JP4487121B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、新品時におけるリム組み作業性および走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制することができる空気入りタイヤに関するものである。
一般に、トラック、バスなどの車両に装着される重荷重車両に用いられる空気入りタイヤは、ビードシートのテーパー角が15°のリムに装着される。この空気入りタイヤを上記リムにリム組みする作業は、まず空気入りタイヤの一方のタイヤビード部のビードヒールをリムフランジの一方に密着するように組み付け、他方のタイヤビード部をリムの中央部に落とし込んだ状態とする。そして、リムの空気穴から空気を空気入りタイヤのタイヤ内周面とリムとで構成される空間部に送り込み、この空気入りタイヤをインフレートすることで行われる。このとき、上記リムの中央部に落とし込まれた他方のタイヤビード部のビードベースがリムの他方のビードシートに乗り上げると共に、ビードヒールがリムの他方のリムフランジと密着する。
ここで、上記空気入りタイヤをインフレートする際には、タイヤビード部とリムとの間に摩擦力が発生し、この摩擦力によりタイヤビード部をビードコア回りに回転させる力が作用する。この力は、タイヤビード部のビードヒールからビードトウに向かう力である。従って、リム組み作業終了時においては、ビードトウがリムから浮き上がった状態となる。そこで、この浮き上がりを防止するため、特許文献1に示すような技術が提案されている。この特許文献1に示す従来の空気入りタイヤは、タイヤビード部のビードベースに2段テーパーを採用、リムに対するビードトウの浮き上がりを抑制するものである。
特開2002−254908号公報
ところで、リム組みされた空気入りタイヤは、トラック、バスなどの重荷重車両に装着される。この空気入りタイヤには、高荷重が負荷されるため、高内圧とする必要がある。従って、重荷重車両に装着された空気入りタイヤは、高荷重、高内圧の状態で転動するため、高温状態となる。このとき、ビードトウがリムから浮き上がった状態であるため、この空気入りタイヤのビードトウを構成するゴムが新品時と比較して硬化し、タイヤビード部の形状が変形する。つまり、ビードトウの内径φが新品時と比較して、走行後には大きくなる。ここで、この空気入りタイヤを再度リムにリム組みする場合がある。この場合に、走行後のビードトウの内径φは大きくなっているため、ビードトウの内径φとリムのリム径Dとの比φ/Dが大きくなる。これにより、再リム組み作業において、この空気入りタイヤをインフレートする際の再インフレート性が低下するという問題がある虞がある。
一方、上記再インフレート性の低下を抑制するために、新品時の空気入りタイヤのビードトウの内径φを小さく、つまりビードトウの内径φとリムのリム径Dとの比φ/Dを小さくすることが考えられる。しかしながら、上述のように新品時におけるビートトウの内径φを小さくすると、新品時における空気入りタイヤのリムに対するリム組み作業性が悪化するという問題がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少なくとも新品時におけるリム組み作業性および走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、少なくともタイヤ軸方向に対向するビードコアと、当該ビードコア間に掛け渡されるとともに、その両端部が当該ビードコアを巻き込むように折り返されるカーカス層とを備えるタイヤビード部にビードヒールからビードトウに向かってタイヤ径方向内方にタイヤ軸方向に対して傾斜するビードベースを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアのタイヤ子午線方向断面における外周のうち最もタイヤ径方向内方に位置する点Aから前記ビードベースに向かって引いた垂線と当該ビードベースとの交点をXとし、前記ビードコアのタイヤ子午線方向断面における重心点Bから前記ビードベースに向かって引いた垂線と当該ビードベースと交点をYとし、前記交点Xと前記交点Yとの範囲内の前記ビードベース上の点をPとし、前記ビードベースは、前記点Pよりビードヒール側がタイヤ軸方向に対する傾斜角度が前記ビードベースの傾斜角度αと同一である直線により形成され、前記点Pよりビードトウ側がタイヤ径方向外方側に凸形状となる曲線により形成され、前記曲線は、前記点Pよりビードヒール側のビードベースを当該点Pよりビードトウ側に延長した延長線よりタイヤ径方向内方に位置するとともに、ビードヒールからビードトウに向かって小さくなる2以上の曲率半径を有し、前記ビードトウの前記ビードベースのタイヤ赤道面方向端部とタイヤ内周面との交点における内径φと空気入りタイヤを組み付けるリムのリム径Dとの比φ/Dが0.952≦φ/D≦0.960の範囲内であることを特徴とする。
