JP5284909B2 - Nand型フラッシュメモリとその消去方法 - Google Patents

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本発明は、電気的書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)であるNAND型フラッシュメモリとその消去方法に関する。
ビット線とソース線との間に複数のメモリセルトランジスタ(以下、メモリセルという)を直列に接続してNANDストリングを構成し、高集積化を実現したNAND型不揮発性半導体記憶装置が知られている(例えば、特許文献1−4参照。)。
一般的なNAND型不揮発性半導体記憶装置において、消去は、半導体基板に例えば20Vの高電圧を印加し、ワード線に0Vを印加する。これにより、例えばポリシリコンなどからなる電荷蓄積層であるフローティングゲートより電子を引き抜いて、しきい値を消去しきい値(例えば、−3V)よりも低くする。一方、書き込み(プログラム)においては、半導体基板に0Vを与え、制御ゲートに例えば20Vの高電圧を印加する。これにより、半導体基板よりフローティングゲートに電子を注入することにより、しきい値を書き込みしきい値(例えば、1V)よりも高くする。これらのしきい値をとるメモリセルは、書き込みしきい値と読み出ししきい値の間の読み出し電圧(例えば、0V)を制御ゲートに印加することにより、そのメモリセルに電流が流れるか否かにより、その状態を判断することができる。
以上のように構成された不揮発性半導体記憶装置において、書き込み対象であるメモリセルにプログラム動作により書き込みを行うと、メモリセルトランジスタのフローティングゲートに電荷が注入されしきい値電圧が上昇する。これにより、ゲートにしきい値以下の電圧を印加しても電流が流れなくなり、データ「0」を書き込んだ状態が達成される。一般に、消去状態のメモリセルのしきい値電圧にはバラツキがある。従って、所定の書き込み電圧を印加してプログラム動作を実行し、しきい値電圧がベリファイレベル以上になるようにベリファイすると、書き込み後のメモリセルのしきい値電圧はベリファイレベル以上である程度分布を有するものとなる。すなわち、メモリセルを1つのしきい値電圧に設定することで二値1ビットを表現する1ビットメモリセル(以下、SLCという。)を実現できる。
メモリセルを異なるしきい値電圧に設定することで多値を表現する多値メモリセル(以下、MLCという。)の不揮発性半導体記憶装置の場合には、しきい値電圧が広い分布を有すると、隣り合うレベル値の間の間隔が狭くなり確実なデータ記録を実行することが困難になる。この問題点を解決するために、特許文献5においては、メモリセルに複数の異なるしきい値を設定することにより多値を記録する不揮発性のメモリコア回路と、上記メモリコア回路への書き込みを制御する制御回路を含み、上記制御回路は、ある1つのしきい値にメモリセルをプログラムする際に上記1つのしきい値に設定されるメモリセル及び上記1つのしきい値より高いしきい値に設定されるメモリセルを上記1つのしきい値にプログラムし、上記複数の異なるしきい値の低い方のしきい値から順番にプログラムしていくことを特徴としている。
特開平9−147582号公報。 特開2000−285692号公報。 特開2003−346485号公報。 特開2001−028575号公報。 特開2001−325796号公報。 特開2000−163982号公報。 国際出願PCT/JP2009/058788。
T. Kobayashi et al, "A Giga−Scale Assist−Gate (AG)−AND−Type Flash Memory Cell with 20−MB/s Programming Throughput for Content−Downloading Applications", IEEE Technical Digest, Electron Device Meeting (IEDM) 2001, pp.29−32, 2001.
ところで、AG(Assist Gate)−ANDと呼ばれるメモリセル技術によれば、該当ワード線に負電圧を印加することで、選択された少なくとも1本のワード線WLにつながるメモリセルのデータを消去する方法を開示している。その詳細については、特許文献6及び非特許文献1に開示されている。
また、この他にもメモリセル構造を工夫して1本のワード線WLの消去を可能にしたものもあるが、これらはすべて、NOR型フラッシュメモリに分類されるメモリセルアレイ技術に関するもので、NAND型フラッシュメモリでは無い。
さらに、NAND構成のフラッシュメモリにおいてワード線WL1本の消去を行う方法を開示しているが、当該フラッシュメモリは3Tr−NAND型の構成を有し、ワード線WLは1本しかないものに関するものであるので、一般のNAND型フラッシュメモリとは全く異なるものである。
図29は従来例に係るNAND型フラッシュメモリのワード線ドライバの回路図であり、図30は従来例に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。
図29において、ワード線ドライバの複数の電界効果トランジスタのゲートにロウ選択電圧(書き込み信号)VROWが印加されて複数のワード線WLn+1,WLn,WLn−1及びドレイン側選択ゲート線SGDを駆動する。なお、GWLn+1,GWLn,GWLn−1はグローバルワード線であり、GSGDはドレイン側グローバル選択ゲート線である。また、各線の名称の前にVを付加してそれらの電圧を示しており、以下同様である。
図30に示すように、一般的なNAND型フラッシュメモリの消去方法では、半導体基板のp型ウェル電圧VPwellを高電圧に設定し、選択ブロックのロウ選択電圧VROWを高電圧に設定することにより、データの消去を行っている。ここで、NAND型フラッシュメモリでは、ブロックにデータを書き込み後、ワード線WL1本に接続される複数のメモリセルのデータを消去すると、消去後にそのワード線WLのメモリセルにデータを書き込むときに、他のワード線WLへのVpass(プログラム中の選択ワード線へのプログラム電圧Vprgよりも低い正の中間パス電圧をいい、以下、Vpass電圧という。)ディスターブ、ストリングのデータパターンの変化による他セルのしきい値電圧Vtの変化、FG−FG(フローティングゲート間)カップリングによる隣接セルのしきい値電圧Vtの変化、そして微細化により隣接するワード線WLとの絶縁耐圧の問題による隣接WLの半消去などの問題があった。以下、従来技術の問題点について詳述する。
図3(a)は図2のメモリセルアレイ10の1ブロックの回路構成を示す回路図であり、図3(b)はSLCのときの書き込み単位及び消去単位を説明するためのブロック図であり、図3(c)はMLCのときの書き込み単位及び消去単位を説明するためのブロック図である。消去は図3(a)の1ブロックの単位で行われ、書き込みは1ページの単位で行われる。図3の例では8ページで1ブロックとなっている。1ビット/セル(SLC)の場合は、1本のワード線WLに繋がるメモリセルを1ページと呼び、書き込みの単位としている。また、2ビット/セル(MLC)の場合は、1本のワード線WLに繋がるメモリセルを2ページにし、2ビットを下位ビットと上位ビットに区別する。ここで、データの書き込みは下位ビットのページと上位ビットのページで別々に行う。
図4は図1のNAND型フラッシュメモリのメモリ空間を示す説明図である。図4の例では、1チップは8つのブロックからなる。図4の示すように、NAND型フラッシュメモリチップは複数のブロックからなり、メモリセルアレイ10の領域とそれを駆動する周辺回路からなる。
図5(a)及び図5(b)は従来例に係るNAND型フラッシュメモリのブロックへのデータの書き込みの順序を示す説明図である。従来例では消去は1ブロック内のメモリセルのデータに対して一括で行う。その後、ソース線側のメモリセルからビット線BL側のメモリセルへとページ単位で書き込みを行う(図5参照)。すなわち、図5において、ワード線WL0からワード線WLnへ順に書き込む。但し、2ビット/セルではワード線WLの下位ビットデータの書き込み後に、ワード線WLn−1の上位ビットデータの書き込みのために一度戻る。
