JP2013132836A - 凹版印刷機のワイピング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワイピングローラ表面上に存する余剰インキを迅速かつ確実に除去するとともに、長時間にわたって良好な凹版印刷物を得ることを可能とする。
【解決手段】 ワイピングローラと接触しローラ表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリックと、洗浄ファブリックを介してローラへ指向し回動押圧する押圧ローラと、洗浄ファブリックを無端状に回動させるために支持する固定リールと、洗浄ファブリックを張設するテンション調節リールと、洗浄ファブリックを洗浄させる洗浄ロールと、洗浄ファブリックを回動させる駆動装置と、駆動を制御するとともに押圧ローラの押圧力を制御する制御装置を備えた洗浄機構を有する凹版印刷機のワイピング装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、凹版印刷機において、凹版版面上に存する余剰インキの除去を行うワイピングローラを洗浄するワイピング装置に関する。
一般に、凹版印刷機のワイピング装置は、凹版胴に装着された凹版版面上の余剰なインキを拭き取る樹脂製のワイピングローラと、このワイピングローラ表面上に付着したインキを溶解及び分散させるための洗浄液を満たしたワイピング槽と、このワイピングローラに接触して機械的にインキを取り除く機能を有する複数個のブラシ群から構成される洗浄部材及び/又はこのブラシ群の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ、柔軟性がある合成繊維製のタワシを載せてワイピングローラと面接触させる支軸に固定された洗浄部材と、この洗浄部材の下流に位置してワイピングローラ表面上に残存する洗浄液を拭き取る鋼製又は樹脂製のドクターブレードから構成される。
従来のワイピング装置では、洗浄液及び洗浄部材とワイピングローラが接触する時間が長く、ワイピングローラ表面に付着したインキを完全に溶解及び分散させることができ、更にインキを溶解及び分散させた後にワイピングローラ表面に残存する薄い洗浄液の薄膜層もドクターブレードにより取り除かれ、完全に清浄化されたワイピングローラが再び凹版版面上のインキを拭き取るためのサイクルに入ることで、汚れのない凹版印刷製品を連続的に生産することが可能であった。
しかしながら、上述したような従来のワイピング装置にあっては、洗浄液が新しい状態においては拭き取られたインキが効率的に洗浄液中に溶解及び分散するが、印刷時間の経過とともに洗浄液中のインキ濃度が高くなり、このためにインキの溶解及び分散能力が低下し、洗浄部材の上部に位置する合成繊維製のタワシに未溶解のインキが徐々に蓄積されるようになる。そのため、連続印刷枚数が枚葉紙で約5万枚以上に達すると、ワイピングローラ上のインキが完全に拭き取れず、僅かに残ったインキが印刷物に付着する「拭き残り」と称する印刷欠陥や、汚れた洗浄液が印刷物に付着する「溶剤汚れ」と称する印刷欠陥が生じてしまう。このような事象が生じた場合、オペレータは印刷機械を一旦停止させ、洗浄部材を洗浄したり、洗浄液を交換する等の措置を講じる必要があり、不稼働時間が増加したり、また、この洗浄作業がオペレータにとって作業服や手が汚れる好ましくない作業であるという問題があった。
この問題点を解消する方策として、凹版印刷機のための拭き取り装置であって、拭き取りシリンダと該シリンダの連続的な清掃のための設備とを具備し、該設備が拭き取りシリンダに連続的に作用する清掃液を収容する容器と拭き取りシリンダの周面と接触する清掃要素とを含み、該清掃要素は、拭き取りシリンダの回転方向に、拭き取りシリンダからインクの大部分を取り除き、また一定の距離をおいてブラシと拭き取りブレードの少なくとも一方がその後に続く第1の清掃要素と、拭き取りシリンダの軸線に平行の少なくとも1つの列のノズルとを具備し、該ノズルが清掃液を第1の清掃要素と拭き取りシリンダとの接触部分に噴射するよう配置されている拭き取り装置において、第1の清掃要素が、それ自体の上に折り重ねられ堅い支持体に、これに沿って該支持体を越えて延びるよう取り付けられたウエブの形式の織布材料で作られていることを特徴とする凹版印刷機用拭き取り装置がある(例えば、特許文献1参看)。
