JP5276274B2 - リン含有混合物、それの製造及び使用 - Google Patents

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Description

本発明は、優先権主張の基礎となる2006年3月21日に出願されたドイツ特許出願第102006012878.8号の明細書に記載されたものである。この出願明細書の内容は本明細書に全て掲載されたものとする。
本発明は、リン含有混合物、それの製造法及び使用に関する。
特開平09-124668号公報は、次式で表されるリン含有エチレン性不飽和モノマーを開示している。
Figure 0005276274
上記式中、R1及びR2は、H原子及びメチル基であることができ、そしてR3は、炭素原子数1〜18のアルキル、ベンジルまたはフェニル基であることができ、R4は、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であることができ、そしてmは2〜4の整数であることができる。
上記文献には、これらのモノマーを含むコポリマー、特に8:2のモル比でR4=H及びR4=Meのリン含有エチレン性不飽和モノマーを含むコポリマーが開示されている。
上記のモノマーは、先ずフェニルジクロロホスファンをアクリル酸及びメタノールと反応させ、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレートと反応させることによって製造される。精製段階は意図されていないため、生じる生成物は水素含有成分をかなりの量で含む。このような副生成物は、特に金属の腐食をまねくので高品質のプラスチックへの用途には望ましくない。また、ハロゲン含有難燃剤は、火災の際にハロゲン化水素を発生させる。これらは腐食性であり、そして健康に害のある物質である。
上記R3基は、防炎には有効的に寄与しない。この基は、できる限り小さくするのが好ましい。フェニル基はメチル基と比べて不利である。これらは、難燃剤中のリンの有効含有率を減少させる。
上記従来技術は、遊離のホスフィン酸基またはメチル基でエステル化されたホスフィン酸基(これは反応によって導入することはできない)を有する上記(1)の種のモノマーが、防炎の用途に適していることを当業者に教示している。
Priola(Priola、A.; Gozzelino、G.; Ferrero、F.; Special Publication - Royal Society of Chemistry 64(1987)143-160)は、次式
Figure 0005276274
で表される化合物を、2−ヒドロキシエチルアクリレートとオキサホスホランとを10〜20℃の温度で反応させてFBA1とし、または50〜60℃の温度で反応させてFBA2とすることによって、製造する方法を記載している。これらの生成物は、次いで、スチール上で使用するUV硬化性エポキシアクリレートコーティングのための粘着促進剤として使用される。
Priolaによる上記方法は、10〜60℃での反応を含む。この温度範囲では、この発明による殆どのオレフィン成分は液状であり、そしてオキサホスホランは固体である。Priolaによる方法は、多くの欠点を有する。
細化していない状態では、オキサホスホランの反応速度は遅い。これは、反応時間をより長くとることによって相殺される。ここで、プロセスエンジニアリングの観点から不利益である低い空時収量は欠点であり、そしてモノマーは過度に長い熱処理が原因で自己重合(autopolymerization)及び不所望な変色を起こす恐れがある。後者の変色は、ハーゼン数(Hazen number)の上昇によって測定することができる。
それゆえ、比較的長い炭素鎖を有し、簡単に製造することができ、二重結合(オレフィン)を介して反応によってポリマー中に導入することができ、そして有効な難燃剤として好適な適当なリン含有化合物はこれまで無かった。
それゆえ、本発明の課題は、上記の欠点を回避し、簡単に製造することができそしてハロゲン含有率が非常に低い反応性ハロゲン不含難燃剤を提供することである。
この課題は、次式で表される化合物を含む混合物によって達成される。
(I) RO−P(=O)(A)−CH−CH−COH、及び
(II) HO−P(=O)(A)−CH−CH−CO
式中、
Aは、C−C18−アルキル、C−C18−アルキルアリール、C−C18−アラルキルまたはアリールであり、
Rは、(D,E)C=C(B,R)またはHであり、
B、D、Eは、同一かまたは異なり、それぞれHまたはC−C18−アルキルであり、
は、−CO−オキシアルキレン−である。
本発明の混合物は、好ましくは、次式の化合物を含む。
(I) RO−P(=O)(A)−CH−CH−COH、及び
(II) H−OP(=O)(A)−CH−CH−CO−R、
式中、
Aは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
Rは、(D,E)C=C(B,R)であり、
Dは、Hまたはメチルであり、
Eは、Hまたはメチルであり、
Bは、Hまたはメチルであり、
は、−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)または−CO−オキシプロピレン−(−CO−O−C−)である。
該混合物は、好ましくは、上記式(I)の化合物99.9〜20重量%及び上記式(II)の化合物0.1〜80重量%を含み、この際これらの成分の合計は常に100重量%である。
また本発明は、次式
(I) RO−PO(A)−CH−CH−COH、及び
(II) HO−PO(A)−CH−CH−CO
[式中、
Aは、C−C18−アルキル、C−C18−アルキルアリール、C−C18−アラルキルまたはアリールであり、
Rは、(D,E)C=C(B,R)またはHであり、
B、D、Eは、同一かもしくは異なり、それぞれHまたはC−C18−アルキルであり、
は、−CO−オキシアルキレンである]
で表される化合物を含む本発明の混合物の製造方法であって、オキサホスホランをオレフィン成分と反応させる、上記方法も提供する。
本発明の方法においては、該混合物は、好ましくは、式(I)の化合物99.9〜20重量%及び式(II)の化合物0.1〜80重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
更に本発明は、難燃剤としてのまたは難燃剤組成物の製造のための、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物の使用にも関する。
それゆえ、本発明は、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物99.9〜40重量%及びオレフィン成分0.1〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である、難燃剤組成物にも関する。
更に本発明は、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物0.5〜50重量%、熱可塑性ポリマーまたはこれらの混合物1〜99.5重量%、添加剤0〜60重量%、及びフィラー0〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計が常に100重量%である、難燃性ポリマー成形材料にも関する。
上記熱可塑性ポリマーは、好ましくは、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート; 及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)もしくはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)の種のブレンドまたはポリマーブレンドである。
更に本発明は、0.5〜50重量%の割合で請求項1〜3の少なくとも一つの混合物、あるいは請求項8または9の難燃性ポリマー成形材料を含む、ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維にも関する。
ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維のポリマーは、好ましくは、熱可塑性または熱硬化性ポリマーである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート; 及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)もしくはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)の種のブレンドもしくはポリマーブレンド、特に、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABSである。
熱硬化性ポリマーは、好ましくは、ホルムアルデヒド-、エポキシ-もしくはメラミン-フェノール樹脂ポリマー及び/またはポリウレタンである。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維は、好ましくは、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物0.5〜50重量%、ポリマーまたはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0〜60重量%及びフィラー0〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維は、好ましくは、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物1〜40重量%、熱硬化性ポリマーまたはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0.5〜60重量%、及びフィラー及び/または強化材0.5〜60重量%含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維は、好ましくは、電気スイッチ部品、自動車構造物の部材、電気工学、電子機器、回路基板、プレプレグ、電子部品用注封材料、ボート及びローターのブレード構造物、屋外用GFRプラスチック製品、家庭及び衛生用品、エンジニアリング材料、及び他の製品に使用される。
Aは、好ましくは、C1-C6-アルキルである。
Aは、特に好ましくは、メチル、エチルまたはプロピルである。
B、D及びEは、好ましくは、同一かまたは異なり、それぞれHまたはメチルである。
は、好ましくは、飽和、不飽和またはポリ不飽和−CO−(C−C20オキシアルキレン)である。
