JP4336698B2 - アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ - Google Patents

アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ Download PDF

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本発明は、アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関し、特に、撮像用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
特許第3397536号公報(特許文献1)には、補正光学装置が記載されている。この補正光学装置は、光軸を偏心させる補正用レンズと、この補正用レンズを係止するロックリングと、を有する。ロックリングは、補正用レンズを取り囲む環状の形状を有し、その内周に補正用レンズの枠と係合するカム部が形成されている。この補正光学装置では、補正光学装置による補正を行わない場合には、補正用レンズを取り囲んでいるロックリングを回転させ、その内周に形成されたカム部と補正用レンズの枠の外周部を係合させて、補正用レンズを係止している。
特許第3397536号公報
しかしながら、特許第3397536号公報記載の補正光学装置では、補正用レンズを係止するために、ロックリングを回転させる必要があり、このため、補正用レンズを駆動するためのアクチュエータとは別に係止用のアクチュエータを設けなければならないという問題がある。さらに、補正用レンズの枠にロックリングのカムを係合させて補正用レンズを係止するには、カムを押し付ける力に抗して補正用レンズを保持しておく必要があるので、補正用レンズの支持機構を必要以上に頑強に構成しておかなければならないという問題がある。
従って、本発明は、ロックリング等の部材を駆動するためのアクチュエータを設けることなく、可動部を係止することができるアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、撮像用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、固定部と、撮像用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を、固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、可動部を固定部に対して移動させるための駆動手段と、第1位置と第2位置の間で移動可能に設けられた係止用部材と、この係止用部材が第2位置へ移動されるように係止用部材を付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢力に抗して係止用部材を第1位置に保持する保持手段と、可動部が所定の解除位置に移動されると保持手段に作用して、係止用部材の保持を解除させる保持解除手段と、係止用部材が付勢手段の付勢力により第2位置へ移動されると、この移動に伴って可動部を所定の係止位置に移動させる可動部係動手段と、可動部が係止位置に移動されると、可動部と係合して可動部を係止する係合受け部と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、撮像用レンズが取り付けられた可動部が、可動部支持手段によって、固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持されている。可動部は、駆動手段により、固定部に対して移動され像振れが防止される。可動部を係止位置に移動させる場合には、可動部を所定の解除位置に移動させることにより、保持解除手段を作動させる。保持解除手段は、係止用部材を第1位置に保持している保持手段に作用して、係止用部材の保持を解除させる。保持手段による保持が解除されると、係止用部材は、付勢手段の付勢力により第2位置へ移動される。係止用部材が第2位置へ移動されると、可動部は、可動部係動手段により所定の係止位置に移動される。係合受け部は、係止位置に移動された可動部と係合して、可動部を係止する。
このように構成された本発明によれば、可動部の移動により保持解除手段が作動され、可動部を係止位置に移動させることができるので、可動部を係止するための特別なアクチュエータを設けることなく、可動部を係止することができる。
本発明において、好ましくは、係合受け部は、可動部が撮像用レンズの光軸を中心に回転されることにより、可動部と係合するように形成されている。
このように構成された本発明によれば、可動部自体が回転され、係止されるので、可動部と係合して、係止するための係合受け部を回転させる必要がない。また、可動部を、撮像用レンズの光軸を中心に回転させることにより係止位置に移動させることができるので、可動部を係止位置に移動させる際に画像が乱れ、使用者に違和感を与えることがない。
本発明において、好ましくは、係止用部材は第1位置と第2位置の間で回転移動可能に支持され、付勢手段は、係止用部材を第2位置へ回転させるように付勢する。
このように構成された本発明においては、係止用部材は、付勢手段により、第1位置から第2位置へ回転移動され、この回転移動により、可動部は係止位置に移動される。
本発明において、好ましくは、可動部係動手段は、可動部及び係止用部材の何れか一方に形成され、他方に係合する係動突起を備え、この係動突起は、係止用部材が第2位置へ回転されると、可動部を係止位置に回転移動させるように形成されている。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により係止用部材の回転を可動部に伝達し、可動部を回転移動させることができる。
本発明において、好ましくは、保持手段は、ロックレバーと、係止用部材が第1位置にあるとき、ロックレバーと係合して係止用部材を第1位置に保持するロックレバー係合部と、を有する。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、付勢手段の付勢力に抗して係止用部材を第1位置に保持することができる。
本発明において、好ましくは、保持解除手段は、可動部に形成され、可動部が解除位置に移動されると、ロックレバーを押圧してロックレバーとロックレバー係合部の係合を解除する解除突起である。
このように構成された本発明によれば、簡単な機構により、ロックレバーとロックレバー係合部の係合を解除することができる。
また、本発明のレンズユニットは、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、これら撮像用レンズの一部を可動部に取り付けた本発明のアクチュエータと、を有することを特徴としている。
