JP2011084042A - 凹版印刷機のワイピング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 凹版印刷機のワイピング装置として、ワイピングローラ表面に残存する余剰インキを迅速かつ確実に除去するとともに、長時間にわたって良好な印刷物を得ることと高速印刷を可能とし、併せてオペレータの負担軽減を図る。
【解決手段】 ワイピング槽に固着された支軸に固定されワイピングローラと回動摺接しワイピングローラ表面の余剰インキを除去する少なくとも一つ以上の表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材を備えている凹版印刷機のワイピング装置とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、凹版印刷機のワイピングローラを洗浄するワイピング装置に関するものである。
一般に、凹版印刷機のワイピング装置は、図11に示すように凹版胴(8)に装着された図示しない凹版版面上の余剰なインキを拭き取る樹脂製のワイピングローラ(7)と、このワイピングローラ(7)上に付着したインキを溶解及び分散させるための洗浄液(15)を満たした浸漬型洗浄槽と称されるワイピング槽(6)と、このワイピングローラ(7)に接触して機械的にインキを取り除く機能を有する複数個のブラシ群(4)から構成される洗浄部材及び/又はこのブラシ群(4)の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製のタワシ(5)を載せてワイピングローラ(7)と面接触させる支軸(2)に固定された洗浄部材(3)と、この洗浄部材(3)の下流側に位置してワイピングローラ(7)の表面上に残存する洗浄液(15)を拭き取る鋼製又は樹脂製の仕上げブレード(9)から構成され、ワイピング槽(6)に懸架されたワイピングローラ(7)を対向する凹版版面に回動接触させ、凹版版面上の余剰インキの拭き取りを行い、図示しない印刷部において用紙への印刷が施される。
従来のワイピング装置は、枚葉紙9,000枚/時間未満の印刷速度において、洗浄液あるいは洗浄部材とワイピングローラが接触する時間が長く、ワイピングローラ表面に付着したインキを完全に溶解及び分散させることができる。また、インキを溶解及び分散させた後にワイピングローラ表面に残存する薄い洗浄液の薄膜層も仕上げブレードにより取り除かれ、完全に清浄化されたワイピングローラが再び凹版版面上のインキを拭き取るためのサイクルに入ることで、汚れのない凹版印刷物を連続的に印刷することが可能である。
しかしながら、上述したような従来のワイピング装置にあっては、洗浄液が新しい状態においては拭き取られたインキが効率的に洗浄液中に溶解及び分散するが、印刷時間の経過とともに洗浄液中のインキ濃度が高くなり、このためにインキの溶解及び分散能力が低下し、洗浄部材の上部に位置する合成繊維製のタワシに未溶解のインキが徐々に蓄積されるようになる。そのため、連続印刷枚数が枚葉紙で約5万枚以上に達すると、ワイピングローラ上のインキが完全に拭き取れず、僅かに残ったインキが印刷物に付着する「拭き残り」と称する印刷欠陥や、汚れた洗浄液が印刷物に付着する「溶剤汚れ」と称する印刷欠陥が生じていた。このような事象が生じた場合、オペレータは印刷機械を一旦停止させ洗浄部材を洗浄したり、洗浄液を交換する等の措置を講じる必要があり、不稼働時間が増加したり、また、この洗浄作業がオペレータにとって作業服や手が汚れる好ましくない作業であるという問題があった。
一方、枚葉紙9,000枚/時間以上の高速印刷になると、ワイピング槽に満たした洗浄液がワイピングローラの増速により、ワイピングローラ上に厚い洗浄膜厚層を形成し、下流側に位置する仕上げブレードに衝撃となって現われ、この仕上げブレードを強く押し上げるため、ワイピングローラと仕上げブレードとの間に極僅かな隙間が生じて洗浄液を完全に除去できない現象が生じる。この現象は「液上がり現象」と称しているが、ワイピングローラ表面に洗浄液を残したまま次の凹版版面の洗浄サイクルに入ることから、凹版版面の凹部に存するインキを溶解して印刷物をにじませたり、印刷用紙に洗浄液が付着したりするなど印刷物の品質を著しく損ねることから、凹版印刷機の高速化を阻害するという問題があった。
これらの問題点を解消する手段として、機械的にインキを取り除く洗浄部材と洗浄部材の下部に置いたインキを溶解及び分散させるための洗浄液を噴射する装置とが一体となって構成される第1段の洗浄部材と、ワイピングローラ上に残存する洗浄液を機械的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を第1段の洗浄部材の下流側に設けた凹版印刷機のワイピング装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−268252号公報
上述した先行技術である特許文献1の技術を用いた場合、ワイピングローラにて拭き取られたインキは、噴射洗浄液によって溶解及び分散され、この洗浄液を回収、再循環、再噴射のサイクルを繰り返すことにより、第1段の洗浄部材がワイピングローラと接触する部位における未溶解インキの蓄積を抑制することができる。また、第1段の洗浄部材の下流側にワイピングローラに残存する膜状の洗浄液を効果的に取り除く第2段の洗浄液回収装置を設けたことにより、ワイピングローラ上の洗浄液を効果的に取り除くことが可能となる。
