として、アフィニティリガンドキャピラリー電気泳動法がある。アフィニティリガンドキャピラリー電気泳動は、分子間親和力、とくに生態系における特異的親和力(酵素と基質、抗原と抗体の親和力等)を利用して分離に特異性を持たせるものであり、具体的には、キャピラリー管中の泳動溶液に、塩基配列を特異的に認識するアフィニティリガンドを添加しておき、試料を電気泳動させると、試料混合物中で相互作用する分子種だけが移動速度に変化を生じることに着目して分析を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
一方、タンパク質は、細胞、組織、生体液中に存在し、生体活動の調節、細胞へのエネルギー供給、重要な物質の合成、生物構造体の維持、さらには細胞間でのコミュニケーションや細胞内情報伝達に関与している。現在では、タンパク質が様々な環境や、相互作用する他のタンパク質の存在、タンパク質が受けた修飾の程度や種類に応じて、複数の機能を有することが明らかになってきている。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が遺伝子の指示(配列情報)により順番につながることでつくられており、その種類は数千万種と言われるが、その遺伝子の配列がわかれば、どのアミノ酸がどういう順番でつながってできているかの情報を得ることができる。生物の遺伝子(ゲノム)から作られるタンパク質の一そろいのセットは、プロテオームと呼ばれるが、ヒトゲノムの塩基配列解読が終わった今、プロテオームの解析が盛んに進められている。
そして、このようなタンパク質の機能解析研究としては、同定やキャラクタリゼーションのみならず、生化学アッセイやタンパク質間相互作用研究、タンパク質ネットワーク、または細胞内外のシグナリング解明なども行っていく必要がある。このタンパク質機能の研究には、多方面の技術が使用され、酵素アッセイ、酵母 two−hybrid アッセイ、クロマトグラフィーによる精製、情報ツールとデータベース等があるが、特に、電気泳動によるたんぱく質の判別は重要な手法である。そして、電気泳動のように、キャピラリー管中のサンプル、分析物、緩衝剤、及び試薬等の液体を移動させた際に得られる輸送反応を検出して、該サンプルの分析、判別、判定等を行う場合の前記液体の輸送及び方向付けに関しては、さまざまな報告がある(例えば、特許文献2、3)。
特開平7−311198号公報 特表2000−513813号公報 特表2001−523341号公報
上述したように生体サンプルの分析においては、キャピラリー電気泳動装置を利用した方法が広く使われている。
実際に輸送反応を行なう部分であるキャピラリーは、外形300ミクロン、内径100ミクロン程度のガラス管が使用される例が多く、折れにくくするために表面はポリイミド等でコーティングされている。しかしながら、内部試料を検出するために検出窓として焼いたり薬品で溶かしたりするなどしてコーティングを一部剥ぎ取る。この時、コーティングを剥いだ部分は折れやすくなり取り扱いに十分注意する必要がある。折れた場合はなお危険である。
また、サンプルの注入においても、加圧や吸引で行なうのが一般的な方法であるが、一定量注入する必要があり、時間で調整するもののキャピラリー内の緩衝剤の粘度や温度変化により注入量が実験のたびに異なるという問題がある。サンプルの量は測定結果に及ぼす影響は大きく、大変重要な項目である。
また、このようなキャピラリーを使用した装置の場合、構成上短い流路での電気泳動を行なうことは困難であり、必要以上の泳動距離と時間をかけて測定することになる。
上記の煩雑な作業を簡便にする方法として、キャピラリーの代わりに、微細な流路を形成したプレートを使って、電気泳動させる方法がある。
しかし、このプレート上の流路を利用した場合でも試料の分離を行うのに、例えば特許文献2,3に記載の方法では、試料をトラップする緩衝剤が充填された、複数のキャピラリーチャンネルを交差させ、且つ少なくとも3つ電極を設けて、該少なくとも3つ設けられた電極のうちの2つの電極に印加して、前記交差部を通して前記試料を移動させている。しかしながらこの方法では、流路が交差していることから、試料を電気泳動させる際にうまく泳動しない可能性があり、さらに、分離された試料は緩衝剤の粘度や温度変化により変化するため一定でないため、正確な測定結果が得られないという問題がある。
