JP5193629B2 - 減衰力可変ダンパの制御装置 - Google Patents
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Description
図1は第1実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は第1実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は第1実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図であり、図4は第1実施形態に係るロール制御部の概略構成を示すブロック図である。
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記すとともに、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に摺動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
ECU7には、図3にその概略構成を示す減衰力制御装置50が内装されている。減衰力制御装置50は、上述した各センサ9〜14等が接続する入力インタフェース51と、センサ9〜12,14等から入力した検出信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力を設定する減衰力設定部52と、目標減衰力とストロークセンサ13の検出結果とに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への駆動電流を生成する駆動電流生成部53と、駆動電流生成部53が生成した駆動電流を各ダンパ4に出力する出力インタフェース54とから構成されている。減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部57と、ロール制御に供されるロール制御部58と、ピッチ制御に供されるピッチ制御部59とが収容されている。
図4に示すように、ロール制御部58は、前輪側目標減衰力設定部60fと、後輪側目標減衰力設定部60rとからなっている。両目標減衰力設定部60f,60rは同様の構成を有しており、前輪側目標減衰力設定部60fについて記すと、車速センサ9から入力した車速vと横Gセンサ10から入力した横加速度Gyとヨーレイトセンサ12から入力したヨーレイトγとに基づいて前輪側ロール制御ベース値Drbfを設定するロール制御ベース値設定部61と、左右前輪側の上下Gセンサ14fl,14frから入力した上下加速度Gzfl,Gzfrの位相を補償する位相補償部62と、両上下加速度Gzfl,Gzfrの平均値(前輪側平均値Gzfa)を算出する左右平均部63と、車速vに基づいて車速ゲインGvを設定する車速ゲイン設定部64と、前輪側平均値Gzfaと車速ゲインGvとに基づいて前輪側減衰力補正値Dcfを設定する補正値設定部65と、前輪側ロール制御ベース値Drbfを前輪側減衰力補正値Dcfで補正することによって前輪側ロール目標減衰力Drtfを設定する目標減衰力設定部66とを備えている。
図5に示すように、ピッチ制御部59は、左輪側目標減衰力設定部70lと、右輪側目標減衰力設定部70rとからなっている。両目標減衰力設定部70l,70rは同様の構成を有しており、左輪側目標減衰力設定部70lについて記すと、車速センサ9から入力した車速vと前後Gセンサ11から入力した前後加速度Gxとに基づいて左輪側ピッチ制御ベース値Dpblを設定するピッチ制御ベース値設定部71と、前後左輪側の上下Gセンサ14fl,14rlから入力した上下加速度Gzfl,Gzrlの位相を補償する位相補償部72と、両上下加速度Gzfl,Gzrlの平均値(左輪側平均値Gzla)を算出する左右平均部73と、車速vに基づいて車速ゲインGvを設定する車速ゲイン設定部74と、左輪側平均値Gzlaと車速ゲインGvとに基づいて左輪側減衰力補正値Dclを設定する補正値設定部75と、左輪側ピッチ制御ベース値Dpblを左輪側減衰力補正値Dclで補正することによって左輪側ピッチ目標減衰力Dptlを設定する目標減衰力設定部76とを備えている。
<減衰力制御>
自動車が走行を開始すると、減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、2ms)をもって、図6のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を実行する。減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図6のステップS1で、横Gセンサ10、前後Gセンサ11、および上下Gセンサ14から得られた車体1の各加速度や、車速センサ9から入力した車速、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力制御装置50は、自動車Vの運動状態に基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック目標減衰力Dstを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール目標減衰力Drtを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ目標減衰力Dptを算出する。
上述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のロール制御部58は、所定の処理インターバルをもって、図8のフローチャートにその手順を示すロール目標減衰力設定処理を繰り返し実行する。以下、左右前輪側のロール目標減衰力の設定手順について述べるが、左右後輪側のロール目標減衰力も同様の手順で設定される。
