JP2008067519A - アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ - Google Patents

アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】アクチュエータを大型化させることなく、広い範囲で可動部を移動させることができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明のアクチュエータ(10)は、固定部(12)と、可動部(14)と、この可動部を支持する可動部支持手段(18)と、固定部に取り付けられ、第1巻線部及びこの第1巻線部とは反対の方向に電流が流れる第2巻線部を備えた駆動用コイル(20)と、可動部の駆動用コイルに対応する位置に取り付けられ、可動部が所定の通常作動領域内にある場合において、第1巻線部に対向する第1磁石部、及び第2巻線部に対向して位置する第2磁石部を備えた駆動用磁石(22)と、可動部を移動させる制御手段(36)と、を有し、この制御手段は、可動部を通常作動領域外の目標位置へ移動させる場合には、可動部を目標位置に向けて加速させ、その後、駆動力をほぼゼロとすることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関し、特に、可動部を所定の平面上で移動させるアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
特許第3397536号公報(特許文献1)には、補正光学装置が記載されている。この補正光学装置は、光軸を偏心させる補正用レンズと、この補正用レンズを係止するロックリングと、を有する。ロックリングは、補正用レンズを取り囲む環状の形状を有し、その内周に補正用レンズの枠と係合するカム部が形成されている。この補正光学装置では、補正光学装置による補正を行わない場合には、補正用レンズを取り囲んでいるロックリングを回転させ、その内周に形成されたカム部と補正用レンズの枠の外周部を係合させて、補正用レンズを係止している。
特許第3397536号公報
しかしながら、特許第3397536号公報記載の補正光学装置では、補正用レンズを係止するために、ロックリングを回転させる必要があり、このため、補正用レンズを駆動するためのアクチュエータとは別に係止用のアクチュエータを設けなければならないという問題がある。さらに、補正用レンズの枠にロックリングのカムを係合させて補正用レンズを係止するには、カムを押し付ける力に抗して補正用レンズを保持しておく必要があるので、補正用レンズの支持機構を必要以上に頑強に構成しておかなければならないという問題がある。
一方、補正用レンズを係止位置まで回転移動させて、静止した係止手段と補正用レンズの枠を係合させるとすれば、上記の問題を解決することができる。しかしながら、この場合には、像振れを補正するために補正用レンズを移動させる通常の移動範囲から十分に離れた係止位置まで補正用レンズを移動させる必要がある。このため、補正用レンズを移動させるアクチュエータが、必要以上の駆動範囲を備えていなければならないという問題がある。また、アクチュエータに大きな駆動範囲をもたせるには、アクチュエータを大型化しなければならないという問題がある。
従って、本発明は、アクチュエータを大型化させることなく、広い範囲で可動部を移動させることができるアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明のアクチュエータは、固定部と、可動部と、この可動部を、固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、可動部又は固定部の何れか一方に取り付けられており、第1巻線部及びこの第1巻線部とは反対の方向に電流が流れる第2巻線部を備えた駆動用コイルと、可動部又は固定部の他方の、駆動用コイルに対応する位置に取り付けられており、可動部が所定の通常作動領域内にある場合において、第1巻線部に対向して位置する第1磁石部、及び第2巻線部に対向して位置する、第1磁石部とは反対の方向の磁力線を第2巻線部に及ぼす第2磁石部を備えた駆動用磁石と、駆動用コイルに電流を流すことにより、可動部を移動させる制御手段と、を有し、この制御手段は、可動部を通常作動領域外の目標位置へ移動させる場合には、可動部を目標位置に向けて加速させ、その後、可動部に作用する駆動力をほぼゼロとすることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、固定部又は可動部の何れか一方に駆動用コイルが取り付けられ、他方の側の駆動用コイルに対応する位置に駆動用磁石が取り付けられている。駆動用コイルは、第1巻線部と、第1巻線部とは反対の方向に電流が流れる第2巻線部と、を備えている。一方、駆動用磁石は、第1磁石部と、第1磁石部とは反対の方向の磁力線を及ぼす第2磁石部と、を備えており、可動部が所定の通常作動領域内にある場合には、第1磁石部は第1巻線部に対向し、第2磁石部は第2巻線部に対向するように位置する。制御手段は、駆動用コイルに電流を流すことにより、可動部を移動させる。さらに、制御手段は、可動部を通常作動領域外の目標位置へ移動させる場合には、まず、可動部を目標位置に向けて加速させ、その後、可動部に作用する駆動力をほぼゼロとする。
このように構成された本発明によれば、可動部を通常作動領域外の目標位置へ移動させる際に、可動部を目標位置に向けて加速させ、その後、可動部に作用する駆動力をほぼゼロとするので、第1磁石部と第1巻線部及び第2磁石部と第2巻線部が夫々対向しない位置に目標位置が設定された場合においても、慣性により可動部を目標位置まで移動させることができる。これにより、駆動用コイル及び駆動用磁石を大型化させることなく、広い範囲に可動部を移動させることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、可動部を目標位置に移動させる際、可動部を、通常作動領域内で一旦目標位置とは反対の方向に移動させ、その位置から目標位置に向けて加速させる。
このように構成された本発明によれば、可動部を目標位置に向けて加速する距離を長くすることができるので、通常作動領域からより大きく離れた目標位置まで可動部を移動させることが可能になる。
本発明において、好ましくは、可動部は撮像用レンズを備えており、制御手段は、撮像用レンズを、その光軸に直交する平面上の通常作動領域内で並進移動させることにより、像振れを防止する。
このように構成された本発明においては、像振れ防止制御を実行する通常作動領域の大きさに合わせて駆動用コイル及び駆動用磁石を構成しておき、他の目的で可動部を移動させる際には、可動部は通常作動領域外へ移動される。
本発明において、好ましくは、さらに、可動部側に設けられた係合部と、固定部側に設けられた係合部受け部と、を有し、目標位置においては、係合部と係合部受け部が係合され、可動部が固定部に対して係止される。
このように構成された本発明においては、通常作動領域外の目標位置において、可動部が固定部に対して係止される。
本発明において、好ましくは、目標位置は、可動部側に取り付けられた撮像用レンズの光軸と他の撮像用レンズの光軸がほぼ一致された状態で、可動部を通常作動領域外へ回転させた位置である。
このように構成された本発明によれば、係止される目標位置に可動部を移動させるとき、可動部側に取り付けられた撮像用レンズの光軸と他の撮像用レンズの光軸が一致した状態を維持することができるので、撮像用レンズにより結像される像が振れることがなく、使用者に違和感を与えることがない。
本発明において、好ましくは、目標位置は、第1巻線部と第2磁石部が対向され、又は第2巻線部と第1磁石部が対向される位置である。