さらに、本発明のカメラは、カメラ本体と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明のアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、ロックリング等の部材を駆動するためのアクチュエータを設けることなく、可動部を係止することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1乃至図16を参照して、本発明の実施形態によるカメラを説明する。図1は本発明の実施形態によるカメラの断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、撮像用レンズのうちの像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振動を検出する振動検出手段であるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。
レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けられ、入射した光をフィルム面Fに結像させるように構成されている。
概ね円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34a、34bによって振動を検出し、検出された振動に基づいてアクチュエータ10を作動させて像振れ補正用レンズ16を移動させ、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される画像を安定化させている。本実施形態においては、ジャイロ34a、34bとして、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ補正用レンズ16は、1枚のレンズによって構成されているが、画像を安定させるためのレンズは、複数枚のレンズ群であっても良い。
次に、図2乃至図9を参照して、アクチュエータ10の構成を説明する。図2は、移動枠が像振れ防止制御の位置にあるアクチュエータ10の側面断面図である。また、図3はアクチュエータ10をカメラ本体4側から見た背面図であり、図4は、固定枠を取り外した状態を示すアクチュエータ10の背面図である。さらに、図5は、固定枠12及び移動枠14を取り外したアクチュエータ10をカメラ本体4側から見た背面図である。また、図6は、固定枠をレンズユニット2先端側から見た正面図である。さらに、図7は、移動枠をレンズユニット2先端側から見た正面図であり、図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。また、図9(a)は図3のIX−IX線に沿う側面断面図である。また、図9(b)は、駆動用磁石の着磁の状態を示す斜視図である。
図2乃至図9に示すように、アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6内に固定されたハウジング11と、このハウジング11に取り付けられた固定部である固定枠12と、固定枠12に対して移動可能に支持された可動部である移動枠14と、この移動枠14を支持する可動部支持手段である3つのスチールボール18(図4)と、を有する。また、ハウジング11には、ハウジング11に対して回転可能に取り付けられた係止用部材である係止用回転板13が取り付けられている。さらに、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた3つの駆動用コイル20a、20b、20c(図6)と、移動枠14の、駆動用コイル20a、20b、20cに夫々対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石22a、22b、22c(図7)と、を有する。
また、図6、7及び図9(a)に示すように、アクチュエータ10は、各駆動用磁石22a、22b、22cの磁力によって移動枠14を固定枠12に吸着させるために、固定枠12に取り付けられた吸着用ヨーク26と、駆動用磁石の磁力を固定枠12の方に効果的に差し向けるように、駆動用磁石の裏側に取り付けられたバックヨーク28と、を有する。なお、駆動用コイル20a、20b、20c、及びこれらに対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石22a、22b、22cは、移動枠14を、固定枠12に対して並進運動させ、且つ回転運動させることができる駆動手段を構成する。
さらに、図6及び図9(a)に示すように、各駆動用コイル20a、20b、20cの巻線の内側には、磁気センサであるホール素子24a、24b、24cが配置されている。各ホール素子24a、24b、24cは、これらと夫々向き合うように配置されている各駆動用磁石22a、22b、22cの磁気を検出して、固定枠12に対する移動枠14の位置を検出するように構成されている。これらのホール素子24a、24b、24c及び駆動用磁石22a、22b、22cは、位置検出手段を構成する。
また、図1に示すように、アクチュエータ10は、ジャイロ34a、34bによって検出された振動と、ホール素子24a、24b、24cによって検出された移動枠14の位置情報に基づいて、各駆動用コイル20a、20b、20cに流す電流を制御する制御手段であるコントローラ36を有する。
アクチュエータ10は、移動枠14を、レンズ鏡筒6に固定された固定枠12に対して、フィルム面Fに平行な平面内で移動させ、これにより移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16を移動させ、レンズ鏡筒6が振動してもフィルム面Fに結像される像が乱れることがないように駆動される。
図5に示すように、ハウジング11は、外周に縁を設けた概ねドーナツ板状の形状を有し、その内部には係止用回転板13が回転移動可能に取り付けられている。係止用回転板13は、概ねドーナツ板状の薄板であり、その円周上には、レンズ鏡筒6の光軸と平行に延びる可動部係動手段である係動突起13aが形成されている。
さらに、係止用回転板13には、ほぼ円周方向に延びる円弧状の長穴13bが形成されており、この長穴13bの中には、ハウジング11から光軸方向に延びる固定柱状部11aが受け入れられている。一方、係止用回転板13側には、光軸方向に延びる可動柱状部13cが形成されており、この可動柱状部13cの先端と固定柱状部11aの先端を連結するように、付勢手段である強制回転用バネ29が配置されている。この強制回転用バネ29により、係止用回転板13は、これを図5における反時計回りに回転させる付勢力を受けている。