さらに、枚葉紙9,000枚/時間以上の高速印刷時であっても、ワイピングローラ上に形成される洗浄液の膜層が薄いため、下流側に位置する仕上げブレードに衝撃を与えにくく、ワイピングローラと仕上げブレードとの接触を低速時と同様の状態に保つことが可能となる。これらの手段を講じても、ワイピングローラが凹版版面との間で起こる押圧力にて摩耗し、このために生じる第1段の洗浄部材との微妙な隙間がインキの蓄積を許し、印刷物に汚れが発生することがあるが、このような場合でも印刷機械を停止させることなく用紙の供給のみを停止して、噴射洗浄装置による自浄作用で洗浄部材を洗浄することが可能になり、従来の浸漬型ワイピング装置と異なり、「拭き残り」、「溶剤汚れ」及び「液上がり現象」といった印刷欠陥の発生が大幅に抑制でき、良好な印刷物を安定して生産することが可能となる。
しかしながら、特許文献1の技術は、ある程度タワシへの未溶解インキの蓄積を抑制することは可能であるが、洗浄部材がワイピングローラ表面と接触した状態で洗浄部材の下部に配置した噴射装置から洗浄液を噴射させ、タワシ表面のインキを除去させる洗浄仕組であることから、噴射装置の近傍は長期において洗浄することが可能であるが、タワシ上の未溶解インキを全領域に亘って完全に除去することはできず、徐々にインキが堆積することになり、やがて洗浄不良等の不具合が生じることになる。
これらを勘案すると、近年主流となっている高速印刷(枚葉紙12,000枚/時間)を実施した場合、印刷速度に対応することができない場合もあり、良質な印刷製品を連続的に生産することが困難となる。この対策として、オペレータがブラシ等の洗浄部材を定期的に洗浄又は交換しなければならず、作業負荷が増大するばかりでなく、かかるコストが増加する。これらの理由により必ずしも先行技術に移行しない現状がある。現時点において、上述した問題点への対策が施されておらず、少なからず開発の余地があった。
上記のような課題を解決するため、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着した余剰インキを洗浄する装置として、支軸に固定されワイピングローラと回動摺接しローラ表面の余剰インキを除去する表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材を少なくとも一つ以上備えている。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の下流側に、ワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く、複数列のブラシ群の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布を載せ、ワイピングローラと面接触する機能を有する洗浄補助装置及び/又はワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く吸引装置を備えている。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の表面に存する複数の凹部が連通するように設けられた横断溝を少なくとも一つ以上有している。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の表面形状がヘリカルスプライン形状である。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材が湾曲形状である。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の円筒径を中央部に向い大きく設計している。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置における円筒型洗浄部材は、金属、セラミックス、樹脂又はゴムのいずれかの材質から形成されている。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材の表面に合成繊維製不織布を被覆している。
本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、円筒型洗浄部材を用いており、洗浄液中においてワイピングローラに回動摺接する機構であることから、常時洗浄部材の所定領域がワイピングローラに接触していた従前技術とは異なり、適宜、新たな洗浄部材領域と接触することになる。このような形態とすることで、洗浄部材へのインキ堆積が大幅に抑制できることから、従前技術においては抑制することが困難であった洗浄部材へのインキ堆積による洗浄不良の発生を大幅に低減することができる。また、同一領域の洗浄部材をワイピングローラに接触し続けた場合に誘発されるワイピングローラの熱膨張及びワイピングローラの表面硬度の軟化による顕著な摩滅損耗の発生を抑制することができる。また、円筒型洗浄部材に多数の溝を設け、かつ一方の溝と他方の溝に横断溝を配置した形状に設計することで、洗浄部材から流れる除去インキ同士を衝突させ、除去インキの排出流れを促進させることができる。