JP5293060B2 - 多層回路基板およびその製造方法 - Google Patents

多層回路基板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、導体パターンを底とする有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、途中反転されて積層され、加熱加圧により相互に貼り合わされると共に導電ペーストが焼結されて導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板およびその製造方法に関する。
導体パターンを底とする有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、途中反転されて積層され、加熱加圧により相互に貼り合わされると共に導電ペーストが焼結されて導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板およびその製造方法が、例えば、特開2003−86948号公報(特許文献1)に開示されている。
図6は、特許文献1と同様の多層回路基板90の製造方法を説明する図で、図6(a)〜(f)は、多層回路基板90の製造工程別の断面図である。
図6(a)〜(f)に示す多層回路基板90の製造方法では、最初に、図6(a)に示すように、加熱プレスによって、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルム20の片面に、銅箔2を貼り合わせる。次に、図6(b)に示すように、エッチングによって、銅箔2を所定の導体パターンPに加工する。次に、図6(c)に示すように、樹脂フィルム20の所定のビアを形成する位置に、レーザ加工で熱可塑性樹脂1のみを除去し、導体パターンPを底とする有底孔Hを開ける。次に、図6(d)に示すように、有底孔Hに導電ペースト4を充填する。これによって、片面に導体パターンPが形成され、有底孔Hに導電ペースト4が充填された、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルム20aが準備できる。
次に、図6(e)に示すように、同様にして準備した樹脂フィルム20a〜20fを、図のように途中で反転させて積層する。図6(e)においては、下から順に積層された樹脂フィルム20f,20e,20fに対して、次から順に積層された樹脂フィルム20c,20b,20dが反転されている。これによって、樹脂フィルム20a〜20fの積層体は、両外面に導体パターンPが露出する構成となる。
最後に、上記積層体を熱プレス板により加熱加圧して、図6(f)に示すように、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルム20a〜20fを相互に貼り合わせると共に、導電ペースト4を焼結させて接続導体4aとし、導体パターンPを相互に電気接続する。
以上の工程によって、両外面に導体パターンPが露出する図6(f)の多層回路基板90が製造される。
特開2003−86948号公報
図7は、上記と同様の樹脂フィルム10に形成された代表的な導体パターンP1と有底孔H1を拡大して示した図で、図7(a)は樹脂フィルム10の上面図であり、図7(b)は図7(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図であり、図7(c)は樹脂フィルム10の下面図である。尚、図7に示す樹脂フィルム10において、図6に示した樹脂フィルム20a〜20fと同様の部分については、同じ符号を付した。
また、図8と図9は、図7と同様の樹脂フィルム10b〜10dを積層する場合の問題を説明する図である。両図において、(a)は、積層される樹脂フィルム10b〜10dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム10b〜10dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。
図8に示す樹脂フィルム10b,10cの積層関係は、図6(e)において破線Aで囲った部分と同様で、反転状態にない樹脂フィルム10b,10c同士の積層関係である。図8に示す樹脂フィルム10b,10cの積層関係においては、樹脂フィルム10cに形成された導体パターンP1cと樹脂フィルム10bに形成された有底孔H1bの開口部に露出する導電ペースト4が接触する。図8の積層関係においては、有底孔H1bの開口部に露出する導電ペースト4の接触相手である導体パターンP1cの径が、有底孔H1bの開口部の径より大きい。このため、図8(b)に示すように、樹脂フィルム10b,10cが所定位置より多少ずれて積層された場合であっても、有底孔H1bの開口部に露出する導電ペースト4は、全面が導体パターンP1cに接触する。例えば、有底孔H1bの開口部の径がφ100μm、導体パターンP1cの径がφ300μmであるならば、互いの中心が100μmずれても、有底孔H1bの開口部に露出する導電ペースト4は、100%導体パターンP1c内に収まって接触する。このように、反転状態にない樹脂フィルム10b,10c同士の積層関係においては、有底孔H1bの開口部に露出する導電ペースト4と導体パターンP1cの接続信頼性が確保され易い。
