JP5277502B2 - 凹版印刷機のワイピング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、凹版印刷機のワイピングローラを洗浄するワイピング装置に関するものである。
一般に、凹版印刷機のワイピング装置は、図9に示すように凹版胴(8)に装着された凹版版面上の余剰なインキを拭き取る樹脂製のワイピングローラ(7)と、このワイピングローラ(7)上に付着したインキを溶解及び分散させるための洗浄液(15)を満たした浸漬型洗浄槽と称されるワイピング槽(6)と、このワイピングローラ(7)に接触して機械的にインキを取り除く機能を有する複数個のブラシ群(4)から構成される洗浄部材及び/又はこのブラシ群(4)の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製のタワシ(5)を載せてワイピングローラ(7)と面接触させる支軸(2)に固定された洗浄部材(3)と、この洗浄部材(3)の下流側に位置してワイピングローラ(7)の表面上に残存する洗浄液(15)を拭き取る鋼製又は樹脂製の仕上げブレード(9)から構成され、図示しない印刷部にて用紙に印刷が施される。
従来の浸漬型ワイピング装置は、枚葉紙9,000枚/時間未満の印刷速度において、洗浄液あるいは洗浄部材とワイピングローラが接触する時間が長く、ワイピングローラ表面に付着したインキを完全に溶解及び分散させることができる。また、インキを溶解及び分散させた後にローラ表面に残存する薄い洗浄液の薄膜層も仕上げブレードにより取り除かれ、完全に清浄化されたワイピングローラが再び凹版版面上のインキを拭き取るためのサイクルに入ることで、汚れのない凹版印刷物を連続的に印刷することが可能である。
しかしながら、上述したような従来のワイピング装置にあっては、洗浄液が新しい状態においては拭き取られたインキが効率的に洗浄液中に溶解及び分散するが、印刷時間の経過とともに洗浄液中のインキ濃度が高くなり、このためにインキの溶解及び分散能力が低下し、洗浄部材の上部に位置する合成繊維製のタワシに未溶解のインキが徐々に蓄積されるようになる。そのため、連続印刷枚数が枚葉紙で約5万枚以上に達すると、ワイピングローラ上のインキが完全に拭き取れず、僅かに残ったインキが印刷物に付着する「拭き残り」と称する印刷欠陥や、汚れた洗浄液が印刷物に付着する「溶剤汚れ」と称する印刷欠陥が生じていた。このような事象が生じた場合、オペレータは印刷機械を一旦停止させ、洗浄部材を洗浄したり、洗浄液を交換する等の措置を講じる必要があり、不稼働時間が増加したり、また、この洗浄作業がオペレータにとって作業服や手が汚れる好ましくない作業であるという問題があった。
一方、枚葉紙9,000枚/時間以上の高速印刷になると、ワイピング槽に満たした洗浄液がワイピングローラの増速により、ワイピングローラ上に厚い洗浄膜厚層を形成し、下流側に位置する仕上げブレードに衝撃となって現われ、この仕上げブレードを強く押し上げるため、ワイピングローラと仕上げブレードとの間に極僅かな隙間が生じて洗浄液を完全に除去できない現象が生じる。この現象は「液上がり現象」と称しているが、ワイピングローラ表面に洗浄液を残したまま次の版面の洗浄サイクルに入ることから、凹版版面内のインキを溶解して印刷物をにじませたり、印刷用紙に洗浄液が付着したりするなど印刷物の品質を著しく損ねることから、凹版印刷機の高速化を阻害するという問題があった。
この問題点を解消する方策として、凹版印刷機のワイピング部において、洗浄部材上のインキ堆積を抑制するとともに、長時間にわたって良好な印刷物を得ることと高速印刷を可能とし、併せてオペレータの負担軽減を図るため、ワイピングローラ表面に付着したインキを洗浄する装置がある。この洗浄装置として、機械的にインキを取り除く洗浄部材と洗浄部材の下部に置いたインキを溶解及び分散させるための洗浄液を噴射する装置とが一体となって構成される第1段の洗浄部材と、ワイピングローラ上に残存する洗浄液を機械的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を第1段の洗浄部材の下流側に設けた凹版印刷機のワイピング装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−268252号公報
上述した先行技術である特許文献1の技術を用いた場合、ワイピングローラで拭き取られたインキは、噴射洗浄液によって溶解及び分散され、この洗浄液を回収、再循環、再噴射のサイクルを繰り返すことにより、第1段の洗浄部材がワイピングローラと接触する部位における未溶解インキの蓄積を抑制することができる。また、第1段の洗浄部材の下流側にワイピングローラに残存する膜状の洗浄液を効果的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を設けたことにより、ワイピングローラ上の洗浄液を取り除くことが可能となる。
