JP5291950B2 - 減衰力可変ダンパの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
先ず、図1を参照して、実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対応してする部材(タイヤやサスペンション等)については、それぞれ符号(数字)に前後左右を示す添字を付して、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)等と記すとともに、総称する場合には添字の無い符号を用いて車輪3等と記す。
図2に示すように、本実施形態のダンパ6は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRF(Magneto-Rheological Fluid:磁気粘性流体)が充填された円筒状のシリンダ22と、このシリンダ22に対して軸方向に摺動するピストンロッド23と、ピストンロッド23の先端に装着されてシリンダ22内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダ22の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド23等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
図3に示すように、ECU8には、ダンパ6の制御を行う減衰力制御装置50が内装されている。減衰力制御装置50は、上述した各センサ9〜15が接続する入力インタフェース51と、各センサ9〜13の検出信号から得られたロールモーメントやピッチモーメント、ばね上速度等に基づき各ダンパ6の目標減衰力を設定する減衰力設定部52と、減衰力設定部52から入力した目標減衰力とストロークセンサ14から入力したストローク速度Ssとに応じて各ダンパ6(MLVコイル42)への駆動電流を生成する駆動電流生成部53と、駆動電流生成部53が生成した駆動電流を各ダンパ6に出力する出力インタフェース54とから構成されている。なお、減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック演算制御部55や、ロール制御に供されるロール演算制御部56、ピッチ制御に供されるピッチ演算制御部57等が収容されている。
図4に示すように、ロール演算制御部56は、横加速度信号Gyに基づいて直進移行判定を行う直進移行判定部61と、横加速度信号Gyと直進移行判定部61とに基づいて第1ロール減衰力ベース値Dbr1を設定する第1ベース値設定部62と、車輪速Vhに基づいて直進移行判定閾値Gy’thを設定する判定閾値設定部63と、ヨーレイトγに基づいて第2ロール減衰力ベース値Dbr2を設定する第2ベース値設定部64と、第1ロール減衰力ベース値Dbr1と第2ロール減衰力ベース値Dbr2とのどちらか一方をロール目標減衰力Drtgtとして選択/設定する目標減衰力設定部65とを各車輪3ごとに備えている。
<減衰力制御>
自動車Vが走行を開始すると、減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図5のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を繰り返し実行する。減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図5のステップS1で、横Gセンサ10、前後Gセンサ11、および上下Gセンサ13から得られた車体1の各加速度や、車速センサ(図示せず)から入力した車速等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力制御装置50は、自動車Vの運動状態に基づき、ステップS2で各ダンパ6のスカイフック目標減衰力Dshtgtを設定し、ステップS3で各ダンパ6のロール目標減衰力Drtgtを設定し、ステップS4で各ダンパ6のピッチ目標減衰力Dptgtを設定する。
上述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のロール演算制御部56は、所定の処理インターバルをもって、図7のフローチャートにその手順を示すロール目標減衰力設定処理を繰り返し実行する。ロール目標値設定処理を開始すると、ロール演算制御部56は、図7のステップS11で、横Gセンサ10から入力した横加速度Gyの微分値(以下、横加速度微分値と記す)Gy’を算出する。図8に示すように自動車Vが道路71の右側車線71Rから左側車線71Lにレーンチェンジした場合、横加速度微分値Gy’の値は、図9に示すように、レーンチェンジ前期においては比較的小さな値となるが、レーンチェンジ後期においては大きな値となる。
上述したロール目標減衰力設定処理と並行して、減衰力制御装置50内のロール演算制御部56は、所定の処理インターバルをもって、図12のフローチャートにその手順を示す判定閾値設定処理を繰り返し実行する。判定閾値設定処理を開始すると、ロール演算制御部56は、図12のステップS31で、車輪速センサ15から入力した車輪速Vhをフィルタリング処理する。このフィルタリング処理は、例えば、車輪速Vhを10〜20Hzのバンドパスフィルタに通過させることによって行えばよい。
3 車輪
6 ダンパ
8 ECU
10 横Gセンサ(横加速度検出手段)
12 ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段)
50 減衰力制御装置
56 ロール演算制御部(ロール目標減衰力設定手段)
61 直進移行判定部
62 第1ベース値設定部
63 判定閾値設定部
64 第2ベース値設定部
65 目標減衰力設定部
V 自動車
Claims (1)
- 車体と各車輪との間にそれぞれ減衰力可変ダンパが介装された車両に搭載され、当該減衰力可変ダンパの減衰力制御に供される制御装置であって、
前記車両の旋回状態量を検出する旋回状態量検出手段と、
前記旋回状態量検出手段の検出結果に基づき、前記各減衰力可変ダンパのロール目標減衰力を設定するロール目標減衰力設定手段とを備え、
前記旋回状態量検出手段は、車両の重心点における横加速度を検出する横加速度検出手段を有し、
前記ロール目標減衰力設定手段は、
前記車両が旋回走行から直進走行に移行しかけている場合のロール目標減衰力を、前記車両が直進走行から旋回走行に移行しかけている場合のロール目標減衰力よりも大きな値に設定すべく、
前記横加速度の微分値の絶対値が所定の直進移行判定閾値より小さい場合には、前記車両が旋回走行から直進走行に移行しかけていないとして、所定の第1変換手段を用いることにより、前記横加速度の微分値に基づき第1ロール減衰力ベース値を求め、
前記横加速度の微分値の絶対値が前記直進移行判定閾値以上である場合には、前記車両が旋回走行から直進走行に移行しかけているとして、前記第1変換手段よりもロール減衰力ベース値が大きくなる第2変換手段を用いることにより、前記横加速度の微分値に基づき第1ロール減衰力ベース値を求め、
前記第1ロール減衰力ベース値に基づき、ロール目標減衰力を設定するとともに、
前記車両が悪路を走行していると判定した場合には、前記直進移行判定閾値を増大させることを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
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