これに対して、図9に示す樹脂フィルム10c,10dの積層関係は、図6(e)において破線Bで囲った部分と同様で、反転状態にある樹脂フィルム10c,10d同士の積層関係である。図9に示す樹脂フィルム10c,10dの積層関係においては、樹脂フィルム10dに形成された有底孔H1dの開口部に露出する導電ペースト4と樹脂フィルム10cに形成された有底孔H1cの開口部に露出する導電ペースト4が接触する。図9の積層関係においては、有底孔H1cの開口部に露出する導電ペースト4の接触相手が、同じ径の有底孔H1dの開口部に露出する導電ペースト4である。このため、図9(b)に示すように、樹脂フィルム10c,10dが所定位置より図8と同じだけずれて積層された場合には、有底孔H1cの開口部に露出する導電ペースト4は、有底孔H1dの開口部に露出する導電ペースト4の一部にしか接触することができない。例えば、有底孔H1c,H1dの開口部の径が上記と同じφ100μmであるならば、互いの中心が50μmずれる接触面積は50%以下になってしまう。このように、反転状態にある樹脂フィルム10c,10d同士の積層関係においては、有底孔H1cの開口部に露出する導電ペースト4と有底孔H1dの開口部に露出する導電ペースト4の接続信頼性が確保され難い。
上記反転状態にある樹脂フィルム10c,10d同士の接続信頼性低下の問題を解決する手段として、以下に示す方法が特許文献1に開示されている。
図10は、樹脂フィルム30に形成された導体パターンP2と有底孔H2を拡大して示した図で、図10(a)は樹脂フィルム30の上面図であり、図10(b)は図10(a)の一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図10(c)は樹脂フィルム30の下面図であり、図10(d)は図10(a)の一点鎖線C−Cにおける断面図である。
図10に示す樹脂フィルム30の導体パターンP2は、図7に示した樹脂フィルム10の導体パターンP1と異なり、楕円形状のパターンとなっている。また、該楕円形状の導体パターンP2を底とする有底孔H2は、図7の樹脂フィルム10における有底孔H1と同じ径の孔を部分的に重ね合わせて3個直線上に配置するように構成したものである。
図11は、図10と同様の樹脂フィルム30c,30dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム30c,30dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム30c,30dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。
反転状態で積層された樹脂フィルム30c,30dの接触面における配置は、図11(b)に示すように、直線状に長く伸びた有底孔H2dの開口部に露出する導電ペースト4と直線状に長く伸びた有底孔H2cの開口部に露出する導電ペースト4とが、互いに略直交する構成となっている。従って、図11(b)からあきらかなように、楕円形状の長く大きな導体パターンP2c,P2dを形成した樹脂フィルム30c,30dを用いれば、反転状態で樹脂フィルム30c,30dを積層して所定位置よりわずかにずれて積層された場合であっても、接触面積がほとんど変わらないようにすることができる。しかしながら、該樹脂フィルム30c,30dを用いる場合には、接続信頼性は確保できるものの、接続のための導体パターンP2c,P2dが大きいため、配線密度が低下して基板の利用効率が悪くなる。
そこで本発明は、導体パターンを底とする有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、途中反転されて積層され、加熱加圧により相互に貼り合わされると共に導電ペーストが焼結されて導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板およびその製造方法であって、接続信頼性を十分に確保できると共に、配線密度の低下を抑制して基板の利用効率の悪化を防止することのできる多層回路基板およびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、片面に形成された金属箔からなる導体パターンを底とする有底孔が、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムに形成され、前記有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、両外面に前記導体パターンが露出するように、途中反転されて複数枚積層され、加熱加圧により、積層された前記樹脂フィルムが相互に貼り合わされると共に、前記導電ペーストが焼結されて前記導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板において、前記途中反転された2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔が、底側が小径孔で開口部側が大径孔で、前記樹脂フィルムの断面途中で径がステップ状に変化する2段で構成されてなり、前記樹脂フィルムが、内部にガラス繊維織布が埋め込まれてなる樹脂フィルムであり、前記小径孔と大径孔の2段の構成が、前記ガラス繊維織布を境界面にして構成されてなることを特徴としている。
上記多層回路基板は、樹脂フィルム同士の貼り合わせと接続導体となる導電ペーストの焼結が一度の加熱加圧により一括して行われる、低コストで製造可能な多層回路基板である。また、上記多層回路基板は、導体パターンが片面に形成された樹脂フィルムを途中反転して積層し製造するため、両外面に導体パターンを有した多層回路基板ともなっている。