このように構成された本発明においては、可動部が目標位置に移動された後、第1巻線部と第2磁石部の間に発生する駆動力、又は第2巻線部と第1磁石部の間に発生する駆動力により、可動部を通常作動領域へ復帰させることができる。
また、本発明のレンズユニットは、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、これら撮像用レンズの一部を可動部に取り付けた本発明のアクチュエータと、を有することを特徴としている。
さらに、本発明のカメラは、カメラ本体と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明のアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、アクチュエータを大型化させることなく、広い範囲で可動部を移動させることができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1乃至図15を参照して、本発明の第1実施形態によるカメラを説明する。図1は本発明の第1実施形態によるカメラの断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、撮像用レンズのうちの像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、レンズ鏡筒6の振動を検出する振動検出手段であるジャイロ34a、34b(図1には34aのみ図示)と、を有する。
レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けられ、入射した光をフィルム面Fに結像させるように構成されている。
概ね円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34a、34bによって振動を検出し、検出された振動に基づいてアクチュエータ10を作動させて像振れ補正用レンズ16を移動させ、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される画像を安定化させている。本実施形態においては、ジャイロ34a、34bとして、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ補正用レンズ16は、1枚のレンズによって構成されているが、画像を安定させるためのレンズは、複数枚のレンズ群であっても良い。
次に、図2乃至図5を参照して、アクチュエータ10の構成を説明する。図2は、移動枠が像振れ防止制御の位置にあるアクチュエータ10の正面図であり、センサ基板を取り外した状態を示している。また、図3は、移動枠が係止位置にあるアクチュエータ10の正面図である。さらに、図4は図3のIV−IV線側面断面図であり、図5(a)は図2のV−V線側面断面図である。また、図5(b)は、駆動用磁石の着磁の状態を示す斜視図である。
図2乃至図5に示すように、アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6内に固定された固定部である固定枠12と、この固定枠12に対して移動可能に支持された可動部である移動枠14と、この移動枠14を支持する可動部支持手段である3つのスチールボール18(図4)と、を有する。さらに、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた3つの駆動用コイル20a、20b、20cと、移動枠14の、駆動用コイル20a、20b、20cに夫々対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石22a、22b、22cと、を有する。
また、図5(a)に示すように、アクチュエータ10は、各駆動用磁石22a、22b、22cの磁力によって移動枠14を固定枠12に吸着させるために、固定枠12に取り付けられた吸着用ヨーク26と、駆動用磁石の磁力を固定枠12の方に効果的に差し向けるように、駆動用磁石の裏側に取り付けられたバックヨーク28と、を有する。さらに、図4に示すように、アクチュエータ10は、スチールボール18を移動枠14に吸着させる吸着用磁石30を有する。なお、駆動用コイル20a、20b、20c、及びこれらに対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石22a、22b、22cは、移動枠14を、固定枠12に対して並進運動させ、且つ回転運動させることができる駆動手段を構成する。
さらに、図5(a)に示すように、各駆動用コイル20a、20b、20cの巻線の内側には、磁気センサであるホール素子24a、24b、24cが配置されている(図5には24aのみ図示)。各ホール素子24a、24b、24cは、これらと夫々向き合うように配置されている各駆動用磁石22a、22b、22cの磁気を検出して、固定枠12に対する移動枠14の位置を検出するように構成されている。これらのホール素子24a、24b、24c及び駆動用磁石22a、22b、22cは、位置検出手段を構成する。
また、図1に示すように、アクチュエータ10は、ジャイロ34a、34bによって検出された振動と、ホール素子24a、24b、24cによって検出された移動枠14の位置情報に基づいて、各駆動用コイル20a、20b、20cに流す電流を制御する制御手段であるコントローラ36を有する。さらに、コントローラ36には、移動枠14を、目標位置である係止位置に移動させるための係止位置移動手段37が内蔵されている。
アクチュエータ10は、移動枠14を、レンズ鏡筒6に固定された固定枠12に対してフィルム面Fに平行な平面内で移動させ、これにより移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16を移動させ、レンズ鏡筒6が振動してもフィルム面Fに結像される像が乱れることがないように駆動される。
固定枠12は、外周に縁を設けた概ねドーナツ板状の形状を有し、その上に3つの駆動用コイル20a、20b、20cが配置されている。図2に示すように、これら3つの駆動用コイル20a、20b、20cは、その中心が、レンズユニット2の光軸を中心とする円周上にそれぞれ配置されている。本実施形態においては、駆動用コイル20aは光軸の鉛直上方に配置され、駆動用コイル20b、20cは、駆動用コイル20aに対して中心角120゜ずつ間隔を隔てて配置されている。即ち、駆動用コイル20a、20b、20cは、光軸を中心とする円周上に等間隔に配置されている。また、駆動用コイル20a、20b、20cは、夫々、その巻線が角の丸い矩形状に巻かれ、この矩形の中心線が円周の半径方向と一致するように配置されている。
移動枠14は、概ねドーナツ板状の形状を有し、固定枠12の中に、固定枠12の縁に取り囲まれるように配置されている。移動枠14の中央の開口には、像振れ補正用レンズ16が取り付けられている。また、移動枠14上の円周の、各駆動用コイル20a、20b、20cに対応する位置には、長方形の駆動用磁石22a、22b、22cが夫々埋め込まれている。なお、本明細書において、駆動用コイルに対応する位置とは、駆動用コイルによって形成される磁界の影響が実質的に及ぶ位置を意味している。また、駆動用磁石22の裏側、即ち、各駆動用コイルの反対側には、各駆動用磁石22の磁束が、固定枠12の方に効率良く差し向けられるように、長方形のバックヨーク28が夫々取り付けられている。
また、固定枠12の各駆動用コイルの裏側、即ち、移動枠14の反対側には、長方形の吸着用ヨーク26が夫々取り付けられている。移動枠14は、各駆動用磁石22a、22b、22cが、それに対応して取り付けられた吸着用ヨーク26に及ぼす磁力によって、固定枠12に吸着される。本実施形態においては、駆動用磁石の磁力線が、吸着用ヨーク26に効率良く到達するように、固定枠12を非磁性材料で構成している。