さらに、洗浄部材の中央部と両端部における直径を変更する場合や、洗浄部材そのものを湾曲させた形状とする場合、特に洗浄部材の端部においてワイピングローラと洗浄部材とを離隔させることで、洗浄部材の溝にインキが滞留することを抑制できる。これらのことで、ワイピングローラ表面に存するインキ滓等を効果的に除去できることから、均質な製品を長期間において連続的、かつ安定的に得ることが可能となるといった充実した製品品質が保全できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ表面に存するインキ滓等を除去する手段として、ワイピングローラへ表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材を回動摺接させることでなされることから、従前まで懸念されていたワイピングローラへのインキ滓等の浸透が大幅に規制できるとともに、同一領域の洗浄部材をワイピングローラに接触し続けた場合に誘発されるワイピングローラの熱膨張及びワイピングローラの表面硬度の軟化によって誘発されるローラの軟化による局所的磨耗が抑制できる。その結果、ワイピングローラは延命使用することが可能となり、交換頻度の大幅な削減、ワイピングローラの焼成、研磨等にかかる負担の低減が実現でき、従前に比して大幅なコスト低減が図れるという効果を奏する。
さらに、本発明の凹版印刷機のワイピング装置を用いることで、ワイピングローラの十分な洗浄が可能となるとともに洗浄効果が向上するため、従前に比して、洗浄液の使用量が少なくて済む。このことで、ワイピング槽に滞留させる洗浄液の液量を少量に設計できることになり、ワイピングローラ上に形成される洗浄膜厚層が薄くなることから、「拭き残り」、「溶剤汚れ」及び「液上がり現象」といった印刷欠陥を抑制できるとともに印刷機械の高速化が実現できる。加えて、効果的な洗浄によりワイピングローラの延命化が実現できることから、ワイピングローラの交換等に付随する作業手間が少なくて済み、従前までオペレータにより行われていた各種調整作業が減少することによる作業性の大幅な改善及び印刷機械の不稼働時間が低減できるという効果を奏する。
本発明のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の別形態のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の別形態のワイピング装置を示す概略図である。 本発明の洗浄部材を示す側面図である。 本発明の別形態の洗浄部材を示す側面図である。 本発明の別形態の洗浄部材を示す側面図である。 本発明の別形態の洗浄部材を示す側面図である。 本発明の洗浄部材を示す断面図である。 本発明の別形態の洗浄部材を示す断面図である。 一般的なワイピング装置の一例を示す概略図である。 一般的なワイピング装置の一例を示す概略図である。
図1乃至図11に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明における凹版印刷機のワイピング装置の概略図であり、図2及び図3は別形態のワイピング装置の概略図である。また、図4乃至図7はそれぞれ形態を変更させた洗浄部材の側面図であり、図8及び図9は洗浄部材の形態を示す側面図である。さらに、図10、図11は一般的な凹版印刷機のワイピング装置の概略図である。
まず、一般的な凹版印刷機におけるワイピング装置について簡単に説明する。図11に示す一般的な凹版印刷機は、凹版胴(8)に装着した図示しない凹版版面へ付着した余剰インキの除去を行うワイピングローラ(7)の洗浄機構として、支軸(2)に固定された洗浄部材(3)に複数本のナイロン製のブラシ(4)を埋め込み、該ブラシ(4)の上部に合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)が存する形態である。ここで、ワイピングローラ(7)は、洗浄液(15)を満たしたワイピング槽(6)に懸架されており、凹版版面から拭き取った余剰インキをワイピングローラ(7)に対して一定圧力にて押圧して接触させたタワシ(5)により除去し、下流側に配置した仕上げブレード(9)により残留した洗浄液(15)を掻き落とし、ワイピングローラ(7)を完全に洗浄して、次回の凹版版面の洗浄に備えるものである。
また、図10に示す一般的な凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピング槽(6)に洗浄液(15)を滞留させず、図示しない洗浄液供給機構からの洗浄液を支軸(2)に固定された洗浄部材(3)に配置した噴射装置(12)の噴射ノズル(13)から一定の吐出圧を有する洗浄液をワイピングローラ(7)との間に配置したタワシ(5)を介して供給する機構であり、その下流側にはインキ滓成分を含む洗浄液を吸引及び回収する吸引装置(10)、さらにその下流側には補助ブレード(11)、最下流には仕上げブレード(9)をそれぞれ配置している形態である。