また、液槽内の洗浄液に下半部を浸漬されて回転するワイピングローラの周面に洗浄ユニットを液中で対接させて凹版胴からワイピングローラに転移したインキを拭き取る印刷機のワイピング装置において、ワイピングローラの洗浄液よりも上流側でインキを凹版胴から拭き取った直後の位置で、インキを掻き取るプレドクタをレバー機構を介してワイピングローラに対し着脱自在でかつ刃先が常に一定圧となるように付勢して設けると共に、レバー機構は、液槽に枢支されて駆動用流体圧アクチュエータの作動ロッドが連結する下レバーと該下レバーに枢支されてプレドクタが取り付けられる上レバーとを有し、これら両レバー間に刃先付勢用のスプリングを介装してなることを特徴とする印刷機のワイピング装置がある(例えば、特許文献2参看)。
特開平6−312501号公報 特許第3703057号公報
上述した先行技術である特許文献1の技術を用いた場合、拭き取りシリンダの洗浄要素として、折り重ねられた堅い支持体の上に、これに沿って取り付けられ支持体を越えて延びるウエブ形式の織布材料で作られている洗浄部材であり、鋼のような堅い緻密な材料で作られた拭き取りブレードではなく、簡単な織布材料で作られた要素によって同一の効果が生み出されることから、その柔軟さのため、拭き取りシリンダの表面を損傷する危険がなく、拭き取りシリンダの寿命を増すことができる。また、摩耗が鋼の拭き取りブレードよりも少ないので清掃要素自体の寿命が8日のオーダーで長くなり、これが使用者にとって明らかに一層経済的となる。
しかしながら、特許文献1の技術は、凹版版面から拭き取った直後のワイピングローラ表面上に存するインキをウエブ形式の織布材料で作られた洗浄部材にて掻き取る仕組みであり、洗浄部材がワイピングローラ表面と常時接触した状態であることから、印刷時間の経過とともに洗浄部材の表層へ徐々にヘドロ化したインキ滓が蓄積することになり、やがて洗浄不良等の不具合が発生することから、特許文献1の技術は長期的で連続性の高い印刷製品(例えば、銀行券印刷や諸証券印刷)には適さず、少量多種であり汎用性の少ない凹版印刷にのみ用いられる。
また、特許文献2の技術を用いた場合、適正に作動するプレドクタにより、洗浄ユニットによる拭き取り作用が軽減されて寿命が延び、安定した品質が得られるとともに生産性が向上する。さらに、上下両レバー間にスプリングを介装するという簡単な構造でドクタコントロールが行われ、コスト及びスペース的に有効である。
しかしながら、特許文献2の技術は、ワイピングローラの洗浄液よりも上流側の位置にて、プレドクタをワイピングローラに付勢させる機構であることから、時間経過とともにプレドクタとワイピングローラとの接触箇所における摩擦度合いが高くなり、その結果、樹脂製のワイピングローラが部分的に摩滅損耗する場合がある。このワイピングローラ表面に発生した部分的な凹みによって、下流に存するドクターブレードにてワイピングローラ表面に残存する洗浄液の拭き取りが十分にできなくなり、「拭き残り」及び「溶剤汚れ」といった印刷欠陥が発生することになることから、所望する高品質な印刷製品を連続的に安定して生産することができない。これらの理由により必ずしも先行技術に移行しない現状がある。現時点において、上述した課題への対策が施されておらず、少なからず開発の余地があった。
上記のような課題を解決するため、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、ワイピングローラと接触しワイピングローラ表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリックと、洗浄ファブリックを介してワイピングローラへ指向し回動押圧する押圧ローラと、洗浄ファブリックを無端状に回動させるために支持する複数配置された固定リールと、無端状に配置された洗浄ファブリックを張設するためのテンション調節リールと、洗浄ファブリックを洗浄液にて洗浄するとともに湿潤化させる少なくとも一つ以上配置された洗浄ロールと、洗浄ファブリックを回動させる駆動装置と、駆動装置の駆動を制御するとともに押圧ローラのワイピングローラへの押圧力を制御する制御装置とを少なくとも備えた洗浄機構を有している凹版印刷機のワイピング装置である。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、ワイピングローラと接触しワイピングローラ表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリックと、洗浄ファブリックを介してワイピングローラへ指向し回動押圧する押圧ローラと、洗浄ファブリックを駆動させるために支持する固定リール及び/又は洗浄ファブリックを張設するためのテンション調節リールと、洗浄使用前の洗浄ファブリックを供給する払い出しリールと、洗浄使用後の洗浄ファブリックを回収する巻き取りリールと、洗浄ファブリックに洗浄液を供給し湿潤化させるためのノズルと、洗浄ファブリックを払い出しリールから巻き取りリールへと駆動させる駆動装置と、駆動装置の駆動を制御するとともに押圧ローラのワイピングローラへの押圧力を制御する制御装置とを少なくとも備えた洗浄機構を有している凹版印刷機のワイピング装置である。