次に、図5を参照して、駆動用磁石が及ぼす磁力について説明する。駆動用磁石22a、22b、22c、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26は、夫々長方形の形状を有しており、各長辺、短辺が夫々重なり合うように配置されている。また、駆動用コイル20a、20b、20cは、その各辺が、長方形のバックヨーク28の各長辺、短辺と夫々平行になるように配置されている。さらに、各駆動用磁石は、その磁極の境界線である着磁境界線Cが、各駆動用磁石が配置されている円周の半径方向に一致するように向けられている。
これにより、駆動用磁石22a、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26は、磁気回路を構成し、図5(a)に矢印で示す磁力線が形成される。駆動用磁石22aは、対応する駆動用コイル20aに電流が流れると、円周の接線方向の駆動力を受ける。他の駆動用コイル20b、20cについても、同様の位置関係で対応する駆動用磁石22b、22c、バックヨーク28及び吸着用ヨーク26が配置されている。
なお、本明細書において、着磁境界線Cとは、駆動用磁石の両端が夫々S極、N極となるように着磁されているとき、その着磁されている磁極の境界線を言うものとする。従って、本実施形態においては、着磁境界線Cは、長方形の駆動用磁石の各長辺の中点を通るように位置する。また、図5(b)に示すように、駆動用磁石22aは、その厚さ方向にも極性が変化しており、図5(b)において左下の角がS極、右下がN極、左上がN極、右上がS極になっている。
次に、図5及び図6を参照して、各駆動用磁石が受ける駆動力を説明する。図6(a)は、駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置と、駆動用磁石が受ける駆動力との関係を示すグラフであり、図6(b)乃至(e)は、グラフ中のb乃至e点における駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置を示している。
まず、図5(a)に示すように、駆動用磁石22aの第1磁石部22a1である右半部は、駆動用コイル20aの第1巻線部20a1である右端部に、図5(a)において上方から下方に向かう磁力線を及ぼす。同様に、駆動用磁石22aの第2磁石部22a2である左半部は、駆動用コイル20aの第2巻線部20a2である左端部に、図5(a)において下方から上方に向かう磁力線を及ぼす。
一方、図6(b)に矢印で示す方向の電流が駆動用コイル20aに流れると、駆動用コイル20aの第1巻線部20a1には図5(a)の奥から手前側に向かって電流が流れ、第2巻線部20a2には図5(a)の手前側から奥に向かって電流が流れる。駆動用磁石22aによって形成された磁界中において、このような電流が流れると、駆動用磁石22aを図5(a)における右方向に移動させる駆動力が発生する。
図6(a)に示すように、この駆動力は、駆動用磁石22a及び駆動用コイル20aが図6(b)に示す位置関係にある時、即ち、駆動用磁石22aの着磁境界線Cが駆動用コイル20aの中心に位置するとき最大になる。また、駆動力は、最大の位置から駆動用磁石22aが右又は左にずれるに従って減少する。さらに、駆動用磁石22aが図6(c)に示す位置(図6(a)におけるc点)まで右方向に移動されると、駆動力はゼロになる。駆動用磁石22aをさらに移動させ、図6(d)に示す位置(図6(a)におけるd点)に達すると、駆動力の方向が逆転し、駆動用磁石22aは、左方向の駆動力を受けるようになる。このように、駆動力が逆転した状態では、駆動用磁石22aは、その第2磁石部22a2と駆動用コイル20aの第1巻線部20a1の間で発生する駆動力のみを受ける。従って、駆動力が逆転した領域における駆動力の最大値は、図6(b)の状態における駆動力よりも小さくなる。
一方、駆動用磁石22aが左方向に移動された場合も、駆動力は減少し、図6(e)に示す位置(図6(a)におけるe点)においてゼロとなる。また、駆動用磁石22aがさらに左方向に移動された場合には、駆動力の方向が逆転し、駆動用磁石22aは、左方向の駆動力を受けるようになる。
以上説明した駆動力は、駆動用コイル20aに図6(b)における時計回りの電流が流れた場合のものであり、駆動用コイル20aに反時計回りの電流が流れた場合には、駆動力の方向が全て反転する。即ち、駆動用コイル20aに反時計回りの電流が流れている場合には、図6(a)の点e〜点cの領域で左方向の駆動力が発生し、点eの左側の領域及び点cの右側の領域では右方向の駆動力が発生する。また、上記では、駆動用コイル20aと駆動用磁石22aの間に発生する駆動力について説明したが、他の2組の駆動用コイル及び駆動用磁石の間に発生する駆動力についても全く同様である。
また、本実施形態によるカメラ1のアクチュエータ10では、駆動用コイルの第1巻線部と駆動用磁石の第1磁石部、及び第2巻線部と第2磁石部が対向し、十分な駆動力が発生する通常作動領域内において像振れ防止制御が実行される。さらに、移動枠14が係止される係止位置は、通常作動領域外に設定されており、この係止位置では、駆動用コイルの第1巻線部と駆動用磁石の第2磁石部が対向する。
次に、図7及び図8を参照して、移動枠14の位置検出を説明する。
図7及び図8は、駆動用磁石22aの移動とホール素子24aから出力される信号との関係を説明する図である。図7に示すように、ホール素子24aの感度中心点Sが、駆動用磁石22aの着磁境界線C上に位置する場合には、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。移動枠14と共に駆動用磁石22aが移動され、ホール素子24aの感度中心点が駆動用磁石22aの着磁境界線上から外れると、ホール素子24aの出力信号が変化する。図7に示すように、駆動用磁石22aが着磁境界線Cに直交する方向、即ち、X軸方向に移動すると、ホール素子24aは、正弦波状の信号を発生する。従って、この移動量が微小である場合には、ホール素子24aは、駆動用磁石22aの移動距離にほぼ比例した信号を出力する。本実施形態において、駆動用磁石22aの移動距離が、駆動用磁石22aの長辺の長さの3%程度以内の場合には、ホール素子24aから出力される信号は、ホール素子24aの感度中心点Sと駆動用磁石22aの着磁境界線Cの間の距離にほぼ比例する。また、本実施形態では、アクチュエータ10は、通常作動領域においては各ホール素子の出力が距離にほぼ比例する範囲内で作動する。
図8(a)乃至(c)に示すように、ホール素子24aの感度中心点S上に駆動用磁石22aの着磁境界線Cが位置する場合には、図8(b)のように駆動用磁石22aが回転移動した場合、図8(c)のように駆動用磁石22が着磁境界線Cの方向に移動した場合とも、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。また、図8(d)乃至(f)に示すように、駆動用磁石22aの着磁境界線Cがホール素子24aの感度中心点Sから外れた場合には、感度中心点Sと着磁境界線Cの距離rに比例した信号がホール素子24aから出力される。従って、感度中心点Sから着磁境界線Cまでの距離rが同じであれば、図8(d)のように駆動用磁石22aが着磁境界線Cに直交する方向に移動した場合、図8(e)のように駆動用磁石22aが並進及び回転移動した場合、図8(f)のように任意の方向に並進移動した場合とも、何れも同じ大きさの信号がホール素子24aから出力される。
