JP5284550B1 - 人工地盤 - Google Patents

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Abstract


【課題】免震装置が適用された人工地盤に関し、可及的に少ない免震装置にて優れた耐震性を有する上部構造物を支持する人工地盤を提供すること。
【解決手段】 少なくとも複数の脚部1から構成され、上部構造物Bを支持する人工地盤10であって、脚部1の上端と上部構造物Bの間には免震支承3とピン支承4のいずれかの支承が介在しており、かつ少なくとも1以上のピン支承4が存在しており、上端に免震支承3がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に剛支承5が介在しており、上端にピン支承4がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に別途のピン支承4が介在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐震性能に優れた人工地盤に関するものである。
都市部における土地の有効利用を目的として、あるいは海上の広大な空間利用を目的として、人工地盤を建築し、この人工地盤の上に様々な建築物、たとえば、ビルや家屋のほか、鉄道路線、道路などのインフラ施設を構築する試みがおこなわれている。
人工地盤は、たとえば多数の柱や壁などからなる脚部や、さらに離れた脚部同士を繋ぐ梁材などから構成されており、人工地盤の上に床版が構築され、床版の上に各種の建築物が構築されるようになっている。なお、脚部のみを人工地盤と称することもできるし、脚部と梁材のほかに脚部の上に形成される床版も含めて人工地盤と称することもできるし、脚部と床版を人工地盤と称することもできる。
人工地盤はその下方に形成される空間を有効利用することも重要な要素となってくることから、脚部として壁よりも柱が多用されたり、さらには柱の基数を可及的に低減する試みがおこなわれる。そのために脚部が支持する荷重は自ずと大きくなり易く、人工地盤を平面的に見た際にその中央寄りにある中央領域に位置する柱には特に大きな荷重が載荷され易い。
ところで、人工地盤における下方空間の有効利用を図りながらその耐震性を向上させるには、免震装置を適所に配設するのが効果的である。
この免震支承の配設態様としては、従来は脚部と基礎地盤(基礎床版や基礎フーチングなど)の間に免震装置を介在させて免震支承を構成していたが(いわゆる基礎免震技術)、昨今、建築物の高層化に伴って建築物の中間層に免震装置を介在させる、いわゆる中間層免震技術が注目されている。一例として、たとえば50階建ての超高層ビルの20階に免震装置を介在させることにより、建築物に作用する地震時の水平力(せん断力)を低減し、このせん断力によって建築物の基礎に生じる引抜き力を低減できるという大きなメリットを奏することができる。また、中間層免震技術を適用することで建築物の高層部のみ免震化でき、基礎免震技術を適用した場合に比してコスト面でも有利となる。
人工地盤において上記する基礎免震技術や中間層免震技術を適用することで、可及的に少ない脚部からなる人工地盤の高耐震化が実現できる。その一方で、免震装置は高価であることから、可及的に少ない免震装置にて上部構造物を支持する人工地盤の耐震性を如何に向上できるかが重要な解決課題となっている。
ここで、人工地盤で上部構造物を支持する場合の基礎免震とは、人工地盤を構成する脚部とこの脚部を支持する基礎床版等の間に免震装置が介在されて構成された免震支承のことを意味している。一方、人工地盤で上部構造物を支持する場合の中間層免震とは、脚部と上部構造物の間に免震装置が介在されて構成された免震支承のことを意味している。
ここで、特許文献1,2には上記する中間層免震を適用した人工地盤が開示されている。特許文献1は地上の人工地盤に関する技術であり、特許文献2は海上の人工地盤に関する技術であるが、いずれも、免震装置を可及的に低減しながら人工地盤の耐震性を向上させるという課題を掲げ、この課題を解決する手段を開示するものではない。
