JP5289994B2 - 光学補正ユニット、レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

光学補正ユニット、レンズ鏡筒及び撮像装置 Download PDF

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本発明は、撮影時に発生する像ぶれを補正するための光学補正ユニット、及びそれを備えたレンズ鏡筒並びに撮像装置に関する。
近年では、撮影における手ぶれによる像ぶれの失敗を減らすために、手ぶれによる像ぶれを補正するための手ぶれ補正機能が搭載されたカメラが多く見られるようになっている。手ぶれ補正機能を実現するための手段としては、結像光学系内に光軸と垂直な平面内を移動可能な補正レンズを有し、手ぶれ等に起因するカメラの振動を打ち消す方向にこの補正レンズを駆動させて像ぶれを補正するレンズ内光学式補正タイプと、撮影する際にイメージャの撮像領域を狭め、バッファメモリに一時記憶した複数の画像を比較することで、画像処理の段階で像ぶれを補正する電子式補正タイプがある。また、イメージャ自体を駆動させることで像ぶれを補正するカメラ内光学式補正タイプも見られる。
しかしながら電子式補正タイプでは、撮影時にイメージャの一部分しか利用されないため高精細な画像が得られないことや、1枚ずつ撮影されることの多い静止画のぶれ補正にはあまり効果的ではない等の理由から、一眼レフタイプのデジタルカメラには一般的に光学式補正タイプの手ぶれ補正機能が搭載されている。
光学補正タイプの手振れ補正装置の一般的な構造としては、例えば、像ぶれを補正する補正レンズと、補正レンズを保持する可動部材と、ユニットの基部を構成するベース部材と、ベース部材に対して可動部材を、補正レンズの光軸と略直交する平面上で並進及び回転自在に支持する支持手段と、補正レンズの位置を検出する位置検出手段と、可動部材を、光軸に略直交する方向に移動させる複数の駆動手段と、を有するものが考えられる。
このような手振れ補正装置においては、可動部材の位置を検出するために、固定部材に対する可動部材の基準位置を設定する必要がある。また、ぶれ補正の精度を向上させるには、この基準位置自体が高精度に設定されている必要がある。
補正レンズ、すなわち可動部材の基準位置を設定する方法としては、例えば、調整用のチャートを、実際に手振れ補正装置を搭載したレンズ鏡筒を用いて結像させ、結像させたチャートの画像を見ながら補正レンズの光軸がレンズ鏡筒の光軸に一致するように手振れ補正装置の可動部材を駆動させる。そして、両者の光軸が一致した位置を可動部材の基準位置として設定する方法がある。
また、可動部材を、駆動手段の駆動力発生軸上の+/−方向への移動が制限される位置、いわゆるメカ端まで移動させ、それぞれのメカ端において検出された位置検出手段の出力値の中間の値を算出し、その出力が検出される位置を、その駆動力発生方向に関する可動部材の基準位置とする。そして、この作業を、手振れ補正装置に設けられる駆動手段の数だけ行った結果から、可動部材の全体としての基準位置を設定する方法がある。
これらのうち、チャートを用いた設定方法が持つ問題点を解決する発明として、メカ端を用いた設定方法を開示する特許文献1がある。
特許文献1に開示の発明では、像ぶれ補正装置を、補正レンズと、補正レンズを保持する移動枠と、移動ガイドを介して移動枠を補正レンズの光軸と直交する平面上で移動可能に支持する支持枠と、第1の電動アクチュエータと、第2の電動アクチュエータと、第1の位置検出器と、第2の位置検出器と、動作制限機構と、を備えた構成としている。
第1の電動アクチュエータは、移動枠を補正レンズの光軸に直交する第1の方向に移動させるための推力を発生し、第2の電動アクチュエータは、移動枠を補正レンズの光軸に直交する方向であって第1の方向とも直交する第2の方向に移動させるための推力を発生する。
第1の位置検出器は、移動枠の第1の方向に関する位置を検出し、第2の位置検出器は、移動枠の第2の方向に関する位置を検出する。
動作制限機構は、移動枠の第1の方向及び第2の方向への移動を、それぞれ第1及び第2の推力の中心部の延長線上において所定の範囲内に制限すると共に、移動枠の第1の方向及び第2の方向のメカ端において移動枠の回転を防止する。
そして、移動枠が、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータによってメカ端に移動されて動作制限機構によって回転が防止された状態において、第1の位置検出器及び第2の位置検出器の出力に基づいて、移動枠の第1の方向及び第2の方向における像ぶれ補正のための基準位置を設定可能としている。
また、動作制限機構は、移動枠又は支持枠の一方に設けられた制限凸部と、移動枠又は支持枠の他方に設けられた制限受け部とからなる構成とするか、又は、第1の推力の中心部の両側で移動枠の第1の方向への移動を制限する第1のストッパ部と、第2の推力の中心部の両側で移動枠の第2の方向への移動を制限する第2のストッパ部とを有する構成としている。
特開2008−191266号公報
しかしながら、上記の従来技術では以下のような問題点があった。すなわち、特許文献1に開示の発明では、例えば、第1〜第4の実施の例(図1〜図21)に開示された構成では、動作制限機構が電動アクチュエータ推力の中心部の延長線上に配置されてはいるが、動作制限機構を構成する制限受け部の内周面と制限凸部の外周面とがそれぞれ円柱形状を有しており、制限受け部と制限凸部とは光軸に垂直な平面上において1点のみで当接することになる。
このような構成では、制限受け部と制限凸部とを当接させる際に図14aに示すように、移動枠が駆動力の発生方向にまっすぐ駆動され、当接する1点が駆動力の中心の延長線上に位置するのが理想であるが、図14bに示すように、発生する電動アクチュエータ内のマグネットのコギング等の外乱によって、支持枠に対して移動枠が回転した状態で当接する可能性もある。
