JP5295914B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画面をタッチして座標を入力する入力装置、及びそれを備えた表示装置に係わり、特に、静電容量方式のタッチパネルを有する表示装置における座標検出精度の高精度化に好適なものである。
表示画面に使用者の指またはペンなどを用いてタッチ操作(接触押圧操作、以下、単にタッチと称する)して情報を入力する装置(以下、タッチセンサ又はタッチパネルとも称する)を備えた表示装置は、PDAや携帯端末などのモバイル用電子機器、各種の家電製品、現金自動預け払い機(Automated Teller Machine)等に用いられている。このようなタッチパネルとして、タッチされた部分の抵抗値変化を検出する抵抗膜方式、あるいは容量変化を検出する静電容量方式、または光量変化を検出する光センサ方式などが知られている。
静電容量方式は、抵抗膜方式や光センサ方式と比較した場合に次のような利点がある。例えば、抵抗膜方式や光センサ方式では透過率が80%程度と低いのに対し静電容量方式は約90%と透過率が高く表示画質を低下させない点で有利である。また、抵抗膜方式では抵抗膜の機械的接触によりタッチ位置を検知するため、抵抗膜が劣化または破損するおそれがあるのに対し、静電容量方式では検出用電極が他の電極などと接触するような機械的接触がなく、耐久性の点からも有利である。
静電容量方式のタッチパネルとしては、例えば、下記特許文献1で開示されているような方式がある。この開示された方式では、縦横二次元マトリクス状に配置した検出用縦方向の電極(X電極)と検出用横方向の電極(Y電極)とを設け、入力処理部で各電極の容量を検出する。タッチパネルの表面に指などの導体が接触した場合には、各電極の容量が増加するため、入力処理部でこれを検知し、各電極が検知した容量変化の信号を基に入力座標を計算する。
特表2003−511799号公報
しかしながら、静電容量方式のタッチパネルは、上記特許文献1のように検出用の各電極の容量変化を検出して入力座標を検出するため、入力手段としては導電性のある物質が前提となる。そのため、抵抗膜式などで使用されている導電性の無い樹脂製スタイラスなどを静電容量方式のタッチパネルに接触させた場合には、電極の容量変化がほとんど発生しないため、入力座標を検出できないという課題がある。
また、2点同時に樹脂製スタイラスなどを静電容量方式のタッチパネルに接触させる使用方法においては、2つのX座標と2つのY座標が検出されることから、接触した点の候補として4つの座標が考えられるため、2点同時に接触した点を検出することが困難であった。さらに、小さい接触面の入力手段に対応する場合に、電極数を増加させることなく精度良く検出する方法も課題であった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、静電容量結合方式のタッチパネルを備える表示装置において、非導電性の入力手段によるタッチにも反応し、かつタッチ面積が小さくても少ない電極本数で高精度の位置検出を実現し、さらには、2点同時に接触した場合も精度良く座標を検出することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
前述の課題の解決を実現するため本発明では、複数のX電極と複数のY電極と、X電極とY電極の両方に重なったZ電極を備えた静電容量タッチパネルを用いる。この静電容量タッチパネルにおいて、前記X電極と前記Y電極は、第1の絶縁層を介して交差されており、それぞれ、その延在方向にパッド部と細線部とが交互に並ぶようにして形成され、平面的に観た場合に、前記X電極のパッド部と前記Y電極のパッド部は重畳することなく配置される。
また、前記Z電極は、平面的に観た場合に、隣接する前記X電極と前記Y電極の両方に重畳するように、第2の絶縁層を介して形成される。Z電極と、X電極およびY電極の間にはスペーサが設けられ、Z電極はX電極とY電極の両方と一定の間隔を保って配置されている。さらに、Z電極は柔軟な導電層で形成され、Z電極には透明弾性層が積層されている。タッチにより、Z電極および透明弾性層が弾性変形することで、X電極およびY電極の両方とZ電極との間隔が変化し、Z電極介してX電極とY電極間の合成容量値を変化させることが可能となる。
さらに、スペーサの近傍では、押圧によりZ電極および透明弾性層がスペーサにめり込むことで、X電極およびY電極の両方とZ電極との間隔が変化することを特徴とする。
また、前記X電極のパッド部は、該X電極と隣接するX電極の細線部付近まで延在し、平面的に観た場合に、該X電極のパッド部における形状は、前記隣接するX電極の細線部付近で面積が最小となり、該X電極の細線部付近で面積が最大となり、該X電極の細線部付近から前記隣接するX電極の細線部付近へかけて、該パッド部の面積が減少することを特徴とする。これにより、タッチ操作における接触面に比べて前記X電極の電極間隔が広い場合にも、隣接する前記X電極の検出容量成分の比からタッチ座標位置を計算することが可能となり、少ない電極本数で高精度な位置検出が可能となる。また、X電極またはY電極のうち、一方の電極に順次信号を印加し、他方の電極で信号の変化を検出することで、予めどの電極に印加された信号であるか識別して、静電容量方式のタッチパネルで2点を同時に接触した場合の検出精度を向上させることが可能となる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、静電容量結合方式のタッチパネルを備える表示装置において、非導電性の入力手段によるタッチにも反応し、かつタッチ面積が小さくても少ない電極本数で高精度の位置検出を実現し、さらには、2点同時に接触した場合も精度良く座標を検出することが可能となる。
本発明の実施例の入力装置を備えた表示装置の概略構成図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた表示装置の電極の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた表示装置の電極の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた表示装置の電極の概略回路図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の検出強度を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の検出強度を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置のシール材の製造方法を示す概略構成図である。 本発明の実施例の入力装置のシール材の印刷版を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置のシール材を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の検出強度を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の検出強度を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の電極部の検出強度を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の検出回路を示す概略回路図である。 本発明の実施例の入力装置の検出回路を示す概略回路図である。 本発明の実施例の入力装置の検出回路の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例の入力装置の検出回路の動作を示す概略図である。 本発明の実施例の入力装置の検出回路の動作を示す概略図である。 本発明の実施例の入力装置の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置の変形例を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた液晶表示装置を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた液晶表示装置を示す概略断面図である。 本発明の実施例の液晶表示パネルを示す概略平面図である。 本発明の実施例の前面パネルを示す概略斜視図である。 本発明の実施例の入力装置を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置を示す概略断面図である。 本発明の実施例の入力装置を示す概略平面図である。 本発明の実施例の入力装置を備えた液晶表示装置を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例の入力装置(タッチパネル)と、それを備えた表示装置の構成を、図1に示す。図1において、400は本実施例のタッチパネルである。タッチパネル400は、容量検出用のX電極XPと、Y電極YPを有する。ここでは、例えばX電極を4本(XP1からXP4)、Y電極を4本(YP1からYP4)で図示しているが、電極数はこれに限らない。
タッチパネル400は表示装置600の前面に設置される。従って、表示装置600に表示された画像を使用者が見る場合には、表示画像がタッチパネル400を透過する必要があるため、タッチパネル400は光透過率が高いことが望ましい。
タッチパネル400のX電極とY電極は、検出用配線201によって容量検出部102に接続される。容量検出部102は、制御演算部103から出力される検出制御信号202により制御され、タッチパネルに含まれる各電極(X電極、Y電極)の容量を検出し、各電極の容量値によって変化する容量検出信号203を制御演算部103に出力する。
