JP2013013393A - ホイップクリーム用の安定化剤及び安定化方法 - Google Patents

ホイップクリーム用の安定化剤及び安定化方法 Download PDF

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憲二 増竹
Yasuharu Sato
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Abstract

【課題】保形性向上、離水防止及びボディ感の向上に優れたホイップクリーム用の安定化剤を提供する。
【解決手段】発酵セルロースを含有するホイップクリーム用安定化剤を調製し、該組成物をホイップクリームの製造原料として、或いは既存のホイップクリームミックスに添加する。さらには発酵セルロースを含有する製剤と特定の性状を有するデキストリンを併用し添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホイップクリーム用の安定化剤、より詳細には、発酵セルロース、又は発酵セルロースと特定の性状を有するデキストリンを有効成分として含有する安定化剤に関する。
また本発明は、発酵セルロース、又は発酵セルロースと特定の性状を有するデキストリンを含有する安定化剤をホイップクリームに添加することによる、ホイップクリームの安定化方法に関する。
ホイップクリームは、ケーキやプリン、ムース等のデザートといった洋菓子のトッピングに広く使用されており、牛乳等の乳由来のクリーム、例えば生クリーム等を用いるものと、いわゆる合成クリーム(非乳クリーム)と呼ばれる乳脂肪以外の脂肪を用いて、脱脂乳、脱脂粉乳、乳化剤、香料等を混合して得られるものがある。
これらのホイップクリームは、乳由来のクリーム・合成クリームのいずれも、温度が高くなるといわゆる「ダレ」という現象が生じる。これはホイップクリームの気泡維持が難しくなり、ホイップクリームの形状(例えばクリームによる花形のデコレーション)の維持が困難となる現象が生じやすくなる。また、近年の低カロリー化による低糖度・低甘味のホイップクリームを調製すると、ボディ感の低下や水分の分離(離水)が起こりやすくなるといった問題点が生じている。
これらホイップクリームの保形性維持、離水防止やボディ感向上のために、増粘多糖類などを安定剤に使用することが従来から行われている。例えば、安定剤として、ヒドロキシプロピルセルロースを使用することは知られており、モノグリセリン脂肪酸エステルやジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤と併用して使用することが記載されている(特許文献1、特許文献2など)。しかし、起泡(オーバーラン)が出にくかったり、保形性が悪くなったり、離水が多く、花模様に絞り出したとき、エッジのキレが悪くなったり、艶がなくなったりするという問題点がある。更には、微結晶セルロースおよびプルランから選ばれる高分子物質を含み、ホイップ後のオーバーランが200%以下であり、油分が40重量%以下の低油分クリーム(特許文献3)が記載されているが、油分が高いホイップクリームには安定化効果を示すものの、油分が低くなると安定性に問題があった。
更には、ホイップクリームを調製する際、泡立てる前に殺菌を行うことがあるが、その殺菌にはUHT殺菌が行われている(特許文献4)。しかし、UHT処理を行った場合、オーバーランに時間がかかったり、ミックスの粘度が上昇したり、起泡後の保形性が悪くなったり、また離水を起こしやすくなるなどの問題がある。このような問題があるため、UHT殺菌後もオーバーラン性が良好であり、保形性維持や離水防止効果、ボディ感の向上など、ホイップクリームに求められる特性を付与できる組成物が求められている。
またホイップクリームは、クリスマスのデコレーションケーキのように形成後に凍結して保存する用途もあり、そのような場合、上記先行技術では保形性や離水防止に充分な効果が得られておらず、別途凍結解凍後の安定化に対する検討が行われている。具体的には、サイリウムシードガムとタマリンドシードガムを含有する気泡含有食品の起泡性好錠剤(特許文献5)、植物脂と乳脂の混合物、又は植物脂を油相中の主成分とする水中油型乳化油脂組成物と、乳脂を油相中の主成分とするメジアン径が0.5μm〜2.9μmの水中油型乳化油脂組成物とを混同してなる気法制水中油型乳化物(特許文献6)、SUS型トリグリセリドを含有する油脂と、総炭素数36、38、40、48、50、52のトリグリセリドをそれぞれ6重量%以上含有し且つ酪酸とカプロン酸の合計量が2重量%以上である油脂とからなる油脂組成物を、気泡性水中油型乳化油脂組成物全体中に25〜50重量%含有する気泡性水中油型乳化組成物(特許文献7)、油相部と水相部からなり、前記油相部中に油脂としてパーム核油分別高融点部を含有する、水中油型乳化油脂組成物(特許文献8)、糖質として粉末還元水飴を含有することを特徴とするクリーム類(特許文献9)、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品、及びゼラチンを含むことを特徴とするホイップクリーム用安定剤(特許文献10)、粒子径が10〜200ミクロンの湿潤おから(水分55〜95重量%)に、油脂を吸収させることを特徴とする水及び油脂含有食品の製造法(特許文献11)、ペクチンを含有することを特徴とするホイップクリーム(特許文献12)、ホイップしたクリーム、及び前記ホイップしたクリームよりも乳脂肪含量が高い非ホイップクリームの混合物を凍結してなる凍結ホイップクリーム(特許文献13)、油脂中に構成脂肪酸として炭素数20以上の飽和脂肪酸残基及び炭素数18の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個ずつ一分子中に含む混酸基トリグリセリドを5〜70重量%含有し、乳化剤としてソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01〜1重量%、レシチンを0.05〜1重量%及び/又はグリセリン脂肪酸モノエステルを0.01〜1重量%乳化組成物中に含有することを特徴とする起泡性水中油型乳化組成物(特許文献14)、油脂、乳化剤、穀粉を含む乳化物であって、該油脂中にトリグリセリド構成脂肪酸としてC20以上の飽和脂肪酸を10〜40重量%、不飽和脂肪酸を40重量%以上含有し、且つ不飽和脂肪酸中の異性化率が0.5以上である油脂を3〜50重量%含有することを特徴とするペースト状水中油型油脂乳化組成物(特許文献15)、油脂分、無脂乳固形分、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルを含む乳化剤、ソルビトールおよび/または平均分子量が500以下の還元澱粉糖化物、砂糖、燐酸塩、食物繊維および増粘多糖類を含有し、凍結耐性を有するクリーム類(特許文献16)、水相部と油相部を混合してなる乳化組成物において、乳化剤としてソルビタン脂肪酸エステルを必須成分として含有することを特徴とする起泡性水中油型乳化組成物(特許文献17)、特定のタンパク質、乳化剤、食物繊維および/または化工澱粉を必須成分として含有するホイップクリーム組成物(特許文献18)、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、植物蛋白加水分解物の1種又は2種以上の組成とカラギーナンとからなる組成物に、甘味料、乳製品を加え、さらに卵黄、動植物性油脂、乳化剤、多糖類のなかから少なくとも1種以上を配合されてなる組成物を均一に溶解し、発泡させた後凍結し、解凍することを特徴とする新規なホイップクリーム状食品(特許文献19)、特定の性質を有するデキストリンを使用したホイップクリーム(特許文献20)などが開示されているが、ホイップクリームの凍結解凍後の風味劣化や離水を抑えるには不十分であった。