この場合、移動枠は規制受け部の内周面に沿って回転するので、図14aのように無回転で当接した場合に比べ、駆動力の発生方向に関するずれ量dの分だけホール素子の位置が移動していることになる。これによってホール素子からの出力も低下することになる。移動枠の回転角θが極めて微小な場合にはずれ量d≒0となるが、高精度なぶれ補正を実現するためにはこの回転誤差は無視することができない。また、ホール素子の検出精度が向上するほど、この誤差によるホール素子出力への影響が大きくなり、さらに、補正に必要な駆動範囲が小さいような撮像装置では、この駆動範囲に対するずれ量の割合が大きくなるので、やはり誤差による影響が大きくなる。
この回転誤差は、従来より開示されていた可動部材の回転止め機構や回転検出手段を用いることで、影響を減らすことができる。しかし、これらを追加することで装置全体の複雑化や大型化、コストの増加等のデメリットがある。
次に、第5〜第11の実施の例(図6〜図11)に開示された構成では、支持枠と移動枠にそれぞれ制限受け部と制限凸部とを、駆動手段の推力の中心部の延長線上に、又は、推力の中心部の延長線を挟むように配置している。これにより、移動枠と支持枠とは、装置全体として光軸に垂直な平面上において2点、又は面同士で当接することになり、電動アクチュエータ内のマグネットのコギング等の外乱によって発生する検出値の回転誤差を大きく抑えることが可能となる。しかしながらこれらの構成では、支持枠と移動枠にそれぞれ制限受け部と制限凸部とを新たに設ける必要があり、支持枠及び移動枠の大型化や設計自由度の低下を招く恐れがある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユニットを大型化させずに、メカ端における可動部材の回転誤差をなくし、補正レンズの基準位置を高い精度で設定することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明を実施の光学補正ユニットは、振動に起因する像ぶれを補正する補正レンズと、補正レンズを保持する可動部材と、ユニットの基部を構成するベース部材と、可動部材を、補正レンズの光軸に略直交する第1の方向に移動させる駆動力を発生する第1の駆動手段と、可動部材を、光軸に略直交し、第1の方向と重ならない第2の方向に移動させる駆動力を発生する第2の駆動手段と、可動部材を、光軸に略直交し、第1の方向及び第2の方向と重ならない第3の方向に移動させる駆動力を発生する第3の駆動手段と、光軸を挟んで第1乃至第3の駆動手段と対向する領域にそれぞれ設けられ、可動部材をベース部材に対して光軸と略直交する平面上で並進及び回転自在に支持する第1乃至第3の支持手段と、第1乃至第3の方向に関する可動部材の位置をそれぞれ検出する第1乃至第3の位置検出手段と、を備え、第1乃至第3の支持手段の周囲に、可動部材の前記第1乃至第3の方向への移動をそれぞれ規制する第1乃至第3の位置規制手段を、それぞれ支持手段を取り囲むように設け、可動部材と前記ベース部材のメカ端が当接した状態で、前記第1乃至第3の位置規制手段の少なくとも2つの位置規制手段によって、可動部材のベース部材に対する移動及び回転が規制される構成としたものである。


さらに本発明を実施の光学補正ユニットは、上記発明において、第1乃至第3の位置規制手段は、可動部材又はベース部材の一方に設けられ、略円筒形状の内周面を有する規制部と、可動部材又はベース部材の他方に設けられ、略円柱形状の外周面を有する規制受け部とからなり、規制部の内周面と規制受け部の外周面とが互いに当接することで、可動部材の移動及び回転を規制する構成としたものである。
さらに本発明を実施のレンズ鏡筒は、上記発明に記載の光学補正ユニットを備えた構成としたものである。
さらに本発明を実施の撮像装置は、上記発明に記載のレンズ鏡筒を備えた構成としたものである。
本発明を実施の光学補正ユニット、レンズ鏡筒及び撮像装置によれば、ユニットを大型化させずに、メカ端における可動部材の回転誤差をなくし、補正レンズの基準位置を高い精度で設定することができる。
本発明の第1の実施形態である光学補正ユニットの外観を示した斜視図である。 図1に示した光学補正ユニットの展開斜視図である。 図1に示した光学補正ユニットの上面図であり、説明のために一部の部材を破線で示している。 図3中に示したA−A線断面図である。 位置検出手段の動作原理を説明するための図であり、図5aは構成の概略を示す説明図、図5bは磁石に対するホール素子の位置と磁束密度の関係を説明するグラフである。 駆動手段の拡大断面図であり、駆動手段内に形成される磁気回路を説明するための図である。 図1に示した光学補正ユニットの位置規制手段の拡大斜視図であり、説明のためにユニットの一部を省略している。 本発明の光学補正ユニットの位置規制手段等を概念的に示した上面図である。 レンズ保持枠がメカ端に接触した状態を示した断面図であり、図9aはプラス側で当接、図9bはマイナス側で当接した状態を示している。 本発明の光学補正ユニットの第2の実施形態を概念的に示した上面図である。 本発明の光学補正ユニットの第3の実施形態を概念的に示した上面図である。 本発明の光学補正ユニットの第4の実施形態を概念的に示した上面図である。 本発明のレンズ鏡筒及び撮像装置のぶれ補正制御の概念を示すブロック図である。 従来の光学補正ユニットのメカ端における位置関係を示した概念図であり、図14aは支持枠に対して移動枠が無回転で当接した状態、図14bは支持枠に対して移動枠が回転して当接した状態を示している。
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
まず、本発明の光学補正ユニットの構成について説明する。光学補正ユニット100は、図1及び図2に示すように概ね円盤形状の外径を有していて、ユニットに加わる振動に起因する像ぶれを補正する補正レンズ111と、補正レンズを保持するレンズ保持枠112(特許請求の範囲に記載の可動部材に相当)と、光学補正ユニットのベースとなるベース部材121と、補正レンズ111の光軸と直交する平面において光軸を中心とする円周上に120°間隔で設けられ、レンズ保持枠112とベース部材121との間に挟まれてレンズ保持枠を支持する3つの鋼球131と、ベース部材121に固定される回路基板122等を備えている。