一方、図1に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版胴(8)に装着された図示しない凹版版面から拭き取り、ワイピングローラ(7)の表面に存する余剰インキの洗浄手段として、洗浄液(15)を滞留させたワイピング槽(6)の内部に存し、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材(1)を少なくとも1つ以上備えている。また、配置した円筒型洗浄部材(1)は、円筒型洗浄部材(1)を回転駆動する駆動装置(14)、ワイピングローラ(7)に対する押圧を行う押圧装置(18)、駆動装置(14)及び押圧装置(18)を制御する制御装置(19)を連設している形態である。ここで、駆動装置(14)は、円筒型洗浄部材(1)を10rpm乃至200rpmの範疇にて回転駆動することが可能である。なお、回転方向については、ワイピングローラ(7)の回転と逆回転する場合が主流となるが、用いるインキによっては、ワイピングローラ(7)の回転と同方向の回転、いわゆる正回転させる場合もある。また、押圧装置(18)は、ワイピングローラ(7)に対して、0.5MPa乃至4.0MPaの範疇にて圧力を付与がすることが可能である。なお、そのローラ回転方向の下流側には、ワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(9)を配置している形態である。
また、図2に示すように、本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材(1)を複数有する形態とする場合もある。また、表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材(1)の表面にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)を被覆した形態とする場合もある。
また、図3に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、ワイピングローラ(7)に対して回動摺接する支軸(2)に固定された表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材(1)の下流側に残存するインキ滓等を除去する複数列のブラシ群(4)を有する平面接触型洗浄部材(3)の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布(例えば、タワシ)(5)を載せ、ワイピングローラ(7)と面接触する機能を有する洗浄補助装置(17)を備えており、また、最下流にワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する仕上げブレード(9)を配置している形態とする場合もある。
また、図4に示すように、表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材(1)の表面形状をヘリカルスプライン形状とする場合がある。一つの形状として、円筒型洗浄部材(1)の中央部を起点として、端部へ所定の角度を有したスプライン凸状を配している。このヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を直接的又はタワシ等を介して間接的にワイピングローラ(7)に接触させることで、インキ滓等を効率的に取り除くことになる。ここで、ワイピングローラ(7)に付着しているインキ滓等は対向して接触するヘリカルスプライン型洗浄部材(1)に転移し、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の表面に凸部(21)と交互に配した凹部(20)を伝い、最終的には洗浄液(15)に分散することになる。なお、円筒型洗浄部材(1)の基軸である支軸(2)は、ワイピング槽(6)の内部に存し、図示しない支軸受に嵌合固定される。
また、凹部(20)からのインキ滓等の除去を促進するため、図5に示すように、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の表面に配した凹部(20)の溝同士を連通させる横断溝(16)を任意複数箇所に設けた形態とする場合がある。これは、凹版印刷に使用する凹版インキの多くは一般的に用いられるインキ(オフセットインキ)等と比して粘性率が高く、洗浄液に溶解及び分散した場合においても、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の凹部(20)の溝に滞留する場合があることから、横断溝(16)を流れるインキ滓(除去インキ)同士を衝突させ、インキの排出を促進するために新たに設計したものであり、粘性率の高い凹版インキを用いる場合に有用となる。
また、図6のようにヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を湾曲させた形態とする場合、図7のようにヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の直径を中央部と両端部において異なる形態とする場合がある。特に洗浄部材(1)の端部においては、中央部から流れてくる除去インキによって、洗浄部材(1)の凹部(20)の溝にインキが滞留することが危惧されることから、恣意的に所定の湾曲幅(0.5mm乃至8.0mm)(a)を有した湾曲形態とすることや、両端部の直径(b)を中央部の直径(c)よりも小さく(1.0%乃至3.0%)設計することで、ワイピングローラ(7)との間隙を僅かに離隔させ、除去インキの滞留を抑制する。