さらに、上記多層回路基板において途中反転された2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔は、底側が小径孔で開口部側が大径孔で、樹脂フィルムの断面途中で径がステップ状に変化する2段で構成されている。従って、該有底孔の底を構成する導体パターンは、前記小径孔に対応する小さな径のものでよく、積層時に接触面積を確保するための該有底孔の開口部は、上記導体パターンの大きさに無関係に、前記大径孔の開口部の大きな径となっている。従って、上記多層回路基板の製造時において、反転状態で積層される2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔に充填された導電ペーストの接触面積を十分に大きくできると共に、互いに対向する有底孔がわずかにずれて積層された場合であっても、接触面積を十分に確保できる構成とすることができる。このように、上記多層回路基板によれば、接続信頼性を十分に確保できると共に、配線密度の低下を抑制して、基板の利用効率の悪化を防止することができる。
また、上記多層回路基板は、特に、前記樹脂フィルムが、内部にガラス繊維織布が埋め込まれてなる樹脂フィルムであり、前記小径孔と大径孔の2段の構成が、前記ガラス繊維織布を境界面にして構成されている。このように、内部にガラス繊維織布が埋め込まれてなる樹脂フィルムにおいて、導体パターンとガラス繊維織布の間に形成される小径孔と導体パターンの反対側表面とガラス繊維織布の間に形成される大径孔の2段の構成とすることで、小径孔と大径孔の形成条件の違いが大きくなり、小径孔と大径孔の安定した孔形成が可能となる。
以上のようにして、上記多層回路基板は、導体パターンを底とする有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、途中反転されて積層され、加熱加圧により相互に貼り合わされると共に導電ペーストが焼結されて導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板であって、接続信頼性を十分に確保できると共に、配線密度の低下を抑制して基板の利用効率の悪化を防止することのできる多層回路基板とすることができる。
上記多層回路基板における前記大径孔は、例えば請求項2に記載のように、前記小径孔と同じ径で前記導体パターンに達していない同径未達孔を部分的に重ね合わせて配置することにより構成してもよい。尚、この場合には、請求項3に記載のように、前記同径未達孔が、複数個直線上に配置されてなり、前記互いに対向する有底孔の大径孔が、互いの前記直線を略直交するように構成することが好ましい。この場合にも、底側と開口部側が同じ径の1段で構成された有底孔を有する従来の多層回路基板と異なり、配線密度の低下の抑制と接続信頼性の確保を両立させることができる。
上記多層回路基板においては、途中反転により互いに対向する有底孔の接触面積が大径孔の開口部の径で決まり、小径孔の底となる導体パターンの径は、小径孔の径に対応したものであればよい。従って、請求項4に記載のように、前記小径孔と大径孔の2段で構成される有底孔の底をなす導体パターンの径は、前記大径孔の径より小さいことが好ましい。このように、導体パターンの径を必要最小限の値に設定することで、配線密度を高め、基板の利用効率を高めることができる。
請求項に記載の発明は、上記した多層回路基板の製造方法に関する発明である。
上記多層回路基板を製造するにあたっては、特に請求項に記載のように、前記小径孔と前記大径孔を、それぞれ、レーザ加工で形成することが好ましい。また、請求項2に記載の多層回路基板の場合には、請求項に記載のように、前記大径孔を、前記小径孔と同じ径で前記導体パターンに達していない同径未達孔をレーザ加工で部分的に重ね合わせて形成するようにする。
このように、小径孔と大径孔をそれぞれレーザ加工で形成する場合には、エネルギーや焦点深度等のレーザ加工条件をわずかに変化させるだけで、容易に小径孔と大径孔の作り分けが可能となる。
尚、請求項に記載の製造方法によって製造される多層回路基板の効果については、上述したとおりであり、その説明を省略する。
本発明は、図6(a)〜(f)において説明した多層回路基板90と同様の、片面に形成された金属箔からなる導体パターンを底とする有底孔が、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムに形成され、前記有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、両外面に前記導体パターンが露出するように、途中反転されて複数枚積層され、加熱加圧により、積層された前記樹脂フィルムが相互に貼り合わされると共に、前記導電ペーストが焼結されて前記導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板およびその製造方法に関する。
上記多層回路基板は、樹脂フィルム同士の貼り合わせと接続導体となる導電ペーストの焼結が一度の加熱加圧により一括して行われる、低コストで製造可能な多層回路基板である。また、上記多層回路基板は、導体パターンが片面に形成された樹脂フィルムを途中反転して積層し製造するため、両外面に導体パターンを有した多層回路基板ともなっている。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明ではないが基礎とする多層回路基板において用いられる樹脂フィルム40に形成された導体パターンP1と有底孔J1を拡大して示した図である。図1(a)は、樹脂フィルム40の上面図であり、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線D−Dにおける断面図であり、図1(c)は、樹脂フィルム40の下面図であり、図1(d)は、図1(a)の一点鎖線E−Eにおける断面図である。尚、図1に示す樹脂フィルム40において、図6に示した樹脂フィルム10と同様の部分については、同じ符号を付した。