制御演算部103は、各電極の容量検出信号203から各電極の信号成分を計算するとともに、各電極の信号成分から入力座標を演算して求める。制御演算部103は、I/F信号204を用いて入力座標をシステム制御部104に転送する。
システム制御部104は、タッチ操作によりタッチパネル400から入力座標が転送されると、そのタッチ操作に応じた表示画像を生成して、表示制御信号205として表示制御回路105に転送する。
表示制御回路105は、表示制御信号205により転送される表示画像に応じて表示信号206を生成し、表示装置600に画像を表示する。
次に、本実施例のタッチパネル400に設けた容量検出用の電極について、図2および図3を用いて説明する。
図2は、タッチパネル400の容量検出用のX電極XPおよびY電極YP、Z電極ZPの電極パターンを示した図である。X電極XPとY電極YPは、例えば、X電極XPが検出用配線201によって容量検出部102に接続される。他方、Y電極YPには検出用配線201によって、一定期間にあらかじめ定められたタイミングと電圧のパルス信号が印加される。Z電極ZPは電気的に接続されておらず、フローティングの状態とする。
図2に示すように、Y電極YPはタッチパネル400の横方向(図中X方向)に伸びており、複数のY電極YPが縦方向(図中Y方向)に複数本並べられている。Y電極YPとX電極XPの交差部分は、各電極の交差容量を削減するためにY電極YPとX電極XPの電極幅を細くしている。この部分を細線部327と呼ぶ。したがって、Y電極YPはその延在方向に細線部327と、細線部327に挟まれた電極部分(以下では、パット部又は個別電極と呼ぶ)328Yとを交互に配置した形状となる。
隣接するY電極YPの間に、X電極XPを配置する。X電極XPはタッチパネル400の縦方向に延びており、複数のX電極XPが横方向に複数本並べられる。Y電極YPと同様に、X電極XPはその延在方向に細線部327とパッド部328Xを交互に配置した形状となる。
図2に示すように、X電極XPのパッド部328Xはひし形をしている。X電極XPのパッド部328Xの形状を説明する上で、仮にX電極XPを検出用配線に接続するための配線位置(或いはX電極XPの細線部327)を、X電極XPの横方向の中心と仮定する。X電極XPのパッド部328Xの電極形状は、隣接する他のX電極XPの中心に近くなるにつれて面積が小さくなり、当該X電極XPの中心に近いほど面積が大きくなる。
よって、隣接する2本のX電極XP、例えばX電極XP1とXP2の間におけるX電極XPの面積を考えた場合には、X電極XP1の中心付近ではX電極XP1のパッド部328Xの電極面積(電極幅)が最大となり、且つX電極XP2のパッド部328Xの電極面積(電極幅)は最小となる。一方、X電極XP2の中心付近ではX電極XP1のパッド部328Xの電極面積(電極幅)が最小となり、且つX電極XP2のパッド部328Xの電極面積(電極幅)が最大となる。ここで、隣接する2本のX電極XP間におけるパッド部328Xの形状は、隣接するX電極XPに向けて形状が凸状であることを特徴とする。
図2では、X電極XPの左右に向けて凸状としたが、X電極XPの形状はこれに限らない。例えば、X電極XPのパッド部328Xの左側電極形状を凸状、右側の電極形状を凹状としても良いし、X電極XPの右側の電極形状を凸状、左側の電極形状を凹状としても良く、X電極XPの左右の電極形状を凸状とし、隣接するX電極XPの電極形状を凹状としても良い。Z電極ZPは、Y電極YPと、X電極XPと重なりあって配置される。
また、図2では、Z電極ZPとスペーサ800を示している。スペーサ800は、X電極XPおよびY電極YPと、Z電極ZPとの間隔を保持する目的で形成されている。なお、Z電極ZPとスペーサ800の詳細については後述する。
図3は、図2のA−A’切断線に沿った断面構造を示す概略断面図である。なお、図2及び、図3に示す断面図では、タッチパネル動作の説明に必要となる層のみ示している。
静電容量方式のタッチパネルでは、X電極XPとY電極YPとの間に生じる容量値の変化を検出しており、従来では、図中下側のXY電極基板405で十分であったが、本実施例では、タッチパネル400では検出精度を向上させるため図中上側のZ電極基板412を新たに設けている。
タッチパネル400のXY電極基板405の各電極は第1の透明基板5上に形成する。まず第1の透明基板5に近い箇所にX電極XPを形成し、次にX電極とY電極を絶縁するための第1の絶縁膜16を形成する。その次に、Y電極YPを形成する。ここで、X電極XPとY電極の順番を入れ換えても良い。Y電極YPの上にはY電極YPおよび第1の絶縁膜16を覆うように、第2の絶縁膜19が形成されている。
前述したように、XY電極基板405とZ電極基板412の間にはスペーサ800が設けられて、XY電極基板405とZ電極基板412との間隔を保持している。また、両基板の外周部近傍には、枠状にシール材(図示せず)が設けられており、XY電極基板405とZ電極基板412とを固着している。また、XY電極基板405とZ電極基板412との間には検知用絶縁層120が設けられている。
次にZ電極基板412では、図中上側から第2の透明基板12にアクリル系樹脂からなる透明弾性層114が設けられ、さらに、アクリル系接着剤からなる支持層113とZ電極ZPが設けられている。透明弾性層114の剛性は第2の透明基板12の剛性よりも低いものが用いられる。なお透明弾性層114,支持層113を構成する材料は上記の材料に限るものではない。
XY電極基板405とZ電極基板412の間の検知用絶縁層120は、タッチ操作による押圧時に、膜厚が変化する透明な絶縁材料であれば良い。例えば、弾性絶縁材料などを用いて、検知用絶縁層120を形成しても良い。また、検知用絶縁層120に、空気など圧力により体積が変化する気体を用いることも好適である。気体を用いる場合には、非接触時の検知用絶縁層120の厚さを一定に保つ為に、Z電極ZPとX電極XP及びY電極YPとの間に、スペーサ800を配置する必要が生じる。
なお、Z電極ZPとしては、例えば、ポリチオフェン系有機導電材料、スルホン化ポリアニン、ポリピロールなどの有機導電材料、あるいは、導電性の微粒子(例えばITO微粒子)分散合成樹脂などが使用可能である。同様に、透明弾性層114と、支持層113も柔軟な合成樹脂などが使用可能である。
本実施例では、Z電極ZPと、X電極XPおよびY電極YPの間に、スペーサ800を設けたので、表示画面内にスペーサ800が多数点在することとなる。このスペーサ800を透明あるいは淡色の材料で形成すると、スペーサ800及びその近傍で、集光あるいは光散乱を引き起こして表示品質を低下させる2次的な課題を生じさせる。
そこで、本実施例では、スペーサ800の材料として、黒または青色系濃色の材料(少なくとも光学濃度(OD値)が2以上、好ましくは3以上)を用いることにより、前述の2次的な課題を解決している。なお、光学濃度(OD値)は、透過率をT(%)とするとき、CD=log(1/T)で求められる値である。
また、スペーサ800としては、例えば、顔料分散アクリル系樹脂が使用されるが、その他に、カラーレジスト膜などのアクリル系樹脂が使用される。なお、スペーサ800の材料として、導電性の材料を使用する場合には、被覆処理などにより絶縁(高抵抗化)処理を施す必要がある。
次に、タッチパネル400におけるタッチ操作時の容量変化について説明する。図3に示すように、X電極XPとY電極YPとの間には、Z電極ZPを介して容量Cxzと容量Cyzが形成されている。例えば、X電極XPから信号を供給し、Y電極YPを接地電位に接続し、Z電極ZPをフローティング状態とすると、容量Cxzと容量Cyzの接続状態は、図4に示すような回路図で表すことができる。
図4に示す回路においては、容量Cxzと容量Cyzとの合成容量Cxyは、Cxy=Cxz×Cyz/(Cxz+Cyz)となる。タッチにより、X電極XPとZ電極ZPとの距離が変化し、同じくY電極YPとZ電極ZPとの距離が変化すると、合成容量Cxyの値も変化する。
以下、タッチによる第1の絶縁膜16と第2の絶縁膜19の厚さの変化は無視できるとして、容量Cxyの値を変化させるX電極XPおよびY電極YPに対するZ電極ZPの距離を間隔Dxyzで表す。実際のX電極XPとZ電極ZPの距離およびY電極YPとZ電極ZPの距離と間隔Dxyzは異なるが、容量Cxyの変化は検知用絶縁層120の厚さの変化に従って変化していると考えることができるため、説明を簡潔にするために間隔Dxyzを用いて説明する。なお、間隔Dxyzは検知用絶縁層120の厚さであるが、Z電極ZPと第2の絶縁膜19との距離とも表現可能である。
次に図5は、タッチが非導電性のペン850等で行なわれた状態を示す。非導電性のペン850を用いると、非導電性のペン850には電気が流れないため、非導電性のペン850がタッチパネル400に接触することによる容量の変化は非常に微小である。そのため、非導電性のペン850を用いる場合では、従来の静電容量方式のタッチパネルでは容量の変化を検出することが困難であった。
そこで、非導電性のペン850によるタッチを検出するためZ電極ZPを用いることとした。しかしながら、スペーサ800とZ電極ZPが硬く、ペン850で押しても、スペーサ800およびZ電極ZPが変形しない場合では、Z電極ZPはスペーサ800に押し戻されて、間隔Dxyzはわずかしか変化しなかった。そのため、前述の合成容量Cxyの変化も微小となり容量の変化を検出することは困難であった。
次に、スペーサ800による規制を回避するために、スペーサ800を設けない場合を図6に示す。この場合、スペーサ800によって押し戻されることが無いので、剛性の高い部材に間隔Dxyzの変化量は支配される。一般に第2の透明基板12の剛性が高いため、非導電性のペン850で押されて第2の透明基板12がたわむ量に従って、Z電極ZPの位置が変化することになる。
