JP5285520B2 - ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング - Google Patents

ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング Download PDF

Info

Publication number
JP5285520B2
JP5285520B2 JP2009158095A JP2009158095A JP5285520B2 JP 5285520 B2 JP5285520 B2 JP 5285520B2 JP 2009158095 A JP2009158095 A JP 2009158095A JP 2009158095 A JP2009158095 A JP 2009158095A JP 5285520 B2 JP5285520 B2 JP 5285520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support ring
groove
run
tire
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009158095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011011656A (ja
Inventor
清人 丸岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2009158095A priority Critical patent/JP5285520B2/ja
Publication of JP2011011656A publication Critical patent/JP2011011656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5285520B2 publication Critical patent/JP5285520B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、ランフラット走行時のトレッド部の内面の損傷を防止して、ランフラット耐久性能を向上しうるランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリングに関する。
パンク等によりタイヤの内圧が低下した場合でも、例えば80km/h程度の速度で数十ないし数百キロメートルの距離を安全に走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」ということがある。)しうるランフラットタイヤ組立体が種々提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
このようなランフラットタイヤ組立体は、空気入りタイヤ、ホイールリム、及び該ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤの内圧低下時にトレッド部の内面と当接してタイヤ荷重を支える環状のサポートリングを含んで構成される。図10(a)に示されるように、サポートリングaの外周面a1には、ランフラット走行時に、トレッド部bの内面b1との摩擦を低減するための潤滑剤cが予め塗布されている。
しかしながら、ランフラット走行時、サポートリングaの外周面a1とトレッド部bの内面b1との間には、大きな接触圧力が生じるため、潤滑剤cが早期にサポートリングaの幅方向の外側に押し出されて流出する傾向がある。このような潤滑剤cの流出を防ぐため、図10(b)に示されるように、サポートリングaの外周面a1に、周方向にのびる周溝dを形成し、該周溝d内に、潤滑剤cを保持させるものが提案されている。
特開2009−018686号公報
ところで、ランフラット走行時、路面eと接地するトレッド部bは、タイヤ赤道側に向かう圧縮力gを受ける。この際、図10(b)のA部の拡大図である図10(c)に示されるように、トレッド部bの内面b1は、周溝dのサポートリングaの幅方向内側の内の溝壁d1とサポートリングaの外周面a1とがなすコーナ部hに強く押付けられる。このような接触により、トレッド部bの内面b1に、クラックやゴム欠け等の損傷が発生し、ランフラット耐久性が低下するという問題があった。
また、図10(b)に示されるように、潤滑剤cが周溝d内で留まる傾向にあり、トレッド部bの内面b1とサポートリングaの外周面a1との摩擦を十分に低減できないという問題もあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、サポートリングの外周面に、サポートリングの幅中心線の両側をのびる一対の側溝を含む周溝を設けるとともに、側溝のサポートリングの幅方向内側の内の溝壁を、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜にすることを基本として、ランフラット走行時のトレッド部の内面の損傷を防止して、ランフラット耐久性能を向上しうるランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリングを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、該ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に前記空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなるランフラットタイヤ組立体であって、前記サポートリングは、前記トレッド部の前記内面と当接する外周面に、摩擦低減用の潤滑剤が塗布されるとともに、前記サポートリングの前記外周面には、周方向にのびる周溝が凹設され、該周溝は、前記サポートリングの幅中心線の両側を夫々のびる一対の側溝を含み、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、前記側溝は、前記サポートリングの幅方向内側の内の溝壁が、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記内の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなす内のコーナ部の角度αが120〜150度である請求項1に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項3記載の発明は、前記外の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなす外のコーナ部の角度βが前記角度αよりも小である請求項2に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項4記載の発明は、前記内、外のコーナ部に、円弧状に面取された面取部を有する請求項2又は3に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項5記載の発明は、前記周溝は、前記サポートリングの幅中心線上に配される中央溝を含むとともに、前記中央溝の両側の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなすコーナ部の角度γがそれぞれ120〜150度である請求項1乃至4の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項6記載の発明は、前記中央溝のコーナ部に、円弧状に面取された面取部を有する請求項5に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項7記載の発明は、前記周溝は、溝幅が10.0〜20.0mm、溝深さが1.0〜3.0mmである請求項1ないし6の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項8記載の発明は、ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する外周面を有する環状のサポートリングであって、前記外周面には、周方向にのびる周溝が凹設され、該周溝は、前記サポートリングの幅中心線の両側を夫々のびる一対の側溝を含み、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、前記側溝は、前記サポートリングの幅方向内側の内の溝壁が、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有することを特徴とするサポートリング。
本発明のランフラットタイヤ組立体は、空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、該ホイールリムの胴部に装着されかつランフラット走行時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなる。従って、タイヤの内圧が低下した場合でも、一定の距離をランフラット走行することができる。
また、サポートリングの外周面には、周方向にのびる周溝が凹設され、周溝は、サポートリングの幅中心線の両側を夫々のびる一対の側溝を含む。このような側溝は、潤滑剤を保持することにより、潤滑剤が早期にサポートリングの外周面から側方へ流出するのを抑制しうる。
また、側溝は、サポートリングの幅方向内側の内の溝壁が、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有するため、内の溝壁とサポートリングの外周面とがなす内のコーナ部がより鈍角化する。このような内のコーナ部は、トレッド部の内面が接触したときでもその損傷を効果的に防ぐことができる。従って、ランフラット耐久性能が向上する。
さらに、内の溝壁は、外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有するため、トレッド部の内面に作用する圧縮力により、溝内の潤滑剤をサポートリングの幅方向内側へより多くはみ出させることができる。他方、外の溝壁は、内の溝壁よりも傾斜が急であるため、潤滑剤がサポートリングの幅方向の外側に押し出されて流出するのを抑制しうる。これにより、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を、好ましく低減しうる。