さらに、枚葉紙9,000枚/時間以上の高速印刷時であっても、ワイピングローラ上に形成される洗浄液の皮膜層が薄いため、下流側に位置する仕上げブレードに衝撃を与えにくく、ワイピングローラと仕上げブレードとの接触を低速時と同様の状態に保つことが可能となる。これらの手段を講じても、ワイピングローラが凹版版面との間で起こる押圧力にて摩耗し、このために生じる第1段の洗浄部材との微妙な隙間がインキの蓄積を許し、印刷物に汚れが発生することがあるが、このような場合でも印刷機械を停止させることなく用紙の供給のみを停止して、噴射洗浄装置による自浄作用で洗浄部材を洗浄することが可能になり、従来の浸漬型ワイピング装置と異なり、「溶剤汚れ」及び「液上がり現象」がなくなり、良好な印刷物を安定して生産することが可能となる。
しかしながら、特許文献1の技術は、ある程度タワシへの未溶解インキの蓄積を抑制することが可能であるが、洗浄部材がワイピングローラ表面と接触した状態で洗浄部材の下部に配置した噴射装置から洗浄液を噴射させ、タワシ表面のインキを除去させる洗浄仕組であることから、タワシ上の未溶解インキを全領域に亘って完全に除去することはできず、徐々にインキが堆積することになり、やがて洗浄不良等の不具合が生じることになる。これらを勘案すると、近年主流となっている高速印刷(枚葉紙12,000枚/時間)を実施した場合、印刷速度に対応することができない場合もあり、良質な印刷製品を連続的に生産することが困難となることも考えられる。この対策として、ブラシ等の洗浄部材を定期的に洗浄又は交換しなければならず、オペレータにとって作業の手間が増大するばかりでなく、該作業によりコストが増加する。これらの理由により必ずしも先行技術に移行しない現状がある。現時点において、上述した問題点への対策が施されておらず、少なからず改善の余地があった。
上記のような課題を解決するため、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着した余剰インキを洗浄する装置として、支軸に固定されワイピングローラと回動摺接しローラ表面の余剰インキを除去する少なくとも一つ以上の円筒型洗浄部材を備えていることを特徴とする。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の下流側に、ワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く、複数列のブラシ群の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布を載せ、ワイピングローラと面接触する機能を有する洗浄補助装置及び/又はワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く吸引装置を備えていることを特徴とする。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の表面形状が螺旋形状であることを特徴とする。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の材質が、金属、セラミックス、樹脂又はゴムのいずれかの材質から形成されていることを特徴とする。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の内部へ一部に切欠き箇所を有する可動式の磁性体を配設していることを特徴とする。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の表面に合成繊維製不織布を被覆していることを特徴とする。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材を用いており、洗浄液中においてワイピングローラに回動摺接する機構であるため、常時洗浄部材の所定領域がワイピングローラに接触していた従前技術とは異なり、適宜、新たな洗浄部材領域と接触することにより洗浄部材へのインキ堆積が大幅に抑制でき、この原因による洗浄不良の発生がなくなる。また、同一領域の洗浄部材をワイピングローラに接触し続けた場合に誘発されるワイピングローラの熱膨張及びワイピングローラの表面硬度の軟化による顕著な摩滅損耗を気にすることなく洗浄できるとともに、ワイピングローラ表面に存するインキ滓等を効果的に除去できることから、均質な製品を長期間において連続的かつ安定的に得ることが可能となるといった充実した製品品質が保全できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ表面に存するインキ滓等を除去する手段として、ワイピングローラへ円筒型洗浄部材を回動摺接させることでなされることから、従前まで懸念されていたワイピングローラへのインキ滓等の浸透が大幅に規制できるとともに、過剰な洗浄部材の接触によって誘発されるローラの軟化による局所的磨耗が抑制できる。その結果、ワイピングローラは延命使用することが可能となり、交換頻度の大幅な削減、ワイピングローラの焼成、研磨等にかかる負担の低減が実現でき、従前に比して大幅なコスト低減が図れるという効果を奏する。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置を用いることで、ワイピングローラの十分な洗浄が可能となるとともに洗浄効果が向上するため、従前に比して、洗浄液の使用量が少なくて済む。このことで、ワイピング槽に滞留させる洗浄液の液量を少量に設計できることになり、ワイピングローラ上に形成される洗浄膜厚層が薄くなることから、「溶剤汚れ」、「液上がり現象」といった印刷不良が抑制でき、印刷機械の高速化が実現できる。加えて、効果的な洗浄によりワイピングローラの延命化が実現できることから、ワイピングローラの交換等に付随する作業の手間が少なくて済み、従前までオペレータにより行われていた各種調整作業が減少することによる作業性の大幅な改善及び印刷機械の不稼働時間が低減できるという効果を奏する。