レンズ保持枠112とベース部材121には、3つの鋼球131に対応する位置に、それぞれ可動側鋼球受け部132と固定側鋼球受け部133とが設けられており、鋼球131はこれらの受け部に挟まれている。これによりレンズ保持枠112はベース部材121に対して、光軸と直交する平面内で円滑に移動することができる。本実施形態では、可動側鋼球受け部132と固定側鋼球受け部133とは同一の半径を持ち、互いの中心軸が一致した円形の凹形状となっており、凹形状の壁面によって鋼球131の脱落が防止される。なお、可動側鋼球受け部132と固定側鋼球受け部133、及び鋼球131は、特許請求の範囲に記載の支持手段を構成している。
支持手段の周囲には、図3及び図4に示すような、ベース部材121に対するレンズ保持枠112の移動を規制する規制凹部151と規制受け部152とからなる位置規制手段がそれぞれ設けられている。この位置規制手段を用いることで光学補正ユニット100におけるレンズ保持枠112の基準位置を高精度に設定することができる。この位置規制手段は、特許請求の範囲に記載の位置規制手段に対応している。位置規制手段の詳細については後に詳述する。
レンズ保持枠112は、補正レンズ111がかしめられる円筒部112aと、永久磁石113、バックヨーク114、及び可動側鋼球受け部132を備えるフランジ部112bとから構成されている。バックヨーク114は、このフランジ部112bにインサート成形されることで固定されている。このバックヨーク114は軟磁性体の金属で作られており、永久磁石113はこのバックヨーク114に対して磁気吸引されて保持されている。永久磁石113とバックヨーク114との間の保持力をさらに高めるために、これらの間に接着剤や両面粘着テープ等の接着手段を介在させることも考えられる。レンズ保持枠112の円筒部112aにはさらに可動ヨーク115が設けられるが、この可動ヨーク115は、円筒部112aのフランジ部112bを有さない側の端部に、永久磁石113と対向する位置に取り付けられる。
可動ヨーク115と、フランジ部112bと、円筒部112aとに囲まれている円筒形状の空気領域には、概ね円環形状の回路基板122が配置される。回路基板122は、図4及び図6に示すように、回路パターンがプリントされたフレキシブルプリント基板122aと補強用のガラスエポキシ等からなる補強板122bとから構成されている。回路基板122は、レンズ保持枠112に取り付けられた各種部材と干渉しないように、ベース部材121から伸長する不図示のボスにビス123で固定されている。この回路基板122には、不図示の電源により電力が供給されるコイル124が実装されており、永久磁石113と対向する位置に固定されている。
すなわち、回路基板122を通じてベース部材121側に固定されるコイル124は、レンズ保持枠112を介して光軸と直交する方向に移動可能な可動ヨーク115と永久磁石113とに挟まれるような構成となっている。これにより、レンズ保持枠112を光軸と直交する平面上で駆動するための駆動力を発生する駆動手段が構成される。この駆動手段は、特許請求の範囲に記載の駆動手段に対応している。なお、レンズ保持枠112の駆動については後に詳述する。
図2及び図3に示すように、本発明の光学補正ユニット100はこの駆動手段を3つ有しており、これらは光軸と直行する平面において光軸を中心とする円周上に120°の間隔で、上述した鋼球131の支持手段と干渉しない位置に設けられている。本実施形態では、隣り合う駆動手段と支持手段とが光軸を中心に60°ずれて配置されている。さらに、各コイル124は概ね矩形形状をしており、その長辺が光軸を中心とする円周の接線方向と一致するように配置されている。
回路基板122に実装される各コイル124の巻線の内側には、ホール素子125が合計で3つ実装されている。すなわち各ホール素子125は、対応する永久磁石113と可動ヨーク115とに挟まれた空間中に位置しており、同時に、ホール素子125の検出部が永久磁石113の磁極境界線上に来るように配置されている。ホール素子125は、可動部材であるレンズ保持枠112の移動によって発生する、永久磁石113からの磁束密度の変化を検知する。3つのホール素子125の出力から、そのときの補正レンズ111の位置を知ることができる。これらのホール素子125と永久磁石113とで、特許請求の範囲に記載の位置検出手段を構成している。ホール素子125の位置検出の原理、及び、ぶれ補正の原理については後に詳述する。
なお、これ以降に説明する光学補正ユニット100に備えられた各部材の配置は、レンズ保持枠112がベース部材121に対してセンタリングされた状態を基準として説明する。このセンタリング状態とは、補正レンズ111の光軸とベース部材121の中心軸とが一致し、さらに、各駆動手段の各部材の中心が光軸方向に一直線に並んだ状態を指すものとする。
ここで、駆動手段を構成する可動ヨーク115について説明する。レンズ保持枠112の円筒部112a先端に設けられる可動ヨーク115は、永久磁石113及びコイル124に対応する位置に設けられる3つの対向部115aと、それらを繋ぐ連結部115bとを有するフラットな一体形状のプレスパーツである。対向部115aは対応する永久磁石113と同じような広さを持った形状であり、連結部115bは可動ヨーク115全体の強度と軽量化を両立できる範囲で対向部115aよりも細い形状となっており、可動ヨーク115は全体として概ねY字形状となっている。
この可動ヨーク115は軟磁性体の金属で作られており、このためレンズ保持枠112に設けられた永久磁石113との間で磁気吸引力が発生する。可動ヨーク115はこの吸引力を利用してレンズ保持枠112に吸着され、円筒部112aの先端に設けられた位置決め用凸部115cと対応する複数の位置決め用切り欠き部115dのみによって位置決めされる。
ホール素子125を用いた位置検出の原理について、図5を参照して説明する。ホール素子125は、磁束密度を検知し、検知した磁束密度に応じた電圧を出力する磁気センサの一種である。図5aに示すように、ホール素子125の近傍に検出用磁石126が配置されているときを考える。