本発明のランフラットタイヤ組立体の一形態を示す部分断面図である。 サポートリングの側面図である。 図1のサポートリングを拡大して示す断面図である。 内のリング体及び装着冶具を拡大して示す断面図である。 サポートリングを示す部分斜視図である。 外のリング体を拡大して示す断面図である。 側溝を拡大して示す断面図である。 サポートリングの外面とトレッド部の内面が当接した状態を示す部分断面図である。 他の実施形態の外のリング体を拡大して示す断面図である。 (a)は周溝のないサポートリングの部分断面図、(b)は周溝を有するサポートリングの部分断面図、(c)は(b)のA部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のランフラットタイヤ組立体1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)2と、タイヤ2が装着されるホイールリム3と、前記ホイールリム3に装着される環状のサポートリング4とから構成される。
前記タイヤ2は、路面と接地するトレッド部2aと、その両端部からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部2bと、各サイドウォール部2bの半径方向の内方端に形成されかつ非伸張性のビードコア2dが埋設されたビード部2cとを有する。また、タイヤ2には、トロイド状のカーカス2eと、その半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配置されたベルト層2fとが設けられる。
前記ホイールリム3は、例えば、タイヤ半径方向外側の外周面3oを同一径とした胴部3Aと、胴部3Aのタイヤ軸方向の一方側に一体形成されかつタイヤ半径方向外側に突出するフランジ部3Bと、胴部3Aのタイヤ軸方向の他方側でタイヤ半径方向外側に突出し、かつ胴部3Aに着脱自在に取付くサイドリング部3Cとを含んで構成される。
前記胴部3Aには、例えば、タイヤ半径方向に貫通し、かつ空気バルブVを取付可能なバルブ孔6が、タイヤ周方向に1箇所設けられる。また、サイドリング部3Cは、そのタイヤ軸方向外側から嵌め込まれる環状のロックリング7により、胴部3Aに抜け止め固定される。なお、タイヤ2及びサポートリング4を胴部3Aに装着するときには、このサイドリング部3Cが、ホイールリム3から取り外される。また、サイドリング部3C及びタイヤ2の隙間には、例えば、気密性及び水密性に優れたシール材8が配される。
図1、図2に示されるように、サポートリング4は、例えば、周方向に分割、本実施形態では3分割されたリング片4Pを互いに接続することにより環状に形成され、環状の装着冶具5を介してホイールリム3の胴部3Aに装着される。
図3に拡大して示されるように、サポートリング4は、装着冶具5に嵌合される内のリング体4A、ランフラット走行時にトレッド部2aの内面2i(図1に示す)と当接する外周面4oを有する外のリング体4B、及び内、外のリング体4A、4Bを継ぐ支持体4Cを有して形成される。サポートリング4は、ランフラット走行時の荷重を支えることができる、例えば、鉄、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などの金属材料や、硬質ゴム、ポリウレタン又はEPDM等の弾性体によって構成することができ、本実施形態では、アルミニウム合金が用いられている。
また、図4に拡大して示されるように、本実施形態の内のリング体4Aには、装着冶具5に当接する内周面4i、かつ幅中心線4L上に、周方向に連続する凹溝4Fが設けられる。また、凹溝4Fには、内のリング体4Aを斜めに貫通し、かつタイヤ2の内腔2g(図1に示す)に連通する少なくとも1つの貫通孔4Hが設けられる。
図1、図3に示されるように、前記外のリング体4Bは、例えば、外周面4oの幅(最大幅)W1が、トレッド部2aのトレッド端2t、2t間のタイヤ軸方向の距離であるトレッド幅TWの20〜45%に設定され、内のリング体4Aよりも幅広に形成されるのが好ましい。これにより、外のリング体4Bは、大きな外周面を形成し、ランフラット走行時、トレッド部2aの内面2iとの接触圧を低減しうる。また、外のリング体4Bは、装着冶具5を含んだタイヤ半径方向の高さH1が、例えば、ビードベースラインBLからのタイヤ断面高さTHの50〜70%に設定されるのが好ましい。これにより、ランフラット走行時のタイヤ2の縦たわみを抑制し、発熱を抑えることができる。なお、トレッド幅TW及びタイヤ断面高さTHは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
また、前記外のリング体4Bの外周面4oは、タイヤ子午線断面において、タイヤ半径方向外側に凸となる滑らかな円弧面で形成されている。そして、この外周面4oには、ランフラット走行時において、トレッド部2aの内面2iとの摩擦を低減するための潤滑剤9が塗布される。潤滑剤9としては、例えば、ゴムの体積膨張、すなわち膨潤を生じさせない耐ゴム膨潤性を有するものが好ましく、オイル、グリス又はペーストなど種々の性状ものが採用でき、好ましくはグリセリン系、とりわけポリグリコールを基油としたグリスが好適である。また、潤滑剤9は、前記外周面4o上に保持されるように、適度な粘性を有するものが望ましい。また、増ちょう剤として例えばシリカ等を含むものが好ましい。