上述のように、1ブロック内で1ビットでもデータを変更する際は、まず、ブロック消去から始めなければならず、消去から1ブロックの書き換えまでに多くの時間がかかるという問題点があった。例えば、32本のNANDアレイの場合でかつ1ビット/セルのSLCのNAND型フラッシュメモリの場合、1つのワード線WLは1ページからなり、それぞれの書き込みに約200μsの時間がかかる。また、消去時間はおよそ2msである。よって、1ブロックのデータを書き換えるために、
[数1]
2ms+0.2ms×32=8.4ms
の時間を必要とする。また、MLCのNAND型フラッシュメモリでは、さらに倍以上の時間を必要とする。また、1ビットのデータ書き換えでもブロック全体のデータ書き換えとなるため多くの同一ブロック内のメモリセルを巻き添えにし、書き換えストレスによる信頼性劣化をもたらす。
図6はNAND型フラッシュメモリにおけるガーベッジブロック(Garbage Block)を説明するための説明図である。図6において、1ブロックは8ページであり、1ブロック内の各ページのデータ内容の分類を以下のように図示している。
(a)空:データが書かれておらず空いている。
(b)×:データが書かれているが、無効である。
(c)〇:必要なデータが書かれている。
ここで、ガーベッジブロックとは、無効なデータが書かれたページを含むブロックのことをいう。1ブロック内の各ページにはデータが書かれていない空領域(消去ページ)又無効なデータが書かれている領域も存在する。無効なデータが書かれたページを含むブロックをガーベッジブロックという。当然、ガーベッジブロックは少ないほうが望ましく、多すぎれば無効なページを減らすための作業が必要となる。
図7乃至図9は、NAND型フラッシュメモリにおける従来例に係るガーベッジコレクションの手順を示す説明図である。ガーベッジコレクションの手順について以下に説明する。ここで、ガーベッジコレクションとは、A、BブロックのデータをCブロックに移し、A、Bブロックを消去し、空きブロックとする動作をいう。ガーベッジコレクション前の図7において、A,Bブロックに無効ページ(×)が幾つか存在している。有効データが書かれているページ(〇)のデータをCブロックにコピーしてから、A,Bブロックを消去する。
図8において、NAND型フラッシュメモリ内のコントローラ19はページバッファ14を介してメモリセルアレイ10内の各ブロックに接続される一方、外部装置のホストコンピュータ20に接続されている。また、図8において、A,Bブロックはガーベッジブロックとし、Cブロックは空きブロックとする。ガーベッジコレクションは以下の手順で行う。
(1)Bブロックのデータ6を読み出し、データをページバッファ14に格納する。
(2)ページバッファ14よりコントローラ19にデータを転送し、ECC訂正を行う。そして、ホストコンピュータ20から一部データを改変の命令が有れば、部分的に新データに変える(管理領域のデータは変更されることになる)。これらの一連の動作によりデータD6はデータD6’に更新される。
(3)コントローラ19よりデータD6’をページバッファ14に戻す。すなわち、違うビットのみ書き換えられる。
(4)ページバッファ14に格納されたデータD6’をCブロックに書き込む。
以上の(1)〜(4)の処理を繰り返し、データD6’〜D1’をブロックCに書き込む。
そして、ガーベッジコレクションの終了後、すなわちデータD6’〜D1’をブロックCに書込み後、ブロックAとBを消去する。これですべての処理が終了する。この状態を図9に示す。
以上説明したように、従来技術に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法においては、大きな単位で一括消去するので多大の時間がかかるとともに、書き換え回数が増大するという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、データ消去するワード線に隣接するワード線のメモリセルへの影響を防止しかつ従来技術に比較して短時間で、少なくとも1本のワード線のメモリセルのデータを同時に消去することができるNAND型フラッシュメモリとその消去方法を提供することにある。
第1の発明に係るNAND型フラッシュメモリは、各メモリセルに1つ又は複数のしきい値を設定することによりデータを記録するNAND型メモリセルアレイと、上記メモリセルアレイへの書き込み及び消去を制御する制御回路とを備えたNAND型フラッシュメモリにおいて、
上記制御回路は、消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御することを特徴とする。
上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、データ消去前に消去するワード線に接続された各メモリセルの第1のデータに加え、それに隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データ又は上記格納しておいた第1のデータの一部変更データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御することを特徴とする。
また、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、データ消去前に、データ消去するワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御することを特徴とする。
さらに、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記NAND型フラッシュメモリの各メモリセルは、各メモリセルに複数のしきい値を設定することにより多値データを記録するマルチレベルセル(MLC)であり、
上記制御回路は、上記データを書き込むときに、当該NAND型フラッシュメモリのワード線へのページ割付けとページの書き込み順序に則ってデータ書込みを行うように制御することを特徴とする。
またさらに、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、データ消去するワード線以外のワード線を、当該NAND型フラッシュメモリのp型ウェルPwellの電圧立上げ時からフローティング状態になるように制御することを特徴とする。
また、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルを上記半消去状態のしきい値電圧分布を有するように設定するときに、当該NAND型フラッシュメモリのp型ウェルPwellの電圧を複数段階で上昇させ、上記複数段階のタイミングで上記隣接するワード線に接続されたグローバルワード線への印加電圧を複数段階で上昇させかつロウ選択電圧である書き込み信号電圧を複数段階で上昇させることを特徴とする。
さらに、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、ロウ選択電圧である書き込み信号電圧を、すべてのワード線及び選択ゲート線の電圧を通過させる電圧に設定することにより、各ワード線に接続されるグローバルワード線及びグローバル選択ゲート線の電圧をそれぞれ直接に各ワード線及び選択ゲート線の電圧となるように制御したことを特徴とする。
またさらに、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、ロウ選択電圧である書き込み信号電圧をオフ電圧に設定した後、オン電圧にすることにより、データ消去するワード線の電荷(p型ウェルとのカップリングにより接地電位に対して高電位となった電荷)を引き抜くことにより消去状態にするように制御するとともに、選択ゲート線及び消去しないグローバルワード線にはオンにしない電圧を印加するように制御することを特徴とする。
また、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記消去するワード線の電圧を0Vを超えかつ5V以下の電圧に設定したことを特徴とする。