米国特許第3806605号 欧州特許第354356号 特開平7−236443号公報 特公平7−108201号公報 特開2010−99083号公報 特開2009−278969号公報 特開2010−207190号公報 特開2006−304713号公報 特開2006−50923号公報 特開2005−278482号公報 特再2002/051262号公報 特開2003−180280号公報 特開2001−321074号公報 特開平10−23873号公報 特開平9−220065号公報 特開平9−94061号公報 特開平9−99232号公報 特開平8−154612号公報 特開平5−63号公報 特開2010−11781号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、ホイップクリームの安定化、すなわち冷蔵・冷凍保存時における保形性向上、ボディ感向上、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水防止、食感変化の抑制及びホエー分離抑制といった効果を有するホイップクリーム用の安定化剤及び安定化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、ホイップクリーム用安定化剤として、微生物に由来するセルロースである発酵セルロース、又は発酵セルロースと特定の性状を有するデキストリンを用いることによって、上記のような安定化向上効果が得られるという知見を得た。本発明は、このような各種知見に基づいて完成されたものである。
すなわち本発明は、下記<項1>〜<項7>に示すホイップクリーム用の安定化剤である。
<項1>
発酵セルロースを含有することを特徴とする、ホイップクリーム用の安定化剤。
<項2>
発酵セルロースが、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム又はグァーガムの一種以上と複合化したものである項1記載のホイップクリーム用の安定化剤。
<項3>
ホイップクリームに対し0.01〜1質量%添加することにより、ホイップクリームの安定性を向上させるものである項1又は2に記載のホイップクリーム用の安定化剤。
<項4>
さらに、下記の性質(a)を有するデキストリンを併用するものである項1乃至3に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
(a)下記条件で測定された青価が0.4〜1.2の範囲である:
(a−1)80℃の蒸留水でデキストリン1w/v%水溶液を調製して、これを25℃に冷却する、
(a−2)上記デキストリン1w/v%水溶液(25℃)10mlを、ヨウ素20mgおよびヨウ化カリウム200mgを含む水溶液10mlと混合して、蒸留水で100mlとなるように調整する、
(a−3)上記調製液を遮光した状態で、25℃で30分間振盪した後、25℃条件下で、反応液の680nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定し、これを青価とする。
<項5>
ホイップクリームの安定化が、次に掲げるもののひとつ以上である項1乃至4に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、離水抑制、食感変化の抑制
<項6>
ホイップクリームに対し0.2〜1.5質量%添加することにより、ホイップクリームの凍結解凍時の離水を抑制するものである項1又は2に記載のホイップクリーム用の安定化剤。
<項7>
さらに、下記の性質(a)を有するデキストリンを併用するものである項6に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
(a)下記条件で測定された青価が0.4〜1.2の範囲である:
(a−1)80℃の蒸留水でデキストリン1w/v%水溶液を調製して、これを25℃に冷却する、
(a−2)上記デキストリン1w/v%水溶液(25℃)10mlを、ヨウ素20mgおよびヨウ化カリウム200mgを含む水溶液10mlと混合して、蒸留水で100mlとなるように調整する、
(a−3)上記調製液を遮光した状態で、25℃で30分間振盪した後、25℃条件下で、反応液の680nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定し、これを青価とする。
また、本発明は上記安定化剤を使用した次の項に掲げるホイップクリームに関するものである;
<項8>
項1乃至7に記載のホイップクリーム用安定化剤を含有することを特徴とする、ホイップクリーム。
<項9>
項1乃至7に記載のホイップクリーム用安定化剤を含有し、次に掲げるもののひとつ以上を効果として生じるホイップクリーム;
ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水抑制、食感変化の抑制
さらに、本発明は上記ホイップクリーム用の安定化剤を添加することによる、下記<項10>〜<項11>に示すホイップクリームの安定化方法である。
<項10>
項1乃至7のいずれかに記載のホイップクリーム用の安定化剤を添加することを特徴とする、ホイップクリームの安定化方法。
<項11>
項10に記載の安定化方法が、次に掲げるもののひとつ以上を効果として生じるものであるホイップクリームの安定化方法;
ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水抑制、食感変化の抑制
本発明の安定化剤は、発酵セルロース、又は発酵セルロースと特定の性状を有するデキストリンを含むことを特徴とする。
本発明におけるホイップクリームとは、生乳・牛乳等に由来する例えば生クリームを用いるものと、植物油脂や大豆蛋白質を用いたもの、ホイップ性を有する水中油型乳化組成物、およびそれらに適宜甘味料や香料、洋酒や果汁等を加え予めホイップした合成クリーム(非乳クリーム)、或いは使用時に牛乳等を別添で加え攪拌機等でオーバーランを付与しホイップクリームとするホイップクリームミックスを包含するものとする。特に本発明では、市販されているホイップクリームミックスに対し、本発明に係る安定化剤を添加しホイップするという簡便な方法で、安定化剤無添加に比して優れた品質の向上効果を付与することが可能となる。
本発明で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
セルロース生産菌としては、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属である。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリアヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバクター・エスピーDA株(例えば、FERMP−12924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、ATCC23768、ATCC23769、ATCC10821、ATCC1306−21等)を挙げることができる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株である。