本発明のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の別形態のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の別形態のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の洗浄部材を示す矢視図である。 本発明の洗浄部材を示す側面図である。 本発明の洗浄部材を示す断面図である。 本発明の別形態の洗浄部材を示す側面図である。 一般的なワイピング装置の一例を示す概略図である。 一般的なワイピング装置の一例を示す概略図である。
図1乃至図9に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明における凹版印刷機のワイピング装置の概略図であり、図2及び図3は別形態のワイピング装置の概略図である。また、図4乃至図6はそれぞれ洗浄部材の矢視図、側面図、断面図であり、図7は別形態の洗浄部材の態様を示す側面図である。さらに、図8、図9は一般的な凹版印刷機のワイピング装置の概略図である。
まず、一般的な凹版印刷機におけるワイピング装置について簡単に説明する。図9に示す一般的な凹版印刷機は、凹版胴(8)に装着した図示しない凹版版面へ付着した余剰インキの除去を行うワイピングローラ(7)の洗浄機構として、支軸(2)に固定された洗浄部材(3)に複数本のナイロン製のブラシ(4)を埋め込み、該ブラシ(4)の上部に合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)が存する態様である。ここで、ワイピングローラ(7)は、洗浄液(15)を満たしたワイピング槽(6)に懸架されており、凹版版面から拭き取った余剰インキをワイピングローラ(7)に対して一定圧力にて押圧して接触させたタワシ(5)により除去し、下流側に配置した仕上げブレード(9)により残留した洗浄液(15)を掻き落とし、ワイピングローラ(7)を完全に洗浄して、次回の凹版版面の洗浄に備えるものである。
また、図8に示す一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピング槽(6)に洗浄液(15)を滞留させず、図示しない洗浄液供給機構からの洗浄液(15)を支軸(2)に固定された洗浄部材(3)に配置した噴射装置(12)の噴射ノズル(13)から一定の吐出圧を有する洗浄液(15)をワイピングローラ(7)との間に配置したタワシ(5)を介して供給する機構であり、その下流側にはインキ滓成分を含む洗浄液(15)を吸引及び回収する吸引装置(10)、さらにその下流側には補助ブレード(11)、最下流には仕上げブレード(9)をそれぞれ配置している態様である。
一方、図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版胴(8)に装着された図示しない凹版版面から拭き取り、ワイピングローラ(7)の表面に存する余剰インキの洗浄手段として、洗浄液(15)を滞留させたワイピング槽(6)の内部に存し、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された円筒型洗浄部材(1)を少なくとも1つ以上備えている。また、配置した円筒型洗浄部材(1)は、円筒型洗浄部材(1)を回転駆動する駆動装置(14)、ワイピングローラ(7)に対する押圧を行う押圧装置(18)、駆動装置(14)及び押圧装置(18)を制御する制御装置(19)を連設している態様である。ここで、駆動装置(14)は、円筒型洗浄部材(1)を10rpm乃至200rpmの範疇にて回転駆動することが可能である。なお、回転方向については、ワイピングローラ(7)の回転と逆回転する場合が主流となるが、用いるインキによっては、ワイピングローラ(7)の回転と同方向の回転、いわゆる正回転させる場合もある。また、押圧装置(18)は、ワイピングローラ(7)に対して、0.5MPa乃至4.0MPaの範疇にて圧力を付与がすることが可能である。なお、そのローラ回転方向の下流側には、ワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(9)を配置している態様である。