特開平1−169022号公報 特開平11−117276号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、免震装置が適用された人工地盤に関し、可及的に少ない免震装置にて優れた耐震性を有する人工地盤を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による人工地盤は、少なくとも複数の脚部から構成され、上部構造物を支持する人工地盤であって、脚部の上端と上部構造物の間には免震支承とピン支承のいずれかの支承が介在しており、かつ少なくとも1以上のピン支承が存在しており、上端に免震支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に剛支承が介在しており、上端にピン支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に別途のピン支承が介在しているものである。
本発明の人工地盤は、人工地盤を構成する複数の脚部で上部構造物を支持する形態において、脚部と上部構造物の間に介在するそれぞれの中間層の支承に関し、1以上のピン支承と1以上の免震支承が適用されるとともに、脚部と基礎の間に介在するそれぞれの基礎支承に関し、中間層の支承にピン支承を適用した脚部の基礎支承には同様にピン支承を適用し、中間層の支承に免震支承を適用した脚部の基礎支承には剛結合構造の剛支承を適用したものである。
このように、基礎免震支承ではなくて中間層免震支承を適用したことで基礎免震支承を適用した場合よりも建築コストを廉価とすることができる。さらに、中間層免震支承を適用しながらも、脚部の上端の全ての箇所に免震装置を適用するのではなくて、一部の脚部の上端には安価なピン支承を適用したことで建築コストをより一層廉価としたものである。
そして、上端にピン支承を適用した脚部の下端には同様にピン支承を適用し、上端に免震支承を適用した脚部の下端には剛支承を適用したことにより、免震装置の基数を低減しながらも地震時の減衰効果が高く、耐震性に優れた上部構造物を支持する人工地盤を構築できることが本発明者等によって特定されている。
ここで、「人工地盤」とは、柱や壁などの脚部のみからなる形態、脚部と脚部同士を梁や床版で繋いだ形態などを包含する。
また、「中間層」とは、人工地盤を構成する脚部とその上部の上部構造物の間の層を意味しており、この中間層に形成される支承を「中間層の支承」、「中間支承」などと称し、脚部が基礎と接続される箇所と区別される。
また、「免震支承」とは、免震装置によってたとえば上部構造物と人工地盤を構成する脚部の上端を繋いだ支承を意味している。
また、「剛結合」もしくは「剛支承」とは、部材同士が接合する交点において各部材の角度が変化しない態様で結合していることを意味し、部材に力が作用した際にはこの剛結合箇所で大きな曲げモーメントが生じる結合態様、もしくは支承態様のことである。
さらに、「ピン支承」とは、部材同士が接合する交点で部材の回転を許容した態様で結合された支承を意味し、部材に力が作用してもこのピン支承では曲げモーメントが発生しない支承のことであり、水平移動が更に許容された支承形態も含まれる。
たとえば人工地盤を構成する脚部が100箇所存在する場合に、100箇所全ての中間支承に免震装置を設けるのではなくて、100箇所のうちの20箇所、もしくは30箇所の中間支承にピン支承を適用することができる。免震支承を構成する免震装置に対してピン支承はピボット構造の支承ゆえに構造もシンプルであり、支承費用としては格段に廉価となる。
たとえば脚部と脚部同士を繋ぐ梁材からなる人工地盤を3次元のフレームモデルにモデル化することができるが、平面視が長方形で脚部の位置をフレームの格点とし、n列×m行のモデルが形成される場合において、n列を正面から見た2次元フレームモデルにおいて、いずれか一つの脚部のみその上下にピン支承を有するフレームモデル(他の脚部は上端が免震支承で下端が剛支承)や、いずれか2つの脚部の上下にピン支承を有するフレームモデルなどのモデル構造を挙げることができる。
また、本発明による人工地盤の好ましい実施の形態として、前記複数の脚部を平面的に見た際に、荷重分担率の相対的に小さな端部領域と、荷重分担率の相対的に大きな中央領域にそれぞれ前記脚部が配設されており、前記中央領域にある1つもしくは複数の脚部の上下端にピン支承が配設されている形態を挙げることができる。
免震装置の規模はこの装置に載荷される荷重負担に応じた規模となり、したがって荷重負担の大きな箇所に適用された免震装置は自ずと規模の大きなものとなり、体格が多くなるにつれて装置コストも高価となり、あるいは体格の小さな装置を複数適用する必要が生じる。
そこで、本実施の形態では、人工地盤を平面的に見た際に、人工地盤を、荷重分担率が一般に大きな中央領域とその周辺で荷重分担率が相対的に小さな端部領域に仮想的に分割し、中央領域に配設される脚部には可能な限りピン支承を適用し、端部領域に配設される脚部には免震支承を適用することで免震装置の基数を低減するのみならず、その体格が大きくなるのも抑制して装置コストをより一層廉価にしようとするものである。
