JP5297286B2 - ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング - Google Patents

ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング Download PDF

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Description

本発明は、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を低減し、ランフラット耐久性能を向上しうるランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリングに関する。
パンク等によりタイヤの内圧が低下した場合でも、例えば80km/h程度の速度で数十ないし数百キロメートルの距離を安全に走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」ということがある。)しうるランフラットタイヤ組立体が種々提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
このようなランフラットタイヤ組立体は、空気入りタイヤ、ホイールリム、及び該ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤの内圧低下時にトレッド部の内面と当接してタイヤ荷重を支える環状のサポートリングを含んで構成される。また、サポートリングの外周面には、ランフラット走行時に、トレッド部の内面との摩擦を低減するための潤滑剤が予め塗布されている。
特開2009−018686号公報
しかしながら、ランフラット走行時、サポートリングの外周面とトレッド部の内面との間には、大きな接触圧力が生じるため、潤滑剤が早期にサポートリングの幅方向の外側に押し出されて流出するという傾向がある。このため、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を長期に亘って低減することができず、ランフラット耐久性の向上が十分に発揮できないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、摩擦低減用の潤滑剤が塗布されるサポートリングの外周面に、該外周面を凹ませるとともに、周方向に沿った一対の両側縁の周方向端部を継ぐ一対の斜縁が、周方向に対して所定の角度で傾斜してのび、かつ所定の幅寸法a、側縁の周寸法bを有する平面視略平行四辺形状の傾斜溝を周方向に隔設することを基本として、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を低減し、ランフラット耐久性能を向上しうるランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリングを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、前記ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に前記空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなるランフラットタイヤ組立体であって、前記サポートリングは、その外周面に、摩擦低減用の潤滑剤が塗布されるとともに、前記サポートリングの前記外周面には、該外周面を凹ませるとともに周方向に対して傾斜してのびる平面視略平行四辺形状の傾斜溝が周方向に隔設され、前記傾斜溝は、周方向に沿った一対の両側縁と、この両側縁の周方向の端部を継ぐとともに、周方向に対して、20〜75度で傾斜してのびる一対の斜縁とを有し、かつ前記傾斜溝の前記サポートリングの幅方向に沿った幅寸法aが、前記外周面の幅の50〜70%であるとともに、前記傾斜溝の前記側縁の周寸法bが、前記傾斜溝の幅寸法aの50〜80%であり、前記傾斜溝の前記側縁は、前記外周面の側縁よりも内側に配されることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記傾斜溝は、該傾斜溝の溝壁と前記サポートリングの前記外周面とが交わる出隅部に、円弧状に面取りされた面取部を有する請求項1に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項3記載の発明は、前記傾斜溝は、溝深さが0.5〜3.0mmである請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項4記載の発明は、前記斜縁は、周方向に対して、30〜60度で傾斜する請求項1乃至3の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項5記載の発明は、前記傾斜溝の前記両側縁と一対の斜縁とによって囲まれる表面積の合計T1が、該傾斜溝を含むサポートリングの外周面の総表面積T2の10〜30%である請求項4に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項6記載の発明は、前記傾斜溝は、周方向に対して一方側に傾く第1の傾斜溝と、前記第1の傾斜溝と逆方向に傾く第2の傾斜溝とを含む請求項1乃至5の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項7記載の発明は、前記第1の傾斜溝と前記第2の傾斜溝とは、周方向に交互に配される請求項6に記載のランフラットタイヤ組立体である。