ただし、この場合では図6に示すように、近接して2点が押された場合に、2点を分離して検出することが困難であるという問題が生じる。前述したように、ペン850で押されることで生じる変化は剛性が高い第2の透明基板12の変化と同様になる。そのため、第2の透明基板12を固定している点(シール材の位置)からの距離に対して、同時に押される2点の距離が短い場合に、2点間でたわむ量に比較して、固定点を支点としてたわむ量が大きくなるため、2点間の変化量を検出することが困難である。
図7に近接した2点が押された場合の容量Cxyの検出強度を示す。図7では同じ検出強度を示す位置を結んで、線CT1〜CT3で示している。図7に示すように、2点間で線CT1〜CT3は連続しており、容量変化から2点を分離して検出することは困難である。
次に図8にZ電極ZPを有機導電膜等の弾性変形する柔軟な材料で形成した場合を示す。また、Z電極ZPに積層される透明弾性層114と支持層113も共に柔軟な材料で形成する。非導電性のペン850でタッチすると第2の透明基板12がたわむが、それに伴い、Z電極ZPも間隔Dxyzを狭めるよう移動する。
Z電極ZPがスペーサ800に当たると、Z電極ZPはスペーサ800よりも柔らかいために、Z電極ZPは弾性変形する。そのため、スペーサ800によりZ電極ZPの変位が制限されずに、容量Cxyの変化量が検出可能な程度まで間隔Dxyzが狭まる。さらに、透明弾性層114と支持層113も共に柔軟な材料であることから、スペーサ800はZ電極ZPに埋まるような状態となり間隔Dxyzは容易に狭まる。
ここで、Z電極ZPが弾性変形するという状態は、Z電極ZPの変形にとどまらず、共に積層される透明弾性層114と支持層113も容量Cxyの変化量が検出可能な程度まで変形することを意味している。すなわち、タッチされた際にスペーサ800により押し返されるZ電極ZP、透明弾性層114、支持層113のいずれかの膜厚が押し縮められている状態を意味する。
図9は、スペーサ800を粒状のスペーサ802とした場合を示している。粒状のスペーサ802は粒径がそろったポリマービーズ、ガラスビーズ等を適宜散布して第2の絶縁層19上に固着させて形成する。
図9に示す粒状のスペーサ802の場合も、Z電極ZPおよび透明弾性層114、支持層113は共に粒状のスペーサ802よりも柔らかいために、Z電極ZPは弾性変形する。そのため、粒状のスペーサ802の場合も、容量Cxyの変化量が検出可能な程度まで間隔Dxyzが狭まる。また、透明弾性層114と支持層113も共に柔軟な材料であることから、粒状のスペーサ802もZ電極ZPに埋まるような状態となる。
図10は、Z電極ZPを導電性を有する透明弾性膜で形成した場合を示している。図10では、Z電極ZPを前述の透明弾性層114と同様な程度の膜厚で柔軟な層により形成し、押圧により十分に変形可能な層としている。すなわち、透明弾性層114は膜厚を超えて縮むことは不可能であるため、タッチによる変位量に対して、膜厚が十分に厚い必要がある。
図11は、入力手段が指860などの場合を示している。指860でタッチした場合もZ電極ZPは弾性変形して、容量Cxyの変化量が検出可能な程度まで間隔Dxyzが狭まる。
図12はペン850でスペーサ800の直上をタッチした場合を示す。タッチにより第2の透明基板12がたわむが、それに伴い、Z電極ZPはスペーサ800に当たる。この場合もZ電極ZPおよび透明弾性層114、支持層113は共にスペーサ800よりも十分に柔らかいために、Z電極ZPはスペーサ800が埋もれるよう変形する。すなわち、スペーサ800とペン850とを結ぶ直線上のZ電極ZPはスペーサ800に押し縮められるが、スペーサ800の周辺のZ電極ZPはスペーサ800を包み込むように変形する。よってスペーサ800の周辺の間隔Dxyzも容量Cxyの変化量が検出可能な程度まで狭まる。このように、スペーサ800近傍でも従来と比較して精度の高い位置検出が可能となる。
次に図13に2点同時にタッチした場合で、2点の間にスペーサ800が位置する場合を示す。この場合、タッチにより第2の透明基板12がたわむが、スペーサ800の位置では、間隔Dxyzがスペーサ800に保持されて変化しない。対してスペーサ800の近傍では、スペーサ800を支点としてZ電極ZPが変位することで、2点毎の容量Cxyの変化量が検出可能となる。
図14に近接した2点が押され、間にスペーサ800が存在する場合の容量Cxyの変化量(検出強度)を示す。図14では同じ容量値を示す線CT1およびCT2とが、2点間でそれぞれ分断されており、容量変化から2点を分離して検出することが可能である。
また、スペーサ800が存在するだけではなく、Z電極ZPおよび透明弾性層114、支持層113は共に柔軟な材料で形成されるため、スペーサ800が間隔Dxyzを保持することにより生じる問題にも対応可能である。すなわち、第2の透明基板12の変位をスペーサ800により規制する力はZ電極ZPおよび透明弾性層114、支持層113の膜厚が圧縮されることにより、スペーサ800の位置で吸収されている。そのため、スペーサ800近傍の間隔Dxyzが容量Cxyの変化量が検出可能な程度にまで変化可能であることも、2点が押されたことを検出可能としている。
なお、スペーサ800が2点を結ぶ直線上に無い場合でも、スペーサ800がXY電極基板405とZ電極基板412との間にあることで、スペーサ800が支点となっており2点が押されたことを検出可能である。
次に図15と図16に、Z電極基板412の製造方法を示す。図15には第2の透明基板12に透明弾性層114を形成する方法を示す。まず、第2の透明基板12を準備する。次にシート状の透明弾性層114を第2の透明基板12の一方の端部からローラ870で押さえつけながら貼り付ける。柔軟なシート状の材料を貼り付けることで、簡単な装置及び方法で均一な層を形成することが可能である。
図16では、別に用意した支持層113に弾性導電膜20を形成したものを第2の透明基板12に透明弾性層114を貼り付けたものの端部からローラ870で押さえつけながら貼り付けている。なお、この弾性導電膜20は前述のZ電極ZPとして用いられる。
第2の透明基板12を複数個のタッチパネルを取得可能なように大判の基板を用意し、同じく大判のシート状の透明弾性層114、支持層113、弾性導電膜20を貼り付けることで、一度に大量のタッチパネルが製造可能である。なお、透明弾性層114に弾性導電膜20を貼り付ける際に、支持層113を用いることなく貼り付け可能な場合、もしくは、弾性導電膜20を貼り付けた後、支持層113を簡単に除去可能な場合は、必ずしもタッチパネル400に支持層113が残っている必要はない。
図17には、スペーサ800とシール材810を形成する製造方法を示す。スペーサ800とシール材810はスクリーン印刷により形成可能である。スクリーン印刷には図18に示すようなスクリーン版820を用いる。スクリーン版820には、スペーサ800(図18では図示せず)とシール材810の形状に孔が開いている。このスクリーン版820に版枠826を用いてテンションを加え、スキージ824を用いて孔からスペーサ800とシール材810の材料物質を押し出すことで、XY電極基板405上にスペーサ800とシール材810を転写する。
なお、XY電極基板405上にスペーサ800のみを形成し、シール材810は両面テープ等を使用することも可能である。また、XY電極基板405側にスペーサ800を形成し、Z電極基板412側にシール材810を形成することも可能である。
図19にXY電極基板405にシール材810を形成した様子を示す。なお、図19は複数のタッチパネル400を同時する製造する場合を図示している。また、スペーサ800も図示しないが形成されているものとする。スペーサ800とシール材810の転写後、スペーサ800に紫外線照射または加熱を行い、スペーサ800をある程度硬化させる。
図20に示すように、スペーサ800とシール材810を形成したXY電極基板405とZ電極基板412を重ね合わせて、全面に紫外線照射または加熱を行うことで、シール材810により両基板を固着する。先にスペーサ800を硬化させるのは、XY電極基板405とZ電極基板412を重ね合わせた際に、スペーサ800がZ電極基板412によりつぶれることを防止するためである。両基板を固着後、個別にタッチパネル400が切断される。
次に、図21を用いて、ペン850のように接触面が小さい場合に、接触点の位置が横方向に変化した場合の各電極の信号成分について説明する。
図4で説明した、容量Cxyの容量変化は、間隔Dxyzが狭まった部分の面積に依存する。この間隔Dxyzが狭まった部分の面積を検出用面積と呼ぶ。図21中では説明のために検出用面積を円XA、XB、XCで示している。検出用面積とX電極XPまたはY電極YPと重なる面積が大きい場合には信号成分が大きくなり、逆に重なる面積が小さい場合には信号成分が小さくなる。
図21では、隣接する2つのX電極であるXP2とXP3との間において、X電極上で接触点の位置が変化した様子を示している。XAはX電極XP2の中心付近であり、XBはX電極XP2とXP3との中間付近であり、XCはX電極XP3の中心付近である。なお図21では、図の簡略化のためZ電極ZP及びスペーサ800を図示していない。
検出用面積XAの位置では、検出用面積XAとX電極XP2とが重なる部分が多く、X電極XP3とはほとんど重ならないためX電極XP2の信号成分が大きく、X電極XP3の信号成分は小さくなる。
検出用面積XBの位置では、X電極XP2及びXP3と検出用面積XBと重なる面積がほぼ等しくなるので、算出される信号成分はX電極XP2とXP3でほぼ等しくなる。
さらに、検出用面積XCの位置では、検出用面積XCとX電極XP3と重なる部分が多く、X電極XP2とほとんど重ならないため、X電極XP3の信号成分が大きく、X電極XP2の信号成分は小さくなる。