たとえば人工地盤の3次元フレームモデルを2次元的に見た際に3本の脚部とこれらを繋ぐ2本の梁材で2次元フレームが構成されている場合に、上部構造物の荷重分担率が大きな中央にある脚部の上下端にピン支承が適用され、左右の脚部の上端に免震支承、下端に剛支承が適用される。
また、人工地盤が脚部のほかに脚部同士を連結する梁材をさらに備えている形態において、梁材が脚部上に配設されたピン支承と干渉する位置に開口を備え、梁材とピン支承が干渉しないように構成されている実施の形態を挙げることができる。
ピン支承ではたとえば脚部の上で上部構造物の水平移動は拘束されず、回転も自由であるものの、免震支承のように免震効果は期待できない。そこで、ピン支承を備えた脚部と免震支承を備えた脚部の縁切りをおこない、免震支承を備えた脚部同士が梁材を介して形成されたたとえば門型フレーム(2次元的に見た場合)にて免震効果を期待するものである。
上記する実施の形態にさらに改良を加えて、梁材が脚部上に配設されたピン支承と干渉する位置に開口を備え、梁材とピン支承が干渉しないように構成されている構成に対して、ピン支承と梁材の開口の周囲が免震支承で繋がれている実施の形態やピン支承と梁材の開口の周囲がピン支承で繋がれている実施の形態としてもよい。
ピン支承と梁材の開口の周囲を免震支承で繋ぐことで減衰効果を一層高めることができ、また、免震支承で繋ぐことで梁材の支間長を低減して梁材のたわみの抑制を図ることもできる。
一方、ピン支承と梁材の開口の周囲をピン支承で繋ぐことで、たとえば脚部の側方からフランジを張り出し、このフランジ上でピン支承を構成するローラを介して梁材を水平移動自在に取り付けることにより、新たに免震装置を使用することなく、梁材の支間長を低減して梁材のたわみの抑制を図ることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の人工地盤によれば、1以上のピン支承と1以上の免震支承が適用されるとともに、脚部と基礎の間に介在するそれぞれの基礎支承に関し、中間層の支承にピン支承を適用した脚部の基礎支承には同様にピン支承を適用し、中間層の支承に免震支承を適用した脚部の基礎支承には剛結合構造の剛支承を適用したことにより、免震装置の基数を可及的に低減して建築コストを削減しながら、地震時の減衰効果が高く、耐震性に優れた人工地盤を提供することができる。
本発明の人工地盤とこの人工地盤で支持された上部構造物の一実施の形態の模式図である。 人工地盤の3次元モデルの実施の形態1の模式図である。 上下端がピン支承の脚部の構造を説明した模式図である。 人工地盤の3次元モデルの実施の形態2の模式図である。 上端が免震支承、下端が剛支承の脚部の構造を説明した模式図である。 (a)は図2で示す人工地盤モデルの平面図であって荷重分担率を説明した図であり、(b)は図4で示す人工地盤モデルの平面図であって荷重分担率を説明した図である。 人工地盤の3次元モデルの実施の形態3の模式図である。 人工地盤の3次元モデルの実施の形態4の模式図である。 (a)は人工地盤の実施の形態5の2次元モデルの地震前の状態を示した図であり、(b)は地震時の状態を示した図である。 人工地盤の実施の形態6の2次元モデルを示した図である。 人工地盤の実施の形態7の2次元モデルを示した図である。 地震応答解析で用いた人工地盤と上部構造物の断面寸法や支間長、脚部に作用する荷重を説明した図である。 地震応答解析で用いた地震波を示した図である。 (a)は解析モデル1の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。 (a)は解析モデル2の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。 (a)は解析モデル3の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。 (a)は解析モデル4の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。 (a)は解析モデル5の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。 (a)は解析モデル6の2次元モデル図であり、(b)は脚部下端における応答水平反力の時刻歴波形、最大応答値とベースシェア係数を示した解析結果である。