検出用磁石126は、図示のように角型平板状の2極磁石が2枚重なった構成となっており、その着磁方向は、磁石の平面方向を2等分するように極性を異ならせていると共に、その平面方向と直交する厚み方向をも2等分するように極性を異ならせている。このような構成とすると、検出用磁石126の両端には垂直方向に互いに逆向きの磁束が発生し、検出用磁石126を2極磁石1枚のみで構成するよりも、高い磁束密度が得られるようになる。検出用磁石126の垂直方向には軟磁性体の金属で作られたヨーク127を2つ配置している。これにより、漏洩磁束の少ない磁気回路が構成できる。ホール素子125は、この検出用磁石126の平面方向のS極とN極間の磁極境界線の延長上に位置しており、この状態を基準とする。
図5bは、検出用磁石126が形成する磁界の磁束密度を表したグラフであり、横軸は平面方向の距離、縦軸は磁束密度を示している。検出用磁石126の磁極境界線上では磁束密度がゼロとなる。図5aの構成では、検出用磁石126の磁極境界線に垂直な方向に移動したときに、ホール素子125は検出用磁石126の磁束密度を検知し、グラフに示した磁束密度に比例した電圧を出力する。
検出用磁石126の磁極境界線上の近傍では、磁束密度は図中の破線にあるような所定の範囲内では良好な直線性(リニアリティ)を示す。ホール素子125の検出精度は、検出用磁石126の1mmの移動に対して数μmのオーダーであるものが多い。従って、磁束密度のリニアリティが確保された領域内で検知された磁束密度を利用することで、ホール素子125の位置を高精度に検出することが可能となる。なお、リニアリティが確保できる領域は、検出用磁石126の大きさ、ホール素子125の動作特性、さらに検出用磁石126とホール素子125との間の空間距離等に依存する。
光軸方向においてコイル124が永久磁石113と重なる領域は、レンズ保持枠112をベース部材121に対して駆動させる力を発生する駆動力発生部として機能する。本実施形態によれば、永久磁石113と重なるのはコイル124の長辺部分である。以下に、本実施形態の駆動手段において駆動力が発生する原理を簡単に説明する。
図6に示すように、レンズ保持枠112に固定された永久磁石113は、レンズ保持枠112にインサート成形されたバックヨーク114と、レンズ保持枠112の円筒部112a先端に磁気吸引により固定された可動ヨーク115とで挟まれることによって、各永久磁石113から発生する磁束は漏れが少なく整った向きで効率的に互いのヨークの方向に差し向けられる。これにより、各駆動手段は図6に書き込まれるような磁気回路を構成する。
上述したように、回路基板122に実装されるコイル124の長辺は磁気回路中に位置しており、このコイル124に通電するとコイル124内を流れる電子にローレンツ力が働くので、これによりレンズ保持枠112はベース部材121に対して駆動されることになる。発生する駆動力の向きはフレミング左手の法則に従う。
本実施形態では、上述した3つの駆動手段は図3に示すように、各コイル124の長辺が光軸を中心とする円周の接線方向を向くように120°間隔で配置されている。従って、各駆動手段の駆動力は円周の半径方向に120°間隔で3軸あることになる。上述したように、レンズ保持枠112は支持手段によって光軸と直交する平面内で移動自在とされているので、レンズ保持枠112は3つの駆動軸に沿って、ベース部材121に対して並進移動される。それら3軸に沿った駆動を適切に組み合わせることによって、任意の位置にレンズ保持枠112を移動させることが可能となる。
図2及び図4にあるように、レンズ保持枠112の各バックヨーク114には、それぞれ吸着用磁石141が、永久磁石113の取り付けられる面とは反対側の面に磁気吸引によって取り付けられている。吸着用磁石141と永久磁石113との間の保持力をさらに高めるために、これらの間に接着剤や両面粘着テープ等の接着手段を介在させることも考えられる。また、ベース部材121の裏側であって、これら吸着用磁石141と対応する位置には、それぞれ吸着用ヨーク142が接着剤や両面粘着テープ等の接着手段によって固定されている。この吸着用ヨーク142は、レンズ保持枠112に固定される可動ヨーク115と同様に軟磁性体の金属で作られているので、吸着用磁石141と吸着用ヨーク142との間にも磁気吸引力が発生する。これらの吸着用磁石141と吸着用ヨーク142により、レンズ保持枠112がベース部材121側に付勢される。
次に、上述してきた光学補正ユニット100においてレンズ保持枠112の基準位置の設定に用いる位置規制手段の構成と、これを用いた基準位置の設定手順を説明する。本発明の光学補正ユニット100では、この基準位置を補正レンズ111の可動範囲の中心位置としており、センタリング状態にある光学補正ユニット100では、補正レンズ111はこの基準位置に来るものとする。
図3、図4、及び、図7に示すように、各支持手段の周囲にはベース部材121に対するレンズ保持枠112の移動を規制する位置規制手段がそれぞれ設けられている。これらの位置規制手段は、支持手段を構成している可動側鋼球受け部132の外周面であり、円柱形状を有する規制受け部152と、可動側鋼球受け部132と対向する固定側鋼球受け部133の周囲に設けられ、円筒形状を有する規制凹部151とで構成されている。この規制凹部151の内周面は特許請求の範囲に記載の規制部に対応している。
対応する可動側鋼球受け部132、固定側鋼球受け部133、規制受け部152、及び、規制凹部151それぞれの中心軸は、レンズ保持枠112がベース部材121に対してセンタリングされた状態で全て一致するように配置されており、さらに、規制凹部151の直径は、規制受け部152の直径よりも大きくなっている。規制受け部152と規制凹部151の壁面は光軸方向に対向するように延在しているが、レンズ保持枠112がベース部材121上を平行移動したときに、特定の位置で規制受け部152と規制凹部151とが当接し、レンズ保持枠112の移動が規制されるように構成されている。このときのレンズ保持枠112の移動量は、光学補正に必要な変位量の最大値よりも大きくなっている。