制御演算部103は、各電極の信号成分を用いて重心計算を行い、ペン850がタッチ操作により接触した入力座標を算出する。
検出用面積XBのようにX電極XP2とXP3で同程度の信号成分が得られる場合には、重心位置はX電極XP2とXP3の中間にくるため、入力座標を算出できる。一方、検出用面積XA、XCのように一方のX電極の信号成分が非常に大きい場合には、重心位置は大きな信号成分を検出したX電極付近になるため、同様に入力座標を算出できる。
以上説明したように、X電極の電極形状を隣接する電極に向かって細くなるような形状とすることで、検出用面積に比べてX電極の電極間隔が広い場合でも重心計算が可能となり、高精度に位置を検出することが可能となる。よって、検出用面積に比べてX電極の電極間隔を拡げることで従来の電極パターンより電極本数を削減することが可能となる。また、X電極の電極形状がY電極を間に挟み離散的であっても、電気的にフローティングであるZ電極ZPを隣接するX電極XPとY電極YPへ跨るように配置することで、タッチパネル全面でX方向の入力座標を精度良く検出することが可能となる。
図22は、X電極XPの形状を変えた場合である。図2および図21、図22において、Y電極YPの形状は同じである。図21ではX電極XP形状が左右両側に向かって凸型形状であったが、図22では、X電極XP2に示すように、隣接する一方のX電極XP1に向かっては凸型形状であり、隣接する他方のX電極XP3に向かっては凹型形状である。
図2および図21、図22共に、隣接するX電極XPの中心に近くなるにつれて面積が小さくなり、該X電極XPの中心に近いほど面積が大きくなる特徴は同じである。そのため、図22に示すX電極XPでも図21と同様の効果が期待できる。なお、X電極の形状は、隣接するX電極の中心に近くなるにつれて面積が小さくなり、該X電極の中心に近いほど面積が大きくなる形状であれば、図21、図22の形状に限定されない。
次に、Z電極ZPの抵抗値に対する検出用面積の変化について説明する。図23〜図25では、Z電極ZPは各X電極XP、Y電極YPの両方に重ねて形成されているもの(いわゆるベタ電極)とする。
図23では、Z電極ZPのシート抵抗値が低い場合の検出強度を示し、図24では、Z電極ZPのシート抵抗値が適当で検出用面積が適切な場合を示し、図25では、Z電極ZPのシート抵抗値が高い場合の検出強度を示している。
図23に示す検出強度DI1からDI3は、Z電極ZPのシート抵抗値が1.0×103Ω/□の場合の検出強度を示す。なお、検出強度はDI1>DI2>DI3の関係にある。
検出強度DI1とDI2ともに、面積が広がっており、さらには、検出強度DI3は隣接するY電極YP1を越えて広がっており、高精度に位置を検出することが困難である。
次に、図24ではZ電極ZPのシート抵抗値が1.0×105Ω/□の場合の検出強度を示している。検出用面積として有効な検出強度DI3以上の面積は、隣接する電極と重なっており、高精度に位置を検出することが可能である。
次に、図25に電極ZPのシート抵抗値が1.0×107Ω/□の場合の検出強度を示している。検出強度DI1とDI2とを示す範囲は消失しており、検出用面積として有効な検出強度DI3以上の面積も、隣接する電極と十分に重なってなく、高精度に位置を検出することが困難である。
X電極XPとY電極YPを形成するITO膜をシート抵抗値が1.0×103Ω/□程度で形成してある場合に、X電極XPとY電極YPが引き回される距離に対して、Z電極ZPが重なるX電極XPとY電極YPとの距離が短いために、Z電極ZPのシート抵抗値が同程度では、検出用面積が広がってしまうと考えられる。
また、Z電極ZPのシート抵抗値が1.0×107Ω/□を超える場合では、Z電極ZPが検出回路にとっては十分に導電部材として機能しなくなり、有効な検出強度が極端に減少している。
次に検出方法について説明する。図26に、容量検出部102の回路構成を概略ブロック図で示し、図27に信号読み出し部310の概略構成を示す。容量検出部102は、Y電極YPに信号を入力する信号入力部311とX電極XPから信号を読み出す信号読み出し部310、及びメモリ部312で構成される。
なお、図26では、一対のX電極XP1とY電極YP1についてのみ回路構成を図示しているが、タッチパネル400上に形成されている各X電極XP、Y電極XPに対して同様の構成の信号読み出し部310−n、信号入力部311−nがそれぞれ接続されているものとする。
信号入力部311は、印加電圧Vapと基準電位Vrefをスイッチ307、308の切り替えにより、図中の波形の如く信号309をY電極YPに対して印加し,電圧を印加する。信号読み出し部310は、演算増幅器300、積分容量301、リセットスイッチ305からなる積分回路320と、サンプルスイッチ303、ホールド容量302からなるサンプルホールド回路330と、電圧バッファ304、及びアナログデジタル変換器306で構成される。
以下、容量検出部102の動作の概略を説明する。尚、容量検出部102の初期状態では積分容量301は充電されていない状態にあるものとする。初期状態から、先ずスイッチ307がオン状態となって、信号入力部311によりY電極YP1に電圧が印加される。これによりX電極とY電極間の結合容量250(前述の合成容量Cxyzに相当する)は、Y電極YP1が印加電圧Vapに到達するまで充電される。
このとき、X電極XP1の電位は、演算増幅器300の負帰還作用により常にグランド電位に固定される。従って、充電電流は、積分容量301を経由して演算増幅器300の出力端子321に流れる。
この動作による積分回路320の出力端子321の電圧をVoとし、結合容量250の容量をCdvとし、積分容量301の容量をCrで表すと、Vo=−Vap(Cdv/Cr)と表され、X電極とY電極間の結合容量250の大きさCdvに依存する。
上記動作により積分回路320の出力電位Voが決定した後、出力電位Voをサンプルホールド回路330で保持する。サンプルホールド回路330では、まずサンプルスイッチ303をオン状態とし、次に所定時間経過後にオフ状態とすることで、ホールド容量302に出力電位Voを保持する。ホールド容量302に保持された電位Voは、電圧バッファ304を経由してアナログデジタル変換器306に入力し、デジタルデータに変換される。なお、サンプルホールド回路330の保持電圧を電圧バッファ304によりアナログデジタル変換器306に入力する構成としているが、電圧バッファ304は電圧増幅率を有する構成でもよい。
また、上記X電極XP1以外のX電極についても、それぞれに接続された信号読み出し部が、X電極XP1に接続された信号読み出し部310と同様の動作を行い、Y電極YP1からの入力信号による積分回路出力電位がX電極XP1と同時に読み出される。
各X電極XPに接続されている信号読み出し部310の出力は、メモリ部312に入力され、その出力データがメモリ部312に保持される。メモリ部312は、図1に示す演算制御部103との間で保持データの授受を行う。
Y電極YPには順次信号309が印加されており、次々と、Y電極YPに電圧を印加し、容量検出を行う。また、信号読み出し部310では容量検出に先立ってリセットスイッチ305を一旦オン状態とし、その後オフ状態となるように制御して各積分回路の積分容量301をリセットする。以降、同様の動作を繰り返す。
ここで、任意のY電極YPに信号309が印加されるタイミングが定められており、特定のY電極YPに特定の期間パルス状の信号が印加されることで、基準クロック等のカウントにより、X電極XPの出力はどのY電極YPからの出力信号であるかが判別可能となっている。
図28は、図26に示した容量検出部102の動作を示すタイミングチャートである。信号309−1から309−nは、信号入力部311−1から311−nの動作信号波形で、信号入力部311−1から311−nは、Y電極YP1からYPnに対して検出周期DTCの間に順次信号309を出力する。なお、以下信号309をパルス信号とも呼ぶ。
波形Icdvは、図26に示したXY電極間の結合容量250(Cdv)に流れる電流波形である。信号入力部311による信号入力でY電極YPの電位が立ち上がる際、過渡的に電流が流れる。また、Y電極YPの電位が立ち下がる際にも、過渡的に電流が流れる。
波形VINは、図26に示す積分回路320の出力波形、すなわち各パルス信号309に対応する、前述の積分回路320の出力端子321の電圧Voである。また波形SWRST-1は、図27に示すリセットスイッチ305の制御信号波形を表している。
リセットスイッチ制御信号SWRST-1が立ち上がると、積分回路320がリセットされ、波形VINが立ち下がり、信号読み出し部310は初期状態となる。その後、信号入力部311からパルス信号309が入力され再び積分回路320の出力波形VINが立ち上がる。以降この動作が繰り返される。尚、本例では波形VINの振幅が変化している例を示しているが、これは、信号を入力するY電極が変わる毎に検出される容量の大きさが変化していることを示している。つまり、タッチパネル400に検出対象の接触があった場合、この容量変化を反映する信号VINが接触点を示す様に局所的に変化することを示している。
波形SWSH−1は、図26に示すサンプルホールド回路330のサンプリングスイッチ303を制御する信号である。また波形SH−1はサンプルホールド回路330の出力信号を表している。信号SWSH−1が立ち上がっている時間帯では、サンプリングスイッチ303がオン状態となり、ホールド容量302にサンプルホールド回路330への入力電位、つまり積分回路320の出力電位(波形VIN)が印加され、信号SWSH−1が立ち下がると、サンプリングスイッチ303がオフ状態となり、ホールド容量302に印加電圧がホールドされる。波形SH−1に示すように、サンプリング動作毎にサンプルホールド回路330の出力が更新される。