さらに、上記NAND型フラッシュメモリにおいて、上記制御回路は、p型ウェル電圧を基準としたときに、消去するワード線に接続されるグローバルワード線に正電圧に代えて、負電圧を印加するように制御することを特徴とする。
第2の発明に係るNAND型フラッシュメモリの制御方法は、各メモリセルに1つ又は複数のしきい値を設定することによりデータを記録するNAND型メモリセルアレイと、上記メモリセルアレイへの書き込み及び消去を制御する制御回路とを備えたNAND型フラッシュメモリの消去方法において、
消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御するステップを含むことを特徴とする。
従って、本発明に係るNAND型フラッシュメモリとその消去方法によれば、消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御する。それ故、データ消去するワード線に隣接するワード線のメモリセルへの影響を防止しかつ従来技術に比較して短時間で、少なくとも1本のワード線のメモリセルのデータを同時に消去することができる。
本発明の一実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ(EEPROM)の全体構成を示すブロック図である。 図1のメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。 (a)は図2のメモリセルアレイ10の1ブロックの回路構成を示す回路図であり、(b)はSLCのときの書き込み単位及び消去単位を説明するためのブロック図であり、(c)はMLCのときの書き込み単位及び消去単位を説明するためのブロック図である。 図1のNAND型フラッシュメモリのメモリ空間を示す説明図である。 (a)及び(b)は従来例に係るNAND型フラッシュメモリのブロックへのデータの書き込みの順序を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおけるガーベッジブロック(Garbage Block)を説明するための説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける従来例に係るガーベッジコレクションの第1の手順を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける従来例に係るガーベッジコレクションの第2の手順を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける従来例に係るガーベッジコレクションの第3の手順を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける本実施形態に係るデータ書き換え方法の第1の手順を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける本実施形態に係るデータ書き換え方法の第2の手順を示す説明図である。 NAND型フラッシュメモリにおける本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときのメモリセルのしきい値電圧Vt分布を示す図であって、(a)は処理対象のワード線WLnのしきい値電圧Vt変化を示す図であり、(b)は処理対象のワード線WLnに隣接するワード線WLn−1,WLn+1のしきい値電圧Vt変化を示す図であり、(c)はその他のワード線WLのしきい値電圧Vt変化を示す図である。 本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときのワード線WLn−1からワード線WLn+1までのデータ書き込み手順を説明するための説明図である。 本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときの互いに隣接するワード線WLn,WLn+1のデータ同時消去時の書き込み手順を説明するための説明図である。 図14でワード線のデータ消去の繰り返し時におけるワード線WLnへのVpass電圧の繰り返し印加事例を示す図である。 本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときに、Vpass電圧が低すぎる場合にデータ書き込み時の選択ワード線のメモリセルにおいてプログラムディスターブが発生するという問題点を解決するためのプログラム方法を示すタイミングチャートである。 図16のプログラム方法を用いたときのプログラムディスターブを説明するためのVpass電圧に対するしきい値電圧Vtを示すグラフである。 プログラムディスターブが発生するという問題点を解決するための変形例のプログラム方法を示すタイミングチャートである。 図1のロウデコーダ12内のワード線ドライバの回路図である。 本実施形態に係るメモリセルアレイ10の動作を示し、ワード線電圧を決定方法を説明するための縦断面図である。 図20の一部の回路の等価回路である。 図20のメモリセルアレイ10の動作における電界を説明するための縦断面図である。 本発明の実施例1に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例2に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例3に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例4に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例5で用いるロウデコーダ12Aの詳細構成を示す回路図である。 本発明の実施例5に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。 従来例に係るNAND型フラッシュメモリのワード線ドライバの回路図である。 従来例に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は本発明の一実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ(EEPROM)の全体構成を示すブロック図である。また、図2は図1のメモリセルアレイ10とその周辺回路の構成を示す回路図である。まず、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリの構成について以下に説明する。
図1において、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリは、メモリセルアレイ10と、その動作を制御する制御回路11と、ロウデコーダ12と、高電圧発生回路13と、データ書き換え及び読み出し回路14と、カラムデコーダ15と、コマンドレジスタ17と、アドレスレジスタ18と、動作ロジックコントローラ19と、データ入出力バッファ50と、データ入出力端子51とを備えて構成される。
メモリセルアレイ10は、図2に示すように、例えば16個のスタックト・ゲート構造の電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルMC0〜MC15を直列接続してNANDセルユニットNU(NU0,NU1, …)が構成される。各NANDセルユニットNUは、ドレイン側が選択ゲートトランジスタSG1を介してビット線BLに接続され、ソース側が選択ゲートトランジスタSG2を介して共通ソース線CELSRCに接続される。ロウ方向に並ぶメモリセルMCの制御ゲートは共通にワード線WLに接続され、選択ゲートトランジスタSG1,SG2のゲート電極はワード線WLと平行して配設される選択ゲート線SGD,SGSに接続される。1本のワード線WLにより選択されるメモリセルの範囲が書き込み及び読み出しの単位となる1ページである。1ページ又はその整数倍の範囲の複数のNANDセルユニットNUの範囲がデータ消去の単位である1ブロックとなる。書き換え及び読み出し回路14は、ページ単位のデータ書き込み及び読み出しを行うために、ビット線毎に設けられたセンスアンプ回路(SA)及びラッチ回路(DL)を含み、以下、ページバッファという。
