JP5293912B2 - 樹脂製フィルム - Google Patents

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本発明は、可塑剤のブリードも無く外観に優れ、且つ機械強度に優れる柔軟な樹脂製フィルム、好ましくは更に生分解性、易焼却性といった好ましい性質を有する樹脂製フィルムに関するものである。
近年、ポリ乳酸系や脂肪族ポリエステル系樹脂などのいわゆる生分解性樹脂と言われる樹脂が注目されている。これらの樹脂は、土中又は微生物環境下において微生物分解性を有する点や、一部樹脂は植物由来の原料を利用できる点で利点を有するが、一方で、従来の汎用樹脂、例えばポリエチレン系樹脂や塩化ビニル系樹脂などと比べると、圧倒的に柔軟性のレベルが低く、これらの汎用樹脂の代替としては殆ど利用されておらず極めて限定的な用途製品にしか適用されていないのが現状である。
これら生分解性樹脂としては、大きく分類して、ポリ乳酸系、ポリブチレンサクシネート等のサクシネート系、ポリカプロラクトン系、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系、等の樹脂種が知られている。しかし各々の樹脂の物性(透明性や樹脂の硬さ、添加剤との相性など)は大きく違う。
中でも生分解性樹脂の一つであるポリ乳酸は、近年大量にかつ安価に製造されるようになってきたため、その利用拡大が期待されている。しかし、ポリ乳酸は、樹脂そのものの性質が硬質のポリスチレン樹脂に類似した性質を有するなど柔軟性や耐衝撃性に劣るため、ポリ乳酸を対象として柔軟化を目的とした可塑剤も提案されているが、可塑剤を添加しても柔軟性のレベルは低く、柔軟性を要求されるフィルムや包装材料には適しているとは言い難い。
一方、サクシネート系、ポリカプロラクトン系、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系などは比較的柔軟性を有する樹脂としてゴミ袋、食品などの包装材料、などに使用されているが、いまだ汎用のポリエチレン系樹脂や塩化ビニル系樹脂などに要求されている柔軟性のレベルには到達しておらず、更なる柔軟性が求められている。
たとえば脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと脂肪族ポリエステル系樹脂およびポリカプロラクトン系樹脂からなる3成分系樹脂に可塑剤を添加した組成物をフィルム化した生分解性フィルムに関する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、可塑剤の添加量が20重量%を超えると可塑剤がブリードアウトするため充分な柔軟性の付与にはいたっていない。
また、ポリ乳酸と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂に可塑剤と無機質充填剤を配合した組成物からなるフィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしこの公知文献記載の可塑剤では可塑剤の添加量が限られ、十分な柔軟性を備えたフィルムが得られていないのが実情である。
更に、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂と、芳香族カルボン酸に由来する構造単位及び脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤とを含有する柔軟性の高い樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、該樹脂と該可塑剤との組み合わせだけでは引張破壊強さに代表される機械物性が若干不十分であった。
特開2003−201351号公報 特開2002−327107号公報 特開2005−239978号公報
本発明者等は、従来の汎用樹脂、例えばポリエチレン系樹脂や塩化ビニル系樹脂を用いた場合に近い柔軟性と機械強度を有する生分解性樹脂製のフィルムを得るため、鋭意検討した結果、特定の樹脂種と可塑剤とを組み合わせて用いることにより、柔軟性が高くかつ機械物性が向上した樹脂製フィルムが得られることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明の要旨は(1)(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂、(B)ポリ乳酸系樹脂、(C)脂肪族ポリエステル系樹脂、及び(A)+(B)+(C)の合計量100重量部に対して10〜150重量部の(D)芳香族カルボン酸に由来する構造単位及び脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤を含有する樹脂製フィルムに存する。
更に好ましくは、(2)上記の(A)、(B)及び(C)の含有量が、(A)1〜40重量%、(B)40〜70重量%、(C)1〜40重量%である(1)に記載の樹脂製フィルム、(3)上記の(D)芳香族カルボン酸に由来する構造単位と脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤が、安息香酸エステル、フタル酸アルキルベンジル及びフタル酸ジアルコキシアルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の可塑剤である(1)または(2)に記載の樹脂製フィルム、(4)フィルムの厚みが50〜500μmであり、かつ該フィルムの引張弾性率が50〜600Mpaである(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂製フィルムに存する。
本発明によれば、可塑剤のブリードも無く外観に優れ、且つ機械強度に優れる柔軟な樹脂製フィルム、更には生分解性、易焼却性といった好ましい性質も有する樹脂製フィルムが得られる。
以下本発明を詳細に説明するが、本発明はこの形態に限られるわけではない。
本発明の樹脂製フィルムは、樹脂成分として(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂と(B)ポリ乳酸系樹脂(C)脂肪族ポリエステル系樹脂とを必須とし、可塑剤成分として特殊な可塑剤(C)を必須とすることを特徴とする。
<(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂>