かかるセルロース生産菌を培養する培地及び条件としては、特に制限されず、常法に従うことができる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することができるものであればよく、例えばHestrin-Schramm培地を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イノシトール、フィチン酸等を添加することもできる(特開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培養、撹拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には通気撹拌培養である。
発酵セルロースを大量生産するためには、多段階接種法が好ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用され、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態およびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセスの発酵器に継代される。
発酵後、産生された発酵セルロースは培地から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製方法は特に制限されないが、通常、培地から回収した発酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化した後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
まず微生物の培養によって得られる培養物を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケーキを水で再スラリー化して固形分を1から3%にする。これに水酸化ナトリウムを加えて、pH13程度にして撹拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を溶解する。次いで、硫酸でpHを6〜8に調整し、該スラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・スラリー化を数回繰り返す。
精製された発酵セルロースは、必要に応じて乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ等の公知の方法を用いることができる。好ましくはスプレードライ法である。
かくして得られる発酵セルロースは、白色から黄褐色の粉末状の物質であり、水に急速に分散できる非常に微細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用いられる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限定されるものではない。
また、本発明の発酵セルロースは、特開平9−121787号公報に記載される方法に従い、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサンタンガム、グァーガム等の高分子物質の一種もしくは二種以上と複合化していることが望ましい。簡便には、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティスト(商標)PXシリーズ、同PGシリーズを利用することができる。
本発明では、上記発酵セルロースにデキストリンを併用することにより、よりホイップクリームの安定化を図ることができる。より好ましいのは、詳細には特開2009−219416号公報、特開2010−11781号公報に記載された方法により得られるデキストリンであり、簡便には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のスマートテイスト(商標)シリーズを利用することができる。具体的には下記性質(a)を有するデキストリン(以下、「本発明のデキストリン」ともいう)を使用することである。
(a)青価(Blue Value)(680nmの吸光度)が0.4〜1.2の範囲である。青価は、一般に、澱粉のヨウ素反応、具体的には澱粉に含まれるアミロースとヨウ素とが反応して青色を呈することを利用して、澱粉ヨウ素反応液の680nmにおける吸光度として求められる値である。通常、青価は澱粉中のアミロース含量を評価するために用いられるが、本発明では、デキストリン中のアミロース含量を示す指標として用いられる。本発明においてデキストリンの青価は次の方法に従って算出することができる。
(1)80℃の蒸留水でデキストリン1w/v%水溶液を調製して、これを25℃に冷却する。
(2)上記デキストリン1w/v%水溶液(25℃)10mlを、ヨウ素20mgおよびヨウ化カリウム200mgを含む水溶液10mlと混合して、蒸留水で100mlとなるように調整する。
(3)上記調製液を遮光した状態で25℃において30分間振盪した後、25℃条件下で反応液の680nmにおける吸光度を、分光光度計にて測定し、これを青価とする。
本発明で使用するデキストリンは、前述するように、青価が0.4〜1.2の範囲であることを特徴とする。好ましくは0.5〜0.9の範囲、より好ましくは0.6〜0.8の範囲である。
従来公知のデキストリンの青価は、0.4未満〔例えば、「パインデックス#100」(松谷化学工業(株)製)では0.32、「デキストリンNSD−C」((株)ニッシ製)では0.11、「パインデックス♯3」(松谷化学工業(株)製)では0.04〕、または1.2より大きく〔例えば、「PASELLI SA2」(AVEBE製)では1.42、「インスタント エヌオイルII」(日本エヌエスシー(株)製)では1.74、「C☆DELIGHT MD01970」((株)カーギルジャパン製)では1.54 <特開2009−219416号参照>〕、この点において本発明で用いるデキストリンと相違する。デキストリンが0.4未満の青価を有するものである場合、十分なホイップクリームの安定化効果、すなわち保形性維持、離水防止やボディ感の向上感が得られず、また一方、デキストリンが1.2よりも大きい青価を有するものである場合、デキストリンの溶解時に必要以上に粘性が生じて調製が困難となったり、コクや滑らかさが得られず食感がざらつく、という問題がある。
本発明で用いるデキストリンは、さらに下記の性質(b)および(c)を有することが好ましい:
(b)80℃の蒸留水で調製したデキストリンの30質量%水溶液を、5℃で24時間静置した時のゼリー強度が4N/cm以上である、
(c)25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が100mPa・s以下である。