以下、図面を参照して本発明の人工地盤の実施の形態を説明する。なお、人工地盤とこれに支持される上部構造物は図示例に何等限定されるものではなく、脚部は柱以外にも壁や柱と壁の組み合わせであってもよく、上部構造物もビル以外にも、鉄道路線や駅舎、道路、海上の滑走路や各種処分場などのインフラ施設などであってもよい。
(人工地盤と上部構造物の実施の形態)
図1は本発明の人工地盤とこの人工地盤で支持された上部構造物の一実施の形態の模式図である。
図1で示すように、人工地盤10は多数の柱からなる脚部1と、脚部同士を繋ぐ梁材2とから構成されており、脚部1の下端は基礎スラブやフーチングなどからなる基礎Kと結合されている。なお、この基礎Kは、不図示の支持杭などをさらに構成要素として有していてもよい。
人工地盤10の上方には床版を介して上部構造物Bであるビルが構築されており、上部構造物Bの下方空間Gが他の用途に有効利用されるようになっている。
次に、図2〜11を参照して、人工地盤を3次元フレームモデルや2次元フレームモデルにモデル化してその形態を説明する。
(人工地盤の3次元モデルの実施の形態1)
図2は人工地盤の3次元モデルの実施の形態1の模式図であり、図3は上下端がピン支承の脚部(図2のモデルの中柱)の構造を説明した模式図である。
図示するモデルは6本の脚部1が2行3列で配列しており、各行ともに、中央の脚部1の上下端にピン支承4が設けられ、左右の脚部1は不図示の上部構造物と繋がれる上端に免震支承3が、基礎Kと繋がれる下端に剛支承5がそれぞれ設けられた構成となっている。
各脚部1同士はそれらの上方にて梁材2で相互に連結されて3次元フレーム100を構成しており、脚部1と梁材2から人工地盤10が構成されている。
実際の人工地盤は、図2で示す3次元フレーム100を基本構成として、この3次元フレーム100を複数備えて構成される。
脚部1のうち、中柱の具体的な構成を図3を参照して説明すると、鋼管等からなる脚部1に対して、型鋼からなる梁材2が溶接や添接板とハイテンションボルトなどを介して剛接合されており、脚部1の下端はピボット支承からなるピン支承4を介して基礎Kに固定されている。
一方、脚部1の上端はやはりピボット支承からなるピン支承4を介して上部構造物の柱B1に接続されており、上部構造物は柱B1同士を梁材B2が繋いでその架構を構成している。
(人工地盤の3次元モデルの実施の形態2)
図4は人工地盤の3次元モデルの実施の形態2の模式図であり、図5は上端が免震支承、下端が剛支承の脚部の構造を説明した模式図である。
図示するモデルは6本の脚部1が2行3列で配列しており、各行ともに、右端の脚部1の上下端にピン支承4が設けられ、残りの脚部1は不図示の上部構造物と繋がれる上端に免震支承3が、基礎Kと繋がれる下端が剛支承5がそれぞれ設けられた構成となっている。
各脚部1同士は上方で梁材2で相互に連結されて3次元フレーム100Aを構成しており、脚部1と梁材2から人工地盤10が構成されている。
脚部1のうち、中柱の具体的な構成を図5を参照して説明すると、鋼管等からなる脚部1に対して、型鋼からなる梁材2が溶接や添接板とハイテンションボルトなどを介して剛接合されており、脚部1の下端は基礎Kに埋設されて剛支承5が形成されている。
また、上部構造物の柱B1と脚部1の間には免震装置が介在して免震支承3が形成されている。
ここで、図6を参照して、図2,4で示す2つの3次元フレームを構成する各脚部1の分担荷重について考察する。なお、図6a、bはそれぞれ、図2で示す人工地盤モデルの平面図、図4で示す人工地盤モデルの平面図であって、ともに荷重分担率を説明した図である。
図6aで示すように、上下端にピン支承4を備えた脚部1が平面視で中央に位置する3次元モデル100では、4つの隅角に位置する免震支承3を備えた脚部1の荷重分担面積(上部構造物を6本の脚部が支持する場合に各脚部が分担する荷重を面積で示したもの)がSであるのに対して、中央の脚部1の荷重分担面積はその2倍の2Sとなる。
すなわち、荷重分担面積の相対的に大きな脚部1の上下端にピン支承4を設けたことでここに体格の大きな免震装置を備える場合に比してコストが安価となる。
これに対し、図6bで示す3次元モデル100Aでは、荷重分担面積2Sの中央の脚部1に免震支承3が設けてあるため、この中央の脚部1の免震支承3を構成する免震装置は体格の大きなものを適用する必要があり、コスト増となる。