また、円筒型洗浄部材(1)を側面から観察すると図8に示すような形状であるが、この円筒型洗浄部材(1)の材質については、洗浄液(15)による腐蝕、劣化が抑制される材質であればよく、例えば、ステンレス鋼のような金属類、塩化ビニルのような樹脂類、ニトリルゴムのようなゴム類、あるいはセラミックスのいずれかの材質により形成している。なお、円筒型洗浄部材(1)の外径は、直径40mm〜130mmの範疇にて任意に形成している。
さらに、図9に示すように、円筒型洗浄部材(1)の表面に、合成繊維製不織布(例えば、スコッチブライト;住友3M社)(5)を被覆した形態とする場合がある。
本発明における実施の例示について詳細に説明する。図2に示すように本発明の凹版印刷機のワイピング装置は、凹版胴(8)に装着された図示しない凹版版面から対接するワイピングローラ(7)で拭き取ったインキ滓等の余剰インキを洗浄する方法として、約140リットルの洗浄液(15)を滞留させたワイピング槽(6)の内部に支軸(2)に固定された直径90mmの円筒型洗浄部材としてステンレス製のヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を2箇所に配置し、当該ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の表面には厚み8mmのスコッチブライト(5)を被覆したものを用いた。また、ワイピングローラ(7)に対するヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の押圧を2.0MPaに設定し、100rpmの速度にてワイピングローラ(7)と逆回転させ摺接させることでワイピングローラ(7)の洗浄を行い、下流側に存する仕上げブレード(9)にてワイピングローラ(7)の表面を完全に洗浄する方法とし、約60万枚の凹版印刷における確認を行った。なお、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の各種調整は、連設している駆動装置(14)及び押圧装置(18)を制御する制御装置(19)により行われる。
本発明のワイピング装置の評価としては、凹版印刷製品を観察すること、ワイピングローラ(7)の表面状態を観察することで実施した。連続60万枚の凹版印刷を実施し確認した結果、極めて良好な結果を得ることができた。また、図1に示すように、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を1組だけ配置した形態とした場合、図3に示すように、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を1組配置し、その下流側に補助洗浄装置(17)を配置した形態とした場合、また、図示しないが、洗浄液を適宜供給、回収する非浸漬ワイピング機構とし、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を1組配置し、その下流側に吸引装置を配置した形態とした場合についても略同様の条件において確認した。いずれの形態とした場合においても良好な印刷結果を得ることができた。特に図3に示した形態において最も良好な結果を得た。
また、ワイピング槽(6)には、ワイピングローラ(7)からのインキ滓の乖離状態を観察するため、一部に透明樹脂製の観察用小窓を設けたものを使用した。観察結果としては、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)がワイピングローラ表面上に存するインキ滓と接触しており、該インキ滓は、ワイピングローラ(7)から乖離している状態であった。また、一部、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の表面に存するスコッチブライト(5)へ一時的に付着したインキ滓についても回動している間に、洗浄液中へ分散していることを確認した。やがて、ワイピングローラ(7)から乖離したインキ滓は、自重沈殿にてワイピング槽(6)の底部に沈積していることを確認した。
また、ワイピング装置稼動中におけるワイピングローラ(7)の表面温度を非接触式温度計にて測定した結果、従前のワイピング装置を用いた場合、印刷使用前の約60℃から2時間印刷後の表面温度が約67℃となるのに対して、本発明のワイピング装置を用いた場合、同一条件にて作製したワイピングローラ(7)の表面温度は、印刷使用前の約60℃から2時間印刷後の表面温度が約61℃であった。また、ワイピング装置稼働中におけるワイピングローラ(7)の表面凹凸状態の変動についても確認したが、従前技術に比して凹凸発生程度が小さく、至って良好な状態であることを確認した。なお、表面凹凸状態の計測にはレーザ式変位計を用いており、検出値は電波により図示しない表示装置に出力することが可能である。