また、図2に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された円筒型洗浄部材(1)の下流側に残存するインキ滓等を除去する複数列のブラシ群(4)の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)を載せ、ワイピングローラ(7)と面接触する機能を有する洗浄補助装置(17)を備えており、また、最下流にワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(9)を配置している態様とする場合もある。
また、図3に示すように、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された円筒型洗浄部材(1)の下流側に残存するインキ滓等を吸引及び回収する吸引装置(10)を備えており、また、最下流にワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(9)を配置している態様とする場合もある。ここで、吸引装置(10)は、ワイピング槽(6)に固着された支軸(2)に固定されている態様である。なお、吸引装置(10)は、図示しない制御機構によりワイピングローラ(7)への接触状態及び吸引量を自在に調整することが可能である。なお、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材(1)にてワイピングローラ(7)の洗浄を行う洗浄機構の下流側に上述した洗浄補助装置(17)及び吸引装置(10)を併用して配置している態様とする場合もある。
また、図4に示すように、円筒型洗浄部材(1)の表面形状を螺旋形状とする場合がある。この螺旋型洗浄部材(1)を直接的又はタワシ等を介して間接的にワイピングローラ(7)に接触させることで、インキ滓等を効率的に取り除くことになる。ここで、ワイピングローラ(7)に付着しているインキ滓等は対向して接触する螺旋型洗浄部材(1)に転移し、螺旋型洗浄部材(1)の螺旋溝を伝い、洗浄液(15)に分散することになる。なお、螺旋溝からのインキ滓等の除去を促進するため、図6に示すように、別途図示しない駆動機構により任意に可動できる一部切欠き箇所を有する磁性体(16)を螺旋型洗浄部材(1)の内部に配置した態様とする場合がある。これは、近年、凹版印刷に使用する凹版インキの多くは、印刷物の機械判別及び偽造防止を目的に、磁性物を含んだインキ材料を使用しており、磁性物を含んだ凹版インキを用いる場合に有用となる。なお、用いる凹版インキの磁性強度に応じて、配設した磁性体(16)を所望の磁性強度物に交換する場合がある。
また、円筒型洗浄部材(1)を側面から観察すると図5に示すようになるが、この円筒型洗浄部材(1)の材質については、洗浄液(15)による腐蝕、劣化が抑制される材質であればよく、例えば、ステンレス鋼のような金属類、PVC(塩化ビニル)のような樹脂類、NBR(ニトリルゴム)のようなゴム類、あるいはセラミックスのいずれかの材質により形成している。なお、円筒型洗浄部材(1)の外径は、直径50mm〜120mmの範疇にて任意に形成している。
さらに、図7に示すように、円筒型洗浄部材(1)の表面に、合成繊維製不織布(例えば、スコッチブライト;住友3M社)(5)を被覆した態様とする場合がある。
本発明における実施の例示について詳細に説明する。図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版胴(8)に装着された図示しない凹版版面から対接するワイピングローラ(7)にて拭き取ったインキ滓等の余剰インキを洗浄する方法として、約140リットルの洗浄液(15)を滞留させたワイピング槽(6)の内部に支軸(2)に固定された直径90mmの円筒型洗浄部材としてステンレス製の螺旋型洗浄部材(1)を2箇所に配置し、その螺旋型洗浄部材(1)の表面には、厚み8mmのスコッチブライト(5)を被覆したものを用いた。また、ワイピングローラ(7)に対する螺旋型洗浄部材(1)の押圧を2.0MPaに設定し、100rpmの速度にてワイピングローラ(7)と逆回転させ摺接させることでワイピングローラ(7)の洗浄を行い、下流側に存する仕上げブレード(9)にてワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する方法とし、約50万枚の凹版印刷の確認を行った。なお、螺旋型洗浄部材(1)の各種調整は、連設している駆動装置(14)及び押圧装置(18)を制御する制御装置(19)により行われる。
本発明のワイピング装置の評価としては、凹版印刷製品を観察すること、ワイピングローラ(7)の表面状態を観察することで実施した。連続50万枚の凹版印刷において確認した結果、極めて良好な結果を得ることができた。また、図2に示すように、螺旋型洗浄部材(1)を1組配置し、その下流側に補助洗浄装置(17)を配置した態様とした場合、図3に示すように螺旋型洗浄部材(1)を1組配置し、その下流側に吸引装置(10)を配置した態様とした場合についても同様の条件において確認し、いずれも良好な印刷結果を得ることができた。