本発明において用いる(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂としては、例えば脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールとの共重合により得られるポリエステルが使用できる。脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及び脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、たとえば、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸などがあり、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などがあり、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが使用できる。
脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの好ましい組み合わせとしてはコハク酸/テレフタル酸/ブタンジオール、コハク酸/テレフタル酸/エチレングリコール、コハク酸/イソフタル酸/ブタンジオール、コハク酸/イソフタル酸/エチレングリコール、アジピン酸/テレフタル酸/ブタンジオール、アジピン酸/テレフタル酸/エチレングリコール、アジピン酸/イソフタル酸/ブタンジオール、アジピン酸/イソフタル酸/エチレングリコール等の組み合わせが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸/芳香族ジカルボン酸の共重合比率は、モル比で、通常1/0.02〜1/5程度、特に1/0.05〜1/2程度であることが好ましい。
このような脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂の具体例としては、BASF社製「ECOFLEX(エコフレックス)」、EASTMAN CHEMICAL社製「EASTAR BIO」、DuPONT社製「BIOMAXS」等が挙げられる。
<(B)ポリ乳酸系樹脂>
本発明において用いる(B)ポリ乳酸系樹脂としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはそれらの混合物、ラクチドなどのホモポリマー又はコポリマーなどが使用でき、これらの原料から直接脱水縮合またはラクチドの開環重合などによって製造することができるが、製法は特に限定されない。また、ポリ乳酸系樹脂の性質を損なわない程度に、乳酸以外の他のヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール、脂肪族多塩基酸等を共重合してもかまわない。
得られるポリ乳酸系樹脂としては、D−乳酸単位が10%以下でL−乳酸単位が90%以上、またはL−乳酸単位が10%以下でD−乳酸単位が90%以上で、光学純度が80%以上の結晶性ポリ乳酸と、D−乳酸単位が10%〜90%で、L−乳酸単位も10%〜90%で、光学純度が80%未満の非晶質ポリ乳酸とがあるが、本発明で用いるポリ乳酸系樹脂は、特に好ましくは非晶部を有するものであって、L−乳酸単位が20%以下、D−乳酸単位が80%以上又はその組成比が逆であるポリ乳酸を用いると好ましい。ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1万〜100万程度が好ましく、3万〜60万程度がより好ましい。
ポリ乳酸系樹脂の具体例としては、株式会社島津製作所製「LACTY」、三井化学株式会社製「レイシア」などが挙げられる。
<(C)脂肪族ポリエステル系樹脂>
本発明において用いる(C)脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを主成分として、その他脂肪族ヒドロキシカルボン酸等を種々組み合わせて合成されるポリエステルであって生分解性を有するものである。具体的には、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、等が挙げられる。また、テレフタル酸やカーボネート等を共縮合した変性脂肪族ポリエステルであってもよい。
具体例としては、昭和高分子株式会社製の「ビオノーレ」、三菱化学株式会社製の「GS Pla」等が挙げられる。
<(D)特定可塑剤>
本発明の樹脂フィルムでは、前記樹脂と組み合わせて、特定の可塑剤、即ち芳香族カルボン酸に由来する構造単位と脂肪族アルコールに由来する構造単位を必須とするエステル系可塑剤を用いることを特徴とする。
芳香族カルボン酸に由来する構造単位と脂肪族アルコールに由来する構造単位を必須とするエステル系可塑剤としては、特に好ましくは、安息香酸エステル(好ましくは安息香酸と脂肪族多価アルコールのエステル)、フタル酸と脂肪族アルコール及び芳香族アルコールとのエステル(好ましくはフタル酸アルキルベンジル)、及び、フタル酸と脂肪族アルコールとのエステル(好ましくはフタル酸ジアルコキシアルキル)、からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の可塑剤が挙げられる。この中でも特に、安息香酸と脂肪族二価アルコールとのエステルが好ましい。
本発明で用いる可塑剤の一種である安息香酸エステルとしては、安息香酸と脂肪族多価アルコールのエステル、中でも好適には二価アルコールの安息香酸エステルが挙げられる。二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチルー1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチルプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ベンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられ、その一種または二種以上の混合物を用いることができるが、特にジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコールが好ましい。
本発明で用いる可塑剤の一つであるフタル酸と脂肪族アルコール及び芳香族アルコールとのエステルは、好適にはフタル酸アルキルベンジルであり、フタル酸アルキルベンジルのアルキルを構成する一価アルコールとしては、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナール、n−デカノール、ウンデカノール、3−(ブチリルオキシ)−1−イソプロピル−2,2−ジメチルプロパノール、3−(ブチリルオキシ)−4−メチル−2,2−ジメチルペンタノールなどが挙げられ、その一種または二種以上の混合物を用いることができるが、特にn−ブタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、3−(ブチリルオキシ)−1−イソプロピル−2,2−ジメチルプロパノール、3−(ブチリルオキシ)−4−メチル−2,2−ジメチルペンタノールが好ましい。
