JP5297903B2 - ホイップグミキャンディ - Google Patents

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Description

本発明は、気泡を安定に保持したホイップグミキャンディに関する。詳細には、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ、従来ない新規な食感のホイップグミキャンディに関する。
従来、グミキャンディは砂糖、水飴、水、ゼラチン等の原料を煮詰めた生地を成形型に流し込み、冷却、乾燥して固化することにより製造される。このように製造されるグミキャンディに空気が入ると、例えば次の(1)〜(3)のような問題が生じ、安定したグミキャンディを製造できないという問題点があった。(1)重量が均一なグミを製造できない。(2)見た目が悪くなる。(3)空気の入り方によって食感が変化するため、均一な食感を有するグミキャンディを製造できない。
そこで、製造ライン上では、大型タンクに生地を流し込み、上層部に気泡を浮かせ、泡を取り除くという方法をとり、均一且つ安定なグミキャンディを製造している。
一方、グミキャンディは添加する増粘多糖類を変化させることにより、生地の硬さを変えることはできるものの、硬さ以外の食感の変化は乏しいものであった。そこで、食感にバリエーションを与えるために、従来、均一なグミキャンディの製造が難しいとされていた、含気グミキャンディに関する研究がなされている。
含気菓子や含気グミキャンディに関してはいくつか調製方法が開示されており、例えば、グミキャンディの生地に炭酸水素ナトリウムを添加し、発泡させる方法が挙げられる(特許文献1)。また、生地に気泡を抱かせる前に油を添加し、混合することによりマシュマロ様の食品が得られる方法(特許文献2)、ゼラチンと、糖類と、カカオマス、ココアパウダー及びチョコレートから選ばれた一種に特定量の油脂を含有したマシュマロ様食品(特許文献3)、ゼラチン及び糖類を含む生地をホイップして比重0.2〜0.5の生地を得る工程と、この生地に油脂性原料を添付して比重0.9以下の生地を得る工程を含むマシュマロ様食品(特許文献4)、特定量の水添殿粉加水分解物、特定割合の水不溶性および水溶性セルロース系化合物、特定量のホイップ剤、特定量の脂肪、最終含有水分を特定量含有するシュガーレスの咀嚼可能な気体含有菓子組成物(特許文献5)が開示されている。
しかし、特許文献1〜5のように発泡剤、油脂や澱粉を用いて調製する方法では、気泡を含有するグミキャンディを製造することはできるものの、グミ様の弾力性を保持しつつも、軽く柔らかい食感を併せ持つグミキャンディを製造することはできなかった。
特に、炭酸水素ナトリウムを用いて調製される含気グミキャンディ(特許文献1)は、炭酸水素ナトリウムが発泡剤であるため、グミキャンディ中に気泡を含有させることは可能であるが、その技術は気泡を含有させるに留まり、グミキャンディ中の気泡の抜けにくさに関しては一切開示されていない。実際、炭酸水素ナトリウムを用いて調製された含気グミキャンディは経時的に気泡が抜けてしまい、限られた時間でなければ安定な含気グミキャンディを提供することはできないことから、製造工程が制限されてしまうという問題点を抱えていた。
また、特許文献2で調製されるマシュマロ様食品は、食感としてマシュマロのような気泡感を持ちヌガーのようなチューイング性を持つことが特徴である。また、特許文献3、4のマシュマロ様食品は噛み応えがよく、軽くてクリーミーな食感を持つことが特徴であり、グミ様の弾力性を保持しつつも、軽く柔らかい食感を併せ持つグミキャンディを製造することはできなかった。
加えて、油脂を用いて調製するマシュマロ様食品(特許文献2〜4)は、油分の臭みが付与されてしまう点、カロリーが高くなってしまう点、油脂の酸化による品質の劣化等改良すべき問題点があった。特に、特許文献3〜4ではホイップ生地を調製し、その後、ホイップ生地に油脂を添加し、1分以内に油脂を混合してマシュマロ生地を調製し、成形・固化するという4工程をとる必要がある。また、この製造工程ではホイップ生地に、油脂を添加することにより気泡が破壊されて生地の起泡性が低下するため、短時間(1分)以内に混合する必要があり、更に、油脂を添加後、混合しすぎても気泡が破壊するという問題点があり、その調製が大変困難であった。
一方、特許文献5は、セルロースを含有する気体含有菓子が開示されているものの、その配合が複雑であること、またフラッペ成分とシロップ成分の両方を用いて調製する点、その食感は滑らかな口中感のソフトヌガータイプ菓子(実施例1〜3、5参照)であることから、グミ様の弾力性を保持しつつも、軽く柔らかい食感を併せ持つグミキャンディを製造することはできなかった。
以上より、簡便な製造方法で食感にバリエーションを与えた含気グミキャンディを提供するには改良の余地があった。
特開平03−183443号公報 特開平04−335861号公報 特開2002−291414号公報 特開2002−291413号公報 特開昭63−148934号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、安定に気泡を保持することができ、食感が良好なホイップグミキャンディを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、グミキャンディに発酵セルロースを含有することにより、内部に細かい気泡を安定に保持し、結果、従来ない軽く柔らかい食感を併せ持ったホイップグミキャンディを簡便な製造方法で調製できることを見出した。