図2のメモリセルアレイ10は、簡略化した構成を有し、複数のビット線でページバッファを共有してもよい。この場合は、データ書き込み又は読み出し動作時にページバッファに選択的に接続されるビット線数が1ページの単位となる。また、図2は、1個の入出力端子52との間でデータの入出力が行われるセルアレイの範囲を示している。メモリセルアレイ10のワード線WL及びビット線BLの選択を行うために、それぞれロウデコーダ12及びカラムデコーダ15が設けられている。制御回路11は、データ書き込み、消去及び読み出しのシーケンス制御を行う。制御回路11により制御される高電圧発生回路13は、データ書き換え、消去、読み出しに用いられる昇圧された高電圧や中間電圧を発生する。
入出力バッファ50は、外部装置の例えばホストコンピュータ20(図8参照)との間でデータの入出力及びアドレス信号の入力に用いられる。すなわち、入出力バッファ50及びデータ線52を介して、入出力端子51とページバッファ14の間でデータの転送が行われる。入出力端子52から入力されるアドレス信号は、アドレスレジスタ18に保持され、ロウデコーダ12及びカラムデコーダ15に送られてデコードされる。入出力端子52からは動作制御のコマンドも入力される。入力されたコマンドはデコードされてコマンドレジスタ17に保持され、これにより制御回路11が制御される。チップイネーブル信号CEB、コマンドラッチイネーブルCLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号WEB、読み出しイネーブル信号REB等の外部制御信号は制御入力端子53を介して動作ロジックコントロール回路19に取り込まれ、動作モードに応じて内部制御信号が発生される。内部制御信号は、入出力バッファ50でのデータラッチ、転送等の制御に用いられ、さらに制御回路11に送られて、動作制御が行われる。
ページバッファ14は、少なくとも1個以上、例えば2個のラッチ回路14a,14bを備え、多値動作の機能とキャッシュの機能を切り換えて実行できるように構成されている。すなわち、1つのメモリセルに1ビットの2値データを記憶する場合に、キャッシュ機能を備え、1つのメモリセルに2ビットの4値データを記憶する場合には、2ビットで2個のラッチを使い、アドレスによって制限されるがキャッシュ機能を有効とすることができる。
図10乃至図11は、NAND型フラッシュメモリにおける本実施形態に係るデータ書き換え方法の手順を示す説明図である。本実施形態に係るデータ書き換え方法は、1本又は隣接する複数のワード線に接続された各メモリセルのみに対してデータ消去と再書き込みを行うことを特徴としている。
図10は1本のワード線のデータ消去の場合を示し、1ブロックのうちの1本のワード線に接続された各メモリセルに対してデータの消去と、それに続く新しいデータを書き込む。
次いで、1本のワード線WLのデータの同時消去の場合について以下に説明する。ワード線WLnを消去する場合を例に取る。
(1)ワード線WLn−1からワード線WLn+1までのメモリセルのデータ(MLCの場合、6ページ分)を順に読み取りメモリセルアレイ10外の例えばホストコンピュータ20の記憶装置にデータを格納する(図11)。
(2)ワード線WLnのメモリセルのデータを消去する。その際メモリセルアレイ10を覆う半導体基板のNwellとPwellに消去用の高電圧Veraseを印加し、処理対象のワード線WLnを0V(接地電位)にし、ワード線WLn以外のワード線WLをフローティング状態にするが、詳細の手順を詳細後述する。なお、非選択ブロック内のワード線WLもフローティング状態とする。
(3)図12はNAND型フラッシュメモリにおける本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときのメモリセルのしきい値電圧Vt分布を示す図であって、図12(a)は処理対象のワード線WLnのしきい値電圧Vt変化を示す図であり、図12(b)は処理対象のワード線WLnに隣接するワード線WLn−1,WLn+1のしきい値電圧Vt変化を示す図であり、図12(c)はその他のワード線WLのしきい値電圧Vt変化を示す図である。図12(a)に示すように、ワード線WLnに接続された各メモリセルのデータを消去した後の、ワード線WLnのメモリセルのしきい値電圧Vt分布は2ビットデータ「11」の分布に変化する。なお、図12において、「A」は例えば2ビットデータ「01」の分布であり、「B」は例えば2ビットデータ「10」の分布であり、「C」は例えば2ビットデータ「00」の分布である。また、図12(b)に示すように、ワード線WLn−1とワード線WLn+1のメモリセルのしきい値電圧Vt分布は「a分布」に変化し、当該「a分布」はいわゆる完全な消去状態(2ビットデータ「11」の分布)とは異なる半消去状態であって、それよりも上のしきい値電圧Vtを有すように分布する。なお、「a」分布の最大しきい値電圧Vtmax(例えば1.5V)は「A」分布の最大しきい値電圧Vtmax(例えば1.8V)より小さく設定する。さらに、図12(c)に示すように、他のワード線WLのメモリセルについてはしきい値電圧Vt分布において変化がない(ワード線WLn−1又はWLn+1とのFG−FGカップリング効果を無視している。次のステップ(4)で元に戻るためである)。
(4)ワード線WLnに接続された各メモリセルのデータ消去で、しきい値電圧Vtが変化したワード線WLn−1からワード線WLn+1までの各メモリセルに対してデータを順に書き込む。まず、ワード線WLn−1の書き込みは、上記(1)のステップでNAND型フラッシュメモリの外部装置であるホストコンピュータ20記憶装置に格納されていたデータを書き戻す。次に、ワード線WLnには格納データとは部分的ないし全面的に異なるデータを外部装置のホストコンピュータ20からデータを取り入れて書き込む。さらに、ワード線WLn+1の各メモリセルには、ワード線WLn−1と同様に、格納データを再書き込みする。
以下、ワード線WLn−1からワード線WLn+1までの各メモリセルへのデータ書き込み手順を説明する。ここでは、1つのメモリセル当たり2ビットのデータを記憶させる2ビット/セル(下位ビットと上位ビットを各メモリセルに記憶する。)の場合(MLC)について以下に説明する。
図13は、本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときのワード線WLn−1からワード線WLn+1までのデータ書き込み手順を説明するための説明図である。図13において、データ書き込みの順番を示しており、まず、1番目にワード線WLn−1のメモリセルに下位ビットのデータ書き込みを行う。2番目にワード線WLnのメモリセルに下位ビットのデータ書き込みをし、3番目にWLn−1に戻り、上位ビットのデータ書き込みをする。以下同様にWLn+1のメモリセルまで書き上げる。
以上の一連のワード線WLの各メモリセルからのデータ消去から追加書き込みまでの処理により、1本のワード線WLの各メモリセルのデータ書き換えが可能となる。
ここで、従来の1本のワード線WLのメモリセルのデータを消去した後、そのワード線WLのメモリセルのデータのみを書き換えた場合に、当該処理対象の隣接するワード線WLのメモリセルのしきい値電圧Vtが変動してしまう。この理由は、ワード線WLnの各メモリセルのデータを消去し、従来と異なるデータを書き込みした場合、当該処理対象のワード線WLnに隣接するワード線WLn−1,WLn+1のメモリセル間のフローティングゲート間の容量結合(いわゆる、FG−FG間カップリング)により隣接ワード線WLn−1,WLn+1のメモリセルのフローティングゲートの電位が変動し、しきい値電圧Vtが変化するからである。従って、ワード線WLnのメモリセルのデータを消去した際に、隣接するワード線WLn−1,WLn+1のしきい値電圧Vtも同時に負の側に変化させ(半消去:図12(b)参照)、ワード線WLn−1とワード線WLn+1には消去前と同じデータを、図13の手順で順番に書き込むことによって、ワード線WLnのデータが変化することによるワード線WLn−1,WLn+1のメモリセルのしきい値電圧Vt変化を回避することができる。