図2、図3に示されるように、前記支持体4Cは、周方向にのびる主部4C1と、主部4C1から両側方に突出するリブ体4C2とを含んで形成される。主部4C1には、例えば、サポートリング4を軽量化するための孔部11が隔設されるのが好ましい。
前記リブ体4C2は、リング片4Pの周方向の両端に設けられる主リブ体12、12と、主リブ体12、12間に少なくとも1つ設けられる副リブ体13とを含む。主リブ体12には、貫通する取付孔14が設けられ、隣り合うリング片4P、4Pを、ボルト等の締結手段4Eを用いて連結できる。また、副リブ体13にも、例えば、リング片4Pを軽量化するための切欠部15が形成される。
図3に示されるように、前記装着冶具5は、タイヤ周方向に連続するリング状をなす。装着冶具5は、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などの金属材料や、硬質ゴム、ポリウレタン又はEPDM等の弾性体によって構成することができ、本実施形態では、硬質ゴムの一体成形品が用いられている。
また、図4に示されるように、装着冶具5は、タイヤ半径方向外側の外周面5oに、タイヤ周方向に連続し、かつ内のリング体4Aが嵌め込み可能な取付凹溝5Aが設けられる。また、この取付凹溝5Aの幅は、内のリング体4Aの幅と略同一に設定される。これにより、内のリング体4Aは、取付凹溝5Aに、位置ずれすることなく周方向に亘って嵌合される。
また、図1に示されるように、本実施形態の装着冶具5は、タイヤ2のビード部2c、2c間で装着される。これにより、各ビード部2c、2cは、フランジ部3Bと装着冶具5との間、及びサイドリング部3Cと装着冶具5との間でタイヤ軸方向に把持され、ランフラット走行時における気密性や、リム外れを効果的に抑制でき、ランフラット耐久性を向上しうる。
さらに、図4に示されるように、装着冶具5には、タイヤ半径方向内側の内面5i側に、ホイールリム3のバルブ孔6と連通し、かつタイヤ周方向に連続してのびる凹溝5Fが設けられる。このような凹溝5Fは、装着冶具5とホイールリム3とをタイヤ周方向で位置調節することなく、バルブ孔6と連通できる。
また、装着冶具5には、一端が凹溝5Fに連通し、かつ他端が内のリング体4Aの凹溝4Fに連通する貫通孔5Hが、タイヤ周方向に少なくとも一つ設けられる。このような貫通孔5Hは、サポートリング4と装着冶具5とをタイヤ周方向で位置調節することなく、貫通孔4H及び貫通孔5Hと連通できる。従って、ホイールリム3、サポートリング4、及び装着冶具5を、タイヤ周方向で位置調整することなく、バルブ孔6からの高圧空気を、貫通孔5H、4Hを経て、タイヤ2の内腔2g(図1に示す)に供給してタイヤ2を膨張させることができる。
図3、図5に示されるように、サポートリング4の前記外のリング体4Bの外周面4oには、周方向にのびる周溝16が設けられる。本実施形態の周溝16は、サポートリング4の幅中心線4Lの両側を夫々のびる一対の側溝17、17を含む。
図6、図7に示されるように、本実施形態の側溝17は、サポートリング4の幅方向内側の内の溝壁17iと、サポートリング4の幅方向外側の外の溝壁17oと、これらの各内端を継ぐ溝底17bとを有する。側溝17の溝幅は、タイヤ半径方向外側に向かって漸減している。そして、本発明では、内の溝壁17iは、外の溝壁17oよりも緩やかな傾斜を有する。
また、側溝17には、内、外の溝壁17i、17oとサポートリング4の外周面4oとが交わるコーナ部18が形成される。このコーナ部18は、内の溝壁17iとサポートリング4の外周面4oとが交わる内のコーナ部18iと、外の溝壁17oと外周面4oとが交わる外のコーナ部18oとを含む。内のコーナ部18iは、外のコーナ部18oに比して、非先鋭化されている。換言すれば、角度が大きい。
図8に示されるように、路面と接地するトレッド部2aは、タイヤ赤道側へ向かう圧縮力CPを受ける。従って、ランフラット走行時には、この圧縮力CPによって、トレッド部2aの内面2iは、内のコーナ部18iに向かって強く押し付けられる。しかし、本実施形態では、内のコーナ部18iがより鈍角化されているため、内のコーナ部18iによって、トレッド部2aの内面2iとの間の圧力を下げることができる。従って、トレッド部2aの内面2iの傷付を抑制しうる。
また、側溝17は、ランフラット走行時、サポートリング4に塗布された潤滑剤9を長時間に亘って保持できる。そして、トレッド部2aの内面2iとサポートリング4の外周面4oとの接触圧力により、緩やかな傾斜を有する内の溝壁17iからサポートリング4の幅方向内側に、側溝17内に保持される潤滑剤9を少しずつはみ出させることができる。また、外の溝壁17oは、内の溝壁17iに比べて急な傾斜を有するので、外の溝壁17oからサポートリング4の幅方向外側へ、必要量以上の潤滑剤9のはみ出しを抑制できる。
このように、ランフラットタイヤ組立体1は、トレッド部2aの内面2iの損傷を効果的に抑制して、ランフラット耐久性を向上しうる。また、ランフラットタイヤ組立体1は、トレッド部2aの内面2iとサポートリング4の外周面4oとの接触圧力が大きいサポートリング4の幅方向内側へ、側溝17内に保持される潤滑剤9を能率良くはみ出させることができ、内面2iと外周面4oの摩擦を好ましく低減できる。しかも、サポートリング4の幅方向外側へ、必要量以上の潤滑剤9のはみ出しを抑制でき、早期にサポートリング4の外周面4oから側方へ流出するのを抑制しうる。