また、請求項8記載の発明は、ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する外周面を有する環状のサポートリングであって、前記外周面には、該外周面を凹ませるとともに周方向に対して傾斜してのびる平面視略平行四辺形状の傾斜溝が周方向に隔設され、前記傾斜溝は、周方向に沿った一対の両側縁と、この両側縁の周方向の端部を継ぐとともに、周方向に対して、20〜75度で傾斜してのびる一対の斜縁とを有し、かつ前記傾斜溝の前記サポートリングの幅方向に沿った幅寸法aが、前記外周面の幅の50〜70%であるとともに、前記傾斜溝の前記側縁の周寸法bが、前記傾斜溝の幅寸法aの50〜80%であり、前記傾斜溝の前記側縁は、前記外周面の側縁よりも内側に配されることを特徴とするサポートリングである。
本発明のランフラットタイヤ組立体は、空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、該ホイールリムの胴部に装着されかつランフラット走行時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなる。従って、タイヤの内圧が低下した場合でも、一定の距離をランフラット走行することができる。
また、サポートリングの外周面には、該外周面を凹ませるとともに、周方向に沿った一対の両側縁の周方向端部を継ぐ一対の斜縁が、周方向に対して所定の角度で傾斜してのび、かつ所定の幅寸法a、側縁の周寸法bを有する平面視略平行四辺形状の傾斜溝が周方向に隔設される。このような傾斜溝は、例えば、サポートリングの幅方向に沿ってのびる横溝とは異なり、ランフラット走行時の周期的な振動や、路面からの衝撃を緩和でき、乗り心地の低下を抑制しうる。
さらに、傾斜溝は、幅寸法aが外周面の幅の50〜70%であるとともに、前記傾斜溝の側縁の周寸法bが前記傾斜溝の幅寸法aの50〜80%に規定され、しかも、傾斜溝の側縁は、前記外周面の側縁よりも内側に配される。このように、傾斜溝は、サポートリングの外周面において大きな表面積を有するため、該外周面上の潤滑剤を広範囲に亘って捕捉して蓄えることができる。従って、潤滑剤が早期にサポートリングの側縁から流出するのを抑制しうる。しかも、このような大型の傾斜溝は、トレッド部の内面を傾斜溝の溝底に接触させ、その圧力で、潤滑剤を外周面にはみ出させることができる。このような一連の潤滑剤の循環移動が、周方向に繰り返されることによって、潤滑剤が早期にサポートリングの側縁から流出するのを抑制しつつ、潤滑剤をトレッド部の内面に万遍なく広げることができる。従って、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を好ましく低減でき、ランフラット耐久性能を向上しうる。
本発明のランフラットタイヤ組立体の一形態を示す部分断面図である。 サポートリングの側面図である。 図1のサポートリングを拡大して示す断面図である。 内のリング体及び装着冶具を拡大して示す断面図である。 サポートリングを示す斜視図である。 図5のサポートリングの外周面を示す展開図である。 傾斜溝を拡大して示す展開図である。 外のリング体を拡大して示す断面図である。 トレッド部の内面が傾斜溝の溝底に当接した状態を示す断面図である。 他の実施形態の傾斜溝を示す展開図である。 (a)、(b)は比較例のサポートリングの外周面を示す展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のランフラットタイヤ組立体1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)2と、該タイヤ2が装着されるホイールリム3と、前記ホイールリム3に装着される環状のサポートリング4とから構成される。
前記タイヤ2は、路面と接地するトレッド部2aと、その両端部からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部2bと、該各サイドウォール部2bの半径方向の内方端に形成されかつ非伸張性のビードコア2dが埋設されたビード部2cとを有する。また、タイヤ2には、トロイド状のカーカス2eと、その半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配置されたベルト層2fとが設けられる。