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、洗浄機構の下流側にワイピングローラの表面上に残存するインキ成分及び/又は洗浄液成分を機械的に取り除く、ドクターブレードを更に備えている凹版印刷機のワイピング装置である。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、押圧ローラの材質が金属、樹脂又はゴムから選択される材料により構成される凹版印刷機のワイピング装置である。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、押圧ローラの表面形状が略格子状の凹みを有し、かつ、凹部が連通するように設けられた横断溝を少なくとも一つ以上有している凹版印刷機のワイピング装置である。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラが凹版版面上の余剰なインキを拭き取った直後であり、かつ、ワイピングローラ表面に付着したインキ成分がワイピング槽に滞留させた洗浄液に浸る直前に、ある程度のインキ成分を取り除くことができる機構であることから、下流に存する洗浄部材へのインキ堆積や洗浄液中へのインキ成分の分散等による洗浄能力の劣化を大幅に抑制することが可能となる。また、ワイピングローラの洗浄に使用する洗浄ファブリックが適度に洗浄液を含浸させた態様であることから、ワイピングローラ自体を傷付けることがない。その結果、均質な凹版印刷製品を長期間において連続的かつ安定的に得ることが可能となるといった充実した製品品質が保全できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、洗浄ファブリックを回動させ、インキ成分を効果的に除去する機構であることから、従前まで問題となっていた洗浄部材の表面に残存するインキ成分を主要因とするワイピングローラの摩滅損耗が大幅に抑制できる。このことでワイピングローラは長期間において使用できるとともに、ワイピングローラの焼成及び研磨にかかる負担の低廉化が図れるなど、従前に比して大幅なコスト低減が実現できるという効果を奏する。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置を用いることで、この課題における全ての課題が解消できるとともに、ワイピングローラの延命化に寄与できることから、従前までオペレータにより頻繁に行われていた各種調整作業が減少することによる作業性の大幅な改善及び印刷機械の不稼働時間の低減による生産性の向上が可能となるという効果を奏する。
図1乃至図7に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明における凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。また、図2は別形態の凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。また、図3及び図4は凹版印刷機のワイピング装置における洗浄機構を説明するために一部を拡大した概略図である。また、図5は凹版印刷機のワイピング装置における押圧ローラの態様を説明するための概略図である。さらに、図6及び図7は一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。
まず、一般的な凹版印刷機におけるワイピング装置について詳細に説明する。図6に示すように一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、凹版版面(図示せず)から拭き取った、ワイピングローラ(7)表面上に存するインキ成分の洗浄機構として、ワイピング槽(6)にあって、ワイピングローラ(7)表面に洗浄液(16)を投射する少なくとも一つの列のノズル(23)と、洗浄液(16)の付着したインキ成分をワイピングローラ(7)に接触し取り除く支持体(22)に固定された、5mm乃至20mmの厚さを有する多孔の合成繊維を巻き付けた洗浄要素(21)と、洗浄要素(21)の下流にあって、同じくインキ成分を取り除く拭き取りブレード(28)と、表面にブラシ群を有する複数の洗浄部材(3)及びドクターブレード(9)とが配され、ドクターブレード(9)の下流にはワイピングローラ(7)表面に残存する洗浄液成分を完全に乾燥させる空気(25)を送風する空気送風機(24)を配した態様であり、完全に清浄化されたワイピングローラ(7)が再び新しい凹版版面を洗浄することで、適正な図柄等が再現できる凹版印刷製品を連続的に生産することができる。なお、本技術においては、特に凹版版面から最初に拭き取った、洗浄液(16)成分を含む濃度の高い余剰インキを、ワイピング槽(6)の底部に配した仕切り板(26)及び出口オリフィス(27)によって掣肘し、排出している態様である。