本発明は、流路に充填された緩衝剤中で生体サンプルを移動させて検出を行う際に、煩雑な準備作業が不要で、短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル分析用のプレートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の生体サンプル分析プレートは、軸心周りに回転することで、注入された緩衝剤が遠心力によって充填される流路を有する生体サンプル分析用プレートにおいて、前記流路は、生体サンプルを一定量だけ取得するための予め定められた容積を有する定量分取部に一端が連結され、その定量分取部より前記軸心に対して外周方向に伸びる形状を有する第1の流路と第2の流路とにより形成されており、前記第1の流路の他端には、前記軸心に対して前記定量分取部と同心円上の位置、または、前記定量分取部よりも前記軸心側の位置において、前記流路に充填される緩衝剤が保持される緩衝剤貯留部を設けてあり、更に前記第2の流路には、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するオーバーフローチャンバーを連結したことを特徴とするものである。
また、本発明の生体サンプル分析方法は、前記生体サンプル判別用プレートを利用して行う分析方法において、前記緩衝剤貯留部分に緩衝剤を保持させて、前記生体サンプル分析用プレートをその軸心周りに回転させて遠心力を与えたときに、前記定量分取部に、一定量の生体サンプルを注入できるだけの体積空間を残し、その後に、残された空間に生体サンプルを注入するようにしたことを特徴とする分析方法である。
本発明によれば、遠心力によって、短時間で一定量の生体サンプルを緩衝剤中に確実に添加することができ、その後の電気泳動によって、正確な検出を行うことができる。さらに本発明によれば、緩衝剤や生体サンプルをプレートに供給する際に、緩衝剤注入部あるいは生体サンプル注入部の全体をほぼ満たすように注入するだけで、分析に必要な量の緩衝剤や生体サンプルを、過不足なく供給することができる。このため、従来のように、ピペットなどからプレートに供給する際に、一定量だけ吐出させるような、熟練した操作は必要とならず、簡単な操作で緩衝剤や生体サンプルを注入することができる。このように煩雑な準備作業が不要で、短時間で正確な検出結果の得られる、生体サンプル分析用のプレートを提供することができる。
(実施の形態1)
以下、図1〜図8を用いて、本実施の形態1について説明する。本発明は、生体サンプルを緩衝剤中で移動させて、生物学的、酵素的、免疫学的、及び化学的反応を行い、生体サンプルを容易かつ安価に精度よく短時間で判別することを実現するものである。
なお、本実施の形態1では、説明を具体的にするために、前記生体サンプルがDNAサンプルで、前記緩衝剤が分離用DNAコンジュゲート及びDNA結合制御剤を含むものであるとし、本生体サンプル分析プレートが、流路中に充填させた分離用DNAコンジュゲート中に、定量された前記DNAサンプルを添加して電気泳動させ、該流路中の蛍光度あるいは吸光度を検出して、該DNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するものとする。
まず、図1〜図3を用いて、本実施の形態1における生体サンプル分析プレートの構成について説明する。図1は、本実施の形態1における生体サンプル分析プレートの流路形成面からみた図である。図2は図1に示すプレート1に形成されたパターン2の詳細形状を示す図である。
本実施の形態1におけるプレート1には図2に示すパターン2が4個放射線状に形成されており、同時に4検体のDNA判別が可能である。
図1に示すように本実施の形態1におけるプレート1の外形は8センチ四方の正方形で4角は面取りされており、そのうちの1角は更に大きく面取りされている。
更に穴4を設けているが、これは外形を非対称にしてパターンの場所を特定できるようにされている。プレート1をこのような外形形状にしている訳は、図示しない光学読取装置にプレートを取り付けて、上記の蛍光度や、吸光度を検出する際の位置決めを容易にするためである。材料はアクリル系の樹脂を使用し厚みは2mmである。流路形成面には溝が形成されさらに厚さ50μmのアクリル製フィルムを接着することで密閉流路が形成されている。
また、5は本プレートの軸心であり、軸心5を中心に本プレートを上記の光学読取装置の回転部に固定するための孔3を設けている。