ゼリー強度(b)は、80℃の蒸留水で調製したデキストリンの30質量%水溶液を5℃で24時間静置して得られたゼリー状物(測定対象物)を、5℃条件下で、直径3mmのプランジャーを用いて、プランジャー速度60mm/minで荷重をかけ、ゼリー状物がプランジャーの力で破断した時の荷重(N/cm)を測定することによって求めることができる。当該ゼリー強度の測定は、通常レオメーターを用いて行なわれる。なお、測定対象物であるゼリー状物の厚みは、得られるゼリー強度に影響しないため、特に制限されない。
上記ゼリー強度の上限は、制限されないが通常20N/cmを挙げることができる。ゼリー強度(b)として、好ましくは5〜20N/cm、より好ましくは6〜10N/cmである。
粘度(c)は、25℃の蒸留水で調製したデキストリンの30質量%水溶液を25℃で5分間静置した後、25℃条件下で、BL型回転粘度計(ローターNo.2)を用いて回転数12rpmで1分間測定することによって求めることができる。
当該粘度の下限は、制限されないが、通常20mPa・sを挙げることができる。粘度(c)として、好ましくは20〜70mPa・s、より好ましくは30〜65mPa・sである。
本発明で使用するデキストリンは、前述するように、ゼリー強度(b)が4N/cm以上で、粘度(c)が100mPa・s以下であることが好ましい。従来公知のデキストリンは、ゼリー強度(b)が4N/cm以上であっても、粘度(c)が100mPa・sより大きいか〔例えば、「PASELLI SA2」(AVEBE製)では(b)4.8N/cm、(c)235mPa・s、「インスタント エヌオイルII」(日本エヌエスシー(株)製)では(b)4.8N/cm、(c)48000mPa・s、「C☆DELIGHT MD01970」((株)カーギルジャパン製)では(b)6.9N/cm、(c)220mPa・s〕、または上記(b)の条件で調製しても液状を呈してゼリー状とならないもの〔例えば、「パインデックス#100」、「パインデックス♯3」松谷化学工業(株)製)、「デキストリンNSD−C」((株)ニッシ製) <特開2009−219416号参照>〕である点で、本発明で用いるデキストリンと相違する。
デキストリンが4N/cm未満のゼリー強度(b)を有するものである場合は、十分な保形性および脂肪感や濃厚感が得られない場合がある。また粘度(c)が100mPa・sを超えるデキストリンを用いると、デキストリンの溶解時に必要以上に粘性が生じて調製が困難となる場合がある。
本発明で用いられるデキストリンは、上記性質を有するものであれば、由来する澱粉の種類、DE値(dextrose equivalent:デキストロース当量)、および分子量などは特に限定されない。デキストリンの原料となる澱粉としては、例えば、馬鈴薯、とうもろこし、甘藷、小麦、米、サゴ、およびタピオカなどの各種澱粉を挙げることができる。好ましくは馬鈴薯澱粉である。
DE値とは、一般に澱粉の分解程度を示す指標であり、澱粉を加水分解したときに生成するデキストリン及びぶどう糖や麦芽糖等の還元糖の割合を示すものである。全ての還元糖をぶどう糖(dextrose)の量に換算し、その割合を全体の乾燥固形分に対する質量%で表わしたものである。このDE値が大きい程、還元糖の含有量が多くデキストリンが少なく、逆にDE値が小さい程、還元糖の含有量が少なくデキストリンが多いことを意味する。制限はないが、本発明ではDE値が通常2〜5、好ましくは3〜5、より好ましくは3.5〜4.5のデキストリンが使用される。
このような性質を備えるデキストリンは、原料となる澱粉を加水分解することによって調製することができる。澱粉の分解方法は、特に制限なく、例えば酵素処理による分解、および酸処理による分解などを挙げることができるが、好ましくは酵素処理による分解(酵素分解)である。デキストリンの調製方法として、具体的には、澱粉、好ましくは馬鈴薯澱粉をアミラーゼで常法に従って処理し、その分解の進行度を、前述する青価(680nmの吸光度)を指標として追跡し、青価が所望の0.4〜1.2の範囲、好ましくは0.5〜0.9の範囲になったときに酵素処理を終了する方法を挙げることができる。また、かかる範囲の青価を有するデキストリンについて、ゼリー強度(b)が4N/cm以上、粘度(c)が100mPa・s以下であるかどうかは、いずれも前述する方法に従って30質量%水溶液を調製して、測定することができる。
かかる特定の性状を有するデキストリンを、発酵セルロースと併用することにより、ホイップクリームの風味に影響を与えることなく、保形性の向上、離水防止やボディ感の向上といった安定性の向上効果を享受することが可能となる。当該デキストリンの添加量は、ホイップクリーム全量に対し1質量%以上、好ましくは3〜5質量%である。1質量%以下では効果が得られず、5質量%以上添加しても効果の増加は見られない。
発酵セルロース、又は発酵セルロース及び特定の性状を有するデキストリンをホイップクリーム用の安定化剤として用いることによって、本発明の目的となる安定性の向上、具体的には冷蔵・冷凍保存時における保形性向上、ボディ感向上、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水防止、食感変化の抑制及びホエー分離抑制といった効果が得られる。
また本発明の安定化剤をホイップクリームに用いることによって、液状ミックスの長期保存や常温以上の温度下での保存によって生じる分離・凝集を有意に抑制することができる。
このため、本発明の安定化剤を添加したホイップクリームの液状ミックスは、一定の品質を維持した状態で長期保存及び常温保存が可能となる。また、本発明に係る安定化剤を含まない既存の液状ミックスであっても、ホイップ時に本発明に係る安定化剤を添加しホイップすることで、同様の安定性の向上効果を得ることが可能となる。
ホイップクリームに配合する本発明の安定化剤の割合は、上記本発明の効果を奏する範囲であれば特に制限されず、ホイップクリームの配合成分や各種成分の配合割合に応じて適宜選択採択することができる。通常、最終ホイップクリーム100質量%あたり発酵セルロースが乾燥質量換算で0.002〜0.2質量%、好ましくは0.006〜0.1質量%となる添加量の範囲を挙げることができる。
なお、ホイップクリームの調製工程における本発明にかかる安定化剤の添加時は、加熱殺菌前であれば特に制限されないが、各種ミックス成分を混合均質化する前に配合することが好ましい。
より具体的には、水若しくは温水中に発酵セルロースを含む各種ミックス成分を添加して加熱溶解後、適度な強度の剪断力を加えて撹拌することが好ましい。
適度な強度の剪断力を加えた撹拌の方法であれば特に制限されることなく一般に採用される方法が広く用いられるが、例えば、ミキシング(プロペラ撹拌、ミキサーによる高撹拌等)、ホモゲナイズ、コロイドミル等の処理が挙げられる。好ましくは、50〜150kg/cmのホモゲナイズ圧力の範囲でホモゲナイズする方法である。撹拌する際の温度は特に制限されず、通常50〜80℃、好ましくは60〜70℃の温度範囲を採用することができる。
次いで、HTST殺菌法やUHT加熱処理などの加熱殺菌処理を施してホイップクリームが調製される。加熱殺菌処理の方法には制限はなく常法でよい。殺菌条件は、例えばUHT加熱処理による場合には、90〜143℃程度の温度で約0.5〜60秒間の処理があげられるが、当業者が適宜選択すればよい。
かくして調製されるホイップクリームは、前述するように液状であっても安定した品質を維持した状態で常温・長期保存が可能であるという点で有用である。