ここでは、ホール素子24aについて説明したが、他のホール素子24b、24cも、それらに対応する駆動用磁石22b、22cとの位置関係に基づいて同様の信号を出力する。このため、各ホール素子24a、24b、24cによって検出された信号に基づいて、移動枠14が固定枠12に対して並進移動及び回転移動した位置を特定することができる。
次に、図2乃至図4を参照して、移動枠14の係止機構を説明する。
図2及び図3に示すように、固定枠12には、その外周から半径方向内方に延びる3つの位置決め用の係合受け部15が設けられている。各係合受け部15は、固定枠12の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて配置されている。また、移動枠14には、各係合受け部15と当接するように、3つの位置決め用の係合部17が、移動枠14の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて形成されている。各係合部17は、その当接面17aで各係合受け部15の当接受け面15aと当接するように構成されている。
また、図3に示すように、これら3組の当接面17a及び当接受け面15aは、移動枠14が、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態で回転されたとき同時に当接するように形成されている。即ち、3組の位置決め当接面17a及び当接受け面15aが夫々同時に当接するように移動枠14を移動させることにより、移動枠14は機械的に図3に示す所定の係止位置に位置決めされる。この係止位置は一意的に規定され、係止位置においては、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致する。
さらに、図2及び図3に示すように、固定枠12には、3つの係止用磁性材23a、23b、23cが、固定枠12の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて配置されている。各係止用磁性材は、図3に示す係止位置においては、各駆動用磁石との間に働く吸着力により、移動枠14を図3における時計回りに回転させるように作用し、移動枠14は係止位置に係止される。また、移動枠14の通常作動領域においては、各駆動用磁石と各係止用磁性材は十分に離れているため、それらの間に作用する吸着力は、実質的にゼロとなる。
次に、図2乃至図4を参照して、スチールボール18による移動枠14の支持機構を説明する。
図2及び図3に示すように、3つのスチールボール18は、固定枠12と移動枠14の間に夫々配置されている。3つのスチールボール18は、夫々、中心角120゜の間隔を隔てて配置され、各スチールボール18が、各駆動用コイルの間に位置するように配置されている。図4に示すように、各スチールボール18は、移動枠14の、各スチールボール18に対応する位置に埋め込まれた吸着用磁石30によって、移動枠14に吸着されている。各スチールボール18は吸着用磁石30によって移動枠14に吸着され、移動枠14は駆動用磁石22によって固定枠12に吸着されるので、各スチールボール18は固定枠12と移動枠14の間に挟持されることになる。これにより、移動枠14は固定枠12に平行な平面上に支持され、各スチールボール18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定枠12に対する任意の方向の並進運動及び回転運動が許容される。
また、本実施形態においては、スチールボール18として鋼製の球体を使用しているが、スチールボール18は必ずしも球体でなくても良い。即ち、アクチュエータ10の作動中において固定枠12及び移動枠14と接触する部分が概ね球面の形状を有する形態であればスチールボール18として使用することができる。なお、本明細書において、このような形態を球状体という。
次に、図9を参照して、アクチュエータ10による像振れ防止制御を説明する。図9は、コントローラ36における信号処理を示すブロック図である。図9に示すように、レンズユニット2の振動は、2つのジャイロ34a、34bによって時々刻々検出され、コントローラ36に内蔵されたレンズ位置指令信号生成手段である演算回路38a、38bに入力される。本実施形態においては、ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング運動の角速度を、ジャイロ34bはピッチング運動の角速度を夫々検出するように構成され、配置されている。
演算回路38a、38bは、ジャイロ34a、34bから時々刻々入力される角速度に基づいて、像振れ補正用レンズ16を移動させるべき位置を時系列で指令するレンズ位置指令信号を生成する。すなわち、演算回路38aは、ジャイロ34aによって検出されるヨーイング運動の角速度を時間積分し、所定の光学特性補正を行うことによってレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxを生成し、同様に、演算回路38bは、ジャイロ34bによって検出されるピッチング運動の角速度に基づいてレンズ位置指令信号の鉛直方向成分Dyを生成するように構成されている。このようにして得られたレンズ位置指令信号に従って、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることにより、写真撮影の露光中にレンズユニット2が振動した場合にも、カメラ本体4内のフィルム面Fに合焦される像は乱れることなく安定化される。
コントローラ36に内蔵されたコイル位置指令信号生成手段は、演算回路38a、38bによって生成されたレンズ位置指令信号に基づいて、各駆動用コイルに対するコイル位置指令信号を生成するように構成されている。コイル位置指令信号は、像振れ補正用レンズ16をレンズ位置指令信号で指定された位置へ移動させたときの、各駆動用コイル20a、20b、20cとそれに対応した駆動用磁石22a、22b、22cの位置関係を表す信号である。すなわち、各駆動用磁石が、各駆動用コイルに対するコイル位置指令信号によって指令された位置に移動されると、その結果、像振れ補正用レンズ16は、レンズ位置指令信号によって指令された位置へ移動される。本実施形態においては、駆動用コイル20aが光軸の鉛直上方に設けられているので、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raは、演算回路38aから出力されるレンズ位置指令信号の水平方向成分Dxと等しくなる。従って、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号を生成するコイル位置指令信号生成手段である演算回路40aは、演算回路38aから出力をそのまま出力する。一方、駆動用コイル20b、20cに対するコイル位置指令信号rb、rcは、レンズ位置指令信号の水平方向成分Dx及び鉛直方向成分Dyに基づいて、コイル位置指令信号生成手段である演算回路40b、40cによって生成される。
一方、ホール素子24a、24b、24cによって測定された、各駆動用コイルに対する駆動用磁石の移動量は、磁気センサアンプ42a、42b、42cによって所定の倍率に増幅される。駆動回路44a、44b、44cは、演算回路40a、40b、40cから出力された各コイル位置指令信号ra、rb、rcと、各反射センサアンプ42a、42b、42cから出力された信号との差に比例した電流を各駆動用コイル20a、20b、20cに流す。従って、コイル位置指令信号と各反射センサアンプからの出力に差がなくなると、即ち、各駆動用磁石がコイル位置指令信号によって指令された位置に到達すると、各駆動用コイルには電流が流れなくなり、駆動用磁石に作用する駆動力がゼロになる。なお、演算回路40a、40b、40cと駆動回路44a、44b、44cの間に配置された切替スイッチ45は、像振れ防止制御モードにおいては、常に演算回路と駆動回路を直接接続する位置にされている。また、駆動回路44a、44b、44cと、駆動用コイル20a、20b、20cの間に配置された開閉スイッチ46は、像振れ防止制御モードにおいては、常に駆動回路と駆動用コイルを接続する位置にされている。