図7に示されるように、内の溝壁17iと、サポートリング4の外周面4oとがなす内のコーナ部18iの角度αについては、内の溝壁17iが、外の溝壁17oよりも緩やかな傾斜を有すれば適宜定めることができるが、角度αが小さすぎると、トレッド部2aの内面2i(図8に示す)の損傷を抑制できないおそれがある。逆に、角度αが大きすぎると、必要量以上の潤滑剤9が、側溝17に対してサポートリング4の幅方向内側へはみ出すおそれがある。このような観点により、内のコーナ部18iの角度αは、好ましくは120度以上、さらに好ましくは130度以上が望ましく、また、好ましくは150度以下、さらに好ましくは140度以下が望ましい。
また、外の溝壁17oと、サポートリング4の外周面4oとがなす外のコーナ部18oの角度βについても、内のコーナ部18iの角度αと同様に適宜定めることができるが、角度βが小さすぎると、側溝17に対してサポートリング4の幅方向外側へ、潤滑剤9が十分はみ出ないおそれがある。逆に、角度βが大きすぎると、必要量以上の潤滑剤9がはみ出すおそれがある。このような観点により、外のコーナ部18oの角度βは、好ましくは110度以上、さらに好ましくは120度以上が望ましく、また、好ましくは140度以下、さらに好ましくは130度以下が望ましい。
内、外のコーナ部18i、18oには、円弧状に面取された面取部19を有するのが好ましい。このような面取部19は、内、外のコーナ部18i、18oと、トレッド部2aの内面2i(図8に示す)との接触による衝撃を緩和し、内面2iの損傷を抑制しうる。
周溝16の溝深さD1については、適宜定めることができるが、溝深さD1が小さすぎると、潤滑剤9を十分に保持できないおそれがある。逆に、溝深さD1が大きすぎると、サポートリング4の剛性を低下させるおそれがある。このような観点により、周溝16の溝深さD1は、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上が望ましく、また、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下が望ましい。
また、図6に示されるように、周溝16の溝幅W2についても、適宜定めることができる。しかし、溝幅W2が小さすぎると、潤滑剤9を十分に保持できないおそれがある。逆に、溝幅W2が大きすぎると、サポートリング4の外周面4oとトレッド部2aの内面2i(図8に示す)との接触圧力が大きくなり、内面2iが損傷するおそれがある。このような観点により、周溝16の溝幅W2は、好ましくは10.0mm以上、さらに好ましくは13.0mm以上が望ましく、また、好ましくは20.0mm以下、さらに好ましくは18.0mm以下が望ましい。
また、側溝17、17のサポートリング4の幅方向の間隔Sについても、適宜定めることができるが、間隔Sが小さすぎると、サポートリング4の外周面4oとトレッド部2aの内面2i(図8に示す)とが、サポートリング4の幅中心線4L側で接地圧が高くなり、内面2iが損傷するおそれがある。逆に、間隔Sが大きすぎると、潤滑剤9をサポートリング4の内側に十分にはみ出せないおそれがある。このような観点により、側溝17、17の間隔Sは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上が望ましく、また好ましくは60mm以下、さらに好ましくは50mm以下が望ましい。
本実施形態では、周溝16が、サポートリング4の幅中心線4Lの両側に、各1本配される側溝17のみを含むものを例示したが、このような態様に限定されるものではない。例えば、図9に示されるように、周溝16は、側溝17の他に、サポートリング4の幅中心線4L上に配される中央溝20を含めることができる。このような中央溝20は、接触圧力の高い幅中心線4L上で潤滑剤9を保持でき、トレッド部2aの内面2iとサポートリング4の外周面4oとの摩擦を好ましく低減できる。
また、中央溝20の両側の溝壁20w、20wと、サポートリング4の外周面4oとがなすコーナ部21の角度γについては適宜定めることができるが、角度γが小さすぎると、中央溝20に対してサポートリング4の幅方向両側へ潤滑剤9が十分にはみ出ないおそれがある。逆に、角度γが大きすぎると、潤滑剤9が必要以上にはみ出し、十分に保持できないおそれがある。このような観点により、コーナ部21の角度γは、好ましくは120度以上、さらに好ましくは130度以上が望ましく、また、好ましくは150度以下、さらに好ましくは140度以下が望ましい。
なお、中央溝20のコーナ部21にも、トレッド部2aの内面2iの損傷を抑制する観点により、円弧状に面取された面取部19を有するのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造をなし、かつ表1に示す傾斜溝を有するランフラット組立体を試作するとともに、それらの性能を比較した。
タイヤサイズ:315/70R20
リムサイズ:7.50V×20