本発明の安定化剤は、上記発酵セルロース、発酵セルロース及び特定の性状を有するデキストリンに加えて、増粘多糖類を含有することもできる。
増粘多糖類としては、上記発酵セルロースのホイップクリームに対する効果を妨げないで、かつ可食用のものであれば特に制限されず、いずれのものをも使用することができる。好ましくは、発酵セルロースとともにホイップクリームに配合されて、液状ミックスの安定性を維持しながらも、ホイップクリーム製品の食感に種々のバリエーションを付与することができる増粘多糖類である。
かかる増粘多糖類としては、具体的には、カラギーナン、グルコマンナン、アラビアガム、ジェランガム、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、水溶性大豆多糖類、サイリウムシードガム、タラガム、カラヤガム、タマリンド種子ガムを挙げることができる。
例えば発酵セルロースにグァーガムを組み合わせた安定化剤を含有するミックスによれば、乳脂肪量はそのままでボディ感、コク味のあるホイップクリーム製品を調製することができる。また発酵セルロースにローカストビーンガムを組み合わせた安定化剤を含有するミックスによれば、液ダレしにくい固形性のあるホイップクリーム製品を調製することができる。また発酵セルロースに、ペクチン及び又は水溶性大豆多糖類を組み合わせた安定化剤を含有するミックスによれば、例えばpH3〜4.5といった酸性下でも、蛋白質の凝集が起こらないホイップクリーム製品を調製することができる。
従来のホイップクリームは、安定化剤としてカラギーナンやアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという)及びその塩が用いられているが、かかるホイップクリームに上記の増粘多糖類を配合すると分離が生じてしまう。このため、従来ホイップクリームに増粘多糖類がもつ独特な多様な食感を付与することは不可能であった。本発明は安定化剤として発酵セルロースを採用することによって、かかる問題を解決し、ホイップクリームの食感のバリエーション化に成功したものである。
かかる安定化剤に含まれる発酵セルロース及び各種増粘多糖類の配合割合は、ホイップクリームの配合成分や各種成分の配合割合、所望の食感に応じて種々異なり、一概に決めることはできないが、最終ホイップクリーム当たりの発酵セルロースの配合割合としては、通常0.002〜0.2重量%、好ましくは0.006〜0.1重量%であり、また増粘多糖類の配合割合としては、種類によらず、通常0.01〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%である。
本発明の対象となるホイップクリーム及びホイップクリームミックスには、通常ホイップクリームを調製するために用いられる調合物を本発明の効果を妨げない範囲で使用することができる。その内容成分としては、一般に乳製品、糖類、乳化剤、香料、油脂等を挙げることができる。
ここで用いられる乳製品、乳化剤又は油脂等としては、一般にホイップクリームの調製に用いられるものを広く挙げることができ、具体的には乳製品としては、牛乳、生クリーム、脱脂粉乳、濃縮乳、練乳を、油脂としては、バター、ヤシ油、パーム油、ナタネ油を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の安定化剤は、それら単独でも用いられる他、蛋白質や食物繊維、調味料等の他の食品素材及び乳化剤、香料等の食品添加剤等を含有する安定化剤として用いることもできる。
以上のように、本発明によれば従来のホイップクリームの製造における課題を解決することが可能となる。ホイップクリームの安定性の向上とは具体的には、冷蔵・冷凍保存時における型崩れやボリュームの消失を防いだ保形性の向上効果、食した際の食べ応え・食感をより向上させるボディ感向上効果、冷蔵保存時及び凍結解凍時に顕著に生じる離水の防止、食感の変化を抑え、さらにはホイップクリームより水がすくことによって生じるホエー分離を抑制するといった、従来には得られなかった効果を奏することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例及び実験例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、以下特に断らない限り、%は質量%を意味する。また、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品であることを示す。
実験例1
<ホイップクリームの調製>
次の処方に従い、ホイップクリームを調製し、本発明にかかるホイップクリーム用安定化剤の効果を、下記ホイップテストを実施して確認した。
Figure 2013013393
<ホイップクリームの液状ミックスの調製方法>
1)水に2を加え、3、4、5、6の粉体混合物を添加し、65〜70℃10分間撹拌溶解した。
2)1)に溶融した1を加え、65〜70℃10分間攪拌した。次いで少量のお湯にとかした7の溶液を加えた。
3)全量調整後、UHT殺菌(138℃ 15秒)を行い、均質化(第一段 7.5MPa、第二段 2.5MPa)を行った。
4)得られた均質液を5℃まで冷却し、1夜冷蔵保存した。
<ホイップテストの詳細>
1.ホイップ前のホイップクリームミックスを、試飲カップ(小)に入れ重さを測定(オーバーラン測定用)した。
2.ステンレスボールに、1夜エージングした5℃のミックス500gに対して砂糖40gを入れ、20℃の部屋でホイッパーで角が立つまでホイップした(品温:6℃からホイップ)。
3.試飲カップ(小)にホイップしたクリームを入れ、オーバーランを測定し残りを絞り袋に入れた。
4.ゼリーカップに、絞り袋に入れたホイップクリームで花形を造形し、しまり、つや、組織の細かさ、保形性、風味、口どけ及びボディ感を、視覚や試食によって官能評価した。
<評価項目>
a)ミックスの粒度分布測定:島津製作所SALD-2100-WJA1を用いてメジアン径を測定した。
b)粘度測定 B型粘度計(品温:約5℃ Rotor NO.2 60rpmまたは、NO.3 60rpm)にて測定。
c)ホイップテスト(ホイップ時間、オーバーラン、しまり、つや、組織の細かさ、保形性、風味、口どけ及びボディ感)の評価を行う。
d)離水の測定:ろ紙に、面積が12cmになるようにホイップクリームを10g±0.3g絞り出して花形を造形し、20℃2時間後のろ紙上に染み出た離水の面積をKOIZUMI社製Polar Planimeterにて測定し、3回の測定値の平均値を面積とした。
e)保形性の測定:ゼリーカップ内にカップの蓋に付くまでホイップクリームを絞り、保形性の弱いものはホイップクリームが縮小しカップの蓋から離れてしまうので、この蓋から離れて生じた距離を物差しで測定した。7℃と20℃の1日後の保形性を測定した。
f)風味、口どけ、ボディ感については、1日後に試食し官能評価を行った。
Figure 2013013393
記号:◎・・・非常によい。 ○・・・よい。 △・・・ややよい。 ×・・・悪い。
<結果>
表2の結果より、発酵セルロースを原料の一成分として加えてホイップクリームを調製することにより、次のような効果が得られた。
・メジアン径:一般にメジアン径は、添加する乳化剤によって変化することが知られているが、上記調製品では大きな差は生じず、同程度のメジアン径を有するホイップクリームが得られていた。