本発明で用いる可塑剤の一種であるフタル酸と脂肪族アルコールとのエステルの中で、好適なフタル酸ジアルコキシアルキルは、一価アルコールのフタル酸エステルであり、一価アルコールとしては、例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、メトキシブタノール、エトキシブタノール、プロポキシブタノール、ブトキシブタノール、メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノール、プロポキシエトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエトキシエタノール、ブトキシエトキシエトキシエタノール、エトキシブトキシブトキシブタノール、ブトキシブトキシブトキシブタノールなどが挙げられ、その一種または二種以上の混合物を用いることができるが、特にブトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、ブトキシエトキシエトキシエタノールが好ましい。
このような芳香族カルボン酸に由来する構造単位と脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤としては、具体的には、ジェイ・プラス社製「JP120」、「OBzP」、「D180」、「DBMP」、フェロー社「BBP」などがある。
これらの可塑剤は、可塑剤自体としても生分解性能を有するものが多く、好ましい。
<樹脂製フィルム>
本発明の樹脂製フィルムは、(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂、(B)ポリ乳酸系樹脂及び(C)脂肪族ポリエステル系樹脂を含有し、かつ前記(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、(D)芳香族カルボン酸に由来する構造単位及び脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤を、10重量部〜150重量部含有することを特徴とする。特に好ましい実施態様としては、該可塑剤を10重量部〜140重量部含有すること、好ましくは15重量部以上130重量部以下含有することが挙げられる。可塑剤の添加量が少ないと可塑化効果が不十分となり柔軟性を付与できない。逆に多い場合には可塑剤のブリードアウトの原因となる。なお、前記(A)、(B)及び(C)の合計量は樹脂フィルム中45〜90重量%であるのが好ましい。
本発明の樹脂製フィルムにおいて、(A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂と(B)ポリ乳酸系樹脂と(C)脂肪族ポリエステル系樹脂の含有量が、(A)1〜40重量%、(B)40〜70重量%、(C)1〜40重量%、であると得られる樹脂製フィルムの柔軟性の面で好ましい。
<製造方法>
本願発明の樹脂製フィルムの好ましい製造方法は、下記の通りである。すなわち、まず上記の(A)〜(D)成分を溶融混練する。混練温度は、好ましくは120〜180℃である。混練方法としては、慣用の方法であれば使用でき、例えば、1軸または2軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー等が用いられる。この工程により、各成分が均一に分散された組成物を得ることができる。次に前記工程で得られた組成物をカレンダー成形機等によりフィルムに成形することにより本発明のフィルムが得られる。カレンダー成形におけるロール配列方式は、例えば、L型、逆L型、Z型などの公知の方式を採用でき、また、ロール温度は通常100〜180℃、好ましくは120〜160℃の温度範囲に設定される。
<樹脂製フィルムの物性>
上記のようにして得られる本発明の樹脂製フィルムは、特に好ましくは下記の特定範囲の物性を有するものである。
柔軟性の指標のひとつである引張弾性率が50〜600MPa。引張破壊強さが5MPa以上、好ましくは10MPa以上。
引張破壊伸びが200〜1000%、好ましくは300〜950%。
なお、本願発明でいう引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸びは、JIS K 7127に従い、フィルムから採取した試験片(5号ダンベル)を23℃、60%RHの雰囲気下、引張試験機にて、50mm/分(引張弾性率)、300mm/分(引張破壊強さ、引張破壊伸び)で引っ張り、測定する。
本発明の樹脂製フィルムには、必要に応じて、生分解性樹脂製フィルムに通常添加されるその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。このような成分として、例えば改質剤、結晶核剤、香料、抗菌剤、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化剤、アンチブロッキング剤、難燃剤等が挙げられる。難燃剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対し、50〜150重量部であるのが好ましい。
更に、本発明の特定の樹脂以外の樹脂成分、本発明の特定の可塑剤以外の可塑剤成分を本発明の効果を損なわない範囲で添加することも可能である。
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
下記(1)記載の樹脂及び可塑剤を用いて、表−1に示す配合組成比で、下記(2)に示す方法により樹脂製フィルムを作成し、(3)に示す方法により評価を行った。
(1)配合組成
樹脂A:脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂(BASF社製 商品名「エコフレックス」)
樹脂B:非結晶性ポリ乳酸系樹脂 (三井化学社製 商品名「レイシア H280」)
樹脂C:ポリブチレンサクシネート系樹脂 (三菱化学社製 商品名「GS−Pla AZ81T」
可塑剤D1:安息香酸エステル系可塑剤 (ジェイ・プラス社製 商品名「JP120」)
可塑剤D2:フタル酸アルキルベンジル系可塑剤 (ジェイ・プラス社製 商品名「D180」)
(2)組成物及び試験片の作成
表−1(実施例1〜2、比較例1〜2)に示す配合組成(単位は重量部)の樹脂組成物をバンバリーミキサーで溶融混練りし、2本型のカレンダーロールを使用して、ロール温度140℃にてカレンダー成形を行い0.1mm厚さのフィルムを得た。
(3)評価
下記1、2及び3の試験を行い、4の総合評価を行った。その結果を表−1に示す。