以下に、駆動手段によるレンズ保持枠112の移動について説明する。図8は、上述してきた光学補正ユニット100を概念的に示した上面図であり、3つの駆動手段、3つの位置規制手段、及び、3つの位置検出手段に着目したものである。以降の説明では、第1の駆動手段120xの駆動力の発生方向を第1の方向X、第2の駆動手段120yの駆動力の発生方向を第2の方向Y、第3の駆動手段120zの駆動力の発生方向を第3の方向Zとし、第1の駆動手段120xの駆動力の中心の延長線上に位置する位置規制手段を第1の位置規制手段150x、第2の駆動手段120yの駆動力の中心の延長線上に位置する位置規制手段を第2の位置規制手段150y、第3の駆動手段120zの駆動力の中心の延長線上に位置する位置規制手段を第3の位置規制手段150zとする。さらに、レンズ保持枠112の3方向の位置を検出する各位置検出手段をそれぞれ、第1のホール素子125x、第2のホール素子125y、第3のホール素子125zとする。
第1の駆動手段120xの駆動力のみによってレンズ保持枠112を第1の方向Xへ駆動したときの、各位置規制手段の挙動を説明する。なお、その他の駆動手段による、それぞれの駆動方向における各位置規制手段の挙動については、以下で説明する第1の駆動手段120xに関する挙動と同様であるので省略する。
図9は図3中に示したA−A線断面図であり、本実施形態の光学補正ユニット100において、第1の駆動手段120xが発生する駆動力によってレンズ保持枠112を第1の方向Xに駆動させた状態を示したものである。図9aは、レンズ保持枠112が第1の方向Xのプラス側(図面中の右方向)に駆動され、第1の位置規制手段150xの規制受け部152と規制凹部151とが当接した状態である。各位置規制手段の規制受け部152は全て同一の内径を、また、各位置規制手段の規制凹部151は全て同一の外径を有しているので、図9aの状態では実際には残り2つの位置規制手段においても当接しており、光学補正ユニット100全体としては、3つ全ての位置規制手段が当接していることになる。
図9bは、レンズ保持枠112が第1の方向Xのマイナス側(図面中の左側)に駆動され、第1の位置規制手段150xの規制受け部152と規制凹部151とが当接した状態である。この状態においても、プラス側に駆動した状態と同様に、光学補正ユニット100全体では3つ全ての位置規制手段が当接している。
その他の駆動手段のみによる駆動についても同様に考えると、レンズ保持枠112は第1の方向X、第2の方向Y、及び、第3の方向Zのメカ端において、常に3点で当接することになる。さらに、各位置規制手段は、駆動力の発生方向を基準にして、その延長線上及び延長線を挟む両側に設けられているので、第1の方向X、第2の方向Y、及び、第3の方向Zのメカ端において、レンズ保持枠112はベース部材121に対してコギング等の外乱により回転状態で当接することはない。
次に、上述した位置規制手段を有した光学補正ユニット100におけるレンズ保持枠112の基準位置の設定方法について説明する。本実施形態の光学補正ユニット100は駆動手段を3つ有しているので、レンズ保持枠112の基準位置は、第1の方向X、第2の方向Y、及び、第3の方向Zのそれぞれに関する基準位置を個別に設定することで得られる。
レンズ保持枠112の第1の方向Xに関する基準位置を設定するには、まず、図9aに示すように、第1の駆動手段120xのみを動作させてレンズ保持枠112を第1の方向Xのプラス側に駆動し、第1の位置規制手段150xの規制凹部151と規制受け部152とを当接状態にさせる。上述したように、この状態では3つ全ての位置規制手段が当接している。そして、この状態での第1のホール素子125xの出力を検出する。次に、図9bに示すように、第1の駆動手段120xのみを動作させてレンズ保持枠112を第1の方向Xのマイナス側に駆動し、第1の位置規制手段150xの規制凹部151と規制受け部152とを当接させる。この状態でも3つ全ての位置規制手段が当接している。そして、この状態での第1のホール素子125xの出力を検出する。
最後に、検出したこれらの出力値の中間の値を算出する。この算出値は、第1の方向Xに関する基準位置において、第1のホール素子125xにより検出されるはずの出力値を表している。従って、第1のホール素子125xの出力値がこの値になるようにレンズ保持枠112を駆動することによって、第1の方向に関する基準位置にレンズ保持枠112を移動させることができる。
同様にして、第2の方向Yに関するレンズ保持枠112の基準位置を設定する。即ち、第2の駆動手段120yのみを動作させてレンズ保持枠112を第2の方向Yのプラス側及びマイナス側に駆動させ、第2の位置規制手段150yの規制凹部151と規制受け部152とを当接させる。それらの状態での第2のホール素子125yの出力を検出し、2つの出力値の中間の値を算出する。さらに同様の手順で、第3の方向Zに関するレンズ保持枠112の基準位置を設定する。即ち、第3の駆動手段120zのみを動作させてレンズ保持枠112を第3の方向Zのプラス側及びマイナス側に駆動させ、第3の位置規制手段150zの規制凹部151と規制受け部152とを当接させる。それらの状態での第3のホール素子125zの出力を検出し、2つの出力値の中間の値を算出する。
このようにして得られた3方向の基準位置を同時に満たす点を、ベース部材121に対するレンズ保持枠112の基準位置として設定する。上述したように、各ホール素子で検出される出力値はレンズ保持枠112の回転による誤差を含んでいないので、各方向に関する基準位置が高精度に求めることができる。従って、光学補正ユニット100全体の基準位置も高精度に設定することができ、高精度なぶれ補正を実現することが可能となる。なお、これらの各方向における基準位置設定手順に関しては、プラス側とマイナス側のどちらのホール素子出力を先に検出してもよい。
第1の実施形態の光学補正ユニット100では、上述したように3つある位置規制手段が全て当接することで、ベース部材121に対してレンズ保持枠112が回転することがなく、回転誤差を含まないホール素子出力を得ることができ、その結果、基準位置を高精度に設定することができた。しかしながら、各位置規制手段は製造誤差によりそれぞれ異なった寸法を有しているので、実際には3点のうち不特定の2点しか当接しない可能性が大きく、その場合に、レンズ保持枠112が回転した状態で検出された出力に基づいて基準位置を設定してしまう可能性がある。