波形AD−1は、図26に示すアナログデジタル変換器306を制御する信号、また波形ADout−1は該アナログデジタル変換器306の出力信号を表している。サンプルホールド回路の出力波形SH−1が更新されるたびに、所定時間差を設けて信号AD−1が発行される。信号AD−1が出力されるとアナログデジタル変換器306は、その入力電圧を所定の分解能のデジタルデータADout-1として出力する。
波形Mem−1は、図26に示すメモリ部312への書き込み制御信号を表している。信号ADout-1が更新されるたびに、所定時間差を設けて信号Mem−1が発行される。信号Mem−1が発行されると、デジタルデータADout−1がメモリ部312に書き込まれる。
以上、容量検出部102の動作に伴う信号波形変化を図26に示す信号読み出し部310に着目して説明したが、他のX電極に接続されている信号読み出し部(310−n)に関しても、同様の動作及び波形変化となる。
図29は、図26に示したメモリ部312に格納される検出値を取り込むタイミングにより区別し、XY電極によって決まる座標に対応させて示したものである。ここで四角は横軸と縦軸に示した各電極同士が交差する位置を示している。またこれら四角内の数値は、検出工程により得られた各交点の容量値を反映する値である。数値が大きいほど容量値が大きくなっていることを表しており、この数値の大小または閾値判定等により、タッチパネル400に対する検出対象の接触の有無が判定される。
図30は、上記図29の状態に対して閾値判定を行い、具体的には数値が100を超えている場合を接触有りと判定した。その判定結果をグルーピング処理によりグループ毎に共通の番号を付与したものである。この処理の後、グループ毎に信号強度の分布を解析し、タッチパネル400に対する検出対象の接触座標に変換する。
ここでグルーピング処理は一般的に知られているラベリング処理等を想定するが、これに限定されるものではない。また、上記容量検出工程により図29の如く得られたデータからタッチパネル400に対する検出対象の接触座標を算出する手段は、ここに記載された方法に限られないことは明らかである。
次に、図31にタッチパネル400の概略平面図を示す。図31ではタッチパネル400を縦長に使用する場合を示している。前述したように、透明基板5には、X電極XPと、Y電極YPと、Z電極ZPとが設けられている。なお、図31ではZ電極ZPは点線で示している。
X電極XPとY電極YPとは、個別電極(パッド部)328が交互に並ぶように配置され、各個別電極328の間の細線部327において、X電極XPとY電極YPとは交差する。交差部でX電極XPとY電極YPとは絶縁膜を介して交差している。細線部327では電極の幅が狭くなっており、交差部で生じる容量が小さくなるようなっている。
なお、交差部で生じる容量が小さくなるように、交差部において細線部327が設けられて、電極の幅が狭くなっているが、同様な目的で、X電極XPは、中心部で電極幅が広く、交差部に近づくにつれて電極幅が狭くなる、いわゆるひし形の形状をしている。X電極XPに示すように、電極をひし形の形状とすると、交差部に近づくに従い電極幅を狭めることで、交差部近傍まで電極幅を広く形成可能な形状とするこができ、交差部で電極幅が狭まることにより生じる電極の抵抗値の増加を軽減することができる。図31では、X電極XPをひし形の電極としているが、X電極XPとY電極YPとをひし形の電極とするとより効果的である。
タッチパネル400の周辺部には配線6が設けられており、各電極に信号を供給している。配線6はタッチパネル400の一辺に形成された接続端子7に接続している。接続端子7には外部装置が電気的に接続される。接続端子7に並んで裏面接続パッド81が形成されている。
透明基板5の裏面にはノイズ低減の目的で、裏面透明導電膜が形成されており、裏面接続パッド81は裏面透明導電膜に電圧を供給するために形成されている。裏面接続パッド81は接続端子7に比較して面積が大きく形成されており、裏面透明導電膜との接続作業が容易に行なえるようになっている。符号82は裏面接続パッド81用の接続端子で、接続端子82から裏面接続パッド81までは配線84で接続されている。また、符号83はダミー端子である。
配線6はX電極XPの上下両端から信号が供給可能に形成され、Y電極YPの左右両端から信号を供給可能に形成されている。そのため、例えばY電極YPに信号を供給する配線6は、端子7が形成された端部から反対側の端部まで長い距離を引き回されるので、低抵抗な部材で形成されることが望ましい。
図32にフレキシブルプリント基板70をタッチパネル400に接続したものを示す。フレキシブルプリント基板70には駆動回路150が搭載されており、駆動回路150から出力する信号がフレキシブルプリント基板70を介してタッチパネル400に供給される。なお、駆動回路150には、図26に図示した回路が形成されている。
まず、駆動回路150から出力した信号は、フレキシブルプリント基板70上の配線73に供給される。配線73にはスルーホール78が形成されており、スルーホール78を介して裏面の交差配線77と配線73とは電気的に接続している。
交差配線77は多数の配線73と交差し、他端に形成されたスルーホール78を介して再度配線73に接続される。交差配線77と配線73とはなるべく重なる面積小さくなるように直交している。なお、配線74は裏面接続パッド81に電圧を供給する配線で接地電位等が供給されている。
裏面接続パッド81には導電部材80が接続されており、導電部材80によって、裏面接続パッド81から裏面透明導電膜に電圧が供給される。また、配線74を介してシールドパターン75に接地電位を供給することも可能である。
次に、本実施例のタッチパネルの製造方法を図33から図47を用いて説明する。図31のB-B'線に沿った各プロセス段階の断面概略を図33から図38までに示す。同様に図31のC−C’線に沿った各プロセス段階の断面概略を図39から図44までに示す。
まず、図33と図39を用い第1の工程を説明する。図33と図39に示す工程では、ガラス基板などの透明基板5上に第1のITO膜14(Indium Tin Oxide)を約15nmの厚さで成膜した後、銀合金膜15を約200nm成膜する。ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し、銀合金膜15をパターニングする。次にレジストを剥離除去し、ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し第1のITO膜14をパターニングする。その後、レジストを剥離除去して図33と図39に示すようにパターンニングされたITO膜14と銀合金膜15のパターンを形成する。銀合金膜15のパターンは不透明であることから、視認されることを避けるために、後で重ねる表示パネルの表示領域に掛かる部分からは除去し、銀合金膜15では周辺配線6の配線パターンのみを形成する。
なお、第1のITO膜14でXY電極基板405の電極を形成することが可能で、例えば図2で説明した、X電極XPを第1のITO膜14を用いて形成することができる。
次に、図34と図40を用い第2の工程を説明する。第1のITO膜14と銀合金膜15のパターンを形成した基板上に第1の絶縁膜16を塗布しホトリソグラフィ技術でパターニング加工する。第1の絶縁膜16はSiOを主成分とする膜を1μm以上塗布するのが望ましい。図40に示すように、周辺部にはコンタクトホール17を設ける。また、外部回路との接続に使用する接続端子7では第1の絶縁膜パターン16を除去する。
次に図35と図41を用いて第3の工程を説明する。第2のITO膜18を約30nm成膜し、ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し第2のITO膜18をパターニングする。その後レジストを剥離除去して、図35と図41に示すように、第2のITO膜18を形成する。第2のITO膜18でXY電極基板405の電極を形成することが可能で、例えば図2で説明した、Y電極YPを第2のITO膜18を用いて形成することができる。
次に、図36と図42を用いて第4の工程を説明する。第2の工程で用いた絶縁膜と同じ膜を第2の絶縁膜19として再度基板上に塗布する。ホトリソグラフィ工程で第2の絶縁膜19のパターンを形成する。
次に、図37と図43を用いて第5の工程を説明する。第2の絶縁膜19の上に、ホトリソグラフィ工程でスペーサ800を形成する。その後、スクリーン印刷によりシール材810を周辺部に形成する。以上でXY電極基板405の準備ができ上がる。
次に、図38と図44に示すように、別に製造してあるZ電極基板412をXY電極基板405と重ね合わせ、シール材810で固着する。その後、基板5の裏面に透明導電膜603としてITO膜を形成する。この時、基板5の前面および周辺部を保護するマスクを形成する。裏面にITOを成膜する際には、基板の縁を回りこみITOが前面側にも付着する恐れがある。そのため、マスクによって基板5前面の周辺部を保護する必要がある。以上の工程をもってタッチパネル400が形成される。
次に図45を用いてX電極XPとY電極YPの変形例について説明する。図45に示すタッチパネル400では、X電極XPとY電極YPの総面積を同等にするため、浮遊電極4が形成されている。X電極XPとY電極YPの面積に差があると、ノイズ強度がX電極XPとY電極YPとで異なることが問題となる。そこで、個別電極328の数が多いY電極YPの電極を小さくすると、X電極XPとY電極YPの間隔8が広がってしまう。
前述したようにY電極YPとX電極XPとはITO膜(透明導電膜)によって形成されるが、この間隔部8には、絶縁膜と透明基板とが形成されて、透明導電膜が無い領域となる。透過率、反射率及び反射光の色度に関し、透明導電膜がある部分と無い部分とで差が生じるために、間隔部8が肉眼で見えてしまい、表示する画像の品質を下げる。