・オーバーラン:次式にて求めた。
(元のミックスの質量−ホイップ後の質量)/ホイップ後の質量×100(%)
比較例2で得られたオーバーランが、やや大きな数値となっていた。
・しまり、つや、組織の細かさ:発酵セルロースを添加することにより、これらの項目全てが向上していた。しまりが良くなることで食べ応えが向上し、かつ、組織の細かさも向上しているため食べ応えが重くなることはなかった。また、つやが向上していることから、ホイップクリームの見栄えも良くなっていた。
・風味、口どけ:両者ともに実施例・比較例間で差は生じていなかった。セルロース等の多糖類を添加すると、風味が抑えられることがあるが、本願発明ではそのような影響は生じていなかった。また、油脂量が増えると油っぽくなり、口どけも重くなりがちであるが、この点についても実施例・比較例のいずれにも影響は現れていなかった。これらのことより、ホイップクリームとして油脂含量や発酵セルロース等の存在にかかわらず、一般的なホイップクリームと同等の風味や口どけ感を有するものであることがわかった。
・ボディ感:硬化ヤシ油の添加量が20%のホイップクリーム(実施例1、比較例1)では、油脂含量が低いため食べたときのボディ感が不足することが多いが、発酵セルロースを添加した実施例1品のホイップクリームでは、無添加のもの(比較例1)に比べてボディ感があり、硬化ヤシ油の含量の低さをカバーできていた。同様に硬化ヤシ油30%のもの(実施例2、比較例2)についても同様の結果が得られた。さらに硬化ヤシ油を40%としたもの(実施例3、比較例3)では、顕著に発酵セルロースを添加したホイップクリーム(実施例3)のボディ感が向上しており、食した際の濃厚感や食べ応えは、同じ油脂含量とは思えないほど比較例3とは異なるものであった。
・離水:室温に静置した際の離水は、発酵セルロースを添加することで顕著に抑制されていた。尚、比較例における離水面積が、油脂含量の少ない実施例品よりも押さえられている結果が得られているが、これは油脂含量が増えることにより相対的に水分含量が少なくなるため、離水の前提となるホイップクリーム中の水分量が少なくなり、結果として離水量も少なくなったものと推測される。
・保形性:硬化ヤシ油の添加量にかかわらず、発酵セルロースを添加した実施例1、2及び3のホイップクリームでは、7℃、20℃のいずれの温度においてもホイップクリームの縮小が生じなかったため、当初充填したままカップの蓋にホイップクリームが付いたままの状態であった。一方の比較例1、2及び3のホイップクリームでは縮小が生じ、ホイップクリームがカップの蓋から離れてしまっていた。
また、本願発明に係る発酵セルロースを含有する安定化剤を使用した実施例1〜3においては、無添加の比較例1品よりも、大幅なホイップ時間の短縮が可能であったことが確認することができた。
以上の評価結果より、本願発明にかかるホイップクリーム用安定化剤である発酵セルロースを含有したホイップクリームが、全ての項目で比較例品に対し顕著な効果を奏していることが明らかとなった。
実験例2
続いて、調製済みのホイップクリームの液状ミックスに、本発明にかかる安定化剤を添加した場合の効果を確認した。
<ホイップクリームのテスト方法>
市販のホイップクリームミックス(植物性脂肪含量30%)を試飲カップ(小)に入れ、重さを測定(オーバーラン計測用:下記)し、次の手順にてホイップクリームを調製した。
1.ステンレスボールにホイップクリームミックス(5℃)500gに対して、砂糖量40gと本発明にかかる安定化剤(発酵セルロース製剤、発酵セルロース製剤及び特定の性状を有するデキストリン(青価:0.66))を加え6℃まで冷却し、20℃の部屋でホイッパーを用い、角が立つまでホイップした。
2.試飲カップ(小)に1で得たホイップ後のクリームを入れ、重さ(オーバーラン計測用)を測定し、残りを絞り袋に入れた。
3.絞り袋に入れたホイップクリームで、ゼリーカップの蓋につく高さまで花形をかき、保形性などを評価した。
4.得られたホイップクリームをゼリーカップに充填し、試食にて食感を確認した。
<評価項目>
・ホイップテスト(ホイップに要する時間、オーバーラン、しまり、つや、保形性、風味、口どけ、離水、ボディ感など測定)を行った。
・離水については、ろ紙に面積が12cmとなるようにホイップクリームを10g±0.3g搾り出して花形を造形し、20℃2時間静置後のろ紙に染み出た離水の面積を、KOIZUMI社製 Polar Planimeterにて測定した。
・保形性は、ゼリーカップにカップの蓋に付くまでホイップクリームを絞り出し、保形性の弱いものはホイップクリームが収縮しカップの蓋から離れてしまうので、この蓋から離れて生じた距離をモノサシで測定した。7℃と20℃の1日静置後の保形性を測定した。
上記結果を表3に示す。
Figure 2013013393
記号:◎・・・非常によい。 ○・・・よい。 △・・・ややよい。 ×・・・悪い。
<結果>
保形性に関しては、発酵セルロース製剤を添加した実施例4及び5において、十分な効果が認められ、発酵セルロース製剤と特定の性状を有するデキストリンを併用した実施例6では、さらに良好な効果が得られていた。一方、比較例品では、20℃保存時の保形性は悪く、ホイップクリームによる造形は一見して目減りしていることが明らかであった。
ボディ感に関しては、実施例4及び5の発酵セルロース製剤添加品が、更には発酵セルロース製剤と特定の性状を有するデキストリンを併用した実施例6で得られたホイップクリームで、しっかりとした食べ応えが感じられるといった顕著な効果が得られた。比較例品では、多糖類無添加品、或いはコントロールと同程度のボディ感しか得られておらず、ボディ感が向上したといえるほどの効果は得られていなかった。
離水は、発酵セルロース製剤と特定の性状を有するデキストリンを併用した実施例6において、ホイップクリームを造形した面積に対し、その外周をなぞる程度の離水しか生じておらず、ほぼ離水は抑制されていた。次いで発酵セルロース製剤を添加した実施例4及び5でも、十分な離水抑制の効果が認められた。一方の比較例品では、ホイップクリームで造形した面積を遥かに超える離水がろ紙上に生じており、また、他の評価で用いたゼリーカップに充填したものにも著しい離水が生じていた。
上記結果を多糖類別に評価すると、コントロールとしてゼラチンを添加したホイップクリームは、しまりやつやといった基本的なホイップクリームの食感等は備えているが、ボディ感や保形性が悪く、離水も激しく生じていた。
グルコマンナンを用いた比較例4及び5、ラムダタイプのカラギーナンを添加した比較例6のホイップクリームは、ゼラチンを添加したものと同様基本的な食感等はあるものの、オーバーランが低く、離水の改善、保形性も満足できるものではなかった。
LMペクチンを添加した比較例7ではオーバーランは向上していたが、しまりや口どけが悪く、ボディ感も不足していた。プルランを添加した比較例8では、離水と保形性が不十分であった。
これら比較例品に対し、本発明にかかる発酵セルロース製剤、発酵セルロース製剤及び特定の性状を有するデキストリンを併用したホイップクリームは、食感は通常のホイップクリームと同様のものであったが、ボディ感が顕著に向上しており、かつ離水がほとんど生じず、保形性に優れていることから、花形等のデコレーションに適した安定性を有していることが明らかとなった。
実験例3
次いで、発酵セルロースの添加量による発明の効果を検証した。
