JP2005212525A - 中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 - Google Patents
中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005212525A JP2005212525A JP2004018762A JP2004018762A JP2005212525A JP 2005212525 A JP2005212525 A JP 2005212525A JP 2004018762 A JP2004018762 A JP 2004018762A JP 2004018762 A JP2004018762 A JP 2004018762A JP 2005212525 A JP2005212525 A JP 2005212525A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- core
- rim
- core body
- assembly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】 タイヤ内腔内に配されパンク時のタイヤ荷重を支持しうる中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体を提供する。
【解決手段】 タイヤと該タイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にのみトレッド部の内面と当接して荷重を支承する中子であって、発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 タイヤと該タイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にのみトレッド部の内面と当接して荷重を支承する中子であって、発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、タイヤ内腔内に配されパンク時のタイヤ荷重を支持しうる中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体に関する。
パンク時においても、一定距離をある程度の速度で継続走行可能なランフラットタイヤが知られている。該ランフラットタイヤは、例えば路肩でのタイヤ交換作業が不要となるため作業中の事故防止を図ることができ、かつ、スペアタイヤの廃止により車内スペースの有効活用が可能となる。
ランフラットタイヤの一例として、オフロードレース等で実用化されている、ムースタイヤが知られている。このタイヤは、タイヤ内腔のほぼ全域に発泡ゴムからなる充填物が配されている。タイヤに作用する荷重は、実質的に充填物によって支えられるので、ムースタイヤは、空気入りタイヤで言うパンクが生じ得ず、耐パンク性能という観点では、非常に有利なシステムと言える。しかしながら、ムースタイヤは、タイヤ部材のみならず充填物の変形に伴うエネルギーロスが生じるため、転がり抵抗が大きくなるという不具合がある。また、タイヤ内腔の容積とほぼ同程度の体積の充填物を必要とするため質量が大きくなったり、充填物の耐久性をタイヤライフと同等まで確保する必要があるといった欠点がある。このため、ムースタイヤは、優れた耐パンク性能を有するにも係わらず、ラリー等の競技走行用以外にはほとんど使われていない。
他方、乗用車用のランフラットタイヤとしては、例えばタイヤのサイドウォール部などに断面に三ケ月状の補強材を追加し、空気が抜けた場合でもサイドウォール部の剛性によって荷重を支持するセルフサポートタイプや、タイヤ自体は通常の構成を具えるがパンク時にはタイヤ内腔に配された中子がトレッド内面を支えタイヤ荷重を受け得るようにしたサポートリングタイプなどが主に実用化されている。後者の中子は、ゴム、ウレタン又は金属などで構成されているが、いずれも中実の材料で構成されている(例えば、下記特許文献参照。)。
従来の中子を用いたサポートリングタイプのランフラットタイヤでは、中子自体が硬いため、とりわけパンク時の走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」と呼ぶことがある。)における段差乗り越し時などでは、非常に乗り心地が悪く改良の余地がある。また中子が中実であるため、重量が大きく、かつ、該中子自体に熱が蓄積されやすいためランフラット走行距離の増大にも限界がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、乗り心地及び熱の散逸性に優れることによりランフラット走行距離の増大に役立つ中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、タイヤと該タイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にのみトレッド部の内面と当接して荷重を支承する中子であって、発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含むことを特徴とする中子である。