本発明は以下の態様を有するホイップグミキャンディに関する;
項1.発酵セルロースを含有することを特徴とするホイップグミキャンディ。
項2.発酵セルロースが、高分子物質によって複合化された発酵セルロース複合体である、項1に記載のホイップグミキャンディ。
項3.前記高分子物質が、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロースおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、項2に記載のホイップグミキャンディ。
項4.発酵セルロースおよびホイップグミキャンディの原材料を含有した原料溶液をホイップすることを特徴とする、ホイップグミキャンディの製造方法。
項5.発酵セルロースおよびホイップグミキャンディの原材料を含有した原料溶液をホイップして生地の比重を0.6〜0.9にすることを特徴とする、ホイップグミキャンディの製造方法。
本発明により、従来ない新規な食感のホイップグミキャンディを簡便な製造方法で調製できるようになった。詳細には、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ、従来ない新規な食感のホイップグミキャンディを提供できるようになった。
実施例3のホイップグミキャンディ(発酵セルロース複合体を0.15%添加)に関し、60分間静置後の気泡の状態を示す。 比較例1のホイップグミキャンディ(発酵セルロース無添加)に関し、60分間静置後の気泡の状態を示す。
本発明のホイップグミキャンディは、発酵セルロースを含有することを特徴とする。
本発明の原料で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報又は特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
セルロース生産菌としては、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属である。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリアヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバクター・エスピーDA株(例えば、FERM P−12924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、ATCC23768、ATCC23769、ATCC10821、ATCC1306−21等)を挙げることができる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株である。
かかるセルロース生産菌を培養する培地及び条件としては、特に限定されず、常法に従うことができる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することができるものであればよく、例えばHestrin−Schramm培地を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イノシトール、フィチン酸等を添加することもできる(特開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培養、攪拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には通気攪拌培養である。
発酵セルロースを大量生産するためには、多段階接種法が好ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用され、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態およびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセスの発酵器に継代される。
発酵後、産生された発酵セルロースは培地から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製方法は特に限定されないが、通常、培地から回収した発酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化した後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
まず、微生物の培養によって得られる培養物を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケーキを水で再スラリー化して固形分を1〜3%にする。これにアルカリ溶液を加えて、pH13程度にして攪拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を溶解する。次いで、酸性溶液でpHを6〜8に調整し、該スラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・スラリー化を数回繰り返す。精製された発酵セルロースは、必要に応じて乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライ等の公知の方法を用いることができる。好ましくはスプレードライ法、ドラムドライ法である。