我々の検討では、間隔部8が30μmの場合は間隔は薄く見え、20μmではほぼ見えなくなった。また10μmでは見えない結果となった。間隔部8を狭くしていくと、浮遊電極4を介し隣接するY電極YPとX電極XPとの間の容量が増大する。また、間隔部8を狭くすることにより、工程中の異物付着などに起因するパターン形成異常からY電極YPまたはX電極XPと浮遊電極4がショートする不良が増加する。
Y電極YPの個別電極328と隣接する浮遊電極4がショートすると、該当するY電極1ライン分の対地容量が増加しノイズが増え、検出感度が低下する不具合が生じる。ショートした際に、増加する容量を低減するため、図45のように浮遊電極4は4分割とした。より細かく細分化した場合はショート不良の懸念が低下するが、該当領域に透明導電膜の無い領域が増えるため、隣接する電極との透過率、反射率および色度の差が生じ増加する懸念がある。そのため、前述のとおり浮遊電極4は4分割とし、相互の電極間隔は30μmより狭く20μm程度とした。
図45に示すタッチパネル400では、細線部327から成る交差部において別層交差部326が設けられている。図45に示すタッチパネル400では、X電極XPとY電極YPとが同層に形成され、交差部では、X電極XPとY電極YPとは別層に別層交差部326を形成して交差するようにしている。
なお、図45ではX電極XPとY電極YPとの形状をひし形として、交差部に向けて電極幅が狭まる構造とすることで、交差部の近傍まで、細線部327よりもわずかでも広い電極幅を形成可能としている。
以下図46から図51を用いて、図45に示すタッチパネル400の製造方法を示す。
なお、図46から図51は図45のD−D’線での断面図を示しているが、図が複雑になることを避けてX電極XPが3個の場合を示している。
まず、図46を用い第1の工程を説明する。図46に示す工程では、ガラス基板などの透明基板5上に第1のITO膜14(Indium Tin Oxide)を約15nmの厚さで成膜した後、銀合金膜15を約200nm成膜する。ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し、銀合金膜15をパターニングする。
次にレジストを剥離除去し、ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し第1のITO膜14をパターニングする。その後、レジストを剥離除去して図46に示すようにパターンニングされたITO膜14と銀合金膜15のパターンを形成する。なお、図46に示す第1のITO膜14は別層交差部326を形成している。
次に、図47を用い第2の工程を説明する。第1のITO膜14と銀合金膜15のパターンを形成した基板上に第1の絶縁膜16を塗布しホトリソグラフィ技術でパターニング加工する。第1の絶縁膜16はSiOを主成分とする膜を1μm以上塗布するのが望ましい。
次に図48を用いて第3の工程を説明する。第2のITO膜18を約30nm成膜し、ホトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成し第2のITO膜18をパターニングする。その後レジストを剥離除去して、図48に示すように、第2のITO膜18を形成する。第2のITO膜18ではX電極XPとY電極YPとが同層で形成される。
次に、図49を用いて第4の工程を説明する。第2の工程で用いた絶縁膜と同じ膜を第2の絶縁膜19として再度基板上に塗布する。ホトリソグラフィ工程で第2の絶縁膜19にパターンを形成する。
次に、図50を用いて第5の工程を説明する。第2の絶縁膜19の上に、ホトリソグラフィ工程でスペーサ800を形成する。その後、スクリーン印刷によりシール材810を周辺部に形成する。以上でXY電極基板405の準備ができ上がる。
次に図51に示すように別に製造してあるZ電極基板412をXY電極基板405と重ね合わせ、シール材810で固着する。その後、基板5の裏面に透明導電膜603としてITO膜を形成する。この時、基板5の前面および周辺部を保護するマスクを形成する。裏面にITOを成膜する際には、基板の縁を回りこみITOが前面側にも付着する恐れがある。そのため、マスクによって基板5前面の周辺部を保護する必要がある。以上の工程をもってタッチパネル400が形成される。
図52に第1のITO膜でX電極XPとY電極YPとを同層で形成し、第2のITO膜で別層交差部326を形成した概略断面図を示す。なお、別層交差部326を設ける構成は、図32に示したタッチパネル400にも適用可能で、交差部において一方の電極を別層交差部326で形成することで実現可能である。
図53に、タッチパネル付き表示装置600の一例として液晶表示パネル100にタッチパネル400を取り付けた場合の概略平面図を示す。図53のA−A’切断線に沿った概略断面図を図54に示す。なお、表示パネルとしては、タッチパネルを用いることができるものであれば良く、液晶表示パネルに限らず、有機発光ダイオード素子や表面伝導型電子放出素子を用いることも可能である。
本実施例の表示装置600は、図53および図54に示すように、液晶表示パネル100と、液晶表示パネル100の観察者側の面上に配置された静電容量方式のタッチパネル400と、液晶表示パネル100の観察者側とは反対側の面下に配置されたバックライト700とを備えている。液晶表示パネル100としては、例えばIPS方式、TN方式、VA方式等の液晶表示パネルが用いられている。
液晶表示パネル100は対向して配置された2枚の基板620と630とが貼り合わされて形成されており、2枚の基板の外側には偏光板601、602が設けられている。
また、液晶表示パネル100とタッチパネル400とは樹脂・粘着フィルム等からなる第1の接着材501により接合されている。さらに、タッチパネル400の外側にはアクリル樹脂からなる前面保護板(フロントウインドウ、前面パネルとも呼ぶ)12−1が樹脂・粘着フィルム等からなる第2の接着材502により貼り合わされている。なお、前面保護版12−1は図3に示した第2の透明基板12に相当する。
タッチパネル400の液晶表示パネル側には、透明導電層603が設けられている。この透明導電層603は液晶表示パネル100で発生する信号をシールドする目的で形成されている。
液晶表示パネル100には多数の電極が設けられており、様々なタイミングで電極上に電圧が信号として印加されている。これらの液晶表示パネル100での電圧の変化は静電容量方式のタッチパネル400に設けられた電極に対してはノイズとなる。
そのため、タッチパネル400を液晶表示パネル100から電気的にシールドする必要があり透明導電層603がシールド電極として設けられている。シールド電極として機能するように、透明導電層603には定電圧がフレキシブルプリント基板70等から供給されており、例えば接地電位とされている。
フレキシブルプリント基板70は、タッチパネル400の電極が形成される面(以下前面と呼ぶ)に形成された接続端子7(図示せず)に接続されるが、透明導電層603が設けられる面(以下裏面と呼ぶ)に接地電位等の電圧を供給するために導電部材80が設けられている。
なお、透明導電層603はノイズの影響を抑えるために、タッチパネル400に設けられた電極と同程度のシート抵抗値である1.5×102〜1.0×103Ω/□であることが望ましい。透明導電層603の抵抗値は、結晶粒の大きさに関係することが解っているが、透明導電層603を形成する際の熱処理温度を200℃以上とすることで、結晶化を進めてシート抵抗値を1.5×102〜1.0×103Ω/□とすることが可能である。
また、さらに低抵抗な透明導電層603とすることも可能である。例えば熱処理温度を450℃として、透明導電層603の結晶化を十分に行うことで、シート抵抗値を30〜40Ω/□とすることも可能である。シールド用の透明導電層603がタッチパネル400に設けられた電極に比較して同程度、または低抵抗であればノイズを抑える効果が向上する。
フレキシブルプリント基板70には駆動回路150が搭載されており、駆動回路150により入力位置の検出等が制御される。タッチパネル400の前面に設けられた電極と駆動回路150とは、フレキシブルプリント基板70を介して電気的に接続される。
また、裏面に設けられた透明導電層603にも接地電位等の任意の電圧がフレキシブルプリント基板70を介して供給される。
フレキシブルプリント基板70はタッチパネル400の前面に設けられる接続端子7と接続されるため、裏面に設けられた透明導電層603に接続端子7から配線を設けて電気的に接続する必要が生じる。そのため、接続端子7と並べて裏面接続パッド81を設け、裏面接続パッド81と裏面の透明導電層603を導電部材80で接続している。
図54では、スペーサ30を基板620とタッチパネル400との間に挿入している。液晶表示パネル100にタッチパネル400及びフロントウインドウ12−1を組み合わせたハイブリッド構造において、液晶表示パネル100の基板620のガラス強度が弱いという問題が生じる。
基板620では液晶駆動回路50を搭載する領域が他方の基板630より突出しており1枚板の形状となっている。この液晶駆動回路50の搭載領域で基板620が破損する不具合が生じる場合がある。
そのため、基板620とタッチパネル400との間にスペーサ30を挿入し強度を向上させている。なお、図54では前面保護板12−1の前面に保護シート510を設けており、ペン850により前面保護板12−1が傷つくことを防止している。