また、不特定の2点で当接することにより、当接した状態におけるレンズ保持枠112の回転角に固体によるばらつきが生じてしまうことが考えられる。例えば、第1の方向Xに関する基準位置を設定する際に、第2の位置検出手段150y及び第3の位置検出手段150zが当接すればレンズ保持枠112の回転を防ぐことができるが、その他の可能性として、まず第1の位置規制手段150xが当接した後、従来技術のように各駆動手段内の駆動用磁石のコギング等の外乱によってベース部材121に対してレンズ保持枠112が回転し、第2の位置規制手段150y又は第3の位置規制手段150zが当接するということも起こりうる。このように、不特定の2点で当接してしまうと、各ホール素子の出力に再現性がなくなってしまうので、基準位置を高精度に設定することができない。
この製造誤差を防ぐ方法として、各位置規制手段の製造公差を厳しく設定することが考えられるが、製造コストの増加につながる恐れがある。そこで、このような製造誤差による影響を低減する構成として、以下に示す第2乃至第4の実施形態を考える。第2乃至第4の実施形態の光学補正ユニットは、基本的に上述した第1の実施形態の光学補正ユニットと同様の構成を有しているので、同一の部材には同一の符号を付している。各実施形態と第1の実施形態との差異は、3つの位置規制手段の形状のみである。なお、第2乃至第4の各実施形態においても、補正レンズの基準位置の設定手順は第1の実施形態において説明したものと同様の手順で行うことができる。
図10は、本発明の光学補正ユニットの第2の実施形態を概念的に表した上面図である。本実施形態において、第1の方向Xに関する基準位置を設定する手順に着目する。第1の位置規制手段150xの規制凹部151では、対応する第1の駆動手段120xの駆動力の中心の延長線上に位置する壁面部が欠落した切り欠き部151aを有する形状となっている。この切り欠き部151aは、特許請求の範囲に記載の逃げ形状を構成している。
第1の位置規制手段150xの規制凹部151をこのような形状とすると、レンズ保持枠112を第1の方向Xのメカ端まで移動させたときに第1の位置規制手段150xは当接しないので、実際に当接するのは第2の位置規制手段150y及び第3の位置規制手段150zの2つのみとなる。このとき当接する2つの位置規制手段は第1の駆動手段120xの駆動力の中心の延長線を挟む両側に位置するので、レンズ保持枠112はベース部材121に対して回転状態で当接することはない。これは、第1の方向Xのプラス側及びマイナス側のどちらに駆動させた場合でも成り立つ。さらに、当接する位置規制手段が第2の位置規制手段150y及び第3の位置規制手段150zと決まっているので、第1のホール素子125xは、第1の位置規制手段150xの製造誤差に影響されることなくメカ端における磁束密度を検出することができる。
上述した第1の方向Xと同様に、第2の方向Y及び第3の方向Zに関しても、対応する位置規制手段の規制凹部151にそれぞれ切り欠き部151aが設けられており、それぞれの移動方向のメカ端でもレンズ保持枠112が回転せずに、また、必ず特定の2つの位置規制手段が当接することができる。これにより、3点当接とした第1の実施形態の構成と比べ、製造誤差による影響を軽減しつつ、メカ端におけるレンズ保持枠112の回転を防ぐことが可能となる。なお、各切り欠き部の大きさは、少なくとも各駆動手段の駆動力の発生方向に関しては、コギング等による外乱を考慮しても特定の2点当接を実現できる適切な大きさとし、且つ、各駆動手段の駆動力発生方向以外に関しても2点又は3点での当接を可能とする大きさとする。
図11は、本発明の光学補正ユニットの第3の実施形態を概念的に表した上面図である。本実施形態では、上述した第2の実施形態とは逆に、各位置規制手段の規制受け部152の形状を変更している。本実施形態において、第1の方向Xに関する基準位置を設定する手順に着目する。第1の位置規制手段150xの規制受け部152は、対応する第1の駆動手段120xの駆動力の中心の延長線上に位置する壁面部を面取りした面取り部152aを有する形状となっている。この面取り部152aは、特許請求の範囲に記載の逃げ形状を構成している。
第1の位置規制手段150xの規制受け部152をこのような形状とすると、レンズ保持枠112を第1の方向Xのメカ端まで移動させたときに第1の位置規制手段150xは当接しないので、実際に当接するのは第2の位置規制手段150y及び第3の位置規制手段150zの2つのみとなる。第1の方向Xと同様に、第2の方向Y及び第3の方向Zに関しても、対応する位置規制手段の規制受け部152にそれぞれ面取り部152aが設けられており、それぞれの移動方向のメカ端でも必ず2点で当接することになるので、これにより、第2の実施形態の説明で述べた効果と同様の効果を得ることができる。なお、各面取り部の大きさは、第2の実施形態と同様に、少なくとも各駆動手段の駆動力の発生方向に関しては、コギング等による外乱を考慮しても特定の2点当接を実現できる適切な大きさとし、且つ、各駆動手段の駆動力発生方向以外に関しても2点又は3点での当接を可能とする大きさとする。
上述した第1の実施形態では、例えば、第1の方向Xのメカ端にレンズ保持枠112を駆動すると、3点での当接であるおかげでレンズ保持枠112は回転することなくベース部材121に当接することができる。しかしながら、第1の実施形態の各位置規制手段の規制凹部151が概ね円筒形状の内周面を有しているため、各規制受け部152が3点当接したまま、この内周面に沿った円弧軌道の平行移動をすることが可能であった。このような円弧軌道の平行移動が基準位置設定中に発生すると、各駆動手段の永久磁石113による磁束密度が変化する方向に位置ずれを起こしてしまうので、各ホール素子出力に平行移動誤差が含まれる可能性がある。第2及び第3の実施形態も規制凹部151の内周面が概ね円筒形状を有しているので、第1の実施形態と同様に各ホール素子出力に平行移動誤差が含まれる可能性があった。
そこで、この平行移動誤差を取り除くことで基準位置の更なる高精度化を実現する構成が、以下に説明する第4の実施形態である。図12は、本発明の光学補正ユニットの第4の実施形態を概念的に表した上面図である。本実施形態では、上述した第2の実施形態と同様に、各位置規制手段の規制凹部151の形状を変更してはいるが、第2の実施形態が各規制受け部152と当接しないための逃げ形状を設けていたのとは異なり、各規制受け部152と当接するための当接平面部151bを半径方向内側に、光学補正に必要な変位量の領域に干渉しない範囲で突設した構成となっている。