図2に示す6は緩衝剤であるDNAコンジュゲートを注入する、空気孔を兼ねた緩衝剤注入口、7は注入された緩衝剤を一旦保持するための緩衝剤注入部、8はDNAサンプルを注入する、空気孔を兼ねたサンプル注入口、9は注入されたDNAサンプルを一旦保持するためのサンプル注入部である。緩衝剤注入部7とサンプル注入部9の形状は相似しており、周辺断面を図3に示す。
図3は緩衝剤注入部やサンプル注入部近傍の断面を表した図であり、斜線でハッチングした部分がプレート1である。19が緩衝剤注入口6およびサンプル注入口8にあたり、20が緩衝剤注入部7およびサンプル注入部9である。21が前述したフィルムであり溝にフタをするように貼り付けることで密閉流路が形成される。ちなみに流路形成面は下部である。
再び図2に戻り、サンプル注入部9はサンプル定量分取部10と接続しており、緩衝剤注入部7も流路11によって、定量分取部10と接続している。また、定量分取部10には空気抜きをするための空気孔13と、注入されたDNAサンプルを遠心力により、定量化するためのオーバーフローチャンバー14と、電気泳動時に前記した光学読取装置にて走査するための流路12が接続されており、流路12の端部には、空気孔15が接続されており、更に、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するためのオーバーフローチャンバー17が設置されている。本実施の形態では、流路11、12の幅は50μmであり、流路の深さは50μmである。
それでは、以下前述した該DNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するまでの具体的操作および動作の一例を、外周側パターン2の詳細形状を示す図2を利用して説明する。
まず、検体となるDNAサンプルを準備する。本来DNAは2本鎖の螺旋構造をしたものであるが、本実施の形態1においては、判別したいSNPs部位を含む約60塩基長の1本鎖DNAを準備する。抽出方法や1本鎖化については本発明とは直接関係がないので詳細説明は省略する。
次に、緩衝剤としてDNAコンジュゲートを準備する。DNAコンジュゲートとは、6〜12塩基長1本鎖DNAの5’末端に高分子のリニアポリマーが共有結合したものである。さらにDNAは、正常型に対しては相補であるが変異型に対しては相補ではない配列であり、正常型DNAに対しての結合力が強く、変異型DNAに対しての結合力が弱い特性がある。また、電気泳動した場合、5’末端に結合したリニアポリマーがおもりとなり泳動速度がかなり遅いという特性もある。以後記述する「DNAコンジュゲート」とは、電解質の役目もするpH緩衝剤およびMgCl2などのDNA結合力制御剤を含んだ物性とする。
試料の準備が終わったところで、DNAコンジュゲートおよびDNAサンプルをプレート内へ注入する。まず、DNAコンジュゲートをピペッター等により緩衝剤注入口6から緩衝剤注入部7を充填するように分注する。分注量としては、パターンのスケールにより異なるが本実施の形態1においては、緩衝剤注入部7と流路11と定量分取部10と流路12を満たすには、DNAコンジュゲートが3マイクロリットル必要である。緩衝剤注入部7の容積は、3マイクロリットルより若干多くなるように予め形成してある。
次に光学読取装置の回転部にプレート1を固定し、軸心5を軸に回転させる。この時分注されたDNAコンジュゲートは、遠心力により外周方向へと移動する。緩衝剤注入部7内のDNAコンジュゲートは流路11を通り定量分取部10へと移動した後、さらに流路12まで移動する。回転数4000rpmで回転開始から2分後、DNAコンジュゲートの移動が停止した状態が図4である。また、定量分取部10周辺を拡大した図が、図5である。
DNAコンジュゲートの移動が終了した後、緩衝剤注入部7と流路12内に存在するDNAコンジュゲートの液面高さと定量分取部の液面高さは、軸心5を中心とする同一円周上となる。但し、緩衝剤注入部7内に注入するDNAコンジュゲートの量が3マイクロリットルより少ない場合、図6aに示すように、定量分取部10や流路12内にDNAコンジュゲートが充填されない。充填していなければ、電気泳動ができなくなる。
一方、3マイクロリットルより多い場合においては、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するためのオーバーフローチャンバー17を設置している。このため、DNAコンジュゲートの液面高さと定量分取部の液面高さは、常に軸心5を中心とする同一円周上となる。なお、オーバーフローチャンバー17は、図6bに示すように、オーバーフローチャンバー17を除くハッチング部分、すなわち、緩衝剤注入部7と流路11と定量分取部10と流路12のハッチングした容積が3マイクロリットルになった時の、重心5を中心とする同一円周上の流路12に配置されている。