このように、人工地盤において荷重分担面請の相対的に小さな端部領域に免震支承を適用し、荷重分担面積の相対的に大きな中央領域にピン支承を適用することで、免震装置の基数を低減するのみならず、一部の免震装置の体格を大きくすることも解消して人工地盤構築コストを大幅に低減することが可能になる。
(人工地盤の3次元モデルの実施の形態3,4)
図7,8はそれぞれ、人工地盤の3次元モデルの実施の形態3,4の模式図である。
図7で示す3次元モデル100Bは、8本の脚部1が2行4列で配列しており、各行ともに、中央の2本の脚部1の上下端にピン支承4が設けられ、左右の脚部1は不図示の上部構造物と繋がれる上端に免震支承3が、基礎Kと繋がれる下端が剛支承5がそれぞれ設けられた構成となっている。
一方、図8で示す3次元モデル100Cは、9本の脚部1が3行3列で配列しており、中央の4本の脚部1の上下端にピン支承4が設けられ、4つの隅角に位置する脚部1は不図示の上部構造物と繋がれる上端に免震支承3が、基礎Kと繋がれる下端に剛支承5がそれぞれ設けられた構成となっている。
これらの3次元モデル100B,100Cも人工地盤の基本ユニットの形態であり、この基本ユニットが平面的に展開されて広範な人工地盤が構築される。
(人工地盤の2次元モデルの地震前後の状態の説明)
図9はさらに別の実施の形態5の人工地盤を取り上げて、地震前後の人工地盤の状態を説明した図である。
図9aで示す人工地盤10’は、脚部1のみから構成された形態であり、3本の脚部1の上に上部構造物Bが支持されており、中央の脚部1の上下端にピン支承4が形成されており、左右の脚部1は上端に免震支承3が、下端に剛支承5がそれぞれ設けられている。
地震時に水平力を受けると、図9bで示すように左右の脚部1は下端が剛支承5によって変形せず、上端の免震支承3が変位する。そして、ピン支承4を備えた中央の脚部1は下端が回転し、全体の変形に追随して傾斜する。この人工地盤10’の変形によって上部構造物Bは側方に変形量δで変位する。
(人工地盤の2次元モデルの実施の形態6,7)
図10,11はそれぞれ、人工地盤の実施の形態6,7の2次元モデルを示した図である。
図10で示す人工地盤は、左右の脚部1を繋ぐ梁材2の中央に開口2aを備え、この開口2aに中央の脚部1が入り込み、中央の脚部1の上端のピン支承4が梁材2と干渉しないように構成されたものである。
この干渉防止構造は、図示例のように地震時に免震支承3が変位し、中央の脚部1は傾斜した場合にもこの傾斜姿勢の脚部1の上端のピン支承4が梁材2と干渉しないような寸法の開口2aが設けられることで実現される。
一方、図11で示す人工地盤は、梁材2が開口2aを具備するとともに、中央の脚部1がその上方にフランジ1aを有し、このフランジ1aと開口2a周囲の梁材2の部位とを免震支承6(もしくはローラー支承)が繋いだものである。
このように中央の脚部1と梁材2を免震支承6で繋ぐことで減衰効果をより一層高めることができるとともに、免震装置6もしくはピン支承で繋ぐことで延長の長い梁材2のたわみ防止効果を期待することができる。
なお、図示例において中央の脚部1と梁材2をピン支承で繋ぐ場合には、フランジ1aの上にローラから構成されたピン支承が水平移動自在に取付けられ、地震時に梁材2が水平方向に変位した際にローラが回転してフランジ上を移動できる形態のピン支承を適用するのがよい。
[地震応答解析とその結果]
本発明者等は人工地盤と上部構造物からなる2次元フレームモデルをコンピュータ内で作成し、この解析モデルに地震波形を入力して解析モデルの応答波形を求めるとともに最大応答値とベースシェア係数を求めた。
図12は地震応答解析で用いた人工地盤と上部構造物の断面寸法や支間長、脚部に作用する荷重を説明した図であり、図13は地震応答解析で用いた地震波(時刻歴波形)を示した図である。
本解析では、3本の脚部の上下端の支承形態を種々変化させて解析モデルを作成し、各解析モデルにおける応答波形を求めている。
図12で示すように、上部構造物の重量が3本の脚部に荷重分担率に応じて割り当てられ、中央の脚部には1944tonの荷重が載荷され、左右の脚部にはそれぞれ972tonの荷重が載荷されている。
上部構造物を構成する柱や梁材は角鋼管を適用し、人工地盤を構成する脚部も同様に角鋼管を適用し、脚部同士を繋ぐ梁材にはH型鋼を適用している。
本解析で適用した地震波形は、日本建築センターの模擬波 BCJ-L1の加速度波形である。
解析モデルを以下で説明する。
(解析モデル1)
図14aで示す解析モデル1は、3本の脚部の下端がいずれも剛支承であり、上端の中間層がいずれも剛支承である。
(解析モデル2)
図15aで示す解析モデル2は、3本の脚部の下端がいずれも免震支承であり、上端の中間層がいずれも剛支承である。