テストの方法は次の通りである。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った上記リムにリム組みし、デフレート状態でドラム試験機上を速度30km/h、縦荷重44.13kNの条件にて走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、比較例1を100とする指数により評価した。数値が大きいほどランフラット耐久性能に優れている。
<潤滑剤の残量>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った上記リムにリム組みし、デフレート状態でドラム試験機上を速度30km/h、縦荷重44.13kNの条件にて、距離50km走行させた。走行後のサポートリングを取り出し、潤滑剤が塗布されていないサポートリングとの重量差(潤滑剤の残量)を測定し、比較例1を100とする指数により評価した。数値が大きいほど潤滑剤の残量が多いことを示す。
テスト結果を表1に示す。
Figure 0005285520
Figure 0005285520
テストの結果、実施例のランフラットタイヤ組立体は、潤滑剤の流出を抑制することができるとともに、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を低減しつつ、ランフラット耐久性能を向上しうることが確認できた。
1 ランフラットタイヤ組立体
2 空気入りタイヤ
3 ホイールリム
4 サポートリング
9 潤滑剤
16 周溝
17 側溝

Claims (8)

  1. 空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、該ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に前記空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなるランフラットタイヤ組立体であって、
    前記サポートリングは、前記トレッド部の前記内面と当接する外周面に、摩擦低減用の潤滑剤が塗布されるとともに、
    前記サポートリングの前記外周面には、周方向にのびる周溝が凹設され、該周溝は、前記サポートリングの幅中心線の両側を夫々のびる一対の側溝を含み、
    タイヤ回転軸を含む子午線断面において、前記側溝は、前記サポートリングの幅方向内側の内の溝壁が、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有することを特徴とするランフラットタイヤ組立体。
  2. 前記内の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなす内のコーナ部の角度αが120〜150度である請求項1に記載のランフラットタイヤ組立体。
  3. 前記外の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなす外のコーナ部の角度βが前記角度αよりも小である請求項2に記載のランフラットタイヤ組立体。
  4. 前記内、外のコーナ部に、円弧状に面取された面取部を有する請求項2又は3に記載のランフラットタイヤ組立体。
  5. 前記周溝は、前記サポートリングの幅中心線上に配される中央溝を含むとともに、
    前記中央溝の両側の溝壁と、前記サポートリングの前記外周面とがなすコーナ部の角度γがそれぞれ120〜150度である請求項1乃至4の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体。
  6. 前記中央溝のコーナ部に、円弧状に面取された面取部を有する請求項5に記載のランフラットタイヤ組立体。
  7. 前記周溝は、溝幅が10.0〜20.0mm、溝深さが1.0〜3.0mmである請求項1ないし6の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体。
  8. ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する外周面を有する環状のサポートリングであって、
    前記外周面には、周方向にのびる周溝が凹設され、該周溝は、前記サポートリングの幅中心線の両側を夫々のびる一対の側溝を含み、
    タイヤ回転軸を含む子午線断面において、前記側溝は、前記サポートリングの幅方向内側の内の溝壁が、幅方向外側の外の溝壁よりも緩やかな傾斜を有することを特徴とするサポートリング。
JP2009158095A 2009-07-02 2009-07-02 ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング Expired - Fee Related JP5285520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009158095A JP5285520B2 (ja) 2009-07-02 2009-07-02 ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009158095A JP5285520B2 (ja) 2009-07-02 2009-07-02 ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011011656A JP2011011656A (ja) 2011-01-20