図14は本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときの互いに隣接するワード線WLn,WLn+1のデータ同時消去時の書き込み手順を説明するための説明図である。図14において、1〜8は書き込みの順番を示す。
図14を参照すれば、まず、上記と同様に、1番目ではワード線WLn−1のメモリセルに下位ビットのデータ書き込みをする。2番目ではワード線WLnのメモリセルに下位ビットのデータ書き込みをし、3番目ではワード線WLn−1に戻り、上位ビットのデータ書き込みをする。4番目では、ワード線WLn+1のメモリセルに下位ビットのデータ書き込みをする。5番目では、ワード線WLnのメモリセルに上位ビットのデータ書き込みをする。以下同様にワード線WLn+2のメモリセルまでデータを書き込む。なお、ワード線WLn−1からワード線WLn+2までの各メモリセルのページのデータ書き込みには、選択ワード線WLにプログラム電圧Vprgを与え、他の非選択ワード線WLにはプログラム電圧Vprgよりも低く0V以上の複数のVpass電圧を印加する。
図15は図14でワード線のデータ消去の繰り返し時におけるワード線WLnへのVpass電圧の繰り返し印加事例を示す図である。上述のワード線WLのデータ消去が何度か同じブロックで繰り返されると、図15に示すように、あるワード線WLにVpass電圧が何度も印加される場合が起こり得る。その場合、メモリセルはVpassストレスが何度も印加されて、半導体基板よりフローティングゲートへ電子が注入され、データ化けが起こり得る。これを防止するためには、Vpass電圧は十分低く設定しなければならない。しかし、Vpass電圧が低すぎると、データ書き込み時、選択ワード線WLにおいてプログラムディスターブが起こる。この相反する問題点を解決するために、以下に詳述するプログラム方法(図16及び図18)を用いる。
図16は、本実施形態に係るデータ書き換え方法を用いたときに、Vpass電圧が低すぎる場合にデータ書き込み時の選択ワード線のメモリセルにおいてプログラムディスターブが発生するという問題点を解決するためのプログラム方法を示すタイミングチャートである。なお、図16及びそれ以降の図面において、VSGDはドレイン側の選択ゲート線SGDの電圧であり、VSGSはソース側の選択ゲート線SGSの電圧であり、VBLはビット線BLの電圧であり、VSLはソース線SLの電圧であり、VCPW,VPwellはp型ウェルPwellの電圧である。
図16のt<t0(t0=0)の期間において、電圧V1は、ビット線BL2〜BLnに印加されて、ビット線が選択されないようにして、プログラミングを抑止する一方、選択されたビット線BL1は、接地されて、当該メモリセルをプログラムする。さらに、電圧V2はソース線SLに印加され、電圧V3は(SGDトランジスタのゲートに接続された)選択されたゲート線SGDに印加され電圧V4に下げられ、ワード線WL1〜WLx及び(SGSトランジスタのゲートに接続された)選択されたゲート線SGSは、接地されて0Vの電圧に設定される。
本実施形態では、好ましくは、電圧V1は約2.4Vに設定され、電圧V2は約1.9Vに設定され、電圧V3は約5Vに設定され、電圧V4は約1.5Vに設定される。t<t0の期間において、メモリセルストリング中の電子は、電圧V3でSGDトランジスタを介してビット線BL2乃至BLnに一掃されて、セルチャネル中の電子密度を減少させる。
図16を参照すれば、t<t0の期間において、(選択されたSGDトランジスタのゲートに接続された)選択されたゲート線SGDに印加される電圧は、電圧V3から電圧V4に変更される。電圧V4は、選択されたSGDトランジスタを介してビット線BLからNANDセルユニットのチャネル電位を切断するために、電圧V3よりも低く設定される。これらのプロセスは、従来技術と同様の方法で実行される。
本実施形態に係るプログラミング方法は、t1<t<t2の期間において正電圧V6を印加するブーストフェーズの前に、t0<t<t1の期間においてワード線WL1〜WLxに負電圧V5を印加するステップを含むことによって特徴づけられる。ここで、負電圧をワード線WL1〜WLxに印加することにより、NANDセルアレイ内の過剰電子をSi基板のホールと結合させる。それにより、過剰電子が減りその後の書き込み動作における後書き込みが防げる。また、Vpass電位も低く抑えられる。図16を参照すれば、選択されたワード線WL3に印加されるプログラム電圧Vprgは、時刻t2に電圧V6から電圧V7に変更され、その後、t2<t<t3の期間において印加される。
過剰な電子を減少させる方法は、ワード線WLに印加される負電圧V5がメモリセルのしきい値電圧Vt以下である電圧に設定されているときでも利用することができる。この動作バイアス電圧は全体のチャネルストリングにおける過剰な電子の全体量を減少させることに対してたいへん有効である。
図17は、図16のプログラム方法を用いたときのプログラムディスターブを説明するためのVpass電圧に対するしきい値電圧Vtを示すグラフである。図17は実験結果であって、プログラムディスターブ特性が、本実施形態とセルフブーストの従来技術との間で比較されている。図17から明らかなように、プログラムディスターブはVpass電圧の広い範囲わたって従来技術に比較して大幅に抑圧されている。ここで、本実施形態に係る方法は、少なくとも1本のワード線に接続されたメモリセルのデータを同時に消去することができ、この方法はSLCのみならず、MLCに適用できる。
図18は、プログラムディスターブが発生するという問題点を解決するための変形例のプログラム方法を示すタイミングチャートである。図18においては、負電圧V5は、t0<t<t1の期間においてワード線WLに印加されない。しかしながら、4Vの正電圧VCPWは、同じ期間にPwellに印加されることを特徴としている。
図19は図1のロウデコーダ12内のワード線ドライバの回路図である。図19において、従来例の図29と同様に構成されており、ワード線ドライバの複数の電界効果トランジスタのゲートにロウ選択電圧(書き込み信号)VROWが印加されて複数のワード線WLn+1,WLn,WLn−1及びドレイン側選択ゲート線SGDを駆動する。なお、GWLn+1,GWLn,GWLn−1はグローバルワード線であり、GSGDはドレイン側グローバル選択ゲート線である。なお、ワード線ドライバの各トランジスタのVtは基板電圧Vsub=0Vの時に1Vとする。
図20は本実施形態に係るメモリセルアレイ10の動作を示し、ワード線電圧を決定方法を説明するための縦断面図である。
図20において、30は半導体基板であっていわゆるp型ウェルPwellである。31はp型ウェルPwell内のドープ領域(n型ソース・ドレイン)であり、32はフローティングゲートであり、33はコントロールゲートである。また、C1はp型ウェルPwellとフローティングゲート32との静電容量であり、C2はフローティングゲート32とコントロールゲート33との間の静電容量であり、C3は互いに隣接するコントロールゲート33間の静電容量である。
図20において、ワード線WLnを0Vに固定し、p型ウェルPwellに高電圧(Verase)を印加して消去する。他のワード線WLはワード線ドライバの各トランジスタをオフし、グローバルワード線GWLから切り離してフローティング状態にする。その場合、ワード線WLn−1,WLn,WLn+1以外のワード線WLはp型ウェルPwellとの容量結合で自動的にブートされ、およそp型ウェルPwellと同電位まで上がる。図20に示すように、ワード線WLn−1,WLn+1はp型ウェルPwell又はワード線WLnとの容量結合でp型ウェルPwell電位と0Vの中間の電位となる。図20では、ワード線WLn+1側を書いてないが、ワード線WLn−1側と対称で同じなので省略している。
図21は、図20においてワード線WLn−1を中心とした図20の一部の回路の等価回路である。図21の等価回路を用いて、以下のように、ワード線WLn−1の電位を決定することができる。
[数2]
C3{(2VWLn−1)−(VWLn−2)−(VWLn)}
+C4{(VWLn−1)−(VPWell)}=0
ここで、VWLn=0Vである。
[数3]
VWLn−1
={C3×(VWLn−2)+C4×(VPWell)}/(2×C3+C4)