次に図55を用いて液晶表示パネル100について説明する。図55は、液晶表示パネル100の基本構成を示すブロック図である。なお、液晶表示パネル100を説明するために、タッチパネル400については省略して示している。前述したように、液晶表示装は、液晶表示パネル100と、液晶駆動回路50と、フレキシブル基板72と、バックライト700から構成される。液晶表示パネル100一辺には、液晶駆動回路50が設けられており、この液晶駆動回路50により液晶表示パネル100に各種信号が供給される。液晶駆動回路50には外部からの信号を供給するためにフレキシブルプリント基板72が電気的に接続されている。
液晶表示パネル100は、薄膜トランジスタ610、画素電極611、対向電極(コモン電極)615等が形成される基板620(以下、TFT基板とも呼ぶ)と、カラーフィルタ等が形成される基板630(以下、フィルタ基板とも呼ぶ)とを、所定の間隙を隔てて重ね合わせ、該両基板間の周縁部近傍に枠状に設けたシール材(図示せず)により、両基板を貼り合わせると共に、シール材の内側に液晶組成物を封入、封止し、さらに、両基板の外側に偏光板601、602(図2参照)を貼り付け、TFT基板620にフレキシブル基板72を接続して構成される。
なお、本実施の形態は対向電極615がTFT基板620に設けられる所謂横電界方式の液晶表示パネルにも、対向電極615がフィルタ基板630に設けられる所謂縦電界方式の液晶表示パネルにも同様に適用される。
図55においては、図中x方向に延在しy方向に並設される走査信号線(ゲート信号線とも呼ぶ)621と、y方向に延在しx方向に並設される映像信号線(ドレイン信号線とも呼ぶ)622とが設けられており、走査信号線621とドレイン信号線622とで囲まれる領域に画素部608が形成されている。
なお、液晶表示パネル100は多数の画素部608をマトリクス状に備えているが、図を解り易くするため、図55では画素部608を1つだけ示している。マトリクス状に配置された画素部608は表示領域609を形成し、各画素部608が表示画像の画素の役割をはたし、表示領域609に画像を表示する。
各画素部608の薄膜トランジスタ610は、ソースが画素電極611に接続され、ドレインが映像信号線622に接続され、ゲートが走査信号線621に接続される。この薄膜トランジスタ610は、画素電極611に表示電圧(階調電圧)を供給するためのスイッチとして機能する。
なお、ソース、ドレインの呼び方は、バイアスの関係で逆になることもあるが、ここでは、映像信号線622に接続される方をドレインと称する。また、画素電極611と対向電極615とは容量(液晶容量)を形成している。
液晶駆動回路50は、TFT基板620を構成する透明な絶縁基板(ガラス基板、樹脂基板等)に配置される。液晶駆動回路50は走査信号線621と映像信号線622と対向電極信号線625に接続している。
TFT基板620には、フレキシブルプリント基板72が接続されている。また、フレキシブルプリント基板72にはコネクタ640が設けられている。コネクタ640は外部信号線と接続され外部からの信号が入力する。コネクタ640と液晶駆動回路50の間には配線631が設けられており、外部からの信号は液晶駆動回路50に入力する。
また、フレキシブルプリント基板72はバックライト700に定電圧を供給している。バックライト700は液晶表示パネル100の光源として使用される。なお、バックライト700は液晶表示パネル100の裏面または前面に設けられるが、図55では図を簡潔にするため、液晶表示パネル100と並べて表示している。
また、液晶駆動回路50は画素が表示すべき階調に対応する階調電圧を映像信号線622に出力する。薄膜トランジスタ610がオン状態(導通)になると、映像信号線622から階調電圧(映像信号)が画素電極611に供給される。その後、薄膜トランジスタ610がオフ状態となることで画素が表示すべき映像に基づく階調電圧が画素電極611に保持される。
対向電極615には一定の対向電極電圧が印加されており、液晶表示パネル100は画素電極611と対向電極615との間の電位差により、間に挟まれた液晶分子の配向方向を変化させ、光の透過率または反射率を変化させることで画像を表示する。
前述したように、これら液晶表示パネル100を駆動するための信号の変化が、タッチパネル400にはノイズとして検出される。よって、その対策が必要である。特にタッチパネル400は液晶表示パネル100に表示される画像を基に利用者に入力を促す性質を有しており、液晶表示パネル100等の表示装置に重ねて設けられる必要があり、近接して重ねられる表示装置の発生するノイズの影響を強く受けることとなる。
次に、図56を用いてフロントウインドウ12−1について説明する。図56は、フロントウインドウ12−1をタッチパネル400側から見た概略斜視図である。フロントウインドウ12−1には凹部612が形成されタッチパネル400が収納可能となっている。また、周辺部614は凹部612よりも厚く形成されており、周辺部614では十分な強度を確保している。また、周辺部614の一部に溝613を形成して、フレキシブルプリント基板70が凹部612から外部に向け延在可能となっている。
この前面パネル12−1に設けた凹部612は、フロントウインドウ12−1を削ることで形成可能である。また、筺体等に固定するフロントウインドウ12−1の周辺部614の厚みは厚い方が装置落下等の強度に強く、アクリルの場合0.7mm〜1.0mm、ガラスの場合0.5mm〜1.0mmが望ましい。
しかし、タッチパネル400にとっては操作面の上につけるものが厚いと指で操作する時の感度が落ちるため薄くするのが望ましく、凹部612の厚さは、アクリルの場合は0.5mm以下、ガラスの場合0.8mm以下が望ましい。
次に、図57と図58とに透明導電層603と裏面接続パッド81とを接続する様子を示す。図57はタッチパネル400の概略平面図で、図58はその概略側面図である。図57では透明導電層603と裏面接続パッド81の接続を説明するため簡略化して示している。タッチパネル400にはガラス基板5の前面に入力領域3が形成されている。
また、前面には裏面用接続端子82が形成され、裏面用接続端子82は図示しないフレキシブルプリント基板70に接続される。裏面用接続端子82から裏面接続パッド81の間は、配線84を介して接続される。なお、配線84は裏面用接続端子82と裏面接続パッド81と一体に形成されている。
裏面接続パッド81と透明導電層603とは、導電部材80として導電性テープ(以下、導電性テープも符号80で示す)を介して接続される。導電性テープ80は樹脂性の基材に銅箔で配線が形成されており、銅箔の片面に粒径4μmの導電ビーズを含む異方性導電膜が貼られている。導電性テープ80は一端が裏面接続パッド81と、他端が透明導電層603に貼り付けられる。貼り付け後ピンセット型の熱圧着治具で導電性テープ80は加熱圧着される。図57では、タッチパネル400の接続端子7を設けた側の辺の左右2箇所で導電性テープ80を接続している。
フレキシブルプリント基板より安価な導電性テープ80を用い、一般工具であるピンセット型の熱圧着治具で加熱圧着することによりコスト低減できる。また、ピンセット型の熱圧着治具による作業では、裏面圧着に際しタッチパネル400をひっくり返す必要が無く、タッチパネル400の電極面を傷つけたり、汚したりする可能性を少なくできる。
図59にタッチパネル400の接続端子7を設けた側の反対側辺にも裏面接続パッド81−2を設け、ガラス基板5の上を配線パターン84で接続する。透明導電膜は、一般的な金属よりも比抵抗が高い。そのため、図59では基板の4角部もしくは接続端子7を設ける辺と反対側にさらに裏面接続パッド81−2を追加することにより、裏面の透明導電層603の電位を均一化することができる。
図59では、接続端子7を設けた側の辺の角部の裏面接続パッド81−1に対する裏面用接続端子82−1と、接続端子7を設けた側の反対側辺の裏面接続パッド81−2に対する裏面用接続端子82−2とは分けて記載しているが、ガラス上の配線パターン84で接続していても同様の効果が得られる。なお、配線パターン84は透明導電膜と金属膜の多層で形成し、透明導電膜の一層の場合よりも配線抵抗を下げている。
次に、図60にタッチパネル400を、メタルフレーム750を用いた表示装置と積層配置し、前面パネル12−1をモールドフレーム755に接着固定する様子を示す。タッチパネル400の裏面に設けられた透明導電層603と、メタルフレームを導電性樹脂、もしくは導電ビーズを用いた異方性導電テープ760で接続する。タッチパネル400裏面の透明導電層603への電圧信号印加は、表示装置のメタルフレーム750を介して行う。このため、タッチパネルの表と裏を接続する専用のパターン、部材を用いることなく、透明導電層603へ電圧印加できる。なお、メタルフレーム750ではなく、表示装置基板上の接続パッド、もしくは表示装置側のフレキシブルプリント基板上のパターンと導電性樹脂等で接続しても同様の効果が得られる。
符号780は液晶表示パネル側に形成した透明導電層で、導電性樹脂770等でメタルフレーム750に接続されている。タッチパネル400の裏面に透明導電層603を設けさらに液晶表示パネル側にも透明導電層780を設けることでシールド効果が向上する。
メタルフレーム750の外周を取り囲むようにモールドフレーム755が設けられ、モールドフレーム755に前面パネル12−1の周辺部614が両面テープ等の接着材756で固定される。周辺部614は凹部612に比較して厚く形成されており、固定する点では強度が保たれる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、非導電性の入力手段によりタッチパネル上へ接触した場合でも、容量検出用のX電極XPやY電極YPと、その上部のZ電極ZPとの距離が変化することで容量変化を発生できるため、静電容量結合方式として入力座標を検出することが出来る。これにより、導電性の低い樹脂製スタイラスへも対応可能となる。