かくして得られる発酵セルロースは、白色から黄褐色の物質であり、水に急速に分散できる非常に繊細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用いられる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限定されるものではない。
本発明の発酵セルロースは、更に高分子物質と複合化されていることが好ましい。ここで、上記高分子物質と発酵セルロースを複合化させる方法としては、特開平9−121787号公報に記載される2種類の方法が挙げられる。第一の方法は、微生物を培養して発酵セルロースを産生させるにあたり、培地中に高分子物質を添加して培養を行い、発酵セルロースと高分子物質とが複合化した発酵セルロース複合化物として得る方法である。
第二の方法は、微生物の培養によって生産された発酵セルロースのゲルを高分子物質の溶液に浸漬して、高分子物質を発酵セルロースのゲルに含浸させて複合化する方法である。発酵セルロースのゲルは、そのままか、あるいは常法により均一化処理を行ったのちに高分子物質の溶液に浸漬する。均一化処理は、公知の方法で行えばよく、例えばブレンダー処理や500kg/cm2で40回程度の高圧ホモジナイザー処理、1000kg/cm2で3回程度のナノマイザー処理などを用いた機械的解離処理が有効である。浸漬時間は30分以上24時間程度、好ましくは1夜であり、浸漬終了後は遠心分離や濾過などの方法で浸漬液を除去することが望ましい。さらに、水洗いなどの処理を行って過剰の高分子物質を除去することにより、発酵セルロースと高分子物質の比率が一定になり、複合化に利用されないで残存する高分子物質の影響を抑えることができるため好ましい。
発酵セルロースとの複合化に使用される高分子物質としては、特に限定されず、例として、キサンタンガム、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カラギナン、カシアガム、グルコマンナン、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工でん粉(生でん粉)といった各種高分子物質を挙げることができる。
本発明で使用する発酵セルロースは、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロースおよびその塩から選ばれる1種又は2種以上の高分子物質によって複合化された発酵セルロース複合体を用いることが好ましい。更には、キサンタンガムとカルボキシメチルセルロースナトリウム、もしくは、グァーガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムの組み合わせによって複合化された発酵セルロースを用いることが好ましい。前述の複合化された発酵セルロース複合体を用いることにより、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つホイップグミキャンディを調製することができる。なお、上記複合化物は商業上入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンアーティスト[商標]PX(キサンタンガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムによって複合化された発酵セルロース)、サンアーティスト[商標]PG(グァーガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムによって複合化された発酵セルロース)などが挙げられる。
そして、上述の方法を用いて発酵セルロースと高分子物質を複合化することにより、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ、従来ない新規な食感のホイップグミキャンディを提供できる。ここで発酵セルロースに対する各高分子物質の割合は、複合化させる高分子物質により適宜調節することが可能であるが、好ましくは発酵セルロースに対し、高分子物質が10〜200重量%、好ましくは15〜100重量%となるように複合化させることができる。
発酵セルロースの添加量は、原材料の配合比や求められる食感によっても適宜調整することが可能であるが、ホイップグミキャンディ中0.01質量%以上、好ましくは0.02質量%以上含有することが好ましい。
発酵セルロース複合体の添加量は、原材料の配合比や求められる食感によっても適宜調整することが可能であるが、ホイップグミキャンディ中0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上含有することが好ましい。従来、気泡を含ませたグミキャンディに本発明のようなグミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ食感を付与することはできなかったが、上記発酵セルロース又は発酵セルロース複合体を含有させることにより、上記特性を備えたグミキャンディを調製することが可能となった。ここで、発酵セルロース複合体の添加量が0.05質量%(発酵セルロースの添加量が0.01質量%)より少なくなると、気泡が安定せず、均一なホイップ状物を調製することができない場合があるため好ましくない。なお、本発明のホイップグミキャンディは調製時のせん断条件によってそのホイップ状食感を調整することができるため、発酵セルロース又は発酵セルロース複合体の添加量の上限は、特に制限されない。なお、添加量の上限としては、例えば、せん断条件が14700kPaの場合では、発酵セルロース複合体を0.4質量%以上(発酵セルロースの添加量が0.08質量%以上)添加すると、生地に粘度が付与され、ホイップグミキャンディ製造時の作業効率が低下するため、発酵セルロース複合体の添加量の上限としては0.4質量%以下(発酵セルロースの添加量の上限は0.08質量%以下)が好ましい。