図1の樹脂フィルム40に形成されている有底孔J1は、図6の樹脂フィルム10に形成されている有底孔H1と異なり、図1(b),(d)において破線K1で示した面を境界面として、導体パターンP1に接続する底側が直径d1aで厚さがt1aの小径孔J1aと開口部側が直径d1bで厚さがt1bの大径孔J1bの2段で構成されている。小径孔J1aと大径孔J1bは、それぞれ、レーザ加工で形成する。レーザ加工を利用すれば、エネルギーや焦点深度等のレーザ加工条件をわずかに変化させるだけで、容易に小径孔J1aと大径孔J1bの作り分けが可能である。そして、本発明の多層回路基板においては、図6(e)において破線Bで囲った部分に相当する途中反転された2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔について、図1の樹脂フィルム40に形成されている有底孔J1が用いられる。
図2は、上記した図1と同様の樹脂フィルム40c,40dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム40c,40dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム40c,40dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。
図2(a)に示すように、上記多層回路基板において途中反転された2枚の樹脂フィルム40c、40dにおける互いに対向する有底孔J1c,J1dは、底側が小径孔J1ac,J1adで、開口部側が大径孔J1bc,J1bdの2段で構成されている。従って、有底孔J1c,J1dの底を構成する導体パターンP1c,P1dは、小径孔J1ac,J1adに対応する小さな径のものでよい。一方、積層時に接触面積を確保するための有底孔J1c,J1dの開口部は、上記導体パターンP1c,P1dの大きさに無関係に、大径孔J1bc,J1bdの開口部の大きな径となっている。従って、上記多層回路基板の製造時において、反転状態で積層される2枚の樹脂フィルム40c、40dにおける互いに対向する有底孔J1c,J1dに充填された導電ペースト4の接触面積を十分に大きくできると共に、互いに対向する有底孔J1c,J1dがわずかにずれて積層された場合であっても、図2(b)に示すように、接触面積を十分に確保することができる。
このように、上記多層回路基板においては、途中反転により互いに対向する有底孔J1c,J1dの接触面積が大径孔J1bc,J1bdの開口部の径で決まり、小径孔J1ac,J1adの底となる導体パターンP1c,P1dの径は、小径孔J1ac,J1adの径に対応したものであればよい。従って、小径孔J1ac,J1adと大径孔J1bc,J1bdの2段で構成される有底孔J1c,J1dの底をなす導体パターンP1c,P1dの径は、大径孔J1bc,J1bdの径より小さいことが好ましい。このように、導体パターンP1c,P1dの径を必要最小限の値に設定することで、配線密度を高め、基板の利用効率を高めることができる。
以上のようにして、上記多層回路基板によれば、接続信頼性を十分に確保できると共に、配線(導体パターンP1c,P1d)密度の低下を抑制して、基板の利用効率の悪化を防止することができる。
図3は、の例を示した図で、樹脂フィルム50に形成された導体パターンP1と有底孔J2を拡大して示した図である。図3(a)は、樹脂フィルム50の上面図であり、図3(b)は、図3(a)の一点鎖線F−Fにおける断面図であり、図3(c)は、樹脂フィルム50の下面図であり、図3(d)は、図3(a)の一点鎖線G−Gにおける断面図である。尚、図3に示す樹脂フィルム50において、図7に示した樹脂フィルム30と同様の部分については、同じ符号を付した。
また、図4は、上記した図3と同様の樹脂フィルム50c,50dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム50c,50dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム50c,50dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。
図3の樹脂フィルム50に形成されている有底孔J2は、図1の樹脂フィルム40に形成されている有底孔J1と同様に、図3(b),(d)において破線K2で示した面を境界面として、導体パターンP1に接続する底側の小径孔J2aと開口部側の大径孔J2bの2段で構成されている。図3の有底孔J2における大径孔J2bは、小径孔J2aと同じ径で導体パターンP1に達していない図3(a),(c)に示す同径未達孔J2b1〜J2b3を部分的に重ね合わせて、3個直線上に配置することにより構成している。該同径未達孔J2b1〜J2b3は、レーザ加工で部分的に重ね合わせて形成するようにする。同径未達孔J2b1〜J2b3は小径孔J2aと同じ径であるため、例えばレーザ加工の焦点深度を変えるだけで作りわけが可能である。そして、図4の樹脂フィルム50c,50dに示すように、互いに対向する有底孔J2c,J2dの大径孔J2bc,J2bdが、互いの同径未達孔が並んだ方向の前記直線を略直交するように構成している。