また請求項2記載の発明は、前記発泡性材料が発泡ゴムであり、かつ、前記中実材料が中実ゴムであることを特徴とする請求項1記載の中子である。
また請求項3記載の発明は、前記中子本体は、独立気泡の発泡性材料からなり、かつ前記リムに面する内側面に、空気バルブから注入された空気をタイヤ内腔内に導く空気通路が凹設されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の中子である。
また請求項4記載の発明は、前記空気通路は、前記内側面をタイヤ軸方向にのびる主溝部と、該主溝部のタイヤ軸方向の少なくとも一端側に連なりかつタイヤ半径方向外側にのびる立上げ溝部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の中子である。
また請求項5記載の発明は、タイヤと、該タイヤをリム組みするリムと、前記タイヤと前記リムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状の中子とからなるタイヤとリムとの組立体であって、前記中子は、発泡性材料からなる中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部をとを含むことを特徴とするタイヤとリムとの組立体である。
また請求項6記載の発明は、前記中子は、リム組みすることなくタイヤの中に組み入れられかつ互いの回転軸中心を合わせた自然状態において、タイヤのビード部との間でタイヤ軸方向に13mm以上の空隙を有するとともに、リム組みしたリム組み状態では中子のタイヤ軸方向の外側面がビード部に接触することを特徴とする請求項5記載のタイヤとリムとの組立体である。
本発明の中子は、タイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にのみトレッド部の内面と当接する。従って、通常走行時には空気が荷重を支え、中子とトレッド部の内面との接触が防止できるから、中子のエネルギーロスによる転がり抵抗の悪化を防止できる。また、中子の必要体積もムースタイヤに比べると小さくできるため、軽量化も可能となる。
さらに本発明の中子は、発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含んでいる。発泡性材料からなる中子本体は、熱の散逸に役立ち、熱破壊による耐久性の悪化を防止しうる。また、中子は、内圧低下時にトレッド部の内面と接触するが、この部分は中実材料からなる外皮部で覆われているため、滑り摩擦に対する耐久性を高める。これらの相乗作用により、中子全体の耐久性が大幅に向上でき、ランフラット継続走行距離の増大を図り得る。
また請求項2記載の発明のように、前記発泡性材料が発泡ゴムであり、かつ、前記中実材料が中実ゴムであるときには、中子本体と外皮部とを例えば同時に加硫して一体固着することもでき、生産性を向上するのに役立つ。
また請求項3記載の発明のように、中子本体は、独立気泡の発泡性材料からなり、かつ前記リムに面する内側面に、空気バルブから注入された空気をタイヤ内腔内に導く空気通路が凹設されているときには、中子に妨げられることなくタイヤ内腔への空気注入作業を容易に行うことができる。
また請求項6記載の発明のように、中子は、リム組みすることなくタイヤの中に組み入れられかつ互いの回転軸中心を合わせた自然状態において、タイヤのビード部との間でタイヤ軸方向に13mm以上の空隙を有するときには、リム組み性の悪化を防止できる。またリム組み状態では中子のタイヤ軸方向の外側面がビード部に接触することによって、ランフラット走行時のリム外れを効果的に防止できる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の中子を用いたタイヤとリムとの組立体1の断面図(推奨内圧が充填された状態)、図2はリム組みすることなくタイヤの中に組み入れられた自由状態における中子及びタイヤの断面図、図3は組立体のランフラット走行時の一例を示す断面図、図4は中子の斜視図をそれぞれ示している。
図1は、本実施形態の中子を用いたタイヤとリムとの組立体1の断面図(推奨内圧が充填された状態)、図2はリム組みすることなくタイヤの中に組み入れられた自由状態における中子及びタイヤの断面図、図3は組立体のランフラット走行時の一例を示す断面図、図4は中子の斜視図をそれぞれ示している。
該組立体1は、タイヤ2と、該タイヤ2をリム組みするリム3と、前記タイヤ2と前記リム3とが囲むタイヤ内腔i内に配された環状の中子4とから構成されている。
前記タイヤ2は、トレッド部2aと、このトレッド部2aの両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部2b、2bと、該サイドウォール部2b、2bの内端に設けられたビード部2c、2cとを有するトロイド状で構成された一般的な空気入りタイヤが用いられる。即ち、サイドウォール部2b、2bには、セルフサポートタイプのような例えば断面三日月状の補強ゴムなどは設けられていない。またタイヤ2は、この例では、有機繊維コードからなるカーカスと、金属コードからなるベルト層とによって補強されたいわゆる乗用車用のラジアルタイヤが用いられている。