次に、図10を参照して、移動枠14を並進運動させる場合における、レンズ位置指令信号とコイル位置指令信号との関係を説明する。図10は、固定枠12上に配置された駆動用コイル20a、20b、20c、及び移動枠14上に配置された駆動用磁石22a、22b、22cの位置関係を示す図である。まず、3つの駆動用コイル20a、20b、20cは、その中心点が、点Qを原点とする半径Rの円周上の点Sa、Sb、Sc上に夫々配置されている。また、各ホール素子24a、24b、24cも、それらの感度中心点Sが点Sa、Sb、Sc上に位置するように夫々配置されている。さらに、移動枠14が動作中心位置にある場合には、像振れ補正用レンズ16の中心と撮像用レンズ8の光軸が一致し、各駆動用コイルに対応した各駆動用磁石の着磁境界線Cの中点も夫々点Sa、Sb、Sc上に位置し、各着磁境界線Cは、点Qを中心とする円の半径方向に向けられる。移動枠14は、この動作中心位置を中心に並進移動され、像振れ防止制御が実行される。
次に、点Qを原点とする水平軸線をX軸、鉛直軸線をY軸とし、図10に実線で示すように、画像安定化用レンズ16の中心点Q1が、Y軸方向にDy、X軸方向に−Dx並進移動された場合を考える。移動枠14をこのように移動させると、各駆動用磁石22a、22b、22cの着磁境界線Cは、図10に一点鎖線で示された位置に移動される。ここで、駆動用磁石22aの着磁境界線Cと点Saとの間の距離をra、駆動用磁石22bの着磁境界線Cと点Sbとの間の距離をrb、駆動用磁石22cの着磁境界線Cと点Scとの間の距離をrcとする。この距離ra、rb、rcは、画像安定化用レンズ16をY軸方向にDy、X軸方向に−Dx移動させたとき、各ホール素子24a、24b、24cによって検出される移動距離に該当する。これらの距離ra、rb、rcは、X軸方向、Y軸方向の移動距離Dx、Dyに対して一意的に決定されるものである。従って、画像安定化用レンズ16をX軸方向、Y軸方向に夫々Dx、Dy移動させるためには、これに対応した距離ra、rb、rcをコイル位置指令信号として与えればよい。
ここで、各距離ra、rb、rcの正の方向を図10に矢印a、b、cで示すように定義すると、ra、rb、rcと、Dx、Dyの関係は次の(数式1)で与えられる。
Figure 2008067519
図9において説明した各演算回路40a、40b、40cは、夫々上記数式1に対応する演算を実行して、各コイル位置指令信号を生成している。
次に、移動枠14を回転運動させる場合におけるコイル位置指令信号を説明する。移動枠14を回転運動させるには、各コイル位置指令信号として同一の値を与えればよい。即ち、移動枠14を角度θ[rad]だけ時計回りに回転させるための各コイル位置指令信号は、
Figure 2008067519
によって与えられる。このように、各駆動用磁石が各駆動用コイルに対して同一距離接線方向に移動されることにより、移動枠14は、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態を保持しながら、光軸を中心に回転される。
次に、図1及び図9を参照して、本発明の第1実施形態によるカメラ1の作用を説明する。まず、カメラ1の手ブレ防止機能の起動スイッチ(図示せず)をオンにすることにより、レンズユニット2に備えられたアクチュエータ10が作動される。レンズユニット2に取り付けられたジャイロ34a、34bは、所定周波数帯域の振動を時々刻々検出し、コントローラ36に内蔵された演算回路38a、38bに出力する。ジャイロ34aはレンズユニット2のヨーイング方向の角速度の信号を演算回路38aに出力し、ジャイロ34bはピッチング方向の角速度の信号を演算回路38bに出力する。演算回路38aは、入力された角速度信号を時間積分して、ヨーイング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて水平方向のレンズ位置指令信号Dxを生成する。同様に、演算回路38bは、入力された角速度信号を時間積分して、ピッチング角度を算出し、これに所定の光学特性補正を加えて鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyを生成する。演算回路38a、38bによって時系列で出力されるレンズ位置指令信号によって指令される位置に、像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させることによって、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
演算回路38aによって出力された水平方向のレンズ位置指令信号Dxは、演算回路40aを介して、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raとして出力される。また、演算回路40bには、水平方向のレンズ位置指令信号Dx及び鉛直方向のレンズ位置指令信号Dyが入力され、数式1の中段の式に基づいて駆動用コイル20bに対するコイル位置指令信号rbが生成される。同様に、演算回路40cには、レンズ位置指令信号Dx、Dyが入力され、数式1の下段の式に基づいて駆動用コイル20cに対するコイル位置指令信号rcが生成される。
一方、駆動用コイル20aに対応するホール素子24aは磁気センサアンプ42aに検出信号を出力する。磁気センサアンプ42aによって増幅された検出信号は、駆動用コイル20aに対するコイル位置指令信号raから差し引かれ、これらの差に比例した電流が、駆動回路44aを介して駆動用コイル20aに出力される。同様に、ホール素子24bの検出信号とコイル位置指令信号rbの差に比例した電流が駆動回路44bを介して駆動用コイル20bに出力され、ホール素子24cの検出信号とコイル位置指令信号rcの差に比例した電流が駆動回路44cを介して駆動用コイル20cに出力される。
各駆動用コイルに電流が流れることにより、電流に比例した磁界が発生する。この磁界により各駆動用コイルに対応して配置された各駆動用磁石は夫々、コイル位置指令信号ra、rb、rcによって指定された位置に近づく方向の駆動力を受け、移動枠14が移動される。駆動用磁石が、この駆動力によってコイル位置指令信号により指定された位置に到達すると、コイル位置指令信号とホール素子の検出信号が一致するので駆動回路の出力はゼロとなり、駆動力もゼロになる。また、外乱、又は、コイル位置指令信号の変化等により、各駆動用磁石がコイル位置指令信号により指定された位置から外れると、再び各駆動用コイルに電流が流され、各駆動用磁石はコイル位置指令信号によって指定された位置に戻される。
以上の作用が時々刻々繰り返されることにより、各駆動用磁石を有する移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16が、レンズ位置指令信号に追従するように移動される。これにより、カメラ本体4のフィルム面Fに合焦される像が安定化される。
次に、図2、図3及び図9乃至図15を参照して、コントローラ36に内蔵された係止位置移動手段37の作用を説明する。図11は、コントローラ36に内蔵された開閉スイッチ46の状態を上段に、切替スイッチ45の状態を中段に、係止位置移動手段37の出力信号を下段の実線に、移動枠14の回転位置を下段の破線に示した時系列のグラフである。図12は移動枠14の係止の予備動作位置を示す図であり、図13は各駆動用コイルに流す電流を遮断する駆動力遮断位置を示す図である。図14は、係止位置における駆動用コイル20a、駆動用磁石22a、及び係止用磁性材23aの位置関係を示す側面断面図であり、図15は正面図である。