また、係止用回転板13には、光軸方向に延びる支柱13dが形成されており、この支柱13dには、ロックレバー30が回動可能に取り付けられている。ロックレバー30の先端にはロック爪30aが形成されており、このロック爪30aの反対側の端部には係合片30cが形成されている。また、支柱13dの周囲にはねじりバネ30bが配置されており、ロックレバー30を、ロック爪30aが半径方向内方に移動されるように付勢している。さらに、係止用回転板13には、もう一つの長穴13eが形成されており、この長穴13eの中には、ハウジング11から光軸方向に延びる長方形断面のロックレバー係合部11bが受け入れられている。このロックレバー係合部11bがロックレバー30のロック爪30aと係合することにより、係止用回転板13は、強制回転用バネ29の付勢力に抗して第1位置であるロック位置に係止される。本実施形態において、ロックレバー30及びロックレバー係合部11bは、保持手段を構成する。
一方、図6に示すように、固定枠12は、概ねドーナツ板状の形状を有し、その上に3つの駆動用コイル20a、20b、20cが配置されている。図6に示すように、これら3つの駆動用コイル20a、20b、20cは、その中心が、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上にそれぞれ配置されている。本実施形態においては、駆動用コイル20aは光軸の鉛直上方に配置され、駆動用コイル20b、20cは、駆動用コイル20aに対して中心角120゜ずつ間隔を隔てて配置されている。即ち、駆動用コイル20a、20b、20cは、光軸を中心とする円周上に等間隔に配置されている。また、駆動用コイル20a、20b、20cは、夫々、その巻線が角の丸い矩形状に巻かれ、この矩形の中心線が円周の半径方向と一致するように配置されている。
次に、図7及び図8に示すように、移動枠14は、概ねドーナツ板状の形状を有し、固定枠12と平行に、ハウジング11の縁に取り囲まれるように配置されている。移動枠14の中央の開口には、像振れ補正用レンズ16が取り付けられている。また、移動枠14の係止用回転板13と向かい合う側の面には、台形状の凹部14aが形成されており、係止用回転板13から延びる係動突起13aの先端が、この凹部14aの中に受け入れられている。これにより、ロックレバー30の係合が解除され、係止用回転板13が回転されると、係動突起13aの先端と凹部14aの縁が係合し、移動枠14も係止位置に回転される。
また、移動枠14の係止用回転板13と向かい合う側の面には、光軸方向に延びる解除突起14bが形成されている。この解除突起14bは、係止用回転板13に取り付けられたロックレバー30(図5)に対応する位置に形成されており、移動枠14が所定の解除位置まで回転されると、ロックレバー30を回動させるように構成されている。即ち、解除突起14bは、移動枠14が解除位置まで回転されると、ロックレバー30の係合片30cを押圧してロック爪30aを半径方向外方に移動させ、ロックレバー係合部11bとの係合を解除するように構成されている。本実施形態において、解除突起14bは、ロックレバー30に作用して、係止用回転板13の保持を解除させる保持解除手段として作用する。
一方、移動枠14上の円周の、各駆動用コイル20a、20b、20cに対応する位置には、長方形の駆動用磁石22a、22b、22cが夫々埋め込まれている。なお、本明細書において、駆動用コイルに対応する位置とは、駆動用コイルによって形成される磁界の影響が実質的に及ぶ位置を意味している。また、駆動用磁石の裏側、即ち、各駆動用コイルの反対側には、各駆動用磁石の磁束が、固定枠12の方に効率良く差し向けられるように、長方形のバックヨーク28が夫々取り付けられている。
また、図3に示すように、固定枠12の各駆動用コイルの裏側、即ち、移動枠14の反対側には、長方形の吸着用ヨーク26が夫々取り付けられている。移動枠14は、各駆動用磁石22a、22b、22cが、それに対応して取り付けられた吸着用ヨーク26に及ぼす磁力によって、固定枠12に吸着される。本実施形態においては、駆動用磁石の磁力線が、吸着用ヨーク26に効率良く到達するように、固定枠12を非磁性材料で構成している。
次に、図2、図4及び図6を参照して、スチールボール18による移動枠14の支持機構を説明する。
図2に示すように、3つのスチールボール18は、固定枠12と移動枠14の間に夫々配置されている。また、図6に示すように、3つのスチールボール18は、夫々、中心角120゜の間隔を隔てて配置され、各スチールボール18が、各駆動用コイルの間に位置するように配置されている。各スチールボール18は、固定枠12及び移動枠14の各スチールボール18に対応する位置に夫々形成された隆起部12a、14cの間に配置されている。移動枠14は駆動用磁石22によって固定枠12に吸着されており、各スチールボール18は固定枠12と移動枠14の間に挟持される。これにより、移動枠14は固定枠12に平行な平面上に支持され、各スチールボール18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定枠12に対する任意の方向の並進運動及び回転運動が許容される。
また、本実施形態においては、スチールボール18として鋼製の球体を使用しているが、スチールボール18は必ずしも球体でなくても良い。即ち、アクチュエータ10の作動中において固定枠12及び移動枠14と接触する部分が概ね球面の形状を有する形態であればスチールボール18として使用することができる。なお、本明細書において、このような形態を球状体という。
次に、図9を参照して、駆動用磁石が及ぼす磁力について説明する。駆動用磁石22a、22b、22c、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26は、夫々長方形の形状を有しており、各長辺、短辺が夫々重なり合うように配置されている。また、駆動用コイル20a、20b、20cは、その各辺が、長方形のバックヨーク28の各長辺、短辺と夫々平行になるように配置されている。さらに、各駆動用磁石は、その磁極の境界線である着磁境界線Cが、各駆動用磁石が配置されている円周の半径方向に一致するように向けられている。
これにより、駆動用磁石22a、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26は、磁気回路を構成し、図9(a)に矢印で示す磁力線が形成される。駆動用磁石22aは、対応する駆動用コイル20aに電流が流れると、円周の接線方向の駆動力を受ける。また、他の駆動用コイル20b、20cについても、同様の位置関係で対応する駆動用磁石22b、22c、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26が配置されている。
なお、本明細書において、着磁境界線Cとは、駆動用磁石の両端が夫々S極、N極となるように着磁されているとき、その着磁されている磁極の境界線を言うものとする。従って、本実施形態においては、着磁境界線Cは、長方形の駆動用磁石の各長辺の中点を通るように位置する。また、図9(b)に示すように、駆動用磁石22aは、その厚さ方向にも極性が変化しており、図9(b)において左下の角がS極、右下がN極、左上がN極、右上がS極になっている。
次に、図9を参照して、各駆動用磁石が受ける駆動力を説明する。
まず、図9(a)に示すように、駆動用磁石22aの第1磁石部22a1である右半部は、駆動用コイル20aの第1巻線部20a1である右端部に、図9(a)において上方から下方に向かう磁力線を及ぼす。同様に、駆動用磁石22aの第2磁石部22a2である左半部は、駆動用コイル20aの第2巻線部20a2である左端部に、図9(a)において下方から上方に向かう磁力線を及ぼす。駆動用磁石22aによってこのように形成された磁界中において、駆動用コイル20aの第1巻線部20a1に図9(a)の紙面の奥側から手前側に向かう電流が流れ、第2巻線部20a2に、その反対方向の電流が流れると、駆動用磁石22aを図9(a)における右方向に移動させる駆動力が発生する。
この駆動力は、駆動用磁石22a及び駆動用コイル20aが図9(a)に示す位置関係にある時、即ち、駆動用磁石22aの着磁境界線Cが駆動用コイル20aの中心に位置するとき最大になる。また、駆動力は、最大の位置から駆動用磁石22aが右又は左にずれるに従って減少する。さらに、移動枠14が移動され、駆動用コイル20aの第1巻線部20a1と駆動用磁石22aの第2磁石部22a2が向き合うようになると、駆動力の方向が逆転し、駆動用磁石22aは、図9(a)における左方向の駆動力を受けるようになる。
一方、駆動用磁石22aが左方向に移動された場合も、駆動力は減少してゼロとなり、やがて駆動力の方向が逆転する。以上、説明した駆動力は、駆動用コイル20aに上述した方向の電流が流れた場合のものであり、駆動用コイル20aに反対方向の電流が流れた場合には、駆動力の方向が全て反転する。また、上記では、駆動用コイル20aと駆動用磁石22aの間に発生する駆動力について説明したが、他の2組の駆動用コイル及び駆動用磁石の間に発生する駆動力についても全く同様である。
なお、本実施形態によるカメラ1のアクチュエータ10では、駆動用コイルの第1巻線部と駆動用磁石の第1磁石部、及び第2巻線部と第2磁石部が対向し、十分な駆動力が発生する通常作動領域内において像振れ防止制御が実行される。また、移動枠14が係止位置に移動された状態においては、発生する駆動力は減少するものの、依然として、駆動用コイルの第1巻線部と駆動用磁石の第1磁石部、及び第2巻線部と第2磁石部が対向する状態に維持される。
次に、図10及び図11を参照して、移動枠14の位置検出を説明する。
図10及び図11は、駆動用磁石22aの移動とホール素子24aから出力される信号との関係を説明する図である。図10に示すように、ホール素子24aの感度中心点Sが、駆動用磁石22aの着磁境界線C上に位置する場合には、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。移動枠14と共に駆動用磁石22aが移動され、ホール素子24aの感度中心点が駆動用磁石22aの着磁境界線上から外れると、ホール素子24aの出力信号が変化する。図10に示すように、駆動用磁石22aが着磁境界線Cに直交する方向、即ち、X軸方向に移動すると、ホール素子24aは、正弦波状の信号を発生する。従って、この移動量が微小である場合には、ホール素子24aは、駆動用磁石22aの移動距離にほぼ比例した信号を出力する。本実施形態において、駆動用磁石22aの移動距離が、駆動用磁石22aの長辺の長さの3%程度以内の場合には、ホール素子24aから出力される信号は、ホール素子24aの感度中心点Sと駆動用磁石22aの着磁境界線Cの間の距離にほぼ比例する。また、本実施形態では、アクチュエータ10は、通常作動領域においては各ホール素子の出力が距離にほぼ比例する範囲内で作動する。
図11(a)乃至(c)に示すように、ホール素子24aの感度中心点S上に駆動用磁石22aの着磁境界線Cが位置する場合には、図11(b)のように駆動用磁石22aが回転移動した場合、図11(c)のように駆動用磁石22が着磁境界線Cの方向に移動した場合とも、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。また、図11(d)乃至(f)に示すように、駆動用磁石22aの着磁境界線Cがホール素子24aの感度中心点Sから外れた場合には、感度中心点Sと着磁境界線Cの距離rに比例した信号がホール素子24aから出力される。従って、感度中心点Sから着磁境界線Cまでの距離rが同じであれば、図11(d)のように駆動用磁石22aが着磁境界線Cに直交する方向に移動した場合、図11(e)のように駆動用磁石22aが並進及び回転移動した場合、図11(f)のように任意の方向に並進移動した場合とも、何れも同じ大きさの信号がホール素子24aから出力される。
ここでは、ホール素子24aについて説明したが、他のホール素子24b、24cも、それらに対応する駆動用磁石22b、22cとの位置関係に基づいて同様の信号を出力する。このため、各ホール素子24a、24b、24cによって検出された信号に基づいて、移動枠14が固定枠12に対して並進移動及び回転移動した位置を特定することができる。
次に、図4及び図16を参照して、移動枠14の係止機構を説明する。図16は、移動枠14が係止位置に移動された状態を示す図である。
図4に示すように、ハウジング11には、その内壁面から半径方向内方に延びる3つの位置決め用の係合受け部15が設けられている。各係合受け部15は、ハウジング11の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて配置されている。また、移動枠14には、各係合受け部15と当接するように、3つの位置決め用の係合部である切欠17が、移動枠14の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて形成されている。各切欠17は、移動枠14が所定の係止位置に回転されたとき、その当接面17aで各係合受け部15の当接受け面15aと当接するように構成されている。後述するように、移動枠14は、強制回転用バネ29の付勢力により係止用回転板13が第1位置から第2位置へ回転されると、この回転に伴って係止位置へ移動される。