次にDNAコンジュゲートが流路内に輸送された後、DNAサンプルをプレート内へ注入する。DNAサンプルはピペッター等によりをサンプル注入口8よりサンプル注入部9へ分注する。本実施の形態1においては、DNAサンプルは1マイクロリットル必要とするので、サンプル注入部9の容積は、それより若干大きく形成しておく。
次に回転部にプレート1を固定し、軸心5を軸に回転させる。この時分注されたDNAサンプルは、遠心力により外周方向へと移動する。
サンプル注入部9内のDNAサンプルは空気孔13により気泡が発生することなく、定量分取部10へと移動する。このとき、定量分取部10に移動したDNAサンプルはオーバーフローチャンバー14により、定量化することができ、不必要なDNAサンプルはオーバーフローチャンバー14内へと移動する。そして、4000rpmでの回転開始から2分後、DNAサンプルの移動が停止した状態が図7である。また、定量分取部10周辺を拡大した図が図8である。
以上の動作で定量分取部10に残存したDNAサンプルがSNPsの判別を行なう最終試料となる。
次に、電気泳動を行う。流路が形成されたプレート前面にはフィルム21が貼られており、そこへ針状の電極を突き刺し内部へ挿入することで電圧印加が可能となる。電極を突き刺す場所は、正電極の場合、流路12の端部に、負電極の場合は、緩衝剤注入部7に突き刺す。電気泳動は、電極間に数百Vの電圧を印加すると、流路12さらには定量分取部10において電界が発生し、定量分取部10に一定量残存したDNAサンプルは、流路12中を正電極側(図7中A方向)へ泳動する。
流路12中にはDNAコンジュゲートが充填されており、DNAサンプルはDNAコンジュゲートとの結合を繰り返しながら電気泳動する。この時、上述したようにDNAサンプル中の正常型DNAはDNAコンジュゲートとの結合力が強いため泳動速度が遅くなり、変異型DNAは結合力が弱いため正常型に比べ泳動速度は速くなる。つまりDNAサンプル中に正常型、変異型両方が存在した場合は、正常型のDNAと変異型のDNAが分離していくこととなり、SNPsの判別が行なえるのである。
以上のように、本実施の形態1によれば、緩衝剤をプレートに供給する際に、緩衝剤注入部の全体を満たすように注入するだけで、分析に必要な量の緩衝剤を、過不足なく供給することができる。このため、従来のように、ピペットなどからプレートに供給する際に、一定量だけ吐出させるような、熟練した操作は必要とならず、簡単な操作で緩衝剤を注入することができる。また、定量分取部にオーバーフローチャンバーを設けることにより、緩衝剤中に一定量の生体サンプルを添加するようにしているので、この結果、該生体サンプルを緩衝材中で確実に電気泳動することができ、煩雑な準備作業が不要で、短時間で正確な検査が可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図9を用いて説明をする。実施の形態1の構成と大きく異なる点は、流路12の端部に空気孔15を設けるのではなく、緩衝剤注入部7aを設け、更に緩衝剤注入部7bを設け、流路16を介して緩衝剤注入部7と緩衝剤注入部7aに接続した点である。以下、異なる部分について、説明を加える。
図9に示すように緩衝剤注入部7bを設け、流路16を介して緩衝剤注入部7と緩衝剤注入部7aに接続することで、DNAコンジュゲートをプレート1に注入する際、緩衝剤注入部7bの1箇所に注入するだけでよく、かつ、4000rpmで回転させると、遠心力によるDNAコンジュゲートの移動時間も2分よりは短く、1分40秒で移動が完了する。また、流路の両端部から同時に緩衝剤の充填が行われるので、気泡などをかまずに、確実に充填されるための構成にするには、流路11と流路12の体積をほぼ等しくすることが望ましい。
本発明の生体サンプル分析プレート及び生体サンプル分析方法は、DNAサンプル等の生体サンプルの判別を、安価で、且つ簡便に行えるようにするものとして有用である。