まず、図11の時刻t0において、レンズユニット2に設けられた係止スイッチ(図示せず)がオンにされると、係止位置移動手段37が起動される。これと同時に、図11の中段に示すように、コントローラ36に内蔵された切替スイッチ45は、通常動作位置(i)から、係止位置移動手段37と各駆動回路44a、44b、44cが接続される位置(ii)に切り替えられる。これにより、各駆動回路には、各コイル位置指令信号ra、rb、rcの代わりに、係止位置移動手段37の出力信号が入力されるようになる。
図11の下段に実線で示すように、係止位置移動手段37が起動された後、時刻t0から時刻t1まで、移動枠14を図12に示す係止の予備動作位置に移動させる信号を出力する。この予備動作位置は、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致し、かつ、移動枠14を係止位置とは反対の方向(図12における反時計回り)に所定角度回転させた位置に設定されている。時刻t0において、係止位置移動手段37が予備動作位置を指令する信号を出力すると、移動枠14の現在位置と予備動作位置のずれに比例した大きさの電流が、各駆動用コイル20a、20b、20cに流れ、移動枠14が駆動される。この駆動力により、移動枠14は、時刻t1までの間に予備動作位置に移動される。
次に、係止位置移動手段37は、時刻t1から時刻t2までの間、移動枠14を係止位置に向けて加速させる信号を出力する。移動枠14は、この信号に追従するように駆動される。即ち、移動枠14は、像振れ補正用レンズ16の光軸と撮像用レンズ8の光軸が一致した状態を維持したまま、図12における時計回りに加速される。これにより、移動枠14は時刻t2において、図13に示す駆動力遮断位置に到達する。
次に、係止位置移動手段37は、時刻t2において、開閉スイッチ46をオフにする。これにより、各駆動用コイルに流れる電流は遮断され、係止位置移動手段37の出力信号に関わりなく、移動枠14を移動させる駆動力はゼロになる。本実施形態においては、各駆動用コイルと各駆動用磁石が、図6(c)に示す相対位置となる位置を駆動力遮断位置としている。即ち、図6(c)に示す駆動力遮断位置を越えた後にも各駆動用コイルに同方向の電流を流し続けた場合には、発生する駆動力の方向が反転し、移動枠14の時計回りの回転を妨げる結果になるためである。
時計回りに加速された移動枠14は、時刻t2において駆動力が遮断された後も、その慣性により時計回りに回転を続け、図3に示す係止位置まで回転する。係止位置においては、各係合部17の当接面17aと、各係合受け部15の当接受け面15aが夫々当接され、移動枠14が固定枠12に対して係止される。
また、この係止位置においては、図14及び図15に示すように、駆動用磁石22aの第1磁石部22a1と係止用磁性材23aが接近するため、駆動用磁石22aが図14における右方向に引きつけられる。同様に、駆動用磁石22b、22cの第1磁石部22b1、22c1も、係止用磁性材23b、23cに引きつけられ、これにより、移動枠14は図3における時計回りの回転力を受ける。この回転力により、各係合部17の当接面17aは、各係合受け部15の当接受け面15aに押し付けられ、移動枠14は係止位置に保持される。
一方、移動枠14を係止位置から通常作動領域に復帰させる場合には、コントローラ36は、各駆動用コイルに所定の電流を流す。即ち、図14及び図15に示すように、係止位置においては、駆動用磁石22aの第2磁石部22a2と駆動用コイル20aの第1巻線部20a1が対向されている。従って、駆動用コイル20aに電流を流すことにより、駆動用磁石22aの第2磁石部22a2と駆動用コイル20aの第1巻線部20a1の間に駆動力を発生させる。このように反時計回りの駆動力を発生させることにより、駆動用磁石22aは係止用磁性材23aから引き離される。
ここで、移動枠14を係止位置から通常作動領域に復帰させる際に駆動用コイル20aに流す電流の方向は、通常作動領域において移動枠14を反時計回りに移動させる電流とは反対向きになる。さらに、移動枠14を係止位置から通常作動領域に向けて反時計回りに加速させ、図6(c)に示す駆動力遮断位置に達したとき、各駆動用コイルに流す電流を遮断する。これにより、移動枠14は、その慣性により通常作動領域に復帰される。
本発明の第1実施形態のカメラにおいては、アクチュエータの移動枠を通常作動領域外の係止位置へ移動させる際に、移動枠を係止位置に向けて加速させ、駆動力遮断位置において駆動用コイルに流す電流をゼロとしている。このため、移動枠が、第2磁石部と第1巻線部が対向する位置に移動されても、反対方向の駆動力が発生することがなく、第1磁石部と第1巻線部及び第2磁石部と第2巻線部が夫々対向しない係止位置へ、移動枠を慣性により移動させることができる。これにより、駆動用コイル及び駆動用磁石を大型化させることなく、通常作動領域から離れた係止位置へ移動枠を移動させることができる。
また、本実施形態のカメラによれば、アクチュエータの移動枠を、係止位置とは反対側の予備動作位置に一旦移動させるので、移動枠を係止位置に向けて加速する距離を長くすることができ、通常作動領域から大きく離れた位置に係止位置を設定することができる。
さらに、本実施形態のカメラによれば、係止位置が、アクチュエータの移動枠を像振れ補正用レンズの光軸と他の撮像用レンズの光軸がほぼ一致された状態で通常作動領域外へ回転させた位置に設定されているので、移動枠の係止位置への移動により像が乱れることはなく、使用者に違和感を与えることがない。
また、本実施形態のカメラによれば、アクチュエータの係止位置において、第1巻線部と第2磁石部が対向されるので、それらの間に発生する駆動力により移動枠を通常作動領域へ復帰させることができる。
なお、上述した実施形態においては、移動枠を通常作動領域から係止位置に移動させる際、駆動力遮断位置で開閉スイッチをオフにして各駆動用コイルに流す電流を遮断していたが、必ずしも電流を遮断する必要はなく、例えば、駆動力がほぼゼロになるように、電流値を小さくしても良い。
さらに、上述した実施形態では、第1巻線部と第2磁石部が対向する位置に係止位置が設定されていたが、通常動作領域外である係止位置を、第1巻線部と第1磁石部、第2巻線部と第2磁石部が夫々対向する位置に設定することもできる。
また、上述した実施形態においては、各駆動用磁石に対応する位置にホール素子等の磁気センサを設け、この磁気センサによって各駆動用磁石の位置を検出していたが、他の任意のセンサで移動枠の位置を検出することもできる。例えば、移動枠又は固定枠の一方に反射パターンを取り付け、他方に、反射パターンに光を照射して反射光を検出する反射センサを取り付け、検出された反射光により移動枠の位置を検出するように構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、コントローラは、位置検出手段が検出した位置と、各コイル位置指令信号の差に比例した操作量を出力する比例制御により移動枠を制御していたが、他の制御方式を採用することもできる。例えば、比例制御に加えて、微分制御、積分制御等を実行するようにコントローラを構成することもできる。
さらに、上述した実施形態においては、係合部と係合受け部が3対設けられていたが、それらを4対以上設けても良い。
また、上述した実施形態においては、撮像用レンズのうちの一部のレンズを移動させることにより像振れ防止制御を行っていたが、全ての撮像用レンズを移動させて防止制御を行うこともできる。
さらに、上述した実施形態においては、移動枠はスチールボールによって支持されていたが、他の任意の機構により可動部支持手段を構成することができる。