は、特に好ましくは、飽和−CO−(C−Cオキシアルキレン)である。
特に、Rは、−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)または−CO−オキシプロピレン−(−CO−O−C−)である。
また本発明は、次式
(I) RO−PO(A)−CH−CH−COH、及び
(II) HO−PO(A)−CH−CH−CO
[式中、
Aは、C−C18−アルキル、C−C18−アルキルアリール、C−C18−アラルキルまたはアリールであり、
Rは、(D,E)C=C(B,R)またはHであり、
B、D、Eは、同一かもしくは異なり、それぞれHまたはC−C18−アルキルであり、
は、−CO−(オキシアルキレン−であり、この際、nは1〜20である]
で表される化合物を含む混合物にも関する。
該混合物は、好ましくは、上記式(I)の化合物99〜30重量%、及び上記式(II)の化合物1〜70重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
本発明の混合物は、好ましくは、メチルエステルを含まない。
本発明の混合物は、好ましくは、塩化物含有率が0.005重量%以下である。
本発明の混合物は、好ましくは、Aがメチルであり、Rが−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)であり、そしてB、C、Dが各々Hである化合物を含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがエチルであり、Rが−CO−オキシエチレン− (−CO−O−CH−CH−)であり、そしてB、D及びEが各々Hである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがフェニルであり、Rが−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)であり、そしてB、D及びEが各々Hである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがメチルであり、Rが−CO−オキシエチレン− (−CO−O−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがエチルであり、Rが−CO−オキシエチレン− (−CO−O−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがフェニルであり、Rが−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)であり、D及びEがそれぞれHであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがメチルであり、Rが−CO−オキシn−プロピレン−(−CO−O−CH−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがエチルであり、Rが−CO−オキシn−プロピレン−(−CO−O−CH−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがフェニルであり、Rが−CO−オキシn−プロピレン−(−CO−O−CH−CH−CH−)であり、D及びEがそれぞれHであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがメチルであり、Rが−CO−オキシイソプロピレン−(例えば、−CO−O−CH(CH)−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがエチルであり、Rが−CO−オキシイソプロピレン−(例えば、−CO−O−CH(CH)−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがフェニルであり、Rが−CO−オキシイソプロピレン−(例えば、−CO−O−CH(CH)−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがメチルであり、Rが−CO−(オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−O−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがエチルであり、Rが−CO−(オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−O−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
本発明の混合物は、好ましくは、Aがフェニルであり、Rが−CO−(オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−O−CH−CH−)であり、D及びEが各々Hであり、そしてBがメチルである化合物も含む。
Figure 0005276274
上記の通り、A、R5、D、E及びBは広い範囲で変えることができる。それゆえ、本発明は、上記の混合物ばかりではなく、上記の各々の化合物において比較的長鎖の部分を含む、個々の分子式を記載して例示していない全ての混合物にも関する。
原則的に、本発明の混合物は、式RO-PO(A)-CH2-CH2-CO2R(式中、A及びRは冒頭に記載の意味を有する)の化合物も含むことができる。
本発明の混合物は、好ましくは、式RO-PO(A)-CH2-CH2-CO2R(式中、A及びRは冒頭に記載の意味を有する)の化合物を0.1〜80重量%の割合で含むこともできる。
場合によってはリン含有率が非常に低いにもかかわらず、本発明の混合物は、良好な難燃化効果を有する。これらは、オキサホスホランとオレフィン成分との反応によって製造される。この目的のためには、オレフィン成分を最初に導入し、次いでオキサホスホランを加えるか、またはこれとは逆の順番で、オキサホスホランを最初に導入し、次いでオレフィン成分を加えることができる。
本発明の方法では、ホキサホスホランは、好ましくは、次式(III)に相当する。
Figure 0005276274
式中、Aは、C1-C18-アルキル、C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アラルキルまたはアリールである。
Aは、好ましくは、C1-C6-アルキルである。
Aは、特に好ましくは、メチル、エチルまたはプロピルである。
上記オレフィン成分は、好ましくは、次式(IV)に相当するものである。
(D,E)C=C(B)−R−OH
式中、B、D及びEは、それぞれHまたはC−C18−アルキルであり、そしてRは−CO−オキシアルキレンである。
B、D及びEは、好ましくは、同一かまたは異なり、それぞれHまたはメチルである。
は、好ましくは、飽和、不飽和またはポリ不飽和−CO−(C−C20オキシアルキレン)である。
は、特に好ましくは、飽和−CO−(C−Cオキシアルキレン)−である。
は、特に、−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)または−CO−オキシプロピレン−(−CO−O−C−)である。
本発明の方法では、該混合物は、特に好ましくは、上記式(I)の化合物99〜30重量%及び上記式(II)の化合物1〜70重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
オキサホスホランは、好ましくは、粉末または溶融物の形で反応させる。
オキサホスホランは、好ましくは、2-メチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-エチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-n-ブチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-ヘキシル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-オクチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホランまたは2-フェニル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホランである。
オレフィン成分は、好ましくは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートまたはポリエチレングリコールメタクリレートである。
オキサホスホランは、好ましくは、粉末として加えられ、そしてオキサホスホランの平均粒度は、特に好ましくは、0.1〜1000μm、更に特に好ましくは10〜300μmである。
しかし、オキサホスホランは溶融物としても加えることができる。この際、オキサホスホランは、好ましくは100〜200℃、特に好ましくは110〜130℃の温度で溶融物として加えられる。
好ましくは、最初にオレフィン成分を、10〜100℃で導入し、そして生じた反応液を同様に10〜100℃に加熱する。
この反応は、好ましくは、攪拌容器またはスタティックミキサー中で行う。
好ましく使用される混合装置は、錨型攪拌機、パドル攪拌機、MIG攪拌機、プロペラ攪拌機、インペラー攪拌機、タービン攪拌機、クロスビーム攪拌機、分配ディスク(dispensing disks)、ローター−ステイター混合機、スタティックミキサー、ベンチュリノズル及び/またはエアリフトポンプである。
反応液は、好ましくは1〜1 000 000、好ましくは100〜100 000の回転レイノルズ数に相当する混合強度に付す。
反応液は、好ましくは0.083〜10kW/m3、特に好ましくは0.33〜1.65 kW/m3のエネルギー入力量に付す。
オレフィン成分は、好ましくは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートまたはポリエチレングリコールメタクリレートである。
上記化合物 (I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H及び(II) H-OP(=O)(A)-CH2-CH2-CO2-Rは、原則的に、反応性難燃剤としてそのまま使用することができる。しかし、使用の際は、これらの化合物が持たない物理的性質がしばしば必要とされる。重要な性質の一つが粘度である。これは、ポリマーへの導入の簡便さを決定づける性質である。
本発明の混合物は、望ましくそして必要な粘度を有するが、個々の化合物(I)及び(II)はしばしばこのような粘度を持たず、そのため、後者の場合には、ポリマーに導入するためには助剤を加えることが必要である。本発明の難燃剤組成物においては、オレフィン成分が、助剤として過剰量で使用される。