また、この発明では、上記空気入りタイヤにおいて、前記曲線の点Pにおける曲率半径R1は、R1>30mmであることが好ましい。
また、この発明では、上記空気入りタイヤにおいて、ビードベースの傾斜角度αは、15°≦α≦20°であることが好ましい。
また、この発明では、上記空気入りタイヤにおいて、ビードトウは、100[%]モジュラスMが4.5[MPa]以上6.0[MPa]以下のゴムにより構成されていることが好ましい。
これらの発明によれば、ビードベースは、点Pよりビードトウ側がタイヤ径方向外方に凸形状で、点Pよりビードヒール側のビードベースをこの点Pよりビードトウ側に延長した延長線よりタイヤ径方向内方に位置し、ビードヒールからビードトウに向かって小さくなる2以上の曲率半径を有する曲線により形成され、すなわちタイヤ子午線方向断面におけるビードトウがくちばし状に形成される。また、ビードトウの内径φとこの空気入りタイヤを組み付けるリムのリム径Dとの比φ/Dを0.952≦φ/D≦0.960の範囲内、すなわちビードベースが2段テーパーで形成されている従来の空気入りタイヤでは新品時におけるリム組み作業性が低下する虞があるビードトウの内径φとする。つまり、ビードベースが2段テーパーにより構成される空気入りタイヤと比較して、ビードトウ側のビードベースは、このビードトウに近づくほど容易に変形することができる。従って、ビードトウの内径φがリム組みするリムのリム径Dに対して小さくても、空気入りタイヤの新品時におけるリム組み作業において、ビードベースのビードトウ側の変形が容易であるので、空気入りタイヤの両方のタイヤビード部をリムの対向するリムフランジ内に容易に挿入することができる。これにより、新品時におけるリム組み作業性の低下を抑制することができる。
また、車両が走行することにより、タイヤビード部が変形しビードトウの内径φがリムのリム径Dに対して大きく、つまり新品時のビードトウの内径φより大きくなっても、ビードベースに2段テーパーが形成された従来の空気入りタイヤの新品時におけるリム組み作業性の低下を抑制できる程度のビードトウの内径φよりも、予めビードトウの内径φが小さくなっている。従って、走行後におけるビードトウの内径φは、従来のビードベースが2段テーパーで構成されている空気入りタイヤの走行後におけるビードトウの内径φより小さくなる。これにより、走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制することができる。
この発明にかかる空気入りタイヤは、少なくとも新品時におけるリム組み作業性および走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の実施例における空気入りタイヤの内部構造は、一般的なラジアルタイヤあるいはバイアスタイヤの構造と同様であるのでその説明は省略する。
図1は、この発明にかかる空気入りタイヤのタイヤビード部の構成例を示す図である。図2は、この発明にかかる空気入りタイヤのリム組み状態を示す図である。なお、上記図1および図2は、空気入タイヤ1のタイヤ軸方向に対向する一方のタイヤビード部2を示すものであり、タイヤ子午面で切った断面の一部断面図である。
図1に示すように、この発明にかかる空気入りタイヤ1のタイヤビード部2は、タイヤ軸方向に対向するビードコア8と、カーカス層9と、これらが埋設された図示しないゴム材料とにより構成される。このタイヤタイヤビード部2のビードトウ3とビードヒール4との間にビードベース5がタイヤ周方向(図1では、紙面鉛直方向)に連続に形成される。ここで、ビードトウ3とは、タイヤビード部2のビードベース5のタイヤ赤道面方向端部とタイヤ内周面6との交点近傍部分をいう。また、ビードヒール4とは、タイヤビード部2のビードベース5のタイヤ赤道面方向と反対側の端部の延長線とタイヤビード部2の図示しないタイヤ外周面との延長線との交点近傍部分をいう。また、2aは空気入りタイヤ1の図示しないタイヤ中心軸からの同一距離に位置し、且つタイヤ周方向に連続するリムチェックラインである。また、ビードコア8は、複数のビードワイヤなどで構成されるものである。また、カーカス層9は、タイヤ軸方向に対向するビードコア8間に掛け渡されるとともに、その両端部がビードコア8を巻き込むように折り返されるものである。