前記ホイールリム3は、例えば、タイヤ半径方向外側の外周面3oを同一径とした胴部3Aと、該胴部3Aのタイヤ軸方向の一方側に一体形成されかつタイヤ半径方向外側に突出するフランジ部3Bと、該胴部3Aのタイヤ軸方向の他方側でタイヤ半径方向外側に突出し、かつ胴部3Aに着脱自在に取付くサイドリング部3Cとを含んで構成される。
前記胴部3Aには、例えば、タイヤ半径方向に貫通し、かつ空気バルブVを取付可能なバルブ孔6が、タイヤ周方向に1箇所設けられる。また、サイドリング部3Cは、そのタイヤ軸方向外側から嵌め込まれる環状のロックリング7により、胴部3Aに抜け止め固定される。なお、タイヤ2及びサポートリング4を胴部3Aに装着するときには、このサイドリング部3Cが、ホイールリム3から取り外される。また、サイドリング部3C及びタイヤ2の隙間には、例えば、気密性及び水密性に優れたシール材8が配される。
図1、図2に示されるように、サポートリング4は、例えば、周方向に分割、本実施形態では3分割されたリング片4Pを互いに接続することにより環状に形成され、環状の装着冶具5を介してホイールリム3の胴部3Aに装着される。
図3に拡大して示されるように、サポートリング4は、装着冶具5に嵌合される内のリング体4A、ランフラット走行時にトレッド部2aの内面2i(図1に示す)と当接する外周面4oを有する外のリング体4B、及び内、外のリング体4A、4Bを継ぐ支持体4Cを有して形成される。サポートリング4は、ランフラット走行時の荷重を支えることができる、例えば、鉄、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などの金属材料や、硬質ゴム、ポリウレタン又はEPDM等の弾性体によって構成することができ、本実施形態では、アルミニウム合金が用いられている。
また、図4に拡大して示されるように、本実施形態の内のリング体4Aには、装着冶具5に当接する内周面4i、かつ幅中心線4L上に、周方向に連続する周溝4Fが設けられる。また、周溝4Fには、内のリング体4Aを斜めに貫通し、かつタイヤ2の内腔2g(図1に示す)に連通する少なくとも1つの貫通孔4Hが設けられる。
図1、図3に示されるように、前記外のリング体4Bは、例えば、外周面4oの幅(最大幅)W1が、トレッド部2aのトレッド端2t、2t間のタイヤ軸方向の距離であるトレッド幅TWの35〜55%に設定され、内のリング体4Aよりも幅広に形成されるのが好ましい。これにより、外のリング体4Bは、大きな外周面を形成し、ランフラット走行時、トレッド部2aの内面2iとの接触圧を低減しうる。また、外のリング体4Bは、装着冶具5を含んだタイヤ半径方向の高さH1が、例えば、ビードベースラインBLからのタイヤ断面高さTHの50〜70%に設定されるのが好ましい。これにより、ランフラット走行時のタイヤ2の縦たわみを抑制し、発熱を抑えることができる。なお、トレッド幅TW及びタイヤ断面高さTHは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
また、前記外のリング体4Bの外周面4oは、タイヤ子午線断面において、タイヤ半径方向外側に凸となる滑らかな円弧面で形成されている。そして、この外周面4oには、ランフラット走行時において、トレッド部2aの内面2iとの摩擦を低減するための潤滑剤9が塗布される。潤滑剤9としては、例えば、ゴムの体積膨張、すなわち膨潤を生じさせない耐ゴム膨潤性を有するものが好ましく、オイル、グリス又はペーストなど種々の性状ものが採用でき、好ましくはグリセリン系、とりわけポリグリコールを基油としたグリスが好適である。また、潤滑剤9は、前記外周面4o上に保持されるように、適度な粘性を有するものが望ましい。また、増ちょう剤として例えばシリカ等を含むものが好ましい。
図2、図3に示されるように、前記支持体4Cは、周方向にのびる主部4C1と、該主部4C1から両側方に突出するリブ体4C2とを含んで形成される。主部4C1には、例えば、サポートリング4を軽量化するための孔部11が隔設されるのが好ましい。
前記リブ体4C2は、リング片4Pの周方向の両端に設けられる主リブ体12、12と、該主リブ体12、12間に少なくとも1つ設けられる副リブ体13とを含む。主リブ体12には、貫通する取付孔14が設けられ、隣り合うリング片4P、4Pを、ボルト等の締結手段4Eを用いて連結できる。また、副リブ体13にも、例えば、リング片4Pを軽量化するための切欠部15が形成される。
図3に示されるように、前記装着冶具5は、タイヤ周方向に連続するリング状をなす。装着冶具5は、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などの金属材料や、硬質ゴム、ポリウレタン又はEPDM等の弾性体によって構成することができ、本実施形態では、アルミニウム合金が用いられている。