本発明の混合物の好ましい粘度は、50〜1000cPである。
本発明の混合物は、好ましくは難燃剤として使用される。本発明の混合物のポリマーへの結合は、好ましくは、各々の化合物おけるオレフィン性基の反応によって行われる。
該難燃剤組成物は、好ましくは、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物90〜50重量%及びオレフィン成分10〜50重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
本発明においては、各々の化合物のホスフィン酸基またはカルボキシル基は、ポリマーマトリックスまたはコモノマーの適当な官能基と縮合することもできる。好ましい官能基はヒドロキシル基である。
難燃性ポリマー成形材料は、好ましくは、
請求項1〜3の少なくとも一つの混合物1〜40重量%、
熱可塑性ポリマーまたはこれらの混合物5〜90重量%
添加剤5〜40重量%及びフィラー5〜40重量%、
を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくはポリアミド、ポリエステルまたはABSである。
本発明に従い難燃化された成形材料を製造する方法の一つにおいては、本発明の混合物を、
a) 他の/更に別のコモノマーと反応させて難燃性ポリマーとするか、または
b) それら自体を重合させてホモポリマーとし、次いで押出、配合(compounding)などによって従来技術に従いポリマーとブレンドするか、または
c)他の/更に別のコモノマーと反応させてコポリマーとし、次いで押出、配合等によって従来技術に従いポリマーとブレンドする。
難燃性ポリマー成形材料を製造するための方法の一つは、本発明の混合物を含むポリマーを、ポリマーグラニュール、場合によっては及び添加剤と混合し、そして170℃(ポリスチレン)、約270℃(PET、ポリエチレンテレフタレート)、230〜260℃(ポリブチレンテレフタレート、PBT)、260℃(PA6)または260〜280℃(PA 66)の温度で二軸スクリュー押出機(ZSK 25 WLE, 14.5 kg/h, 200rpm, L/D:4)中で導入を行う。こうして均質化されたポリマーストランドを抜き出し、水浴中で冷却し、次いで造粒し、そして残留含水量が0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%になるまで乾燥する。
更に本発明は、0.5〜50重量%の割合で請求項1〜11の少なくとも一つの混合物、または本発明の上記混合物を含む難燃性ポリマー成形材料を含むポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維にも関する。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維は、特に好ましくは、請求項1〜3の少なくとも一つの混合物1〜40重量%、ポリマーまたはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0〜60重量%、及びフィラー0〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である。
本発明において好ましいコモノマーは、メチルアクリレート、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、2-エチルヘキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ラウリルアクリレート及び/またはメチルメタクリレート、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、シアノアルキル(メタ)アクリレート、置換されたアクリルアミド、例えばN,N'-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリジン及びアクリロニトリル、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシル(メタ)アクリレート、スチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、アルファ-メチルスチレンである。
本発明に従い難燃化された熱可塑性成形材料及び/または成形体は、ポリメチルメタクリレートに基づくことができる。
好ましいポリメチルメタクリレートは、次に挙げるモノマーの一種もしくはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー、すなわち炭素原子数が1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系モノマー、例えばエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シアノアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、置換されたアクリルアミド、例えばN,N'-ジメチルアクリルアミド及びN-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリジン及びアクリロニトリルの一種もしくはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマーである。
ポリメチルメタクリレートに基づく本発明の難燃性熱可塑性成形材料及び/または成形体の好ましい用途は、自動車照明、船の照明、表示灯、交通信号灯、ドームライト(domelights)、建築物のガラス窓、照明広告、車、光学繊維、ヘッドランプのレンズ、衛生器具、電子機器、モニター及びディスプレーフィルター、精密工学の部材、装置構造物、測定デバイス、描画デバイス及び書込みデバイス(measuring、drawing and writing devices)、レンズ及び眼鏡用ガラス、光学記憶媒体及びデータ媒体、医薬用品、並びに食品及び医薬品用の包装材である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、モノもしくはジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタン-1-エン、ポリ-4-メチルペンタン-1-エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、及びシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー; 更にポリエチレン(これは場合によっては架橋されていてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、または高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分枝状低密度ポリエチレン(BLDPE)、及び/またはこれらの混合物である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、モノオレフィンもしくはジオレフィン同士のコポリマーまたはモノオレフィンもしくはジオレフィンと他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン-プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン-1-ブテンコポリマー、プロピレン-イソブチレンコポリマー、エチレン-1-ブテンコポリマー、エチレン-ヘキセンコポリマー、エチレン-メチルペンテンコポリマー、エチレン-ヘプテンコポリマー、エチレン-オクテンコポリマー、プロピレン-ブタジエンコポリマー、イソブチレン-イソプレンコポリマー、エチレン-アルキルアクリレートコポリマー、エチレン-アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー及びこれと一酸化炭素とのコポリマー、またはエチレン-アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)、及びエチレンとプロピレン及びジエン(例えばヘキサジエン、シクロペンタジエンもしくはエチリデンノルボルネン)とのターポリマー; 更にこのようなコポリマー同士の混合物、例えばポリプロピレン/エチレン-プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー、LDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー、LLDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー、LLDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー及び交互もしくはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びこれらと他のポリマー(例えばポリアミド)との混合物である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、炭化水素樹脂(例えばC5-C9)であり、なお、これの水素化変態(例えば粘着付与剤樹脂)及びポリアルキレンとデンプンとの混合物もその意味に含まれる。