また、図16に示すように、これら3組の当接面17a及び当接受け面15aは、移動枠14が、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態で回転されたとき同時に当接するように形成されている。即ち、3組の位置決め当接面17a及び当接受け面15aが夫々同時に当接するように移動枠14を移動させることにより、移動枠14は機械的に図16に示す所定の係止位置に位置決めされる。
本実施形態においては、各当接面17a及び当接受け面15aは、光軸を中心とする円の半径方向に向けられた平面として形成されているが、当接する平面には不可避な形状誤差が存在するため、微視的には各当接面17aと当接受け面15aは点接触に近い状態で接触することになる。従って、移動枠14の位置は、2組の当接面17a及び当接受け面15aにより完全に規定されることはなく、もう1組の当接面17a及び当接受け面15aが当接することによって係止位置は一意的に規定されるようになる。また、係止位置においては、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致する。
次に、図12を参照して、アクチュエータ10による像振れ防止制御を説明する。図12は、コントローラ36における信号処理を示すブロック図である。図12に示すように、レンズユニット2の振動は、2つのジャイロ34a、34bによって時々刻々検出され、コントローラ36に内蔵されたレンズ位置指令信号生成手段である演算回路38a、38bに入力される。本実施形態においては、ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング運動の角速度を、ジャイロ34bはピッチング運動の角速度を夫々検出するように構成され、配置されている。
演算回路38a、38bは、ジャイロ34a、34bから時々刻々入力される角速度に基づいて、像振れ補正用レンズ16を移動させるべき位置を時系列で指令するレンズ位置指令信号を生成する。すなわち、演算回路38aは、ジャイロ34aによって検出されるヨーイング運動の角速度を時間積分し、所定の光学特性補正を行うことによってレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxを生成し、同様に、演算回路38bは、ジャイロ34bによって検出されるピッチング運動の角速度に基づいてレンズ位置指令信号の鉛直方向成分Dyを生成するように構成されている。このようにして得られたレンズ位置指令信号に従って、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることにより、写真撮影の露光中にレンズユニット2が振動した場合にも、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される像は乱れることなく安定化される。
コントローラ36に内蔵されたコイル位置指令信号生成手段は、演算回路38a、38bによって生成されたレンズ位置指令信号に基づいて、各駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成するように構成されている。コイル位置指令信号は、像振れ補正用レンズ16をレンズ位置指令信号で指定された位置へ移動させたときの、各駆動用コイル20a、20b、20cとそれに対応した駆動用磁石22a、22b、22cの位置関係を表す信号である。すなわち、各駆動用磁石が、各駆動用コイルに対するコイル位置指令信号によって指令された位置に移動されると、その結果、像振れ補正用レンズ16は、レンズ位置指令信号によって指令された位置へ移動される。本実施形態においては、駆動用コイル20aが光軸の鉛直上方に設けられているので、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raは、演算回路38aから出力されるレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxと等しくなる。従って、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号を生成するコイル位置指令信号生成手段である演算回路40aは、演算回路38aから出力をそのまま出力する。一方、駆動用コイル20b、20cに対するコイル位置指令信号rb、rcは、レンズ位置指令信号の水平方向成分Dx及び鉛直方向成分Dyに基づいて、コイル位置指令信号生成手段である演算回路40b、40cによって生成される。
一方、ホール素子24a、24b、24cによって測定された、各駆動用コイルに対する駆動用磁石の移動量は、磁気センサアンプ42a、42b、42cによって所定の倍率に増幅される。駆動回路44a、44b、44cは、演算回路40a、40b、40cから出力された各コイル位置指令信号ra、rb、rcと、各反射センサアンプ42a、42b、42cから出力された信号との差に比例した電流を各駆動用コイル20a、20b、20cに流す。従って、コイル位置指令信号と各反射センサアンプからの出力に差がなくなると、即ち、各駆動用磁石がコイル位置指令信号によって指令された位置に到達すると、各駆動用コイルには電流が流れなくなり、駆動用磁石に作用する駆動力がゼロになる。
次に、図13を参照して、移動枠14を並進運動させる場合における、レンズ位置指令信号とコイル位置指令信号との関係を説明する。図13は、固定枠12上に配置された駆動用コイル20a、20b、20c、及び移動枠14上に配置された駆動用磁石22a、22b、22cの位置関係を示す図である。まず、3つの駆動用コイル20a、20b、20cは、その中心点が、点Qを原点とする半径Rの円周上の点Sa、Sb、Sc上に夫々配置されている。また、各ホール素子24a、24b、24cも、それらの感度中心点Sが点Sa、Sb、Sc上に位置するように夫々配置されている。さらに、移動枠14が動作中心位置にある場合には、像振れ補正用レンズ16の中心と撮像用レンズ8の光軸が一致し、各駆動用コイルに対応した各駆動用磁石の着磁境界線Cの中点も夫々点Sa、Sb、Sc上に位置し、各着磁境界線Cは、点Qを中心とする円の半径方向に向けられる。移動枠14は、この動作中心位置を中心に並進移動され、像振れ防止制御が実行される。
次に、点Qを原点とする水平軸線をX軸、鉛直軸線をY軸とし、図13に実線で示すように、画像安定化用レンズ16の中心点Q1が、Y軸方向にDy、X軸方向に−Dx並進移動された場合を考える。移動枠14をこのように移動させると、各駆動用磁石22a、22b、22cの着磁境界線Cは、図13に一点鎖線で示された位置に移動される。ここで、駆動用磁石22aの着磁境界線Cと点Saとの間の距離をra、駆動用磁石22bの着磁境界線Cと点Sbとの間の距離をrb、駆動用磁石22cの着磁境界線Cと点Scとの間の距離をrcとする。この距離ra、rb、rcは、画像安定化用レンズ16をY軸方向にDy、X軸方向に−Dx移動させたとき、各ホール素子24a、24b、24cによって検出される移動距離に該当する。これらの距離ra、rb、rcは、X軸方向、Y軸方向の移動距離Dx、Dyに対して一意的に決定されるものである。従って、画像安定化用レンズ16をX軸方向、Y軸方向に夫々Dx、Dy移動させるためには、これに対応した距離ra、rb、rcをコイル位置指令信号として与えればよい。