また、図7に示す一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、凹版版面(図示せず)から拭き取った、ワイピングローラ(7)表面上に存する余剰インキの洗浄機構として、特にワイピングローラ(7)が凹版版面上の余剰なインキを拭き取った直後であって、かつ、ワイピングローラ(7)表面に付着したインキ成分がワイピング槽に滞留させた洗浄液(16)に浸る直前に、ある程度のインキ成分を取り除くことができるインキ掻き取りブレード(29)を有するとともに、インキ掻き取りブレード(29)により掻き取ったインキ成分を格納するインキ滓格納タンク(20)を有している点に特徴を有する。その他の構成については、汎用の凹版印刷機と略同様の構成であることから、詳細な説明を省略する。
一方、図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(7)表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、ワイピングローラ(7)と接触しワイピングローラ(7)表面上のインキ成分を除去する、布製材料が多重層に織られ、かつ、含水率5%乃至25%を実現する湿潤シートである洗浄ファブリック(10)と、洗浄ファブリック(10)を介してワイピングローラ(7)へ指向し回動しながら押圧する、金属、樹脂又はゴムから選択される材料により構成される押圧ローラ(1)と、洗浄ファブリック(10)を無端状に回動させるために支持する複数配された固定リール(13)と、無端状に配された洗浄ファブリック(10)を張設するためのテンション調節リール(14)と、回動中の洗浄ファブリック(10)を洗浄液にて洗浄するとともに湿潤化させる少なくとも一つ以上配置された洗浄ロール(19、19’)と、洗浄ファブリック(10)を回動させる駆動装置と、駆動装置の駆動を制御するとともに押圧ローラ(1)のワイピングローラ(7)への押圧力を制御する制御装置とを少なくとも備えた洗浄機構を有する態様である。また、本洗浄装置の下流に公知の洗浄部材(3)を配する場合や、最下流にワイピングローラ(7)表面を完全に洗浄する公知のドクターブレード(9)を配する場合もある。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、図2に示すようにワイピングローラ(7)表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、ワイピングローラ(7)と接触しワイピングローラ(7)表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリック(10)を無端状とせず、一方に洗浄使用前の洗浄ファブリック(10)を供給する払い出しリール(11)を配し、他方に洗浄使用後の洗浄ファブリック(10)を回収する巻き取りリール(12)を配した態様とする場合もある。なお、本態様においても洗浄ファブリック(10)には、適宜、洗浄液(16)を供給し湿潤化させるための機能を有しており、その部材としてノズル(23)を配している。その他の構成は、図1において説明した内容と略同様であるので、詳細な説明を省略する。なお、洗浄ファブリック(10)を無端状方式とするか、供給/回収方式とするかは、使用するインキに応じて適宜選択されることになる。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、図3に示すように洗浄ファブリック(10)を回動させる駆動装置(31)を有しており、当該駆動装置(31)に連設された制御装置(15)により、洗浄ファブリック(10)の回転速度及び回転方向が指示される。なお、洗浄ファブリック(10)の回転方向については、基本的に対向するワイピングローラ(7)の回転方向と逆回転となるように設計するが、場合によっては正回転に設計する場合もある。この場合、押圧ローラ(1)の回転速度を変速させて、対向するワイピングローラ(7)との周速差によるスリップ効果を発現させ、インキ成分を拭き取ることになる。また、制御装置(15)は押圧ローラ(1)のワイピングローラ(7)への押圧力の加減(接触離間方向への移動)についても調節することができる。