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリスチレン(ポリスチレン 143 E (BASF)、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(アルファ-メチルスチレン)である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、スチレンもしくはアルファ-メチルスチレンとジエンもしくはアクリル酸誘導体とのコポリマー、例えばスチレン-ブタジエン,スチレン-アクリロニトリル、スチレン-アルキルメタクリレート、スチレン-ブタジエン-アルキルアクリレート及びメタクリレート、スチレン-無水マレイン酸、スチレン-アクリロニトリル-メチルアクリレート; スチレンコポリマーと他のポリマー(例えばポリアクリレート、ジエンポリマーもしくはエチレン-プロピレン-ジエンターポリマー)から得られる衝撃強さの高い混合物; またはスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、またはスチレン-エチレン/プロピレン-スチレンである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、スチレンもしくはアルファ-メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばスチレン-グラフトポリブタジエン、スチレン-グラフトポリブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-グラフトポリブタジエン-アクリロニトリルコポリマー、スチレン-及びアクリロニトリル(もしくはメタクリロニトリル)-グラフトポリブタジエン; スチレン-、アクリロニトリル-及びメタクリル酸メチル-グラフトポリブタジエン; スチレン-及び無水マレイン酸-グラフトポリブタジエン; スチレン-、アクリロニトリル-及び無水マレイン酸もしくはマレイミド-グラフトポリブタジエン; スチレン-及びマレイミド-グラフトポリブタジエン、スチレン-及びアクリル酸アルキルもしくはメタクリル酸アルキル-グラフトポリブタジエン、スチレン-及びアクリロニトリル-グラフトエチレン-プロピレン-ジエンターポリマー、スチレン-及びアクリロニトリル-グラフトポリアルキルアクリレートもしくはポリアルキルメタクリレート、スチレン-及びアクリロニトリル-グラフトアクリレート-ブタジエンコポリマー、並びにこれらの混合物、例えば所謂、ABSポリマー、MBSポリマー、ASAポリマー、またはAESポリマーとして知られる混合物である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素ゴム、イソブチレン-イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンからなるコポリマー、エピクロロヒドリンホモ-もしくはコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン; 及びこれらのコポリマー、例えば塩化ビニル-塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン-酢酸ビニルである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、アルファ-、ベータ-不飽和酸及びこれらの誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート、ブチルアクリレートで耐衝撃性が改良されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル及び上記のモノマー同士のまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル-ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル-アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル-アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル-ハロゲン化ビニルコポリマーまたはアクリロニトリル-アルキルメタクリレート-ブタジエンターポリマーである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、不飽和アルコール及びアミンまたはこれのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニルまたはポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;及びこれらとオレフィンとのコポリマーである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、環状エーテルのホモポリマーもしくはコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマーである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、及びエチレンオキシドなどのコモノマーを含むポリオキシメチレン; 熱可塑性ポリウレタン、アクリレートもしくはMBSで変性されたポリアセタールである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにこれらとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、一方で末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方で脂肪族もしくは芳香族ポリイソシアネート、及びこれの前駆体とから誘導されるポリウレタンである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ジアミン及びジカルボン酸から、及び/またはアミノカルボン酸もしくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド 2/12、ポリアミド 4(ポリ-4-アミノ酪酸、(R)Nylon 4、DuPont)、ポリアミド 4/6(ポリ(テトラメチレンアジパミド)、ポリ(テトラメチレンアジピン酸ジアミド)、(R)Nylon 4/6、DuPont)、ポリアミド 6(ポリカプロラクタム、ポリ-6-アミノヘキサン酸、(R)Nylon 6、DuPont、(R)Akulon K122、DSM; (R)Zytel 7301、DuPont; (R)Durethan B 29、Bayer)、ポリアミド 6/6(ポリ(N,N'-ヘキサメチレンアジパミド)、(R)Nylon 6/6、DuPont、(R)Zytel 101、DuPont; (R)Durethan A30、(R)Durethan AKV、(R)Durethan AM、Bayer; (R)Ultramid A3、BASF)、ポリアミド 6/9(ポリ(ヘキサメチレンノナンジアミド)、(R)Nylon 6/9 、DuPont)、ポリアミド 6/10(ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、(R)Nylon 6/10 、DuPont)、ポリアミド 6/12(ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、(R)Nylon 6/12、DuPont)、ポリアミド 6/66(ポリ(ヘキサメチレンアジパミド-co-カプロラクタム)、(R)Nylon 6/66、DuPont)、ポリアミド 7(ポリ-7-アミノヘプタン酸、(R)Nylon 7、 DuPont)、ポリアミド 7,7(ポリヘプタメチレンピメルアミド、(R)Nylon 7,7、DuPont)、ポリアミド 8(ポリ-8-アミノオクタン酸、(R)Nylon 8、DuPont)、ポリアミド 8/8(ポリオクタメチレンスベラミド、(R)Nylon 8,8、DuPont)、ポリアミド 9(ポリ-9-アミノノナン酸、Nylon 9、DuPont)、ポリアミド 9,9(ポリノナメチレンアゼラアミド、TMNylon 9,9、DuPont)、ポリアミド 10(ポリ-10-アミノデカン酸、(R)Nylon 10、DuPont)、ポリアミド 10,9(ポリ(デカメチレンアゼラアミド)、(R)Nylon 10,9、DuPont)、ポリアミド 10,10(ポリデカメチレンセバカミド、(R)Nylon 10,10、DuPont)、ポリアミド 11(ポリ-11-アミノウンデカン酸、(R)Nylon 11、DuPont)、ポリアミド 12(ポリラウリルラクタム、(R)Nylon 12 、DuPont、(R)Grillamid L20、Ems Chemie)、m-キシレン、ジアミン及びアジピン酸から誘導される芳香族ポリアミド; ヘキサメチレンジアミン及びイソ-及び/またはテレフタル酸、場合によっては及び変性剤としてのエラストマーから製造されるポリアミド(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、例えばポリ-2,4,4-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ-m-フェニレンイソフタルアミド; 上記のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー、または化学的に結合もしくはグラフトしたエラストマー、またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー; EPDMもしくはABSで変性されたポリアミドもしくはコポリアミド、並びに加工中に縮合されるポリアミド(“RIMポリアミドシステム”)である。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾールである。
ポリマーは、好ましくはジカルボン酸及びジアルコールから及び/またはヒドロキシカルボン酸もしくは対応するラクトンから誘導されるポリエステルであり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(Celanese社の(R)Celanex 2500、(R)Celanex 2002、及びBASF社の(R)Ultradur)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されるブロックポリエーテルエステル; 及びポリカーボネートもしくはMBSで変性されたポリエステルなどが挙げられる。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリカーボネート及びポリエステルカーボネートである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくはポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトンである。
本発明による難燃性ポリマー成型材料を、比較的高い温度において、射出成形(例えば、Aarburg Allrounderなどの射出成形機)、プレス成形、発泡射出成形、内ガス圧射出成形(internal gas pressure injection molding)、ブロー成形、発泡注型、カレンダリング、積層及びコーティングによって加工して難燃性ポリマー成形体とする、難燃性ポリマー成形体の製造方法が好ましい。
本発明の難燃性成形材料を、本発明よる溶融温度おいて加工してポリマー成形体とする、難燃性ポリマー成形体の製造方法が好ましい。
本発明において好ましい溶融温度は、
ポリスチレンの場合に200〜250℃、
ポリプロピレンの場合に200〜300℃、
ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合に250〜290℃、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合に230〜270℃、
ポリアミド 6 (PA6)の場合に260〜290℃、
ポリアミド 6.6 (PA 6.6)の場合に260〜290℃、
ポリカーボネートの場合に280〜320℃、
である。
更に本発明は、本発明の混合物及び/または本発明の難燃性ポリマー成形材料を含む、難燃性熱硬化性ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維にも関する。
該ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維中の熱硬化性ポリマーは、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂、ジシクロペンタジエンで変性した不飽和ポリエステル、ポリフェニレンエーテルまたはブタジエンポリマーを含む。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維中の熱硬化性ポリマーは、好ましくは、ポリブタジエンもしくはポリイソプレンブロック、及びスチレンもしくはアルファ-メチルスチレンのブロックを有するブロックコポリマーを含む。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維中の熱硬化性ポリマーは、好ましくは、ポリブタジエンの第一のブロックと、ポリエチレンまたはエチレン-プロピレンの第二のブロックを有するブロックコポリマーを含む。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維中の熱硬化性ポリマーはまた、好ましくは、ポリイソプレンの第一のブロックと、ポリエチレンまたはエチレン-プロピレンの第二のブロックを有するブロックコポリマーを含む。
上記ポリマー成形体、フィルム、フィラメント及び繊維中の熱硬化性ポリマーは、好ましくは、エポキシド化された植物油(エポキシド化ダイズ油/アマニ油)、アクリル酸誘導体(アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、メチルメタクリル酸)及びヒドロキシアルキルアクリレート及び/またはヒドロキシアルキルメタクリレート(ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート)に基づくものである。
熱硬化性成形材料を製造するための方法の一つでは、本発明の混合物を、
a) 他の/更に別のモノマーと反応させて難燃性ポリマーとするか、または
b) それら自体を重合させてホモポリマーとし、次いで押出、配合などによって従来技術に従いポリマーとブレンドするか、または
c) 他の/更に別のモノマーと反応させてコポリマーとし、次いで更に別のモノマーで架橋するか、または
d) 所定のコポリマー上にグラフトする。
結合は、好ましくは、本発明の混合物中の各々の化合物のオレフィン性基の反応によって為される。本発明では、各々の化合物のホスフィン酸基またはカルボキシル基を、ポリマーマトリックスの適当な官能基と縮合させることもできる。好ましい官能基はヒドロキシル基である。
更に本発明は、本発明の混合物を含む難燃性熱硬化性ポリマー成形材料にも関する。
熱硬化性ポリマーは、好ましくは、飽和もしくは不飽和多塩基性カルボン酸、特にジカルボン酸、またはこれの無水物と、多価アルコール及び架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)を含む。
UP樹脂は、開始剤(例えば過酸化物)及び促進剤を用いて遊離基重合によって硬化される。
不飽和ポリエステルは、ポリマー鎖中の連結員としてエステル基を含んでいてもよい。
上記ポリエステルの製造のための好ましい不飽和ジカルボン酸及びジカルボン酸誘導体は、マレイン酸、無水マレイン酸及びフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸である。
これらは、不飽和酸成分を基準にして200モル%までの量の少なくとも一種の脂肪族飽和もしくは環状脂肪族ジカルボン酸と混合することができる。
好ましい飽和ジカルボン酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、メチルグルタル酸及びピメリン酸である。
好ましい多価(特に二価)の場合によっては不飽和のアルコールは、非環式もしくは環式基を有する慣用のアルカンジオール及びオキサアルカンジオールである。
好ましい二価アルコールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、パーヒドロビスフェノール及び他のものである。
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びジプロピレングリコール、1,2-シクロヘキサンジオール、2,2-ビス(ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、マレイン酸ジアルキル、ビスオキシアルキル化ビスフェノールA、エトキシル化もしくはプロポキシル化ビスフェノールAが特に好ましい。
一価、三価または多価アルコールも付随的に使用することができる。このようなアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール及びテトラヒドロフルフリルアルコール、トリメチロールプロパン、エチルヘキサノール、脂肪アルコール、ベンジルアルコール、1,2-ジ(アリルオキシ)プロパン-3-オール、グリセロール及びペンタエリトリトール、炭素原子数3〜6の三価及び多価アルコールのモノ-、ジ-及びトリアリルエーテル及びベンジルエーテル、例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテルなどが挙げられる。またこれは、一塩基性の酸、例えば安息香酸またはアクリル酸を組み入れることによっても可能である。
不飽和ポリエステルと共重合可能な好ましい不飽和モノマーは、好ましくは、ビニル、ビニリデンまたはアリル基を有し、好ましくはスチレン、または例えばベンゼン核上でアルキル化もしくはアルケニル化されたスチレンであり、この際、そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を含むことができ、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アルファ-メチルスチレン、tert-ブチルスチレン; 炭素原子数2〜6のカルボン酸のビニルエステル、好ましくは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル; ビニルピリジン、ビニルナフタレン、ビニルシクロヘキサン、アクリル酸及びメタクリル酸及び/またはアルコール成分中に1〜4個の炭素原子を有するこれらのエステル(好ましくは、ビニル、アリル及びメタアリルエステル)、それらのアミド及びニトリル、無水マレイン酸、及びアルコール成分中に1〜4個の炭素原子を有するマレイン酸モノエステル及びジエステル、マレイン酸モノアミド及びジアミドまたは環状イミド、例えばブチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、N-メチルマレイミドまたはN-シクロヘキシルマレイミド; アリル化合物、例えばアリルベンゼン及びアリルエステル、例えば酢酸アリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、炭酸アリル、フタル酸ジアリル、炭酸ジアリル、リン酸トリアリル及びシアヌル酸トリアリルである。
架橋に好ましいビニル化合物はスチレンである。
好ましい不飽和ポリエステルは、側鎖基にもエステル基を有していてもよい。例えばポリアクリレート及びポリメタクリレートである。
好ましい架橋システムは、過酸化物及び促進剤である。
好ましい促進剤は、金属共開始剤及び芳香族アミン及び/または紫外線及び光増感剤、例えばベンゾインエーテルである。
好ましい過酸化物は、無機系及び/または有機系パーオキシ酸、ヒドロパーオキシド、オゾニド類、過酸化ジ-tert-ブチル、過オクタン酸tert-ブチル、過ピバル酸tert-ブチル、過-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、過マレイン酸tert-ブチル、過イソ酪酸tert-ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアセチル、過酸化スクシニル、過酸化p-クロロベンゾイル、ジシクロヘキシルパーオキソジカーボネート、過酸化アセチルアセトン、過酸化メチルエチルケトン類、過酸化シクロヘキサン類、ジクミルヒドロパーオキシド類、tert-ブチルヒドロパーオキシド類、クミルヒドロパーオキシド類、ピネンヒドロパーオキシド類、テルピネオールオゾニド類である。
開始剤は、好ましくは、全てのコモノマーの質量に対して計算して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%の量で使用される。
好ましい金属系共開始剤は、コバルト、マンガン、鉄、バナジウム、ニッケルまたは鉛化合物、例えばオクタン酸コバルト、ビス-2-エチルヘキサン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、バナジウムアセチルアセトネートである。
金属系共開始剤は、好ましくは、全てのコモノマーの質量に対して計算して0.05〜1重量%の量で使用される。
好ましい促進剤は、芳香族アミン類、例えばジメチルアニリン、ジメチル-p-トルエン、ジエチルアニリン、フェニルジエタノールアミン、エチルアミン、tert-ブチルアミン、ジエチルアニリン、ジメチル-p-トルイジンである。
好ましい促進剤は、アゾ系触媒、例えばアゾイソブチロニトリル、メルカプタン類、例えばラウリルメルカプタン、ビス(2-エチルヘキシル)スルフィド及びビス(2-メルカプトエチル)スルフィドである。
難燃性コポリマーを製造するための方法の一つは、(A)少なくとも一種のC4-C8-ジカルボン酸から誘導された少なくとも一種のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物、(B)少なくとも一種のビニル芳香族化合物、及び(C)少なくとも一種のポリオールを共重合し、そして(D)得られた生成物を本発明の混合物と反応させることを含む。
ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、水、飽和アルコール、場合によっては及び更に別の多塩基性酸を反応させることによって得られる、ジシクロペンタジエンで変性した不飽和ポリエステルを好ましく使用することができる。このポリエステルは、遊離基重合に付すことができるモノマー、例えばスチレンで架橋して、樹脂とする。
好ましい飽和アルコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,4-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-ブタンジオール、4,5-ノナンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールなどである。
好ましい多塩基性酸は、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3,3-ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などである。
ジシクロペンタジエンに対するマレイン酸のモル比は、好ましくは1.5よりも大きい。
ポリマーは、好ましくは、一方のアルデヒドと、他方のフェノール類、尿素またはメラミンから誘導される架橋されたポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
ポリマーは、好ましくは、乾性及び不乾性アルキド樹脂である。
ポリマーは、好ましくは、置換されたアクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導される架橋可能なアクリル樹脂である。
ポリマーは、好ましくは、メラミン樹脂で、尿素樹脂で、イソシアネートで、イソシアヌレートで、ポリイソシアネートでまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂である。
ポリマーは、好ましくは、脂肪族、環状脂肪族、複素環式または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂、例えば促進剤を用いてまたは用いずに酸無水物やアミンなどの慣用の硬化剤によって架橋されたビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの生成物である。
ポリマーは、好ましくは、上記のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMもしくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PU、PC/熱可塑性PU、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PCである。
好ましいポリフェニレンエーテルは、2,6-ジメチルフェノール(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)のホモポリマー、2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテルのスチレングラフトコポリマー、6-ジメチルフェノール及び2-メチル-6-フェニルフェニレンエーテルのコポリマー、及び2,6-ジメチルフェノール及び2,3,6-トリメチルフェノールのコポリマーである。
ポリフェニレンエーテルのための好ましい耐衝撃性改良剤は、エチレン、プロピレン、1-ブテン及び4-メチル-1-ペンテンなどのコモノマー、スチレン及びアルファ-メチルスチレンなどのアルケニル芳香族類、ブタジエン及びイソプレンなどの共役ジエン、及び酢酸ビニル、アクリル酸、アルキルアクリル酸、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及びアクリロニトリルなどのビニルカルボン酸及びこれらの誘導体である。
好ましい熱硬化性プラスチックは、シアネートエステル、シアネートエステル/ビスマレイミドコポリマー、ビスマレイミド−トリアジン−エポキシブレンド及びブタジエンポリマー、例えばブタジエン-スチレン-ジビニルベンゼングラフトターポリマー(Ricon RXBK 250シリーズ)からなる部類から選択されるポリマーである。
好ましいブタジエンポリマーは、炭素原子数8〜18の一種もしくはそれ以上のモノビニル置換芳香族炭化水素化合物70〜95重量%、及び炭素原子数4〜12の一種もしくはそれ以上の共役ジエン30〜5重量%、場合によっては及び架橋剤を含むブロックコポリマーである。
好ましいモノビニル置換芳香族炭化水素化合物は、スチレン、3-メチルスチレン、4-n-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-p-トリルスチレン、4-(4-フェニル-N-ブチル)スチレン、1-ビニルナフタロール及び2-ビニルナフタロールである。
好ましい共役ジエンは、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-オクタジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、エチルブタジエン、ピペリレン、3-ブチル-1,3-オクタジエン及びフェニル-1,3-ブタジエンである。
好ましい架橋剤は、ジビニルベンゼン、1,2,4-トリビニルベンゼン、1,3-ジビニルナフタレン、1,8-ジビニルナフタレン、1,3,5-トリビニルナフタレン、2,4-ジビニルビフェニル、3,5,4'-トリビニルビフェニル、1,2-ジビニル-3,4-ジメチルベンゼン、1,5,6-トリビニル-3,7-ジエチルナフタレン、1,3-ビニル-4,5-8-トリブチルナフタレン、2,2'-ジビニル-4-エチル-4'-プロピルビフェニルである。
誘電複合材料(dielectric composite material)における本発明の混合物の使用が好ましい。
好ましい誘電複合材料は、
熱硬化性ポリマー40〜60重量%、
無機粒状フィラー60〜40重量%、
ガラス強化材20〜60重量%、
本発明の混合物0.1〜20重量%、
を含む。
特に好ましい誘電複合材料は、
ブタジエン-スチレン-ジビニルベンゼングラフトターポリマー40〜60重量%、
無機粒状フィラー60〜40重量%、
ガラス強化材20〜60重量%、
本発明の混合物0.1〜20重量%、
を含む。
難燃性熱硬化性マトリックス中における本発明の混合物の使用が好ましい。
好ましい難燃性熱硬化性マトリックスは、
樹脂システム25〜50重量%、
ガラス強化材10〜40重量%、
フィラー5〜50重量%、
本発明の混合物0.1〜20重量%、
を含む。
本発明の混合物は、好ましくは、ポリブタジエンもしくはポリイソプレン樹脂、またはこれらと(架橋に関与することができる)不飽和ブタジエン-もしくはイソプレン-含有ポリマーとの混合物を含む樹脂システムにも使用される。
好ましいポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂の一つは、(R)B3000樹脂(Nippon Soda製)である。
好ましい不飽和ブタジエン-もしくはイソプレン-含有ポリマーは、例えば、少なくとも50%の1,2-付加を有するポリブタジエンもしくはポリイソプレンブロックと、スチレンもしくはアルファ-メチルスチレンを含む熱可塑性ブロックとを有するグラフトブロックコポリマー、例えば(R)Kraton DX1300(Shell Chem. Corp)である。
好ましい不飽和ブタジエンもしくはイソプレン-含有ポリマーは、例えば、ポリブタジエンの第一のブロックと、ポリエチレンもしくはエチレン-プロピレンの第二のブロックを有するグラフトブロックコポリマー、例えばRKraton GX1855 (Shell Chem. Corp)である。
好ましい不飽和ブタジエン-もしくはイソプレン-含有ポリマーは、例えば、ポリイソプレンの第一のブロック及びポリエチレンもしくはエチレン-プロピレンの第二のブロックを有するグラフトブロックコポリマーである。
好ましくは、全ポリマー含有量を基準にして1〜50重量%の量の他の共硬化可能な(cocurable)コポリマーを加えることができる。このようなコポリマーとしては、例えばブタジエンもしくはイソプレンとスチレン、アルファ-メチルスチレン、アクリレートもしくはメタクリレート、アクリロニトリルモノマーとのコポリマー、エチレンのポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー及びエチレン-プロピレン-ジアミンターポリマー、エチレン-エチレンオキシドコポリマー、天然ゴム、ノルボルネンポリマー、例えばポリシクロペンタジエン、水素化スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー及びブタジエン-アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
本発明の混合物に好ましく使用することができる添加剤は、従来技術による共難燃剤、熱安定剤、耐衝撃性改良剤/加工助剤、潤滑剤、光安定剤、アンチドリップ剤、相溶化剤、フィラー、強化材、成核剤、レーザーマーキングのための添加剤、加水分解安定剤、連鎖延長剤、有色顔料、軟化剤及び可塑化剤である。
難燃性熱硬化性成形材料を製造するための方法は、熱硬化性樹脂を、本発明の混合物または難燃剤組成物と混合し、そして得られた混合物を、濡れた状態で3〜10barの圧力及び20〜60℃の温度でプレス(冷間プレス)することを含む。
難燃性熱硬化性成形材料を製造するための更に別の方法の一つは、熱硬化性樹脂を本発明の混合物または難燃性組成物と混合し、そして得られた混合物を、濡れた状態で3〜10barの圧力及び80〜150℃の温度でプレス(熱間もしくはホットプレス)することを含む。
天然由来のもの、すなわちエポキシド化された植物油(エポキシド化されたダイズ/アマニ油)、アクリル酸誘導体(アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、メチルメタクリル酸)及びヒドロキシアルキルアクリレート及び/またはヒドロキシアルキルメタクリレート(ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート)に基づくものも特に好ましい熱硬化性プラスチックである。
難燃性熱硬化性成形体の好ましい用途は、電気スイッチ部品、自動車構造物の部材、電気工学、電子機器、回路基板、プレプレグ、電子部品用注封材料、ボート及びローターのブレード構造物、屋外用GFR製品、家庭及び衛生用品、並びにエンジニアリング材料である。
本発明を以下の例によって説明する。これらの例では、以下の物質を使用する。