また、図4に示されるように、装着冶具5は、タイヤ半径方向外側の外周面5oに、タイヤ周方向に連続し、かつ内のリング体4Aが嵌め込み可能な取付凹溝5Aが設けられる。また、この取付凹溝5Aの幅は、内のリング体4Aの幅と略同一に設定される。これにより、内のリング体4Aは、取付凹溝5Aに、位置ずれすることなく周方向に亘って嵌合される。
また、図1に示されるように、本実施形態の装着冶具5は、タイヤ2のビード部2c、2c間で装着される。これにより、各ビード部2c、2cは、フランジ部3Bと装着冶具5との間、及びサイドリング部3Cと装着冶具5との間でタイヤ軸方向に把持され、ランフラット走行時における気密性や、リム外れを効果的に抑制でき、ランフラット耐久性を向上しうる。
さらに、図4に示されるように、装着冶具5には、タイヤ半径方向内側の内面5i側に、ホイールリム3のバルブ孔6と連通し、かつタイヤ周方向に連続してのびる周溝5Fが設けられる。このような周溝5Fは、装着冶具5とホイールリム3とをタイヤ周方向で位置調節することなく、バルブ孔6と連通できる。
また、装着冶具5には、一端が周溝5Fに連通し、かつ他端が内のリング体4Aの周溝4Fに連通する貫通孔5Hが、タイヤ周方向に少なくとも一つ設けられる。このような貫通孔5Hは、サポートリング4と装着冶具5とをタイヤ周方向で位置調節することなく、貫通孔4H及び貫通孔5Hと連通できる。従って、ホイールリム3、サポートリング4、及び装着冶具5を、タイヤ周方向で位置調整することなく、バルブ孔6からの高圧空気を、貫通孔5H、4Hを経て、タイヤ2の内腔2g(図1に示す)に供給してタイヤ2を膨張させることができる。
図5、図6に示されるように、サポートリング4の前記外のリング体4Bの外周面4oには、該外周面4oを凹ませるとともに周方向に対して傾斜してのびる平面視略平行四辺形状の傾斜溝10が周方向に隔設(凹設)される。
図7に拡大して示されるように、前記傾斜溝10は、サポートリング4の幅方向の両端側で、周方向に沿ってのびる両側縁10t、10tと、この両側縁10t、10tの周方向の端部を継ぐとともに、周方向に対して20〜75度の角度θで傾斜してのびる一対の斜縁10u、10uとを有する平行四辺形状の輪郭を具える。また、傾斜溝10の側縁10tは、外周面4oの側縁4tよりも内側に配される。換言すれば、傾斜溝10は、外周面4oからはみ出すことなく凹設される。
また、本実施形態の傾斜溝10は、サポートリング4の幅方向に沿った幅寸法aが、前記外周面4oの幅W1の50〜70%、前記側縁10tの周寸法bが、前記幅寸法aの50〜80%に設定される。
図7には、ランフラット走行時におけるサポートリング4の外周面4oとトレッド部2aの内面2iとの接触領域2Tを仮想線で示している。この接触領域2Tは、タイヤの回転により順次移動(即ち、回転方向Rと逆方向)に移動して、傾斜溝10と逐次、接触を開始する。この接触の際、傾斜溝10の中にトレッド部2aの一部が変形して落ち込み、周期的な振動が生じやすい。特に、溝がタイヤ軸方向に沿ってのびるものである場合には、このような不具合が顕著になる。しかし、本実施形態のように、略平行四辺形状の傾斜溝10とすることにより、接触領域2Tの前縁2Teと傾斜溝10との接触幅Lは、回転と共に徐々に増加し、かつ徐々に減少する。つまり、トレッド部2aの内面2iは、徐々に傾斜溝10内に落ち込むとともに、傾斜溝10から外周面4oへ徐々に乗り上げる。これにより、ランフラット走行中に周期的な大きな振動などを緩和できる。
また、傾斜溝10は、幅寸法a及び側縁10tの周寸法bが上記の範囲で設定されるため、トレッド部2aの内面2iとの接触によって押圧されたサポートリング4の外周面4o上の潤滑剤9を、広範囲に亘って捕捉して蓄えることができる。しかも、このように大きい傾斜溝10は、図9に示されるように、トレッド部2aの内面2iを、傾斜溝10の溝底10bに当接させることが可能となり、そのときの圧力で潤滑剤9をサポートリング4の外周面4o上に再びはみ出させることができる。このような一連の潤滑剤9の循環移動が、周方向に繰り返される。
従って、本実施形態のランフラットタイヤ組立体1は、トレッド部2aの内面2iとサポートリング4の外周面4oとの摩擦を長期に亘って好ましく低減でき、ランフラット耐久性能を向上しうる。
さらに、ランフラットタイヤ組立体1では、トレッド部2aの内面2iが傾斜溝10に接触したときの急な落ち込みや急な乗り上げを抑制できるので、ランフラット走行時の周期的な振動や、路面からの衝撃をも緩和でき、乗り心地の低下を抑制しうる。
なお、傾斜溝10の幅寸法aが、外周面4oの幅W1の50%未満であると、潤滑剤9を十分に蓄えることができない。逆に、前記幅寸法aが、前記幅W1の70%を超えると、傾斜溝10の側縁10tと、外周面4oの側縁4tとが近づき、潤滑剤9がサポートリング4の側方へはみ出し易くなる。このような観点により、傾斜溝10の幅寸法aは、外周面4oの幅W1の好ましくは55%以上、さらに好ましくは58%以上が望ましく、また、好ましくは65%以下、さらに好ましくは63%以下が望ましい。