次に、図16乃至図19を参照して、本発明の第2実施形態によるカメラを説明する。図16はアクチュエータの移動枠が動作中心位置にある状態を示す正面図である。また、図17は移動枠が係止位置にある状態を示す正面図であり、図18は、そのXVIII−XVIII線に沿う側面断面図である。さらに、図19は、移動枠が係止の予備動作位置にある状態を示す正面図である。
本実施形態によるカメラは、内蔵されたアクチュエータの係止機構が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成については同様の符号を附して説明を省略する。
図16乃至図19に示すように、本実施形態のカメラに内蔵されているアクチュエータ100は、レンズ鏡筒内に固定された固定部である固定枠112と、この固定枠112に対して移動可能に支持された可動部である移動枠114と、この移動枠114を支持する可動部支持手段である3つのスチールボール118と、を有する。また、移動枠114の中心には、像振れ補正用レンズ116が取り付けられている。さらに、アクチュエータ100は、固定枠112に取り付けられた3つの駆動用コイル120a、120b、120cと、移動枠114の、駆動用コイル120a、120b、120cに夫々対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石122a、122b、122cと、を有する。
また、アクチュエータ100は、各駆動用磁石122a、122b、122cの磁力によって移動枠114を固定枠112に吸着させるために、固定枠112に取り付けられた吸着用ヨーク(図示せず)と、駆動用磁石の磁力を固定枠112の方に効果的に差し向けるように、駆動用磁石の裏側に取り付けられたバックヨーク(図示せず)と、を有する。さらに、アクチュエータ100は、スチールボール118を移動枠114に吸着させる吸着用磁石(図示せず)を有する。なお、駆動用コイル120a、120b、120c、及びこれらに対応する位置に取り付けられた3つの駆動用磁石122a、122b、122cは、移動枠114を、固定枠112に対して並進運動させ、且つ回転運動させることができる駆動手段を構成する。
さらに、各駆動用コイル120a、120b、120cの巻線の内側には、磁気センサであるホール素子124a、124b、124cが配置されている。これらのホール素子及び駆動用磁石は、位置検出手段を構成する。
次に、移動枠114の係止機構を説明する。
固定枠112には、その外周から半径方向内方に延びる3つの係合受け部115が設けられている。各係合受け部115は、固定枠112の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて配置されている。また、移動枠114には、各係合受け部115と当接するように、3つの係合部117が、移動枠114の円周方向に120゜ずつ間隔を開けて形成されている。各係合部117は、各係合受け部115と当接するように構成されている。
また、3組の係合部117及び係合受け部115のうちの2組には、固定側係止磁石123a、123bと、可動側係止磁石125a、125bが夫々取り付けられている。これにより、図17に示すように、移動枠114が係止位置に移動されると、固定側係止磁石123aと可動側係止磁石125a、固定側係止磁石123bと可動側係止磁石125bが夫々吸着される。また、移動枠114の通常作動領域においては、各固定側係止磁石と各可動側係止磁石は十分に離れているため、それらの間に作用する吸着力は、実質的にゼロとなる。
各固定側係止磁石と可動側係止磁石が吸着されることにより、各係合部117の当接面117aと各係合受け部115の当接受け面115aが当接される。また、各係合部117及び係合受け部115は、各固定側係止磁石と可動側係止磁石が吸着された状態において、固定側及び可動側係止磁石が取り付けられていない1組の係合部及び係合受け部の間に僅かな隙間ができるように形成されている。これにより、移動枠114は、大きな摩擦抵抗を受けることなく滑らかに係止位置に移動される。
さらに、各係合部117の当接面117a及び各係合受け部115の当接受け面115aは、光軸を中心とする円周方向に向けられた面として形成されている。従って、当接面117aが当接している当接受け面115aから、像振れ補正用レンズ116の光軸までの距離は、機械的に確定される。このように、2つの当接受け面115aから、像振れ補正用レンズ116の光軸までの距離が確定されることにより、固定枠112に対する像振れ補正用レンズ116の光軸の位置が一意的に規定される。
次に、本発明の第2実施形態によるカメラの作用を説明する。
本実施形態によるカメラに内蔵されているアクチュエータ100の、像振れ防止制御における作用は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に、移動枠114の係止位置への移動を説明する。まず、レンズユニットに設けられた係止スイッチ(図示せず)がオンにされると、コントローラに内蔵された係止位置移動手段が起動され、移動枠114を図19に示す係止の予備動作位置に移動させる信号を出力する。この予備動作位置は、像振れ補正用レンズ116の光軸と撮像用レンズの光軸が一致し、かつ、移動枠114を係止位置とは反対の方向(図19における反時計回り)に所定角度回転させた位置に設定されている。
次に、係止位置移動手段は、移動枠114を係止位置に向けて加速させる信号を出力する。移動枠114は、この信号により、像振れ補正用レンズ116の光軸と撮像用レンズの光軸が一致した状態を維持したまま、図19における時計回りに加速される。これにより、移動枠114は、各駆動用コイル120a、120b、120cと各駆動用磁石122a、122b、122cの間に作用する駆動力がゼロになる駆動力遮断位置に到達する。移動枠114が駆動力遮断位置に到達すると、係止位置移動手段は、各駆動用コイルに流れる電流を遮断する。これにより、移動枠114を移動させる駆動力は、係止位置移動手段の出力信号に関わりなくゼロになる。
時計回りに加速された移動枠114は、駆動力がゼロになった後も、その慣性により時計回りに回転を続け、図17に示す係止位置まで回転する。係止位置においては、2組の当接面117aと、当接受け面115aが夫々当接され、移動枠114が固定枠112に対して位置決めされる。また、係止位置においては、係合受け部115及び係合部117に設けられた固定側係止磁石123a、123bと可動側係止磁石125a、125bが夫々吸着されるので、移動枠114は係止位置に保持される。
一方、移動枠114を係止位置から通常作動領域に復帰させる場合には、コントローラは、各駆動用磁石と各駆動用コイルの間に反時計回りの駆動力を発生させる。反時計回りの駆動力を発生させることにより、可動側係止磁石125a、125bは固定側係止磁石123a、123bから引き離される。さらに、移動枠114を係止位置から通常作動領域に向けて反時計回りに加速させ、駆動力遮断位置に達したとき、各駆動用コイルに流す電流を遮断する。これにより、移動枠114は、その慣性により通常作動領域に復帰される。
本発明の第2実施形態のカメラによれば、2組の円周方向に向けられた当接面及び当接受け面を当接させることにより、アクチュエータの移動枠を所定の係止位置に保持し、像振れ補正用レンズの光軸を位置決めすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明を像振れ防止制御用のアクチュエータに適用していたが、本発明を、例えば、レンズユニットのピント調整用のアクチュエータに適用することもできる。