ここで、各距離ra、rb、rcの正の方向を図13に矢印a、b、cで示すように定義すると、ra、rb、rcと、Dx、Dyの関係は次の(数式1)で与えられる。
Figure 0004336698
図12において説明した各演算回路40a、40b、40cは、夫々上記数式1に対応する演算を実行して、各コイル位置指令信号を生成している。
次に、移動枠14を回転運動させる場合におけるコイル位置指令信号を説明する。移動枠14を回転運動させるには、各コイル位置指令信号として同一の値を与えればよい。即ち、移動枠14を角度θ[rad]だけ時計回りに回転させるための各コイル位置指令信号は、
Figure 0004336698
によって与えられる。このように、各駆動用磁石が各駆動用コイルに対して同一距離接線方向に移動されることにより、移動枠14は、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態を保持しながら、光軸を中心に回転される。
次に、図1及び図12を参照して、本発明の第1実施形態によるカメラ1の作用を説明する。まず、カメラ1の手ブレ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をオンにすることにより、レンズユニット2に備えられたアクチュエータ10が作動される。レンズユニット2に取り付けられたジャイロ34a、34bは、所定周波数帯域の振動を時々刻々検出し、コントローラ36に内蔵された演算回路38a、38bに出力する。ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング方向の角速度の信号を演算回路38aに出力し、ジャイロ34bはピッチング方向の角速度の信号を演算回路38bに出力する。演算回路38aは、入力された角速度信号を時間積分して、ヨーイング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて水平方向のレンズ位置指令信号Dxを生成する。同様に、演算回路38bは、入力された角速度信号を時間積分して、ピッチング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyを生成する。演算回路38a、38bによって時系列で出力されるレンズ位置指令信号によって指令される位置に、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることによって、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
演算回路38aによって出力された水平方向のレンズ位置指令信号Dxは、演算回路40aを介して、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raとして出力される。また、演算回路40bには、水平方向のレンズ位置指令信号Dx及び鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyが入力され、数式1の中段の式に基づいて駆動用コイル20bに対するコイル位置指令信号rbが生成される。同様に、演算回路40cには、レンズ位置指令信号Dx、Dyが入力され、数式1の下段の式に基づいて駆動用コイル20cに対するコイル位置指令信号rcが生成される。
一方、駆動用コイル20aに対応するホール素子24aは磁気センサアンプ42aに検出信号を出力する。磁気センサアンプ42aによって増幅された検出信号は、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raから差し引かれ、これらの差に比例した電流が、駆動回路44aを介して駆動用コイル20aに出力される。同様に、ホール素子24bの検出信号とコイル位置指令信号rbの差に比例した電流が駆動回路44bを介して駆動用コイル20bに出力され、ホール素子24cの検出信号とコイル位置指令信号rcの差に比例した電流が駆動回路44cを介して駆動用コイル20cに出力される。
各駆動用コイルに電流が流れることにより、電流に比例した磁界が発生する。この磁界により各駆動用コイルに対応して配置された各駆動用磁石は夫々、コイル位置指令信号ra、rb、rcによって指定された位置に近づく方向の駆動力を受け、移動枠14が移動される。駆動用磁石が、この駆動力によってコイル位置指令信号により指定された位置に到達すると、コイル位置指令信号とホール素子の検出信号が一致するので駆動回路の出力はゼロとなり、駆動力もゼロになる。また、外乱、又は、コイル位置指令信号の変化等により、各駆動用磁石がコイル位置指令信号により指定された位置から外れると、再び各駆動用コイルに電流が流され、各駆動用磁石はコイル位置指令信号によって指定された位置に戻される。
以上の作用が時々刻々繰り返されることにより、各駆動用磁石を有する移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16が、レンズ位置指令信号に追従するように移動される。これにより、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
次に、図4、5及び図14乃至図16を参照して、移動枠14の係止位置への移動を説明する。図14は、固定枠を取り外した状態を示すアクチュエータ10の背面図であり、移動枠14が解除位置にある状態を示している。この解除位置では、ロックレバー30による係止用回転板13の保持が解除される。図15は、ロックレバー30による保持が解除され、係止用回転板13が第2位置へ移動される途中の状態を示す図14と同様の図である。図16は、係止用回転板13が第2位置へ移動され、それに伴って移動枠14が係止位置へ移動された状態を示す図14と同様の図である。
まず、上述した像振れ防止制御時においては、移動枠14は、図4に示す位置を中心に並進移動され、像振れを防止する。移動枠14がこの位置にある場合には、ハウジング11に形成された係合受け部15は、移動枠14に形成された切欠17のほぼ中央に位置しており、像振れを防止するために移動枠14が並進移動されても、係合受け部15が移動枠14と干渉することはない。また、図5に示すように、係止用回転板13から延びて、移動枠14の凹部14a(図5に想像線で図示)に受け入れられている係動突起13aも、凹部14aのほぼ中央に位置し、移動枠14が並進移動されても、係動突起13aが移動枠14と干渉することはない。