この場合にも、図11に示した底側と開口部側が同じ径の1段で構成された有底孔H2c,H2dを有する樹脂フィルム30c,30dからなる従来の多層回路基板と異なり、図2に示した樹脂フィルム40c,40dからなる多層回路基板と同様に、配線密度の低下の抑制と接続信頼性の確保を両立させることができる。すなわち、図4に示す途中反転された2枚の樹脂フィルム50c、50dにおける互いに対向する有底孔J2c,J2dは、底側が小径孔J2ac,J2adで、開口部側が大径孔J2bc,J2bdの2段で構成されている。従って、有底孔J2c,J2dの底を構成する導体パターンP1c,P1dは、小径孔J2ac,J2adに対応する小さな径のものでよく、これによって配線密度の低下を抑制することができる。また、積層時に接触面積を確保するための有底孔J2c,J2dの開口部は、略直交する長く伸びた直線状の大径孔J2bc,J2bdであるため、反転状態で積層される樹脂フィルム50c,50dが所定位置よりわずかにずれた場合であっても、接触面積がほとんど変わらないようにすることができる。
図5は、本発明のを示した図で、樹脂フィルム60に形成された導体パターンP1と有底孔J3を拡大して示した断面図である。
図5に示す樹脂フィルム60は、内部にガラス繊維織布5が埋め込まれてなる樹脂フィルムである。そして、樹脂フィルム60に形成されている有底孔J3では、小径孔J3aと大径孔J3bの2段の構成が、ガラス繊維織布5を境界面K3にして構成されている。
このように、内部にガラス繊維織布5が埋め込まれてなる樹脂フィルム60においては、導体パターンP1とガラス繊維織布5の間に形成される小径孔J3aと導体パターンP1の反対側表面とガラス繊維織布5の間に形成される大径孔J3bの2段の構成とすることで、小径孔J3aと大径孔J3bの形成条件の違いが大きくなり、これらの安定した孔形成が可能となる。このようにして準備された2枚の樹脂フィルム60を用い、反転状態で積層して互いの有底孔J3を対向させ、加熱加圧により一括して貼り合わせて多層回路基板を形成する。
以上のようにして、上記多層回路基板およびその製造方法は、導体パターンを底とする有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、途中反転されて積層され、加熱加圧により相互に貼り合わされると共に導電ペーストが焼結されて導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板およびその製造方法であって、接続信頼性を十分に確保できると共に、配線密度の低下を抑制して基板の利用効率の悪化を防止することのできる多層回路基板およびその製造方法となっている。
本発明ではないが基礎とする多層回路基板において用いられる樹脂フィルム40に形成された導体パターンP1と有底孔J1を拡大して示した図である。(a)は、樹脂フィルム40の上面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線D−Dにおける断面図であり、(c)は、樹脂フィルム40の下面図であり、(d)は、(a)の一点鎖線E−Eにおける断面図である。 図1と同様の樹脂フィルム40c,40dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム40c,40dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム40c,40dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。 の例を示した図で、樹脂フィルム50に形成された導体パターンP1と有底孔J2を拡大して示した図である。(a)は、樹脂フィルム50の上面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線F−Fにおける断面図であり、(c)は、樹脂フィルム50の下面図であり、(d)は、(a)の一点鎖線G−Gにおける断面図である。 図3と同様の樹脂フィルム50c,50dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム50c,50dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム50c,50dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。 本発明のを示した図で、樹脂フィルム60に形成された導体パターンP1と有底孔J3を拡大して示した断面図である。 特許文献1と同様の多層回路基板90の製造方法を説明する図で、(a)〜(f)は、多層回路基板90の製造工程別の断面図である。 樹脂フィルム10に形成された代表的な導体パターンP1と有底孔H1を拡大して示した図で、(a)は樹脂フィルム10の上面図であり、(b)は(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図であり、(c)は樹脂フィルム10の下面図である。 図7と同様の樹脂フィルム10b〜10dを積層する場合の問題を説明する図で、(a)は、積層される樹脂フィルム10b〜10dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム10b〜10dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。 