前記リム3は、例えば自動車用の5゜深底リムであって、一対のリムフランジ3a、3aと、この各リムフランジ3aに連なってタイヤ軸方向内側にのびタイヤ2のビード部2c、2cがそれぞれ着座するリムシート3b、3bと、該リムシート3b、3bの間に設けられかつ前記リムシート3bよりも外径を減じることによりタイヤ周方向に連続してのびる凹溝状をなすウエル部3cとを含んでいる。リム組みを行う際には、タイヤ2のビード部2cがこのウエル部3cに落とし込まれる。またウエル部3cのタイヤ周方向の任意の位置に、空気バルブ3dが設けられる。該空気バルブ3dは、内部に逆止弁を有しており、タイヤ内腔i内に高圧空気を送給する際に使用される。
前記中子4は、発泡性材料からなる環状の中子本体4aと、この中子本体4aに固着され前記トレッド部2aの内面と当接する中実材料からなる外皮部4bとを含んで構成されている。なお中子4は、タイヤ2の内圧低下時にのみトレッド部2aの内面と当接するよう、その大きさが設定されている。
前記中子本体4aは、中子4の主要部を構成している。具体的には中子本体4aの気泡部を含んだ見かけ上の体積は、中子4の全体積の80%以上、より好ましくは85%以上を占めている。このような大きな体積を占める中子本体4aを発泡性材料により形成することで、タイヤ荷重を支持しうる荷重支持能力を維持させつつ段差乗り越え時等の衝撃吸収能力を発揮させ得る。また発泡性材料は、中子4の重量を軽減するのにも役立つ。
発泡性材料は、内部に多数の気泡を有する弾性体であって、その原材料は特に限定されるものではない。例えば、天然ゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴム又はアクリロニトリルゴムなどのゴム材料の他、ポリウレタン系、ポリエチレン系又はポリエステル系のエラストマーなどを用いることができる。特に好ましくはゴム材料を発泡させた発泡ゴムが望ましい。また気泡は、独立気泡又は連続気泡のいずれでも良いが、好ましくは適度な弾性が得られやすい独立気泡が望ましい。本実施形態の中子本体4aは、独立気泡の発泡ゴムからなるものが例示されている。
また特に限定はされないが、中子本体4aを構成する発泡ゴムは、その独立気泡の平均気泡径が1〜100μmかつ発泡倍率が400〜1500%のものが好適である。平均気泡径が1μm未満又は発泡倍率が400%未満では、急激な衝撃力に対する吸収能力が不足しがちとなる。逆に中子本体4aの平均気泡径が100μmより大又は発泡倍率が1500%より大きい場合、中子本体4aが著しく柔軟化し、剛性感が不足してランフラット走行時の操縦安定性の低下を招きやすい。
また本実施形態の中子本体4aは、前記断面において、タイヤ半径方向外側を向く外面部5と、該外側面5の両端部からタイヤ半径方向内方へとのびる側面部6と、該側面部6の下端を継ぐ内側面7とを有する。この実施形態では、外側面5及び内側面7は、実質的にタイヤ軸方向に沿ってのびている。中子本体4aの内側面7は、リムシート3b、3b間に密着するとともにこれらの間に跨ってのびている。そして、ウエル部3cを覆うことにより該ウエル部3cを実質的に閉塞している。また中子本体4aの側面部6は、タイヤ半径方向外側に位置しかつタイヤ半径方向内側に向かってタイヤ軸方向外側に傾く第1の斜面部6aと、この第1の斜面部6aに連なりタイヤ半径方向内側に向かってタイヤ軸方向内側に傾く第2の斜面部6bとで構成されたものが示される。
前記外皮部4bは、この例では中子本体4aの外側面5に一体に固着され、かつ、タイヤ周方向に連続した小厚さで形成されている。また外皮部4bは、中子本体4aの側面部6や内側面7には設けられていない。このため中子4は、外皮部4bで覆われていない前記中子本体4aの側面部6や内側面7等から蓄積された熱をタイヤ内腔iに効率良く放出することができる。外皮部4bは、中実材料であれば、特に限定はされないが、好ましくは生産性を高めるべく中子本体4aと一体加硫が容易な中実ゴム材からなることが望ましい。またゴム材料としては、中子本体4aで例示した各種のゴム材料の1種又は2種以上を使用することができる。
また外皮部4bの厚さtは、例えば2.0〜5.5mm、より好ましくは3.0〜4.5mmが望ましい。外皮部4bの厚さtが小さすぎる場合、ランフラット走行時、トレッド部2aの内面との繰り返し接触に伴い、早期の摩耗や剥離損傷などが生じやすくなる。逆に外皮部4bの厚さtが大きすぎる場合、中子4の重量を大としたり、あるいは熱破壊などを招きやすくなるなど放熱性が低下しやすい。厚さtは本例では一定をなすが、適宜変化させることもできる。
また中子4は、図2に示すように、リム組みすることなくタイヤ2の中に組み入れられかつ互いの回転軸中心を合わせた自然状態において、タイヤ2のビード部2cとの間にタイヤ軸方向で13mm以上の空隙9を持つようにその形状が定められてることが望ましい。