本発明の実施の形態1にかかる生体サンプル分析用プレートの平面図 同生体サンプル分析用プレートのバターンを拡大して示す平面図 同生体サンプル分析用プレートのサンプル注入部、および緩衝剤注入部の断面図 同生体サンプル分析用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル分析用プレートの定量分取部を拡大して示す平面図 同生体サンプル分析用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル分析用プレートのパターン部分を示す平面図 同生体サンプル分析用プレートのパターンを示す平面図 同生体サンプル分析用プレートの定量分取部を拡大して示す平面図 本発明の実施の形態2にかかる生体サンプル分析用プレートのパターンを示す平面図
符号の説明
1 プレート
2 流路パターン
3 回転部固定用穴
4 位置決め穴
5 プレート重心
6 緩衝剤注入口
7,7a,7b 緩衝剤注入部
8 サンプル注入口
9 サンプル注入部
10 定量分取部
11,12 流路
13 空気孔
14,17,18 オーバーフローチャンバー
15 空気孔
16 流路
30 DNAコンジュゲート
31 DNAサンプル
40 スキャン流路

Claims (7)

  1. 軸心周りに回転することで、注入された緩衝剤が遠心力によって充填される流路を有する生体サンプル分析用プレートにおいて、
    前記流路は、生体サンプルを一定量だけ取得するための予め定められた容積を有する定量分取部に一端が連結され、その定量分取部より前記軸心に対して外周方向に伸びる形状を有する第1の流路と第2の流路とにより形成されており、
    前記第1の流路の他端には、前記軸心に対して前記定量分取部と同心円上の位置、または、前記定量分取部よりも前記軸心側の位置において、前記流路に充填される緩衝剤が保持される緩衝剤貯留部を設けてあり、
    更に前記第2の流路には、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するオーバーフローチャンバーを連結したことを特徴とする生体サンプル分析用プレート。
  2. 軸心周りに回転することで、注入された緩衝剤が遠心力によって充填される流路を有する生体サンプル分析用プレートにおいて、
    前記流路は、生体サンプルを一定量だけ取得するための予め定められた容積を有する定量分取部に一端が連結され、その定量分取部より前記軸心に対して外周方向に伸びる形状を有する第1の流路と第2の流路とにより形成されており、
    前記第1の流路および第2の流路の他端には、前記軸心に対して前記定量分取部と同心円上の位置、または、前記定量分取部よりも前記軸心側の位置において、前記流路に充填される緩衝剤が保持される緩衝剤貯留部を設けてあり、前記緩衝剤貯留部には、緩衝剤貯留部分に保持できない余剰の緩衝剤が流入するオーバーフローチャンバーを連結しており、更に、前記緩衝剤貯留部よりも軸心側の位置に、前記緩衝剤が注入される緩衝剤注入部を設け、前記緩衝剤貯留部と連結したことを特徴とする生体サンプル分析用プレート。
  3. 緩衝剤の流路への充填を促進するために、前記流路または前記緩衝剤注入部に連通する空気孔を設けたことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の生体サンプル分析用プレート。
  4. 生体サンプルを注入するための生体サンプル注入部を、前記定量分取部に連結して設け、さらにその生体サンプル注入部に保持された生体サンプルの前記定量分取部への供給を促進するための空気孔を、前記定量分取部に連通して設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体サンプル分析用プレート。
  5. 前記定量分取部は、一定量以上に供給された生体サンプルが流出する、オーバーフローチャンバーに連結していることを特徴とする請求項4に記載の生体サンプル分析用プレート。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の生体サンプル分析用プレートを利用して行う分析方法であって、
    前記緩衝剤貯留部分に緩衝剤を保持させて、前記生体サンプル分析用プレートをその軸心周りに回転させて遠心力を与えたときに、前記定量分取部に、一定量の生体サンプルを注入できるだけの体積空間を残し、その後に、残された空間に生体サンプルを注入するようにしたことを特徴とする生体サンプル分析方法。
  7. 一定量の生体サンプルを前記定量分取部に取得した後、生体サンプルを前記第1または第2の流路中を電気泳動させ分析することを特徴とする請求項6に記載の生体サンプル分析方法。

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