本発明のホイップグミキャンディは、ホイップ工程を経ることを特徴とする。なお、ホイップ工程はグミキャンディ生地の溶解・加熱後に行うことが好ましい。ホイップ工程は、求められる食感や生地の配合組成物・割合、ホイップ方法によっても適宜調整することが可能であるが、グミキャンディの比重が0.6〜0.9となる程度にホイップすることが好ましい。この比重に調製することで、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つホイップグミキャンディを提供することができる。グミキャンディ生地の比重を0.6未満にすることは、常圧条件下では困難であり現実的ではない。なお、比重を調整する方法としては、例えばハンドミキサーを用いて、約1000の回転速度(回転/分)で2分間ホイップすることにより、比重を0.7程度に調整することができる。ハンドミキサー以外のホイップ装置としては、例えば、エアミキサー、ホイップマシン等を挙げることができる。
本発明のホイップグミキャンディは発酵セルロース又は発酵セルロース複合体を用い、ホイップ工程を経る以外は種々のグミキャンディの製法に従って調製することが可能である。例えば、水飴と砂糖等の糖類、発酵セルロース又は発酵セルロース複合体を添加した液を加熱溶解後、溶液を煮詰める。そこに、予め用意したゼラチン溶液を加え、ホイップ工程を経た溶液をスターチモールドに充填して乾燥し、適宜、光沢剤塗布や糖衣等の表面処理を行うことにより調製することができる。
本発明のホイップグミキャンディは、求められる食感により、適宜原材料の配合比を調整することが可能である。例えば、原材料中の可溶性固形分量や水分含量を調整することにより、食感を噛み応えのある硬さや柔らかな硬さに変化させることができ、例えば、70〜90質量%の可溶性固形分量、10〜30質量%の水分含量を挙げることができる。この範囲の可溶性固形分量に調整することにより、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つホイップグミキャンディを提供することができる。
本発明で用いられる可溶性固形分としては、食品に用いられる水溶性の固形分であれば特に制限はないが、通常グミキャンディに用いることができる糖類、糖アルコール等を好適に用いることができる。中でも、ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合ブドウ糖果糖液糖、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖、乳糖、麦芽水あめ、還元水あめ、粉飴、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、パラチニット等の糖アルコール、トレハロース、高甘味度甘味料としてスクラロース、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ソーマチン、ステビア等といった、甘味を有する可溶性固形分が好適に用いられる。
また、本発明のホイップグミキャンディは本発明に影響を与えない範囲内においてゼラチン、ペクチン、カラギナン、寒天等のゲル化剤を併用することができる。
その他、本発明のホイップグミキャンディは、乳化剤、香料、色素、甘味料、保存料、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル等の各種素材を添加することが可能である。
本発明のホイップグミキャンディは、発酵セルロース又は発酵セルロース複合体を用い、ホイップ工程を経ることにより、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つホイップグミキャンディを調製可能とする発明であるが、気泡剤を含有させることも可能である。気泡剤を含有させることにより、泡立ちやすくなり、ホイップ工程をより簡便にすることも可能である。気泡剤としては、乳清タンパク質、卵白、大豆タンパク質等の通常用いられる気泡剤を例示することができる。
また、本発明のホイップグミキャンディには、上記成分に加えて、果物や野菜、木の実等のシードやピール、果物の砂糖漬けを刻んだもの、さのう、紅茶・緑茶といった茶類の葉等の固形物を含有することができる。このような固形物を含有した場合でも、固形物が生地中に均一に分散したホイップグミキャンディを調製することができる。
かくして調製された本発明のホイップグミキャンディは、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ、従来ない新規な食感を有する。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載がない限り単位は「質量部」とする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1〜5:ホイップグミキャンディ
実施例の処方を表1に、比較例の処方を表2に示す。先ず、砂糖、水飴、還元水飴、発酵セルロース複合体溶液等の分散剤を添加し、均質化処理を行った(均質化条件:ホモゲナイザーにて14,700kPa)。そこに水を混合後、加熱し、煮詰めた。そこに、予め用意しておいた80℃の湯煎で溶解させたゼラチン溶解を混合し、更に、クエン酸、甘味料、香料を添加した。その混合物を比重約0.7までホイップし、スターチモールドに充填し、乾燥してホイップグミキャンディを得た。