タイヤビード部2のビードベース5は、図1に示すように、タイヤ子午線断面においてビードヒール4からビードトウ3に向かって、タイヤ径方向内方にタイヤ軸方向に対して傾斜するように形成されている。このビードベース5は、点Pよりビードヒール4側が直線5aにより形成されており、この点Pよりもビードトウ3側が曲線5bにより形成されている。
ここで、点Pは、図1に示すように、タイヤ子午線方向断面において、ビードコア8の外周のうち最もタイヤ径方向内方に位置する点Aからビードベース5に向かって引いた垂線Cとビードベース5との交点Xと、ビードコア8の重心点Bからビードベースに向かって引いた垂線Dと当該ビードベースと交点Yとの範囲内のビードベース5上に位置する。
ビードベース5の一部を形成する点Pよりビードヒール4側の直線5aは、タイヤ軸方向に対する傾斜角度がビードベース5の傾斜角度αと同一である。ここで、ビードベース5の傾斜角度αは、15°〜20°の範囲であり、好ましくは17°である。
ここで、ビードベース5の傾斜角度α、すなわち直線のタイヤ軸方向に対する傾斜角度を15°以上とするのは、これよりも小さいと、空気入りタイヤ1を後述するリム10にリム組みした際に、タイヤベース部2とリム10との間、特にビードヒール部4とリム12の後述するビードシート11あるいはリムフランジ12との間に空隙が発生する虞があるためである。従って、ビードベース5の傾斜角度αを15°以上とすることで、この空隙の発生を抑制し、タイヤベース部2とリム10との嵌合力低下を抑制し、この空気入りタイヤ1を装着した車両の走行時にリム10に対する空気入りタイヤ1のずれ、すなわちリムずれを抑制することができる。
一方、ビードベース5の傾斜角度αを20°以下とするのは、これよりも大きいと、空気入りタイヤ1を後述するリム10にリム組みした際、すなわちリム組み作業時、特に空気入りタイヤ1の新品時におけるリム組み作業時において、ビードベース5の直線5aが後述するリム10のビードシート11をタイヤ赤道面方向と反対側に移動する際の摩擦力が大きくなり過ぎるためである。従って、ビードベース5の傾斜角度αを20°以下とすることで、この摩擦力を低減し、タイヤビード部2のタイヤ周方向におけるリム10に対する嵌合性の低下、すなわち均一嵌合性の低下を抑制し、空気入りタイヤ1のリム10に対する偏芯嵌合を抑制することができる。
ビードベース5の一部を形成する点Pよりビードトウ3側の曲線5bは、タイヤ径方向外方側に凸形状となるように形成されている。また、この曲線5bは、この点Pよりビードヒール4側のビードベース5、すなわち直線5aを点Pよりビードトウ3側に延長した延長線Eよりタイヤ径方向内方に位置する。また、曲線5bは、この実施例ではビードヒール4からビードトウ2に向かって2つ曲率半径R1,R2を有し、この曲率半径R1、R2をビードヒール4からビードトウ3に向かって小さく、すなわちR1>R2とする。つまり、曲線5bは、点Pから曲率半径R1を有する曲線(円弧)と、この曲線と接続し、タイヤ内周面のタイヤ径方向内方の端部に接続する曲率半径R2の曲線(円弧)とにより構成されている。これらにより、タイヤビード部2のビードトウ3(ビードベース5とタイヤ内周面6とにより構成される部分)は、タイヤ子午線方向断面においてくちばし状に形成される。
ビードベース5の曲線5bの曲率半径R1、すなわちこの曲線5bの点Pにおける曲率半径R1は、R1>30mmであることが好ましい。曲率半径R1を30mmよりも大きくするのは、これ以下であると、くちばし状に形成されたタイヤビード部2のビードトウ3が大きくなり、すなわちタイヤ径方向内方に延び、空気入りタイヤ1を後述するリム10にリム組みした際、すなわちリム組み作業時、特に空気入りタイヤ1の新品時におけるリム組み作業時において、ビードベース5の曲線5bが後述するリム10のビードシート11をタイヤ赤道面方向と反対側に移動する際の摩擦力が大きくなり過ぎるためである。従って、曲率半径R1を30mmよりも大きくすることで、曲線5bが緩やかに形成され、この摩擦力を低減し、タイヤビード部2のタイヤ周方向におけるリム10に対する嵌合性の低下、すなわち均一嵌合性の低下を抑制し、空気入りタイヤ1のリム10に対する偏芯嵌合を抑制することができる。
また、タイヤビード部2のビードトウ3は、100[%]モジュラスM(JIS K6251)が4.5[MPa]以上6.0[MPa]以下のゴムにより構成されていることが好ましい。これにより、ビードトウ3に適度な剛性を与え、リム組み作業性、特に、空気入りタイヤ1の両方のタイヤビード部2を後述するリム10の対向するリムフランジ12間に挿入、あるいはこのリムフランジ12間に挿入された両方のタイヤビート部2を取り外す際に、このビードトウ3に加わる力(タイヤ赤道面方向あるいはその反対側)により、亀裂やもげ、つまりビードトウ欠けの発生を抑制することができ、リム組み作業性の向上を図ることができる。
また、タイヤビード部2のビードトウ3の内径φ、つまり空気入りタイヤ1のタイヤ中心軸を通る対向するビードトウ3間の距離は、このビードトウ3の内径φとこの空気入りタイヤ1を組み付けるリム10(図1では、2点鎖線)のリム径Dとの比φ/Dが0.952≦φ/D≦0.960の範囲内となるように設定されている。ここで、上記比φ/Dを0.952≦φ/D≦0.960の範囲内とすることは、ビードベース5が2段テーパーにより構成される従来の空気入りタイヤの新品時におけるリム組み作業性が低下する虞があるビードトウの内径φに設定することである。
なお、この空気入りタイヤ1を組み付けるリム10は、JATMAなどの規格の標準リムのことをいう。このリム10は、タイヤビード部2のビードベース5が密着するビードシート11とタイヤビード部2のビードヒール4が密着するリムフランジ12とにより構成されている。なお、このリム10は、ビードシート11がリム軸に対して15°傾斜した15°テーパーリムである。
この発明にかかる空気入りタイヤ1をリム10に組み付ける、つまりリム組み作業について説明する。ここでは、空気入りタイヤ1が新品の状態でリム10にリム組みする場合について説明する。まず、空気入りタイヤ1のタイヤビード部2あるいはリム10のビードシート11とリムフランジ12の少なくともいずれか一方に図示しない潤滑材を塗布する。この潤滑材は、空気入りタイヤ1をリム10に組み付ける際に、タイヤビード部2のビードトウ3、ビードヒール4、ビードベース54がリム10のビードシート11およびリムフランジ12に対してタイヤ赤道面方向と反対方向に移動しやすくするためのものである。
次に、この空気入りタイヤ1の一方のタイヤビード部2のビードヒール4をリム10の一方のリムフランジ12に密着するように組み付けるとともに、他方のタイヤビード部2をリム10の図示しない中央部に落とし込んだ状態とする。このとき、対向するタイヤビード部2をリム10の対向するリムフランジ12の間に挿入する際に、ビードトウ3がくちばし状に形成されており、ビードトウ3側のビードベース5、すなわち曲線5bは、このビードトウ3に近づくほど容易に変形する。従って、この空気入りタイヤ1の新品時におけるビードトウ3の内径φが、ビードベース5が2段テーパーにより構成される空気入りタイヤの新品時におけるリム組み作業性が低下する虞があるビードトウ3の内径φより小さい、つまりリム組みするリム10のリム径Dに対して小さくても、ビードトウ3の近傍3の近傍が容易に変形し、空気入りタイヤ1の対向するタイヤビード部2をリム10の対向するリムフランジ12内に容易に挿入することができる。これにより、空気入りタイヤ1の新品時におけるリム組み作業性の低下を抑制することができる。
次に、リム10の空気穴から正規内圧の空気を空気入りタイヤ1のタイヤ内周面6とリム10とで構成される空間部に送り込む、つまりインフレートする。インフレートし始めると、空気入りタイヤ1は、タイヤ幅方向に膨らみ始め、上記リム10の中央部に落とし込まれた他方のタイヤビード部2のビードベース5がリム10の他方のビードシート11に乗り上げると共に、このビードベース5がビードシート11上をタイヤ幅方向に移動する。そして、ある程度空気がインフレートされると、他方のタイヤビード部2のビードヒール4がリム10の他方のリムフランジ12と密着する。さらに、空気を正規内圧となるまでインフレートすることで、この空気入りタイヤ1のリム組み作業を終了する。
リム組み作業が終了した空気入りタイヤ1では、図2に示すように、ビードベース5の直線5a、曲線5bが、リム10のビードシート11により変形する。ここで、タイヤビード部2のビードトウ3は、ビードシート11に対して、浮き上がらない。これは、リム組み作業時に容易に変形したくちばし状に形成されるビードトウ3の変形量がビードトウ3のタイヤ径方向の浮き上がり量を相殺するためである。
上述のように、新品の状態でリム組みされた空気入りタイヤ1をトラック、バスなどの重荷重車両に装着し走行するが、走行時においてリム10が走行時に変形などを生じ、走行に適さない状態となることがある。この場合は、リム組みされた空気入りタイヤ1をリム10から取外し、新たなリム10にリム組みする必要がある。また、走行により空気入りタイヤ1の図示しないトレッド部が使用限界に達し、トレッド部以外の部分(例えば、サイドウォール部、タイヤビード部2)はまだ使用限界に達していない場合がある。この場合は、トレッド部を再生するリトレッドを行うために、リム組みされた空気入りタイヤ1をリム10から取外し、再度リム10にリム組みする必要がある。
リム組みされた走行後の空気入りタイヤ1をリムから取り外す際には、タイヤビード部2のビードトウ3は、リム10のビードシート11あるいはリムフランジ12と接触することでタイヤ赤道面方向に力が加わる。従って、走行後の空気入りタイヤ1は、走行中の高荷重、高内圧、高温により、ビードトウ3を構成するゴムが硬化している虞がある。しかし、この空気入りタイヤ1は、タイヤビード部2のビードトウ3は、100[%]モジュラスMが4.5[MPa]以上6.0[MPa]以下のゴム、つまり比較的剛性の高いゴムにより構成されているので、この上記タイヤ赤道面方向に加わる力により、ビードトウ欠けの発生を抑制することができる。
次に、新しいリム10あるいは既存のリム10に対して、走行後の空気入りタイヤ1を再度リム組みする。このときのリム組み作業は、上記新品時におけるリム組み作業と同様であるのでその説明は省略するが、走行後の空気入りタイヤ1においては、タイヤビード部2が変形し、ビードトウ3の内径φが新品時のビードトウ3の内径φよりも大きくなる虞がある。しかし、この空気入りタイヤ1の新品時におけるビードトウ3の内径φは、ビードベース5が2段テーパーにより構成されている従来の空気入りタイヤの新品時におけるリム組み作業性の低下を抑制できる程度のビードトウの内径φよりも小さい。つまり、この空気入りタイヤ1の走行後におけるビードトウの内径φは、ビードベース5が2段テーパーにより構成されている従来の空気入りタイヤの走行後におけるビードトウの内径φより小さくなる。これにより、走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制することができる。
なお、図1および図2においては、ビードベース5の曲線5を2つの曲率半径R1,R2を有するように構成したが、この発明はこれに限定されるものではなく、2つ以上の曲率半径を有していれば、曲線5bが有する曲率半径はいくつであっても良い。この場合は、曲線5bの複数の曲率半径は、ビードヒール4からビードトウ3に向かって小さくなれば良い。
以下に、従来例および比較例の空気入りラジアルタイヤとこの発明にかかる空気入りタイヤ1との走行試験の実施結果について説明する。ここで、この走行試験に用いる各タイヤのタイヤサイズを11R22.5で共通である。走行試験は、上記各タイヤをリムサイズ22.5×7.50のリム10にリム組みし、各タイヤの空気圧を700kPaとして実施した。なお、「本発明1」、「本発明2」、「比較例1」、「比較例2」の空気入りタイヤにおいては、ビードヒールの内径S=0.997D(図1参照)、傾斜角度α=16°、ビードトウ3の100[%]モジュラスMを5.0MPaとした。その他の各項目は以下のとおりである。
φ/Dは、タイヤビード部2のビードトウ3の内径φとリム組みするリム10のリム径Dとの比である。R1は、ビードベース5の曲線5bの点Pにおける曲率半径である。R2は、ビードベース5の曲線5bのこのビードベース5のタイヤ赤道面方向端部までの曲率半径である。リム組み作業性は、新品の空気入りタイヤをタイヤレバーのみを使用し、リムに対してリム組み可能か否かを示したものである。可能なものを「OK」、不可能なものを「NG」とする。走行後の再インフレート性は、リム組みされた空気入りタイヤを装着した車両を約10万km走行させた後、リムから一度取外し、再度リム組み作業を行ない、横置き状態でインフレート可能か否かを示したものである。可能なものを「OK」、不可能なものを「NG」とする。以下に、上記走行試験の実施結果を表示する。