また、側縁10tの周寸法bが、幅寸法aの50%未満であると、トレッド部2aの内面2iが溝底10bに十分に接触できず、潤滑剤9の循環移動が十分行なえないおそれがある。逆に前記周寸法bが前記幅寸法aの80%を超えると、内面2iが溝底10bに接触する面積が大きくなり、潤滑剤9が外周面4oの側縁4tへ過度に流出しやすくなる。このような観点により、側縁10tの周寸法bは、幅寸法aの好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上が望ましく、また、好ましくは75%以下、さらに好ましくは70%以下が望ましい。
また、傾斜溝10の両側縁10t、10tと一対の斜縁10u、10uとによって囲まれる表面積の合計T1については、特に限定されるものではないが、上記幅寸法a及び側縁10tの周寸法bと同様の観点により、該傾斜溝10を含むサポートリング4の外周面4oの総表面積T2の好ましくは10%以上が望ましく、また、好ましくは30%以下が望ましい。
また、図8に示されるように、傾斜溝10の溝深さFについては、適宜定めることができるが、溝深さFが小さすぎると、潤滑剤9を十分に蓄えることができないおそれがある。逆に溝深さFが大きすぎると、ランフラット走行時の振動が生じ易くなり、また、トレッド部2aの内面2iが溝底10bに十分に接触できないおそれがある。このような観点により、傾斜溝10の溝深さFは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上が望ましく、また、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下が望ましい。
また、図6に示されるように、周方向に隣り合う傾斜溝10の間隔Sも、特に限定されるものではないが、該間隔Sが小さすぎると、サポートリング4の外周面4oへの接地圧が高くなりすぎて、トレッド部2aの内面2iを損傷させるおそれがある。逆に、間隔Sが大きすぎると、潤滑剤9を十分に捕捉できないおそれがある。このような観点により、傾斜溝10の前記間隔Sは、好ましくは20mm以上が望ましく、また、好ましくは200mm以下が望ましい。
図7に示されるように、傾斜溝10の斜縁10uの周方向に対する角度θについても、特に限定されるものではないが、該角度θが小さすぎると、傾斜溝10のタイヤ周方向に沿った周寸法cが大きくなり、潤滑剤9が外周面4oの側縁4tから流出しやすくなるおそれがある。逆に、角度θが大きすぎると、トレッド部2aの内面2iが傾斜溝10に接触したときの急な落ち込みや急な乗り上げを、十分に抑制できないおそれがある。このような観点により、傾斜溝10の角度θは、好ましくは30度以上、より好ましくは40度以上、さらに好ましくは43度以上が望ましく、また、好ましくは60度以下、より好ましくは55度以下、さらに好ましくは50度以下が望ましい。
図8、図9に示されるように、傾斜溝10は、該傾斜溝10の溝壁10wとサポートリング4の外周面4oとが交わる出隅部17に、円弧状に面取りされた面取部18を有するのが好ましい。このような面取部18は、トレッド部2aの内面2iが出隅部17に接触する際の衝撃を緩和し、内面2iや外周面4oの損傷を抑制しうる。
本実施形態では、傾斜溝10が、周方向に対して一方側にのみ傾いているものを例示しているが、特にこのような態様に限定されるものではない。例えば、図10に示されるように、傾斜溝10は、周方向に対して一方側に傾く第1の傾斜溝10Aと、該第1の傾斜溝10Aと逆方向に傾く第2の傾斜溝10Bとを含んで構成されてもよい。このような傾斜溝10は、図において、潤滑剤9をサポートリング4の外周面4oの左右にはみ出させて、トレッド部2aの内面2iに、より万遍なく広げることができる点で好ましい。なお、この実施形態のように、第1の傾斜溝10Aと第2の傾斜溝10Bとが、周方向に交互に配されるのが好ましく、これにより、潤滑剤9を左右バランス良くはみ出させることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造をなし、かつ表1に示す傾斜溝を有するランフラット組立体を試作するとともに、それらの性能を比較した。
タイヤサイズ:315/70R20
リムサイズ:8.50V×20
なお、各ランフラット組立体は、表1の記載の構成以外は、いずれも同一とした。共通構成は次の通りである。
サポートリングの外周面4oの幅W1:120mm
傾斜溝を含むサポートリングの外周面の総表面積T2:288000mm2
テストの方法は次の通りである。
<潤滑剤の残量>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った上記リムにリム組みし、デフレート状態でドラム試験機上を速度30km/h、縦荷重44.1kNの条件にて、距離15km走行させた。走行後のサポートリングを取り出し、潤滑剤が塗布されていないサポートリングとの重量差(潤滑剤の残量)を測定し、比較例1を100とする指数により評価した。数値が大きいほど潤滑剤の残量が多いことを示す。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った上記リムにリム組みし、デフレート状態でドラム試験機上を速度30km/h、縦荷重44.1kNの条件にて走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、比較例1を100とする指数により評価した。数値が大きいほどランフラット耐久性能に優れている。
<ランフラット乗り心地>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った上記リムにリム組みし、デフレート状態でドライアスファルト路面のテストコースを走行し、ドライバーの官能評価により比較例1を100とする指数により評価した。数値が大きいほど乗り心地に優れている。
テスト結果を表1に示す。
Figure 0005297286
Figure 0005297286
テストの結果、実施例のランフラットタイヤ組立体は、潤滑剤の流出を抑制することができるとともに、トレッド部の内面とサポートリングの外周面との摩擦を低減し、ランフラット耐久性能を向上しうることが確認できた。
1 ランフラットタイヤ組立体
2 空気入りタイヤ
3 ホイールリム
4 サポートリング
9 潤滑剤
10 傾斜溝

Claims (8)

  1. 空気入りタイヤと、該空気入りタイヤが装着されるホイールリムと、前記ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に前記空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状のサポートリングとからなるランフラットタイヤ組立体であって、
    前記サポートリングは、その外周面に、摩擦低減用の潤滑剤が塗布されるとともに、
    前記サポートリングの前記外周面には、該外周面を凹ませるとともに周方向に対して傾斜してのびる平面視略平行四辺形状の傾斜溝が周方向に隔設され、
    前記傾斜溝は、周方向に沿った一対の両側縁と、この両側縁の周方向の端部を継ぐとともに、周方向に対して、20〜75度で傾斜してのびる一対の斜縁とを有し、
    かつ前記傾斜溝の前記サポートリングの幅方向に沿った幅寸法aが、前記外周面の幅の50〜70%であるとともに、
    前記傾斜溝の前記側縁の周寸法bが、前記傾斜溝の幅寸法aの50〜80%であり、
    前記傾斜溝の前記側縁は、前記外周面の側縁よりも内側に配されることを特徴とするランフラットタイヤ組立体。
  2. 前記傾斜溝は、該傾斜溝の溝壁と前記サポートリングの前記外周面とが交わる出隅部に、円弧状に面取りされた面取部を有する請求項1に記載のランフラットタイヤ組立体。
  3. 前記傾斜溝は、溝深さが0.5〜3.0mmである請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ組立体
  4. 前記斜縁は、周方向に対して、30〜60度で傾斜する請求項1乃至3の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体。
  5. 前記傾斜溝の前記両側縁と一対の斜縁とによって囲まれる表面積の合計T1が、該傾斜溝を含むサポートリングの外周面の総表面積T2の10〜30%である請求項4に記載のランフラットタイヤ組立体。
  6. 前記傾斜溝は、周方向に対して一方側に傾く第1の傾斜溝と、前記第1の傾斜溝と逆方向に傾く第2の傾斜溝とを含む請求項1乃至5の何れかに記載のランフラットタイヤ組立体。
  7. 前記第1の傾斜溝と前記第2の傾斜溝とは、周方向に交互に配される請求項6に記載のランフラットタイヤ組立体。
  8. ホイールリムの胴部に装着されかつタイヤ内圧低下時に空気入りタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承する外周面を有する環状のサポートリングであって、
    前記外周面には、該外周面を凹ませるとともに周方向に対して傾斜してのびる平面視略平行四辺形状の傾斜溝が周方向に隔設され、
    前記傾斜溝は、周方向に沿った一対の両側縁と、この両側縁の周方向の端部を継ぐとともに、周方向に対して、20〜75度で傾斜してのびる一対の斜縁とを有し、
    かつ前記傾斜溝の前記サポートリングの幅方向に沿った幅寸法aが、前記外周面の幅の50〜70%であるとともに、
    前記傾斜溝の前記側縁の周寸法bが、前記傾斜溝の幅寸法aの50〜80%であり、
    前記傾斜溝の前記側縁は、前記外周面の側縁よりも内側に配されることを特徴とするサポートリング。
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