図1に示すように、規格化されたリムフランジ3aのタイヤ軸方向の幅Rは、乗用車用の場合では概ね13.0〜13.5mm程度である。タイヤ2と中子4とをリム3に組み入れる際には、先ずタイヤ2の一方のビード部2cをリムフランジ3aを超えてリム3の中に挿入する必要がある。リム組み作業を損ねないためには、タイヤ2と中子4との間に、少なくともリムフランジ3aが介在しうるよう、その幅Rと同等ないしそれ以上の空隙9が形成されていることが必要である。このため本実施形態では、前記自然状態において、中子4とタイヤ2のビード部2cとの間にタイヤ軸方向で13mm以上の空隙9を持つようにその形状が定められる。空隙9の前記幅は、総計で13mm以上を満たせば良く、図2では、左右の空隙の幅La+Lbが13mm以上であれば良い。実質的には、中子4を弾性変形させることにより、それ以上の空隙9を確保することが可能である。なお空隙9の幅は、該幅が最も狭い部分で測定されるものとする。また前記自由状態は、図2に示されるように、ビード部の外面巾BWを、規格で定められた正規リムのリム巾に0.5インチを加えた巾とした状態とする。この巾は、金型内のタイヤ型状を擬似的に表現するのに役立ち、これによりタイヤの断面形状を一義的に定めることができる。
一方、タイヤ2と中子4とをリム組みしたリム組み状態では、中子4のタイヤ軸方向の外側面6、6がビード部2cの内側面2ciに接触する。この例では、前記第2の斜面部6bがビード部2cの内面2ciに接触し、第1の斜面部6aはタイヤ内腔iとは接触しないものが例示される。
以上のように構成された組立体1は、図1に示すように、通常の推奨内圧が充填されている場合には、タイヤ2のトレッド部2aの内面と中子4とが接触しない。この内圧が充填された状態において、中子4の高さhは、例えばビードベースラインBLからタイヤ内腔iの最も外方の点Oまでの内腔高さHiの40〜80%、より好ましくは50〜70%であるのが望ましい。また、通常の荷重が作用した場合においても、中子4はトレッド部2aの内面との接触が防止されるが、段差や突起等の乗り越し時には、中子4とトレッド部2aの内面とが接触する場合がある。
図3に示すように、タイヤ内腔iの内圧が低下した場合、タイヤ2の縦たわみ量が増大し、トレッド部2aの内面が中子4の外皮部4bと接触する。中子4は、タイヤ2の荷重を受けることによりタイヤ2の縦たわみ量を一定の範囲に制限しうる。これにより、組立体1は、例えば60〜80km/h程度の速度で継続してランフラット走行が可能となる。
ランフラット走行時、中子4は、タイヤ半径方向の圧縮力を受ける。中子本体4aは、前記圧縮力により弾性変形して偏平化する。偏平化した中子4は、中子本体4aの第2の斜面部6bが、タイヤのビード部2cをリムフランジ3aへとより一層強く押し付ける。この作用により、ビード部2cは中子本体4aとリム3とで強固に狭着されるため、リム外れが防止され、安定したランフラット走行を可能とする。
上記作用をより確実に発揮させるために、図2に示すように、中子本体4aの断面形状は、前記第2の斜面部6bが、タイヤ2のビード部2cの内面2ciの断面輪郭形状に沿った滑らかな凹円弧状をなすことが望ましい。これにより、ランフラット走行時、第2の斜面部6bがビード部2cの内面2ciに均一に密着し、ひいてはビード部2c全域を均一にかつ強固にリムフランジ3aへ押しつけしうる。
なお本実施形態の中子本体4aは、前述の如く独立気泡の発泡性材料からなり、かつ、その内側面7がリムシート3bに対して締まりばめにて密着することによりウエル部3cを実質的に閉塞する。このため、リム組み直後、空気バルブ3dから高圧空気をタイヤ内腔iに注入しようとしても、中子4が妨げとなって、ウエル部3dに空気が閉じこめられやすい。このため、空気の円滑な注入作業が中子4により妨げられるという問題がある。
この実施形態の中子4では、前記リム3に面する内側面7に、空気バルブ3dから注入された空気をタイヤ内腔i内に導く空気通路9が凹設されている。本実施形態の空気通路9は、図1、図4に示すように、中子本体4aの内側面7をタイヤ軸方向にのびる主溝部9aと、該主溝部9aのタイヤ軸方向の少なくとも一端側、本例では両端に連なりかつタイヤ半径方向外側にそれぞれのびる一対の立上げ溝部9b、9bとを含むものが例示される。主溝部9aは、空気バルブ3dに面して位置する。立ち上げ溝部9b、9bは、中子本体4aの側面部6をのびており、この例では、第2の斜面部6bに設けられ第1の斜面部6aで開口している。
このような中子4は、空気バルブ3dから注入された高圧空気を、ウエル部3cから空気通路9を介してタイヤ内腔iの空間部分に充填することができる。従って、中子4が空気の注入作業を妨げることがない。特に限定はされないが、空気通路9の溝深さは大きすぎると、その部分で局部的な剛性低下をが生じやすく、小さすぎても空気注入時の抵抗が増す。かかる観点より、前記溝深さは5〜20mm、より好ましくは10〜15mmとするのが良く、同様の観点より、溝幅Wは10〜30mm、より好ましくは12〜20mmとするのが特に望ましい。
図5には、本発明の他の実施形態を示す。
この例では、中子本体4aの内側面7に中実材料(この例では中実ゴム)からなる内皮部10が設けられたものが例示される。この実施形態では、中子4のリム3のリムシート3bとの接触面を中実材料で覆うことによって、中子4の耐久性を高めるのに役立つ。
この例では、中子本体4aの内側面7に中実材料(この例では中実ゴム)からなる内皮部10が設けられたものが例示される。この実施形態では、中子4のリム3のリムシート3bとの接触面を中実材料で覆うことによって、中子4の耐久性を高めるのに役立つ。