さらに、像振れ防止制御時においては、係止用回転板13は、図5に示す第1位置に保持されている。上述したように、係止用回転板13に取り付けられた強制回転用バネ29は、係止用回転板13が第2位置へ回転移動されるように、係止用回転板13を付勢している。係止用回転板13に設けられたロックレバー30は、そのロック爪30aがハウジング11に形成されたロックレバー係合部11bと係合することにより、強制回転用バネ29の付勢力に抗して係止用回転板13を第1位置に保持している。
次に、レンズユニット2の係止スイッチ(図示せず)がオンにされると、コントローラ36は、移動枠14を、図4における反時計回りに回転させる。図14に示すように、移動枠14が回転されると、移動枠14の係止用回転板13と向かい合う側に設けられている解除突起14bが、図14に想像線で示す位置から破線で示す位置に移動される。また、移動枠14の係止用回転板13と向かい合う側に設けられている凹部14aも想像線で示す位置から破線で示す位置に移動される。
図14に示すように、移動枠14が解除位置に回転されると、移動枠14の解除突起14bは、ロックレバー30の係合片30cを押圧してロックレバー30を回動させる。ロックレバー30が回動されると、ロックレバー係合部11bと係合していたロック爪30aが半径方向外方に移動され、係止用回転板13の保持が解除される。
図15に示すように、ロックレバー30とロックレバー係合部11bの係合が解除されると、係止用回転板13は、強制回転用バネ29の付勢力により、図15における反時計回りに回転される。この係止用回転板13の回転に伴って、係止用回転板13に形成された係動突起13aも、図15に想像線で示す位置から破線で示す位置に移動される。この係動突起13aの回転移動により、係動突起13aの先端は、これを受け入れている移動枠14の凹部14aの縁部14a1と係合するようになる。また、係止用回転板13に設けられたロックレバー30も、係止用回転板13の回転に伴って反時計回りに回転される。
図16に示すように、係止用回転板13は、更に、強制回転用バネ29の付勢力により、係止用回転板13の第2位置まで回転される。この係止用回転板13の回転により、係動突起13aの先端と係合している移動枠14も係動され、図16における反時計回りに回転移動される。係止用回転板13が第2位置まで回転されると、これと係動された移動枠14は、その各当接面17aが各係合受け部15の当接受け面15aと当接する係止位置まで移動される。第2位置まで回転された後も、係止用回転板13には強制回転用バネ29の付勢力が作用しているため、係止用回転板13に形成された係動突起13aは、反時計回りの回転力を移動枠14に及ぼし続ける。この回転力により、移動枠14は、アクチュエータ10への通電が遮断された後も、係止位置に保持される。
次に、図14乃至図16を参照して、移動枠14を係止位置から通常作動領域に復帰させる場合について説明する。
移動枠14を係止位置から通常作動領域に復帰させる場合には、コントローラ36は、各駆動用コイルに所定の電流を流す。即ち、各駆動用コイルに所定の電流を流すことにより、移動枠14を図16における時計回りに回転させる。
図16に示す係止位置において、移動枠14が時計回りに回転移動されると、移動枠14に形成された凹部14aの縁部14a1に係合している係動突起13aが押圧されるので、移動枠14に係動して係止用回転板13も、その第2位置から時計回りに回転される。係止用回転板13が時計回りに回転されると、これに取り付けられたロックレバー30も時計回りに回転移動される。ロックレバー30が時計回りに回転移動されると、ロックレバー30先端の斜面30dが、ロックレバー係合部11bに摺動して、ロック爪30aは、ねじりバネ30bの付勢力に抗して半径方向外方に移動される。これにより、図15に示すように、ロック爪30aの先端がロックレバー係合部11bの外側面に当接するようになる。
移動枠14が更に時計回りに回転され、係止用回転板13も更に回転されると、ロック爪30aの先端がロックレバー係合部11bの外側面に摺動して、図14に示す状態となる(ただし、この場合には、移動枠14は、係動突起13aと凹部14aの縁部14a1が当接する位置にある)。移動枠14が更に時計回りに回転されると、ロック爪30aの先端はロックレバー係合部11bの外側面を通り越すので、図5に示すように、ロック爪30aは、ねじりバネ30bの付勢力により半径方向内方に移動され、ロック爪30aとロックレバー係合部11bが係合される。
次いで、コントローラ36は、移動枠14を反時計回りに所定角度回転させ、移動枠14を図4に示す位置に移動させて、通常作動領域に復帰させる。この際、ロック爪30aとロックレバー係合部11bは係合されているため、移動枠14を通常作動領域に復帰させた後も、係止用回転板13は、第1位置に保持される。
本発明の実施形態のカメラによれば、移動枠自体の回転移動によりロックレバーによる保持が解除され、強制回転用バネの付勢力により移動枠が係止位置に移動されるので、移動枠を係止するための特別なアクチュエータを設けることなく、移動枠を係止することができる。
本発明の実施形態のカメラによれば、像振れ補正用レンズの光軸と撮像用レンズの光軸が一致した状態で移動枠を回転させることにより、移動枠を係合受け部に係合させ、係止することができるので、移動枠を係止位置に移動させる際に画像が乱れ、使用者に違和感を与えることがない。
本発明の実施形態のカメラによれば、係止用回転板の第1位置から第2位置への回転移動に伴って、移動枠が係動されるので、移動枠を容易に回転移動させることができる。
さらに、本発明の実施形態のカメラによれば、移動枠は、強制回転用バネの付勢力により係合受け部に当接されるので、カメラへの通電を停止した後も移動枠を係止位置に保持することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明をフィルムカメラに適用していたが、本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等、静止画又は動画撮像用の任意のカメラに適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
また、上述した実施形態においては、ロックレバーが係止用回転板に設けられ、ロックレバー係合部がハウジングに設けられていたが、ロックレバーをハウジングに、ロックレバー係合部を係止用回転板に夫々設けることもできる。