また、ワイピング槽(6)には、ワイピングローラ(7)からのインキ滓の乖離状態を観察するため、一部に透明樹脂製の観察用小窓を設けたものを使用した。ワイピングローラ表面上に存するインキ滓は、螺旋型洗浄部材(1)と接触し、ワイピングローラ(7)から乖離している状態になっていた。また、一部、螺旋型洗浄部材(1)の表面に存するスコッチブライト(5)に一時的に接着したインキ滓についても、回動している間に、洗浄液中へ分散していることを確認した。やがて、ワイピングローラ(7)から乖離したインキ滓は、自重沈殿にてワイピング槽(6)の底部に沈積していることを確認した。
また、別途図示しない駆動機構により任意に可動できる一部切欠き箇所を有する磁性体(16)を内部に配置させた螺旋型洗浄部材(1)を用いたことで、ワイピングローラ(7)からのインキ滓が螺旋溝を伝い、螺旋型洗浄部材(1)から乖離していることを確認した。なお、磁性体(16)の一部に切欠きを設けた事由については、螺旋型洗浄部材(1)に付着されたインキ滓を一時的に解放させ、洗浄液中への分散を促進するためであり、実施例においては効果的に機能していた。
また、ワイピング装置稼動中におけるワイピングローラ(7)の表面温度を非接触式温度計にて測定した結果、従前のワイピング装置を用いた場合、印刷使用前の約60℃から2時間印刷後約67℃となるのに対して、本発明のワイピング装置を用いた場合、ワイピングローラ(7)の表面温度は、同条件において印刷使用前の約60℃から2時間印刷後約62℃であった。また、ワイピング装置稼働中におけるワイピングローラ(7)の表面凹凸状態の変動についても確認したが、従前技術に比して凹凸発生程度が小さく、至って良好な状態であることを確認した。なお、表面凹凸状態の計測にはレーザ式変位計を用いており、検出値は電波により図示しない表示装置に出力することが可能である。
また、螺旋型洗浄部材(1)の回転速度についても変動させて確認したが、螺旋型洗浄部材(1)を高速回転(例えば、210rpm)とすると、洗浄液(15)が乱流化し、洗浄能力が低下することから有用ではない。また、螺旋型洗浄部材(1)を低速回転(例えば、10rpm)とした場合も洗浄効果が低下する結果となることを確認した。さらに、螺旋型洗浄部材(1)の外径についても変動させて確認したが、螺旋型洗浄部材(1)を大きく設計(例えば、直径130mm)すると、ワイピング槽(6)に存する洗浄液(15)を攪拌してしまい、自重沈殿したインキ滓が洗浄液中に再分散することから有用ではなく、螺旋型洗浄部材(1)を小さく設計(例えば、直径40mm)とすると、必要となる洗浄効果を満たさない結果となることを確認した。
また、螺旋型洗浄部材(1)のワイピングローラ(7)に対する押圧ついても変動させて確認したが、押圧を極端に大きく設定(例えば、5.0MPa)すると、螺旋型洗浄部材(1)の表面にインキ滓が堆積するとともに、ワイピングローラ(7)の熱膨張を誘発することから有用でないことを確認した。また、押圧を極端に小さく設定(例えば、0.3MPa)すると、ワイピングローラ(7)の表面に存するインキ滓が乖離し難くなるので有用でないことを確認した。
さらに、粘性の高いインキを用いた場合として、円筒型洗浄部材(1)の下流側に残存するインキ滓成分を吸引及び回収する吸引装置(10)、複数列のブラシ群の上に合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)を載せ、ワイピングローラ(7)と面接触する機能を有する洗浄補助装置(17)を併用して配置した場合についても確認した。この構成においても有用な結果が得られることを鋭意努力した結果、我々は承知している。
上述したいずれの実施例においても、ワイピングローラ(7)の表面に存するインキ滓等が確実に除去できており、ワイピングローラ(7)の表面には光沢がある状態であった。また、枚葉紙約50万枚印刷後においてもワイピングローラ(7)の拭き取り能力は目立って劣化しているものではなく、さらなる印刷を実施することが可能であった。
上述した実施例はあくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。実施例では、円筒型洗浄部材(1)を2箇所に配置したが、当然、3箇所以上に配置することや、円筒型洗浄部材(1)を長円形状とする場合なども容易に推量できるものである。
1 円筒型洗浄部材
2 支軸
3 平面接触型洗浄部材
4 ブラシ群
5 合成繊維製不織布
6 ワイピング槽
7 ワイピングローラ
8 凹版胴
9 仕上げブレード
10 吸引装置
11 補助ブレード
12 噴射装置
13 噴射ノズル
14 駆動装置
15 洗浄液
16 磁性体
17 洗浄補助装置
18 押圧装置
19 制御装置

Claims (1)

  1. 凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着した余剰インキを洗浄する装置として、支軸に固定され前記ワイピングローラと回動摺接しローラ表面の余剰インキを除去する少なくとも一つ以上の円筒型洗浄部材を備え、前記円筒型洗浄部材の内部へ一部に切欠き箇所を有する可動式の磁性体を配設していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
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