また、上述した実施形態では、本発明をフィルムカメラに適用していたが、本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等、静止画又は動画撮像用の任意のカメラに適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
本発明の第1実施形態によるカメラの断面図である。 移動枠が像振れ防止制御の位置にあるアクチュエータの正面図である。 移動枠が係止位置にあるアクチュエータの正面図である。 図3のIV−IV線側面断面図である。 図2の、(a)V−V線側面断面図、及び(b)駆動用磁石の着磁の状態を示す斜視図である。 駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置と、駆動用磁石が受ける駆動力との関係を示すグラフ(a)、及びグラフ中のb〜e点における駆動用コイルと駆動用磁石の相対位置(b)〜(e)を示す図である。 駆動用磁石の移動とホール素子から出力される信号との関係を説明する図である。 駆動用磁石とホール素子の位置関係を説明する図である。 コントローラにおける信号処理を示すブロック図である。 固定枠上に配置された駆動用コイル、及び移動枠上に配置された駆動用磁石の位置関係を示す図である。 コントローラに内蔵された開閉スイッチの状態を上段に、切替スイッチの状態を中段に、係止位置移動手段の出力信号を下段の実線に、移動枠の回転位置を下段の破線に示した時系列のグラフである。 移動枠の係止の予備動作位置を示す図である。 各駆動用コイルに流す電流を遮断する駆動力遮断位置を示す図である。 係止位置における駆動用コイル、駆動用磁石、及び係止用磁性材の位置関係を示す側面断面図である。 係止位置における駆動用コイル、駆動用磁石、及び係止用磁性材の位置関係を示す正面図である。 本発明の第2実施形態によるカメラに内蔵されたアクチュエータの移動枠が動作中心位置にある状態を示す正面図である。 移動枠が係止位置にある状態を示す正面図である。 図17のXVIII−XVIII線に沿う側面断面図である。 移動枠が係止の予備動作位置にある状態を示す正面図である。
符号の説明
C 着磁境界線
1 カメラ
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 レンズ鏡筒
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ
12 固定枠
13 センサ基板
14 移動枠
15 係合受け部
15a 当接受け面
16 像振れ補正用レンズ
17 係合部
17a 当接面
18 スチールボール
20a 駆動用コイル
20a1 第1巻線部
20a2 第2巻線部
20b 駆動用コイル
20c 駆動用コイル
22a 駆動用磁石
22a1 第1磁石部
22a2 第2磁石部
22b 駆動用磁石
22c 駆動用磁石
23a 係止用磁性材
23b 係止用磁性材
23c 係止用磁性材
24a ホール素子
24b ホール素子
24c ホール素子
26 吸着用ヨーク
28 バックヨーク
30 吸着用磁石
34a ジャイロ
34b ジャイロ
36 コントローラ
37 係止位置移動手段
38a 演算回路
38b 演算回路
38c 演算回路
40a 演算回路
40b 演算回路
40c 演算回路
42a 磁気センサアンプ
42b 磁気センサアンプ
42c 磁気センサアンプ
44a 駆動回路
44b 駆動回路
44c 駆動回路
45 切替スイッチ
46 開閉スイッチ
100 アクチュエータ
112 固定枠
114 移動枠
115 係合受け部
115a 当接受け面
116 像振れ補正用レンズ
117 係合部
117a 当接面
118 スチールボール
120a 駆動用コイル
120b 駆動用コイル
120c 駆動用コイル
122a 駆動用磁石
122b 駆動用磁石
122c 駆動用磁石
123a 固定側係止磁石
123b 固定側係止磁石
124a ホール素子
124b ホール素子
124c ホール素子
125a 可動側係止磁石
125b 可動側係止磁石

Claims (8)

  1. 固定部と、
    可動部と、
    この可動部を、上記固定部に対して平行な平面上で移動できるように支持する可動部支持手段と、
    上記可動部又は上記固定部の何れか一方に取り付けられており、第1巻線部及びこの第1巻線部とは反対の方向に電流が流れる第2巻線部を備えた駆動用コイルと、
    上記可動部又は上記固定部の他方の、上記駆動用コイルに対応する位置に取り付けられており、上記可動部が所定の通常作動領域内にある場合において、上記第1巻線部に対向して位置する第1磁石部、及び上記第2巻線部に対向して位置する、上記第1磁石部とは反対の方向の磁力線を上記第2巻線部に及ぼす第2磁石部を備えた駆動用磁石と、
    上記駆動用コイルに電流を流すことにより、上記可動部を移動させる制御手段と、を有し、
    この制御手段は、上記可動部を上記通常作動領域外の目標位置へ移動させる場合には、上記可動部を上記目標位置に向けて加速させ、その後、上記可動部に作用する駆動力をほぼゼロとすることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 上記制御手段は、上記可動部を上記目標位置に移動させる際、上記可動部を、上記通常作動領域内で一旦上記目標位置とは反対の方向に移動させ、その位置から上記目標位置に向けて加速させる請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 上記可動部は撮像用レンズを備えており、上記制御手段は、上記撮像用レンズを、その光軸に直交する平面上の上記通常作動領域内で並進移動させることにより、像振れを防止する請求項1又は2記載のアクチュエータ。
  4. さらに、上記可動部側に設けられた係合部と、上記固定部側に設けられた係合部受け部と、を有し、上記目標位置においては、上記係合部と上記係合部受け部が係合され、上記可動部が上記固定部に対して係止される請求項1乃至3の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  5. 上記目標位置は、上記可動部側に取り付けられた上記撮像用レンズの光軸と他の撮像用レンズの光軸がほぼ一致された状態で、上記可動部を上記通常作動領域外へ回転させた位置である請求項3又は4記載のアクチュエータ。
  6. 上記目標位置は、上記第1巻線部と上記第2磁石部が対向され、又は上記第2巻線部と上記第1磁石部が対向される位置である請求項1乃至5の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  7. レンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒の内部に収容された複数の撮像用レンズと、
    これら撮像用レンズの一部を上記可動部に取り付けた請求項1乃至6の何れか1項に記載のアクチュエータと、
    を有することを特徴とするレンズユニット。
  8. カメラ本体と、
    請求項7記載のレンズユニットと、
    を有することを特徴とするカメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117708A (ja) * 2008-10-14 2010-05-27 Nidec Sankyo Corp 撮影用光学装置
WO2016153029A1 (ja) * 2015-03-26 2016-09-29 日本電産コパル株式会社 振動アクチュエータ
CN110709767A (zh) * 2017-11-20 2020-01-17 株式会社腾龙 致动器以及包括该致动器的透镜单元、照相机

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