ホイップグミキャンディ製造時の作業効率及び調製したホイップグミキャンディについて各々評価した。具体的には、ホイップグミキャンディ製造時の作業効率については、調製のしやすさについて評価を行った。また、調製したホイップグミキャンディが気泡を安定に含むことを示すために、材料を混合・ホイップ後に60分間生地を静置し、分離の有無について評価を行った。なお、ホイップ時の比重については下記に示す。
実施例の結果を表3に、比較例の結果を表4に示す。また、60分間静置後の分離の程度について実施例3及び比較例1を比較した。結果を、図1(実施例3)及び図2(比較例1)に示す。なお、評価基準については表5に示す。
上記表3及び表4の結果より、発酵セルロース複合体を用いた実施例1〜5は生地中の気泡が分離せず、安定なホイップグミキャンディを調製することができた。一方、発酵セルロース複合体を用いなかった場合(比較例1)は気泡が保持されないため、生地と気泡が分離し、安定な気泡を含む本発明のホイップグミキャンディは調製することができなかった。また、発酵セルロース複合体以外の多糖類を用いた場合も、気泡が保持されず、生地と気泡が分離してしまった(比較例2〜4)。
次に、実施例3と同様の処方を用い、本発明のホイップグミキャンディを調製するためのホイップ条件(比重調整)について検討を行った。結果を表6に示す。
実施例3の処方を用いた場合、上記表6の結果より、本発明のホイップグミキャンディを調製するためには、ホイップ工程を経ることが必須であることが分かった。また、その際にホイップにより生地の比重を調製することが必要であり、特に比重を0.6〜0.9に調製することにより、気泡が安定した本発明のホイップグミキャンディを得ることができることが分かった。
以上より、発酵セルロース複合体を用い、ホイップ工程を経て調製された本発明のホイップグミキャンディ(実施例1〜5)は、生地中に安定に気泡を抱き込み、グミ様の弾力性を保持しつつも、軽く柔らかい食感を有するものであった。一方、ホイップ工程を経ない場合(比較例1)や発酵セルロース複合体以外の多糖類を用いた場合(比較例2〜4)は、生地中に安定に気泡を抱き込むことができず、弾力性は有するものの、軽く柔らかい食感を併せ持つことができない、本発明のホイップグミキャンディとは全く異なる食感であった。
実施例6〜9:ホイップグミキャンディ
実施例の処方を表7に、比較例の処方を表8に示す。先ず、砂糖、水飴、還元水飴、発酵セルロース複合体溶液等の分散剤を添加し、均質化処理を行った(均質化条件:ホモゲナイザーにて14,700kPa)。そこに水を混合後、加熱し、煮詰めた。そこに、予め用意しておいた80℃の湯煎で溶解させたゼラチン溶解を混合し、更に色素、香料を添加した。その混合物を比重約0.7までホイップし、スターチモールドに充填し、乾燥してホイップグミキャンディを得た。
ホイップグミキャンディ製造時の作業効率及び調製したホイップグミキャンディについて各々評価した。具体的には、ホイップグミキャンディ製造時の作業効率については、調製のしやすさについて評価を行った。また、調製したホイップグミキャンディが気泡を安定に含むことを示すために、材料を混合・ホイップ後に60分間生地を静置し、分離の有無について評価を行った。なお、ホイップ時の比重については下記に示す。
実施例の結果を表9に、比較例の結果を表10に示す。なお、評価基準は上述の表5に従って行なった。
上記表9及び表10の結果より、発酵セルロース複合体を用いた実施例6〜9は生地中の気泡が分離せず、安定なホイップグミキャンディを調製することができた。一方、発酵セルロース複合体を用いなかった場合(比較例5)は気泡が保持されないため、生地と気泡が分離し、安定な気泡を含む本発明のホイップグミキャンディは調製することができなかった。また、発酵セルロース複合体以外の多糖類を用いた場合も、気泡が保持されず、生地と気泡が分離してしまった(比較例6〜8)。
以上より、実施例1〜5と異なる高分子化合物によって複合体を形成している発酵セルロースを添加しても、ホイップグミキャンディに発酵セルロースが含有されていれば、グミキャンディ中に気泡が安定して保持されることがわかった。
本発明により、従来ない新規な食感のホイップグミキャンディを簡便な調整方法で調製することができる。詳細には、グミ様の弾力性を保持しつつも、内部に細かい気泡を抱き込んだ泡状の形態を有し、軽く柔らかい食感を併せ持つ、新規な食感のホイップグミキャンディを提供することができる。

Claims (4)

  1. 高分子物質によって複合化された発酵セルロース複合体を含有することを特徴とするホイップグミキャンディ。
  2. 発酵セルロース複合体が、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロースおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種によって複合化された発酵セルロースである、請求項1に記載のホイップグミキャンディ。
  3. 前記発酵セルロース複合体を0.05質量%以上、0.4質量%以下含有する請求項1または2に記載のホイップグミキャンディ。
  4. 高分子物質によって複合化された発酵セルロース複合体およびホイップグミキャンディの原材料を含有した原料溶液をホイップして生地の比重を0.6〜0.9にすることを特徴とする、ホイップグミキャンディの製造方法。
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