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、回動中の洗浄ファブリック(10)と接触し、適宜洗浄するとともに湿潤化させる洗浄ロール(19、19’)を配した態様であり、当該洗浄ロール(19、19’)は、洗浄液(16)を滞留させたタンク(18)の近傍にあって、その一部が洗浄液(16)に浸漬している。なお、洗浄ロール(19、19’)は、洗浄ファブリック(10)と接触し、洗浄するとともに湿潤化できる態様であれば、特にその形状に限定されることはない。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、特に凹版インキとして磁性成分を含有するインキを用いた場合の拭き取りに効果を発現させるため、図4に示すように押圧ローラ(1)をマグネット製押圧ローラ(17)とする場合がある。ここで、押圧ローラ(1)の材質としては、上述したマグネット製材料とする場合のほか、ステンレス等の金属材料を用いる場合や、あるいは、ワイピングローラ(7)との接触によって生じる過剰な応力を適宜吸収するとともにワイピングローラ(7)表層に接線分力を加えるために可撓性材料(例えば、硬質プラスチック)を用いる場合がある。なお、押圧ローラ(1)の材質については、特に限定するものではなく、金属、樹脂あるいはその他の材質であってよい。また、押圧ローラ(1)は、ワイピングローラ(7)の軸線方向に略平行して延在させているが、必ずしも単体である必要はなく、複数分割した押圧ローラ群を一対とした態様とする場合もある。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、図5に示すように押圧ローラ(1)の表面形状を格子状の凹みを有する態様に設計してもよい。ここで、図5(a)には表面形状として菱形格子を複数配した押圧ローラ(1)の例示を、また、図5(b)には表面形状として籠目格子のうち三角格子の存しない、所謂、ハニカム格子を複数配した押圧ローラ(1)の例示を夫々示している。特に押圧ローラ(1)の表面形状を格子状の凹みを有し、かつ、凹部が連通するように設けられた横断溝を有する態様に設計することで、格子に存するエッジが洗浄ファブリック(10)を介してワイピングローラ(7)に接触し、ワイピングローラ(7)表面上に存するインキ成分を掻き取ることになる。そして、掻き取られたインキは格子に存する凹み、そして、凹部が連通するように設けられた横断溝に誘導されることになり、次のエッジによる掻き取りを阻害しなくなることから、洗浄ファブリック(10)による適正なインキ成分の除去が実現できる。なお、押圧ローラ(1)は、その表面に複数の格子を有するものであれば、様々な格子輪郭を有するように設計してもよい。また、押圧ローラ(1)表面の格子径(X、X’)についても、任意に設計することができる。
次に、本発明における実施の例示について図1、図3及び図5を参看して詳細に説明する。まず、本実施例においては、凹版版面と接触した直後のワイピングローラ(7)の周面に接触し、ワイピングローラ(7)表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリック(10)として、ポリアミド系繊維の集合体であるフェルトを使用し、また、洗浄ファブリック(10)を介してワイピングローラ(7)へ指向し回動押圧する押圧ローラ(1)として、ローラ表面がハニカム格子状であり、格子間に複数の横断溝を配した硬質樹脂にて作製された押圧ローラ(1)を使用し、また、洗浄ファブリック(10)を無端状に回動させるために支持する固定リール(13)を2箇所配し、また、無端状に配された洗浄ファブリック(10)を張設するためのテンション調節リール(14)を1箇所配し、また、洗浄ファブリック(10)を洗浄するとともに湿潤化させる洗浄ロール(19、19’)は、洗浄ファブリック(10)を挟入するように2箇所配し、また、洗浄ファブリック(10)を回動させる駆動装置(31)の駆動速度を18rpmに設定するとともにワイピングローラ(7)の回転方向とは逆回転させ、また、押圧ローラ(1)のワイピングローラ(7)に対する押圧力を0.8MPaに設定し、また、ワイピングローラ(7)のストローク分を思慮してワイピングローラ全長より約10cm長く設計した押圧ローラ(1)をワイピングローラ(7)の軸線方向に略平行に配し、さらに、洗浄ファブリック(10)を洗浄する洗浄液(16)にはダイキュアS(DICグラフィックス社製)を使用した。加えて、その下流に公知の洗浄部材(3)、さらに最下流にはドクターブレード(9)を配した洗浄形態として、枚葉紙約40万枚の凹版印刷における洗浄状態の確認を行った。なお、印刷機械の印刷速度は9,000枚/時間に設定して実施した。