図7と同様の樹脂フィルム10b〜10dを積層する場合の問題を説明する図で、(a)は、積層される樹脂フィルム10b〜10dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム10b〜10dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。 樹脂フィルム30に形成された導体パターンP2と有底孔H2を拡大して示した図で、(a)は樹脂フィルム30の上面図であり、(b)は(a)の一点鎖線B−Bにおける断面図であり、(c)は樹脂フィルム30の下面図であり、(d)は(a)の一点鎖線C−Cにおける断面図である。 図10と同様の樹脂フィルム30c,30dを反転状態で積層する場合の図で、(a)は、積層される樹脂フィルム30c,30dの配置関係を示した断面図であり、(b)は、樹脂フィルム30c,30dの積層面における導体部分の配置関係を透視して示した平面図である。
符号の説明
90 多層回路基板
10,10b〜10d,20,20a〜20f,30,30c,30d,40,40c,40d,50,50c,50d,60 樹脂フィルム
1 熱可塑性樹脂
2 金属箔(銅箔)
P,P1,P1c,P1d,P2,P2c,P2d 導体パターン
H,H1,H1b〜H1d,H2,H2c,H2d,J1,J1c,J1d,J2,J2c,J2d,J3 有底孔
J1a,J1ac,J1ad,J2a,J2ac,J2ad,J3a 小径孔
J1b,J1bc,J1bd,J2b,J2bc,J2bd,J3b 大径孔
K1〜K3 境界面
4 導電ペースト
5 ガラス繊維織布

Claims (8)

  1. 片面に形成された金属箔からなる導体パターンを底とする有底孔が、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムに形成され、
    前記有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、両外面に前記導体パターンが露出するように、途中反転されて複数枚積層され、
    加熱加圧により、積層された前記樹脂フィルムが相互に貼り合わされると共に、前記導電ペーストが焼結されて前記導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板において、
    前記途中反転された2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔が、底側が小径孔で開口部側が大径孔で、前記樹脂フィルムの断面途中で径がステップ状に変化する2段で構成されてなり、
    前記樹脂フィルムが、内部にガラス繊維織布が埋め込まれてなる樹脂フィルムであり、
    前記小径孔と大径孔の2段の構成が、前記ガラス繊維織布を境界面にして構成されてなることを特徴とする多層回路基板。
  2. 前記大径孔が、前記小径孔と同じ径で前記導体パターンに達していない同径未達孔を部分的に重ね合わせて配置することにより構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。
  3. 前記同径未達孔が、複数個直線上に配置されてなり、
    前記互いに対向する有底孔の大径孔が、互いの前記直線を略直交するように構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の多層回路基板。
  4. 前記小径孔と大径孔の2段で構成される有底孔の底をなす導体パターンの径が、前記大径孔の径より小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層回路基板。
  5. 片面に形成された金属箔からなる導体パターンを底とする有底孔が、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムに形成され、
    前記有底孔内に導電ペーストが充填された樹脂フィルムが、両外面に前記導体パターンが露出するように、途中反転されて複数枚積層され、
    加熱加圧により、積層された前記樹脂フィルムが相互に貼り合わされると共に、前記導電ペーストが焼結されて前記導体パターンが相互に電気接続されてなる多層回路基板において、
    前記途中反転された2枚の樹脂フィルムにおける互いに対向する有底孔が、底側が小径孔で開口部側が大径孔で、前記樹脂フィルムの断面途中で径がステップ状に変化する2段で構成されてなり、
    前記樹脂フィルムが、内部にガラス繊維織布が埋め込まれてなる樹脂フィルムであり、
    前記小径孔と大径孔の2段の構成を、前記ガラス繊維織布を境界面して構成する多層回路基板の製造方法であって、
    前記小径孔と前記大径孔を、それぞれ、レーザ加工で形成することを特徴とする層回路基板の製造方法
  6. 前記大径孔を、
    前記小径孔と同じ径で前記導体パターンに達していない同径未達孔をレーザ加工で部分的に重ね合わせて形成することにより構成することを特徴とする請求項5に記載の多層回路基板の製造方法。
  7. 前記同径未達孔を、複数個直線上に配置して形成し、
    前記互いに対向する有底孔の大径孔を、互いの前記直線を略直交するように構成することを特徴とする請求項6に記載の多層回路基板の製造方法。
  8. 前記小径孔と大径孔の2段で構成される有底孔の底をなす導体パターンの径が、前記大径孔の径より小さいことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の多層回路基板の製造方法。
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