ここで、電圧VWLn−2がp型ウェルPwellの電圧VPWellに概ね等しいとすると、次式を得る。
[数4]
VWLn−1=(C3+C4)VPWell/(2×C3+C4)
図22は図20のメモリセルアレイ10の動作における電界を説明するための縦断面図である。図22に示すように、ワード線WL間の電位差は高すぎると、ワード線WLの間隔WLspaceを埋める層間絶縁膜で絶縁破壊を起こすので、あまり高い電位差は付けられない。次式に示すように、電界にして5MV/cm以下が望ましい。
[数5]
電界{{(VWLn)−(VWLn−1)}/WLspace}≦5MV/cm
ここで、VWLn及びVWLn−1は消去時のワード線電圧である。以上のワード線WLの各メモリセルのデータを消去する際、消去するデータの各メモリセルのワード線WLの両隣に位置するワード線WLの電圧設定について注意を要する。
まとめると以下のようになる。
(1)図12(b)に示すように、消去すべきデータの各メモリセルのワード線WLのしきい値電圧Vt分布は2ビットデータ「11」の分布になるようにする。また、隣接するワード線WLn−1,n+1については、しきい値電圧Vt分布がいわゆる半消去状態である「a,b,c」で示した分布の状態とする。さらにそれ以外のWLはしきい値電圧Vt分布の変化が起きないようにする。
(2)ワード線WLn以外のワード線WLは、ワード線ドライバの各トランジスタをオフにしてそれらのトランジスタから切り離し、フローティング状態にし、その電圧を、p型ウェルPwellの電位上昇と共に電位が上がるようにするが、p型ウェルPwellの電位上昇時のいつでも、何Vからフローティング状態にするかで、p型ウェルPwellの電位が上がりきって消去電圧Veraseになった時の各ワード線WL電位は決まる。その電位で上記の各ワード線WLの各メモリセルのしきい値電圧Vtになるように設定する。
(3)各ワード線WLの電位設定のために、図20及び図21に示すように、ワード線WL間とp型ウェルPwellとの容量を考慮に入れて、グローバルワード線GWL、ロウ選択ゲート線ROW、選択ゲート線SGDの各ノードの制御電圧を決める。また、図22に示すように、ワード線WL間の電界が5MV/cm以上にならないようにする必要もある。
(4)データを書き込むときに、当該NAND型フラッシュメモリのワード線へのページ割付けとページの書き込み順序に則ってデータ書込みを行うように制御する。
以下の各実施例において、本発明の各実施例に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法について以下説明する。
図23は本発明の実施例1に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。実施例1に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法は、消去対象ワード線である少なくとも1本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御することを特徴とする。
図23において、ワード線WLn以外のワード線WLをフローティング状態にするために、ロウ選択ゲート線ROWと、グローバルワード線GWLに対して読み出しトランジスタのしきい値電圧Vt(=1V)より高い電圧2V(半消去電圧)を印加し、メモリセルアレイ10のワード線WLの電位が例えばしきい値電圧Vt(=1V)に上昇してもワード線WLからグローバルワード線GWLに電圧(自由電子)が抜けないようにする。p型ウェルPwellの電圧上昇前にVWL=VGWL−Vthの電圧がワード線WLに印加されるので、p型ウェルPwellが消去電圧になったときそれらのワード線電圧VWLは消去電圧よりもその分高くなる(図23では、19V、8V〜10Vと記載)。なお、図23には、非選択ブロックのロウ選択電圧(書き込み信号)VROW=0Vで従来例と基本的に変らないので、選択ブロックの制御電圧しか示していない。また、ワード線電圧VWLn−1,VWLn−2を示していないが、ワード線電圧WLn+1と同様に変化する。
すなわち、実施例1では、ワード線WLnを所定の消去電圧(例えば、0Vを超えかつ5V以下の電圧)に設定し、他の隣接ワード線WLをp型ウェルPwellとのカップリングでワード線電圧VWLを消去電圧まで上がるようにして消去されないように半消去状態にするように制御することを特徴としている。ワード線WLn+1とワード線WLn−1はワード線WLnとのカップリングで消去電圧の60〜70%(以下、半消去電圧という。)になるように制御する(32nmプロセス世代のメモリセル)。
図23に示すように、データを消去するメモリセルを有する消去対象のワード線WLn以外のワード線WLをフローティング状態にするためにロウ選択電圧(書き込み信号)VROWとグローバルワード線電圧GWLに対して、メモリセルのしきい値電圧Vtは超えておりかつロウデコーダ12などが動作する最低の電圧2Vを印加し、メモリセルアレイ20のワード線WLが上昇してもワード線WLからグローバルワード線GWLに電圧(自由電子)が抜けないようにしている。実施例1では、p型ウェルPwellの電位上昇前にワード線電圧VWL=VGWL−Vtの電圧がワード線WLに印加されるので、p型ウェルPwell電圧が消去電圧になったとき、それらのワード線電圧VWLは消去電圧よりもその分高くなり、上記の半消去電圧となる。上記2Vを低く設定したのはワード線ドライバのトランジスタのワード線側ソース電圧のトランジスタ間の耐圧を越えないよう
にワード線電圧を抑えるためである。
なお、実施例1において、データ消去前に消去するワード線に接続された各メモリセルの第1のデータに加え、それに隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データ又は上記格納しておいた第1のデータの一部変更データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御する。
また、実施例1において、データ消去前に、データ消去するワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御してもよい。
図24は本発明の実施例2に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。
上述の実施例1では、消去ワード線WLnから隣接するワード線WLn+1,WLn−1の電圧を正確に設計できず、カップリングで決まる電圧にしか決定できず、他のワード線WLの電圧は消去電圧より大きくなり、ワード線ドライバのトランジスタのソースやソース間の耐圧も問題となる。そこでこれらを改善したのが図24の実施例2に係る消去方法である。図24に示すように、p型ウェルPwell電圧を3V、7V、18Vと3段階で上げている。また、グローバルワード線電圧VGWLn+1はp型ウェルPwell電圧=7Vの後に5Vとする。この時点で、ワード線電圧VWLn+1=3V(=5V−Vt)となり、最終的な電圧を約10Vとしている(10V=3V+(18V−7V)×65%)。ここで、ワード線WLn+1とp型ウェルPwell間の容量結合比を65%とした。これらの電圧を調整することによりワード線電圧を調整することができる。なお、ワード線電圧WLn+1が3Vに立ち上げられたとき、ワード線間カップリングによりワード線WLn+2にほぼ1Vの上昇が発生する。
図25は本発明の実施例3に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートで、ワード線WLnとワード線WLn+1の2本を消去する場合である。図25に示すように、実施例3では、プログラム時のように各ワード線WLに各グローバルワード線GWLから所定の電圧を直接印加することを特徴としている。p型ウェルPwellとワード線WLの電圧の立ち上げ、立ち下げにスピード差が出やすく、これらの電圧差が大きくなると誤消去あるいは誤書込みが発生する恐れがあるため互いにタイミングを合わせて4段階で上げている例を示す。なお、立ち下げ時は、実施例2と同様に、p型ウェルPwellの電圧制御とワード線間カップリングを使用した例を示した。