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置の評価としては、凹版印刷製品の品質状態、ワイピングローラ(7)の表面状態及び拭き取った洗浄ファブリック(10)の状態を夫々観察することで実施した。その結果、枚葉紙約40万枚までの凹版印刷製品について、極めて良好な印刷製品を連続して得ることができた。また、枚葉紙約40万枚の印刷後におけるワイピングローラ(7)の表面状態を目視したところ、ワイピングローラ(7)の表面には光沢があるとともにローラ表面の凹凸は殆ど無く、至って良好な状態であることを確認した。また、ワイピングローラ(7)と接触した直後の洗浄ファブリック(10)にはインキ成分が付着しており、確実に捕集できていることを確認した。加えて、洗浄ロール(19、19’)を通過した後の洗浄ファブリック(10)にはインキ成分の付着が殆ど無く、捕集したインキ成分が適正に乖離していたことから、更なる洗浄に供えることができる。なお、ワイピングローラ(7)の表面状態については、別途、ワイピングローラ(7)の表面凹凸状態を計測するレーザ式変位計(図示せず)及びワイピングローラ(7)の表面状態を撮像するCCDカメラをローラ近傍に配置させ、表示装置(図示せず)に出力することで確認したが、顕著な凹凸やローラ表面へのインキの残存はなく、良好な状態であることを確認した。このことは、洗浄ファブリック(10)によりワイピングローラ(7)表面上のインキ成分が適切に除去されるとともに、適正な含水率を有する洗浄ファブリック(10)がワイピングローラ(7)に対する摩擦エネルギーを吸収することで、ワイピングローラ(7)の磨滅損耗を抑制した結果であると想察できる。
また、枚葉紙約40万枚の印刷終了後、タンク(18)に滞留させた洗浄液(16)の状態を確認したところ、インキ成分により混濁していたことを確認した。なお、洗浄液(16)は、汚れの状態に応じて、公知の洗浄液管理槽を用い、適宜、新しい洗浄液に交換することになる。
また、本実施例では、図5(b)に示すように、ローラ表面がハニカム格子状凹みを有する押圧ローラ(1)を用いたが、格子間に横断溝を配した態様と配さない態様の両方の水準を準備し、同様の条件において印刷確認を実施している。その結果、押圧ローラ(1)に横断溝を配した水準の方が洗浄ファブリック(10)による拭き取り能力が優れることを確認した。そして、この傾向は印刷時間の経過にともなって顕著となっていた。これは、押圧ローラ(1)によって、ワイピングローラ(7)から洗浄ファブリック(10)へと拭き取ったインキ成分が僅かではあるが横断溝に誘導され拡散することで、特定の範囲にインキ成分が集中残存することが抑制でき、更なる洗浄効果の向上に繋がっているものと想察できる。
また、本実施例では、押圧ローラ(1)のワイピングローラ(7)に対する押圧力についても変動させて確認したが、押圧力を極端に大きく設定(例えば、1.5MPa)すると、押圧ローラ(1)とワイピングローラ(7)の接触抵抗が大きくなり、ワイピングローラ(7)の熱膨張を誘発することから有用でないことを確認した。また、押圧を極端に小さく設定(0.3MPa)すると、ワイピングローラ(7)の表面に存するインキ成分が払拭し難くなるので有用でないことを確認した。なお、押圧ローラ(1)の押圧力調整は、押圧ローラ(1)に連設している制御装置(15)により自在に変更できる。
また、洗浄ファブリック(10)の含水率については、15%程度の含水率が最適であることを確認している。この含水率については、極端に大きく設計(例えば、含水率約30%)すると、洗浄ファブリック(10)が延伸することから有用でない。逆に、含水率を極端に小さく設計(例えば、含水率約3%)すると、接触により発する摩擦エネルギーを抑制することが困難となり、ワイピングローラ(7)表面が傷付くことから有用でない。
また、印刷機械の印刷速度を11,000枚/時間に設定し、枚葉紙約10万枚の印刷を実施したが、本発明の構成は印刷速度に影響されることなく、所望するワイピングローラの洗浄が可能であり、良好な品質の印刷製品を生産することが可能であった。
最後に、凹版印刷におけるワイピングローラの洗浄をファブリック洗浄とする場合については、ファブリックの材質選定も重要な要素であるが、洗浄ファブリックをワイピングローラに指向して押圧する押圧ローラに着眼し、拭き取り効果を高めるために格子状の凹みを有する表面形状とすること及び拭き取ったインキを誘導させるための横断溝を配した態様として接触させることが重要であり、単に押圧ローラにて圧力を付与するだけでは、所望する洗浄効果が期待できないことを本実施例において確認した。