<ホイップクリームの調製>
次に示す処方に基づきホイップクリームを調製し、発酵セルロースの添加量の変化による効果を確認した。ホイップクリームに関する物性の測定値を表4に、ホイップテストの結果を表5に示す。
<処方>
1.硬化ヤシ油 30
2.脱脂粉乳 4
3.ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05
(ホモゲン※No.2897*)
4.ショ糖脂肪酸エステル 0.3
(第一工業製薬社製 F-160 0.2%、F-70 0.1%)
5.粉末レシチン(辻製油社製 SLPホワイトリソ゛) 0.15
6.pH調整剤(メタリン酸ナトリウム) 0.1
(サンポリマー※No.143*)
7.発酵セルロースを含有する製剤 表4参照
清水にて合計 100
<製法>
1)水に3を加え、2、4、5、7の粉体混合物を添加し、65〜70℃で10分間攪拌溶解した。
2)1)に溶融した1を加え、65〜70℃で10分間攪拌し、これに一部のお湯に溶かした6の溶液を加えた。
3)清水にて全量調整後、UHT殺菌(138℃ 15秒)を行い、ホモジナイザーにて均質化(第一段 7.5MPa、第二段 2.5MPa)した。
4)均質後の液を10℃以下まで冷却し、1夜冷蔵保存して検体とした。
尚、ここで使用する三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンアーティスト(商標)PX」は、発酵セルロースとキサンタンガムの複合体を含有するものであり、その組成は発酵セルロース20%、CMC−Na3.3%、キサンタンガム10%及びデキストリン66.7%からなるものである。
Figure 2013013393
<ホイップテスト>
実験例2と同様の評価・基準にて試験を行い、その結果を表5に示す。
Figure 2013013393
<結果>
実験例3の結果から、発酵セルロースの添加量の範囲は、発酵セルロースとグァーガムの複合体を使用した場合は0.01〜1.0%(実施例7〜15、発酵セルロース量として0.002〜0.2質量%)においてしまり、つや、保形性、ボディ感付与及び離水抑制効果が得られた。複合体の添加量が0.01%以下(比較例10)では十分な効果が得られず、1.0%以上(比較例11)になるとホイップクリームの粘度が1000mPa・s以上となり(表4参照)、調製時に不利不便を生じることとなった。また風味も悪くなり、ホイップクリームとしての商品価値が損なわれていた。
同様に発酵セルロースとキサンタンガムの複合体を使用した場合においても、0.01〜1.0%(実施例16〜21、発酵セルロース量として0.002〜0.2質量%)において、ホイップクリームのしまり、つや、組成機の細かさ、保形成、風味、口どけ、ボディ感及び離水抑制の点で、顕著な効果を奏することが明らかとなった。
また、いずれの製剤を用いた場合においても、添加量が増えるにつれてホイップ時間の短縮が効果として現れていた。
実験例4
次いで、本発明で用いる特定の性状を有するデキストリンと、一般に得られるデキストリンとの効果の差異を確認した。
<ホイップクリームの調製>
次に示す処方に基づきホイップクリームを調製し、本発明で用いるデキストリンと、一般に入手可能であるデキストリンとの効果を確認した。
<処方> (単位:質量%)
1.硬化ヤシ油 30
2.脱脂粉乳 4
3.発酵セルロース製剤 0.2
(サンアーティスト※PG*)
4.デキストリン(詳細 表6参照) 4
5.酵素分解レシチン(辻製油社製 SLPホワイトリソ゛)0.15
6.乳化剤(ホモゲン※No.3039*) 0.7
内容:ショ糖脂肪酸エステル 42.9%
微結晶セルロース 36.5%
CMC−Na 6.4%
デキストリン 14.2%
7.ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB13)0.05
(ホモゲン※No.2897*)
8.pH調整剤(メタリン酸ナトリウム) 0.1
(サンポリマー※No.143*)
清水にて合計 100
<製法>
1)水に7を加え、2、3、4、5及び6の粉体混合物を添加し、65〜70℃で10分間攪拌溶解した。
2)1)に溶融した1を加え、65〜70℃で10分間攪拌し、これに一部のお湯に溶かした8の溶液を加え1分間攪拌した。
3)清水にて全量調整後、UHT殺菌(138℃ 15秒)を行い、ホモジナイザーにて均質化(第一段 7.5MPa、第二段 2.5MPa)した。
4)均質液を10℃以下まで冷却し、1夜冷蔵保存して検体とした。
Figure 2013013393
<結果>
本発明にかかる特定の性状を有するデキストリンと、発酵セルロースを併用したホイップクリーム(実施例20)において、口どけ及びボディ感が最も良好であった。
これに対し実施例20で用いたデキストリンと同じDE値が4である、一般に使用されるデキストリンを用いた比較例14のホイップクリームは、粘度が高くホイップ時間も長くなり、ホイップクリームの製造には不適であった。また、濃厚感というよりものりっぽく口どけが悪く、臭いがあり風味も悪かった。
DE値が8のデキストリンを用いた比較例15のホイップクリームでは、ホイップ時間や物性は実施例20品と遜色ないものであったもののつやがなく組織が粗く、外観上見劣りするものであった。また、ボディ感も足りず、離水面積を測定するために2時間室温で静置したものを食してみたが、ホイップクリーム独特のふんわりとした食感がなく、べっちょりとしたものとなっており、実施例20のホイップクリームや調製直後の比較例15と比べると、食感が顕著に変化していることが認められた。
実験例5
発酵セルロースを含有するホイップクリームを調製し、発酵セルロースの添加量の違いによる凍結解凍安定化効果を確認した。
<ホイップクリームの調製>
次の処方に従い、ホイップクリームを調製し、本発明にかかるホイップクリーム用安定化剤の効果を、下記ホイップテストを実施して確認した。
<処方>
1. 硬化ヤシ油 30
2. 脱脂粉乳 4
3. ポリグリセリンオレイン酸エステル 0.05
(ホモゲン※No.2897*)
4. ショ糖脂肪酸エステル 0.3
(第一工業製薬社製 DKエステルF-160 0.2%、同F-70 0.1%)
5. 粉末レシチン 0.15
(辻製油社製 SLPホワイトリゾ)
6. pH調整剤(メタリン酸ナトリウム) 0.1
(サンポリマー※No.143*)
7. 発酵セルロースを含有する製剤 (詳細表7参照)
清水にて合計 100
<ホイップクリームミックスの調製方法及びテストの詳細>
実験例1と同様の手順にてホイップクリームミックスを調製し、調製したホイップクリームでろ紙上に花形をかき、実験例1と同様の条件で凍結解凍を行い、トップの切れ、表面の荒れ、離水の程度を目視にて評価し、解凍後のろ紙上に現れた水分の面積を測定した。結果を表7に示す。
Figure 2013013393
<結果>
上記結果より、グァーガムと複合化した発酵セルロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 サンアーティスト(商標)PG)の添加量が0.2〜1.4質量%(実施例21〜実施例27)、好ましくは0.4〜1.0質量%(実施例22〜実施例25)である場合に、解凍後の見栄えも良く、離水抑制に効果が見られるホイップクリームを提供できることが明らかとなった。また、キサンタンガムと複合化した発酵セルロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 サンアーティスト(商標)PX)を用いた場合は、0.1〜1.0質量%(実施例28〜実施例32)を添加した際に、離水が抑制され解凍後の見栄えのよいホイップクリームが得られた。