また、隣接するX電極間の入力位置は、隣接する2つのX電極から得られる容量変化の信号比により算出できるように電極形状を工夫することでX電極本数を削減し、またY電極はZ電極の配置を工夫することで削減することができる。これにより、検出用電極から入力処理部までの引き回し配線で必要な額縁幅を狭くすることができ、デザイン性の尤度が向上する。また、入力処理部の端子数増加を抑制することが出来るため、安価に高精度な入力位置検出ができる静電容量結合方式タッチパネルを実現することが出来る。また、接触面の小さい入力手段、例えばスタイラスなどでも精度良く入力座標の検出が出来ることから、文字入力などのアプリケーションへ適用も可能となる。
また、X電極XPまたはY電極YPのいずれか一方に、順次パルス信号を印加して、あらかじめどの電極からの信号であるかを識別することで、2点を接触した場合でも精度良く検出することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
3 入力領域
4 浮遊電極
5 第1の透明基板
6,73,74,84,631 配線
7 接続端子
8 間隔部
12 第2の透明基板
12−1 前面保護板(フロントウインドウ、あるいは前面パネル)
14,18 ITO(Indium Tin Oxide)膜
15 銀合金膜
16 第1の絶縁膜
17 コンタクトホール
19 第2の絶縁膜
20 弾性導電膜
30,800 スペーサ
50 液晶駆動回路
70,72 フレキシブルプリント基板
75 シールドパターン
77 交差配線
78 スルーホール
80 導電部材、または導電性テープ
81,81−1,81−2 裏面接続パッド
82,82−1,82−2 裏面接続パッド用の接続端子
83 ダミー端子
100 液晶表示パネル
102 容量検出部
103 制御演算部
104 システム制御部
105 表示制御回路
113 支持層
114 透明弾性層
120 検知用絶縁層
150 駆動回路
201 検出用配線
202 検出制御信号
203 容量検出信号
204 I/F信号
205 表示制御信号
206 表示信号
250 結合容量
300 演算増幅器
301 積分容量
302 ホールド容量
303 サンプルスイッチ
304 電圧バッファ
305 リセットスイッチ
306 アナログデジタル変換器
307,308 スイッチ
309 信号
310 信号読み出し部
311 信号入力部
312 メモリ部
320 積分回路
321 出力端子
326 別層交差部
327 細線部
328,328X,328Y 個別電極(パッド部)
330 サンプルホールド回路
400 タッチパネル
405 XY電極基板
412 Z電極基板
501 第1の接着材
502 第2の接着材
510 保護シート
600 表示装置
601,602 偏光板
603 透明導電層
608 画素部
609 表示領域
610 薄膜トランジスタ
611 画素電極
612 凹部
613 溝
614 周辺部
615 対向電極(コモン電極)
621 走査信号線(ゲート信号線とも呼ぶ)
622 映像信号線(ドレイン信号線とも呼ぶ)
620,630 基板
640 コネクタ
700 バックライト
750 メタルフレーム
755 モールドフレーム
760 異方性導電テープ
770 導電性樹脂
780 透明導電層
756 両面テープ等の接着材
802 粒状のスペーサ
810 シール材
820 スクリーン版
824 スキージ
826 版枠
850 非導電性のペン
860 指
870 ローラ
XP 容量検出用のX電極
YP 容量検出用のY電極
ZP Z電極
Cf 静電容量
CT1,CT2,CT3 線
Cxz,Cxza X電極とZ電極との間の容量成分
Cyz,Cyza Y電極とZ電極との間の容量成分
DT1,DT2,DT3 検出強度
Vap 印加電圧
Vo 出力電圧
Vref 基準電位
XA,XB,XC 検出用面積

Claims (14)

  1. 静電容量タッチパネルを備える表示装置において、
    前記静電容量タッチパネルは、複数のX電極と、複数のY電極と、Z電極を備え、
    前記X電極と前記Y電極は、第1の絶縁層を介して交差部で交差しており、それぞれ、延在方向にパッド部と細線部とが交互に並ぶようにして形成され、平面的に観た場合に、前記X電極のパッド部と前記Y電極のパッド部は重畳することなく配置され、
    前記Z電極は、平面的に観た場合に、隣接する前記X電極と前記Y電極の両方に重畳するように、第2の絶縁層を介して形成されており、
    前記Z電極は、電気的にフローティングであり、
    前記X電極またはY電極の一方の電極に順次パルス信号を印加し、他方の電極から信号の変化を検出し、
    前記Z電極は弾性導電材料で形成され、
    前記交差部は前記X電極またはY電極と異なる層で形成されることを特徴とする表示装置。
  2. 前記第2の絶縁層は、押圧により厚さが変化することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第2の絶縁層の厚さはスペーサで保持されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記X電極のパッド部は、該X電極と隣接するX電極の細線部付近まで延在し、
    平面的に観た場合に、該X電極のパッド部における形状は、前記隣接する一方のX電極の細線部付近で面積が最小となり、該X電極の細線部付近で面積が最大となり、
    該X電極の細線部付近から前記隣接する他方のX電極の細線部付近へかけて、該パッド部の面積が減少することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記X電極のパッド部は、該X電極と隣接するX電極の細線部付近まで延在し、
    前記X電極のパッド部の形状は、平面的に観た場合に、前記隣接する両方のX電極の細線部付近で電極幅が最小となり、X電極の細線部付近で電極幅が最大となり、
    前記Y電極のパッド部の形状は、平面的に見た場合に、前記X電極が延在する方向の幅が、前記Y電極の延在する方向に対して一定であり、
    前記X電極のパッド部と前記Y電極のパッド部は、平面的に見た場合に、前記X電極が延在する方向に交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  6. 隣接する2本の前記X電極のパッド部において、パッド部の形状は隣接するX電極に向かって凸型形状であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  7. 隣接する3本の前記X電極のパッド部において、該パッド部の形状は隣接する一方のX電極に向かって凸型形状で、他方のX電極に向かって凹型形状あることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記Z電極は、弾性絶縁膜と積層されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記Z電極は、支持層に積層されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  10. 表示領域上におけるタッチ位置座標を静電容量方式にて検出する静電容量タッチパネルを備える表示装置において、
    前記静電容量タッチパネルは、複数のX電極と複数のY電極、およびZ電極を備え、
    前記X電極と前記Y電極は、交差部で第1の絶縁層を介して交差されており、それぞれ、その延在方向にパッド部と細線部とが交互に並ぶようにして形成され、平面的に観た場合に、前記X電極のパッド部と前記Y電極のパッド部は重畳することなく配置され、
    前記Z電極は、平面的に観た場合に、前記複数のX電極と前記複数のY電極の両方に重畳するように、第2の絶縁層を介して形成されており、
    前記Z電極は、電気的にフローティングであり、
    前記X電極またはY電極の一方の電極に順次パルス信号を印加し、他方の電極から信号の変化を検出し、
    前記Z電極は弾性導電材料で形成され、
    前記交差部は前記X電極またはY電極と異なる層で形成されることを特徴とする表示装置。
  11. 前記Z電極は、弾性絶縁膜と積層されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
  12. 前記Z電極は、ベタ電極であることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
  13. 表示領域上におけるタッチ位置座標を静電容量結合方式にて検出する静電容量タッチパネルを備える表示装置において、
    前記静電容量タッチパネルは、複数のX電極と、複数のY電極と、Z電極を備え、
    前記X電極と前記Y電極は、交差部で第1の絶縁層を介して交差されており、それぞれ、その延在方向に個別電極と交差部とが交互に並ぶようにして形成され、平面的に観た場合に、前記X電極の個別電極と前記Y電極の個別電極は重畳することなく配置され、
    前記Z電極は、平面的に観た場合に、前記X電極と前記Y電極の両方に重畳するように、第2の絶縁層を介して形成されており、
    前記Z電極は、電気的にフローティングであり、
    前記第2の絶縁層は、圧力により体積が変化する気体で形成され、
    前記X電極またはY電極の一方の電極に順次パルス信号を印加し、他方の電極から信号の変化を検出し、
    前記Z電極は弾性材料で形成され、
    前記交差部は前記X電極またはY電極と異なる層で形成されることを特徴とする表示装置。
  14. 前記第2の絶縁層は、空気であることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
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