本実施形態において、第1の方向Xに関する基準位置を設定する手順に着目する。第2の位置規制手段150y及び第3の位置規制手段150zの各規制凹部151は、レンズ保持枠112が第1の方向Xに駆動したときに当接する箇所に当接平面部151bを有する形状となっている。即ち、各規制凹部151の中心から第1の方向Xに伸ばした直線とそれぞれの規制凹部151とが重なる位置に当接平面部151bが設けられている。この当接平面部151bはさらに、第1の方向Xと垂直に交わるように構成されている。
第1の位置規制手段150xの規制受け部152をこのような形状とすると、レンズ保持枠112を第1の方向Xのメカ端まで移動させたとき、第2の位置規制手段150y及び第3の位置規制手段150zの2つのみ当接し、第1の位置規制手段150xは当接しないことになる。第1の方向Xと同様に、第2の方向Y及び第3の方向Zに関しても、対応する各位置規制手段の規制凹部151にそれぞれ当接平面部151bが設けられており、各移動方向のメカ端でも必ず2点で当接することになるので、これにより、第2の実施形態の説明で述べた効果と同様の効果を得ることができる。
さらに、各移動方向と対応する各当接平面部とが互いに垂直に交わる構成とすることで、メカ端において、規制受け部152が規制凹部151の当接平面部151bに沿って位置ずれを起こしたとしても、レンズ保持枠112は各永久磁石113による磁束密度が変化しない方向への平行移動のみに規制されるので、各ホール素子出力が、第1乃至第3の実施形態で懸念される平行移動誤差を含むことはない。なお、各当接平面部の大きさは、第2及び第3の実施形態と同様に、少なくとも各駆動手段の駆動力の発生方向に関しては、コギング等による外乱を考慮しても特定の2点当接を実現できる適切な大きさとし、且つ、各駆動手段の駆動力発生方向以外に関しても2点又は3点での当接を可能とする大きさとする。
図13は、上述してきた構成及び機能を有した光学補正ユニット100を備えた本発明のレンズ鏡筒の一実施形態を示したブロック図であり、さらに、このレンズ鏡筒とカメラ本体とからなるカメラシステムのブロック図を示している。このカメラシステムは、本発明の撮像装置の一実施形態を示すものである。
カメラシステム200は、レンズ鏡筒210及びカメラ本体220から構成されている。レンズ鏡筒210は概ね円筒形状であり、内部に結像光学系211を備えている。レンズ鏡筒210の後端部には不図示のレンズ側マウントが設けられている。また、カメラ本体220の前面には不図示のカメラ側マウントが設けられており、双方のマウントが結合することでレンズ鏡筒210とカメラ本体220とが着脱可能に固定される。
結像光学系211の光軸上のカメラ本体220内部には、被写体光を光電変換する不図示の撮像素子(CCD、CMOS等)が設けられている。また、カメラ本体220背面には不図示の表示装置(LCD、有機EL等)が設けられており、さらに、カメラ本体220には記録メディア用のスロットが設けられている。これにより、このカメラ本体220は、撮像素子で得られた画像情報を記録メディアに記録したり、表示装置に表示したりすることができる。
レンズ鏡筒210内には、さらに上述してきた光学補正ユニット100が備えられている。この光学補正ユニット100の補正レンズ111は、レンズ鏡筒210の結像光学系211の一部を構成している。また光学補正ユニット100のベース部材121は、センタリング状態にある光学補正ユニット100の補正レンズ111の光軸が結像光学系の光軸と一致するように、レンズ鏡筒210内に固定されている。
レンズ鏡筒210には2つのジャイロセンサ212が備えられており、カメラシステム200のピッチ方向とヨー方向の回転を検知する。これらのジャイロセンサ212が、撮影者の手の震えや揺れ等によってカメラシステム200に働く加速度、角速度、又は角加速度からカメラ姿勢の変化を検出し、検出されたカメラ姿勢情報がCPU221内の制御量演算部221aに入力される。
また、すでに述べたように、光学補正ユニット100内で位置検出系を構成する3つのホール素子125は、永久磁石113の移動に伴う磁束の変化を検出する。3つのホール素子125の出力から、そのときの補正レンズ111の位置がわかる。検出された補正レンズ111の位置情報もCPU221内の制御量演算部221aに入力される。
CPU221内の制御量演算部221aでは、入力されたカメラ姿勢情報及び補正レンズ位置情報が比較され、ぶれ補正に必要な制御量が算出される。算出された制御量は、同じくCPU221内にある駆動制御部221bに送られる。
駆動制御部221bでは、算出された制御量に基づいて、ぶれ量を補正するために必要な補正レンズ111の駆動量及び駆動方向が演算され、各駆動手段のコイル124に流す電流量等が適切に制御される。
上述した各実施形態では、各位置規制手段の規制受け部と規制凹部とをそれぞれレンズ保持枠とベース部材とに設けていたが、これらの位置関係を逆にして、規制受け部をベース部材に、規制凹部をレンズ保持枠に配置しても同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施形態として光学補正ユニット100を有するレンズ鏡筒を交換レンズ210とし、これをカメラ本体220に結合したカメラシステム200について説明したが、ぶれ補正を行うための各種演算部をレンズ鏡筒内に配置することで、レンズ鏡筒のみでぶれ補正を行うことも可能である。
さらに、本発明の撮像装置の一実施形態としてカメラシステム200について説明したが、これに限られるものではなく、例えばビデオカメラやコンパクトデジタルカメラに適用することも可能である。
光学補正ユニット、レンズ鏡筒及び撮像装置によれば、ユニットを大型化させずに、メカ端における可動部材の回転誤差をなくし、補正レンズの基準位置を高い精度で設定することが可能となる。
100 光学補正ユニット
111 補正レンズ
112 レンズ保持枠
113 永久磁石
114 バックヨーク