以上の実施例3では、消去するワード線WLに1Vを印加しているが、これは、ワード線ドライバのトランジスタのソース(ワード線WL側)間のパンチスルーを防止するためで、もしワード線WLn+1のトランジスタと、ワード線WLn+5のトランジスタが隣同士に配置されていたなら、そのワード線WL側ソース電圧差は18Vになるが、一方が0Vの場合と1Vの場合ではパンチスルー耐圧に大きな差がある。また、p型ウェルPwellとワード線WLの電圧の立ち上げを4段階で行っているが、本発明はこれに限らず、複数段階で行ってもよい。
図26は本発明の実施例4に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。実施例4に係る消去方法では、ロウ選択電圧である書き込み信号電圧をオフ電圧に設定した後、オン電圧にすることにより、データ消去するワード線の各メモリセルから電荷(p型ウェルPwellとのカップリングで接地電位に対して高電位となった電荷)を引き抜くことにより消去状態にするように制御するとともに、選択ゲート線及び消去しないグローバルワード線にはオンにしない電圧を印加するように制御することを特徴としている。
すなわち、実施例5は、実施例1の消去方法を改善するもので、すべての選択ゲート線SGD,ワード線WL(データ消去するワード線WLnを除く)がフローティング状態のカップリングで電圧が決まるようにしたもので、消去しないワード線WLn(隣接するWLn−1,WLn+1を除く)はp型ウェルPwell電圧に等しくなり(正確には隣隣接のワード線WLn−2,WLn+2のように少しずつずれる)、隣接ワード線WLの電圧も完全にカップリングのみで決まる。一旦非選択ブロックのようにすべてのワード線WLをp型ウェルPwell電圧までカップリングで上げた後に、データ消去するワード線WLnのみの電圧(自由電子)を低下させ方式である。なお、タイミングと印加電圧の組み合せで実施例2〜3のような制御も実現できる。
図27は本発明の実施例5で用いるロウデコーダ12Aの詳細構成を示す回路図である。図27を参照すると、ロウデコーダ12Aは、ブロック選択信号BLK及び反転ブロック選択信号
Figure 0005284909
を出力するブロックデコーダ123、中間電圧レベルシフタ(以下、MVLSという。)及びMOSトランジスタTr1乃至Tr4を含む高電圧中間電圧レベルシフタ(以下、HVMVLSという。)125、及びワード線ドライバ122を含む。
入力されたアドレスに応答してブロックが選択されるとき、ブロックデコーダ123は、ハイレベルを有するブロック選択信号BLKを出力する。ハイレベルを有するブロック選択信号BLKに応答して、信号PASVはプログラム電圧Vprgレベルに変更され、その後、ワード線ドライバ122のMOSトランジスタTsg、Twi、Twj及びTwkはオンされ、ワード線WLi、WLj及びWLk、及び選択ゲート線SGDのそれぞれの電圧はグローバルワード線GWLi、GWLj及びGWLk、及びグローバル選択ゲート線GSGDのそれぞれの電圧と、それぞれ同一になる。
一方、ブロックが選択されていないとき、ブロックデコーダ123はローレベルを有するブロック選択信号BLKを出力し、その後、信号PASVはVMMレベルになる。この場合、ワード線ドライバ122のMOSトランジスタTsg、Twi、Twj及びTwkはオフされ、その後、ワード線WL及び選択ゲート線SGDはグローバルワード線GWLi、GWLj及びGWLk、及びゲート線GSGDから切り離される。これはワード線WLがフローティング状態であることを意味する。しかしながら、反転ブロック選択信号
Figure 0005284909
がハイレベルを有することから、選択ゲート線SGDはMOSトランジスタTssによって0Vに設定される。
図27を参照すると、HVMVLS124は高正電圧VPP側回路及び負電圧VMM側回路を含み、HVMVLS124はワード線ドライバ122に出力信号PASVを出力する。VPP側回路は、Nチャネルディプレッション型MOSトランジスタTr1及びPチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタTr3を含む。VPP側回路は、入力されたブロック選択信号BLKに応答してVPPレベルシフタとして動作する。さらに、MVLS125は、2つのMOSトランジスタのインバータ118を含む6つのMOSトランジスタ116乃至120を含み、これらは高正電圧VXDと負電圧VMMとの間に提供される。
信号PASVが0V又はVMMである場合、MOSトランジスタTr1は4Vよりも低い電圧を通すようにオンされ、その後、MOSトランジスタTr3は信号VX=5Vであることからカットオフ状態であり、信号PASVは安定状態である。信号PASVが約4Vの電圧(=VXD−MOSトランジスタTr4のVth)から開始する場合、MOSトランジスタTr1は7Vよりも高い電圧を通すようにオンされ、その後、MOSトランジスタTr3はオンされ、信号PASVの電圧が増加するように、7Vの電圧が信号PASVの信号線に印加される。
一方、HVMVLS124のVMM側回路は、Nチャネルディプレッション型MOSトランジスタTr2、Nチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタTr4及びMVLS125を含む。MVLS125は、電圧VXDと電圧VMMとの間のレベルシフタとして動作する。この場合、ブロック選択信号BLKがハイレベルを有するとき、MVLS125は、MOSトランジスタTr4のソースに電圧VXDを出力する。一方、ブロック選択信号BLKがローレベルを有するとき、MVLS125は、MOSトランジスタTr4のソースに電圧VMMを出力する。MOSトランジスタTr2は、電圧ドロッパとして動作し、MOSトランジスタTr2側に位置するMOSトランジスタTr4のドレイン電圧をMOSトランジスタTr2及びTr3のブレークダウン電圧よりも低くなるように保つ。この場合、次式が得られる。
[数6]
(Tr4のドレイン電圧Vd)<Vprg−(VXD+|Tr2のVt|)
その後、MOSトランジスタTr4は、ブロック選択信号BLKがハイレベルを有するとき、電流がMOSトランジスタTr17を介して電圧ソースVPPから電圧VXDに流れないように、ソース電圧(=MVLS125からの出力電圧)を電圧VXDよりも低く保つ。
ワード線ドライバ122は、トランスファゲートMOSトランジスタTsg、Twi、Twj、Twk及びTssを含む。MOSトランジスタTwn(n=i,j,k)のそれぞれは、グローバルワード線GWLn(n=i,j,k)をそれぞれローカルワード線WLn(n=i,j,k)に接続するために提供される。グローバルワード線GWLnの電圧は、動作モード及び選択又は非選択のモードなどの条件によって制御される。
図28は本発明の実施例5に係るNAND型フラッシュメモリの消去方法を示すタイミングチャートである。
図28に示すように、実施例5では、ワード線WLnの制御電圧に負電圧を導入したもので、実施例3のようにすべて負電圧で行うこともできるが、p型ウェルPwellへの正電圧とワード線WLnへの負電圧を併用すると、隣接ワード線WLn+1,WLn−1の電圧設定の自由度が増す。図28の実施例5では、消去ワード線WLn−隣接ワード線WLn+1間電圧10Vに対し、隣接ワード線WLn+1の電圧−p型ウェルPwell電圧間電圧8Vと改善できている。この方式は負電圧を扱うので、図27のロウデコーダ12Aに示すように、トリプルWell構造を有するNチャネルトランジスタが必要になる。
なお、ワード線WL0及びWL31は隣りが選択ゲート線SGD又はSGSであるため、例えば図20でワード線WLnをWL1とした場合、ワード線WLn−2は選択ゲート線SGSでワード線WLn−3以降は存在しないので、ワード線WL1に接続されたメモリセル内のデータを消去する場合のワード線WL0は他の場合とは違う電圧状態となる。従って、これらワード線WL1又はWL31を消去する場合は、実施例1〜5の電圧設定を他のWLの場合と違えるとか組み合わせるとかを行わなければならない可能性が高い。そこで、どのワード線WLのデータを消去するかにより、どの実施例の消去法を採用するか、また電圧設定するかを最適化する。
変形例.