HEMA ヒドロキシエチルメタクリレート
HPMA ヒドロキシプロピルメタクリレート
HBMA ヒドロキシブチルメタクリレート
PEGMA ポリエチレングリコールメタクリレート
HEA 2-ヒドロキシエチルアクリレート
AAL アリルアルコール
MAL イソブテノール
OAL オレイルアルコール
Oxa オキサホスホラン、(R)Exolit PE110
これらの例では、本発明の混合物は、本発明の反応性難燃剤とも称する。
例1
先ず、49.3gのHEMAを、温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、そして130℃の50.8gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて50℃に温度調節する。本発明の反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。この反応性難燃剤は、25のハーゼン数を有する。
例2(比較例)
先ず、49.3gのHEMA及び50.8gのOxa粉末(平均粒径3mm)を、温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入する。この反応溶液を、恒温槽を用いて60℃に温度調節する。全ての固形物が溶解するまで4時間要する。得られた反応性難燃剤は、(望ましくなく高い)105のハーゼン数を有し、これは、かなり望ましくない副反応を意味する。
例3(比較例)
以下に示す組成、すなわち80モル%(79重量%相当)のCH2=C(CH3)-CO2-CH2CH2O2C-CH2CH2PO(OH)C6H5及び20モル%(21重量%相当)のCH2=C(CH3)-CO2-CH2CH2O2C-CH2CH2PO(OCH3)C6H5の組成を有するリン含有エチレン性不飽和モノマーを、特開平9-124668号に従い得る。
例4
例1と同様にして、先ず、51.8gのHPMAを導入し、そして130℃の48.2gのOxa溶融物を0.04時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて90℃に温度調節する。本発明による反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例5
例1と同様にして、先ず、54.1gのHBMAを導入し、そして130℃の45.9gのOxa溶融物を1時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて30℃に温度調節する。本発明による反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例6
例1と同様にして、先ず、72.9gのPEGMAを導入し、そして130℃の27.1gのOxa溶融物を0.2時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて60℃に温度調節する。本発明による反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例7
例1と同様にして、先ず、46.4gのHEAを導入し、そして130℃の53.6gのOxa溶融物を0.3時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて60℃に温度調節する。本発明の反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例8
例1と同様にして、先ず、30.2gのAALを導入し、そして130℃の69.8gのOxa溶融物を0.3時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて60℃に温度調節する。本発明による反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例9
例1と同様にして、先ず、35gのMALを導入し、そして130℃の65gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を恒温槽を用いて50℃に温度調節する。本発明による反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例10
例1と同様にして、先ず、66.7gのMALを導入し、そして130℃の33gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を恒温槽を用いて60℃に温度調節する。本発明の反応性難燃剤が得られる。その分析データは表1に示す。
例11
先ず、51.6gのHEMAを温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、そして130℃の48.4gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を恒温槽を用いて50℃に温度調節する。本発明の難燃剤組成物が得られる。その分析データは表2に示す。
例12
先ず、74.4gのHEMAを、温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、そして130℃の25.6gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて50℃に温度調節する。本発明の難燃剤組成物が得られる。その分析データは表2に示す。
例13
先ず、56.4gのHPMAを、温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、そして130℃の25.6gのOxa溶融物を0.04時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて90℃に温度調節する。本発明の難燃剤組成物が得られる。その分析データは表2に示す。
例14
先ず、49.5gのMALを、温度計、滴下漏斗、KPG攪拌機及びジャケット付きコイル冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、そして130℃の50.6gのOxa溶融物を0.1時間かけて計量添加する。この反応溶液を、恒温槽を用いて50℃に温度調節する。本発明の難燃剤組成物が得られる。その分析データは表2に示す。
例15
先ず、例1の反応性難燃剤13.3gを導入し、そして更にメチルメタクリレート120g及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)60mgを加えた。次いで、室温で10分間攪拌した。この混合物を、二つのガラスプレートの間に導入し、そして60℃で48時間重合する。その後、これらのガラスプレートを、乾燥炉中で転化率がほぼ100%になるまで100℃で3時間充分に重合する。これらのガラスプレートを取り外し、そして得られた透明なシート(厚さ3.2mm)を、それぞれ幅12.7mm及び長さ10cmのストリップ状物にカットする。これらの試験片は、表3に記載の難燃剤含有率を有し、そして表3に記載のLOIを達成する。
例16(比較例)
例15と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製し、そしてこの試験片のLOIを測定した。難燃剤含有率及びLOIは表3に示す。
例17
415重量部の無水マレイン酸、419重量部の無水フタル酸、774重量部のネオペンチルグリコール、及び159重量部のn-テトラデカノールを重縮合に付すことによって、不飽和ポリエステル樹脂を製造した。更に、例4の反応性難燃剤654部を加える。60重量部の上記ポリエステルを、40重量部のビニルバーサテート-10中に溶解した。フタル酸ジオクチル中のオクタン酸コバルトの溶液0.25ml(Co 1重量%)、及びフタル酸ジメチル中の過酸化メチルエチルケトンの50%濃度溶液1mlを、25gの上記樹脂に加える。層厚3mmのシートを注型(cast)し、そして試験片を適当な大きさにカットする。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例18(比較例)
例17と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製する。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例19
100重量部の予備促進されたジシクロペンタジエニル樹脂(Norpol 507-504)、37重量部の例9の反応性難燃剤、2重量部の過酸化物硬化剤(Butanox M 50)、及び0.5重量部の促進剤(ビス(2-エチルヘキサン酸)コバルト-(II))、NL 49P)を均質化し、そして厚さ3mmのシートを注型し、次いでカットして試験片とする。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例20(比較例)
例19と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製する。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例21
1:1のモル比の無水マレイン酸及び1,2-プロピレングリコールから製造し、そしてスチレン中に溶解して65%濃度の溶液とし及び120ppmのヒドロキノンで安定化したポリエステル樹脂溶液60重量部と、100ppmのヒドロキノン及び1200ppmの2,6-ジメチルキノンで安定化した、スチレン中のポリメチルメタクリレートの36%濃度溶液40重量部とを、水酸化マグネシウム3重量部、過安息香酸tert-ブチル(フタル酸ジオクチル中50%濃度)3部、フタル酸ジオクチル中のオクタン酸コバルトの溶液2重量部(Co 1重量%)、チョーク150重量部、ステアリン酸亜鉛4.5重量部及び例7の反応性難燃剤32.9重量部と共に使用した。
長さ約2.6cmのカットロービングからなるガラス繊維マット96部を、この樹脂溶液で浸漬し、そして増粘のために23℃で14日間、ポリエチレンフィルムの間に入れて置いた。これらのカバーフィルムを剥がし取り、その増粘化された成形材料を、磨いたスチール製の型中で、145℃の温度及び7.45N/mm2の圧力で3分間プレスした。得られた試験片を適当な大きさにカットした。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例22(比較例)
例21と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製する。難燃剤含有率及び達成されたLOIを表3に示す。
例23