115 可動ヨーク
120x 第1の駆動手段
120y 第2の駆動手段
120z 第3の駆動手段
121 ベース部材
122 回路基板
124 コイル
125 ホール素子
125x 第1のホール素子
125y 第2のホール素子
125z 第3のホール素子
131 鋼球
132 可動側鋼球受け部
133 固定側鋼球受け部
150x 第1の位置規制手段
150y 第2の位置規制手段
150z 第3の位置規制手段
151 規制凹部
151a 切り欠き部
151b 当接平面部
152 規制受け部
152a 面取り部
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向

Claims (9)

  1. 振動に起因する像ぶれを補正する補正レンズと、
    前記補正レンズを保持する可動部材と、
    ユニットの基部を構成するベース部材と、
    前記可動部材を、前記補正レンズの光軸に略直交する第1の方向に移動させる駆動力を発生する第1の駆動手段と、
    前記可動部材を、前記光軸に略直交し、前記第1の方向と重ならない第2の方向に移動させる駆動力を発生する第2の駆動手段と、
    前記可動部材を、前記光軸に略直交し、前記第1の方向及び前記第2の方向と重ならない第3の方向に移動させる駆動力を発生する第3の駆動手段と、
    前記光軸を挟んで第1乃至第3の駆動手段と対向する領域にそれぞれ設けられ、前記可動部材を前記ベース部材に対して前記光軸と略直交する平面上で並進及び回転自在に支持する第1乃至第3の支持手段と、
    前記第1乃至第3の方向に関する前記可動部材の位置をそれぞれ検出する第1乃至第3の位置検出手段と、
    を備える光学補正ユニットにおいて、
    前記第1乃至第3の支持手段の周囲に、前記可動部材の前記第1乃至第3の方向への移動を規制する第1乃至第3の位置規制手段を、それぞれ前記支持手段を取り囲むように設け、
    前記可動部材と前記ベース部材のメカ端が当接した状態で、前記第1乃至第3の位置規制手段の少なくとも2つの位置規制手段によって、前記可動部材の前記ベース部材に対する移動及び回転が規制される
    ことを特徴とする光学補正ユニット。
  2. 前記第1乃至第3の駆動手段は、前記光軸を中心とする円周上に略120°間隔で配置されており、前記第1乃至第3の駆動力の中心の延長線の交点が前記光軸上に位置することを特徴とする請求項1に記載の光学補正ユニット。
  3. 前記第1乃至第3の位置規制手段は、前記可動部材又は前記ベース部材の一方に設けられ、略円筒形状の内周面を有する規制部と、前記可動部材又は前記ベース部材の他方に設けられ、略円柱形状の外周面を有する規制受け部とからなり、前記規制部の内周面と前記規制受け部の外周面とが互いに当接することで、前記可動部材の移動及び回転を規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補正ユニット。
  4. 前記第1乃至第3の位置規制手段は、対応する前記第1乃至第3の駆動手段の駆動力の中心の延長線上に位置する領域に、当接を回避する逃げ形状を有しており、
    前記可動部材が前記第1の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第2及び第3の位置規制手段のみが当接し、
    前記可動部材が前記第2の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第3及び第1の位置規制手段のみが当接し、
    前記可動部材が前記第3の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第1及び第2の位置規制手段のみが当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学補正ユニット。
  5. 前記逃げ形状は、前記第1乃至第3の位置規制手段の各規制部において、対応する前記第1乃至第3の駆動手段の駆動力の中心の延長線と交わる内周面及びその近傍に設けられた切り欠き又は溝であることを特徴とする請求項4に記載の光学補正ユニット。
  6. 前記逃げ形状は、前記第1乃至第3の位置規制手段の各規制受け部において、対応する前記第1乃至第3の駆動手段の駆動力の中心の延長線と交わる外周面及びその近傍に設けられた面取り又は切り欠きであることを特徴とする請求項4に記載の光学補正ユニット。
  7. 前記第1の位置規制手段の規制部の内周面に、前記第2の方向と直交する当接平面と、第3の方向と直行する当接平面とを有し、
    前記第2の位置規制手段の規制部の内周面に、前記第3の方向と直交する当接平面と、第1の方向と直行する当接平面とを有し、
    前記第3の位置規制手段の規制部の内周面に、前記第1の方向と直交する当接平面と、第2の方向と直行する当接平面とを有しており、
    前記可動部材が前記第1の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第2及び第3の位置規制手段にそれぞれ設けられた2つの前記当接平面のみが、対応する前記規制受け部と当接し、
    前記可動部材が前記第2の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第3及び第1の位置規制手段にそれぞれ設けられた2つの前記当接平面のみが、対応する前記規制受け部と当接し、
    前記可動部材が前記第3の駆動手段のみによってメカ端まで駆動されたとき、前記第1及び第2の位置規制手段にそれぞれ設けられた2つの前記当接平面のみが、対応する前記規制受け部と当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学補正ユニット。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光学補正ユニットを備えたことを特徴とするレンズ鏡筒。
  9. 請求項8に記載のレンズ鏡筒を備えたことを特徴とする撮像装置。
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