実験例6
次いで、発酵セルロースと特定の性状を有するデキストリンとの併用による効果を確認するため、下記処方による試験を行った。
<処方>
1 硬化ヤシ油 20
2 ポリグリセリンオレイン酸エステル 0.1
(ホモゲン※No.2897*)
3 脱脂粉乳 4
4 デキストリン 表8参照
(スマートテイスト※*)
5 発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PG*)
6 ショ糖脂肪酸エステル 0.2
(第一工業製薬社製DKエステル F-160)
7 ショ糖脂肪酸エステル 0.1
(第一工業製薬社製DKエステル F-70)
8 粉末レシチン 0.15
(辻製油社製 SLPホワイトリゾ)
9 pH調整剤(メタリン酸ナトリウム) 0.1
(サンポリマー※No.143*)
清水にて合計 100
<製法、評価>
実験例3と同様の処理を行い、凍結解凍後の離水と形状、肌荒れを評価した。結果を表8に示す。
Figure 2013013393
<結果>
表8の結果より、本発明で使用する特定の性状を有するデキストリンを1質量%以上、好ましくは3質量%以上添加することにより、ホイップクリームの凍結解凍後の離水を効果的に抑制できることがわかった。
実験例7
次いで、本発明で用いる特定の正常を有するデキストリンと、一般に得られるデキストリンとの凍結解凍時の離水抑制効果の差異を確認した。
<ホイップクリームの調製>
次に示す処方に基づきホイップクリームを調製した。
<処方> (単位:質量%)
1.硬化ヤシ油 30
2.脱脂粉乳 4
3.発酵セルロース製剤 0.2
(サンアーティスト※PG*)
4.デキストリン(詳細 表9参照) 4
5.粉末レシチン 0.15
(辻製油社製 SLPホワイトリゾ)
6.乳化剤(ホモゲン※No.3039*) 0.7
7.ポリグリセリンオレイン酸エステル 0.05
(ホモゲン※No.2897*)
8.pH調整剤(メタリン酸ナトリウム) 0.1
(サンポリマー※No.143*)
清水にて合計 100
<製法、評価>
実験例3と同様の処理を行い、凍結解凍後の離水面積と、風味、口どけ及びボディ感を評価した。結果を表9に示す。
Figure 2013013393
<結果>
本発明にかかる特定の性状を有するデキストリンと、発酵セルロースを併用したホイップクリーム(実施例38)においては、凍結解凍時の離水は表7で得られた結果よりも顕著な効果を示していた。
これに対し、実施例38で用いたデキストリンと同じDE値が4である一般に使用されるデキストリンを用いた比較例23のホイップクリームは、凍結解凍時の離水は実施例品よりも押さえられず、また、粘度が高くホイップクリームの製造には不適であった。また、濃厚感というよりものりっぽく口どけが悪く、臭いがあり風味も悪かった。
DE値が8のデキストリンを用いた比較例24のホイップクリームでは、離水抑制効果は実施例38品と遜色ないものであったものの、ホイップクリームのつやがなく組織が粗く、外観上見劣りするものであった。また、ボディ感も足りず、実施例38のホイップクリームと比べると物足りない食感であった。

Claims (11)

  1. 発酵セルロースを含有することを特徴とする、ホイップクリーム用の安定化剤。
  2. 発酵セルロースが、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム又はグァーガムの一種以上と複合化したものである請求項1記載のホイップクリーム用の安定化剤。
  3. ホイップクリームに対し0.01〜1質量%添加することにより、ホイップクリームの安定性を向上させるものである請求項1又は2に記載のホイップクリーム用の安定化剤。
  4. さらに、下記の性質(a)を有するデキストリンを併用するものである請求項1乃至3に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
    (a)下記条件で測定された青価が0.4〜1.2の範囲である:
    (a−1)80℃の蒸留水でデキストリン1w/v%水溶液を調製して、これを25℃に冷却する、
    (a−2)上記デキストリン1w/v%水溶液(25℃)10mlを、ヨウ素20mgおよびヨウ化カリウム200mgを含む水溶液10mlと混合して、蒸留水で100mlとなるように調整する、
    (a−3)上記調製液を遮光した状態で、25℃で30分間振盪した後、25℃条件下で、反応液の680nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定し、これを青価とする。
  5. ホイップクリームの安定化が、次に掲げるもののひとつ以上である請求項1乃至4に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
    ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、離水抑制、食感変化の抑制
  6. ホイップクリームに対し0.2〜1.5質量%添加することにより、ホイップクリームの凍結解凍時の離水を抑制するものである請求項1又は2に記載のホイップクリーム用の安定化剤。
  7. さらに、下記の性質(a)を有するデキストリンを併用するものである請求項6に記載のホイップクリーム用の安定化剤;
    (a)下記条件で測定された青価が0.4〜1.2の範囲である:
    (a−1)80℃の蒸留水でデキストリン1w/v%水溶液を調製して、これを25℃に冷却する、
    (a−2)上記デキストリン1w/v%水溶液(25℃)10mlを、ヨウ素20mgおよびヨウ化カリウム200mgを含む水溶液10mlと混合して、蒸留水で100mlとなるように調整する、
    (a−3)上記調製液を遮光した状態で、25℃で30分間振盪した後、25℃条件下で、反応液の680nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定し、これを青価とする。
  8. 請求項1乃至7に記載のホイップクリーム用安定化剤を含有することを特徴とする、ホイップクリーム。
  9. 請求項1乃至7に記載のホイップクリーム用安定化剤を含有し、次に掲げるもののひとつ以上を効果として生じるホイップクリーム;
    ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水抑制、食感変化の抑制
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載のホイップクリーム用の安定化剤を添加することを特徴とする、ホイップクリームの安定化方法。
  11. 請求項10に記載の安定化方法が、次に掲げるもののひとつ以上を効果として生じるものであるホイップクリームの安定化方法;
    ボディ感の向上、保形性の向上、ホエー分離の抑制、冷蔵保存時及び凍結解凍時の離水抑制、食感変化の抑制
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