上述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のピッチ制御部59は、所定の処理インターバルをもって、図12のフローチャートにその手順を示すピッチ目標減衰力設定処理を繰り返し実行する。以下、左前後輪側のピッチ目標減衰力の設定手順について述べるが、右前後輪側のピッチ目標減衰力も同様の手順で設定される。
図15は第2実施形態に係るロール制御部の概略構成を示すブロック図であり、図16は第2実施形態に係るピッチ制御部の概略構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、ロール制御部およびピッチ制御部の構成、ロール目標減衰力設定処理およびピッチ目標減衰力設定処理の手順のみが異なるため、重複する説明を省略する。
図15に示すように、第2実施形態のロール制御部58も、前輪側目標減衰力設定部60fと、後輪側目標減衰力設定部60rとからなっている。両目標減衰力設定部60f,60rは同様の構成を有しており、前輪側目標減衰力設定部60fについて記すと、車速センサ9から入力した車速vと横Gセンサ10から入力した横加速度Gyとヨーレイトセンサ12から入力したヨーレイトγとに基づいて左前輪側ロール制御ベース値Drbflおよび右前輪側ロール制御ベース値Drbfrを設定するロール制御ベース値設定部61と、左右前輪側の上下Gセンサ14fl,14frから入力した上下加速度Gzfl,Gzfrの位相を補償する位相補償部62と、両上下加速度Gzfl,Gzfrの平均値(前輪側平均値Gzfa)を算出する左右平均部63と、車速vに基づいて車速ゲインGvを設定する車速ゲイン設定部64と、前輪側平均値Gzfaと車速ゲインGvとロール制御ベース値設定部61から入力した符号信号Sgnとに基づいて左前輪側減衰力補正値Dcflおよび右前輪側減衰力補正値Dcfrを設定する補正値設定部65と、左右前輪側ロール制御ベース値Drbfl,Drbfrを左右前輪側減衰力補正値Dcfl,Dcfrでそれぞれ補正することによって左右前輪側ロール目標減衰力Drtfl,Drtfrを設定する目標減衰力設定部66とを備えている。
図16に示すように、第2実施形態のピッチ制御部59も、左輪側目標減衰力設定部70lと、右輪側目標減衰力設定部70rとからなっている。両目標減衰力設定部70l,70rは同様の構成を有しており、左輪側目標減衰力設定部70lについて記すと、車速センサ9から入力した車速vと前後Gセンサ11から入力した前後加速度Gxとに基づいて左前輪側ピッチ制御ベース値Dpbflおよび左後輪側ピッチ制御ベース値Dpbrlを設定するピッチ制御ベース値設定部71と、前後左輪側の上下Gセンサ14fl,14rlから入力した上下加速度Gzfl,Gzrlの位相を補償する位相補償部72と、両上下加速度Gzfl,Gzrlの平均値(左輪側平均値Gzla)を算出する左右平均部73と、車速vに基づいて車速ゲインGvを設定する車速ゲイン設定部74と、左輪側平均値Gzlaと車速ゲインGvとに基づいて左前輪側減衰力補正値Dcflおよび左後輪側減衰力補正値Dcrlを設定する補正値設定部75と、左前後輪側ピッチ制御ベース値Dpbfl,Dpbrlを左前後輪側減衰力補正値Dcfl,Dcrlでそれぞれ補正することによって左前後輪側ピッチ目標減衰力Dptfl,Dptrlを設定する目標減衰力設定部76とを備えている。
前述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のロール制御部58は、所定の処理インターバルをもって、図17のフローチャートにその手順を示すロール目標減衰力設定処理を繰り返し実行する。以下、左右前輪側のロール目標減衰力の設定手順について述べるが、左右後輪側のロール目標減衰力も同様の手順で設定される。
上述した減衰力制御と並行して、減衰力制御装置50内のピッチ制御部59は、所定の処理インターバルをもって、図18のフローチャートにその手順を示すピッチ目標減衰力設定処理を繰り返し実行する。以下、左前後輪側のピッチ目標減衰力の設定手順について述べるが、右前後輪側のピッチ目標減衰力も同様の手順で設定される。
3 車輪
4 ダンパ
7 ECU
10 横Gセンサ
11 前後Gセンサ
12 ヨーレイトセンサ
14 上下Gセンサ(上下運動量検出手段)
50 減衰力制御装置
58 ロール制御部
59 ピッチ制御部
V 自動車
Claims (1)
- 車体と車輪との間に減衰力可変ダンパが介装された車両に搭載され、当該減衰力可変ダンパの減衰力制御に供される制御装置であって、
前記車体の運動状態に基づいて目標減衰力ベース値を設定する減衰力ベース値設定手段と、
各車輪部位の上下運動量を検出する上下運動量検出手段と、
前記上下運動量検出手段の検出結果に基づいて減衰力補正値を設定する補正値設定手段と、
前記減衰力補正値を用いて前記目標減衰力ベース値を補正することにより、目標減衰力を設定する目標減衰力設定手段と
を備え、
前記補正値設定手段は、前記車体が水平な回転軸を中心に回転していた場合、
前記上下運動量検出手段により検出された上下運動量のうち、左右車輪部位側の平均値あるいは前後車輪部位側の平均値を算出し、当該平均値に基づいて前記減衰力補正値を設定し、
前記目標減衰力設定手段は、前記平均値の算出に用いられた車輪部位側について、前記減衰力補正値を用いた前記目標減衰力ベース値の補正を行うことを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
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