さらに、上述した実施形態においては、係動突起が係止用回転板に設けられ、これを受け入れる凹部が移動枠に設けられていたが、凹部を係止用回転板に、係動突起を移動枠に夫々設けることもできる。
また、上述した実施形態においては、移動枠に形成した解除突起により保持解除手段が構成され、係止用回転板に形成した係動突起により可動部係動手段が構成されていたが、これらの保持解除手段及び可動部係動手段を任意のカム、リンク機構等で構成することもできる。
本発明の実施形態によるカメラの断面図である。 移動枠が像振れ防止制御の位置にあるアクチュエータの側面断面図である。 アクチュエータをカメラ本体側から見た背面図である。 固定枠を取り外した状態を示すアクチュエータの背面図である。 固定枠及び移動枠を取り外したアクチュエータをカメラ本体側から見た背面図である。 固定枠をレンズユニット先端側から見た正面図である。 移動枠をレンズユニット2端側から見た正面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 (a)図3のIX−IX線に沿う側面断面図、及び(b)駆動用磁石の着磁の状態を示す斜視図である。 駆動用磁石の移動とホール素子から出力される信号との関係を説明する図である。 駆動用磁石の移動とホール素子から出力される信号との関係を説明する図である。 コントローラにおける信号処理を示すブロック図である。 固定枠上に配置された駆動用コイル、及び移動枠上に配置された駆動用磁石の位置関係を示す図である。 固定枠を取り外した状態を、カメラ本体側から見たアクチュエータの背面図であり、移動枠が解除位置にある状態を示している。 ロックレバーによる保持が解除され、係止用回転板が第2位置へ移動される途中の状態を、カメラ本体側から見たアクチュエータの背面図である。 係止用回転板が第2位置へ移動され、それに伴って移動枠が係止位置へ移動された状態を、カメラ本体側から見たアクチュエータの背面図である。
符号の説明
C 着磁境界線
1 カメラ
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 レンズ鏡筒
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ
11 ハウジング
11a 固定柱状部
11b ロックレバー係合部
12 固定枠
12a 隆起部
13 係止用回転板
13a 係動突起
13b 長穴
13c 可動柱状部
13d 支柱
13e 長穴
14 移動枠
14a 凹部
14a1 縁部
14b 解除突起
14c 隆起部
15 係合受け部
15a 当接受け面
16 像振れ補正用レンズ
17 切欠
17a 当接面
18 スチールボール
20a 駆動用コイル
20a1 第1巻線部
20a2 第2巻線部
20b 駆動用コイル
20c 駆動用コイル
22a 駆動用磁石
22a1 第1磁石部
22a2 第2磁石部
22b 駆動用磁石
22c 駆動用磁石
24a ホール素子
24b ホール素子
24c ホール素子
26 吸着用ヨーク
28 バックヨーク
29 強制回転用バネ
30 ロックレバー
30a ロック爪
30b ねじりバネ
30c 係合片
30d 斜面
34a ジャイロ
34b ジャイロ
36 コントローラ
38a 演算回路
38b 演算回路
38c 演算回路
40a 演算回路
40b 演算回路
40c 演算回路
42a 磁気センサアンプ
42b 磁気センサアンプ
42c 磁気センサアンプ
44a 駆動回路
44b 駆動回路
44c 駆動回路

Claims (8)

  1. 撮像用レンズをその光軸に直交する平面内で並進移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、
    固定部と、
    上記撮像用レンズが取り付けられた可動部と、
    この可動部を、上記固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、
    上記可動部を上記固定部に対して移動させるための駆動手段と、
    第1位置と第2位置の間で移動可能に設けられた係止用部材と、
    この係止用部材が上記第2位置へ移動されるように上記係止用部材を付勢する付勢手段と、
    この付勢手段による付勢力に抗して上記係止用部材を上記第1位置に保持する保持手段と、
    上記可動部が所定の解除位置に移動されると上記保持手段に作用して、上記係止用部材の保持を解除させる保持解除手段と、
    上記係止用部材が上記付勢手段の付勢力により上記第2位置へ移動されると、この移動に伴って上記可動部を所定の係止位置に移動させる可動部係動手段と、
    上記可動部が上記係止位置に移動されると、上記可動部と係合して上記可動部を係止する係合受け部と、
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 上記係合受け部は、上記可動部が上記撮像用レンズの光軸を中心に回転されることにより、上記可動部と係合するように形成されている請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 上記係止用部材は上記第1位置と上記第2位置の間で回転移動可能に支持され、上記付勢手段は、上記係止用部材を上記第2位置へ回転させるように付勢する請求項1又は2記載のアクチュエータ。
  4. 上記可動部係動手段は、上記可動部及び上記係止用部材の何れか一方に形成され、他方に係合する係動突起を備え、この係動突起は、上記係止用部材が上記第2位置へ回転されると、上記可動部を上記係止位置に回転移動させるように形成されている請求項3記載のアクチュエータ。
  5. 上記保持手段は、ロックレバーと、上記係止用部材が上記第1位置にあるとき、上記ロックレバーと係合して上記係止用部材を上記第1位置に保持するロックレバー係合部と、を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  6. 上記保持解除手段は、上記可動部に形成され、上記可動部が上記解除位置に移動されると、上記ロックレバーを押圧して上記ロックレバーと上記ロックレバー係合部の係合を解除する解除突起である請求項5記載のアクチュエータ。
  7. レンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、
    これら撮像用レンズの一部を上記可動部に取り付けた請求項1乃至6の何れか1項に記載のアクチュエータと、
    を有することを特徴とするレンズユニット。
  8. カメラ本体と、
    請求項7記載のレンズユニットと、
    を有することを特徴とするカメラ。
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