また、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の回転速度についても変動させて確認したが、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を高速回転(210rpm)とすると、洗浄液(15)が乱流化し、洗浄能力が低下することから有用ではない。また、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を低速回転(10rpm)とすると、洗浄効果として満足し難い結果となることを確認した。さらに、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の外径についても変動させて確認したが、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を大きく設計(直径130mm)すると、ワイピング槽(6)に存する洗浄液(15)を攪拌してしまい、自重沈殿したインキ滓が洗浄液中に再分散することから有用ではなく、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)を小さく設計(直径40mm)すると、洗浄効果として満足し難い結果となることを確認した。
また、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)のワイピングローラ(7)に対する押圧ついても変動させて確認したが、押圧を極端に大きく設定(5.0MPa)すると、ヘリカルスプライン型洗浄部材(1)の表面にインキ滓が堆積するとともに、ワイピングローラ(7)の熱膨張を誘発することから有用でないことを確認した。また、押圧を極端に小さく設定(0.3MPa)すると、ワイピングローラ(7)の表面に存するインキ滓が乖離し難くなるので有用でないことを確認した。
さらに、粘性の高いインキを用いた場合として、ヘリカルスプライン型洗浄部材の下流側に残存するインキ滓成分を吸引及び回収する吸引装置、複数列のブラシ群の上に合成繊維製不織布(例えば、タワシ)を載せ、ワイピングローラと面接触する機能を有する洗浄補助装置を併用して配置した場合についても確認した。この構成においても有用な結果が得られた。
上述したいずれの実施例においても、ワイピングローラ(7)の表面に存するインキ滓等が確実に除去できており、ワイピングローラ(7)の表面には光沢がある状態であった。また、枚葉紙約60万枚印刷後においてもワイピングローラ(7)の拭き取り能力は目立って劣化しているものではなく、更なる印刷を行うことが可能であった。
上述した実施例はあくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。実施例では、円筒型洗浄部材(1)を2箇所に配置したが、当然、3箇所以上に配置することや、円筒型洗浄部材(1)を長円形状とする場合、洗浄部材の表面形状であるヘリカルスプラインの角度を任意に変更する場合なども容易に推量できるものである。
1 円筒型洗浄部材(ヘリカルスプライン型洗浄部材)
2 支軸
3 平面接触型洗浄部材
4 ブラシ群
5 合成繊維製不織布
6 ワイピング槽
7 ワイピングローラ
8 凹版胴
9 仕上げブレード
10 吸引装置
11 補助ブレード
12 噴射装置
13 噴射ノズル
14 駆動装置
15 洗浄液
16 横断溝
17 洗浄補助装置
18 押圧装置
19 制御装置
20 洗浄部材の凹部
21 洗浄部材の凸部
a 洗浄部材の湾曲幅
b 洗浄部材の直径
c 洗浄部材の直径

Claims (8)

  1. 凹版印刷機のワイピング部において、ワイピングローラ表面に付着した余剰インキを洗浄する装置として、支軸に固定されワイピングローラと回動摺接しローラ表面の余剰インキを除去する表面が凹凸形状である円筒型洗浄部材を少なくとも一つ以上備えていることを特徴とする凹版印刷機のワイピング装置。
  2. 前記円筒型洗浄部材の下流側に、ワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く、複数列のブラシ群の上にインキの抜けを阻害しない開き目を有し、かつ柔軟性がある合成繊維製不織布を載せ、ワイピングローラと面接触する機能を有する洗浄補助装置及び/又は前記ワイピングローラ上に残存する余剰インキを機械的に取り除く吸引装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  3. 前記円筒型洗浄部材の表面に存する複数の凹部が連通するように設けられた横断溝を少なくとも一つ以上有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  4. 前記円筒型洗浄部材の表面形状がヘリカルスプライン形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  5. 前記円筒型洗浄部材が湾曲形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  6. 前記円筒型洗浄部材の円筒径を中央部に向い大きく設計していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  7. 前記円筒型洗浄部材は、金属、セラミックス、樹脂又はゴムのいずれかの材質から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
  8. 前記円筒型洗浄部材の表面に合成繊維製不織布を被覆していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の凹版印刷機のワイピング装置。
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