JP5285520B2 true JP5285520B2 (ja) 2013-09-11

Family

ID=43590957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009158095A Expired - Fee Related JP5285520B2 (ja) 2009-07-02 2009-07-02 ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5285520B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103818194A (zh) * 2014-02-25 2014-05-28 冯莉莉 支撑式胎芯
CN105034711B (zh) * 2015-08-20 2017-02-22 资义勇 真空胎爆胎防护圈
CN106240245A (zh) * 2016-07-30 2016-12-21 无锡康柏斯机械科技有限公司 一种用于汽车车轮脱离时的安全补救装置
CN113997731A (zh) * 2021-12-01 2022-02-01 吉林大学 一种基于远红外发热的智能轮胎加热装置及方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589003B2 (ja) * 1977-07-07 1983-02-18 オ−ツタイヤ株式会社 車輪
JPS5827843Y2 (ja) * 1977-07-14 1983-06-17 本田技研工業株式会社 車輪
US6726460B2 (en) * 2002-04-16 2004-04-27 Michelin Recherche Et Technique S.A. Collapsible mechanism for molding a tire bead
JP4142521B2 (ja) * 2003-07-18 2008-09-03 株式会社ブリヂストン 空気入りランフラットタイヤ
JP3808858B2 (ja) * 2003-10-07 2006-08-16 住友ゴム工業株式会社 サポートリング、及びタイヤ組立体
JP4152355B2 (ja) * 2004-07-02 2008-09-17 株式会社オリンピア 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011011656A (ja) 2011-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7905264B2 (en) Runflat tire
JP2014184808A (ja) 空気入りタイヤ
US10857838B2 (en) Pneumatic tire
JP2007160983A (ja) 空気入りタイヤ
EP3202594A1 (en) Pneumatic tire
JP6747055B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5285520B2 (ja) ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング
US11654720B2 (en) Tire
JP2018095042A (ja) 空気入りタイヤ
JP3771548B2 (ja) サポートリング及びこれを用いたタイヤ組立体
US6213179B1 (en) Run-flat tire system for motorcycles
EP0940269B1 (en) Tyre system for motorcycles
JP2007055479A (ja) 空気入りタイヤ
JP5297286B2 (ja) ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング
JP2009083717A (ja) 安全タイヤ及び安全タイヤ用空気のう
JP5395526B2 (ja) ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング
JP2002240516A (ja) 空気入りタイヤ
JP4487121B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2007045359A (ja) 空気入りタイヤおよびタイヤホイール組立体
JP2005193750A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP4820122B2 (ja) 空気入りタイヤとリムとの組立体
WO2021130833A1 (en) A noise improving tread
JP4765476B2 (ja) タイヤ/ホイール組立体
JP2023134124A (ja) タイヤ
JP2023134123A (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5285520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees