JP2009255455A - 凹版印刷機のワイピング装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 凹版印刷機のワイピング装置として、ワイピングローラの余剰インキを迅速且つ確実に除去するとともに、ローラの発熱を抑制し、長時間にわたって良好な印刷物を得ることと高速印刷を可能とし、併せてオペレータの負担軽減を図る。
【解決手段】 少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材と、噴射洗浄部材の下流側に混合流体と結合したインキ滓を吸引する吸引部材と、吸引部材の下流側に乾燥熱源を有する乾燥部材とから構成している凹版印刷機のワイピング装置とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、凹版印刷機のワイピングローラを洗浄するワイピング装置に関するものである。
一般に、凹版印刷機のワイピング装置は、図7に示すように凹版版胴(23)に装着された凹版版面上の余剰なインキを拭き取る樹脂製のワイピングローラ(25)と、このワイピングローラ上に付着したインキを溶解及び分散させるための洗浄液(24)を満たした浸堰型洗浄槽と称されるワイピング槽(19)と、このワイピングローラ(25)に接触して機械的にインキを取り除く機能を有する複数個のブラシ群(22)から構成される洗浄部材及び/又はこのブラシ群(22)の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し且つ柔軟性がある合成繊維製のタワシ(20)を載せてワイピングローラ(25)と面接触させる支軸(13)に固定された洗浄部材(28)と、この洗浄部材(28)の下流側に位置してワイピングローラ(25)の表面上に残存する洗浄液(24)を拭き取る鋼製の仕上げブレード(18)から構成され、図示しない印刷部にて用紙に印刷が施される。
従来の浸堰型ワイピング装置では、枚葉紙;9,000枚/時間未満の印刷速度において、洗浄液あるいは洗浄部材とワイピングローラが接触する時間が長く、ワイピングローラ表面に付着したインキを完全に溶解及び分散させることができ、また、インキを溶解及び分散させた後にローラ表面に残存する薄い洗浄液の薄膜層も仕上げブレードにより取り除かれ、完全に清浄化されたローラが再び版面上のインキを拭き取るためのサイクルに入ることで、汚れのない凹版印刷物を印刷することが可能であった。
しかしながら、上述したような従来のワイピング装置にあっては、洗浄液が新しいうちは拭き取られたインキが効率的に洗浄液中に溶解及び分散するが、印刷時間の経過とともに洗浄液中のインキ濃度が高くなり、このためにインキの溶解及び分散能力が低下し、洗浄部材の上部に位置する合成繊維性のタワシに未溶解のインキが徐々に蓄積されるようになる。そのため、連続印刷枚数が枚葉紙;約5万枚以上に達すると、ワイピングローラ上のインキが完全に拭き取れず、僅かに残ったインキが印刷物に付着する「拭き残り」と称される印刷欠陥や、汚れた洗浄液が印刷物に付着する「溶剤汚れ」と称される印刷欠陥が生じていた。このような事象が生じた場合、オペレータは印刷機械を一旦停止させ、洗浄部材を洗浄したり、洗浄液を交換する等の措置を講じる必要があり、不稼働時間が増加したり、また、この洗浄作業がオペレータにとって作業服や手が汚れる好ましくない作業であるという問題があった。
一方、枚葉紙;9,000枚/時間以上の高速印刷になると、ワイピング槽に満たした洗浄液がワイピングローラの増速により、ワイピングローラ上に厚い洗浄膜圧層を形成し、下流に位置する鋼製の仕上げブレードに衝撃となって現われ、この仕上げブレードを強く押し上げるため、ワイピングローラと仕上げブレードとの間に極僅かな隙間が生じて洗浄液を完全に除去できない現象が生じる。この現象は「液上がり現象」と称されるが、ワイピングローラ表面に洗浄液を残したまま次の版面の洗浄サイクルに入ることから、版面内のインキを溶解して印刷物をにじませたり、印刷用紙に洗浄液が付着したりするなど印刷物の品質を著しく損ねることから、凹版印刷機の高速化を阻害するという問題があった。さらに、凹版印刷機のワイピング装置に一般的に用いられる洗浄液に含まれる界面活性剤は、昨今の環境問題に照らした場合にその使用を削減すべきものであることは明白であり、これらの使用量を削減することは万人の望むところである。
この問題点を解消する方策として、洗浄能力とローラ及びパッドの耐久性の向上が図れる凹版印刷機のワイピング装置とするため、凹版版胴に装着された凹版版面に付着したインキを転移させ洗浄液槽内で回転駆動されるワイピングローラと、このワイピングローラの周面に対接して洗浄液槽内に配設されワイピングローラ周面を洗浄液にて洗浄する洗浄部材とを備えたワイピング装置において、洗浄部材を少なくともワイピングローラ周面に弾接する凹面部にインキ掻取り用の小孔を多数設けた薄板製パッドで構成した凹版印刷機のワイピング装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、凹版印刷機のワイピング部において、洗浄部材上にインキを堆積させることなく、長時間にわたって良好な印刷物を得ることと高速印刷を可能とし、併せてオペレータの負担軽減を図るため、ワイピングローラ表面に付着したインキを洗浄する装置の洗浄機構として、機械的にインキを取り除く洗浄部材と洗浄部材の下部に置いたインキを溶解及び分散させるための洗浄液を噴射する装置と一体となって構成される第1段の洗浄部材と、ワイピングローラ上に残存する洗浄液を機械的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を第1段の洗浄部材の下流側に設けた凹版印刷機のワイピング装置がある(例えば、特許文献2参照)。
実開平7−15339号公報 特開平11−268252号公報
上述した先行技術である特許文献1を用いた場合、洗浄部材を少なくともワイピングローラ周面に弾接する凹面部にインキ掻き取り用の小孔を多数設けた薄板製パッドで構成しているので、パッドのワイピングローラとの接触面積を増大して単位面積当たりの接触力を低減でき、洗浄能力とローラ及びパッドの耐久性の向上が図れ有用である。
しかしながら、特許文献1の技術は、従来の凹版印刷機のワイピング装置と同様に時間経過とともにインキ滓を含むことから洗浄液が劣化することに変わりなく、洗浄液の交換頻度を遅らせると、場合によっては、ワイピングローラ表面上のインキの拭き取りが十分でなくなり、「溶剤汚れ」及び「液上がり現象」といった印刷欠陥が発生する場合があり、所望する高品質な凹版印刷製品を得ることができない。これらの対策として、洗浄液及び洗浄部材を頻繁に交換しなければならず、作業手間の増大及びかかるコストが増加する。このことから、特許文献1の技術は長期的で連続性の高い印刷製品(例えば、銀行券印刷や諸証券印刷)には適さず、少量多種であり汎用性が少ない凹版印刷にのみ用いられるものである。また、特許文献1の技術は、溶剤系の洗浄液を用いるため、環境特性上の問題がないとはいえず、オペレータにとっては改善が望まれるが、洗浄液の削減も実現には難しい。
また、特許文献2を用いた場合、ワイピングローラで拭き取られたインキは、噴射洗浄液によって溶解及び分散され、この洗浄液を回収、再循環、再噴射のサイクルを繰り返すことにより、第1段の洗浄部材がワイピングローラと接触する部位における未溶解インキの蓄積を防止することができる。また、第1段の下流にワイピングローラに残存する膜状の洗浄液を効果的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を設けたことにより、ワイピングローラ上の洗浄液を完全に取り除くことが可能になる。
さらに、枚葉紙;9,000枚/時間以上の高速印刷時であっても、ワイピングローラ上に形成される洗浄液の皮膜層が薄いため、下流に位置する鋼製の仕上げブレードに衝撃を与えることがなく、ワイピングローラと仕上げブレードとの接触を低速時と同様の状態で保つことが可能となる。これらの手段を講じても、ワイピングローラが版胴との間で起こる押圧力にて摩耗し、このために生じる第1段の洗浄部材との微妙な隙間がインキの蓄積を許し、印刷物に汚れが発生することがあるが、このような場合でも印刷機械を停止させることなく用紙の供給のみを停止して、噴射洗浄装置による自浄作用で洗浄部材を洗浄することが可能になり、従来の浸漬型ワイピング装置と異なり、「溶剤汚れ」及び「液上がり現象」がなくなり、良好な印刷物を安定して印刷することが可能となる。
上述した特許文献2の技術は、時間とともに発生するワイピングローラの熱膨張を抑制することが困難となり偏磨耗するばかりでなく、ワイピングローラ上のインキ皮膜を完全に除去することも困難となる。また、洗浄液をスプレー噴射することは洗浄液の乱流化を誘発して泡の発生を顕著とすることから洗浄能力を阻害する。さらに、ワイピング槽に付設されている各種センサの誤作動の要因にも繋がる。これらを勘案すると、近年主流となっている高速印刷(枚葉紙;12,000枚/時間)を施した場合、印刷速度に対応することができず、良質な印刷製品を連続的に生産することが困難となる。これらの理由により必ずしも先行技術に移行しない現状がある。現時点において、上述した問題点への対策が施されておらず、少なからず改善の余地があった。
上記のような課題を解決するため、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラの効果的なインキ除去と冷却効果に着目してなされたものであり、凹版印刷機のワイピング装置において、ワイピング装置は、少なくとも、昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材を有する凹版印刷機のワイピング装置である。
また、凹版印刷機のワイピング装置において、ワイピング装置は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材と、噴射洗浄部材の下流側に混合流体と結合したインキ滓を吸引する吸引部材と、吸引部材の下流側に乾燥熱源を有する乾燥部材とから構成した凹版印刷機のワイピング装置である。
また、凹版印刷機のワイピング装置において、ワイピング装置は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材と、噴射洗浄部材の下流側に配され、混合流体と結合したインキ滓を除去及び回収するためワイピングローラと接触回動するシリンダ仕組と、シリンダ仕組の下流側に乾燥熱源を有する乾燥部材とから構成した凹版印刷機のワイピング装置である。
また、シリンダ仕組のシリンダは、回動を駆動制御する制御装置を付帯している凹版印刷機のワイピング装置である。
また、シリンダ仕組のシリンダは、シリンダ表面にインキ滓を機械的に接触除去させるための紙、樹脂、不織布のいずれかからなるインキ滓除去部材を固着しており、インキ滓除去部材に付着したインキ滓を対設して接触除去するスクレーパと、スクレーパ近傍にインキ滓を堆積させる受け皿とを有する凹版印刷機のワイピング装置である。
また、昇華性微粒子は、二酸化炭素微粒子である凹版印刷機のワイピング装置である。
また、凹版印刷機のワイピング方法において、ワイピング方法は、少なくとも、昇華性微粒子を含有した混合流体をワイピングローラに噴射して洗浄する洗浄工程を有している凹版印刷機のワイピング方法である。
さらに、凹版印刷機のワイピング方法において、ワイピング方法は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体をワイピングローラに噴射して洗浄する洗浄工程と、洗浄工程の下流側に混合流体と結合したインキ滓を吸引する吸引工程と、吸引工程の下流側に乾燥熱源を有する乾燥工程とから構成している凹版印刷機のワイピング方法である。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、昇華性微粒子を含んだ混合流体をワイピングローラに投射する機構であることから、ワイピングローラの表面温度を自在にコントロールすることが可能となり、近年の印刷機械の高速化(枚葉紙;12,000枚/時間乃至13,000枚/時間)を勘案した場合、凹版版面との接触により誘発されるワイピングローラの熱膨張及びワイピングローラの表面硬度の軟化による顕著な摩滅損耗を大幅に抑制することが可能であることから、ワイピングローラ表面上のインキを適宜効果的に除去でき、均質な製品を長期間において連続的かつ安定的に得ることが可能となるといった充実した製品品質が保全できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ表面上の付着したインキ滓を瞬時に混合流体中の昇華性微粒子(二酸化炭素微粒子)と結合させることから、ワイピングローラへのインキ滓の浸透を規制できるとともに、ワイピングローラの軟化による局所的磨耗が抑制できる。また、このことでワイピングローラは長期間において使用することが可能となり、使用頻度の大幅削減、さらにはワイピングローラの焼成、研磨にかかる負担の低廉化が図れる。同時に洗浄液の適宜供給が不必要となることから従前に比して大幅なコスト低減が実現できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、二酸化炭素微粒子によりインキの凝集分離が促進できることから、環境特性に問題のある洗浄液を使用しなくても洗浄が可能となる。現状、オペレータはワイピングピット内において噴霧状態の洗浄液を吸引してしまうことを与儀なくされており、作業の改善が求められていたが、本技術により噴霧状態の洗浄液環境に晒されることが解消され、環境特性の改善が図れるという効果を奏する。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置を用いることで、ワイピングローラの十分な洗浄及び冷却を主とした表面温度の制御に費やす相当量の洗浄液の供給が必要でなくなるとともに、この課題における印刷機械の高速化が制限されなくてよくなり、ワイピングローラの延命化に寄与でき、作業負荷の低減が図れる。また本技術は、洗浄液を使用しない、あるいは洗浄液が少量の場合でも十分に対応することが可能であることから、ワイピングローラの交換等に付随する作業手間が少なくて済み、従前までオペレータにより行われていた各種調整作業が減少することによる作業性の大幅な改善及び印刷機械の不稼働時間が低減できるといった効果を奏する。
図1乃至図7に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明における凹版印刷機のワイピング装置の概略図であり、図2及び図3は別形態のワイピング装置の概略図である。また、図4はワイピング装置の一部を拡大した概略図である。さらに、図5、図6及び図7は一般的な凹版印刷機のワイピング装置の概略図である。
まず、一般的な凹版印刷機におけるワイピング装置について詳説する。図7に示す一般的な凹版印刷機は、凹版版胴(23)に装着した図示しない凹版版面へ付着した余剰インキの除去を行うワイピングローラ(25)の洗浄機構として、支軸(13)に固定された洗浄部材(28)に複数本のナイロン製のブラシ(22)を埋め込み、ブラシ上部に合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(20)が存する態様である。洗浄部材(28)をワイピングローラ(25)に対して押圧することで回転するワイピングローラ(25)の表面上に付着しているインキ滓をワイピングローラ(25)との間に配置したタワシ(20)により除去し、下流に配した仕上げブレード(18)により残留した洗浄液(24)を掻き落とし、ワイピングローラ(25)を完全に洗浄して、次回の凹版版面の洗浄に備えるものである。ここで、洗浄部材(28)及びワイピングローラ(25)の一部はワイピング槽(19)に滞留させた洗浄液(24)に浸漬している態様である。
また、図5に示す一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(25)を両端の支軸(13)に固定された薄板製パッド(11)により洗浄し、その下流に配した支軸(13)に固定されたブラシユニット(12)において残留インキの掻き落とし、次に、その下流に配した仕上げブレード(18)により付着した洗浄液(24)を掻き落とし、ワイピングローラ(25)を完全に洗浄して、次回の凹版版面の洗浄に備えるものである。ここでも、薄板製パッド(11)及びワイピングローラ(25)の一部はワイピング槽(19)に滞留させた洗浄液(24)に浸漬している態様である。
また、図6に示す一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピング槽(19)に洗浄液(24)を滞留させず、図示しない洗浄液供給機構からの洗浄液(24)を支軸(13)に固定された洗浄部材(28)に配置した噴射装置(15)の噴射ノズル(16)から一定の吐出圧を有する洗浄液(24)をワイピングローラ(25)との間に配置したタワシ(20)を介して供給する機構であり、その下流にはインキ滓成分を含む洗浄液(24)を吸引及び回収する洗浄液回収装置(14)、さらにその下流には補助ブレード(17)、最下流には仕上げブレード(18)を夫々配置している態様である。
一方、図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピング槽(19)内に存しワイピングローラ(25)の入り側に昇華性微粒子供給装置(9)からの昇華性微粒子(例えば、二酸化炭素微粒子)を含んだ混合流体(1)を供給する噴射洗浄部材(21)を備えており、その下流に昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)と結合したインキ滓を吸引及び回収する吸引部材(3)を備えており、ワイピングローラ回転方向の最下流にワイピングローラ(25)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(18)を配置している態様である。ここで、噴射洗浄部材(21)、吸引部材(3)ともにワイピング槽(19)に固着された支軸(13)に固定されており、ワイピング槽(19)には洗浄液を滞留させていない態様である。
また、本発明のワイピング装置は、図2に示すようにワイピング槽(19)内に存しワイピングローラ(25)の入り側に昇華性微粒子供給装置(9)からの昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)を供給する支軸(13)に固定された噴射洗浄部材(21)を備えており、その下流に昇華性微粒子を含んだ混合粒子(1)と結合したインキ滓をワイピングローラ(25)と接触して除去する表層にインキ滓除去部材(6)を設置した支軸(13)に固定したシリンダ(2)を設けている態様である。なお、シリンダ(2)は、図示しない駆動装置により自在に回動することが可能である。また、インキ滓除去部材(6)に付着したインキ滓はシリンダ(6)に先端が接触しているスクレーパ(26)により適宜除去することが可能であり、除去したインキ滓はスクレーパ(26)の近傍に設けている受け皿(5)に堆積させる。ここで、インキ滓除去部材(6)としては、合成繊維製不織布(例えば、タワシ)を用いる場合や、樹脂製シート、あるいはペーパーを用いる場合がある。また、シリンダ(2)の下流には熱源供給装置(8)を連結した乾燥部材(7)を配置しており、ワイピングローラ回転方向の最下流にはワイピングローラ(25)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(18)を配置している態様である。
また、本発明のワイピング装置は、図3に示すようにワイピング槽(19)内に存しワイピングローラ(25)の入り側に昇華性微粒子供給装置(9)からの昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)を供給する支軸(13)に固定された噴射洗浄部材(21)を備えており、その下流に昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)と結合したインキ滓を合成繊維製不織布(20)を介して接触除去させるブレード(4)を有している。なお、ブレード(4)への合成繊維製不織布(20)の取り付け/取り外しは、ブレード(4)に付設された固定冶具(10)の開閉にて容易に実施できる。また、噴射洗浄部材(21)の下流かつブレード(4)の上流には必要に応じてワイピングローラ(25)の洗浄を促進する目的として、一定量の洗浄液(24)を適宜供給できる洗浄液供給装置(27)を設置した態様とする場合もある。さらに、ブレード(4)の下流には熱源供給装置(8)を連結した乾燥部材(7)を配置しており、ワイピングローラ回転方向の最下流にワイピングローラ(25)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(18)を配置している形態である。なお、ブレード(4)のワイピングローラ(25)への接触圧力は、図示しない位置調整機構により任意に設定することが可能である。
なお、図4は昇華性微粒子供給装置(9)を連結した噴射洗浄部材(21)の態様を詳説するための一部拡大図である。昇華性微粒子供給装置(9)において、昇華性微粒子と空気との混合流体を作製しており、ここで作製した混合流体(1)を噴射量100kg/時間乃至1000kg/時間、ワイピングローラ(25)にて噴射することが可能である。また、混合流体(1)の噴射圧力は、噴射圧力2MPa乃至20MPaの範囲で噴射することが可能である。
本発明における実施の例示について説明する。図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版版胴(23)に装着された図示しない凹版版面から対接するワイピングローラ(25)にて拭き取った余剰インキ(インキ滓)の洗浄として、ワイピング槽(19)の内部に設置され、ワイピングローラ(25)の表層に存するインキ滓に対して、最初に昇華性微粒子供給装置(9)にて作製された二酸化炭素微粒子と空気との混合比(二酸化炭素微粒子/空気;10/90)に調整した混合流体(1)を噴射洗浄部材(21)により投射する。ここで、ワイピングローラ表面上のインキ滓は、混合流体(1)と結合することになり、ワイピングローラ(25)と乖離しやすい状態となる。
同時に、ワイピングローラ(25)は、昇華性微粒子である二酸化炭素微粒子により冷却されることから、熱膨張しにくいものである。一般的に用いられているPVC樹脂製のワイピングローラにて比較すると、凹版印刷使用中の表面温度が、従前のワイピング装置を用いた場合、印刷使用前の約60℃から1時間印刷後の表面温度が約68℃となるのに対して、本発明のワイピング装置を用いた場合、ワイピングローラ(25)の表面温度は、同条件において印刷使用前の約60℃から1時間印刷後の表面温度が約61℃であった。また、本発明のワイピング装置を用いた場合、印刷中におけるワイピングローラ(25)の表面状態についても凹凸が目立たず至って良好な状態であった。
また、二酸化炭素微粒子を含む混合流体(1)は、昇華性微粒子供給装置(9)において空気との混合比率を任意に変更することができる。加えて、混合流体(1)の噴射量及び噴射圧力も自在に可変できることから、ワイピングローラ(25)の表面温度を自在に制御することはもちろんのこと、インキの種類に応じたインキ滓の拭き取りの最適調整が可能である。なお、ワイピングローラ(25)の各種検出値の計測については、表面凹凸状態を計測するレーザ式変位計、ワイピングローラの表面温度を計測する非接触式温度計を用いた。各種検出値は、電波により図示しない表示装置に出力することが可能である。
また、本実施例では二酸化炭素微粒子を含有した混合流体(1)の噴射圧力を5MPaとした。噴射圧力については、4MPaより小さく設定した場合はローラ上のインキ滓を効果的に洗浄することが困難となり、また、噴射圧力を6MPaより大きくした設定した場合は基材であるワイピングローラ(25)に影響を与えてしまう。例えば、混合流体(1)の噴射圧力を10MPaとした場合、時にワイピングローラが部分硬化することがあり、下流に配置される仕上げブレード(18)でのローラ洗浄の仕上げ作業に影響を与えることになり有用でない。
また、本実施例では、二酸化炭素微粒子と空気との混合比を二酸化炭素微粒子/空気;10/90としている。二酸化炭素/空気の混合比については、二酸化炭素微粒子の割合を小さくした場合(例えば、二酸化炭素/空気;5/95)は、ワイピングローラ(25)の洗浄能力が低下し、二酸化炭素微粒子の割合を大きくした場合(例えば、二酸化炭素/空気;20/80)は、ローラ基材への影響が必至となることを経験的に理解している。さらに、二酸化炭素微粒子を含んだ混合流体(1)の噴射量は、鋭意努力した結果、700kg/時間とすることが最適であることを確認した。
また、噴射洗浄部材(21)のワイピングローラ回転方向の下流には、支軸(13)に固着された吸引部材(3)を配置しており、二酸化炭素微粒子を含有した混合流体(1)と結合したインキ滓をワイピングローラ(25)から吸引除去することになる。実際、凹版印刷機械を用いて印刷を実施した結果、印刷速度として枚葉紙;13,000枚/時間の印刷時において、ワイピングローラ(25)の所望する洗浄が可能であり、品質良好な印刷製品を得ることができた。また、吸引部材(3)の下流には仕上げブレード(18)を配置し、ローラ表面に存する残留物の除去を行い、次回の凹版版面の洗浄に備える。
図2に示すように、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、噴射洗浄部材(21)の下流に支軸(13)に固定されワイピングローラ(25)と逆回転するシリンダ(2)を配置した態様とした場合の例示について詳説する。この場合、シリンダ(2)の表面には、インキ滓除去部材としての除去シート(6)を取り付けており、二酸化炭素微粒子と結合したインキ滓を接触して除去することが可能である。インキ滓が付着した除去シート(6)は、シリンダ(2)に対設しているスクレーパ(26)にてインキ滓を取り除くことができ、取り除かれたインキ滓はスクレーパ(26)の近傍下部に配された受け皿(5)に滞留させることになる。受け皿(5)に滞留したインキ滓は印刷作業終了後に取り除くことになる。なお、本実施例においては、シリンダ(2)の回転速度を70rpmとしたが、用いるインキ特性によっては、回転速度を可変して使用する場合もある。
また、シリンダ(2)の下流には、熱源供給装置(8)を連結した乾燥部材(7)を備えており、この乾燥部材(7)から、ワイピングローラ(25)の熱膨張に影響を与えない空気温度として、10℃乃至35℃に調整された空気をワイピングローラ(25)に放射し、僅かにワイピングローラ(25)の表面に存する残留成分を除去することが可能である。
なお、図3に示すように、二酸化炭素微粒子と結合したインキ滓の除去として、ブレード(4)の表面に合成繊維製不織布(20)を巻き付け、ローラ表面に接触させて除去する機構を噴射洗浄部材(21)の下流に配置した場合もある。ここで、凹版インキとして高粘性インキを用いた場合、洗浄効果を促進するためにシリンダ(2)の上流に洗浄液供給装置(27)を取り付け、図示しない洗浄液貯留槽からの洗浄液(24)を適宜供給する場合もある。この場合、シリンダ(2)の下流に配置した乾燥部材(7)は、僅かにワイピングローラ(25)の表面に存する残留水分を除去することに役立つ。換言すれば、乾燥部材(7)はエアブレードの役割を担うことになる。ここでも、ワイピングローラ(25)に放射する空気は、ローラの熱膨張に影響を与えない温度として、10℃乃至35℃に調整された空気である。なお、ブレード(4)に固着された合成繊維製不織布(20)は、適切な位置で固定冶具(10)において確実に固定され、取り付け/取り外しすることが可能である。また、合成繊維製不織布(20)が部分的に摩滅損耗した場合、当該の合成繊維製不織布(20)を交換することで、再び凹版印刷することが可能である。
上述したいずれの実施例においても、ワイピングローラ(25)の表面に存するインキ滓が確実に除去できており、ワイピングローラ(25)の表面には光沢がある状態であった。また、印刷枚数として、枚葉紙;約30万枚後においてもワイピングローラ(25)の拭き取り能力は目立って劣化しているものではなく、さらなる印刷を実施することが可能であった。