1.フィルム成形性
フィルム成形時のフィルムのロール離れ性、フィルム外観を確認し、良好なものは○、やや劣るものは△、ひどく劣るもの、フィルム化できないものは×で示した。×と△のものは実用的に供することができない。

2.引張試験
JIS K 7127に従い、フィルムから採取した試験片(5号ダンベル)を23℃、60%RHの雰囲気下、引張試験機にて、50mm/分の割合で引っ張り、引張弾性率を測定した。また同様にして、300mm/minの割合で試験片を引っ張り、切断時の応力(引張破壊強さ)及び伸び(引張破壊伸び)を測定した。

3.表面状態
フィルムから10cm×10cmの試験片を採取し、25℃、50%RHで1週間放置した後の表面状態を観察した。

○:可塑剤が全くブリードしていない
△:目視では判別できない程度に可塑剤がブリードしているが実用上問題ない
×:可塑剤のブリードが著しい

(4)結果
表−1に示すように、比較例1ではフィルムにすることが出来なかった。比較例2(芳香族カルボン酸に由来する構造単位及び脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤を添加しなかった系)では引張弾性率が高くフィルムが硬かった。
これに対し、本発明の樹脂フィルム、すなわち、特定樹脂成分(A)、(B)及び(C)と特定可塑剤(D1またはD2)を必須とする樹脂製フィルムの場合(実施例1及び2)においては、フィルムの引張弾性率が300MPa程度と柔軟性があり、引張破壊特性に見られる機械的強度も優れる。

Claims (4)

  1. (A)脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂、(B)ポリ乳酸系樹脂、(C)脂肪族ポリエステル系樹脂、及び(A)+(B)+(C)の合計量100重量部に対して10〜150重量部の(D)芳香族カルボン酸に由来する構造単位及び脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤を含有する樹脂製フィルム。
  2. 上記の(A)、(B)及び(C)の含有量が、(A)1〜40重量%、(B)40〜70重量%、(C)1〜40重量%である請求項1に記載の樹脂製フィルム。
  3. 上記の(D)芳香族カルボン酸に由来する構造単位と脂肪族アルコールに由来する構造単位を有するエステル系可塑剤が、安息香酸エステル、フタル酸アルキルベンジル及びフタル酸ジアルコキシアルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の可塑剤である請求項1または2に記載の樹脂製フィルム。
  4. フィルムの厚みが50〜500μmであり、かつ該フィルムの引張弾性率が50〜600MPaである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂製フィルム。
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