(解析モデル3)
図16aで示す解析モデル3は、3本の脚部の下端がいずれも剛支承であり、上端の中間層がいずれも免震支承である。
(解析モデル4)
図17aで示す解析モデル4は、3本の脚部の下端がいずれも剛支承であり、上端の中間層は、左右の2本が免震支承であり、中央の1本が剛支承である。
(解析モデル5)
図18aで示す解析モデル5は、3本の脚部の下端のうち、左右の2本が剛支承であり、中央の1本がピン支承であり、3本の脚部の上端のうち、左右の2本が免震支承であり、中央の1本が剛支承である。
(解析モデル6)
図19aで示す解析モデル6は、3本の脚部の下端のうち、左右の2本が剛支承であり、中央の1本がピン支承であり、3本の脚部の上端のうち、左右の2本が免震支承であり、中央の1本がピン支承である。すなわち、この解析モデル6が、上端に免震支承がある脚部の下端はその下方にある基礎に対して剛結合しており、上端にピン支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に別途のピン支承が介在している複数の脚部を備えた本発明の人工地盤をモデル化したものである。
各モデルの解析結果をそれぞれ対応する図面のb図に示しており、図中、最大応答値とベースシェア係数CB(最大応答値を上部構造物重量で除した値)を記載している。
各図より、基礎支承と中間支承がともに剛支承の解析モデル1の最大応答値が最も大きな値を示しており、基礎もしくは中間の3箇所全てを免震支承とした解析モデル2もしくは解析モデル3の最大応答値は解析モデル1の1/6程度にまで低減し、高い減衰効果が得られている。
免震支承の基数を3基から2基へ低減した解析モデル4〜6に関し、中央の脚部の上下少なくとも一箇所に剛支承を具備する解析モデル4,5では、解析モデル2,3に比して減衰効果は大きく期待できなくなる一方で、解析モデル6では、中央の脚部が免震支承を具備しない変わりにその上下端の回転が拘束されず、水平移動も自由となっていることで減衰効果が高くなり、最大応答値とベースシェア係数は解析モデル2よりも小さな値となっている。
本解析により、上端に免震支承がある脚部の下端はその下方にある基礎に対して剛結合しており、上端にピン支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に別途のピン支承が介在している複数の脚部を備えた人工地盤とすることで、免震装置の基数を低減しながら、高い減衰効果、すなわち優れた耐震性を有する人工地盤を構築することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…脚部(柱)、1a…フランジ、2…梁材、2a…開口、3…免震支承(免震装置)、4…ピン支承、5…剛支承、6…免震支承(ローラー支承)、10,10’…人工地盤、100,100A,100B,100C…3次元フレーム、B…上部構造物、K…基礎、G…上部構造物の下方空間、B1…柱(上部構造物の柱)、B2…梁材(上部構造物の梁材)

Claims (5)

  1. 少なくとも複数の脚部から構成され、上部構造物を支持する人工地盤であって、
    脚部の上端と上部構造物の間には免震支承とピン支承のいずれかの支承が介在しており、かつ少なくとも1以上のピン支承が存在しており、
    上端に免震支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に剛支承が介在しており、
    上端にピン支承がある脚部の下端はその下方にある基礎との間に別途のピン支承が介在している人工地盤。
  2. 前記複数の脚部を平面的に見た際に、荷重分担率の相対的に小さな端部領域と、荷重分担率の相対的に大きな中央領域にそれぞれ前記脚部が配設されており、
    前記中央領域にある1つもしくは複数の脚部の上下端にピン支承が配設されている請求項1に記載の人工地盤。
  3. 前記人工地盤が脚部のほかに脚部同士を連結する梁材をさらに備えており、該梁材が脚部上に配設されたピン支承と干渉する位置に開口を備え、梁材とピン支承が干渉しないように構成されている請求項1または2に記載の人工地盤。
  4. 前記ピン支承と前記梁材の開口の周囲が免震支承で繋がれている請求項3に記載の人工地盤。
  5. 前記ピン支承と前記梁材の開口の周囲がピン支承で繋がれている請求項3に記載の人工地盤。
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