上述した実施例はあくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。例えば、拭き取るインキの種類のよっては、昇華性微粒子として二酸化炭素(ドライアイス)の替わりに「ショウノウ」を用いることや「ナフタレン」を用いる場合もある。また、実施例では昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)を供給する噴射洗浄部材(21)装置を1個所に配置したが、当然、複数箇所に配置することや、任意に昇華性微粒子を含んだ混合流体(1)の投射角度を変更する場合なども容易に推量できるものである。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置を示すの概略図である。 本発明の別形態の凹版印刷機のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の別形態の凹版印刷機のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の凹版印刷機のワイピング装置の一部を拡大した概略図である。 一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機のワイピング装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 昇華性微粒子(二酸化炭素微粒子)を含んだ混合流体
2 シリンダ
3 吸引部材
4 ブレード
5 受け皿
6 インキ滓除去部材
7 乾燥部材
8 熱源供給装置
9 昇華性微粒子供給装置
10 固定冶具
11 薄板製パッド
12 ブラシユニット
13 支軸
14 洗浄液回収(吸引)装置
15 噴射装置
16 噴射ノズル
17 補助ブレード
18 仕上げブレード
19 ワイピング槽
20 合成繊維製不織布(タワシ)
21 噴射洗浄部材
22 ブラシ
23 凹版版胴
24 洗浄液
25 ワイピングローラ
26 スクレーパ
27 洗浄液供給装置
28 洗浄部材

Claims (8)

  1. 凹版印刷機のワイピング装置において、前記ワイピング装置は、少なくとも、昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材を有することを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  2. 凹版印刷機のワイピング装置において、前記ワイピング装置は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材と、前記噴射洗浄部材の下流側に前記混合流体と結合したインキ滓を吸引する吸引部材と、前記吸引部材の下流側に乾燥熱源を有する乾燥部材とから構成していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  3. 凹版印刷機のワイピング装置において、前記ワイピング装置は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体を供給する噴射洗浄部材と、前記噴射洗浄部材の下流側に配され、前記混合流体と結合したインキ滓を除去及び回収するためワイピングローラと接触回動するシリンダ仕組と、前記シリンダ仕組の下流側に乾燥熱源を有する乾燥部材とから構成していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  4. 前記シリンダ仕組のシリンダは、回動を駆動制御する制御装置を付帯していることを特徴とする請求項3記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  5. 前記シリンダ仕組のシリンダは、シリンダ表面にインキ滓を機械的に接触除去させるための紙、樹脂、不織布のいずれかからなるインキ滓除去部材を固着しており、前記インキ滓除去部材に付着したインキ滓を対設して接触除去するスクレーパと、前記スクレーパ近傍にインキ滓を堆積させる受け皿とを有することを特徴とする請求項3及び請求項4記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  6. 前記昇華性微粒子は、二酸化炭素微粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  7. 凹版印刷機のワイピング方法において、前記ワイピング方法は、少なくとも、昇華性微粒子を含有した混合流体をワイピングローラに噴射して洗浄する洗浄工程を有していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング方法。
  8. 凹版印刷機のワイピング方法において、前記ワイピング方法は、少なくとも、回転方向入り側に昇華性微粒子を含有した混合流体をワイピングローラに噴射して洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程の下流側に前記混合流体と結合したインキ滓を吸引する吸引工程と、前記吸引工程の下流側に乾燥熱源を有する乾燥工程とから構成していることを特徴とする凹版印刷機のワイピング方法。
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