以上の実施形態及び実施例においては、1本のワード線WLnの各メモリセルのデータを消去するときに、それに隣接するワード線WLn+1,WLn−1の各メモリセルを完全な消去状態ではない半消去状態にするように制御しているが、本発明はこれに限らず、互いに隣接する2本のワード線WLn,WLn+1の各メモリセルのデータを消去するときに、それに隣接するワード線WLn+2,WLn−1の各メモリセルを完全な消去状態ではない半消去状態にするように制御してもよい。また、互いに隣接する3本のワード線WLn+1,WLn,WLn−1の各メモリセルのデータを消去するときに、それに隣接するワード線WLn+2,WLn−2の各メモリセルを完全な消去状態ではない半消去状態にするように制御してもよい。以下、互いに隣接する4本以上のワード線の各メモリセルのデータを消去するときも同様に処理してもよい。
以上詳述したように、本発明に係るNAND型フラッシュメモリとその消去方法によれば、消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御する。それ故、データ消去するワード線に隣接するワード線のメモリセルへの影響を防止しかつ従来技術に比較して短時間で、少なくとも1本のワード線のメモリセルのデータを同時に消去することができる。
10…メモリセルアレイ、
11…制御回路、
12,12A…ロウデコーダ、
13…高電圧発生回路、
14…データ書き換え及び読み出し回路(ページバッファ)、
14a,14b…ラッチ回路、
15…カラムデコーダ、
17…コマンドレジスタ、
18…アドレスレジスタ、
19…動作ロジックコントローラ、
20…ホストコンピュータ、
21…ブロック、
30…半導体基板、
31…ドープ領域、
32…フローティングゲート、
33…コントロールゲート、
50…データ入出力バッファ、
51…データ入出力端子、
52…データ線、
53…制御入力端子、
122…ワード線ドライバ、
123…ブロックデコーダ、
124…高電圧中間電圧レベルシフタ(HVMVLS)、
125…中間電圧レベルシフタ(MVLS)、
BL0〜BLn…ビット線、
GWLi,GWLj,GWLk…グローバルワード線
GSGD,GSGS…グローバル選択ゲート線、
L1,L2…ラッチ、
Pwell…p型ウェル、
SGD,SGS…選択ゲート線、
VROW…ロウ選択電圧、
WL1〜WL15,WLn,WLi,WLj,WLk…ワード線。

Claims (11)

  1. 各メモリセルに1つ又は複数のしきい値を設定することによりデータを記録するNAND型メモリセルアレイと、上記メモリセルアレイへの書き込み及び消去を制御する制御回路とを備えたNAND型フラッシュメモリにおいて、
    上記制御回路は、消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御することを特徴とするNAND型フラッシュメモリ。
  2. 上記制御回路は、データ消去前に消去するワード線に接続された各メモリセルの第1のデータに加え、それに隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データ又は上記格納しておいた第1のデータの一部変更データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御することを特徴とする請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  3. 上記制御回路は、データ消去前に、データ消去するワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルの第2のデータを、当該NAND型フラッシュメモリの外部の記憶装置に格納し、データ消去後に、消去したワード線に接続された各メモリセルに対して新規データを書き込み、かつ上記隣接するワード線に接続された各メモリセルには上記格納しておいた第2のデータを書き戻すように制御することを特徴とする請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  4. 上記NAND型フラッシュメモリの各メモリセルは、各メモリセルに複数のしきい値を設定することにより多値データを記録するマルチレベルセル(MLC)であり、
    上記制御回路は、上記データを書き込むときに、当該NAND型フラッシュメモリのワード線へのページ割付けとページの書き込み順序に則ってデータ書込みを行うように制御することを特徴とする請求項2又は3記載のNAND型フラッシュメモリ。
  5. 上記制御回路は、データ消去するワード線以外のワード線を、当該NAND型フラッシュメモリのp型ウェルPwellの電圧立上げ時からフローティング状態になるように制御することを特徴とする請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  6. 上記制御回路は、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルを上記半消去状態のしきい値電圧分布を有するように設定するときに、当該NAND型フラッシュメモリのp型ウェルPwellの電圧を複数段階で上昇させ、上記複数段階のタイミングで上記隣接するワード線に接続されたグローバルワード線への印加電圧を複数段階で上昇させかつロウ選択電圧である書き込み信号電圧を複数段階で上昇させることを特徴とする請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  7. 上記制御回路は、ロウ選択電圧である書き込み信号電圧を、すべてのワード線及び選択ゲート線の電圧を通過させる電圧に設定することにより、各ワード線に接続されるグローバルワード線及びグローバル選択ゲート線の電圧をそれぞれ直接に各ワード線及び選択ゲート線の電圧となるように制御したことを特徴とする請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  8. 上記制御回路は、ロウ選択電圧である書き込み信号電圧をオフ電圧に設定した後、オン電圧にすることにより、データ消去するワード線の電荷を引き抜くことにより消去状態にするように制御するとともに、選択ゲート線及び消去しないグローバルワード線にはオンにしない電圧を印加するように制御する請求項1記載のNAND型フラッシュメモリ。
  9. 上記消去するワード線の電圧を0Vを超えかつ5V以下の電圧に設定したことを特徴とする請求項5乃至8のうちのいずれか1つに記載のNAND型フラッシュメモリ。
  10. 上記制御回路は、p型ウェル電圧を基準としたときに、消去するワード線に接続されるグローバルワード線に正電圧に代えて、負電圧を印加するように制御することを特徴とする請求項6乃至8のうちのいずれか1つに記載のNAND型フラッシュメモリ。
  11. 各メモリセルに1つ又は複数のしきい値を設定することによりデータを記録するNAND型メモリセルアレイと、上記メモリセルアレイへの書き込み及び消去を制御する制御回路とを備えたNAND型フラッシュメモリの消去方法において、
    消去対象ワード線である1本又は互いに隣接する複数本のワード線に接続された各メモリセルのデータを消去するための電圧を当該消去対象ワード線に印加するときに、当該消去対象ワード線に隣接するワード線に接続された各メモリセルが、完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高く、かつ、上記完全な消去状態のしきい値電圧分布よりも高い所定の書き込みデータのしきい値電圧分布の最大しきい値電圧よりも低い最大しきい値電圧を有する半消去状態のしきい値電圧分布を有するように、当該隣接するワード線に所定の半消去電圧を印加するように制御するステップを含むことを特徴とするNAND型フラッシュメモリの消去方法。
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