上述した実施例は、あくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている技術的思想の範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。また、各図面における要素の形状は、より明確な説明を強調するために誇張しているとともに、図面にて同じ機能を遂行する構成要素に対しては同じ参看番号を併記している。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。 本発明の別形態の凹版印刷機のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の凹版印刷機のワイピング装置における洗浄機構を説明するために一部を拡大した概略図である。 本発明の凹版印刷機のワイピング装置における洗浄機構を説明するために一部を拡大した概略図である。 本発明の凹版印刷機のワイピング装置における押圧ローラの一例を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。
1、1’ 押圧ローラ
2 支軸
3 洗浄部材
4 ブラシ群
5 合成繊維製不織布(タワシ)
6 ワイピング槽
7 ワイピングローラ
8 凹版胴
9 ドクターブレード
10 洗浄ファブリック
11 払い出しリール
12 巻き取りリール
13 固定リール
14 テンション調節リール
15 制御装置
16 洗浄液
17 マグネット製押圧ローラ
18 タンク
19、19’ 洗浄ロール
20 インキ滓格納タンク
21 洗浄要素
22 支持体
23 ノズル
24 空気送風機
25 空気
26 仕切り板
27 出口オリフィス
28 拭き取りブレード
29 インキ掻き取りブレード
30 軸芯
31 駆動装置
X、X’ 格子径

Claims (5)

  1. 凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、前記ワイピングローラと接触しワイピングローラ表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリックと、前記洗浄ファブリックを介して前記ワイピングローラへ指向し回動押圧する押圧ローラと、前記洗浄ファブリックを無端状に回動させるために支持する複数配置された固定リールと、無端状に配置された前記洗浄ファブリックを張設するためのテンション調節リールと、前記洗浄ファブリックを洗浄液にて洗浄するとともに湿潤化させる少なくとも一つ以上配置された洗浄ロールと、前記洗浄ファブリックを回動させる駆動装置と、前記駆動装置の駆動を制御するとともに前記押圧ローラの前記ワイピングローラへの押圧力を制御する制御装置とを少なくとも備えた洗浄機構を有していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  2. 凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着したインキ成分を洗浄する装置として、前記ワイピングローラと接触しワイピングローラ表面上のインキ成分を除去する洗浄ファブリックと、前記洗浄ファブリックを介して前記ワイピングローラへ指向し回動押圧する押圧ローラと、前記洗浄ファブリックを駆動させるために支持する固定リール及び/又は前記洗浄ファブリックを張設するためのテンション調節リールと、洗浄使用前の洗浄ファブリックを供給する払い出しリールと、洗浄使用後の洗浄ファブリックを回収する巻き取りリールと、前記洗浄ファブリックに洗浄液を供給し湿潤化させるためのノズルと、前記洗浄ファブリックを前記払い出しリールから前記巻き取りリールへと駆動させる駆動装置と、前記駆動装置の駆動を制御するとともに前記押圧ローラの前記ワイピングローラへの押圧力を制御する制御装置とを少なくとも備えた洗浄機構を有していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  3. 前記洗浄機構の下流側にワイピングローラの表面上に残存するインキ成分及び/又は洗浄液成分を機械的に取り除く、ドクターブレードを更に備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  4. 前記押圧ローラは、その材質が金属、樹脂又はゴムから選択される材料により構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  5. 前記押圧ローラは、その表面形状が略格子状の凹みを有し、かつ、凹部が連通するように設けられた横断溝を少なくとも一つ以上有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
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