60重量部のアリール化したポリフェニレンエーテル、46重量部のトリアリルイソシアヌレート、25重量部の例1の反応性難燃剤、15重量部のHU-119(シリコーン、Dow Corning Toray Silicone、Inc.)、及びトルエン中に溶解した4重量部の促進剤(RPar butyl P、Nippon Oil & Fats Co. Ltd.)から樹脂を製造した。この樹脂でガラス布を浸漬することによって50%の割合で樹脂を含む100μm厚のプレプレグを作製した。これらのプレプレグの8枚を積み重ねた。その底面及び上面に35μm厚の銅箔を加え、そしてこの積層物を、4MPaの圧力及び170℃で100分間、ホットプレスした。1mm厚のラミネートが得られた。試験片を適当な大きさにカットする。難燃剤含有率、達成されたTg及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
例24
例23と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製した。難燃剤含有率、達成されたTg及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
例25
1kgのRicon XBK 250スチレン-ブタジエン-ジビニルベンゼンターポリマー(Ricon Resins、Inc.、Grand Junction, CO)を1kgのトルエン中に溶解し、そして300μmの篩に通して不純物を濾別する。トルエン100g中に溶解した過酸化ジクミル45gの溶液をこの溶液に計量添加する。1kgの合成ケイ酸アルミニウムマグネシウム(INCOR Corporation, HC-II, 400 μm)及び1150gの例4の本発明による反応性難燃剤をゆっくりと混入する。加えて、この混合物の均質化を容易にするために600gのトルエンを加える。この溶液の固形物含有率は50〜60%である。この混合物を、50μm篩に通してもう一度濾過する。組成がガラス布20重量%、ポリマー40%及びフィラー40%となるように、E−ガラス布をこの溶液でコーティングする。このコーティングされた布帛を300℃で硬化する。六枚の層及び銅箔層をプレスしてラミネートを得る。試験片を適当な大きさにカットする。難燃剤含有率及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
例26
例25と同様にして、例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製する。難燃剤含有率及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
例27
14.6重量部のB3000樹脂(Nippon Soda)、3.8重量部のクラトンラバー(Kraton rubber, Shell Chemicals)、0.6重量部のLuperox 500R(Elf Atochem)、51重量部のAerosil 200熱分解法シリカ(Degussa)(0.5重量部のA176シラン(OSi)でコーティングされたもの)及び7.4重量部の例8の反応性難燃剤を均質に混合してスラリーを得る。ガラス布をこのスラリーで浸漬してプレプレグを作製する。5枚のプレプレグを、1枚もしくは2枚の銅泊の層と165〜218℃でプレスしてシートを得る。試験片を適当な大きさにカットする。難燃剤含有率及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
例28
例27と同様にして例3の反応性難燃剤を用いて試験片を作製する。難燃剤含有率及び達成されたUL−94クラスは表3に示す。
表1:難燃剤
Figure 0005276274
表2:難燃剤組成物
Figure 0005276274
表3:難燃性ポリマー成形体のデータ
Figure 0005276274
1GHzで測定した誘電損率
UL−94クラス:アンダーライターラボラトリーズ(Underwriter Laboratories)の方法による。
LOI 極限酸素指数
Tg ガラス転移温度
FPA:難燃剤

Claims (14)

  1. 次式
    (I) RO−PO(A)−CH−CH−COH、及び
    (II) HO−PO(A)−CH−CH−CO
    [式中、
    Aは、 −C −アルキルまたはアリールであり、
    Rは、(D,E)C=C(B,R )であり、
    B、D、Eは、同一かまたは異なり、それぞれHまたはメチルであり、
    は、−CO−オキシエチレン、−CO−オキシプロピレン、−CO−オキシブチレン及び−CO−ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位数は2〜20)である
    で表される化合物を含み、かつ式(I)の化合物99.9〜20重量%及び式(II)の化合物0.1〜80重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である、混合物。
  2. 次式
    (I) RO−P(=O)(A)−CH−CH−COH、及び
    (II) H−OP(=O)(A)−CH−CH−CO−R
    [式中、
    Aは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
    は、−CO−オキシエチレン−(−CO−O−CH−CH−)または−CO−オキシプロピレン−(−CO−O−C−)である]
    で表される化合物を含む、請求項1の混合物。
  3. 次式
    (I) RO−PO(A)−CH−CH−COH、及び
    (II) HO−PO(A)−CH−CH−CO
    [式中、
    Aは、 −C −アルキルまたはアリールであり
    Rは、(D,E)C=C(B,R )であり、
    B、D、Eは、同一かまたは異なり、それぞれHまたはメチルであり、そして
    は、−CO−オキシエチレン、−CO−オキシプロピレン、−CO−オキシブチレン及び−CO−ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位数は2〜20)である
    で表される化合物を含み、かつ式(I)の化合物99.9〜20重量%及び式(II)の化合物0.1〜80重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である混合物の製造方法であって、オキサホスホランを次式(IV)
    (D,E)C=C(B)−R −OH (IV)
    [式中、B、D、E及びR は上に定義した通りである]
    で表されるオレフィン成分と反応させる、上記方法。
  4. 難燃剤としてのまたは難燃剤組成物の製造のための、請求項1または2の混合物の使用。
  5. 請求項1または2の混合物99.9〜40重量%及び次式(IV)
    (D,E)C=C(B)−R −OH (IV)
    [式中、B、D、E及びR は上に定義した通りである]
    で表されるオレフィン成分0.1〜60重量%を含む難燃剤組成物。
  6. 請求項1または2の混合物0.5〜50重量%、熱可塑性ポリマーもしくはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0〜60重量%、及びフィラー0〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である、難燃性ポリマー成形材料。
  7. 熱可塑性ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートであるか、あるいはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)の種のブレンドもしくはポリマーブレンドである、請求項6の難燃性ポリマー成形材料。
  8. 0.5〜50重量%の割合で請求項1または2に記載の混合物、または請求項6もしくは7の難燃性ポリマー成形材料を含む、ポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  9. ポリマーが熱可塑性または熱硬化性ポリマーである、請求項8のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  10. 熱可塑性ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートであるか、あるいはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)もしくはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)の種のブレンドまたはポリマーブレンド、ポリアミド、ポリエステル及び/またはABSである、請求項8または9のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  11. 熱硬化性ポリマーが、ホルムアルデヒド−、エポキシ−またはメラミン−フェノール樹脂ポリマー及び/またはポリウレタンである、請求項8または9のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  12. 請求項1または2に記載の混合物0.5〜50重量%、ポリマーもしくはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0〜60重量%、及びフィラー0〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である、請求項8〜11のいずれか一つのポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  13. 請求項1または2の混合物1〜40重量%、熱硬化性ポリマーもしくはこれらの混合物1〜99重量%、添加剤0.5〜60重量%、及びフィラー及び/または強化材0.5〜60重量%を含み、この際、これらの成分の合計は常に100重量%である、請求項8〜11のいずれか一つのポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
  14. 電気スイッチ部品、自動車構造物の部材、電気工学、電子機器、回路基板、プレプレグ、電子部品用注封材料、ボート及びローターのブレード構造物、屋外用GFR製品、家庭及び衛生用品、エンジニアリング材料、及び他の製品に使用される、請求項13のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維。
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