Figure 0004487121
この表から明らかなように、ビードベース5が2段テーパーにより構成される従来の空気入りタイヤである「従来例1」およびビードベース5のビードヒール4側が直線、ビードトウ3側が一の円弧により構成されるビードベース5を有する従来の空気入りタイヤである「従来例2」は、リム組み作業性が低下する。また、比φ/Dが0.952未満の空気入りタイヤである「比較例1」は、リム組み作業性が低下する。また、比φ/Dが0.960を超える空気入りタイヤである「比較例2」は、新品時におけるリム組み作業によるビードトウ3の浮き上がりを抑制することができず、走行後の再インフレート性が低下する。しかしながら、この発明に係る空気入りタイヤ1である「本発明1」および「本発明2」は、新品時のリム組み作業性の低下、走行後の再インフレート性の低下を抑制することができる。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、トラック、バスなどの重荷重車両に用いられる空気入りタイヤに有用であり、特に、少なくとも新品時におけるリム組み作業性および走行後における再リム組み作業の再インフレート性の低下を抑制するのに適している。
この発明にかかる空気入りタイヤのタイヤビード部の構成例を示す図である。 この発明にかかる空気入りタイヤのリム組み状態を示す図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 タイヤビード部
2a タイヤチャックライン
3 ビードトウ
4 ビードヒール
5 ビードベース
5a 直線
5b 曲線
6 タイヤ内周面
8 ビードコア
9 カーカス層
10 リム
11 ビードシート
12 リムフランジ

Claims (4)

  1. 少なくともタイヤ軸方向に対向するビードコアと、当該ビードコア間に掛け渡されるとともに、その両端部が当該ビードコアを巻き込むように折り返されるカーカス層とを備えるタイヤビード部にビードヒールからビードトウに向かってタイヤ径方向内方にタイヤ軸方向に対して傾斜するビードベースを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアのタイヤ子午線方向断面における外周のうち最もタイヤ径方向内方に位置する点Aから前記ビードベースに向かって引いた垂線と当該ビードベースとの交点をXとし、
    前記ビードコアのタイヤ子午線方向断面における重心点Bから前記ビードベースに向かって引いた垂線と当該ビードベースと交点をYとし、
    前記交点Xと前記交点Yとの範囲内の前記ビードベース上の点をPとし、
    前記ビードベースは、
    前記点Pよりビードヒール側がタイヤ軸方向に対する傾斜角度が前記ビードベースの傾斜角度αと同一である直線により形成され、
    前記点Pよりビードトウ側がタイヤ径方向外方側に凸形状となる曲線により形成され、
    前記曲線は、前記点Pよりビードヒール側のビードベースを当該点Pよりビードトウ側に延長した延長線よりタイヤ径方向内方に位置するとともに、ビードヒールからビードトウに向かって小さくなる2以上の曲率半径を有し、
    前記ビードトウの前記ビードベースのタイヤ赤道面方向端部とタイヤ内周面との交点における内径φと空気入りタイヤを組み付けるリムのリム径Dとの比φ/Dが0.952≦φ/D≦0.960の範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記曲線の点Pにおける曲率半径R1は、R1>30mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードベースの傾斜角度αは、15°≦α≦20°であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードトウは、100[%]モジュラスMが4.5[MPa]以上6.0[MPa]以下のゴムにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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