表1の仕様に基づき中子を試作するとともに、これらを用いてタイヤ(サイズ:195/65 R15 91S)とリム(サイズ:15×6J)との組立体を構成し、ランフラット走行時の段差乗り越し時の乗り心地と、ランフラット性能とについて評価を行った。また図6には、各中子単体のタイヤ半径方向の荷重に対するたわみ量の関係を示す。テストは、次の要領で行った。
<段差乗り越し時の乗り心地性>
タイヤ組立体を、内圧(230kPa)にて国産乗用車(2000cc)の前輪に装着し、速度10km/hで高さ80mmの段差を有する路肩に乗り上げるテストを5回づつ行い、そのときの乗り心地性をドライバーの官能により10点法で評価した。評価は平均値であり、数値が大きいほど衝撃が少なく乗り心地に優れることを示す。
タイヤ組立体を、内圧(230kPa)にて国産乗用車(2000cc)の前輪に装着し、速度10km/hで高さ80mmの段差を有する路肩に乗り上げるテストを5回づつ行い、そのときの乗り心地性をドライバーの官能により10点法で評価した。評価は平均値であり、数値が大きいほど衝撃が少なく乗り心地に優れることを示す。
<ランフラット性能>
ランフラット性能は、組立体を、内圧(230kPa)にて国産乗用車(2000cc)の前輪に装着するとともに、右前輪だけ空気バルブを取り除いて内圧を0kPaとし、速度80km/hで楕円形の周回テストコースを左旋回走行した。そして、組立体が破壊するまでの走行距離を計測した。結果は、従来例を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。テストの結果などを表1に示す。
ランフラット性能は、組立体を、内圧(230kPa)にて国産乗用車(2000cc)の前輪に装着するとともに、右前輪だけ空気バルブを取り除いて内圧を0kPaとし、速度80km/hで楕円形の周回テストコースを左旋回走行した。そして、組立体が破壊するまでの走行距離を計測した。結果は、従来例を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。テストの結果などを表1に示す。
テストの結果、実施例の組立体は、従来例に比べて軽量化を図っており、かつ、段差乗り越し時の乗り心地やランフラット継続走行距離を向上しうる。
1 タイヤとリムとの組立体
2 タイヤ
3 リム
4 中子
4a 中子本体
4b 外皮部
5 中子の外面部
6 中子の外面部
7 中子の側面部
9 空気通路
9a 主溝部
9b 立ち上げ溝部
2 タイヤ
3 リム
4 中子
4a 中子本体
4b 外皮部
5 中子の外面部
6 中子の外面部
7 中子の側面部
9 空気通路
9a 主溝部
9b 立ち上げ溝部
Claims (6)
- タイヤと該タイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にのみトレッド部の内面と当接して荷重を支承する中子であって、
発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含むことを特徴とする中子。 - 前記発泡性材料が発泡ゴムであり、かつ、前記中実材料が中実ゴムであることを特徴とする請求項1記載の中子。
- 前記中子本体は、独立気泡の発泡性材料からなり、かつ前記リムに面する内側面に、空気バルブから注入された空気をタイヤ内腔内に導く空気通路が凹設されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の中子。
- 前記空気通路は、前記内側面をタイヤ軸方向にのびる主溝部と、該主溝部のタイヤ軸方向の少なくとも一端側に連なりかつタイヤ半径方向外側にのびる立上げ溝部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の中子。
- タイヤと、該タイヤをリム組みするリムと、前記タイヤと前記リムとが囲むタイヤ内腔内に配され、かつ、タイヤの内圧低下時にトレッド部の内面と当接して荷重を支承する環状の中子とからなるタイヤとリムとの組立体であって、
前記中子は、発泡性材料からなる環状の中子本体と、この中子本体に固着され、前記トレッド部の内面と当接する中実材料からなる外皮部とを含むことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。 - 前記中子は、リム組みすることなくタイヤの中に組み入れられかつ互いの回転軸中心を合わせた自然状態において、タイヤのビード部との間でタイヤ軸方向に13mm以上の空隙を有するとともに、リム組みしたリム組み状態では中子のタイヤ軸方向の外側面がビード部に接触することを特徴とする請求項5記載のタイヤとリムとの組立体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004018762A JP2005212525A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004018762A JP2005212525A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005212525A true JP2005212525A (ja) | 2005-08-11 |
Family
ID=34903187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004018762A Pending JP2005212525A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005212525A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007326383A (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-20 | Topy Ind Ltd | エア注入バルブおよび車両のホイールアッセンブリ |
WO2018128134A1 (ja) * | 2017-01-05 | 2018-07-12 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ/ホイール組立体 |
CN110422014A (zh) * | 2019-08-19 | 2019-11-08 | 袁征 | 一种新型的免充气轮胎 |
-
2004
- 2004-01-27 JP JP2004018762A patent/JP2005212525A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007326383A (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-20 | Topy Ind Ltd | エア注入バルブおよび車両のホイールアッセンブリ |
WO2018128134A1 (ja) * | 2017-01-05 | 2018-07-12 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ/ホイール組立体 |
CN110422014A (zh) * | 2019-08-19 | 2019-11-08 | 袁征 | 一种新型的免充气轮胎 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4686239B2 (ja) | 空気入りランフラットタイヤ | |
JP3223140B2 (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体及びそれに用いる緩衝体 | |
JP5715452B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2006151028A (ja) | タイヤとリムとの組立体およびこれに用いるサポートリング | |
JP3335110B2 (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体及びそれに用いる緩衝体 | |
JP3445751B2 (ja) | タイヤとリムの組立体 | |
JP2005212525A (ja) | 中子及びそれを用いたタイヤとリムとの組立体 | |
JP2804226B2 (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体 | |
JPH11245637A (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体 | |
JP2007022138A (ja) | ホイールインモータ車両用のタイヤおよびそれを用いたホイールシステム | |
JP4079710B2 (ja) | タイヤホイール組立体及びランフラット用支持体 | |
JP2004306823A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5297286B2 (ja) | ランフラットタイヤ組立体及びそれに用いられるサポートリング | |
JP4076387B2 (ja) | タイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体 | |
JP4571270B2 (ja) | 空気入りランフラットタイヤ及び製造方法 | |
JPH05201213A (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体 | |
JP4489261B2 (ja) | 自動二輪車用のタイヤとリムの組み立て体 | |
JPH1159144A (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体 | |
JP3952179B2 (ja) | タイヤホイール組立体 | |
JP2005263101A (ja) | 二輪車用のタイヤとリムの組立体およびそれに用いる緩衝体 | |
JP4820122B2 (ja) | 空気入りタイヤとリムとの組立体 | |
JP7372796B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4367916B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4039906B2 (ja) | タイヤホイール組立体及びランフラット用支持体 | |
JP2001097004A (ja) | 自動二輪車用のタイヤとリムの組み立て体 |